JPH09314756A - 熱硬化性樹脂化粧材 - Google Patents

熱硬化性樹脂化粧材

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JPH09314756A
JPH09314756A JP15903596A JP15903596A JPH09314756A JP H09314756 A JPH09314756 A JP H09314756A JP 15903596 A JP15903596 A JP 15903596A JP 15903596 A JP15903596 A JP 15903596A JP H09314756 A JPH09314756 A JP H09314756A
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JP
Japan
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layer
thermosetting resin
resin
decorative material
resistant film
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JP15903596A
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Yoshiaki Horio
義明 堀尾
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 意匠性に優れた鮮明且つ精緻な印刷層を有
し、表面保護層の物性において、耐擦傷性、耐摩耗性等
の物理的性質及び耐水性、耐溶剤性、耐化学薬品性等の
化学的性質に優れ、更に後加工においてもポストフォー
ミング加工、ラッピング加工が可能な熱硬化性樹脂化粧
材を安価に提供することにある。 【解決手段】 下層から順に熱硬化性樹脂含浸紙層、熱
接着性樹脂層、印刷層、透明耐熱性フイルム層が積層さ
れた熱硬化性樹脂化粧材において、前記熱接着性樹脂層
が前記含浸紙に塗布又は含浸した熱硬化性樹脂に対して
密着性を有する熱接着性樹脂であり、かつ前記印刷層と
前記透明耐熱性フイルム層の間にプライマー層が設けら
れていることを特徴とする熱硬化性樹脂化粧材である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種家具類や建築
内装材等の表面材として使用される、意匠性が高く、表
面物性に優れた熱硬化性樹脂化粧材に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、建材や家具等の基材の表面に装飾
あるいは表面保護の目的で貼着される熱硬化性樹脂化粧
材としては、チタン紙等の印刷用シートに印刷模様を設
けて化粧紙を作製した後、メラミン樹脂、ジアリルフタ
レート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂等の熱
硬化性樹脂を含浸、塗布させて含浸紙を作製し、コアー
紙、含浸紙、オーバーレイ紙の順に積層し、加熱・加圧
し、硬化させて作製した熱硬化性樹脂材タイプのものが
知られている。
【0003】しかし、上記のような熱硬化性樹脂材タイ
プのものは、表面保護層の物性においては、耐擦傷性、
耐摩耗性等の物理的性質及び耐水性、耐溶剤性、耐化学
薬品性等の化学的性質に優れたものであるが、後加工が
不可能であり、また、印刷化粧紙としてチタン紙等の樹
脂含浸性に優れた多孔性の混抄紙を用いているので、表
面の平滑性に劣り、インキの吸い込みが良すぎるため印
刷適性に欠け、鮮明且つ精緻な印刷が出来ず意匠性に乏
しいという問題があった。
【0004】そのような不都合に対処するために、絵柄
印刷層を設けたポリエステルフイルムと熱接着性樹脂層
を有するポリエステルフイルムを接着剤を介して貼合せ
た後、熱硬化性樹脂を含浸、塗布した含浸紙と前記貼合
せたポリエステルフイルムの熱接着性樹脂層が対向する
ように積層し、加熱・加圧し、硬化させる方法が試みら
れているが、この場合絵柄印刷層としては鮮明且つ精緻
な印刷が出来、意匠性に優れたものとなるが、ポリエス
テルフイルムが2枚必要であり、また製造工程も複雑で
生産性に劣りコスト高になるという欠点があった。
【0005】さらに、このような欠点を解消するために
本出願人は特願平8−119609号にて、下層から順
に熱硬化性樹脂含浸紙層、熱接着性樹脂層、印刷層、透
明耐熱性フイルム層が積層された熱硬化性樹脂化粧材
で、前記熱接着性樹脂層が前記含浸紙に塗布又は含浸し
た熱硬化性樹脂に対して密着性を有する熱接着性樹脂で
ある熱硬化性樹脂化粧材を開発し、ポリエステルフイル
ム等からなる透明耐熱性フイルム層を一層にて可能と
し、コストダウンを図ったが、この場合においても、熱
圧プレスの際に、熱硬化性樹脂含浸紙から発生するスチ
レンモノマーなどのモノマー成分や水分によるガスによ
り、透明耐熱性フイルム層と印刷層との間で剥離や膨れ
を生じる等の問題が発生するものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる問題点
に鑑みてなされたものであって、その目的とするところ
は、意匠性に優れた鮮明且つ精緻な印刷層を有し、表面
保護層の物性において、耐擦傷性、耐摩耗性等の物理的
性質及び耐水性、耐溶剤性、耐化学薬品性等の化学的性
質に優れ、更に、後加工においてもポストフォーミング
加工、ラッピング加工が可能で、層間剥離や膨れ等の現
象のない熱硬化性樹脂化粧材を安価に提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の解決手段は、下層から順に熱硬化性樹脂含浸
紙層、熱接着性樹脂層、印刷層、透明耐熱性フイルム層
が積層された熱硬化性樹脂化粧材において、前記熱接着
性樹脂層が前記含浸紙に塗布又は含浸した熱硬化性樹脂
に対して密着性を有する熱接着性樹脂であり、かつ前記
印刷層と前記透明耐熱性フイルム層の間にプライマー層
が設けられていることを特徴とする熱硬化性樹脂化粧材
である。この構成とすることにより、透明耐熱性フイル
ム層にプライマー層を介して印刷層が施されているた
め、透明耐熱性フイルム層と印刷層の接着強度が高くな
るので、熱圧プレスの際に発生するスチレンモノマーな
どのモノマー成分や水分等のガスによる膨れや剥離のな
い高品質の熱硬化性樹脂化粧材とすることが可能であ
り、また透明耐熱性フイルムの印刷層面に熱接着性樹脂
層を積層した化粧シートとしているため、製造工程が簡
略化でき、生産性が向上する。そして、意匠性に優れた
鮮明且つ精緻な絵柄を有する熱硬化性樹脂化粧材とな
る。
【0008】さらに、前記熱接着性樹脂層と前記印刷層
の間にプライマー層が設けられていることにより、熱接
着性樹脂層と前記印刷層間の接着力がより強固になり熱
硬化性樹脂化粧材の品質が安定する。
【0009】そして、前記熱接着性樹脂層がガラス転移
温度45〜50℃のポリエステル系ウレタン樹脂である
ことを特徴とするものである。この場合、化粧材の成形
の際の熱圧成形条件のばらつきによって得られる化粧材
の密着性が劣るというようなことがなく品質が安定した
熱硬化性樹脂化粧材を安価に量産することが出来る。
【0010】そして、前記透明耐熱性フイルム層がポリ
エステルフイルムからなることを特徴とするものであ
る。この場合、化粧材は透明性、耐熱性、耐擦傷性、耐
水性、耐溶剤性、耐汚染性に優れた表面を備えることに
なる。
【0011】さらに、前記透明耐熱性フイルム層の上面
に凹凸形状が設けられていることである。こうすること
により、より本物に近い意匠性を付与することが出来
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施形態
を図面を参照しながら説明する。図1は本発明の熱硬化
性樹脂化粧材の第一の実施例を示す断面図、図2は本発
明の熱硬化性樹脂化粧材の第二の実施例を示す断面図、
図3は本発明の熱硬化性樹脂化粧材の第三の実施例を示
す断面図であり、1、1' 、1''は熱硬化性樹脂化粧
材、2は熱硬化性樹脂含浸紙、3は透明耐熱性フイル
ム、4は印刷層、4aは絵柄印刷層、4bはベタ印刷
層、5a、5bはプライマー層、6は熱接着性樹脂層、
7は凹部をそれぞれ表している。
【0013】本発明の第一の実施例の熱硬化性樹脂化粧
材1の構成は図1に示すように、下層から順に熱硬化性
樹脂含浸紙2、熱接着性樹脂層6、ベタ印刷層4b、絵
柄印刷層4aよりなる印刷層4、プライマー層5a、お
よび透明耐熱性フイルム3が積層されている。表面保護
層としての透明耐熱性フイルム3面と印刷層4との間に
プライマー層5aを設けることにより、熱圧プレス時に
熱硬化性樹脂含浸紙から発生するスチレンモノマーなど
のモノマー成分、水等のガスによる膨れや剥離の発生を
抑制し、安定した接着力を有する熱硬化性樹脂化粧材1
とすることが出来る。さらに、透明耐熱性フイルム3に
プライマー層5aと印刷層4とガラス転移温度45〜5
0℃のポリエステル系ウレタン樹脂よりなる熱接着性樹
脂層6が設けられた積層体を紙質系基材に未硬化の熱硬
化性樹脂を塗布又は含浸した熱硬化性樹脂含浸紙2の上
に載置し、加熱加圧成形しているために製造工程が簡略
化でき、高品質の熱硬化性樹脂化粧材を安価に得られ
る。
【0014】本発明の熱硬化性樹脂化粧材1の基材とし
て用いる熱硬化性樹脂含浸紙2としては、秤量50〜1
00g/m2 のチタン紙、クラフト紙等に熱硬化性樹脂
を塗布又は含浸させたものである。本実施例では、チタ
ン紙に不飽和ポリエステル樹脂を含浸させている。熱硬
化性樹脂としては、他にメラミン樹脂、ジアリルフタレ
ート樹脂、フェノール樹脂等を用いることも出来る。
【0015】熱硬化性樹脂化粧材1の最外層となる透明
耐熱性フイルム3は、熱硬化性樹脂化粧材1の保護層と
して機能するものであるから、耐熱性の他に、耐擦傷
性、耐溶剤性、耐汚染性等を考慮して材質を選択する必
要がある。また、透明度は装飾性を考慮して、絵柄の種
類や色に応じて設定する。絵柄によっては半透明な樹脂
でもよい。このような条件を満たす樹脂としては、ポリ
エチレンテレフタレートをはじめとするポリエステル、
ポリカーボネート、ナイロンが挙げられるが、中でもポ
リエステルフイルムが好ましいものである。
【0016】透明耐熱性フイルム3の下面の印刷層4
は、木目柄、抽象柄、石目柄等任意の模様を印刷形成し
た絵柄印刷層4aや、全面的に印刷を施したベタ印刷層
4bからなり不飽和ポリエステル樹脂、2液硬化型のア
クリルウレタン樹脂、およびポリエステルウレタン樹
脂、塩酢ビ−アクリル系樹脂等のポリエステル樹脂用の
通常インキにより印刷されている。透明耐熱性フイルム
3の下面は平滑であり、絵柄印刷層4aの輪郭はシャー
プなものとなっている。
【0017】プライマー層5aに使用可能な樹脂として
は、ポリエステル樹脂との接着性が優れると共に、熱圧
プレスの際に、熱硬化性樹脂含浸紙から発生するスチレ
ンモノマーなどのモノマー成分や水分等のガスにより侵
されることがなく、印刷層4に用いられるインキとの接
着性にも優れた樹脂が望ましく、ポリ塩化ビニル系樹
脂、熱可塑性ポリエステル樹脂等が好ましく用いられ
る。前記ポリ塩化ビニル系樹脂、熱可塑性ポリエステル
樹脂からなるインキを使用してプライマー層5aを1μ
m程度の厚さにグラビア印刷方式等により形成すること
により、熱圧プレスの際に発生するスチレンモノマーな
どのモノマー成分や水分等のガスによる膨れ、剥離の発
生を防止することができる。
【0018】上記構成の熱硬化性樹脂化粧材1は、紙質
系基材に未硬化の熱硬化性樹脂を塗布又は含浸した熱硬
化性樹脂含浸紙2の上面に、透明耐熱性フイルム3にプ
ライマー層5aと絵柄印刷層4a、ベタ印刷層4bから
なる印刷層4および熱接着性樹脂層6を設けた積層体の
前記熱接着性樹脂層6が熱硬化性樹脂含浸紙2と対向す
るように載置し、ベルトプレス成形装置で加熱、加圧し
て作製する。プレス板は鏡面板、または凹凸形状を付与
したエンボス板のどちらでも良い。この熱圧成形で加え
る温度、圧力、時間等の条件は、温度は100〜180
℃、好ましくは130〜160℃、圧力は1〜50kg
/cm2 、好ましくは2〜30kg/cm2 、時間は3
0秒〜10分、好ましくは1〜5分である。ベルトプレ
ス成形をすることにより連続ものの熱硬化性樹脂化粧材
が効率良く得られるが、枚葉プレス成形にて作製しても
構わないものである。
【0019】熱接着性樹脂層6はガラス転移温度が45
〜50℃の範囲のポリエステル系ウレタン樹脂からな
り、表面保護層としての透明耐熱性フイルム3と基材と
しての熱硬化性樹脂含浸紙2とを接着するためのもので
あり、熱圧プレス成形条件が150℃/1分以内程度の
いわゆるショートサイクルにて接着可能な樹脂であるこ
とが望ましい。ガラス転移温度が50℃以上の場合に
は、経時で接着強度の大幅な低下があり十分な密着力が
得られず、一方ガラス転移温度が45℃以下の場合に
は、熱圧プレス後の接着層の耐熱性が極度に低下し、ま
た、塗布乾燥後の非粘着性が不十分で化粧シートがブロ
ッキングし易い。
【0020】本発明における熱接着性樹脂層6を構成す
るポリエステル系ウレタン樹脂としては、例えば、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチル
グリコール、1,6ヘキサングリコール等のグリコール
類とアジピン酸、イソフタール酸、テレフタール酸等の
二塩基酸との重縮合反応によって得られるポリエステル
ポリオールとトリレンジイソシアネート、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、4・4' −ジフェニルメタンジイ
ソシアネート等のイソシアネートの反応により得られる
線状ブロック共重合体よりなる。
【0021】図2は本発明の熱硬化性樹脂化粧材の第二
の実施例を示す断面図である。本実施例の熱硬化性樹脂
化粧板1' は、下層から順に熱硬化性樹脂含浸紙2、熱
接着性樹脂層6、プライマー層5b、ベタ印刷層4b、
絵柄印刷層4aよりなる印刷層4、プライマー層5a、
および透明耐熱性フイルム3が積層されており、第一の
実施例と同様に透明耐熱性フイルム3はポリエステルフ
イルム、熱接着性樹脂層6はガラス転移温度が45〜5
0℃の範囲のポリエステル系ウレタン樹脂、熱硬化性樹
脂含浸紙2は不飽和ポリエステル樹脂を含浸したチタン
紙からなる。熱接着性樹脂層6と印刷層4との間に設け
られるプライマー層5bは、透明耐熱性フイルム3と印
刷層4との間に設けられるプライマー層5aに用いる樹
脂と同組成のものでよく、プライマー層5bを設けるこ
とによって熱硬化性樹脂化粧材の層間接着強度はより強
固なものとなる。
【0022】図3は本発明の熱硬化性樹脂化粧材の第三
の実施例を示す断面図である。本発明は図3に示すよう
に透明耐熱性フイルム3の上面に凹部7を設けた構成の
熱硬化性樹脂化粧材1''としてもよい。例えば絵柄印刷
層4aを木目模様に印刷し、透明耐熱性フイルム3の上
面に設ける凹部7を木目導管模様にした場合、立体的な
導管模様を有する木目の意匠性を付与することが出来
る。
【0023】本発明の熱硬化性樹脂化粧材1、1' 、
1''を合板、MDF等にエマルジョンタイプ接着剤等を
用いて積層した化粧板は、耐熱性、耐擦傷性、耐溶剤
性、耐汚染性等の表面物性が優れているので各種家具、
キャビネットやドア等の建築内装材の表面化粧の用途に
使用できる。
【0024】実施例1 厚さ25μmの透明ポリエステルフイルム(帝人(株)
製、HP−7)を使用し、そのポリエステルフイルム面
にグラビア印刷により塩化ビニル系樹脂(大日精化
(株)製、セイカビームSPBプライマーG)からなる
インキを使用してプライマー層を1μmの厚さに形成
し、その上に塩酢ビ−アクリル系樹脂よりなるインキを
用いてベタ印刷層および木目柄印刷層を設け、さらに前
記塩化ビニル系樹脂(大日精化(株)製、セイカビーム
SPBプライマーG)からなるインキを使用してプライ
マー層を1μmの厚さに形成し、さらにその上面にガラ
ス転移温度48℃のポリエステル系ウレタン樹脂(ザ・
インクテック(株)製、USP−HSニス)よりなる熱
接着性樹脂層を塗布量(ドライ)5g/m2 になるよう
に塗工し化粧シートを得た。次いで、秤量80g/m2
の未晒クラフト紙に不飽和ポリエステル樹脂を樹脂率が
120%となるように含浸し、樹脂含浸紙を作製した。
次に前記印刷したポリエステルフイルムの熱接着性樹脂
層側が樹脂含浸紙と接するように重ね合わせ、熱圧プレ
ス内にセットし、温度160℃、圧力18kg/cm2
にて1分間加熱加圧して成形し、表面物性が非常に優
れ、意匠的にも優れた熱硬化性樹脂化粧材を得た。
【0025】実施例2 厚さ25μmの艶消しポリエステルフイルム(東レ
(株)製、X−43)を使用し、そのポリエステルフイ
ルム面にグラビア印刷によりポリエステル系樹脂(大日
精化(株)製、セイカビームPETプライマーK)から
なるインキを使用してプライマー層を1μmの厚さに形
成し、その上に2液硬化型ポリエステルポリオール樹脂
よりなるインキを用いてベタ印刷層および木目柄印刷層
を設け、さらに前記ポリエステル系樹脂(大日精化
(株)製、セイカビームPETプライマーK)からなる
インキを使用してプライマー層を1μmの厚さに形成
し、さらにその上面にガラス転移温度48℃のポリエス
テル系ウレタン樹脂よりなる熱接着性樹脂層を塗布量
(ドライ)5g/m2 になるように塗工し化粧シートを
得た。次いで、秤量80g/m2 の未晒クラフト紙に不
飽和ポリエステル樹脂を樹脂率が120%となるように
含浸し、樹脂含浸紙を作製した。次に前記印刷したポリ
エステルフイルムの熱接着性樹脂層側が樹脂含浸紙と接
するように重ね合わせ、熱圧プレス内にセットし、温度
160℃、圧力18kg/cm2 にて1分間加熱加圧し
て成形し、表面物性が非常に優れ、意匠的にも優れた艶
消し熱硬化性樹脂化粧材を得た。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の熱硬化性
樹脂化粧材は、透明耐熱性フイルム面にプライマー層を
介して印刷層を設けた構成とすることにより、熱圧プレ
スの際に熱硬化性樹脂含浸紙から発生するスチレンモノ
マーなどのモノマー成分や水分によるガス等での透明耐
熱性フイルム層と印刷層との間の剥離や膨れを生じるこ
ともなく、意匠性、接着性に優れた熱硬化性樹脂化粧材
を得ることが出来る。
【0027】また、基材としての含浸紙における熱硬化
性樹脂に対して良好な密着性を呈する合成樹脂によって
形成されている熱接着性樹脂層を設けた透明耐熱性フイ
ルムを該基材に重ね、これを熱圧成形するものであるか
ら、熱硬化性樹脂含浸紙における熱硬化性樹脂の含浸量
のばらつき、熱硬化性樹脂含浸紙に利用されている紙質
系基材の紙質の不均一性等によって得られる化粧材の品
質が不均一になるというようなことがなく、また透明耐
熱性フイルム面に絵柄印刷層を設けているので、鮮明且
つ精緻な印刷模様を有する意匠性に優れ、品質が均一な
熱硬化性樹脂化粧材を得ることが出来る。
【0028】そして、熱接着性樹脂層が、ガラス転移温
度45〜50℃の範囲のポリエステル系ウレタン樹脂に
よって形成されるため、化粧材の成形の際の熱圧成形条
件のばらつきによって得られる化粧材の密着性が劣ると
いうようなこともなく品質が安定した熱硬化性樹脂化粧
材を連続のベルトプレス方式にて効率よく生産可能であ
り熱硬化性樹脂化粧材を安価に量産することが出来る。
【0029】また、熱硬化性樹脂化粧材の表面は、透明
性、耐熱性、耐擦傷性、耐水性、耐溶剤性、耐汚染性に
優れたポリエステルフイルムで形成されているため、従
来の熱硬化性樹脂化粧材にない曲げ加工性をもち、従来
のように簡単に割れたり、角部が欠けたりせず、取扱性
が顕著に向上した、耐久性に優れた用途の広い化粧材を
得ることが出来る。
【0030】更に、透明耐熱性フイルムの上面に凹凸を
絵柄に合わせて形成することで、絵柄の質感を高めるこ
とができる。例えば、絵柄が木目であれば、導管に対応
する部位を凹部とすることで本物の木であるかのような
温かみのある印象を与え、石目や砂目であれば、細かい
凹凸を形成して無機的な印象を高めることができ、高意
匠な熱硬化性樹脂化粧材を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱硬化性樹脂化粧材の第一の実施例を
示す断面図である。
【図2】本発明の熱硬化性樹脂化粧材の第二の実施例を
示す断面図である。
【図3】本発明の熱硬化性樹脂化粧材の第三の実施例を
示す断面図である。
【符号の説明】
1、1' 、1'' 熱硬化性樹脂化粧材 2 熱硬化性樹脂含浸紙 3 透明耐熱性フイルム 4 印刷層 4a 絵柄印刷層 4b ベタ印刷層 5a、5b プライマー層 6 熱接着性樹脂層 7 凹部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下層から順に熱硬化性樹脂含浸紙層、熱
    接着性樹脂層、印刷層、透明耐熱性フイルム層が積層さ
    れた熱硬化性樹脂化粧材において、前記熱接着性樹脂層
    が前記含浸紙に塗布又は含浸した熱硬化性樹脂に対して
    密着性を有する熱接着性樹脂であり、かつ前記印刷層と
    前記透明耐熱性フイルム層の間にプライマー層が設けら
    れていることを特徴とする熱硬化性樹脂化粧材。
  2. 【請求項2】 前記熱接着性樹脂層と前記印刷層の間に
    プライマー層が設けられていることを特徴とする請求項
    1記載の熱硬化性樹脂化粧材。
  3. 【請求項3】 前記熱接着性樹脂層がガラス転移温度4
    5〜50℃のポリエステル系ウレタン樹脂であることを
    特徴とする請求項1、2記載の熱硬化性樹脂化粧材。
  4. 【請求項4】 前記透明耐熱性フイルム層がポリエステ
    ルフイルムからなることを特徴とする請求項1〜3記載
    の熱硬化性樹脂化粧材。
  5. 【請求項5】 前記透明耐熱性フイルム層の上面に凹凸
    が設けられていることを特徴とする請求項1〜4記載の
    熱硬化性樹脂化粧材。
JP15903596A 1996-05-29 1996-05-29 熱硬化性樹脂化粧材 Withdrawn JPH09314756A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001239617A (ja) * 1999-12-20 2001-09-04 Targor Gmbh 装飾部材を含む前面用部品
JP2007307897A (ja) * 2006-04-21 2007-11-29 Okamoto Ind Inc 鮮映性化粧シートの製造方法
JP2011136578A (ja) * 2011-03-03 2011-07-14 Dainippon Printing Co Ltd 化粧シートおよびその製造方法

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