JPH09314380A - アルミニウム材料ろう付け用組成物及びろう付け用アルミニウム材料、並びにアルミニウム材料のろう付け方法 - Google Patents

アルミニウム材料ろう付け用組成物及びろう付け用アルミニウム材料、並びにアルミニウム材料のろう付け方法

Info

Publication number
JPH09314380A
JPH09314380A JP13657396A JP13657396A JPH09314380A JP H09314380 A JPH09314380 A JP H09314380A JP 13657396 A JP13657396 A JP 13657396A JP 13657396 A JP13657396 A JP 13657396A JP H09314380 A JPH09314380 A JP H09314380A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
brazing
aluminum
aluminum material
powder
wax
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13657396A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsutomu Usami
勉 宇佐見
Masaki Kumagai
正樹 熊谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Light Metal Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Light Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Light Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Light Metal Industries Ltd
Priority to JP13657396A priority Critical patent/JPH09314380A/ja
Publication of JPH09314380A publication Critical patent/JPH09314380A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Powder Metallurgy (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストで、良質なろう付けを行ない得ると
共に、アルミニウム材料の表面にコーティング層として
形成された状態において、そのようなアルミニウム材料
の大量の保管及び輸送を容易に行なうことの出来るアル
ミニウム材料ろう付け用組成物を提供し、またそのよう
なろう付け用組成物を用いたアルミニウム材料、並びに
アルミニウム材料のろう付け方法を提供する。 【解決手段】 アルミニウム材料のろう付け用組成物
を、アルミニウムと共晶合金を形成し得る金属又は該金
属とアルミニウムとの合金からなるろう材粉末と、フッ
化物系フラックス粉末と、常温で固体のワックスとの配
合物として構成する。また、かかるろう付け用組成物を
表面に溶融、塗布することにより、コーティング層が形
成せしめられてなる第一のアルミニウム材料と、第二の
アルミニウム材料を、コーティング層を介して当接せし
め、その状態で加熱することにより、ろう付けを行な
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、アルミニウム材料ろう付け用組
成物及びろう付け用アルミニウム材料、並びにアルミニ
ウム材料のろう付け方法に係り、特に、ろう付けを低コ
ストで行なうことが出来ると共に、高い接合率と良好な
ろう付け性が発揮され得るアルミニウム材料のろう付け
技術に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来より、アルミニウム若しくはアルミニ
ウム合金からなるアルミニウム材料同士をろう付けによ
り接合する場合には、ろう線材を用いて、トーチろう付
けする方法が採用されてきたが、この方法によれば、接
合するアルミニウム材料の形状が簡単な形状であり、且
つ接合箇所が少ない場合には、対応出来るものの、熱交
換器を構成するチューブ材とフィン材とをろう付けする
場合のように、接合箇所が多く、且つろう付けするアル
ミニウム材料の形状が複雑である場合には、充分に対応
することが出来なかった。
【0003】そのために、最近では、アルミニウム材料
にろう材を張り合わせてなるブレージングシートを用い
る方法が、提案されている。例えば、このブレージング
シートを用いる方法として、真空中でろう付けしたり、
不活性雰囲気中でろう付けしたり、或いはフラックスを
用いてろう付けしたりする等の、様々なろう付け方法
が、提案されているのである。より具体的には、熱交換
器の一種であるラジエータを構成するフィン材とチュー
ブ材をろう付けする場合には、全体の厚さの10%程度
の厚さとなるようにAl−Si合金ろう材が両面にクラ
ッドされた(張り合わされた)、アルミニウム圧延材か
らなるフィン材に、アルミニウム押出成形により得られ
たチューブ材を当接せしめた状態において、加熱するこ
とにより、ろう付けが実施されるのである。
【0004】ところで、そのようなブレージングシート
を用いて、アルミニウム材料をろう付けする方法は、接
合箇所が多い場合や、アルミニウム材料の形状が複雑な
場合には、有効であるものの、前記ブレージングシート
が、母材の全面に亘って、ろう材が張り合わされてなる
ものであるところから、ろう付けに必要のない部分に
も、ろう材が張り合わされており、従って非常に無駄の
多い、それ故に、コストが高く付くという問題を有して
いる。また、ろう材がろう付けに必要のない部分にも張
り合わされているところから、ろう付け加工を施す際
に、そのような余分なろう材が母材を侵食して、母材の
変形が惹起されるという問題も有しているのである。
【0005】そこで、このような欠点を解消するため
に、特表平6−504485号公報や特開平6−114
592号公報等においては、ろう材粉末とフラックス粉
末との混合物からなる、粉末状のろう付け用組成物を、
そのままで、或いは、それを水と混合してスラリー状態
にしてから、また或いは、そのようなろう付け用組成物
を有機結合剤または無機結合剤と混合してペースト状態
にしてから、アルミニウム材料の表面に塗布する方法
が、提案されている。そして、それらの方法によれば、
ろう付けに必要な部分にのみ、ろう材を塗布することが
出来るところから、必要なろう材の量を低減することが
出来ると共に、ろう材をアルミニウム材料の表面にクラ
ッド圧延する工程が不要となる結果、ろう付けに要する
コストを低減することが可能となる。
【0006】しかしながら、かかる方法にあっても、コ
ストの低減が可能とはなるものの、ろう付けによる接合
率の低下、或いは、ろう付け不良が惹起される問題を内
在しているのである。即ち、前記ろう付け用組成物が粉
末のままで適用される場合には、このろう付け用組成物
が飛散し易いことから、アルミニウム材料に対するろう
付け用組成物の適用が不充分となり、ろう材の適用量の
不足が生じて、接合率を著しく低下せしめる恐れを内在
している。また、ろう付け用組成物をスラリー状態にし
てから適用する場合には、スラリー中での各成分の均一
な分散が困難であるところから、アルミニウム材料に対
するろう付け用組成物中のろう材の適用量が不均一とな
り、その結果、ろう付けを施すと、ろう材量が過少とな
る部分では、接合率が低下し、反対にろう材量が過多と
なる部分では、余分なろう材がアルミニウム材料を侵食
することで、アルミニウム材料の強度が低くなるのであ
り、そのように強度が低くなった部分に、アルミニウム
材料を固定するジグ等による押圧力がかかることによっ
て、座屈が惹起されて、ろう付けが不良となるのであ
る。更に、そのような粉末状のろう付け用組成物を有機
或いは無機結合剤でペ一スト状態にしてから適用する場
合には、ペーストがそれと接触するものに付着するとこ
ろから、ペーストを塗布したアルミニウム材料の複数個
を積み重ねることが出来ず、従って、そのようなペース
ト状のろう付け用組成物を塗布したアルミニウム材料を
大量に保管、輪送することが困難となるのである。
【0007】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、かかる事情を背
景として為されたものであって、その解決課題とすると
ころは、低コストでろう付けを行ない得ると共に、高い
接合率と良好なろう付け性が得られるアルミニウム材料
ろう付け用組成物であって、且つ、それが、アルミニウ
ム材料の表面にコーティング層として形成された状態に
おいて、そのようなコーティング層の形成されたアルミ
ニウム材料の複数個を積み重ねることが出来、該アルミ
ニウム材料の大量の保管及び輸送を容易に行なうことの
出来るアルミニウム材料ろう付け用組成物を提供するこ
とにあり、またそのような特徴を発揮し得る、該ろう付
け用組成物をアルミニウム材料に塗布して得られるろう
付け用アルミニウム材料、更にはアルミニウム材料のろ
う付け方法を提供することにある。
【0008】
【解決手段】そして、本発明は、そのような課題を解決
するために、アルミニウムと共晶合金を形成し得る金属
若しくは該金属とアルミニウムとの合金からなるろう材
粉末と、フッ化物系フラックス粉末と、常温で固体のワ
ックスとからなることを特徴とするアルミニウム材料ろ
う付け用組成物を、その要旨とするものである。
【0009】このような本発明に従うアルミニウム材料
ろう付け用組成物にあっては、ろう材粉末と、フッ化物
系フラックス粉末と、常温で固体のワックスとが配合さ
れているところから、このろう付け用組成物を、その成
分中のワックスのみが溶融する程度に加熱して、該ワッ
クスを溶融せしめ、そしてそれら各成分を均一に混合せ
しめた状態にしてから、アルミニウム材料の表面に塗布
し、次いで冷却することによってワックスを凝固せしめ
ることにより、ろう材粉末とフラックス粉末とを含む常
温で固形のコーティング層をアルミニウム材料の表面に
形成することが出来るのであり、それによって、そのよ
うなコーティング層の形成されたアルミニウム材料の複
数個を積み重ねることが可能となる結果、その大量の保
管及び輸送を容易に行なうことが可能となる特徴を発揮
するのである。
【0010】加えて、そのようにしてアルミニウム材料
の表面に形成されるコーティング層にあっては、固形の
ワックスによって、必須の添加成分であるろう材粉末と
フラックス粉末とが、均一な混合状態において固着、保
持せしめられていると共に、アルミニウム材料の表面に
固着され、以てろう付け用組成物の飛散やろう付け用組
成物中の各必須成分の不均一な分散が、有利に防止され
得て、高い接合率と良好なろう付け性を備えたろう付け
が実現され得るのである。しかも、かかるろう付け用組
成物は、必要な箇所へ、必要な量だけ塗布されるもので
あるところから、その使用量を有利に低減し、低コスト
で、ろう付けを行なうことが出来るのである。
【0011】なお、この本発明に従うアルミニウム材料
ろう付け用組成物の望ましい態様によれば、前記配合物
は、前記ろう材粉末と前記フラックス粉末と前記ワック
スとを溶融混練せしめて得られた均一な混合物として用
いられ、これによって、かかるろう付け用組成物中の各
成分の均一な混合状態を、そのアルミニウム材料への塗
布工程におけるワックスの溶融の直前まで確実に保持す
ることが出来る特徴を有している。
【0012】また、本発明は、アルミニウム若しくはア
ルミニウム合金からなるアルミニウム材料に、アルミニ
ウムと共晶合金を形成し得る金属若しくは該金属とアル
ミニウムとの合金からなるろう材粉末と、フッ化物系フ
ラックス粉末と、常温で固体のワックスとを均一に配合
せしめてなるろう付け用組成物を、溶融、塗布せしめる
ことにより、かかるろう材粉末及びフラックス粉末を含
有するコーティング層が、該アルミニウム材料の表面に
形成されていることを特徴とするろう付け用アルミニウ
ム材料をも、その要旨としている。
【0013】そして、このようなろう付け用アルミニウ
ム材料にあっては、そのろう付けされるべき部位の表面
に、ろう材粉末とフッ化物系フラックス粉末が含有せし
められた、均一組成で、しかも常温で固形のコーティン
グ層が形成されているところから、その複数個を積み重
ねることが可能となるのであり、その大量の保管及び輸
送を容易に行なうことが可能となると共に、かかるコー
ティング層を介して、他のアルミニウム材料が当接せし
められた状態で、加熱されることにより、容易にろう付
けが行なわれ得るのである。
【0014】さらに、本発明は、アルミニウム若しくは
アルミニウム合金からなる第一のアルミニウム材料に、
アルミニウムと共晶合金を形成し得る金属若しくは該金
属とアルミニウムとの合金からなるろう材粉末と、フッ
化物系フラックス粉末と、常温で固体のワックスとを均
一に配合せしめてなるろう付け用組成物を、溶融、塗布
せしめることにより、かかるろう材粉末及びフラックス
粉末を含有するコーティング層を、該第一のアルミニウ
ム材料の表面に形成する一方、このコーティング層を介
して、該第一のアルミニウム材料に対して、アルミニウ
ム若しくはアルミニウム合金からなる第二のアルミニウ
ム材料を当接せしめた状態において、加熱することによ
り、それら第一のアルミニウム材料と第二のアルミニウ
ム材料とをろう付けすることを特徴とするアルミニウム
材料のろう付け方法をも、その要旨とするものである。
【0015】なお、このようなアルミニウム材料のろう
付け方法にあっては、表面のろう付けされるべき部位に
ろう材粉末とフッ化物系フラックス粉末を含有する均一
組成のコーティング層が形成された第一のアルミニウム
材料を用いるところから、接合率が高く、ろう付け性に
優れた、高品質のアルミニウム材料ろう付け製品を、低
コストで有利に製造し得るのである。
【0016】
【発明の実施の形態】ところで、上記した本発明に従う
アルミニウム材料のろう付け用組成物に用いられるろう
材としては、ろう付け加工時に、アルミニウムと共晶合
金を形成し得る金属、若しくは該金属とアルミニウムと
の合金であれば、従来から公知のものが、何れも用いら
れ得るものである。そして、そのようなろう材の具体例
としては、Si、Zn、Cu、Ge等の金属や、それら
金属の少なくとも1種類とアルミニウムとの合金を挙げ
ることが出来る。
【0017】また、本発明に従うアルミニウム材料のろ
う付け用組成物に用いられるフラックスは、アルミニウ
ム材料の表面に形成される酸化皮膜を還元して除去せし
め、アルミニウムとろう材との共晶合金の形成を促進す
るために添加されるものであるが、そのようなフラック
スとしては、フッ化物系フラックスであれば、従来から
公知の如何なるものも採用され得るものであり、より具
体的には、KF−AlF3 、KAlF4 、K2 AlF
5 、K3 AlF6 、RbF−AlF3 等を挙げることが
出来る。なお、ここで、フラックスがフッ化物系フラッ
クスに限定されているのは、フッ化物系フラックス以外
のフラックス、例えば、塩化物系フラックスを用いる場
合には、アルミニウム材料の腐食を招き易いために、ろ
う付け後において、残留物の特別な除去処理を行なわね
ばならず、また臭化物系フラックスを用いる場合には、
取り扱い上の安全性に問題を生じる等の問題があるとこ
ろから、好ましくないからである。
【0018】さらに、本発明に従うアルミニウム材料の
ろう付け用組成物を構成する必須の一成分たるワックス
は、ろう付けされるアルミニウム材料の表面に溶融、塗
布された後に、前記ろう材と前記フッ化物系フラックス
とを均一な混合状態に保持せしめると共に、アルミニウ
ム材料に結合、固着せしめるバインダーとして、配合さ
れるものであるが、そのようなワックスとしては、常温
で固体のものであれば、従来から公知の各種のものが適
宜に使用可能である。具体的には、天然ワックスとして
は、パラフィンワックスやマイクロクリスタリンワック
ス等の石油ワックス、若しくは、カルナバワックスやラ
ノリン等の動植物ワックス等が選択され得ると共に、合
成ワックスとしては、ポリエチレンワックスやフィシャ
ートロプッシュワックス等を挙げることが出来る。な
お、これらのワックスは、ろう付け時において、ろう付
けを行う温度より低い温度で、窒素ガス雰囲気中におい
て、容易に分解、蒸発して、しかも灰分が1%以下とな
るものであり、それによって、ろう付け後にアルミニウ
ム材料の表面を汚すことが有利に防止されるのである。
【0019】そして、本発明に従うアルミニウム材料ろ
う付け用組成物は、前記の如きろう材粉末と、フッ化物
系フラックス粉末と、常温で固体のワックスとを、各種
の形態において、配合してなるものであり、その配合形
態は、特に限定されるものではない。例えば、かかるワ
ックスとして、粉末状に調製されたものを用い、そのよ
うな粉末状のワックスを、ろう材粉末及びフッ化物系フ
ラックス粉末と均一に混合せしめた、粉末状の混合物で
あってもよく、また例えば、適当な大きさを有する塊状
のワックスと、ろう材粉末及びフッ化物系フラックス粉
末との混合物からなる形態のものであってもよいが、特
に、ろう材粉末、フッ化物系フラックス粉末及びワック
スを、該ワックスを加熱、溶融させた状態において、混
練せしめて得られる、固形の均一な混合物であることが
望ましい。なお、このような固形の混合物は、例えば、
ワックスを加熱して、溶融させた状態において、それら
の各成分を均一に分散せしめた後、徐々に冷却すること
により、容易に形成され得るのである。
【0020】また、そのようなアルミニウム材料ろう付
け用組成物において、ろう材の1重量部に対するフッ化
物系フラックス粉末の配合割合は、通常、0.1〜5重
量部、好ましくは0.1〜2重量部とされる。この理由
は、その配合割合が0.1重量部より少ない場合には、
フラックスの効果が充分に発揮されず、また、5重量部
より多くしても、より以上の効果が得られないからであ
る。一方、ろう材の1重量部に対するワックスの配合割
合は、通常、0.1〜10重量部、好ましくは1〜5重
量部とされる。その理由は、配合割合が0.1重量部よ
り少ない場合には、アルミニウム材料の表面にコーティ
ング層として形成された状態において、ろう材及びフラ
ックスを均一に分散させる作用が充分に発揮されず、ま
た、10重量部より多くしても、より以上の効果が得ら
れないからである。
【0021】一方、本発明に従うろう付け用アルミニウ
ム材料は、上記アルミニウム材料ろう付け用組成物を用
い、それを、その成分中のワックスのみが溶融する程度
に加熱して該ワックスを溶融せしめた後、必要に応じて
混練して、それら各成分を均一に混合せしめた状態にし
てから、アルミニウム若しくはアルミニウム合金からな
るアルミニウム材料のろう付けされるべき所定部位に、
適当量塗布することによって、容易に得ることが出来
る。
【0022】より詳細には、前記の如きアルミニウム材
料ろう付け用組成物を、その成分中のワックスの融点以
上、且つ、他の二成分、即ち前記ろう材とフッ化物フラ
ックスの各粉末成分の各融点以下の温度に、公知の手法
にて加熱して、ワックスのみを溶融せしめ、そしてその
ようなワックスが溶融している状態において、公知の手
法にて均一に混練せしめ、次いで、この均一な溶融状態
にあるアルミニウム材料ろう付け用組成物を、公知の手
法にて、アルミニウム材料のろう付けされるべき所定部
位に塗布した後、放置する等により常温になるまで冷却
して、かかるろう付け用組成物のワックスを再び凝固せ
しめることにより、目的とするろう付け用アルミニウム
材料が得られるのである。なお、アルミニウム材料に対
するろう付け用組成物の塗布量は、通常、ろう材量で1
g/m2 〜300g/m2 程度とされ、その塗布方法
は、均一に塗布することが出来れば、如何なる方法であ
っても、何等差支えなく、例えば、刷毛で塗布する方
法、スプレーにより塗布する方法、ロールにより塗布す
る方法等を採用することが出来る。
【0023】また、アルミニウム材料ろう付け用組成物
が、ろう材粉末、フッ化物系フラックス粉末及びワック
スを、かかるワックスを加熱、溶融させた状態下におい
て、溶融混練せしめて得られた、固形の均一な混合物で
ある場合においては、上記のワックス溶融後の混練操作
を省略することが出来る。更に、かかるろう付け用組成
物が、略一定の厚さを有する薄板形状の、上記の如き固
形の均一な混合物である場合には、以下の如き方法によ
っても、有利に、本発明に従うろう付け用アルミニウム
材料を得ることが可能である。即ち、かかる固形のろう
付け用組成物の所定量を、アルミニウム材料のろう付け
されるべき所定部位に置き、その成分中のワックスのみ
が溶融する程度に、該ろう付け用組成物を加熱して該ワ
ックスを溶融せしめた後、冷却して、ワックスを再び凝
固せしめるのである。更にまた、前記ろう付け用組成物
が、粉末状の、上記の如き固形の均一な混合物である場
合には、かかる粉末状のろう付け用組成物を、その成分
中のワックスのみが溶融する程度に加熱した状態におい
て、アルミニウム材料のろう付けされるべき所定部位に
吹き付け塗布し、その後、冷却して、ワックスを再び凝
固せしめることによっても、有利に、本発明に従うろう
付け用アルミニウム材料が得られる。
【0024】また、本発明に従うアルミニウム材料のろ
う付け方法にあっては、前記したろう付け用アルミニウ
ム材料を用いることにあり、このろう付け用アルミニウ
ム材料と、接合対象たるアルミニウム若しくはアルミニ
ウム合金からなる第二のアルミニウム材料とを、通常の
手法に従ってろう付けすることにより、それら二つのア
ルミニウム材料のろう付けを有利に行ない得るのであ
る。即ち、前記の如くして、そのろう付けされるべき部
位の表面に、ろう材及びフッ化物系フラックスを含有せ
しめてなる均一組成のコーティング層が形成された第一
のアルミニウム材料を用い、かかるコーティング層を介
して、所定の第二のアルミニウム材料を当接せしめて、
従来と同様にして加熱することにより、目的とするろう
付け製品を高い接合率において、且つ優れたろう付け性
において、従って侵食や座屈等の問題のない高品質な製
品として、有利に製造し得るのである。
【0025】
【実施例】以下に、本発明を更に具体的に明らかにする
ために、本発明の幾つかの実施例を示すこととするが、
本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制
約をも受けるものでないことは、言うまでもないところ
である。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更
には上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱し
ない限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変
更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解さ
れるべきである。
【0026】先ず、下記表1に示される配合割合(重量
比)において、各種のろう材粉末とフッ化物系フラック
ス粉末とワックスとを配合して、加熱せしめ、かかるワ
ックスを溶融させた状態において、混練した後、室温で
徐々に冷却することによって、ろう材粉末とフラックス
粉末とワックスとが均一に混合された、固形の、本発明
例1〜11のアルミニウム材料ろう付け用組成物を調製
した。なお、ろう材としては、シリコン粉末(Si)、
亜鉛粉末(Zn)、または、アルミニウム、シリコン及
び亜鉛からなる合金の粉末(Al−12%Si−1%Z
n)を用い、また、フッ化物系フラックスとしては、K
AlF4 の粉末を用いた。更に、ワックスとしては、パ
ラフィンワックス(135:日本精蝋株式会社製)、ま
たはマイクロクリスタリンワックス(Hi−Mic−1
045:日本精蝋株式会社製)を用いた。但し、アルミ
ニウム、シリコン及び亜鉛からなる合金の粉末(Al−
12%Si−1%Zn)においては、含有されている亜
鉛(Zn)は、ろう材としてではなく、実用時の耐食性
向上のために添加されている。
【0027】
【表1】 A:パラフィンワックス B:マイクロクリスタリンワックス 1)水
【0028】次いで、このようにして得られた各種のア
ルミニウム材料ろう付け用組成物を用いて、第一のアル
ミニウム材料の表面に、均一組成のコーティング層を形
成した。即ち、アルミニウム合金:JIS−A1050
を押出成形することにより得られた、第一のアルミニウ
ム材料としてのチューブ材(形材)の表面上のろう付け
を施す箇所に、前記各種のアルミニウム材料ろう付け用
組成物を100℃に加熱して、その成分中のワックスを
溶融させた状態において、ろう材量で10g/m2 にな
るようにそれぞれ塗布し、その後室温で自然に冷却せし
めて、ろう材とフラックスとを含有してなる、固形のコ
ーティング層を形成した。
【0029】また、比較のために、ワックスを用いるこ
となく、ろう材としてシリコン粉末:1重量部とフッ化
物系フラックスKAlF4 :3重量部とを混合して、比
較例1のアルミニウム材料ろう付け用組成物を調製する
と共に、そのような比較例1のアルミニウム材料ろう付
け用組成物に、その成分中のろう材:1重量部に対して
脱イオン水:100重量部を加えてスラリーとして、比
較例2のアルミニウム材料ろう付け用組成物を調製し
た。そして、比較例1のアルミニウム材料ろう付け用組
成物を、上記のチューブ材のろう付けを施す箇所に、ろ
う材量で10g/m2 になるように、粉末のままで塗布
することにより、適用する一方、スラリー状の比較例2
のアルミニウム材料ろう付け用組成物については、ろう
材量で10g/m2 になるように塗布した後、80℃〜
100℃の熱風で乾燥して、コーティング層を形成し
た。
【0030】その後、このようにして、その表面にコー
ティング層の形成されたアルミニウム材料に対して、そ
のコーティング層を介して、第二のアルミニウム材料を
当接せしめた状態で、加熱することにより、ろう付けを
実施した。即ち、アルミニウム合金:JIS−A300
3をコルゲート状に加工することにより得られた、第二
のアルミニウム材料たるフィン材を、前記チューブ材の
表面上のろう付けを施す箇所に当接せしめ、その状態
で、窒素ガス雰囲気中で、30分で、600℃まで加熱
し、その温度で3分間保持した後、炉冷することによ
り、それら第一及び第二のアルミニウム材料(チューブ
材+フィン材)をろう付けした。
【0031】そして、かかるろう付けの後、前記チュー
ブ材とフィン材との接合部分における接合率及びろう付
け性について調べ、その結果を、下記表2に示した。な
お、接合率は、接合部分100箇所当たりの接合されて
いる箇所の割合を百分率で表したものである。また、ろ
う付け性は、接合部分において、フィレットが形成され
て、その断面組織において、金属結合が為されており、
且つアルミニウム材料が、ろう材により侵食されておら
ず、座屈を生じていないものを○と評価し、そうでない
ものを×と評価した。
【0032】
【表2】
【0033】かかる表2に示される結果から明らかなよ
うに、本発明に従うアルミニウム材料ろう付け用組成物
を用いて、アルミニウム材料をろう付けした場合には、
高い接合率と優れたろう付け性が有利に発揮され得るの
である。一方、比較例のアルミニウム材料ろう付け用組
成物を用いて、アルミニウム材料をろう付けした場合に
は、ろう材及びフラックスの均一な塗布が困難であると
ころから、接合率も低く、一部において、適用されるろ
う材の量が過多となることにより座屈を生じ、ろう付け
性が不良となった。
【0034】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に従うアルミニウム材料ろう付け用組成物によれば、ろ
う材粉末とフッ化物系フラックス粉末と常温で固体のワ
ックスとを配合して構成されているところから、アルミ
ニウム材料の表面の所定のろう付け部位に、ろう材粉末
とフラックス粉末とが、均一な混合状態において保持、
含有された、常温で固形のコーティング層を有利に形成
することが出来、それによって、そのようなコーティン
グ層の形成されたアルミニウム材料の複数個を積み重ね
ることが可能となり、その大量の保管及び輸送を容易に
行なうことが可能となると共に、目的とするろう付け部
位に対して、必要量のろう材を用いるだけでよく、ろう
材のコストを有利に低減し得るのであり、しかも、高い
接合率と優れたろう付け性において、アルミニウム材料
のろう付けを有利に実現し得るのである。
【0035】また、本発明に従うろう付け用アルミニウ
ム材料によれば、そのようなコーティング層を有してい
ることから、複数個を積み重ねることが可能となり、そ
の大量の保管及び輸送を容易に行なうことが可能となる
と共に、ろう付けを行なう際に、高い接合率と優れたろ
う付け性が効果的に発揮される得るのであり、更に、本
発明に従うアルミニウム材料のろう付け方法によれば、
アルミニウム材料を低コストで接合し得ると共に、高い
接合率と優れたろう付け性を実現し得るところから、よ
り低コストで、より品質の良好なアルミニウム材料ろう
付け製品を、有利に製造し得るのである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウムと共晶合金を形成し得る金
    属若しくは該金属とアルミニウムとの合金からなるろう
    材粉末と、フッ化物系フラックス粉末と、常温で固体の
    ワックスとからなることを特徴とするアルミニウム材料
    ろう付け用組成物。
  2. 【請求項2】 前記ろう材粉末と前記フラックス粉末と
    前記ワックスとが溶融混練せしめられて、均一な混合物
    とされている請求項1に記載のアルミニウム材料ろう付
    け用組成物。
  3. 【請求項3】 アルミニウム若しくはアルミニウム合金
    からなるアルミニウム材料に、アルミニウムと共晶合金
    を形成し得る金属若しくは該金属とアルミニウムとの合
    金からなるろう材粉末と、フッ化物系フラックス粉末
    と、常温で固体のワックスとを均一に配合せしめてなる
    ろう付け用組成物を、溶融、塗布せしめることにより、
    かかるろう材粉末及びフラックス粉末を含有するコーテ
    ィング層が、該アルミニウム材料の表面に形成されてい
    ることを特徴とするろう付け用アルミニウム材料。
  4. 【請求項4】 アルミニウム若しくはアルミニウム合金
    からなる第一のアルミニウム材料に、アルミニウムと共
    晶合金を形成し得る金属若しくは該金属とアルミニウム
    との合金からなるろう材粉末と、フッ化物系フラックス
    粉末と、常温で固体のワックスとを均一に配合せしめて
    なるろう付け用組成物を、溶融、塗布せしめることによ
    り、かかるろう材粉末及びフラックス粉末を含有するコ
    ーティング層を、該第一のアルミニウム材料の表面に形
    成する一方、このコーティング層を介して、該第一のア
    ルミニウム材料に対して、アルミニウム若しくはアルミ
    ニウム合金からなる第二のアルミニウム材料を当接せし
    めた状態において、加熱することにより、それら第一の
    アルミニウム材料と第二のアルミニウム材料とをろう付
    けすることを特徴とするアルミニウム材料のろう付け方
    法。
JP13657396A 1996-05-30 1996-05-30 アルミニウム材料ろう付け用組成物及びろう付け用アルミニウム材料、並びにアルミニウム材料のろう付け方法 Pending JPH09314380A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13657396A JPH09314380A (ja) 1996-05-30 1996-05-30 アルミニウム材料ろう付け用組成物及びろう付け用アルミニウム材料、並びにアルミニウム材料のろう付け方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13657396A JPH09314380A (ja) 1996-05-30 1996-05-30 アルミニウム材料ろう付け用組成物及びろう付け用アルミニウム材料、並びにアルミニウム材料のろう付け方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09314380A true JPH09314380A (ja) 1997-12-09

Family

ID=15178432

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13657396A Pending JPH09314380A (ja) 1996-05-30 1996-05-30 アルミニウム材料ろう付け用組成物及びろう付け用アルミニウム材料、並びにアルミニウム材料のろう付け方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09314380A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001226540A (ja) * 2000-02-17 2001-08-21 Toyo Aluminium Kk アルミニウムろう付用フラックス組成物、その塗膜、及びろう付方法
EP1808264A1 (en) * 2006-01-11 2007-07-18 Akzo Nobel Coatings International B.V. Brazing flux composition comprising a lubricant
WO2007080160A1 (en) * 2006-01-11 2007-07-19 Akzo Nobel Coatings International B.V. Brazing flux composition comprising a lubricant
JP2011214111A (ja) * 2010-04-01 2011-10-27 Hitachi Ltd Al多孔質体とその製造方法
WO2020039497A1 (ja) * 2018-08-21 2020-02-27 ハリマ化成株式会社 ろう付け材、ろう付け部材、熱交換器、および、ろう付け部材の製造方法
WO2021033624A1 (ja) 2019-08-20 2021-02-25 ハリマ化成株式会社 ろう付け材、ろう付け部材および熱交換器

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001226540A (ja) * 2000-02-17 2001-08-21 Toyo Aluminium Kk アルミニウムろう付用フラックス組成物、その塗膜、及びろう付方法
EP1808264A1 (en) * 2006-01-11 2007-07-18 Akzo Nobel Coatings International B.V. Brazing flux composition comprising a lubricant
WO2007080160A1 (en) * 2006-01-11 2007-07-19 Akzo Nobel Coatings International B.V. Brazing flux composition comprising a lubricant
JP2011214111A (ja) * 2010-04-01 2011-10-27 Hitachi Ltd Al多孔質体とその製造方法
JPWO2020040128A1 (ja) * 2018-08-21 2021-09-02 ハリマ化成株式会社 ろう付け材、ろう付け部材、熱交換器、および、ろう付け部材の製造方法
WO2020039497A1 (ja) * 2018-08-21 2020-02-27 ハリマ化成株式会社 ろう付け材、ろう付け部材、熱交換器、および、ろう付け部材の製造方法
WO2020040128A1 (ja) 2018-08-21 2020-02-27 ハリマ化成株式会社 ろう付け材、ろう付け部材、熱交換器、および、ろう付け部材の製造方法
WO2021033624A1 (ja) 2019-08-20 2021-02-25 ハリマ化成株式会社 ろう付け材、ろう付け部材および熱交換器
CN114269504A (zh) * 2019-08-20 2022-04-01 哈利玛化成株式会社 硬焊材料、硬焊构件和热交换器
KR20220046577A (ko) 2019-08-20 2022-04-14 하리마카세이 가부시기가이샤 납땜재, 납땜 부재 및 열교환기
US20220314378A1 (en) * 2019-08-20 2022-10-06 Harima Chemicals, Incorporated Brazing material, brazing member, and heat exchanger
US11826859B2 (en) * 2019-08-20 2023-11-28 Harima Chemicals, Incorporated Brazing material, brazing member, and heat exchanger
CN114269504B (zh) * 2019-08-20 2024-04-26 哈利玛化成株式会社 硬焊材料、硬焊构件和热交换器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN1031493C (zh) 钎焊金属表面的方法及所用涂层混合物
US5781846A (en) Flux cored brazing composition
US6753094B1 (en) Composite sheet material for brazing
EP3563968A1 (en) Brazing sheet for fluxless brazing, fluxless brazing method, and heat exchanger manufacturing method
EP0980738A2 (en) Flux compositions for brazing aluminium, their films and brazing methods
KR100320146B1 (ko) 납땜용부식방지알루미늄재료및그제조방법
JPH0422666B2 (ja)
PL193962B1 (pl) Topnik, zastosowanie mieszaniny aktywatorów, sposób wytwarzania topnika i mieszanina lut - topnik
US5547517A (en) Brazing agent and a brazing sheet both comprising an aluminum alloy containing a flux
US6070789A (en) Method for soldering aluminum and soldering rod therefor
EP2732907B1 (en) Flux for brazing aluminum materials
JPH09314380A (ja) アルミニウム材料ろう付け用組成物及びろう付け用アルミニウム材料、並びにアルミニウム材料のろう付け方法
JPH11183085A (ja) アルミニウム製熱交換器用フィン材およびアルミニウム製熱交換器の製造方法
JP2004042086A (ja) アルミニウム材をろう付けするためのろう材粉末および該ろう材粉末を用いるアルミニウム材のろう付け方法
JPH06344179A (ja) フラックス含有Al合金ろう材
JP3765707B2 (ja) ろう付材及びアルミニウム又はアルミニウム合金材のろう付用フラックス
JP4347489B2 (ja) アルミニウムろう付用ペースト状組成物、その塗膜、およびろう付方法
JPH09174277A (ja) アルミニウム材料ろう付け用組成物及びろう付け用アルミニウム材料、並びにアルミニウム材料のろう付け方法
JP2001191176A (ja) アルミニウムのろう付け方法およびフラックス組成物並びに該フラックス組成物被覆アルミニウム合金
JPH10128580A (ja) ろう付け用アルミニウム押出材の調製方法
WO1993008952A1 (en) Method for modifying the surface of an aluminum substrate
JP4692088B2 (ja) アルミニウム合金のろう付け方法
JP3705939B2 (ja) アルミニウムろう付用ペースト状組成物、その塗膜、およびろう付方法
JPH071177A (ja) フラックス含有Al合金ろう材
US20040209105A1 (en) Composite sheet material for brazing