JPH0931315A - ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂組成物

Info

Publication number
JPH0931315A
JPH0931315A JP18286295A JP18286295A JPH0931315A JP H0931315 A JPH0931315 A JP H0931315A JP 18286295 A JP18286295 A JP 18286295A JP 18286295 A JP18286295 A JP 18286295A JP H0931315 A JPH0931315 A JP H0931315A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
compound
alkyl
polycarbonate resin
halogen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP18286295A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinya Miya
新也 宮
Satoshi Kanayama
聡 金山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Engineering Plastics Corp
Original Assignee
Mitsubishi Engineering Plastics Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Engineering Plastics Corp filed Critical Mitsubishi Engineering Plastics Corp
Priority to JP18286295A priority Critical patent/JPH0931315A/ja
Publication of JPH0931315A publication Critical patent/JPH0931315A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 殺菌の為に照射される電離放射線による色調
の変化や物性劣化の少ないポリカーボネート樹脂組成物
を提供する。 【解決手段】 ポリカーボネート樹脂100重量部に、
スルホン酸エステル基を有する化合物0.01〜5重量
部及び環状アセタール基を有する化合物0.01〜5重
量部を配合してなるポリカーボネート樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スルホン酸エステ
ル基を有する化合物及び環状アセタール基を有する化合
物を含有するポリカーボネート樹脂組成物に関するもの
である。特に、殺菌の為に照射される電離放射線による
色調の変化や物性劣化の少ない、耐電離放射線に優れた
ポリカーボネート樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂は、優れた機械的
強度,耐衝撃強度,耐熱性,透明性を有し安全性も高い
事から医療用製品として広く用いられている。これら医
療用製品は、その使用に際し通常完全滅菌が行われる。
具体的には高圧蒸気滅菌法、エチレンオキサイドガス
(EOG)滅菌法、ガンマ線や電子線等の電離放射線の
照射による滅菌法等である。このうち、高圧蒸気滅菌法
は、エネルギーコストが高く、さらに滅菌処理後に乾燥
工程が必要である。又、EOG滅菌ではEOG自身が毒
性を有する事や廃棄処理に関連する環境問題等を有す
る。従って、最近では比較的安価で、低温・乾式で処理
可能な電離放射線(ガンマ線が一般的である)照射滅菌
法がよく使用されるようになっている。しかしながら、
ポリカーボネート樹脂は、滅菌の際に電離放射線を照射
されると、黄色く変色してしまい、特に医療用途に於い
ての、製品価値を損なうという欠点を有している。
【0003】この様な欠点を解決する方法として、例え
ば、特開平2−55062号公報では、ハロゲン含有ポ
リカーボネート樹脂を配合する方法が、特開平5−17
9127号公報では核臭素化フタル酸誘導体を配合する
方法が、それぞれ述べられているが、組成物中にハロゲ
ンを含有する為に金属腐蝕が発生し易く、成形機等に特
別な材質の金属を使用する必要があった。
【0004】また、イオウ化合物を使用する方法とし
て、特開平1−229052号公報ではチオアルコール
類を配合する方法が、特開平2−115260号公報で
はチオエーテル類を配合する方法が、特開平2−490
58号、特開平4−36343号、特開平6−1668
07号各公報ではメルカプト基を有する化合物を配合す
る方法が、特開平6−93192号公報ではスルフィド
基を有する化合物を配合する方法が、さらに、特開平5
−209120号公報ではポリアルキレンオキシド及び
スルホン酸エステル置換基を持つ芳香族化合物を併用す
る方法が述べられているが、いずれにおいても黄変抑止
効果が不十分であったり、使用時に悪臭が発生し、成形
加工時の環境を悪化させるといった問題点が存在する。
【0005】さらに、特開平61−215651号公報
ではホウ素化合物を配合する方法が、特開平62−13
5556号公報ではポリエーテルポリオール又はそのア
ルキルエーテルを配合する方法が、特開平2ー2322
58号公報ではベンジルアルコール誘導体を配合する方
法が、特開平2−132147号公報では、イタコン
酸、ロジン酸、ベンズアルデヒドジメチルアセタール、
ベンズアルデヒドプロピレングリコールアセタール、p
−フタルアルデヒド等を配合する方法が、それぞれ述べ
られているが、黄変抑止効果が不十分であったり、十分
な効果が得られるだけ添加量を増やすと他の物性に悪影
響を及ぼす等の問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、物性
劣化が少なく電離放射線照射滅菌の際の黄変が非常に小
さいポリカーボネート樹脂組成物を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の問題を
解決するためになされたものであり、その要旨は、ポリ
カーボネート樹脂100重量部に、スルホン酸エステル
基を有する化合物0.01〜5重量部、及び環状アセタ
ール基を有する化合物0.01〜5重量部を配合してな
るポリカーボネート樹脂組成物に存する。
【0008】以下、本発明につき詳細に説明する。本発
明におけるポリカーボネート樹脂は、芳香族ジヒドロキ
シ化合物又はこれと少量のポリヒドロキシ化合物をホス
ゲン又は炭酸のジエステルと反応させることによって得
られる分岐していてもよい熱可塑性芳香族ポリカーボネ
ートの重合体又は共重合体である。
【0009】芳香族ジヒドロキシ化合物の一例は,2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビス
フェノールA)、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4
−ヒドロキシフェニル)プロパン(=テトラブロモビス
フェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2
−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパ
ン、1,1−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス
(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン,2,2−ビス(3−シク
ロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン,1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル−1−フェニルエタ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン
等で例示されるビス(ヒドロキシアリール)アルカン
類;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペ
ンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘキサン等で例示される、ビス(ヒドロキシアリー
ル)シクロアルカン類;4,4’−ジヒドロキシジフェ
ニルエーテル4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメ
チルジフェニルエーテル等で例示されるジヒドロキシジ
アリールエーテル類;4,4’−ジヒドロキシジフェニ
ルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ
メチルジフェニルスルフィド等で例示されるジヒドロキ
シジアリールスルフィド類;4,4’−ジヒドロキシジ
フェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,
3’−ジメチルジフェニルスルホキシド等で例示される
ジヒドロキシジアリールスルホキシド類;4,4’−ジ
ヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキ
シ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等で例示さ
れるジヒドロキシジアリールスルホン類;ハイドロキノ
ン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル等
があげられる。これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は単
独で或いは二種以上混合して使用しても良い。これらの
中で、特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパンが好適に用いられている。
【0010】又、分岐した芳香族ポリカーボネート樹脂
を得るには、フロログリシン、2,6−ジメチル−2,
4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)−3−ヘプテ
ン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロ
キシフェニル)−2−ヘプテン、1,3,5−トリ(2
−ヒドロキシフェニル)ベンゾール、1,1,1−トリ
(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,6−ビス(2
−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェ
ノール、α,α’,α”−トリ(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン等で例示
されるポリヒドロキシ化合物、あるいは3,3−ビス
(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール(=イサ
チンビスフェノール)、5−クロルイサチンビスフェノ
ール、5,7−ジクロルイサチンビスフェノール、5−
ブロムイサチンビスフェノールなどを用いればよい。
【0011】ホスゲン法ポリカーボネートの場合、末端
停止剤又は分子量調節剤を使用しても良い。末端停止剤
又は分子量調節剤としては、一価のフェノール性水酸基
を有する化合物があげられ、通常のフェノール、p−t
−ブチルフェノール、トリブロモフェノール等の他に、
長鎖アルキルフェノール、脂肪族カルボン酸クロライ
ド、脂肪族カルボン酸、ヒドロキシ安息香酸アルキルエ
ステル、アルキルエーテルフェノール等が例示される。
本発明で使用されるポリカーボネート樹脂において
は、一種類でも、又二種類以上を混合して使用しても良
い。本発明におけるポリカーボネート樹脂の分子量は、
溶媒としてメチレンクロライドを用い、温度25℃で測
定された溶液粘度より換算した粘度平均分子量で、1
0、000〜100、000であり、好ましくは15、
000〜50、000である。本発明におけるスルホン
酸エステル基を有する化合物は、下記一般式(1)、
(2)または(3)で示される化合物である。
【0012】
【化3】
【0013】式中、R1、R3、R6及びR8は、それぞれ、
C1〜30のアルキル基、アリール基、アリールスルホ
ン基またはハロゲン基である。R2及びR5は、それぞ
れ、H、C1〜30のアルキル基、シクロアルキル基、
アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基、アリ
ールアルケニル基またはアシル基であり、アリール基、
アリールアルキル基及びアリールアルケニル基の核には
置換基として、C1〜4のアルキル基またはハロゲン基
を有することができる。R4及びR7は、それぞれ、C1
〜15のアルキレン基、アルケニレン基またはアリーレ
ン基であり、アリーレン基の核には置換基として、C1
〜4のアルキル基またはハロゲン基を有することができ
る。h、j、l及びnは、それぞれ、0〜5の整数であ
り、iは1〜6の整数であり、hとiとの合計が6以下
である。k及びmは、それぞれ、1以上の整数であり、
好ましくは1〜100の整数である。該スルホン酸エス
テル基を有する化合物は、1種類で、あるいは2種以上
を混合して使用しても良い。
【0014】一般式(1)で示される化合物の具体例と
しては、ベンゼンスルホン酸メチルエステル、ベンゼン
スルホン酸フェニルエステル、トルエンスルホン酸メチ
ルエステル、トルエンスルホン酸エチルエステル、トル
エンスルホン酸ブチルエステル、トルエンスルホン酸フ
ェニルエステル、トルエンスルホン酸ベンジルエステ
ル、トルエンスルホン酸フェネチルエステル、トルエン
スルホン酸ナフチルエステル、キシレンスルホン酸メチ
ルエステル、キシレンスルホン酸フェニルエステル、メ
シチレンスルホン酸メチルエステル、メシチレンスルホ
ン酸フェニルエステル、ベンゼンジスルホン酸メチルエ
ステル、ベンゼンジスルホン酸フェニルエステル、ジフ
ェニルスルホン−3−スルホン酸メチルエステル、ジフ
ェニルスルホン−3−スルホン酸フェニルエステル等が
挙げられる。一般式(2)で示される化合物の具体例と
しては、ベンゼンスルホン酸メトキシエチルエステル、
トルエンスルホン酸メトキシメチルエステル、トルエン
スルホン酸メトキシエチルエステル、トルエンスルホン
酸エトキシエチルエステル、トルエンスルホン酸ブトキ
シエチルエステル、トルエンスルホン酸フェノキシエチ
ルエステル、トルエンスルホン酸ベンジロキシエチルエ
ステル、キシレンスルホン酸メトキシエチルエステル、
メシチレンスルホン酸メトキシエチルエステル、トルエ
ンスルホン酸ブトキシエトキシエチルエステル、トルエ
ンスルホン酸フェノキシエトキシエチルエステル、トル
エンスルホン酸ベンジロキシエトキシエチルエステル等
が挙げられる。一般式(3)で示される化合物の具体例
としては、ビストシルオキシメタン、1、2−ビストシ
ルオキシエタン、ジエチレングリコールジ−パラ−トシ
レ−ト、テトラエチレングリコールジ−パラ−トシレ−
ト等が挙げられる。
【0015】本発明におけるスルホン酸エステル基を有
する化合物の配合量は、ポリカーボネート樹脂100重
量部に対して、0.01〜5重量部である。配合量が
0.01重量部未満では、目的とする電離放射線照射に
よる黄変度の改良効果が不十分であり、5重量部を超え
ると機械物性が低下するので好ましくない。黄変度の改
良及び機械物性低下防止の点から、スルホン酸エステル
基を有する化合物の配合量は、ポリカーボネート樹脂1
00重量部に対して、好ましくは0.05〜3重量部で
ある。本発明における環状アセタール基を有する化合物
は、下記一般式(4)または(5)で示される化合物で
ある。
【0016】
【化4】
【0017】式中、R9、R10、R12、R13、R14及びR15
は、それぞれ、H、C1〜10のアルキル基、−CH2
OH基、−COOCH3基、フェニル基またはハロゲン
基である。R11は、C1〜15のアルキレン基、アルケ
ニレン基またはアリーレン基であり、アリーレン基の核
には置換基として、C1〜10のアルキル基またはハロ
ゲン基を有することができる。R16は、H、C1〜30
のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリ
ール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、
アルコキシアルキル基、アシル基、アリールアシル基、
ハロゲン基、ハロゲン化アルキル基、アミノ基またはア
ミノ化アルキル基であり、アリール基、アリールアルキ
ル基、アリールアルケニル基及びアリールアシル基の核
には置換基として、C1〜10のアルキル基またはハロ
ゲン基を有することができる。X1、X2及びX3は、それ
ぞれ、−CHR17−基、−O−基、−NH−基、−S−
基、−S−S−基または−PH−基であり、R17は、
H、C1〜15のアルキル基またはアリール基である。
y及びzは、それぞれ、0または1である。p,q及び
rは、それぞれ、1〜10の整数であり、ただし、p,
q又はrが2以上の場合、同一化合物内の、R9、R10
12、R13、R14又はR15は、それぞれ、同じでも異なっ
ていてもよい。
【0018】該環状アセタール基を有する化合物は、1
種類で、あるいは2種以上を混合して使用しても良い。
一般式(4)で示される化合物の具体例としては、2、
2’−エチレンビス−1、3−ジオキソラン、2、2’
−トリメチレンビス−1,3−ジオキソラン、2、2’
−フェニレンビス−1,3−ジオキソラン等が挙げられ
る。
【0019】一般式(5)で示される化合物の具体例と
しては、2−メチル−1,3−ジオキソラン、2−メチ
ル−4−メチル−1,3−ジオキソラン、2−ペンチル
−4−メチル−1,3−ジオキソラン、2−n−ヘキシ
ル−1,3−ジオキソラン、2−オクチル−4−メチル
−1,3−ジオキソラン、2−メトキシ−1,3−ジオ
キソラン、2−クロロメチル−1,3−ジオキソラン、
2−ブロモメチル−1,3−ジオキソラン、2−(2−
ブロモエチル)−1,3−ジオキソラン、2−アミノメ
チル−1,3−ジオキソラン、2−(2−アミノエチ
ル)−1,3−ジオキソラン、2−(1−フェニルエチ
ル)−1,3−ジオキソラン、2−(1−フェニルエチ
ル)−4−メチル−1,3−ジオキソラン、2−ベンジ
ル−1,3−ジオキソラン、2−ベンジル−4−メチル
−1,3−ジオキソラン、2−ベンジル−4、4−ジメ
チル−1,3−ジオキソラン、2−ベンジル−4−ヒド
ロキシメチル−1,3−ジオキソラン、2−{2−(2
−メトキシエトキシ)エトキシ}−1,3−ジオキソラ
ン、2−ベンジル−4、4−ジメチル−1,3−ジオキ
サン、2−ベンジル−5、5−ジメチル−1,3−ジオ
キサン等が挙げられる。
【0020】本発明における環状アセタール基を有する
化合物の配合量は、ポリカーボネート樹脂100重量部
に対して、0.01〜5重量部である。配合量が0.0
1重量部未満では、目的とする電離放射線照射による黄
変度の改良効果が不十分であり、5重量部を超えると、
機械物性が低下するので好ましくない。黄変度の改良及
び機械物性の低下防止の点から、環状アセタール基を有
する化合物の配合量は、ポリカーボネート樹脂100重
量部に対して、好ましくは0.05〜3重量部である。
【0021】スルホン酸エステル基を有する化合物と環
状アセタール基を有する化合物の混合比は、特に制限は
ないが、好ましくは重量比で10/90〜90/10で
ある。
【0022】本発明において、ポリカーボネート樹脂
に、スルホン酸エステル基を有する化合物及び環状アセ
タール基を有する化合物を配合する方法としては、最終
成形品を成形する直前までの任意の段階で、当業者に周
知の種々の方法によって行うことができる。例えば、タ
ンブラー、ヘンシェルミキサー等で混合する方法や、フ
ィーダーにより定量的に押出機ホッパーに供給して混合
する方法等がある。
【0023】本発明の組成物には更にその目的に応じ、
所望の特性を付与する他の添加剤を添加しても良い。例
えば、ハロゲン化合物、リン化合物、スルホン酸金属塩
等の難燃剤、アンチモン化合物、ジルコニウム化合物等
の難燃助剤、ポリテトラフルオロエチレン、珪素化合物
等の着火時の滴下防止剤、エラストマー等の耐衝撃改良
剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止
剤、可塑剤、離型剤、滑剤、相溶化剤、発泡剤、ガラス
繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク、炭素繊維、繊維
状マグネシウム、チタン酸カリウムウィスカー、セラミ
ックウィスカー、マイカ、タルク等の補強剤、充填剤、
染顔料等を、一種又は二種以上添加含有させる事も可能
である。
【0024】本発明の組成物は、射出成形、ブロー成形
等、慣用の成形方法に従って、所望の成形品とすること
ができる。本発明の耐電離放射線性ポリカーボネート樹
脂組成物を適用することが望まれている医療用成形品と
しては、具体的には、人工透析器、人工肺、麻酔用吸入
装置、静脈用コネクタ及び付属品、血液遠心分離ボウ
ル、外科用具、手術室用具、酸素を血液に供給するチュ
ーブ、チューブの接続具、心臓プローブ並びに注射器、
外科用具、手術室器具、静脈注射液等を入れる容器等が
挙げられる。
【0025】以下、本発明を実施例により更に詳細に説
明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。
【0026】
【実施例】
〔実施例−1〜7、比較例−1〜3〕ポリカーボネート
樹脂(ユーピロン S−2000、三菱エンジニアリン
グプラスチックス株式会社製。粘度平均分子量25、0
00。)100重量部と、表−1に記載のスルホン酸エ
ステル基を有する化合物及び環状アセタール基を有する
化合物を、表−1に記載の比率で、タンブラーにて混合
し、各々φ40mm一軸ベント式押出機を用いて、バレ
ル温度270℃で押出してペレットを得た。このペレッ
トを熱風乾燥器中で、120℃にて5時間以上乾燥した
後、樹脂温度270℃、金型温度80℃にて50mmφ
×3mm厚みの試験片を射出成形した。この成形片を用
い、コバルト60γ線を25キログレイ(kGy)照射
し、照射前後の黄色度を、JIS K7103に従っ
て、スガ試験機(株)製の色差計SM−3−CHにて測
定し、黄変度(ΔYI)を求めた。結果を表−1に示
す。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】本発明の組成物は、物性の劣化が少なく
殺菌のために照射される電離放射線による色調の変化が
少ない。従って、電離放射線照射滅菌が行われる医療用
製品、医療用装置、医療用装置の部材等の用途に有用で
ある。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカーボネート樹脂100重量部に、
    スルホン酸エステル基を有する化合物0.01〜5重量
    部、及び環状アセタ−ル基を有する化合物0.01〜5
    重量部を配合してなるポリカーボネート樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 スルホン酸エステル基を有する化合物
    が、下記一般式(1)、(2)または(3)で示される
    化合物であることを特徴とする請求項1に記載のポリカ
    ーボネート樹脂組成物。 【化1】 (式中、R1、R3、R6及びR8は、それぞれ、C1〜30
    のアルキル基、アリール基、アリールスルホン基または
    ハロゲン基であり、R2及びR5は、それぞれ、H、C1
    〜30のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル
    基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケ
    ニル基またはアシル基であり、アリール基、アリールア
    ルキル基及びアリールアルケニル基の核には置換基とし
    て、C1〜4のアルキル基またはハロゲン基を有するこ
    とができ、R4及びR7は、それぞれ、C1〜15のアル
    キレン基、アルケニレン基またはアリーレン基であり、
    アリーレン基の核には置換基として、C1〜4のアルキ
    ル基またはハロゲン基を有することができ、h、j、l
    及びnは、それぞれ、0〜5の整数であり、iは1〜6
    の整数であり、hとiとの合計が6以下であり、k及び
    mは、それぞれ、1以上の整数である。)
  3. 【請求項3】 環状アセタ−ル基を有する化合物が、下
    記一般式(4)または(5)で示される化合物であるこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載のポリカーボネー
    ト樹脂組成物。 【化2】 (式中、R9、R10、R12、R13、R14及びR15は、それぞ
    れ、H、C1〜10のアルキル基、−CH2OH基、−
    COOCH3基、フェニル基またはハロゲン基であり、
    11は、C1〜15のアルキレン基、アルケニレン基ま
    たはアリーレン基であり、アリーレン基の核には置換基
    として、C1〜10のアルキル基またはハロゲン基を有
    することができ、R16は、H、C1〜30のアルキル
    基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、ア
    リールアルキル基、アリールアルケニル基、アルコキシ
    アルキル基、アシル基、アリールアシル基、ハロゲン
    基、ハロゲン化アルキル基、アミノ基またはアミノ化ア
    ルキル基であり、アリール基、アリールアルキル基、ア
    リールアルケニル基及びアリールアシル基の核には置換
    基として、C1〜10のアルキル基またはハロゲン基を
    有することができ、X1、X2及びX3は、それぞれ、−C
    HR17−基、−O−基、−NH−基、−S−基、−S−
    S−基または−PH−基であり、R17は、H、C1〜1
    5のアルキル基またはアリール基であり、y及びzは、
    それぞれ、0または1であり、p,q及びrは、それぞ
    れ、1〜10の整数であり、ただし、p,q又はrが2
    以上の場合、同一化合物内の、R9、R10、R12、R13、R
    14又はR15は、それぞれ、同じでも異なっていてもよ
    い。)
JP18286295A 1995-07-19 1995-07-19 ポリカーボネート樹脂組成物 Pending JPH0931315A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18286295A JPH0931315A (ja) 1995-07-19 1995-07-19 ポリカーボネート樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18286295A JPH0931315A (ja) 1995-07-19 1995-07-19 ポリカーボネート樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0931315A true JPH0931315A (ja) 1997-02-04

Family

ID=16125751

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18286295A Pending JPH0931315A (ja) 1995-07-19 1995-07-19 ポリカーボネート樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0931315A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6166116A (en) * 1999-06-03 2000-12-26 The Dow Chemical Company Carbonate polymer compositions stabilized against discoloration and physical property deterioration during sterilization by ionizing radiation
JP2006009022A (ja) * 2004-06-24 2006-01-12 Bayer Materialscience Ag 熱的に安定化させたポリカーボネート組成物

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6166116A (en) * 1999-06-03 2000-12-26 The Dow Chemical Company Carbonate polymer compositions stabilized against discoloration and physical property deterioration during sterilization by ionizing radiation
JP2006009022A (ja) * 2004-06-24 2006-01-12 Bayer Materialscience Ag 熱的に安定化させたポリカーボネート組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH09124918A (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JP3330781B2 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JPH0940854A (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JPH09310010A (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JPH0931315A (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JP3370214B2 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JP3330793B2 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JP2002069283A (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JPH08311324A (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JPH09255861A (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JP3592844B2 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JP3592843B2 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JPH09208819A (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JP3370219B2 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JPH0925404A (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JP3618444B2 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JPH09227770A (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JP3618459B2 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JPH0925401A (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JP3335800B2 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JP3618458B2 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JPH107896A (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JPH09255862A (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JPH09124917A (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JPH09176479A (ja) ポリカーボネート樹脂組成物