JP2696424B2 - R(‐)―マンデル酸の製造法 - Google Patents
R(‐)―マンデル酸の製造法Info
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- JP2696424B2 JP2696424B2 JP2214914A JP21491490A JP2696424B2 JP 2696424 B2 JP2696424 B2 JP 2696424B2 JP 2214914 A JP2214914 A JP 2214914A JP 21491490 A JP21491490 A JP 21491490A JP 2696424 B2 JP2696424 B2 JP 2696424B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はR(−)−マンデル酸の製造法に関する。更
に詳しくは、R,S−マンデロニトリルに対して不斉加水
分解能を有する微生物を用いて、R(−)−マンデル酸
を製造する方法に関する。R(−)−マンデル酸は、セ
フェム系抗生物質の合成原料として、また、多種の医農
薬品の合成原料として工業的に重要である。
に詳しくは、R,S−マンデロニトリルに対して不斉加水
分解能を有する微生物を用いて、R(−)−マンデル酸
を製造する方法に関する。R(−)−マンデル酸は、セ
フェム系抗生物質の合成原料として、また、多種の医農
薬品の合成原料として工業的に重要である。
〔従来の技術とその問題点〕 R(−)−マンデル酸の製造法として公知のものに化
学的に合成したR,S−マンデル酸(ラセミ体)を(1)
分別結晶によるラセミ分割(特開昭58−177933号公報参
照)、(2)クロマトグラフィーによるラセミ分割(EP
98707号公報参照)、(3)ラセミ体エステルと成し酵
素的不斉加水分解によるラセミ分割〔K.Mori et al.,Te
trahedron 36,91(1980)参照〕するなどのラセミ分割
法、(4)キラル試薬を用いた化学的不斉合成法〔D.A.
Evans et al.,J.Am.Chem.Soc.107,4346(1985)参照〕
などが有る。また、生物学的方法としては、上記のエス
テル不斉加水分解法のほかに、(5)ベンゾイルギ酸の
微生物的不斉還元法(特開昭57−198096号公報参照)、
(6)D−オキシニトリラーゼにより不斉合成したR
(−)−マンデロニトリルの加水分解(特開昭63−2193
88号公報参照)、(7)アルカリゲネス属、シュウドモ
ナス属、ロドシュウドモナス属、コリネバクテリウム
属、アシネトバクター属、バチルス属、マイコバクテリ
ウム属、ロドコッカス属またはキャンディダ属の微生物
によるラセミ体のマンデロニトリルまたはマンデルアミ
ドの不斉加水分解によるR(−)−マンデル酸の製造法
(特開平2−84198号公報参照)などが知られている。
学的に合成したR,S−マンデル酸(ラセミ体)を(1)
分別結晶によるラセミ分割(特開昭58−177933号公報参
照)、(2)クロマトグラフィーによるラセミ分割(EP
98707号公報参照)、(3)ラセミ体エステルと成し酵
素的不斉加水分解によるラセミ分割〔K.Mori et al.,Te
trahedron 36,91(1980)参照〕するなどのラセミ分割
法、(4)キラル試薬を用いた化学的不斉合成法〔D.A.
Evans et al.,J.Am.Chem.Soc.107,4346(1985)参照〕
などが有る。また、生物学的方法としては、上記のエス
テル不斉加水分解法のほかに、(5)ベンゾイルギ酸の
微生物的不斉還元法(特開昭57−198096号公報参照)、
(6)D−オキシニトリラーゼにより不斉合成したR
(−)−マンデロニトリルの加水分解(特開昭63−2193
88号公報参照)、(7)アルカリゲネス属、シュウドモ
ナス属、ロドシュウドモナス属、コリネバクテリウム
属、アシネトバクター属、バチルス属、マイコバクテリ
ウム属、ロドコッカス属またはキャンディダ属の微生物
によるラセミ体のマンデロニトリルまたはマンデルアミ
ドの不斉加水分解によるR(−)−マンデル酸の製造法
(特開平2−84198号公報参照)などが知られている。
しかし、ラセミ分割による方法はいずれの方法におい
てもプロセスの複雑化と各段階での収率の低下を引き起
こすこと、キラル試薬を触媒とした不斉合成法ではキラ
ル試薬が高価である上に高い光学純度の生成物が得にく
いという問題がある。生物学的方法であるベンゾイルギ
酸の不斉還元法においては基質の合成とNADH再成系の維
持に難点が有り、またD−オキシニトリラーゼ法は未だ
充分な工業化研究が行なわれていない。ラセミ体のマン
デロニトリルまたはマンデルアミドからのR(−)−マ
ンデル酸の生産に関しては、ラセミ体の原料から直接優
位量の光学活性体を得るものではなく、残存する他方の
光学活性を有する未反応のニトリルもしくはアミドは回
収され酸を用いた加水分解により他方の光学活性な有機
酸に変換されるか、アルカリ処理によりラセミ体となし
再び原料として使用され、R(−)−マンデル酸の生産
に利用されている。この方法においても残存する他方の
光学活性なマンデロニトリルまたはマンデルアミドの分
離とアルカリ処理によるラセミ化反応のプロセスは複雑
となり、収率の低下も引き起こされることになる。
てもプロセスの複雑化と各段階での収率の低下を引き起
こすこと、キラル試薬を触媒とした不斉合成法ではキラ
ル試薬が高価である上に高い光学純度の生成物が得にく
いという問題がある。生物学的方法であるベンゾイルギ
酸の不斉還元法においては基質の合成とNADH再成系の維
持に難点が有り、またD−オキシニトリラーゼ法は未だ
充分な工業化研究が行なわれていない。ラセミ体のマン
デロニトリルまたはマンデルアミドからのR(−)−マ
ンデル酸の生産に関しては、ラセミ体の原料から直接優
位量の光学活性体を得るものではなく、残存する他方の
光学活性を有する未反応のニトリルもしくはアミドは回
収され酸を用いた加水分解により他方の光学活性な有機
酸に変換されるか、アルカリ処理によりラセミ体となし
再び原料として使用され、R(−)−マンデル酸の生産
に利用されている。この方法においても残存する他方の
光学活性なマンデロニトリルまたはマンデルアミドの分
離とアルカリ処理によるラセミ化反応のプロセスは複雑
となり、収率の低下も引き起こされることになる。
このように従来の方法は種々の問題点を含み、いずれ
も工業的に有利なR(−)−マンデル酸の製造法とはな
り難い。
も工業的に有利なR(−)−マンデル酸の製造法とはな
り難い。
本発明者らはR,S−マンデロニトリルまたはベンズア
ルデヒドと青酸を原料とし、R(−)−マンデル酸を工
業的に有利に製造する方法の開発を目的として検討を進
めた結果、先に、シュードモナス(Pseudomonas)属、
アルカリゲネス(Alcaligenes)属、アシネトバクター
(Acinetobacter)属またはカセオバクター(Caseobact
er)属等の微生物を用いて、中性付近ないし塩基性の水
性媒体中で、R,S−マンデロニトリルまたはベンズアル
デヒドと青酸からほぼ化学量論的にR(−)−マンデル
酸を生成し得ることを見出し特許出願した(特願平2−
80694号明細書参照)。その後、さらにマンデロニトリ
ルの不斉加水分解活性を有する優れた微生物の探索を進
めた結果、ノカルディア(Nocardia)属、ブレビバクテ
リウム(Brevibacterium)属またはオーレオバクテリウ
ム(Aureobacterium)属に属する微生物を用いても上記
同様な効果が得られることを見出し本発明を完成した。
ルデヒドと青酸を原料とし、R(−)−マンデル酸を工
業的に有利に製造する方法の開発を目的として検討を進
めた結果、先に、シュードモナス(Pseudomonas)属、
アルカリゲネス(Alcaligenes)属、アシネトバクター
(Acinetobacter)属またはカセオバクター(Caseobact
er)属等の微生物を用いて、中性付近ないし塩基性の水
性媒体中で、R,S−マンデロニトリルまたはベンズアル
デヒドと青酸からほぼ化学量論的にR(−)−マンデル
酸を生成し得ることを見出し特許出願した(特願平2−
80694号明細書参照)。その後、さらにマンデロニトリ
ルの不斉加水分解活性を有する優れた微生物の探索を進
めた結果、ノカルディア(Nocardia)属、ブレビバクテ
リウム(Brevibacterium)属またはオーレオバクテリウ
ム(Aureobacterium)属に属する微生物を用いても上記
同様な効果が得られることを見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明は、ノカルディア(Nocardia)属、
バチルス(Bacillus)属、ブレビバクテリウム(Brevib
acterium)属またはオーレオバクテリウム(Aureobacte
rium)属に属し、R,S−マンデロニトリルのニトリル基
を立体選択的に加水分解する能力を有する微生物または
該処理物を、中性付近ないし塩基性の水性媒体中でR,S
−マンデロニトリルまたはベンズアルデヒドと青酸の混
合物に作用させることにより、原料のR,S−マンデロニ
トリルまたはベンズアルデヒドと青酸から直接優位量の
R(−)−マンデル酸を生成せしめることを特徴とする
R(−)−マンデル酸の製造法、である。
バチルス(Bacillus)属、ブレビバクテリウム(Brevib
acterium)属またはオーレオバクテリウム(Aureobacte
rium)属に属し、R,S−マンデロニトリルのニトリル基
を立体選択的に加水分解する能力を有する微生物または
該処理物を、中性付近ないし塩基性の水性媒体中でR,S
−マンデロニトリルまたはベンズアルデヒドと青酸の混
合物に作用させることにより、原料のR,S−マンデロニ
トリルまたはベンズアルデヒドと青酸から直接優位量の
R(−)−マンデル酸を生成せしめることを特徴とする
R(−)−マンデル酸の製造法、である。
上記したところを要旨とする本発明は、R,S−マンデ
ロニトリルが、中性付近ないしは塩基性の水性媒体中
で、ベンズアルデヒドと青酸との間で解離平衡すること
によりマンデロニトリルが容易にラセミ化するという性
質を利用し、このラセミ化反応の系とマンデロニトリル
の不斉加水分解活性を有する微生物とを共役させること
により、R,S−マンデロニトリルを直接R−体優位にR
(−)−マンデル酸に変換し得るとの本発明者らにより
見出された知見に基づくものである。
ロニトリルが、中性付近ないしは塩基性の水性媒体中
で、ベンズアルデヒドと青酸との間で解離平衡すること
によりマンデロニトリルが容易にラセミ化するという性
質を利用し、このラセミ化反応の系とマンデロニトリル
の不斉加水分解活性を有する微生物とを共役させること
により、R,S−マンデロニトリルを直接R−体優位にR
(−)−マンデル酸に変換し得るとの本発明者らにより
見出された知見に基づくものである。
本発明で使用する微生物は、例えば、ノカルディア
アステロイデス(Nocardia asteroides)IFO 3384、バ
チルス サブチリス(Bacillus subtilis)ATCC 2169
7、ブレビバクテリウム アセチリカム(Brevibacteriu
m acetylicum)IAM 1790およびオ−レオバクテリウム
テスタセウム(Aureobacterium testaceum)IAM 1561が
挙げられ、またこれらの変異株を用いることもできる。
アステロイデス(Nocardia asteroides)IFO 3384、バ
チルス サブチリス(Bacillus subtilis)ATCC 2169
7、ブレビバクテリウム アセチリカム(Brevibacteriu
m acetylicum)IAM 1790およびオ−レオバクテリウム
テスタセウム(Aureobacterium testaceum)IAM 1561が
挙げられ、またこれらの変異株を用いることもできる。
これらの微生物はいずれも公知であり、財団法人 醗
酵研究所(IFO)、アメリカン タイプカルチャー コ
レクション(ATCC)または東京大学応用微生物研究所
(IAM)から容易に入手することができる。
酵研究所(IFO)、アメリカン タイプカルチャー コ
レクション(ATCC)または東京大学応用微生物研究所
(IAM)から容易に入手することができる。
次に本発明の実施態様について説明する。
本発明に使用される微生物の培養は資化し得るグリセ
ロール、グルコース、サッカロースなどの炭素源、尿
素、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウムなどの窒素
源、微生物の生育に必須の塩化マグネシウム、塩化カル
シウム、塩化鉄などの無機栄養素などを含有した通常の
培地を用いて行なわれる。またこれらの培地に酵母エキ
ス、肉エキス、糖蜜などの天然培地を添加したものも使
用することができる。
ロール、グルコース、サッカロースなどの炭素源、尿
素、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウムなどの窒素
源、微生物の生育に必須の塩化マグネシウム、塩化カル
シウム、塩化鉄などの無機栄養素などを含有した通常の
培地を用いて行なわれる。またこれらの培地に酵母エキ
ス、肉エキス、糖蜜などの天然培地を添加したものも使
用することができる。
培養初期または中期に生育を大きく阻害しない濃度の
ケイ皮酸ニトリル、ベンジルシアニド、イソブチロニト
リル、ベンゾニトリル、1−シクロヘキセニルアセトニ
トリル、β−フェニルプロピオニトリル、4−シアノピ
リジン、フェニルスルフォニルアセトニトリル、γ−ブ
チロニトリルなどのニトリル類またはイソブチルアミ
ド、4−ピリジンカルボン酸アミド、フェニルアセトア
ミドなどのアミド類を酵素誘導物質として添加すること
により高い酵素活性が得られる。
ケイ皮酸ニトリル、ベンジルシアニド、イソブチロニト
リル、ベンゾニトリル、1−シクロヘキセニルアセトニ
トリル、β−フェニルプロピオニトリル、4−シアノピ
リジン、フェニルスルフォニルアセトニトリル、γ−ブ
チロニトリルなどのニトリル類またはイソブチルアミ
ド、4−ピリジンカルボン酸アミド、フェニルアセトア
ミドなどのアミド類を酵素誘導物質として添加すること
により高い酵素活性が得られる。
使用する培地のpHは4〜10、培養温度は5〜50℃の範
囲で選べばよく、培養は1〜14日程度、好気的に行ない
活性が最大となるまで継続すればよい。
囲で選べばよく、培養は1〜14日程度、好気的に行ない
活性が最大となるまで継続すればよい。
R,S−マンデル酸の不斉加水分解反応は、上記の方法
にて培養した微生物の菌体または菌体処理物(菌体の破
砕物、粗・精製酵素、固定化菌体・酵素等)を、水また
は緩衝液等の水性媒体中で、マンデロニトリルまたはベ
ンズアルデヒドと青酸の混合物に接触させることによっ
て行われる。
にて培養した微生物の菌体または菌体処理物(菌体の破
砕物、粗・精製酵素、固定化菌体・酵素等)を、水また
は緩衝液等の水性媒体中で、マンデロニトリルまたはベ
ンズアルデヒドと青酸の混合物に接触させることによっ
て行われる。
本発明においては、前述のようにマンデロニトリルを
ラセミ化するために、反応系を中性付近ないしは塩基性
に保つことが必須であり、pHを4〜11、好ましくは6〜
10に調整する。その他、本発明における反応条件は、ベ
ンズアルデヒドや青酸に対する酵素の感受性により一概
に特定し得ないが、通常反応液中のマンデロニトリル
は、0.1〜2.0重量%、好ましくは0.2〜1.0重量%、ベン
ズアルデヒドは0.1〜1.0重量%、好ましくは0.1〜0.5重
量%、青酸は0.1〜0.5重量%、好ましくは0.1〜0.2重量
%であり、マンデロニトリルに対する微生物等の使用量
は、乾燥菌体として0.01〜5.0重量%、反応温度は0〜5
0℃、好ましくは10〜30℃で0.1〜24時間反応させればよ
い。
ラセミ化するために、反応系を中性付近ないしは塩基性
に保つことが必須であり、pHを4〜11、好ましくは6〜
10に調整する。その他、本発明における反応条件は、ベ
ンズアルデヒドや青酸に対する酵素の感受性により一概
に特定し得ないが、通常反応液中のマンデロニトリル
は、0.1〜2.0重量%、好ましくは0.2〜1.0重量%、ベン
ズアルデヒドは0.1〜1.0重量%、好ましくは0.1〜0.5重
量%、青酸は0.1〜0.5重量%、好ましくは0.1〜0.2重量
%であり、マンデロニトリルに対する微生物等の使用量
は、乾燥菌体として0.01〜5.0重量%、反応温度は0〜5
0℃、好ましくは10〜30℃で0.1〜24時間反応させればよ
い。
かくして、R,S−マンデロニトリルまたはベンズアル
デヒドと青酸は水性媒体中で起こるラセミ化反応とニト
リルの不斉加水分解反応との共役により高収率で光学活
性なR(−)−マンデル酸に変換され蓄積される。生成
物の単離は、濃縮、イオン交換、電気透析、抽出、晶析
などの公知の方法を利用して行うことができる。
デヒドと青酸は水性媒体中で起こるラセミ化反応とニト
リルの不斉加水分解反応との共役により高収率で光学活
性なR(−)−マンデル酸に変換され蓄積される。生成
物の単離は、濃縮、イオン交換、電気透析、抽出、晶析
などの公知の方法を利用して行うことができる。
本発明によれば、ラセミ体のR,S−マンデロニトリル
またはベンズアルデヒドと青酸から直接優位量(50〜10
0%)のR(−)−マンデル酸が製造でき、化学量論的
に全ての原料をR(−)−マンデル酸に変換することも
可能であり、極めて効率のよいR(−)−マンデル酸の
製造法を提供し得る。
またはベンズアルデヒドと青酸から直接優位量(50〜10
0%)のR(−)−マンデル酸が製造でき、化学量論的
に全ての原料をR(−)−マンデル酸に変換することも
可能であり、極めて効率のよいR(−)−マンデル酸の
製造法を提供し得る。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1および比較例1 (1)培養 表1に示す微生物を下記の条件で培養した。
i)培地 グリセロール 0.5 %(w/v) 酵母エキス 0.02 %(w/v) リン酸一カリウム 0.68 %(w/v) リン酸二ナトリウム 0.71 %(w/v) 硫酸ナトリウム 0.28 %(w/v) 塩化マグネシウム 0.04 %(w/v) 塩化カルシウム 0.004%(w/v) 硫酸マンガン 4×10-4%(w/v) 塩化鉄 6×10-5%(w/v) 硫酸亜鉛 3×10-5%(w/v) 寒天 1.8 %(w/v) ベンジルシアニド 0.05%(w/v) pH 7.5 ii)培養条件 斜面培地から1白金耳の菌体を採り、上記平板培地上
に塗布し、30℃で72時間好気条件下で培養した。
に塗布し、30℃で72時間好気条件下で培養した。
(2)R,S−マンデロニトリルからのR(−)−マンデ
ル酸の生産 平板培地から菌体を採取し遠心分離により各々の菌体
を50mMリン酸緩衝液(pH 7.5)で3回洗浄した。沈殿菌
体を1.5mlの同様の緩衝液に再懸濁し、終濃度14mMのラ
セミ体のマンデロニトリルを添加し30℃で24時間振盪し
ながら反応を行った。反応終了後、各々の反応液を遠心
分離し菌体を除去し遠心上清中のマンデル酸の含量を液
体クロマトグラフィー(カラム;SHODEX ODS F511A、キ
ャリア;0.2M H3PO4:アセトニトリル=4:1、モニター;
208nm)で分析し、生産されたマンデル酸の光学純度を
液体クロマトグラフィー(カラム;CHIRALPAKWH、キャリ
ア;0.25mM硫酸銅水溶液、モニター;208nm)で分析し
た。
ル酸の生産 平板培地から菌体を採取し遠心分離により各々の菌体
を50mMリン酸緩衝液(pH 7.5)で3回洗浄した。沈殿菌
体を1.5mlの同様の緩衝液に再懸濁し、終濃度14mMのラ
セミ体のマンデロニトリルを添加し30℃で24時間振盪し
ながら反応を行った。反応終了後、各々の反応液を遠心
分離し菌体を除去し遠心上清中のマンデル酸の含量を液
体クロマトグラフィー(カラム;SHODEX ODS F511A、キ
ャリア;0.2M H3PO4:アセトニトリル=4:1、モニター;
208nm)で分析し、生産されたマンデル酸の光学純度を
液体クロマトグラフィー(カラム;CHIRALPAKWH、キャリ
ア;0.25mM硫酸銅水溶液、モニター;208nm)で分析し
た。
尚、比較の為、特開平2−84198号公報記載のアルカ
リゲネス フェカリス ATCC 8750株についても、上記
同様に培養し加水分解反応(比較例1)を試みた。
リゲネス フェカリス ATCC 8750株についても、上記
同様に培養し加水分解反応(比較例1)を試みた。
結果を表−1に示した。
実施例2 (1)培養 オーレオバクテリウム テスタセウム IAM 1561株を
実施例1と同様の培養条件で培養した。
実施例1と同様の培養条件で培養した。
(2)ベンズアルデヒドと青酸からのR(−)−マンデ
ル酸の生産 得られた培養液から実施例1と同様の方法で菌体を取
得し、50mMリン緩衝液(pH 7.5)1.5mlに懸濁し、休止
菌体懸濁液を調製した(OD630=40)。
ル酸の生産 得られた培養液から実施例1と同様の方法で菌体を取
得し、50mMリン緩衝液(pH 7.5)1.5mlに懸濁し、休止
菌体懸濁液を調製した(OD630=40)。
この液にベンズアルデヒドと青酸を各々について終濃
度15mMとなる様な濃度に添加し、30℃で24時間振盪しな
がら反応を行った。反応終了後、遠心分離により菌体を
除去し、得られた遠心上清中のマンデン酸の含量と光学
純度を実施例1と同様の分析条件で分析したところ、光
学純度97.1%eeのR(−)−マンデル酸を13.5mM蓄積し
ており、変換収率は90.0%であった。
度15mMとなる様な濃度に添加し、30℃で24時間振盪しな
がら反応を行った。反応終了後、遠心分離により菌体を
除去し、得られた遠心上清中のマンデン酸の含量と光学
純度を実施例1と同様の分析条件で分析したところ、光
学純度97.1%eeのR(−)−マンデル酸を13.5mM蓄積し
ており、変換収率は90.0%であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 41/00 C12R 1:125) (C12P 41/00 C12R 1:01)
Claims (2)
- 【請求項1】ノカルディア(Nocardia)属、バチルス
(Bacillus)属、ブレビバクテリウム(Brevibacteriu
m)属またはオーレオバクテリウム(Aureobacterium)
属に属し、R,S−マンデロニトリルのニトリル基を立体
選択的に加水分解する能力を有する微生物または該処理
物を、中性付近ないし塩基性の水性媒体中で、R,S−マ
ンデロニトリルに作用させることにより、原料のR,S−
マンデロニトリルから直接優位量のR(−)−マンデル
酸を生成せしめることを特徴とするR(−)−マンデル
酸の製造法。 - 【請求項2】ノカルディア(Nocardia)属、バチルス
(Bacillus)属、ブレビバクテリウム(Brevibacteriu
m)属またはオーレオバクテリウム(Aureobacterium)
属に属し、R,S−マンデロニトリルのニトリル基を立体
選択的に加水分解する能力を有する微生物または該処理
物を、中性付近ないし塩基性の水性媒体中で、ベンズア
ルデヒドと青酸の混合物に作用させることにより、原料
のベンズアルデヒドと青酸から直接優位量のR(−)−
マンデル酸を生成せしめることを特徴とするR(−)−
マンデル酸の製造法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2214914A JP2696424B2 (ja) | 1990-08-16 | 1990-08-16 | R(‐)―マンデル酸の製造法 |
EP91302802A EP0449648B1 (en) | 1990-03-30 | 1991-03-28 | Process for producing R(-)-mandelic acid and derivatives thereof |
DE69131217T DE69131217T2 (de) | 1990-03-30 | 1991-03-28 | Verfahren zur Herstellung von R(-)Mandelsäure und deren Derivaten |
US07/677,175 US5223416A (en) | 1990-03-30 | 1991-03-29 | Process for producing r(-)-mandelic acid and derivatives thereof |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2214914A JP2696424B2 (ja) | 1990-08-16 | 1990-08-16 | R(‐)―マンデル酸の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0499495A JPH0499495A (ja) | 1992-03-31 |
JP2696424B2 true JP2696424B2 (ja) | 1998-01-14 |
Family
ID=16663672
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2214914A Expired - Lifetime JP2696424B2 (ja) | 1990-03-30 | 1990-08-16 | R(‐)―マンデル酸の製造法 |
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