JP4968657B2 - ハイドロゲル - Google Patents
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Description
かかるPVA系ハイドロゲルの製造法としては、PVA水溶液を凍結乾燥あるいは繰り返し凍結・融解する方法や、アルデヒド化合物等を架橋剤として用いる方法、ホウ素等の金属化合物によって配位結合や水素結合を形成させる方法、紫外線、放射線等を照射する方法などが知られている。しかし、これらの方法で得られたPVA系ハイドロゲルは粘着力が不充分であり、創傷被覆材、経皮吸収製剤の基材、生体電極材料等の生体表面への粘着力が必要な用途に対しては適用が困難であった。
すなわち、生体に対する粘着力が大きく、保水性に優れ、粘着力の経時低下が少ないハイドロゲルが望まれるところである。
上記一般式(1)において、R1、R2、R3はそれぞれ独立して水素又はアルキル基である。該アルキル基としては特に限定されないが、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。かかるアルキル基は必要に応じて、ハロゲン基、水酸基、エステル基、カルボン酸基、スルホン酸基等の置換基を有していてもよい。また、R4は、単結合またはアルキル基を有していてもよい炭素数1〜3のアルキレン基を示し、nは0又は正の整数を示す。
[式中、R1、R2、R3はそれぞれ独立して水素又はアルキル基であり、R4は単結合またはアルキル基を有していてもよい炭素数1〜3のアルキレン基であり、R5およびR6は、それぞれ独立して水素またはR7−CO−(式中、R7は、アルキル基である)である。]
[式中、R1、R2、R3はそれぞれ独立して水素又はアルキル基であり、R4は単結合またはアルキル基を有していてもよい炭素数1〜3のアルキレン基であり、R5およびR6は、それぞれ独立して水素またはR7−CO−(式中、R7は、アルキル基である)である。]
[式中、R1、R2、R3はそれぞれ独立した水素又はアルキル基である。]
[式中、R1、R2、R3、R8、R9はそれぞれ独立した水素又はアルキル基である。]
以下、かかる(i)、(ii)、(iii)及び(iv)の方法について説明する。
本発明で用いられる上記一般式(2)で示される化合物において、R1、R2、R3は上記一般式(1)と同様のものが挙げられ、R4は単結合またはアルキル基を有していてもよい炭素数1〜3のアルキレン基であり、R5およびR6は、それぞれ独立して水素またはR7−CO−(式中、R7は、アルキル基、好ましくはメチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基またはオクチル基であり、かかるアルキル基は必要に応じて、ハロゲン基、水酸基、エステル基、カルボン酸基、スルホン酸基等の置換基を有していてもよい)である。
なお、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンは、工業生産用ではイーストマンケミカル社、試薬レベルではアクロス社の製品を市場から入手することができる。また、ブタジエン法により1,4−ブタンジオールを製造する過程で生じる3,4−ジアセトキシー1−ブテンを使用することも可能である。
共重合時のモノマー成分の仕込み方法としては特に制限されず、一括仕込み、分割仕込み、連続仕込み等任意の方法が採用されるが、式(2)で示される化合物に由来する構造単位がポリビニルエステル系ポリマーの分子鎖中に均一に分布させられる点から滴下重合が好ましく、特にはHANNA法に基づく重合方法が好ましい。
溶媒の使用量は、目的とする共重合体の重合度に合わせて、溶媒の連鎖移動定数を考慮して適宜選択すればよく、例えば、溶媒がメタノールの時は、S(溶媒)/M(モノマー)=0.01〜10(重量比)、好ましくは0.05〜3(重量比)程度の範囲から選択される。
また、共重合反応の反応温度は、使用する溶媒や圧力により30℃〜沸点程度で行われ、より具体的には、35〜150℃、好ましくは40〜75℃の範囲で行われる。
また、ケン化反応の反応温度は特に限定されないが、10〜60℃が好ましく、より好ましくは20〜50℃である。
本発明で用いられる上記一般式(3)で示される化合物において、R1、R2、R3は上記一般式(1)と同様のものが挙げられ、R4は単結合またはアルキル基を有していてもよい炭素数1〜3のアルキレン基であり、R5およびR6は、それぞれ独立して水素またはR7−CO−(式中、R7は、アルキル基、好ましくはメチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基またはオクチル基であり、かかるアルキル基は必要に応じて、ハロゲン基、水酸基、エステル基、カルボン酸基、スルホン酸基等の置換基を有していてもよい)である。
なお、重合触媒の使用量については、アゾビスイソブチロチトリルや過酸化アセチルを用いる場合、ビニルエステル系モノマーに対して0.05〜0.7モル%とすることが好ましく、特には0.1〜0.5モル%とすることが好ましい。
本発明で用いられる上記一般式(4)で示される化合物において、R1、R2、R3は上記一般式(1)と同様のものが挙げられる。中でも入手の容易さ、良好な共重合性を有する点で、R1、R2、R3が水素であるビニルエチレンカーボネートが好適である。
なお、共重合反応の反応温度は、使用する溶媒によるが、40℃〜沸点程度とすることが好ましく、ケン化反応の反応温度は10〜150℃(さらには10〜60℃、特には20〜50℃)が好ましい。
また、一定圧力下(常圧〜1×107Pa)で且つ高温下(50〜200℃)でビニルエステル部分をケン化することなく、脱炭酸を行うことも可能であり、かかる場合、脱炭酸を行った後、上記ケン化を行うこともできる。
本発明で用いられる上記一般式(5)で示される化合物において、R1、R2、R3は上記一般式(1)と同様のものが挙げられ、R8、R9はそれぞれ独立して水素又はアルキル基であり、該アルキル基としては特に限定されないが、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。かかるアルキル基は必要に応じて、ハロゲン基、水酸基、エステル基、カルボン酸基、スルホン酸基等の置換基を有していてもよい。中でも入手の容易さ、良好な共重合性を有する点で、R1、R2、R3が水素で、R8、R9がメチル基である2,2−ジメチル−4−ビニル−1,3−ジオキソランが好適である。
なお、共重合反応の反応温度は、使用する溶媒によるが、40℃〜沸点程度とすることが好ましく、ケン化反応の反応温度は10〜150℃(さらには10〜60℃、特には20〜50℃)が好ましい。
また、上記ケン化が酸触媒を用いて行われる場合は、通常、ケン化後に特別な処理を施すことなく、上記ケン化条件下で該ケン化とともに脱ケタール化が行われ、1,2−ジオール成分に変換される。
アルカリ土類金属の硝酸塩(B)としては、硝酸ベリリウム、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸ストロンチウム、硝酸バリウムなどのアルカリ土類金属の硝酸塩が挙げられる。
これらのアルカリ土類金属の硝酸塩(B)の中でも、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウムが側鎖1,2―ジオールを有するポリビニルアルコールの結晶性を低下させる効果やジオール成分との相互作用が強く、金属塩を従来のポリビニルアルコールに比べ、より多く内包させることが出来る為か、ハイドロゲルの保水性、柔軟性、粘着性向上、ゲル強度向上の点で好適に用いられる。
PVA系樹脂の水溶液を調整する際に、該PVA水溶液中に各種無機塩を添加させながら溶解作業を行う必要がある。通常、未変性PVAは、鹸化度95モル%以上になると常温水には、溶解し難くなる。従って、このような常温で溶解し難いPVAを無機塩存在下で溶解するには、温度を97℃以上に上げたり、オートクレーブや高圧クッカー等を使用して110℃程度で溶解しなければならないという問題があった。しかし、本発明の側鎖1,2―ジオールを有するPVAならば、無機塩存在下でも、オートクレーブや高圧クッカーを用いなくても充分に溶解することが可能性であり、また、従来のPVAの様な溶解時の発泡の問題なく、無機塩含有PVA水溶液の調整時の作業性を大幅に改善することが可能となった。
本発明のハイドロゲルの製造法は特に限定されないが、例えばPVA系樹脂(A)とアルカリ土類金属の硝酸塩(B)を含有する水溶液を冷却ゲル化させる方法が好ましく用いられる。
かかる冷却ゲル化法による本発明のハイドロゲルの製造法において、PVA系樹脂(A)とアルカリ土類金属の硝酸塩(B)を含有する水溶液の濃度は10〜80%(重量%)(さらには25〜75%、特には40〜75%)であることが好ましい。かかる濃度が10重量%未満ではハイドロゲルの保水性、強度、粘着力が低くなりすぎる場合があり、逆に80重量%を超えるとハイドロゲルの粘着性が低下したり、柔軟性が低下する場合があるため好ましくない。
かかるハイドロゲル中の水の含有量は、通常、20〜90%(重量%)である。
また、かかるハイドロゲルは保水性および粘着力保持性に優れており、後述で定義される離水率が20%以下、好ましくは17%以下である。また、後述で定義される36時間後の粘着面積保持率が60%以上、好ましくは70%以上である。
なお、ハイドロゲルの構造および大きさは特に限定されないが、例えば粒径1〜10mmの粒状物として、あるいは厚さ0.5〜5mmのシート状物として使用される。
その他、本発明の目的を阻害しない範囲において、吸水性樹脂、pH調節剤、界面活性剤、防腐剤、防黴剤、消泡剤、多価アルコール等を添加することも可能である。
また、本発明のハイドロゲルの用途として生体研究用、生体治療用、生体診断用等の生体電極用のイオン導電性粘着剤、及び経皮吸収製剤用、冷却治療用等の含水貼附剤の基剤として用いられたり、帯電を防止能を有するハイドロゲル組成物にも有効である。
尚、例中、「部」、「%」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
還流冷却器、滴下漏斗、撹拌機を備えた反応缶に、酢酸ビニル1000g、メタノール50g、3,4−ジアセトキシ−1−ブテン120g(6モル%対仕込み酢酸ビニル)を仕込み、アゾビスイソブチロニトリルを0.03モル%(対仕込み酢酸ビニル)投入し、撹拌しながら窒素気流下で温度を上昇させ重合を開始した酢酸ビニルの重合率が72%となった時点で、m−ジニトロベンゼンを所定量添加して重合を終了し、続いて、メタノール蒸気を吹き込む方法により未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に除去し共重合体のメタノール溶液を得た。
次いで、該溶液をメタノールで希釈し、濃度40%に調整してニーダーに仕込み、溶液温度を40℃に保ちながら、水酸化ナトリウムの2%メタノール溶液を共重合体中の酢酸ビニル構造単位及び3,4−ジアセトキシ−1−ブテン構造単位の合計量1モルに対して8ミリモルとなる割合で加えてケン化を行った。ケン化が進行すると共にケン化物が析出し、粒子状となった時点で、濾別し、メタノールでよく洗浄して熱風乾燥機中で乾燥し、PVA系樹脂(A1)を得た。
得られたPVA系樹脂(A1)のケン化度は、残存酢酸ビニル及び3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの加水分解に要するアルカリ消費量で分析を行ったところ、99.5モル%であり、平均重合度は、JIS K 6726に準して分析を行ったところ、1450であった。また、1,2−ジオール構造単位の含有量は1H−NMR(内部標準物質;テトラメチルシラン)で測定して算出したところ6.2モル%であった。なお、NMR測定には日本ブルカー社製「AVANCE DPX400」を用いた。
製造例1において、ケン化の途中でサンプルを抜き取ることによりPVA系樹脂(A2)(部分鹸化物:ケン化度 97.5モル%)を得た。
還流冷却器、滴下漏斗、撹拌機を備えた反応缶に、酢酸ビニル1300g、メタノール
190g、3,4−ジアセトキシ−1−ブテン60.5g(2.28モル%対仕込み酢酸ビニル)を仕込み、アゾビスイソブチロニトリルを0.06モル%(対仕込み酢酸ビニル)投入し、撹拌しながら窒素気流下で温度を上昇させ、67℃で重合を開始したと同時に3,4−ジアセトキシー1−ブテンの5.4%メタノール溶液を均一に滴下仕込みを行ない酢酸ビニルの重合率が85.3%となった時点で、m−ジニトロベンゼンを所定量添加して重合を終了し、続いて、メタノール蒸気を吹き込む方法により未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に除去し共重合体のメタノール溶液を得た。
次いで、該溶液をメタノールで希釈し、濃度40%に調整してニーダーに仕込み、溶液温度を40℃に保ちながら、水酸化ナトリウムの2%メタノール溶液を共重合体中の酢酸ビニル構造単位及び3,4−ジアセトキシ−1−ブテン構造単位の合計量1モルに対して 9ミリモルとなる割合で加えてケン化を行った。ケン化が進行すると共にケン化物が析出し、粒子状となった時点で、濾別し、メタノールでよく洗浄して熱風乾燥機中で乾燥し、PVA系樹脂(A3)を得た。
得られたPVA系樹脂(A3)のケン化度は、残存酢酸ビニル及び3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの加水分解に要するアルカリ消費量で分析を行ったところ、99.6モル%であり、平均重合度は、JIS K 6726に準して分析を行ったところ、1320であった。また、1,2−ジオール構造単位の含有量は1H−NMRで測定して算出したところ3.2モル%であった。
製造例1において、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの配合量を300g(15モル%対仕込み酢酸ビニル)とし、水酸化ナトリウムの2%メタノール溶液の添加量を、共重合体中の酢酸ビニル構造単位および3,4−ジアセトキシ−1−ブテン構造単位の合計量1モルに対して11 ミリモルとなる割合にした以外は、製造例1と同様に重合およびケン化を行ない、ケン化度 99.2モル%、平均重合度950、1,2−ジオール構造単位の含有量14.9モル%のPVA系樹脂(A4)を得た。
還流冷却器、滴下漏斗、撹拌機を備えた反応缶に、酢酸ビニル1500g、メタノール
150g、グリセリンモノアリルエーテル138g(6モル%対仕込み酢酸ビニル)を仕込み、アゾビスイソブチロニトリルを0.3モル%(対仕込み酢酸ビニル)投入し、撹拌しながら窒素気流下で温度を上昇させ、重合を開始した。酢酸ビニルの重合率が81%となった時点で、m−ジニトロベンゼンを所定量添加して重合を終了し、続いて、メタノール蒸気を吹き込む方法により未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に除去し共重合体のメタノール溶液を得た。
次いで、該溶液をメタノールで希釈し、濃度55%に調整してニーダーに仕込み、溶液温度を40℃に保ちながら、水酸化ナトリウムの2%メタノール溶液を共重合体中の酢酸ビニル構造単位1モルに対して6ミリモルとなる割合で加えてケン化を行った。ケン化が進行すると共にケン化物が析出し、粒子状となった時点で、濾別し、メタノールでよく洗浄して熱風乾燥機中で乾燥し、PVA系樹脂(A5)を得た。
得られたPVA系樹脂(A5)のケン化度は、97.8モル%であり、平均重合度は、460であった。また、1,2−ジオール構造単位の含有量は5.8モル%であった。
還流冷却器、滴下漏斗、撹拌機を備えた反応缶に、酢酸ビニル1300g、メタノール190g、ビニルエチレンカーボネート40.1g(2.28モル%対仕込み酢酸ビニル)を仕込み、アゾビスイソブチロニトリルを0.06モル%(対仕込み酢酸ビニル)投入し、撹拌しながら窒素気流下で温度を上昇させ、67℃で重合を開始したと同時にビニルエチレンカーボネートを含む10.17%メタノール溶液を仕込みHANNA法に従って重合を行ない、重合率85.3%までに116ml仕込んだ。酢酸ビニルの重合率が85.3%となった時点で、m−ジニトロベンゼンを所定量添加して重合を終了し、続いて、メタノール蒸気を吹き込む方法により未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に除去し共重合体のメタノール溶液を得た。
次いで、該溶液をメタノールで希釈し、濃度30%に調整してニーダーに仕込み、溶液温度を40℃に保ちながら、水酸化ナトリウムの2%メタノール溶液を共重合体中の酢酸ビニル構造単位1モルに対して9ミリモルとなる割合で加えてケン化を行った。ケン化が進行すると共にケン化物が析出し、粒子状となった時点で、濾別し、メタノールでよく洗浄して熱風乾燥機中で乾燥し、PVA系樹脂(A6)を得た。
得られたPVA系樹脂(A6)のケン化度は、99.6モル%であり、平均重合度は、1360であった。また、1,2−ジオール構造単位の含有量は3.1モル%であった。
還流冷却器、滴下漏斗、撹拌機を備えた反応缶に、酢酸ビニル1000g、メタノール100g、2,2−ジメチル−4−ビニル−1,3−ジオキソラン14.9g(1モル%対仕込み酢酸ビニル)を仕込み、アゾビスイソブチロニトリルを0.045モル%(対仕込み酢酸ビニル)投入し、撹拌しながら窒素気流下で温度を上昇させ、65℃で重合を開始した。酢酸ビニルの重合率が90%となった時点で、m−ジニトロベンゼンを所定量添加して重合を終了し、続いて、メタノール蒸気を吹き込む方法により未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に除去し共重合体のメタノール溶液を得た。
次いで、該溶液をメタノールで希釈し、濃度30%に調整してニーダーに仕込み、溶液温度を40℃に保ちながら、水酸化ナトリウムの2%メタノール溶液を共重合体中の酢酸ビニル構造単位1モルに対して9ミリモルとなる割合で加えてケン化を行った。ケン化が進行すると共にケン化物が析出し、遂には粒子状となった。かかるケン化物を3Nの塩酸(水/メタノール=1/1の混合溶媒)中に分散させ、60℃で脱ケタール化を行ない、生成したPVA系樹脂(A7)を濾別し、メタノールでよく洗浄して熱風乾燥機中で乾燥し、目的物を得た。
得られたPVA系樹脂(A7)のケン化度は、99.3モル%であり、平均重合度は、1110であった。また、1,2−ジオール構造単位の含有量は0.95モル%であった。
PVA系樹脂(A1)100部および硝酸カルシウム(B)130部を含む濃度65%の水溶液(80℃で1時間加熱溶解)を調製し、かかる水溶液をPETフィルム上に流延し、これを−10℃のフリーザー中に一昼夜おいてゲル化させ、厚さ約1mm、重量固形分64%のハイドロゲルシートを得た。かかるシートを用いて、以下の項目を評価した。結果を表1に示す。
得られたハイドロゲルシートを5cm×5cmに切り出し、23℃、55%RHの恒温恒湿器中に48時間吊り下げ、離水率(%)を測定した。なお、離水率(%)の算出にあたっては、試験前のハイドロゲルシートの重量(Y1)および試験後のハイドロゲルシートの重量(Y2)(いずれもg)を求め、下式にて離水率(%)を求めた。
離水率(%)=[(Y1―Y2)/Y1]×100
得られたハイドロゲルシートを5cm×5cmに切り出し、被験者10名の肩に貼付し36時間後と48時間後のハイドロゲルシートと皮膚との粘着面積(X)(cm2)を測定、下式にて粘着面積保持率(%)を算出した。表1には10名の平均値を示す。
粘着面積保持率(%)=(X/25)×100
実施例1において、PVA系樹脂(A1)に替えて、製造例2〜7によるPVA系樹脂(A2〜A7)を用いた以外は実施例1と同様にしてハイドロゲルシートを得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、PVA系樹脂(A1)100部、硝酸カルシウム(B)200部とした以外は実施例1と同様にしてハイドロゲルシート得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、硝酸カルシウム(B)に替えて硝酸マグネシウム(B)を用いた以外は実施例1と同様にしてハイドロゲルシートを得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、硝酸カルシウム(B)を用いなかった以外は実施例1と同様にしたがハイドロゲルシートは得られなかったので、評価は出来なかった。
実施例1において、PVA系樹脂(A1)に替えて、ケン化度99.9モル%、平均重合度1400の未変性PVA系樹脂を用い無機塩含有のPVA水溶液を調整時に高圧クッカーを用いて110℃、40分かけて溶解作業を行った以外は実施例1と同様にしてハイドロゲルシートを得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
Claims (10)
- 側鎖に下記一般式(1)で表される1,2−ジオール構造単位を含有するポリビニルアルコール系樹脂(A)とアルカリ土類金属の硝酸塩(B)を含有し、ポリビニルアルコール系樹脂(A)に対するアルカリ土類金属の硝酸塩(B)の含有割合(重量%)が40〜250%であることを特徴とするハイドロゲル。
- ポリビニルアルコール系樹脂(A)がビニルエステル系モノマーと一般式(2)で表される化合物との共重合体をケン化して得られたことを特徴とする請求項1記載のハイドロゲル。
R6はそれぞれ独立して水素又はR7−CO−(式中、R7はアルキル基である)である] - 一般式(2)で表される化合物が3,4−ジアシロキシ−1−ブテンであることを特徴とする請求項2記載のハイドロゲル。
- ポリビニルアルコール系樹脂(A)がビニルエステル系モノマーと一般式(3)で表される化合物との共重合体をケン化して得られたことを特徴とする請求項1記載のハイドロゲル。
- 一般式(3)で表される化合物がグリセリンモノアリルエーテルであることを特徴とする請求項4記載のハイドロゲル。
- ポリビニルアルコール系樹脂(A)がビニルエステル系モノマーと一般式(4)で表される化合物との共重合体をケン化及び脱炭酸して得られたことを特徴とする請求項1記載のハイドロゲル。
- 一般式(4)で表される化合物がビニルエチレンカーボネートであることを特徴とする請求項6記載のハイドロゲル。
- ポリビニルアルコール系樹脂(A)がビニルエステル系モノマーと一般式(5)で表される化合物との共重合体をケン化及び脱ケタール化して得られたことを特徴とする請求項1記載のハイドロゲル。
- 一般式(5)で表される化合物が2,2−ジアルキル−1,3−ジオキソランであることを特徴とする請求項8記載のハイドロゲル。
- ポリビニルアルコール系樹脂(A)のケン化度が95モル%以上であることを特徴とする請求項1〜9いずれか記載のハイドロゲル。
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