JPH0931886A - 電気絶縁積層板原紙 - Google Patents

電気絶縁積層板原紙

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JPH0931886A
JPH0931886A JP18119095A JP18119095A JPH0931886A JP H0931886 A JPH0931886 A JP H0931886A JP 18119095 A JP18119095 A JP 18119095A JP 18119095 A JP18119095 A JP 18119095A JP H0931886 A JPH0931886 A JP H0931886A
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zeolite
pulp
laminated
paper
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JP18119095A
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Kenichiro Uematsu
謙一郎 植松
Junji Osawa
純二 大澤
Takehito Okuya
岳人 奥谷
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Oji Paper Co Ltd
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    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/0313Organic insulating material
    • H05K1/0353Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement
    • H05K1/0366Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement reinforced, e.g. by fibres, fabrics

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐銀マイグレーション性が良好であり、且つ
積層板の耐熱性等の積層板特性が良好である電気絶縁積
層板原紙を提供する。 【解決手段】 パルプを主原料として湿式抄紙してな
り、且つゼオライトを含有させた電気絶縁積層板原紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント配線板等
の材料である電気絶縁積層板用原紙に関するものであ
り、詳しくはワニス含浸性、耐熱性等の加工適性および
積層板特性を損うことなく、耐銀マイグレーション性を
改良した積層板原紙に関する。
【0002】
【従来の技術】通常の積層板、特に電気絶縁用積層板
は、積層板原紙にフェノール樹脂、エポキシ樹脂等の熱
硬化性樹脂を含浸し、これを加熱乾燥して半硬化樹脂の
プリプレグにし、このプリプレグを複数枚積層し、金属
箔と共に熱圧成型することにより製造される。このよう
な積層板は比較的安価で、通常の電気或いは電子機器に
使用するための性能をほぼ満足しているため家庭用電気
製品を中心に多く使用されている。
【0003】しかしながら、近年の電気製品の軽薄短小
化により、電気部品の実装密度が高くなり、プリント配
線板の導体パターンの細線化が進んでいる。更には、紙
を基材とするプリント配線板においても、導体パターン
の両面化が進み、表裏の電気的接続を目的とした銀スル
ーホールが使用されるようになっている。このため、積
層板の加工性、寸法安定性、打ち抜き性は勿論のこと、
銀のマイグレーション現象による電気絶縁性の劣化が問
題となり、銀マイグレーションの防止性能(以下耐銀マ
イグレーション性と記す)の改良要求が益々厳しくなっ
て来ている。
【0004】従来より、積層板原紙に使用されるパルプ
は、広葉樹木材からの未叩解晒クラフトパルプ(LBK
P)が用いられるのが一般的であるが、用途によっては
積層板原紙の強度を高めるために針葉樹晒クラフトパル
プを配合したり、コスト低減を目的に未晒パルプを配合
したり、又、高白色度化のためにサルファイトパルプ
(SP)を用いたりする場合がある。このようなパルプ
は公知の抄紙機で抄紙され、得られる積層板原紙の密度
は0.45〜0.55g/cm3 という低い水準のもの
である。
【0005】プリント配線板の銀のマイグレーションを
改良するために、原紙に要求される特性としては、銀の
イオン化及び金属銀としての析出に寄与する原紙中の残
留イオンが少ないこと、熱硬化性樹脂の含浸性が良好な
ことが挙げられる。特に原紙中には一般的に、残留不純
イオンとしてNa+ が100〜200ppm含まれてお
り、銀マイグレーション現象の発生頻度増加の原因とさ
れているため、原紙中の残留Na+ イオンを減少させる
ことは、原紙による積層板の耐銀イオンマイグレーショ
ン性向上対策として非常に有効であると考えられる。
【0006】上記の問題を解決するために、無機イオン
交換体を含有する樹脂ワニスを使用する方法(特開平2-
133442号公報、特開平5-162245号公報)が知られている
が、積層板原紙を使用した紙基材フェノール樹脂積層板
の場合は、積層板原紙がパルプ繊維から製造されるもの
であるため、上記の方法では無機イオン交換体はパルプ
中の不純物イオンを十分に除去するための時間をかけら
れないことから、根本的な解決にはならず、耐銀マイグ
レーション性は十分なものではなかった。
【0007】また、特開平5−162245号公報のも
のでは、積層板表面上に無機イオン交換体層を設け、原
紙中の残留イオンの影響が金属箔に及ばないようにして
いるが、この方法ではスルーホール間のマイグレーショ
ン抑制には何ら効果を得ることができない。また、特開
昭63−1452号公報のものでは、各種溶液中からの
イオン除去用フィルターとして、パルプ繊維間に無機イ
オン交換体を担持するようにしているが、この方法では
粒径の大なる無機イオン交換体粒子、あるいは湿式抄紙
原料中にて2次凝集を起こした無機イオン交換体粒子が
紙基材中に存在するため、フェノールワニス含浸不良、
成型後の耐熱性の不良を生ずることから安易に採用する
ことはできない。
【0008】一方、基材としてガラス不織布を使用した
積層板において、ガラス不織布に金属マイグレーション
防止剤を添加した有機バインダーを含浸する方法(特開
平6-158492号公報)が提案されているが、積層板原紙の
場合は、コストアップが大きく採用が難しい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、かかる
現状に鑑みプリント配線板の銀マイグレーションを抑制
するために、積層板の耐銀マイグレーション性と原紙中
残留イオンの関係および銀イオン捕捉剤の効果について
種々検討した結果、ゼオライトを前記電気絶縁積層板原
紙に添加することにより、耐銀マイグレーション性を大
幅に向上させ得ることを見出し、本発明を完成させるに
至った。
【0010】本発明の目的は、ワニス含浸性、耐熱性等
の加工適性および積層板特性を損うことなく、耐銀マイ
グレーション性が良好な積層板原紙を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の態様を含
む。 〔1〕 パルプを主原料として湿式抄紙してなる電気絶
縁積層板原紙であり、ゼオライトを含有させたことを特
徴とする電気絶縁積層板原紙。 〔2〕 ゼオライトが、その組成中のナトリウムを水素
に置換したゼオライトである〔1〕記載の電気絶縁積層
板原紙。
【0012】〔3〕 ゼオライトが絶乾パルプ重量に対
して1〜10重量%含有されてなる〔1〕または〔2〕
記載の電気絶縁積層板原紙。 〔4〕 ゼオライトが、A型ゼオライトである〔1〕ま
たは〔2〕記載の電気絶縁積層板原紙。
【0013】〔5〕 ゼオライトの最大粒径が50μm
以下である〔1〕,〔2〕,〔3〕または〔4〕記載の
電気絶縁積層板原紙。 〔6〕 パルプが広葉樹晒クラフトパルプを含む〔1〕
記載の電気絶縁積層板原紙。
【0014】〔7〕 〔1〕から〔6〕の内の1の電気
絶縁積層板原紙に熱硬化性樹脂を含浸させたプリプレグ
を2枚以上積層し、一体化させてなる電気絶縁積層板。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明では、積層板原紙用のパル
プ原料にゼオライトを添加することにより、原紙中の残
留Na+ イオンを減少させることが重要である。即ち、
ゼオライトは非常に有効な無機イオン交換体として作用
することから、湿式抄紙前に原料スラリー中にゼオライ
トを添加、あるいは抄紙後の原紙に対してゼオライト分
散液を含浸または塗布することにより、原紙中の残留N
+ イオンを減少させ、耐銀イオンマイグレーション性
を向上させることができるものと推定できる。
【0016】また、本発明では、積層板原紙用のパルプ
原料にゼオライトを添加することにより、回路基板中を
進行するAg+ イオンをゼオライト中に捕捉し、マイグ
レーションの進行速度を減少させる効果もある。即ち、
紙及びフェノール樹脂等の樹脂を原材料とする積層板に
ついて発生するマイグレーションは、パルプ繊維近傍
(繊維−フェノール樹脂界面)およびパルプ繊維中を通
って進行するが、ゼオライトは非常に有効なAg+ イオ
ン捕捉剤として作用することから、湿式抄紙前に原料ス
ラリー中にゼオライトを添加、あるいは抄紙後の原紙に
対してゼオライト分散液を含浸または塗布せしめること
により、回路基板中を進行するAg+ イオンをゼオライ
ト中に捕捉するものと推定される。
【0017】本発明において用いられるゼオライトは、
結晶性アルミノケイ酸塩であり、その一般的な構造式は
次の通りである。 xMn O・Al2 3 ・ySiO2 ・zH2 O ここでMはナトリウムなどの金属イオンを示し、x,
y,zは各成分のモル比を示す。
【0018】現在一般に入手可能な合成ゼオライトとし
てはA型( x=任意、y=2、z=4.5),X型( x=任
意、y=2.5 、z=6) ,Y型( x=任意、y=4.8 、
z=8.9),MFI型( M=Na、x=1、y=10〜100
、z=任意) などがあり、本発明において用いられる
ゼオライトは特に上記特定のタイプに限定されない。
【0019】ただしAg+ イオンに対する捕捉能はA型
ゼオライトが優れていることから、本発明において用い
られるゼオライトはA型であることが好ましい。一方、
安価な天然ゼオライトも市販されているが、その組成が
一定でなく、イオン交換能およびAg+ イオン捕捉能な
どが産出場所、時期により大きく変動することから、本
発明において用いられるゼオライトは合成品であること
が好ましい。
【0020】また、通常市販されているゼオライトは金
属イオン(M)として、ナトリウムを含有している。こ
のような通常のゼオライトは自身の結晶構造中より、N
+イオンを放出、Ca2 + 、Mg2 + イオンを吸着す
ることから、洗剤用ビルダーとして多く用いられてい
る。ただし、本発明において用いられるゼオライトは、
触媒用として用いられているゼオライトの如く、あらか
じめNa+ →H+ のような交換イオンの置換処理を施さ
れていることが好ましい。この置換処理品は、通常の方
法で合成されたゼオライトを酸処理後乾燥することによ
って得られ、さらに、同様の処理を繰り返すことによっ
て置換率を向上させることが可能である。本発明におい
て用いられるゼオライトは、Na+ →H+ 置換率が70
%以上であることがより好ましい。70%以上の置換率
のゼオライトを使用することにより、原紙中のNa+
オン量増加を防止し、より効果的に、耐銀マイグレーシ
ョン性の低下を防止することができる。
【0021】加えて、本発明に使用されるゼオライトの
最大粒径は50μm以下であることが好ましい。最大粒
径が50μmを越えると、原紙に対して例えばフェノー
ルワニス等を含浸し積層板を成型する際に、ゼオライト
粒子の周辺に微少な含浸不良部分が発生し、成型後の積
層板物性に悪影響を与える恐れがある。ただし、ゼオラ
イトの最大粒径は以下のようにして決定する。
【0022】測定するゼオライトサンプルを純水中に分
散したスラリーを作製し、島津レーザ回折式粒度分布測
定装置SALD−1100(島津製作所製)を用いて粒
度分布を測定した。得られた分布の積分体積%が99.
5%になる分布領域の上限値の粒径を最大粒径とする。
【0023】しかしながら、平均粒径が小さくなるほど
原料中に分散し混抄する際の紙中への歩留まりが低下す
るため、内添によりゼオライトを紙中に含有させる際に
は、使用するゼオライトの平均粒径は3μm以上のもの
が好ましく、より好ましくは平均粒径5μ以上である。
ただし、平均粒径は20μm程度以下が更に好ましい。
【0024】原料分散液中における2次凝集防止対策と
して、適当な分散剤を適宜選択して用いてもよいが、ゼ
オライトのNa+ イオン捕捉点に対して吸着/反応活性
を持たないもの、あるいは系中にNa+ イオンを新たに
持ち込むことのないようなものを慎重に選ぶ必要があ
る。具体的には炭酸ジフェニル、ジベンジルテレフタレ
ート、シュウ酸ジ−P−メチルベンジルエステル、ジイ
ソブチレン無水マレイン酸共重合体アンモニウム塩(例
えば日立化成工業製のテスピールKP−225W)等が
例示できる。
【0025】ゼオライトは絶乾パルプ重量に対する添加
量が1〜10重量%であることが好ましい。添加量が低
いとNa+ イオンの捕捉効果が低く、添加量が多いと樹
脂ワニス含浸工程中において含浸速度の低下を招きやす
く、ひいては含浸不良部分の発生する要因となる場合も
ある。
【0026】ゼオライトを内添する場合、原料スラリー
中に添加した後は、ゼオライトがパルプとの接触時間お
よび機会を多くとれるように、充分な攪拌時間をとるこ
とが望ましい。これにより、ゼオライトのNa+ イオン
吸着能力が充分に発揮され、耐銀マイグレーション性向
上効果がより効果的に発現される。この撹拌に際して
は、低濃度ミキサー、中濃度ミキサーあるいはスタティ
ックミキサーなど、適当な撹拌機を適宜選択して用いて
よい。更にゼオライトのNa+ イオン吸着能力を最大限
に発現させるためには、原料中でのゼオライト滞留温度
は10〜70℃、また、処理時のpHは4.0〜6.0
が好ましい。
【0027】ゼオライトを原紙中に含有させる方法とし
ては、上記の如く原料スラリー中にゼオライトを投入/
分散させ、通常の湿式抄紙法によりシート化する内添
法、既にシート化した原紙に対して、ゼオライト分散液
を含浸または塗工して添加する外添法等がある。用途/
品質/製造条件などを考慮して、適宜選択してどちらの
方法を用いても良い。
【0028】本発明の製紙用原料は、特に限定されるも
のではなく、木材チップより得られるクラフトパルプ,
亜硫酸パルプ, 機械パルプ, 溶解パルプ、リンター, 麻
等の非木材パルプなどが使用され、また、用途、品質に
応じて合成繊維、内添填料、ガラス繊維などを適宜選択
して配合することができる。
【0029】本発明の積層板原紙から積層板を製造する
方法は特に限定しないが、例えば、この積層板原紙に熱
硬化性樹脂を含浸して乾燥し、このようにして得られた
プリプレグの2枚以上を積層し、所定温度及び圧力によ
り成型一体化する。熱硬化性樹脂としては、一般に、レ
ゾール型フェノール−ホルムアルデヒド樹脂が用いられ
るが、これに限定されることはなく、その他の、例え
ば、通常のフェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミ
ン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹
脂を例示することができ、適宜選択して使用される。
【0030】熱硬化する際の加熱と加圧操作の条件は、
熱硬化性樹脂の種類や量及び積層体の構成、寸法等によ
り調整され、特に限定しない。一般に150〜180℃
の温度、80〜120kg/cm2 の圧力で30〜60
分間行われる。
【0031】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明するが、勿論本発明はこれによって何等
制限されるものではない。尚、実施例及び比較例中の%
は特に断らない限り重量%を表す。実施例に用いたパル
プ、ゼオライト及び処理方法は次の通り。 (1)パルプ 国内産広葉樹の混合材を使用した晒クラフトパルプ。
【0032】(2)ゼオライト ゼオライトとしては、 (イ)水澤化学工業(株)製合成ゼオライト「ミズカシ
ーブズY−420(Y型、Na+ →H+ イオン 交換処理な
し)」:最大粒径=21μm、平均粒径6μm。 (ロ)水澤化学工業(株)製合成ゼオライト「ミズカシ
ーブズ4A(A型、Na + →H+ イオン 交換処理な
し)」:最大粒径=24μm、平均粒径6μm。 (ハ)水澤化学工業(株)製合成ゼオライト(ロ)のN
+ →H+ イオン 交換品(交換率=72%):最大粒径=
23μm、平均粒径7μm。 (ニ)水澤化学工業(株)製合成ゼオライト(ハ)の粒
径変更品:最大粒径=48μm、平均粒径19μm。 (ホ)水澤化学工業(株)製合成ゼオライト(ハ)の粒
径変更品:最大粒径=70μm、平均粒径23μm。の
5種を用いた。
【0033】(3)添加処理方法 所定量のパルプをポリバケツに取り、パルプ濃度を3%
になるようにイオン交換水にて調成した後、ゼオライト
分散液を絶乾パルプ重量当たりの所定量を添加し、室温
にて45分間ミキサーで攪拌した。
【0034】実施例1 前記のゼオライト(イ)を、絶乾パルプ重量に対して
1.2%含有させ、前記(3)の添加処理を施した。処
理後のパルプを抄紙原料として、メラミン樹脂(商品名
スミレッツレジンAC8:住友化学( 株) 製)を対パル
プ1%内添し、坪量125g/m2 、密度0.50g/cm3
の積層板原紙を抄造した。この積層板原紙の残留Na+
イオン濃度を測定した。又、この積層板原紙から積層板
を作製し、耐銀マイグレーション性、耐熱性の評価を行
った。
【0035】実施例2 パルプに対して処理するゼオライトの種類を(ロ)にし
た以外は実施例1と同様の方法で坪量125g/m2 、密
度0.50g/cm3 の積層板原紙を抄造した。この積層板
原紙の残留Na+ イオン濃度を測定した。又、この積層
板原紙から積層板を作製し、耐銀マイグレーション性、
耐熱性の評価を行った。
【0036】実施例3 パルプに対して処理するゼオライトの種類を(ハ)にし
た以外は実施例1と同様の方法で坪量125g/m2 、密
度0.50g/cm3 の積層板原紙を抄造した。この積層板
原紙の残留Na+ イオン濃度を測定した。又、この積層
板原紙から積層板を作製し、耐銀マイグレーション性、
耐熱性の評価を行った。
【0037】実施例4 パルプに対して処理するゼオライトの種類を(ニ)にし
た以外は実施例1と同様の方法で坪量125g/m2 、密
度0.50g/cm3 の積層板原紙を抄造した。この積層板
原紙の残留Na+イオン濃度を測定した。又、この積層
板原紙から積層板を作製し、耐銀マイグレーション性、
耐熱性の評価を行った。
【0038】実施例5 パルプに対して処理するゼオライトの種類を(ホ)にし
た以外は実施例1と同様の方法で坪量125g/m2 、密
度0.50g/cm3 の積層板原紙を抄造した。この積層板
原紙の残留Na+ イオン濃度を測定した。又、この積層
板原紙から積層板を作製し、耐銀マイグレーション性、
耐熱性の評価を行った。
【0039】実施例6〜9 前記のゼオライト(ハ)を、絶乾パルプ重量に対して
0.5%(実施例6)、5.0%(実施例7)、9.0
%(実施例8)、15.0%(実施例9)の添加率で添
加し、前記の処理を施した。処理後のパルプを抄紙原料
として、メラミン樹脂(商品名スミレッツAC8:住友
化学( 株) 製)を対パルプ1%内添し、坪量125g/m
2 、密度0.50g/cm3 の積層板原紙を抄造した。この
積層板原紙の残留Na+ イオン濃度を測定した。又、こ
の積層板原紙から積層板を作製し、耐銀マイグレーショ
ン性、耐熱性の評価を行った。
【0040】比較例1 パルプに対してゼオライトを添加せずに実施例1と同様
の方法で坪量125g/m2 、密度0.50g/cm3 の積層
板原紙を抄造した。この積層板原紙の残留Na + イオン
濃度を測定した。又、この積層板原紙から積層板を作製
し、耐銀マイグレーション性、耐熱性の評価を行った。
【0041】<原紙中の残留Na+ イオン測定法>絶乾
原紙重量換算にて3gの原紙に対して100mlの0.
1規定塩酸を加えて1時間煮沸する。その後、濾過して
抽出液中のNa+ イオンを原子吸光法にて測定し、原紙
中の濃度に換算した。
【0042】<積層板の作製法>積層板の製造法は、積
層板原紙に、市販水溶性フェノール樹脂(商品名ショウ
ノールBRL−2854:昭和高分子( 株) 製)を含浸
し、乾燥機で乾燥することにより、樹脂と基材の比率が
15:85の一次プリプレグを作製し、次にこの一次プ
リプレグに市販の油変性フェノール樹脂(商品名ショウ
ノールBLS−3122:昭和高分子( 株) 製)を含浸
し、乾燥して、水溶性フェノール樹脂と油変性フェノー
ル樹脂の両方を合せた樹脂と基材の比率が50:50の
プリプレグを製造した。次にプリプレグを8枚重ね、1
65℃、100kg/cm2 、60分間加圧成型するこ
とによって、フェノール樹脂積層板を得た。
【0043】<積層板の耐銀マイグレーション性の評価
法>積層板に銀ペーストで線幅1mm、線間1mmの櫛
形電極を作製し、イオンマイグレーション評価システム
(AMI−025−P:タバイエスペック( 株) 製)を
使用して、40℃、93%RHの恒温恒湿中で、50V
の直流電圧を印加した状態で電極間の絶縁抵抗を測定し
た。評価にあたって、試験開始時の結露防止のため、6
0℃で1時間放置し、サンプルが十分その温度に安定し
た後、湿度設定を行い、湿度設定1時間後より測定を開
始した。評価基準としては、電極間絶縁抵抗を連続測定
し、106 Ω以下になった基板にはマイグレーションが
発生していると判断した。この連続測定データより、初
回マイグレーション発生までの時間(故障発生時間)を
評価の目安とした。
【0044】通常の市販回路基板の評価を行った場合、
前記の条件下において1000時間以上の耐久性が要求
されるが、前記の積層板作製法のように基板に全く耐湿
処理をしていない場合には250時間以上の耐久性を持
つものは概ね良好と判断される。
【0045】<耐熱性の評価法>積層板の耐熱性の評価
は、次の方法によりはんだ耐熱性を測定することにより
行う。JIS規格C6481に基づき、25(±1)m
m×25(±1)mmの寸法の積層板試験片を作成し、
260(+2〜−0)℃の溶融はんだ浴上に浮かせ、積
層板に膨れが生じるまでの時間(秒)を測定する。
【0046】通常、10秒以上の耐熱性を有するもの
が、商品として好ましい。
【0047】実施例で得られた結果を表1および表2に
示す。表1および表2から明らかなように、紙原料中に
ゼオライトを添加することを特徴とする電気絶縁積層板
原紙から製造される積層板は、耐銀マイグレーション性
が大幅に改良されていることがわかる(実施例1〜
9)。また、使用するゼオライトとしてNa+ →H+ イオ
ン 交換処理したものを採用することにより、耐銀マイグ
レーション性を更に改良することが可能である(実施例
2と実施例3〜5の比較)。さらに、最大粒径が50μ
m以下であるゼオライトを採用することにより、積層板
の耐熱性を維持したまま、耐銀マイグレーション性を改
良することが可能である(実施例3、4と5を比較)。
加えて、ゼオライトのパルプ原料中への添加量を1〜1
0重量%(対絶乾パルプ重量)とした電気絶縁積層板原
紙から製造される積層板は、積層板の耐熱性が特に優
れ、且つ耐銀マイグレーション性を改良することが可能
である。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】本発明は、積層板加工後の耐熱性が良好
で、プリント配線板の耐銀マイグレーション性が良好な
積層板を製造するのに最も適した積層板原紙であり、そ
の工業的意義は極めて大きい。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルプを主原料として湿式抄紙してなる
    電気絶縁積層板原紙であり、ゼオライトを含有させたこ
    とを特徴とする電気絶縁積層板原紙。
  2. 【請求項2】 ゼオライトが、その組成中のナトリウム
    を水素に置換したゼオライトである請求項1記載の電気
    絶縁積層板原紙。
  3. 【請求項3】 ゼオライトが絶乾パルプ重量に対して1
    〜10重量%含有されてなる請求項1または請求項2記
    載の電気絶縁積層板原紙。
JP18119095A 1995-07-18 1995-07-18 電気絶縁積層板原紙 Pending JPH0931886A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18119095A JPH0931886A (ja) 1995-07-18 1995-07-18 電気絶縁積層板原紙

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