JPH09318363A - 角速度センサ - Google Patents

角速度センサ

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JPH09318363A
JPH09318363A JP8140252A JP14025296A JPH09318363A JP H09318363 A JPH09318363 A JP H09318363A JP 8140252 A JP8140252 A JP 8140252A JP 14025296 A JP14025296 A JP 14025296A JP H09318363 A JPH09318363 A JP H09318363A
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JP
Japan
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groove
angular velocity
support
velocity sensor
annular movable
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JP8140252A
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Takeshi Mitamura
健 三田村
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、チップの平坦度を低下させること
なく振動系を構成する構造材の厚さを増加させて高精度
の検出と高効率駆動を実現し、またオンチップ封止構造
を容易に実現することを目的とする。 【解決手段】 基板1上に所要パターンに形成された溝
部4内に、溝部側壁と所定間隔をおいて円環状可動体5
と該円環状可動体5を支持する支持体6とを配設し、溝
部側壁の一部を形成するとともに支持体6と不均一な間
隔で対向し当該支持体6を介して円環状可動体5の駆動
及び変位検出を行う複数の電極8を設けたことを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、角速度を検出する
角速度センサに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、多くの電子システムが安全性や快
適性向上のために車載されており、その電子システムの
うち、車両のスピンを防止するシャシ制御システムやナ
ビゲーションシステムにおいて角速度センサが重要な役
割を果たしている。車載されるセンサには測定精度とと
もに小型化及び低コスト化が求められる。このような要
求に対し、半導体を用いて角速度センサを実現する技術
が知られている。
【0003】図13及び図14は、このような角速度セ
ンサの第1の従来例を示している(J.Bernstein et a
l."Micromachined Comb-Drive Tunin Fork Rate Gyrosc
ope",Digest IEEE/ASME Micro Electro Mechanical Sys
tem (MEMS) Workshop Florida,1993,143-148)。構造体
は、全て基板36上に堆積した多結晶シリコン薄膜で形
成されている。振動質量33が支持部31,32により
基板36に支持されており、振動質量33の側面から延
びた櫛歯電極と基板36に固定された櫛歯電極とで駆動
電極34が構成されている。基板36上には絶縁膜35
が形成され、振動質量33直下の絶縁膜35上には検出
電極37が形成されている。そして、次のように動作す
る。2つの振動質量33は、図13中のaに印加した共
通電位に対し、bとd及びcにそれぞれ逆位相の駆動電
圧を印加することにより、x軸方向にそれぞれ逆方向に
駆動される。振動質量33の駆動状態において図中z軸
方向に角速度が入力すると(z軸回りに回転すると)、
(1)式で示されるようなコリオリ力Fc(t)がそれ
ぞれの振動質量33に対してy軸方向に発生する。 Fc(t)=2・m・Vm (t)・Ω …(1) ここで、mは振動質量33の質量、Vm (t)は静電引
力により駆動される振動質量33の速さである。したが
って、より大きいコリオリ力を発生させるため、通常は
真空中、共振周波数で駆動を行い、より大きなV
m (t)を得るようにしている。2つの振動質量33は
それぞれ逆方向に駆動されるため、発生するコリオリ力
は符号が逆になる。発生したコリオリ力により振動質量
33はy軸方向(基板の法線方向)に変位する。この変
位により2つの振動質量33の共通電位点aとそれぞれ
の検出電極37間の容量が変化し、その差動容量により
角速度を検出する。
【0004】図15及び図16は、角速度センサの第2
の従来例を示している(特開平7−12575号公
報)。基板42上には鍍金プロセスにより円筒状の金属
リング39が形成されている。金属リング39は、同じ
鍍金プロセスにより形成された支持体40を介して固定
部41の部分で基板42に固定され、かつ配線を介して
基板42上の信号処理回路(図の簡略化のため図示せ
ず)に接続されている。金属リング39の外周部には同
じく鍍金プロセスにより形成された電極38が配置され
ている。図の簡略化のため詳細な記述は省略したが、電
極38は信号処理回路に接続されており、金属リング3
9の駆動及び変位検出を行う。そして、次のように動作
する。x軸及びy軸方向に配置された電極38に金属リ
ング39の共振周波数を有する駆動電圧を印加すること
により、金属リング39を後述の図4に示すモードで駆
動する。この駆動モードでは、図4中の14で示す4つ
の部分に節が生じる。z軸方向に角速度が入力すると、
コリオリ力の発生により同じく後述の図5に示すモード
が誘起される。その結果、金属リング39の振動モード
は駆動モードより変化し、図5中の節14は移動する。
したがって節14の位置を金属リング39の外周部に配
置した電極38により検出することでz軸方向の角速度
が検出可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記(1)式に示すよ
うに、より大きな発生コリオリ力を得るには、振動質量
を大きくする、もしくは振動振幅を大きくすることが有
効である。より大きい振動質量を得るためには、より厚
い構造材を用いればよい。厚い構造材により検出、駆動
容量も増加し、より高精度の検出と高効率駆動も可能と
なる。駆動振幅を大きくするには通常、振動系を真空封
止して気体による減衰を低下させる手法が用いられ、例
えばカンパッケージによる真空実装が用いられる。しか
し、第1、第2の従来例のような構造では構造材の厚膜
化に伴い、チップ平坦度が低下するという問題点があっ
た。したがって、例えば第1の従来例のような構造を多
結晶シリコンを堆積して形成した場合は厚さが5μm程
度が限界である。膜厚レジストを用いた鍍金プロセスに
より形成した第2の従来例の場合、20μm程度の膜厚
化が可能であるが特殊なプロセス装置が必要である。ま
た、オンチップ封止構造により、カンパッケージよりも
低コストな真空封止構造が実現可能であるが、チップの
平坦度が低下し、上記のように5μm以上の段差がある
とその実現は不可能であるという問題点があった。
【0006】本発明は、このような従来の問題点に着目
してなされたもので、チップの平坦度を低下させること
なく振動系を構成する構造材の厚さを増加させ、振動質
量を大にして高精度の検出と高効率駆動を実現すること
ができ、さらにオンチップ封止構造を容易に実現するこ
とのできる角速度センサを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、基板と、該基板上に円環部
を含む所要パターンに形成された溝部と、前記円環部の
溝部内に振動可能に配設された円環状可動体と、前記溝
部内に該溝部側壁と所定間隔をおいて配設され前記円環
状可動体を略等間隔位置で支持する支持体と、前記溝部
側壁の一部を形成するとともに前記支持体と不均一な間
隔で対向し当該支持体を介して前記円環状可動体の駆動
及び変位検出を行う複数の電極とを有することを要旨と
する。この構成により、x軸及びy軸方向に配置された
電極に、例えば円環状可動体の共振周波数を有する駆動
電圧を印加して駆動モードで振動させる。この駆動モー
ドにおいて円環状可動体上に振動の節が生じる。この駆
動モード状態でz軸方向に角速度が入力すると、コリオ
リ力の発生により振動は検出モードに変わり、節が移動
する。この節の位置の変化を電極と支持体との間の静電
容量変化として検出することで角速度が検出される。
【0008】請求項2記載の発明は、上記請求項1記載
の角速度センサにおいて、前記円環状可動体は同心状に
複数個形成し、該複数個の円環状可動体は相互に接続し
てなることを要旨とする。この構成により、振動質量が
増して、より大きな発生コリオリ力が得られる。
【0009】請求項3記載の発明は、上記請求項1又は
2記載の角速度センサにおいて、前記基板は、半導体基
板であることを要旨とする。この構成により、通常の半
導体製造プロセスを適用することができて、小型化及び
低コスト化を実現することが可能となる。
【0010】請求項4記載の発明は、上記請求項3記載
の角速度センサにおいて、前記溝部は、反応性ガスを用
いた異方性エッチングにより形成してなることを要旨と
する。この構成により、所要深さを有する所要パターン
の溝部を精度よく形成することが可能となる。
【0011】請求項5記載の発明は、上記請求項3又は
4記載の角速度センサにおいて、前記円環状可動体及び
前記支持体と前記溝部側壁との間隔は、半導体の熱酸化
により形成した側壁酸化膜の膜厚によりそれぞれ規定し
てなることを要旨とする。この構成により、振動系を構
成する円環状可動体及び支持体と溝部側壁との間隔が精
度よく所定間隔に形成される。
【0012】請求項6記載の発明は、上記請求項3,4
又は5記載の角速度センサにおいて、前記円環状可動体
及び前記支持体は、多結晶シリコンで形成してなること
を要旨とする。この構成により、振動系を構成する円環
状可動体及び支持体を所要の厚さ及びパターンに精度よ
く形成することが可能となる。
【0013】請求項7記載の発明は、上記請求項3,
4,5又は6記載の角速度センサにおいて、前記電極は
半導体で形成するとともに前記溝部側壁への不純物拡散
により熱酸化による側壁酸化膜の成長レートを可変し、
該側壁酸化膜の膜厚により前記支持体と前記電極との間
隔を不均一に規定してなることを要旨とする。この構成
により、支持体と電極との対向間隔を、駆動及び変位検
出を行う部位は狭くその他の部位はこれよりも広く所定
の不均一間隔に精度よく形成することが可能となる。
【0014】請求項8記載の発明は、上記請求項3,
4,5,6又は7記載の角速度センサにおいて、前記円
環状可動体及び前記支持体は、前記溝部を覆う構造体に
より当該溝部内の閉空間に真空封止してなることを要旨
とする。この構成により、オンチップ封止構造を実現す
ることが可能になるとともに振動系の振動振幅を大きく
することが可能となる。
【0015】請求項9記載の発明は、基板の表面側内部
に、振動可能に支持された円環状の振動系と、該振動系
の静電的な駆動及び変位検出を行う駆動・検出系とを配
設してなることを要旨とする。この構成により、円環状
の振動系をx−y平面内に駆動モードで振動させると、
円環状の振動系上に振動の節が生じる。この駆動モード
状態でz軸方向に角速度が入力すると振動は検出モード
に変わり、節が移動する。この節の位置の変化を検出系
で検出することで角速度が検出される。
【0016】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、基板と、
該基板上に円環部を含む所要パターンに形成された溝部
と、前記円環部の溝部内に振動可能に配設された円環状
可動体と、前記溝部内に該溝部側壁と所定間隔をおいて
配設され前記円環状可動体を略等間隔位置で支持する支
持体と、前記溝部側壁の一部を形成するとともに前記支
持体と不均一な間隔で対向し当該支持体を介して前記円
環状可動体の駆動及び変位検出を行う複数の電極とを具
備させたため、基板上の溝部内に円環状可動体と支持体
で構成された振動系を形成したので、チップの平坦度を
低下させることなくこれらの構造材の厚さを増加させ
て、より大きい振動質量を得ることが可能となり、高精
度の検出と高効率駆動が可能となる。
【0017】請求項2記載の発明によれば、前記円環状
可動体は同心状に複数個形成し、該複数個の円環状可動
体は相互に接続したため、より大きな発生コリオリ力が
得られて、より一層検出精度を高めることができ、ま
た、より一層高効率で駆動させることができる。
【0018】請求項3記載の発明によれば、前記基板
は、半導体基板としたため、通常の半導体製造プロセス
を適用することができて、角速度センサの小型化及び低
コスト化を、よりよく実現することができる。
【0019】請求項4記載の発明によれば、前記溝部
は、反応性ガスを用いた異方性エッチングにより形成し
たため、所要深さを有する所要パターンの溝部を精度よ
く形成することができる。
【0020】請求項5記載の発明によれば、前記円環状
可動体及び前記支持体と前記溝部側壁との間隔は、半導
体の熱酸化により形成した側壁酸化膜の膜厚によりそれ
ぞれ規定したため、振動系を構成する円環状可動体及び
支持体と溝部側壁との間隔が精度よく所定間隔に形成す
ることができる。
【0021】請求項6記載の発明によれば、前記円環状
可動体及び前記支持体は、多結晶シリコンで形成したた
め、振動系を構成する円環状可動体及び支持体を所要の
厚さ及びパターンに精度よく形成して、振動系に所要の
質量を持たせることができる。
【0022】請求項7記載の発明によれば、前記電極は
半導体で形成するとともに前記溝部側壁への不純物拡散
により熱酸化による側壁酸化膜の成長レートを可変し、
該側壁酸化膜の膜厚により前記支持体と前記電極との間
隔を不均一に規定したため、支持体と電極との対向間隔
が、駆動及び変位検出を行う部位は狭くその他の部位は
これよりも広く所定の不均一間隔に精度よく形成され
て、検出静電容量変化及び静電駆動力を大きくとること
ができる。
【0023】請求項8記載の発明によれば、前記円環状
可動体及び前記支持体は、前記溝部を覆う構造体により
当該溝部内の閉空間に真空封止したため、オンチップ封
止構造を容易に実現することができるとともに振動系の
振動振幅が大きくなって検出精度を高めることができ
る。
【0024】請求項9記載に発明によれば、基板の表面
側内部に、振動可能に支持された円環状の振動系と、該
振動系の静電的な駆動及び変位検出を行う駆動・検出系
とを配設したため、基板の表面側内部に振動系及び駆動
・検出系を形成したので、チップの平坦度を低下させる
ことなく振動系を構成する構造材の厚さを増加させて、
より大きい振動質量を得ることが可能となり、高精度の
検出と高効率駆動が可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0026】図1乃至図8は、本発明の第1の実施の形
態を示す図である。まず、図1乃至図3を用いて角速度
センサの構成を説明する。図1(b)は、図1(a)の
A部の拡大図である。図1の(a),(b)において、
SOI基板1上にリング状に形成された溝部4内には、
円環状可動体としての多結晶シリコンリング5が形成さ
れている。多結晶シリコンリング5は同じく溝部内に形
成された多結晶シリコンによる支持体6により支持され
ている。支持体6は外周リング6aと、この外周リング
6aと多結晶シリコンリング5を接続する2本対の斜め
構造体6bとの組合わせで構成されている。支持体6は
外周リング6a部において固定部7によりSOI基板1
に固定されている。8は、溝部4に囲まれ支持体6に対
向する電極であり、支持体6を介して多結晶シリコンリ
ング5の駆動及び変位検出を行う。
【0027】図2において、SOI基板1は、酸化膜2
とSOI層(Si半導体層)3により構成されている。
SOI層3の表面には酸化膜9と窒化シリコン膜10が
形成されている。SOI層3には溝部4が形成されてお
り、多結晶シリコンによる支持体6と多結晶シリコンリ
ング5が形成されている。多結晶シリコンは気相成長に
より堆積されており、支持体6と多結晶シリコンリング
5の断面は内部に空洞を有する閉殻構造になっている。
支持体6と多結晶シリコンリング5に囲まれた部分のS
OI層3は電極8を形成しており、金属配線11と金属
ワイヤにより信号処理回路に接続されている(図の簡略
のため図示せず)。支持体6を取り囲む溝部4の側壁に
は高濃度拡散層12が形成されており、高濃度拡散層1
2のない多結晶シリコンリング5に対向する側壁に比べ
広い間隔で支持体6に対向している。13は多結晶シリ
コンからなるシェル構造体である。
【0028】図3において、固定部7は、多結晶シリコ
ンの埋め込みにより構成されている。支持体6は、この
固定部7を構成する多結晶シリコンを介してSOI層3
に電気的に接続され、最終的には金属配線11と金属ワ
イヤにより信号処理回路に接続されている。
【0029】次に、図6乃至図8を用いて角速度センサ
の製造方法を説明する。まず、図6及び図7を用いて多
結晶シリコンリング5及び支持体6等の部分の製造方法
を説明する。図6及び図7における各工程を示す図は、
図1(b)のB−B’線部分の断面図に相当する。SO
I基板1上に酸化膜9と窒化シリコン膜10を形成し、
支持体6を形成する外周のリングに対応するSOI層3
部分にトレンチエッチングにより溝部4を形成する(図
6(a))。溝部4側壁に高濃度拡散層12を形成する
(図6(b))。熱酸化により犠牲層となる側壁酸化膜
15を形成する(図6(c))。溝部4内に支持体6と
なる多結晶シリコンを堆積し、平坦化を行う(図6
(d))。多結晶シリコンリング5に対応する部分にト
レンチエッチングにより溝部4を形成し、犠牲層となる
側壁酸化膜16の形成、多結晶シリコンリング5となる
多結晶シリコンの堆積及びその平坦化を行う。図6
(c)の側壁酸化膜15に比べて側壁の表面不純物濃度
が低いので酸化膜の成長レートが低く、その結果、側壁
酸化膜16は薄くなっている(図6(e))。シェル構
造体13を形成する際の犠牲層となる酸化膜17を堆積
する(図7(a))。シェル構造体13となる多結晶シ
リコンを堆積し、パターニングを行う(図7(b))。
弗酸系の溶液を用いて側壁酸化膜15,16及び酸化膜
17を除去し、多結晶シリコンリング5及び支持体6か
らなる振動系と、シェル構造体13を形成する(図7
(c))。真空雰囲気中で金属膜の堆積とパターニング
を行い、金属配線11とオンチップ真空封止構造を形成
する(図7(d))。本製造方法では、溝部側壁の高濃
度拡散層12の形成により側壁酸化膜15と16の膜厚
を変化させたが、酸化時間により側壁酸化膜の膜厚を変
化させることも可能である。
【0030】次いで、図8を用いて固定部7等の部分の
製造方法を説明する。図8における各工程を示す図は、
図1(b)のC−C’線部分の断面図に相当する。前記
図6(d)までの工程と同様に、SOI層3部分にトレ
ンチエッチングにより溝部を形成し、溝部側壁に高濃度
拡散層12を形成し、側壁酸化膜15を形成した後、支
持体6となる多結晶シリコンを堆積し平坦化する(図8
(a))。固定部7に対応する部分に開口部を持つよう
にレジスト18をパターニングし、側壁酸化膜15及び
酸化膜2を除去する(図8(b))。支持体6とSOI
基板1を接続するように多結晶シリコンを堆積し、平坦
化して固定部7を形成する(図8(c))。金属配線1
1を形成し、支持体6を信号処理回路に接続する(図の
簡略化のため図示せず)(図8(d))。
【0031】次に、上述のように構成された角速度セン
サの動作を説明する。多結晶シリコンリング5の駆動及
び角速度の検出は、前記第2の従来例のようにして行わ
れる。即ち、x軸及びy軸方向に配置された電極8に多
結晶シリコンリング5の共振周波数を有する駆動電圧を
印加することにより、多結晶シリコンリング5を図4に
示すモードで駆動を行い、z軸方向の角速度入力により
発生する図5の検出モードによる多結晶シリコンリング
5の節14の位置の変化を電極8と支持体6との間の静
電容量変化として検出することで角速度を検出する。電
極8は外周リング6aと内側2辺の斜め構造体6bとで
異なる間隔で対向する。したがって電極8に対する支持
体6のx−y平面内変位は静電容量変化として検出され
る。同じ理由により電極8への電圧印加により平面内の
静電引力が発生する。
【0032】本実施の形態によれば次のような効果が得
られる。SOI基板1内に溝部4を形成し、その中に
多結晶シリコンリング5と支持体6で構成された振動系
を形成したので、チップの平坦度が低下することなく構
造材の厚さを増加させることが可能である。したがっ
て、標準の半導体プロセスを用いて厚さ20μm程度の
構造体が実現可能である。振動系を溝部4内に形成し
たため、オンチップ封止構造が容易に実現できる。電
極8と支持体6の対向間隔は、側壁酸化膜15,16で
規定されるため、通常の構造材をエッチングして対向間
隔を規定するプロセスに比べ、より小さい対向間隔を精
度よく実現できる。その結果、電極対向面積が同じであ
っても、より大きい電気容量が得られる。多結晶シリ
コンリング5及び支持体6の構造材は閉殻構造となるた
め、同一断面積でも、より高い剛性を確保できる。
【0033】図9乃至図11には、本発明の第2の実施
の形態を示す。19は支持体であり、外周部の2重リン
グ19a,19b、この2重リング19a,19b間を
接続する構造体19c及び2重リング19a,19bと
内側の多結晶シリコンリング20を接続する構造体19
dで構成されている。支持体19は2重リング19a,
19bのうちの外側のリング19aにおける固定部23
においてSOI基板に固定されている。支持体19と多
結晶シリコンリング20で構成される振動系はSOI基
板に形成された溝部22内に形成されている。21は支
持体19に囲まれた電極であり、支持体19を介して多
結晶シリコンリング20の駆動と変位検出を行う。電極
21と支持体19との対向間隔は、外側のリング19a
に対しては大きく、内側のリング19bに対しては小さ
くなっている。図10におけるF−F’線断面である図
11は前記第1の実施の形態における図2と、またG−
G’線断面は前記第1の実施の形態における図3と略同
様であるので説明を省略する。
【0034】製造方法及び動作は前記第1の実施の形態
と略同様であるので説明を省略する。
【0035】本実施の形態によれば、前記第1の実施の
形態と略同様の効果に加えてさらに、次のような効果が
得られる。電極21の形状が略長方形であるので、第1
の実施の形態に比べ電極面積に対して、より大きい対向
電極面積を確保できる。
【0036】図12には、本発明の第3の実施の形態を
示す。本実施の形態では、支持体19の構造は上記第2
の実施の形態と同様であるが、多結晶シリコンリング2
0a〜20dが多重リング構造となっている。
【0037】製造方法及び動作は前記第1の実施の形態
と略同様であるので説明を省略する。
【0038】本実施の形態によれば、前記第1の実施の
形態と略同様の効果に加えてさらに、次のような効果が
得られる。多結晶シリコンリング20a〜20dが多重
リング構造であるため、より大きな質量を確保すること
ができ、より大きなコリオリ力が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る角速度センサの第1の実施の形態
を示す平面図である。
【図2】図1(b)のB−B’線断面図である。
【図3】図1(b)のC−C’線断面図である。
【図4】上記第1の実施の形態の駆動モードを示す図で
ある。
【図5】上記第1の実施の形態の検出モードを示す図で
ある。
【図6】上記第1の実施の形態における多結晶シリコン
リング及び支持体等の部分の製造方法を示す工程図であ
る。
【図7】上記図6の工程の続きを示す工程図である。
【図8】上記第1の実施の形態における固定部等の部分
の製造方法を示す工程図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態を示す平面図であ
る。
【図10】図9のD部の拡大平面図である。
【図11】図10のF−F’線断面図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態を示す平面図であ
る。
【図13】従来の角速度センサの平面図である。
【図14】図13のE−E’線断面図である。
【図15】他の従来例を示す平面図である。
【図16】図15のH−H’線断面図である。
【符号の説明】
1 SOI基板 4,22 溝部 5,20,20a〜20d 多結晶シリコンリング(円
環状可動体) 6,19 支持体 7,23 固定部 8,21 電極 12 高濃度拡散層 13 シェル構造体 15,16 側壁酸化膜

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、該基板上に円環部を含む所要パ
    ターンに形成された溝部と、前記円環部の溝部内に振動
    可能に配設された円環状可動体と、前記溝部内に該溝部
    側壁と所定間隔をおいて配設され前記円環状可動体を略
    等間隔位置で支持する支持体と、前記溝部側壁の一部を
    形成するとともに前記支持体と不均一な間隔で対向し当
    該支持体を介して前記円環状可動体の駆動及び変位検出
    を行う複数の電極とを有することを特徴とする角速度セ
    ンサ。
  2. 【請求項2】 前記円環状可動体は同心状に複数個形成
    し、該複数個の円環状可動体は相互に接続してなること
    を特徴とする請求項1記載の角速度センサ。
  3. 【請求項3】 前記基板は、半導体基板であることを特
    徴とする請求項1又は2記載の角速度センサ。
  4. 【請求項4】 前記溝部は、反応性ガスを用いた異方性
    エッチングにより形成してなることを特徴とする請求項
    3記載の角速度センサ。
  5. 【請求項5】 前記円環状可動体及び前記支持体と前記
    溝部側壁との間隔は、半導体の熱酸化により形成した側
    壁酸化膜の膜厚によりそれぞれ規定してなることを特徴
    とする請求項3又は4記載の角速度センサ。
  6. 【請求項6】 前記円環状可動体及び前記支持体は、多
    結晶シリコンで形成してなることを特徴とする請求項
    3,4又は5記載の角速度センサ。
  7. 【請求項7】 前記電極は半導体で形成するとともに前
    記溝部側壁への不純物拡散により熱酸化による側壁酸化
    膜の成長レートを可変し、該側壁酸化膜の膜厚により前
    記支持体と前記電極との間隔を不均一に規定してなるこ
    とを特徴とする請求項3,4,5又は6記載の角速度セ
    ンサ。
  8. 【請求項8】 前記円環状可動体及び前記支持体は、前
    記溝部を覆う構造体により当該溝部内の閉空間に真空封
    止してなることを特徴とする請求項3,4,5,6又は
    7記載の角速度センサ。
  9. 【請求項9】 基板の表面側内部に、振動可能に支持さ
    れた円環状の振動系と、該振動系の静電的な駆動及び変
    位検出を行う駆動・検出系とを配設してなることを特徴
    とする角速度センサ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000081336A (ja) * 1998-05-25 2000-03-21 Citizen Watch Co Ltd 角速度検出素子
JP2012088119A (ja) * 2010-10-18 2012-05-10 Seiko Epson Corp 物理量センサーおよび電子機器

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JP2000081336A (ja) * 1998-05-25 2000-03-21 Citizen Watch Co Ltd 角速度検出素子
JP2012088119A (ja) * 2010-10-18 2012-05-10 Seiko Epson Corp 物理量センサーおよび電子機器

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