JPH0931124A - ポリビニルアセタールの製造方法、ポリビニルアセタール、合わせガラス用中間膜及び合わせガラス - Google Patents
ポリビニルアセタールの製造方法、ポリビニルアセタール、合わせガラス用中間膜及び合わせガラスInfo
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- JPH0931124A JPH0931124A JP7278869A JP27886995A JPH0931124A JP H0931124 A JPH0931124 A JP H0931124A JP 7278869 A JP7278869 A JP 7278869A JP 27886995 A JP27886995 A JP 27886995A JP H0931124 A JPH0931124 A JP H0931124A
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Abstract
の製造方法を提供する。また、この製造方法で得られる
ポリビニルブチラールを用いて合わせガラス用中間膜及
び合わせガラスを得る。 【解決手段】 ポリビニルアルコールとアルデヒド化合
物とを縮合せしめてポリビニルアセタールを製造する方
法において、1,2−グリコール結合量が1.70モル
%以下のポリビニルアルコールを用いる。この製造方法
で得られるポリビニルアセタールのうちポリビニルブチ
ラールを用い、従来と同様な方法で合わせガラス用中間
膜及び合わせガラスを得る。
Description
タールの製造方法に関し、詳しくは製造時間を短縮でき
るポリビニルアセタールの製造方法及び粒度が比較的大
きいポリビニルアセタールの製造方法に関する。
タールの製造方法により得られたポリビニルアセター
ル、このポリビニルアセタールのうちポリビニルブチラ
ールを用いた合わせガラス用中間膜及びこの合わせガラ
ス用中間膜を用いた合わせガラスに関する。
セタールは、安全ガラスの中間膜、塗料、接着剤等の原
料樹脂として広く使用されている。この種のポリビニル
アセタールは、主に沈殿法及び溶液法により製造されて
いる。
と、沈殿法では、酸触媒の存在下でポリビニルアルコー
ルの水溶液にブチルアルデヒドを加え、一般に20℃以
下の比較的低温で縮合反応を行ってポリビニルブチラー
ルを沈澱析出させ、その後昇温して熟成反応を行う(例
えば、特開昭56−82806号公報参照)。
有機溶媒中にポリビニルアルコールと酸触媒とブチルア
ルデヒドとを加え、比較的高温で縮合反応及び熟成反応
を行ってポリビニルブチラールの溶液を得て、この溶液
に水等の非溶媒を加えてポリビニルブチラールを沈澱析
出させる。
法によるポリビニルアセタールの製造にあっては、縮合
反応のあと熟成反応を行ってポリビニルアセタールを安
定化させるが、この場合、良好な品質を得るためには、
長時間にわたり沈殿物を水中で撹拌して熟成反応を行わ
ねばならず、このため製造時間が長くなるという問題が
ある。
ルコールのケン化が起こりやすくなり、塩酸濃度を沈殿
法より低くせねばならず、そのため縮合反応及び熟成反
応に長時間を要し、この場合も製造時間が長くなるとい
う問題がある。
ビニルアルコールが用いられ、このようなポリビニルア
ルコールの水溶液を短時間で得るためには、ポリビニル
アルコールを投入する水の温度を高くすることが有利で
あるが、水温を高く(約50℃以上)すると、ポリビニ
ルアルコールが塊状(ままこ)になりやすく、逆に溶解
しにくくなる。
る水の温度は低め(約40℃以下)にして塊状物の発生
を防止し、その後90℃以上への昇温して完全に溶解す
る方法が採用されているが、この場合、90℃以上への
昇温に長時間を要し、そのため製造時間が長くなるとい
う問題がある。
ルの粒子が粗大化したり凝集したりしないように沈澱析
出させるため及び均一な品質の製品を得るために、一般
に20℃以下の比較的低温で縮合反応を行っているが、
この場合、得られるポリビニルアセタールの粒子が微細
になり、取扱い作業の際に微粉が舞い上がったり、押出
成形の際にスクリューへの食い込みが悪くなったりする
という問題がある。
で、第1の目的は、主に沈澱法及び溶液法において、熟
成反応の時間を短縮できるポリビニルアセタールの製造
方法を提供することにある。
ルアルコール水溶液の調製時間を短縮できるポリビニル
アセタールの製造方法を提供することにある。
較的大きく、好ましくは平均粒径が80μm 以上である
ポリビニルアセタールの製造方法を提供することにあ
る。
の製造方法のいずれかの製造方法により得られたポリビ
ニルアセタールを提供することにある。
のうちポリビニルブチラールを用いた合わせガラス用中
間膜及びこの合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラ
スを提供することにある。
ビニルアルコールとアルデヒド化合物とを縮合せしめて
ポリビニルアセタールを製造する方法において、1,2
−グリコール結合量が1.70モル%以下のポリビニル
アルコールを用いることによって達成することができる
(請求項1の発明)。
水溶液とアルデヒド化合物とを縮合せしめてポリビニル
アセタールを製造する方法(沈澱法)において、1,2
−グリコール結合量が1.70モル%以下のポリビニル
アルコールを用い、このポリビニルアルコールを45〜
65℃の温水中に投入した後90℃以上で溶解して、上
記ポリビニルアルコール水溶液を得ることによって達成
することができる(請求項2の発明)。
水溶液とアルデヒド化合物とを縮合せしめてポリビニル
アセタールを製造する方法(沈澱法)において、1,2
−グリコール結合量が1.70モル%以下のポリビニル
アルコールを用い、20℃以下で縮合反応を行ってポリ
ビニルアセタールを沈澱析出させ、その後30℃以上で
熟成反応を行うことによって達成することができる(請
求項3の発明)。
の製造方法のいずれかの製造方法により得られたポリビ
ニルアセタールによって達成される(請求項4の発
明)。
のうちポリビニルブチラールを用いた合わせガラス用中
間膜及び合わせガラスによって達成される(請求項5及
び6の発明)。
ルコールの平均重合度及びケン化度は、従来の製造方法
と同様に、製造するポリビニルアセタールの用途によっ
て選ばれる。例えば、合わせガラス用中間膜に用いるポ
リビニルブチラールを製造する場合は、平均重合度が8
00〜3000のものが好ましい。また、ケン化度は、
透明性のよいポリビニルブチラールを得るために、95
モル%以上、特に98モル%以上のものが好ましい。
−グリコール結合量が1.70モル%以下のポリビニル
アルコールを用いることが必要で、この点が従来の製造
方法と著しく異なる。ここで、1,2−グリコール結合
量は、核磁気共鳴スペクトル法(NMR法)によって測
定される。このような特定のポリビニルアルコールを用
いる理由は、次の通りである。
2−グリコール結合量が1.70モル%を越えるポリビ
ニルアルコールを用いると、請求項1の発明において、
熟成反応の時間を短縮する効果が小さくなるからであ
る。
グリコール結合量が1.70モル%を越えるポリビニル
アルコールを用いると、請求項2の発明において、ポリ
ビニルアルコール水溶液の調製時間を短縮する効果が小
さくなるからである。
グリコール結合量が1.70モル%を越えるポリビニル
アルコールを用いると、請求項3の発明において、粒度
が比較的大きく平均粒径で80μm 以上とするのが難し
くなるからである。
合物は、従来の製造方法と同様に、製造するポリビニル
アセタールの用途によって選ばれる。例えば、合わせガ
ラス用中間膜に用いるポリビニルブチラールを製造する
場合は、アルデヒド化合物としてブチルアルデヒドが用
いられる。
ド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、クロトンア
ルデヒド、グリオキサゾールアルデヒド、p−ヒドロキ
シベンズアルデヒド、ジヒドロキシベンズアルデヒド、
2−エチルヘキシルアルデヒド、プロピオンアルデヒ
ド、フェニルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、フル
フラールアルデヒド、アクロレインアルデヒド、クロラ
ールアルデヒド、p−アジドベンズアルデヒド、シクロ
ヘキシルアルデヒド、クロルベンズアルデヒド等のアル
デヒド化合物が用いられる。
ニルアルコールとアルデヒド化合物とを縮合せしめる触
媒としては、一般に酸触媒が用いられ、具体的には、硫
酸、硝酸、塩酸等の無機酸やp−トルエンスルホン酸等
の有機酸が用いられる。これ等の酸触媒の使用量は、縮
合反応の終了時における濃度(酸触媒濃度)が0.5〜
5重量%となるような量が好ましい。
もよいが、沈殿法の場合、微細なポリビニルアセタール
粒子を沈殿析出せしめるためには、適当な回数に分割添
加するのが好ましい。例えば、酸触媒として塩酸を用い
る場合は、沈殿物の析出前に全所要量の1/20〜1/
3を添加し、残りを沈殿物の析出後に添加するのが好ま
しい。また、溶液法の場合は、全所定量を反応のはじめ
に一括投入するのが効率上好ましい。
は、上記ポリビニルアルコールを温水に溶解して水溶液
が調製され、特に上記ポリビニルアルコールを45〜6
5℃の温水中に投入した後90℃以上、好ましくは93
℃以上に昇温し、この温度で1時間以上溶解するのが好
ましい。ポリビニルアルコールを投入する温水の温度が
45℃未満では溶解時間の短縮効果が小さくなり、逆に
温水の温度が65℃を越えるとポリビニルアルコールが
塊状となり溶解時間が長くなる。
記のポリビニルアルコールをイソプロピルアルコール等
の有機溶媒又は水との混合溶媒に溶解して溶剤溶液とさ
れる。
アルコール水溶液(沈澱法)又は溶剤溶液(溶液法)の
濃度は、縮合反応によりアセタール化を行うことができ
る濃度であれば特に限定されないが、通常、3〜15重
量%である。
沈澱法、溶液法のいずれの場合においても、製造するポ
リビニルアセタールのアセタール化度に応じて適宜決定
されるが、合わせガラス用中間膜に用いる場合は、アセ
タール化度(ブチラール化度)が60〜75モル%とな
るようにブチルアルデヒドを使用するのが好ましく、そ
のためにはポリビニルアルコール100重量部に対し、
49〜74重量部のブチルアルデヒドを加えるのが望ま
しい。
ブチラールを製造するには、沈殿法では、上記特定のポ
リビニルアルコール水溶液に酸触媒を添加し、次いで反
応系を20℃以下に冷却し、これにブチルアルデヒドを
加えて縮合反応させてポリビニルブチラールの沈殿を析
出させる方法が好適に採用される。
沈殿物を微小な粒子状または粉状で沈殿析出させるため
及び均一な品質の製品を得るためであり、温度の下限は
反応系が凍結しないような温度であればよく、特に限定
されるものではないが、通常、−6℃以上の温度が採用
される。
が終了したあと、ポリビニルブチラールを安定化させる
ために熟成反応を行うが、この場合、反応系を昇温し3
0℃以上の温度に数時間保って熟成反応を行うのが好ま
しい。
度に保って熟成反応を行うのは、粒子径を比較的大きく
(平均粒径で80μm 以上)するため及び熟成反応を十
分に進めるためであり、温度の上限は水が沸騰しないよ
うな温度であればよく、特に限定されるものではない
が、通常、90℃以下の温度が採用される。
てポリビニルブチラールを取り出し、常法により洗浄、
精製、乾燥を行って、粉末状のポリビニルブチラールを
製造する。
は、イソプロピルアルコール等の有機溶媒又は水との混
合溶媒中に、上記特定のポリビニルアルコールと酸触媒
とブチルアルデヒドとを加え、次いで反応系を40〜9
0℃に昇温して縮合反応及び熟成反応を数時間行う方法
が好適に採用される。そして、その後、反応溶液に水等
の非溶媒を加えてポリビニルブチラールを析出させ、常
法により洗浄、精製、乾燥を行って粉末状のポリビニル
ブチラールを製造する。
ルデヒド化合物とを縮合せしめてポリビニルアセタール
を製造する方法(主に沈澱法及び溶液法)において、
1,2−グリコール結合量が1.70モル%以下のポリ
ビニルアルコールを用いると、主に熟成反応の時間が短
縮される。その作用機構は解明されたわけではないが、
次のように推察される。
コールの水酸基と縮合反応してアセタール環が形成され
るが、この縮合反応は平衡反応であり、反応がある程度
進行した平衡状態ではアセタール化度はほぼ一定にな
る。
と、アセタール環の付け変わりが起こり、立体配置が主
鎖に沿って互いに逆であるラセミ型のアセタール環が、
主鎖に沿って互いに同じである安定なメソ型のアセター
ル環に付け変わり、一方、水酸基はアイソタクティック
から安定なシンジオタクティック立体構造へ変化し、そ
の連鎖長が長くなる。その結果、得られるポリビニルア
セタールがより安定で、剛性を有する樹脂に変化する。
このように、アセタール環の構造のメソ型の割合は、熟
成反応の程度を表す尺度とすることができる。
グリコール結合が存在すれば、この1,2−グリコール
結合中の水酸基はアルデヒド化合物と反応はするがアセ
タール環を形成することができないため、いったん反応
したアルデヒド化合物は解離し、アセタール環を形成し
得る1,3−グリコール結合と再反応する。
はアセタール化反応を阻害する原因となる。また、1,
2−グリコール結合はポリビニルアルコールの構造を不
規則のものとし、また物性的に軟らかい折れ曲がり点と
して機能するため、上記水酸基の連鎖長の成長やアセタ
ール環の付け変わりを阻害し、その結果、アセタール化
反応及び熟成反応の時間が長くなる。
2−グリコール結合量を1.70モル%以下に減らす
と、アセタール化反応が早くなり、しかもアセタール環
及び水酸基の構造変化が早く行われ、その結果、主に熟
成反応の時間が短縮されるものと考えられる。
ルアルコールの水溶液とアルデヒド化合物とを縮合せし
めてポリビニルアセタールを製造する方法(沈澱法)に
おいて、1,2−グリコール結合量が1.70モル%以
下のポリビニルアルコールを用い、このポリビニルアル
コールを45〜65℃の水中に投入した後90℃以上で
溶解することにより水溶液を得ると、ポリビニルアルコ
ール水溶液の調製時間が短縮される。その作用機構は解
明されたわけではないが、次のように推察される。
は、先ず非晶構造部分が溶解し、次に結晶構造部分が溶
解する。ここで、ポリビニルアルコールを高温の温水に
投入すると、非晶構造部分が急速に膨潤、軟化するため
塊状物が形成される。
いポリビニルアルコールは、分子構造が1,3−グリコ
ール結合からなる規則的な構造を有しているため、結晶
化した際に強い結晶構造部分を多く生成する。この強い
結晶構造部分が非晶構造内に存在すると、非晶構造部分
の膨潤、軟化の程度が抑制され、より高温で塊状物形成
に至らないものと考えられる。
緩やかに溶解し、しだいに結晶構造部分の溶解が始ま
る。この結晶のサイズが大きいと溶解時間が長くなる
が、1,2−グリコール結合量が少ないポリビニルアル
コールは、1,2−グリコール結合量が多いポリビニル
アルコールと結晶のサイズは同じ程度であり、その数が
多くなり、結晶溶解に至る時間が早くなるものと考えら
れる。
ルアルコールの水溶液とアルデヒド化合物とを縮合せし
めてポリビニルアセタールを製造する方法(沈澱法)に
おいて、1,2−グリコール結合量が1.70モル%以
下のポリビニルアルコールを用い、20℃以下で縮合反
応を行ってポリビニルアセタールを沈澱析出させ、その
後30℃以上で熟成反応を行うと、粒度が比較的大きい
(平均粒径で80μm以上)ポリビニルアセタールが得
られる。その作用機構は解明されたわけではないが、次
のように推察される。
ド化合物との縮合反応で沈澱析出した直後のポリビニル
アセタールの粒子(一次粒子)の大きさは、ポリビニル
アルコールの1,2−グリコール結合量が少なくても多
くても大きな差はない。
いポリビニルアルコールは1,3−グリコール結合量か
らなる規則的な繰り返し単位を有するため、分子間の相
互作用が大きく、一次粒子同士が接触(衝突)したとき
に合着しようとする力が大きい。そのため、沈澱析出し
た一次粒子は他の粒子と接触し大きな粒子に成長しやす
くなるものと考えられる。
たポリビニルアセタールの粒子は内部がポーラスなた
め、その内部に取り込まれたアルデヒド化合物などの残
存物は洗浄により容易に除去されるものと考えられる。
るポリビニルアセタールのうち、ポリビニルブチラール
は合わせガラス用中間膜の製造に好適に用いられる。こ
の場合、ブチラール化度60〜70モル%、平均重合度
800〜3000、ブチラール環のメソ型構造75〜8
5モル%のポリビニルブチラールを用いるのが好まし
い。ここで、ブチラール化度及び平均重合度はJIS
K6728に基づいて測定され、ブチラール環のメソ型
構造はプロトン核磁気共鳴スぺクトル法により測定する
ことができる。
の可塑剤との相溶性が悪くなり、可塑剤が中間膜の表面
にブリードするようになり、逆に70モル%を越えると
中間膜の耐熱性や強度が低下する。また、平均重合度が
800未満では中間膜の強度が低下し、逆に3000を
越えると押出成形性が低下する。
中間膜のクリープ伸び率(80℃)と関係があり、上記
ポリビニルブチラールのメソ型構造が75モル%未満で
は中間膜のクリープ伸び率(80℃)が140%を上回
り、中間膜が柔らかくなって合わせガラスの製造過程で
中間膜が変形しやすくなり、取扱い作業性が低下する
る。逆に、メソ型構造が85モル%を越えると中間膜の
クリープ伸び率(80℃)が40%を下回り、中間膜が
硬くなって合わせガラスの製造過程で中間膜とガラスと
の界面に気泡が残りやすくなる。
℃)は、長さ40mm、幅20mm、厚さ0.76mmの中間
膜に20gの重りにより荷重を与え、80℃で30分経
過後の伸び率(%)を意味する。
5)は、例えば、次のような溶融混練押出法により製造
することができるが、溶融混練押出法に限定されない。
膜を製造するには、上記ポリビニルブチラールに可塑剤
及び必要に応じてその他の添加剤を適量配合し、これを
押出機により溶融混練し、これを膜状に押出成形する。
ルと相溶性の良好な可塑剤、例えば、トリエチレングリ
コール−ジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリ
コール−ジ−2−エチルヘプタノエート、テトラエチレ
ングリコール−ジ−2−エチルブチレート、テトラエチ
レングリコール−ジ−2−エチルヘプタノエート等が好
適に用いられるが、これに限定されない。
種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。これ等の可塑
剤は、上記ポリビニルブチラール100重量部に対し
て、30〜50重量部の範囲で含有される。可塑剤の含
有率が30重量部未満では可塑化効果が不充分となって
成形が難しくなり、また柔軟性が低下し、逆に50重量
部を越えると中間膜からブリードして透明性や接着性が
低下する。
リウム、酢酸マグネシウム等のカルボン酸のアルカリ金
属塩又はアルカリ土類金属塩からなる接着力調整剤、エ
ポキシ変性シリコンオイル、エステル変性シリコンオイ
ル等の変性シリコンオイルからなる接着力調整剤、紫外
線吸収剤、酸化防止剤、着色剤など、従来より慣用され
ている各種の添加剤が用いられる。
膜との接着力を適度に調節して、合わせガラスの耐貫通
性とガラスの飛散防止性とのバランスをとるのに有効で
あり、車両や航空機の窓ガラスとして用いられる合わせ
ガラスの中間膜には、上記接着力調整剤が含有されるこ
とが多い。
膜が得られる。この発明の合わせガラス用中間膜を用い
て合わせガラス(請求項6)を製造するには、例えば、
次のような公知の方法が採用される。なお、この中間膜
には、合わせ加工時の脱気性を良好にするために、上記
製膜工程においてエンボスロールによりその表面にエン
ボスが施されていてもよい。
を調整する。この中間膜の含水量は、一般に0.4〜
0.5重量%程度に調整するのが望ましい。次に、二枚
の透明なガラス板の間に上記中間膜を挟んでサンドイッ
チ体とし、これを真空ゴムバックに入れ減圧吸引しなが
ら約70〜110℃で予備接着し、次いで、オートクレ
ーブを用い、約120〜150℃で、約10〜15 kg
/cm2 の圧力で本接着を行うことにより製造される。
の無機ガラス板のみならず、ポリカーボネート、メチル
メタクリレート等の透明な合成樹脂からなる有機ガラス
板も使用することができる。
膜の間に各種の模様を印刷したポリエステルフィルム、
和紙、パンチングメタルシート、熱線反射性の金属薄膜
等のフィルム又はシートを介在させて装飾性中間膜や熱
線反射性中間膜とし、このような複層構造の中間膜を用
いて合わせガラスを製造することもできる。
観点から、上記サンドイッチ体において、窓ガラスの内
側となる方の透明無機ガラス板或いは透明有機ガラス
を、ポリエステルフィルム又はシートに替えたり、窓ガ
ラスの内側となる方の透明無機ガラス板或いは透明有機
ガラスの表面に、さらにポリエステルフィルム又はシー
トを積層して、合わせガラスを製造することもできる。
を用いた合わせガラス用中間膜は、従来の製造方法で得
られたポリビニルブチラールを用いた合わせガラス用中
間膜に比べて、ブチラール環のメソ型構造の割合が同じ
であっても、中間膜のクリープ伸び率(80℃)が比較
的小さいという特徴を有する。その理由は、十分に解明
されたわけではないが、次のように推察される。
アルデヒドとを縮合反応させてポリビニルブチラールを
製造する場合、ポリビニルアルコールは鎖状のポリマー
で、1,3−グリコール結合とともに少量の1,2−グ
リコール結合を有する。この1,2−グリコール結合
は、ブチラール化反応に関与しないため、得られるポリ
ビニルブチラール中にも1,2−グリコール結合部位が
存在し、この量が少ないほどポリビニルブチラール中の
水酸基構造が規則的配列をとるため、分子間力が大きく
なり、その結果、中間膜のクリープ伸び率(80℃)が
比較的小さくなるものと考えられる。
例を示す。請求項1の発明に関する実施例及び比較例 実施例1 撹拌機及び滴下漏斗を備えたセパラブルフラスコに、重
合度1700、ケン化度99.2モル%、1,2−グリ
コール結合量1.59モル%のポリビニルアルコール2
80重量部、水2850重量部を投入し、ポリビニルア
ルコールを溶解した。
重量%水溶液)21重量部を添加し、さらに撹拌しなが
ら溶液温度を15℃に冷却し、これにブチルアルデヒド
157重量部を投入し、ポリビニルブチラールの沈殿析
出を確認してから塩酸(35重量%水溶液)179重量
部を滴下投入した。
時間撹拌を行って熟成反応を終了した。得られた沈殿物
を十分に水洗し、残留塩酸を除去後、50℃の熱風乾燥
機で48時間乾燥した。
環の構造のラセミ型とメソ型との比を、500MHzの
プロトン核磁気共鳴スぺクトル法( 1H−NMR法)で
測定したところ、メソ型が82モル%、ラセミ型が18
モル%であり、ラセミ型から安定なメソ型への構造変化
が進んでいることがわかる。得られた白色粉末のポリビ
ニルブチラールのブチラール化度は65モル%であっ
た。
度99.2モル%、1,2−グリコール結合量1.40
モル%のポリビニルアルコールを用いたこと以外は、実
施例1と同様に行った。
0℃の熟成反応の際に、適宜ポリビニルブチラールを抜
き取り、これ等のポリビニルブチラールについて、メソ
型とラセミ型との比を測定したところ、メソ型82モル
%、ラセミ型18モル%になるまでの熟成反応の時間は
2時間であった。得られた白色粉末のポリビニルブチラ
ールのブチラール化度は65モル%であった。
度99.2モル%、1,2−グリコール結合量1.30
モル%のポリビニルアルコールを用いたこと以外は、実
施例1と同様に行った。
0℃の熟成反応の際に、適宜ポリビニルブチラールを抜
き取り、これ等のポリビニルブチラールについて、メソ
型とラセミ型との比を測定したところ、メソ型82モル
%、ラセミ型18モル%になるまでの熟成反応の時間は
1.5時間であった。得られた白色粉末のポリビニルブ
チラールのブチラール化度は65モル%であった。
157重量部に変更したこと以外は、実施例2と同様に
行った。この場合、メソ型82モル%、ラセミ型18モ
ル%になるまでの熟成反応の時間は2.5時間であっ
た。得られた白色粉末のポリビニルブチラールのブチラ
ール化度は65モル%であった。であった。
実施例2と同様に行った。この場合、メソ型82モル
%、ラセミ型18モル%になるまでの熟成反応の時間は
2.5時間であった。得られた白色粉末のポリビニルブ
チラールのブチラール化度は65モル%であった。
ルコール2850重量部、塩酸(35重量%水溶液)9
7重量部を仕込み撹拌しながら、重合度1700、ケン
化度98.0モル%、1,2−グリコール結合量1.5
9モル%のポリビニルアルコール280重量部を投入
し、さらにブチルアルデヒド157重量部を投入した。
撹拌を行って縮合反応と熟成反応とを行った。得られた
ポリビニルブチラールの溶液に水を加えてポリビニルブ
チラールを析出させ、これを温水で洗浄し、残留塩酸を
除去後、50℃の熱風乾燥機で48時間乾燥した。
環の構造のラセミ型とメソ型との比を、500MHzの
プロトン核磁気共鳴スクトル法( 1H−NMR法)で測
定したところ、メソ型が83モル%、ラセミ型が17モ
ル%であり、ラセミ型から安定なメソ型への構造変化が
進んでいることがわかる。得られた白色粉末のポリビニ
ルブチラールのブチラール化度は65モル%であった。
度98.0モル%、1,2−グリコール結合量1.40
モル%のポリビニルアルコールを用い、縮合反応と熟成
反応の温度60℃を50℃に変更したこと以外は、実施
例6と同様に行った。
0℃の熟成反応の際に、適宜ポリビニルブチラールを抜
き取り、これ等のポリビニルブチラールについて、メソ
型とラセミ型との比を測定したところ、メソ型83モル
%、ラセミ型17%モルになるまでの熟成反応の時間は
3時間であった。得られた白色粉末のポリビニルブチラ
ールのブチラール化度は65モル%であった。
重量部に変更したこと以外は、実施例6と同様に行っ
た。
0℃の熟成反応の際に、適宜ポリビニルブチラールを抜
き取り、これ等のポリビニルブチラールについて、メソ
型とラセミ型との比を測定したところ、メソ型83モル
%、ラセミ型17モル%になるまでの熟成反応の時間は
3時間であった。得られた白色粉末のポリビニルブチラ
ールのブチラール化度は65モル%であった。
度99.2モル%、1,2−グリコール結合量1.74
モル%のポリビニルアルコールを用いたこと以外は、実
施例1と同様に行った。
0℃の熟成反応の際に、適宜ポリビニルブチラールを抜
き取り、これ等のポリビニルブチラールについて、メソ
型とラセミ型との比を測定したところ、メソ型82モル
%、ラセミ型18モル%になるまでの熟成反応の時間は
4時間で、実施例1に比べて長時間を要した。得られた
白色粉末のポリビニルブチラールのブチラール化度は6
5モル%であった。
度98.0モル%、1,2−グリコール結合量1.74
モル%のポリビニルアルコールを用いたこと以外は、実
施例6と同様に行った。
0℃の熟成反応の際に、適宜ポリビニルブチラールを抜
き取り、これ等のポリビニルブチラールについて、メソ
型とラセミ型との比を測定したところ、メソ型83モル
%、ラセミ型17モル%になるまでの熟成反応の時間は
6時間で、実施例6に比べて長時間を要した。得られた
白色粉末のポリビニルブチラールのブチラール化度は6
5モル%であった。上記実施例1〜8及び比較例1及び
2の結果をまとめて表1に示す。
合度1700、ケン化度99.2モル%、1,2−グリ
コール結合量1.59モル%のポリビニルアルコール2
80重量部を、50℃の温水2850重量部に投入し
た。この時、ポリビニルアルコールの塊状物は発生しな
かった。
昇温し、95℃で1時間攪拌を行ってポリビニルアルコ
ールを溶解した。この時点で、水溶液の全部を20メッ
シュの金網で濾過したところ、金網上に不溶物は残ら
ず、ポリビニルアルコールが完全に溶解していることが
確認された。
重量%水溶液)21重量部を添加し、さらに撹拌しなが
ら溶液温度を15℃に冷却し、これにブチルアルデヒド
157重量部を投入し、ポリビニルブチラールの沈殿析
出を確認してから塩酸(35重量%水溶液)179重量
部を滴下投入した。
半撹拌を行って熟成反応を終了した。得られた沈殿物を
十分に水洗し、残留塩酸を除去後、50℃の熱風乾燥機
で48時間乾燥した。
のブチラール化度は65モル%であった。また、上記方
法において、50℃から95℃への昇温所要時間は90
分である。
度99.2モル%、1,2−グリコール結合量1.40
モル%のポリビニルアルコールを用い、ポリビニルアル
コール投入時の水温50℃を55℃に変更したこと以外
は、実施例9と同様に行った。
ル投入時にポリビニルアルコールの塊状物は発生しなっ
た。また、ポリビニルアルコール水溶液の濾過により、
ポリビニルアルコールが完全に溶解していることが確認
された。55℃から95℃への昇温所要時間は80分で
あった。得られた白色粉末のポリビニルブチラールのブ
チラール化度は65モル%であった。
度99.2モル%、1,2−グリコール結合量1.30
モル%のポリビニルアルコールを用い、ポリビニルアル
コール投入時の水温50℃を60℃に変更したこと以外
は、実施例9と同様に行った。得られた白色粉末のポリ
ビニルブチラールのブチラール化度は65モル%であっ
た。
ル投入時にポリビニルアルコールの塊状物は発生しなっ
た。また、ポリビニルアルコール水溶液の濾過により、
ポリビニルアルコールが完全に溶解していることが確認
された。60℃から95℃への昇温所要時間は70分で
ある。得られた白色粉末のポリビニルブチラールのブチ
ラール化度は65モル%であった。
リビニルアルコールとして、重合度1700、ケン化度
99.2モル%、1,2−グリコール結合量1.74モ
ル%のポリビニルアルコール280重量部を、60℃の
温水2850重量部に投入した。この時、瞬時にポリビ
ニルアルコールの塊状物が発生した。
昇温し、95℃で1時間攪拌を行ってポリビニルアルコ
ールを溶解した。この時点で、水溶液の全部を20メッ
シュの金網で濾過したところ、金網上に70重量部の不
溶物が残ったため、その後の合成操作を中止した。な
お、60℃から95℃への昇温所要時間は70分であ
る。
度99.2モル%、1,2−グリコール結合量1.74
モル%のポリビニルアルコールを用いたこと以外は、実
施例9と同様に行った。
の温水に投入した時に、瞬時にポリビニルアルコールの
塊状物が発生した。しかし、0.5℃/分の割合で95
℃まで昇温し、95℃で1時間攪拌を行ってポリビニル
アルコールを溶解した後で水溶液の全部を20メッシュ
の金網で濾過したところ、金網上に不溶物が残らなかっ
たため、その後の合成操作を続行した。
の昇温所要時間は、実施例9と同様に90分である。し
かし、得られた白色粉末のポリビニルブチラールのブチ
ラール化度は62モル%であり、実施例9に比べてブチ
ラール化度が低下した。
度99.2モル%、1,2−グリコール結合量1.74
モル%のポリビニルアルコールを用い、ポリビニルアル
コール投入時の水温50℃を40℃に変更したこと以外
は、実施例9と同様に行った。
の温水に投入した時に、ポリビニルアルコールの塊状物
は発生しなかった。また、0.5℃/分の割合で95℃
まで昇温し、95℃で1時間攪拌を行ってポリビニルア
ルコールを溶解した後で水溶液の全部を20メッシュの
金網で濾過したところ、金網上に不溶物は残らず、ポリ
ビニルアルコールが完全に溶解していることが確認され
た。
のブチラール化度は65モル%であった。しかし、40
℃から95℃までの昇温時間は110分で実施例9に比
べて長くなった。
度99.2モル%、1,2−グリコール結合量2.10
モル%のポリビニルアルコールを用いたこと以外は、実
施例9と同様に行った。
の温水に投入した時に、瞬時にポリビニルアルコールの
塊状物が発生した。しかし、0.5℃/分の割合で95
℃まで昇温し、95℃で1時間攪拌を行ってポリビニル
アルコールを溶解した後で水溶液の全部を20メッシュ
の金網で濾過したところ、金網上に不溶物が残らなかっ
たため、その後の合成操作を続行した。
例9と同様に90分である。しかし、得られた白色粉末
のポリビニルブチラールのブチラール化度は60モル%
であり、実施例9に比べてブチラール化度が低下した。
上記実施例9〜11及び比較例3〜6の結果をまとめて
表2に示す。
合度1700、ケン化度99.2モル%、1,2−グリ
コール結合量1.59モル%のポリビニルアルコール2
80重量部、水2850重量部を投入し、ポリビニルア
ルコールを溶解した。
重量%水溶液)21重量部を添加し、さらに撹拌しなが
ら溶液温度を15℃に冷却し、これにブチルアルデヒド
157重量部を投入し、ポリビニルブチラールの沈殿析
出を確認してから塩酸(35重量%水溶液)179重量
部を滴下投入した。
時間撹拌を行って熟成反応を終了した。得られた沈殿物
を十分に水洗し、残留塩酸を除去後、50℃の熱風乾燥
機で48時間乾燥した。
のブチラール化度は65モル%であった。また、このポ
リビニルブチラールの粒子径を粒度測定器(スワンヤト
ランステック社製のツブテック粒度測定器)で測定した
ところ、その平均粒子径は110μm であった。
メチルホルムアミドに溶解し、ガスクロマトグラフによ
り、ポリビニルブチラール粒子中の残存ブチルアルデヒ
ド量を測定したところ、残存ブチルアルデヒドは検出さ
れなかった。
度99.2モル%、1,2−グリコール結合量1.40
モル%のポリビニルアルコールを用いたこと以外は、実
施例12と同様に行った。
のブチラール化度は65モル%であった。また、このポ
リビニルブチラール粒子の平均粒子径は125μm であ
った。また、ポリビニルブチラール粒子中の残存ブチル
アルデヒドは検出されなかった。
度99.2モル%、1,2−グリコール結合量1.30
モル%のポリビニルアルコールを用いたこと以外は、実
施例12と同様に行った。
のブチラール化度は65モル%であった。また、このポ
リビニルブチラール粒子の平均粒子径は125μm であ
った。また、ポリビニルブチラール粒子中の残存ブチル
アルデヒドは検出されなかった。
度99.2モル%、1,2−グリコール結合量1.74
モル%のポリビニルアルコールを用いたこと以外は、実
施例12と同様に行った。
のブチラール化度は65モル%であった。また、ポリビ
ニルブチラール粒子中の残存ブチルアルデヒドは検出さ
れなかった。しかし、このポリビニルブチラール粒子の
平均粒子径は70μm で、実施例12と比べて粒子径が
小さかった。
度99.2モル%、1,2−グリコール結合量1.74
モル%のポリビニルアルコールを用い、熟成反応温度5
0を60℃に変更したこと以外は、実施例12と同様に
行った。
のブチラール化度は65モル%であった。また、ポリビ
ニルブチラール粒子中の残存ブチルアルデヒドは検出さ
れなかった。しかし、このポリビニルブチラール粒子の
平均粒子径は75μm で、実施例12と比べて粒子径が
小さかった。
度99.2モル%、1,2−グリコール結合量1.74
モル%のポリビニルアルコールを用い、熟成反応時間
2.5時間を3.5時間に変更したこと以外は、実施例
12と同様に行った。
のブチラール化度は65モル%であった。また、ポリビ
ニルブチラール粒子中の残存ブチルアルデヒドは検出さ
れなかった。しかし、このポリビニルブチラール粒子の
平均粒子径は75μm で、実施例12と比べて粒子径が
小さかった。
度99.2モル%、1,2−グリコール結合量1.74
モル%のポリビニルアルコールを用い、沈澱析出温度1
5℃を25℃に変更したこと以外は、実施例12と同様
に行った。
のブチラール化度は65モル%であった。また、このポ
リビニルブチラール粒子の平均粒子径は100μm で、
比較的大きかった。しかし、ポリビニルブチラール粒子
中の残存ブチルアルデヒドが検出され、その量は100
ppmであった。
度99.2モル%、1,2−グリコール結合量2.10
モル%のポリビニルアルコールを用いたこと以外は、実
施例12と同様に行った。
のブチラール化度は65モル%であった。また、ポリビ
ニルブチラール粒子中の残存ブチルアルデヒドは検出さ
れなかった。しかし、このポリビニルブチラール粒子の
平均粒子径は55μm で、実施例12と比べて粒子径が
小さかった。
2.5時間を6.0時間としたこと以外は、実施例12
と同様に行った。
のブチラール化度は65モル%であった。また、ポリビ
ニルブチラール粒子中の残存ブチルアルデヒドは検出さ
れなかった。しかし、このポリビニルブチラール粒子の
平均粒子径は50μm で、実施例12と比べて粒子径が
小さかった。上記実施例12〜14及び比較例7〜12
の結果をまとめて表3に示す。
比較例 実施例15 合わせガラス中間膜の製造 実施例1で得られたポリビニルブチラール100重量部
とトリエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート
40重量部と酢酸マグネシウム0.05重量部と変性シ
リコンオイル(信越化学社製のF328S)0.05重
量部を、らいかい機で混合し、この混合物を押出成形機
を用いて180〜220℃でシート状に押出成形して、
厚さ0.76mmの合わせガラス用中間膜を製造した。
測定するために、長さ80mm、幅20mmの短冊状に裁断
して試験片を作製し、両端から20mmの位置にそれぞれ
標線を付け、これを80℃の熱風乾燥機中に長さ方向に
吊るし、その下端部に20gの重りを吊り下げ、30分
経過後の両標線間のクリープ伸び率を測定したところ、
クリープ伸び率は100%であった。なお、このクリー
プ伸び率は、(30分経過後の両標線間の長さ−40m
m)/40mm×100(%)で示される。
4〜0.5重量%になるように調節し、これを二枚の透
明フロートガラス板(縦300mm×横300mm×3mm)
の間に挟んでサンドイッチ体とし、これを真空ゴムバッ
クに入れ、10torrの真空度で20分間減圧吸引し
ながら100℃で予備接着し、次いでオートクレーブに
入れ、145℃の温度、13 kg/cm2 の圧力で本接着
を行って透明な合わせガラスを製造した。
度99.2モル%、1,2−グリコール結合量1.40
モル%のポリビニルアルコールを用い、50℃で2.5
時間の熟成反応を2時間としこと以外は、実施例1と同
様に行って、ブチラール化度65モル%、ブチラール環
のメソ型82モル%、ラセモ型18モル%の白色粉末の
ポリビニルブチラールを得た。
外は、実施例15と同様に行って、合わせガラス用中間
膜及び合わせガラスを製造した。この合わせガラス用中
間膜クリープ伸び率(80℃)は90%であった。
度99.2モル%、1,2−グリコール結合量1.30
モル%のポリビニルアルコールを用い、50℃で2.5
時間の熟成反応を1.5時間としこと以外は、実施例1
と同様に行って、ブチラール化度65モル%、ブチラー
ル環のメソ型82モル%、ラセモ型18モル%の白色粉
末のポリビニルブチラールを得た。
外は、実施例15と同様に行って、合わせガラス用中間
膜及び合わせガラスを製造した。この合わせガラス用中
間膜クリープ伸び率(80℃)は80%であった。
度99.2モル%、1,2−グリコール結合量1.59
モル%のポリビニルアルコールを用い、50℃で2.5
時間の熟成反応を3時間としこと以外は、実施例1と同
様に行って、ブチラール化度65モル%、ブチラール環
のメソ型83モル%、ラセモ型17モル%の白色粉末の
ポリビニルブチラールを得た。
外は、実施例15と同様に行って、合わせガラス用中間
膜及び合わせガラスを製造した。この合わせガラス用中
間膜クリープ伸び率(80℃)は90%であった。
度99.2モル%、1,2−グリコール結合量1.59
モル%のポリビニルアルコールを用い、50℃で2.5
時間の熟成反応を1.5時間としこと以外は、実施例1
と同様に行って、ブチラール化度65モル%、ブチラー
ル環のメソ型80モル%、ラセモ型20モル%の白色粉
末のポリビニルブチラールを得た。
外は、実施例15と同様に行って、合わせガラス用中間
膜及び合わせガラスを製造した。この合わせガラス用中
間膜クリープ伸び率(80℃)は110%であった。
度99.2モル%、1,2−グリコール結合量1.59
モル%のポリビニルアルコールを用い、50℃で2.5
時間の熟成反応を1時間としこと以外は、実施例1と同
様に行って、ブチラール化度65モル%、ブチラール環
のメソ型77モル%、ラセモ型23モル%の白色粉末の
ポリビニルブチラールを得た。
外は、実施例15と同様に行って、合わせガラス用中間
膜及び合わせガラスを製造した。この合わせガラス用中
間膜クリープ伸び率(80℃)は130%であった。
度99.2モル%、1,2−グリコール結合量1.74
モル%のポリビニルアルコールを用い、50℃で2.5
時間の熟成反応を4時間としこと以外は、実施例1と同
様に行って、ブチラール化度65モル%、ブチラール環
のメソ型82モル%、ラセモ型18モル%の白色粉末の
ポリビニルブチラールを得た。
外は、実施例15と同様に行って、合わせガラス用中間
膜及び合わせガラスを製造した。この合わせガラス用中
間膜クリープ伸び率(80℃)は110%であった。
度99.2モル%、1,2−グリコール結合量1.74
モル%のポリビニルアルコールを用い、50℃で2.5
時間の熟成反応を6時間としこと以外は、実施例1と同
様に行って、ブチラール化度65モル%、ブチラール環
のメソ型83モル%、ラセモ型17モル%の白色粉末の
ポリビニルブチラールを得た。
外は、実施例15と同様に行って、合わせガラス用中間
膜及び合わせガラスを製造した。この合わせガラス用中
間膜クリープ伸び率(80℃)は100%であった。
度99.2モル%、1,2−グリコール結合量1.74
モル%のポリビニルアルコールを用い、50℃で2.5
時間の熟成反応を8時間としこと以外は、実施例1と同
様に行って、ブチラール化度65モル%、ブチラール環
のメソ型85モル%、ラセモ型15モル%の白色粉末の
ポリビニルブチラールを得た。
外は、実施例15と同様に行って、合わせガラス用中間
膜及び合わせガラスを製造した。この合わせガラス用中
間膜クリープ伸び率(80℃)は80%であった。上記
実施例15〜20及び比較例13〜15の結果をまとめ
て表4に示す。
ニルアルコールとアルデヒド化合物とを縮合せしめてポ
リビニルアセタールを製造する方法において、1,2−
グリコール結合量が1.70モル%以下のポリビニルア
ルコールを用いるもので、それにより熟成反応の時間を
短くすることができ、ポリビニルアセタールの製造時間
を短縮できる。
コール水溶液とアルデヒド化合物とを縮合せしめてポリ
ビニルアセタールを製造する方法(沈澱法)において、
1,2−グリコール結合量が1.70モル%以下のポリ
ビニルアルコールを用い、このポリビニルアルコールを
45〜65℃の温水中に投入した後90℃以上で溶解す
ることにより、上記ポリビニルアルコール水溶液を得る
もので、それによりポリビニルアルコール水溶液の調製
時間を短くすることができ、ポリビニルアセタールの製
造時間を短縮できる。
コール水溶液とアルデヒド化合物とを縮合せしめてポリ
ビニルアセタールを製造する方法(沈澱法)において、
1,2−グリコール結合量が1.70モル%以下のポリ
ビニルアルコールを用い、20℃以上で熟成反応を行う
もので、それにより粒度が比較的大きく平均粒径で好ま
しくは80μm 以上のポリビニルアセタールを製造する
ことができる。
で好ましくは80μm 以上のポリビニルアセタールは、
取扱い作業の際に微粉が舞い上がったり、押出成形の際
にスクリューへの食い込みが悪くなったりしないので、
特に押出成形により合わせガラス用中間膜等のシートを
製造するための原料として好適である。
請求項1の発明と同じく、上記特定のポリビニルアルコ
ールを用いるものであるから、請求項1の発明と同様に
熟成反応の時間を短縮できるという効果を奏することは
いうまでもない。
の発明と同じく、上記特定のポリビニルアルコールを4
5〜65℃の温水中に投入した後90℃以上で溶解する
ことによりポリビニルアルコール水溶液を得るようにす
れば、請求項2の発明と同様にポリビニルアルコール水
溶液の調製時間を短縮できるという効果を奏することは
いうまでもない。
ールは、上記請求項1〜3のいずれかの製造方法で得ら
れるので、従来のポリビニルアセタールより低コストと
なる。
中間膜は、使用するポリビニルブチラールのブチラール
環のメソ型構造の割合(熟成の同程度)が従来のポリビ
ニルブチラールと同じであっても、クリープ伸び率(8
0℃)が比較的小さく、それだけ合わせガラスの製造過
程での中間膜の取扱い作業性に優れるという利点があ
り、しかも従来の中間膜より低コストとなる。
は、上記の中間膜を用いるので、従来の中間膜より低コ
ストとなる。
Claims (6)
- 【請求項1】 ポリビニルアルコールとアルデヒド化合
物とを縮合せしめてポリビニルアセタールを製造する方
法において、1,2−グリコール結合量が1.70モル
%以下のポリビニルアルコールを用いることを特徴とす
るポリビニルアセタールの製造方法。 - 【請求項2】 ポリビニルアルコール水溶液とアルデヒ
ド化合物とを縮合せしめてポリビニルアセタールを製造
する方法(沈澱法)において、1,2−グリコール結合
量が1.70モル%以下のポリビニルアルコールを用
い、このポリビニルアルコールを45〜65℃の温水中
に投入した後90℃以上で溶解して、上記ポリビニルア
ルコール水溶液を得ることを特徴とするポリビニルアセ
タールの製造方法。 - 【請求項3】 ポリビニルアルコール水溶液とアルデヒ
ド化合物とを縮合せしめてポリビニルアセタールを製造
する方法(沈澱法)において、1,2−グリコール結合
量が1.70モル%以下のポリビニルアルコールを用
い、20℃以下で縮合反応を行ってポリビニルアセター
ルを沈澱析出させ、その後30℃以上で熟成反応を行う
ことを特徴とするポリビニルアセタールの製造方法。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の製
造方法により得られたポリビニルアセタール。 - 【請求項5】 請求項4に記載のポリビニルアセタール
のうちポリビニルブチラールを用いた合わせガラス用中
間膜。 - 【請求項6】 請求項5に記載の合わせガラス用中間膜
を用いた合わせガラス。
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JP27886995A JP4057071B2 (ja) | 1994-11-24 | 1995-10-26 | ポリビニルアセタールの製造方法、ポリビニルアセタール、合わせガラス用中間膜及び合わせガラス |
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JP7-115627 | 1995-05-15 | ||
JP6-289671 | 1995-05-15 | ||
JP11562795 | 1995-05-15 | ||
JP27886995A JP4057071B2 (ja) | 1994-11-24 | 1995-10-26 | ポリビニルアセタールの製造方法、ポリビニルアセタール、合わせガラス用中間膜及び合わせガラス |
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