JPH09299880A - 撥水性物品およびその製造方法 - Google Patents

撥水性物品およびその製造方法

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JPH09299880A
JPH09299880A JP11398396A JP11398396A JPH09299880A JP H09299880 A JPH09299880 A JP H09299880A JP 11398396 A JP11398396 A JP 11398396A JP 11398396 A JP11398396 A JP 11398396A JP H09299880 A JPH09299880 A JP H09299880A
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JP
Japan
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water repellent
water
fluoroalkylsilane
metal
film
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JP11398396A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Tada
弘明 多田
Koji Shimoda
下田耕二
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NSG Techno Research Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Techno Research Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 テトラフルオロエチレンオリゴマーと金属か
らなる撥水膜の撥水性能の時間安定化を図ること。 【解決手段】 テトラフルオロエチレンオリゴマーと金
属からなる撥水膜を有する撥水性物品において、前記撥
水膜の上に更にフルオロアルキルシランの薄膜が設けら
れていることを特徴とする撥水性物品である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は撥水性物品、特にテ
トラフルオロエチレンオリゴマーと金属からなる撥水膜
を有する撥水性物品およびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄、ニッケル、クロムのような金属およ
びそれらの合金は大きな強度と美しい外観を合わせ持つ
ことから,建築,車両等の構造材料としてだけでなく、
最近では内装用の素材としても様々な形で使用されてい
る。
【0003】一般に、金属表面は水分や酸素の存在下で
容易に酸化されるために、強度の低下や外観性能の劣化
を引き起こす。また、金属表面は大きな表面エネルギー
を有することから、汚れが付着し易く落ちにくいという
問題点もある。この様な種々の問題を解決するために、
従来から金属表面に耐水性および/または防汚性の塗膜
をコーティングすることが広く行なわれている。
【0004】しかしながら、これらの塗膜の撥水および
防汚性能は十分とは言えず、さらに塗膜が剥離し易いと
いう欠点があった。
【0005】一方、特に産業用クーラーにおいては、金
属製フィンや冷媒フロー用金属製パイプに霜が付着する
ために、熱交換率が著しく低下するという問題がある。
従来は一旦運転を停止してから、熱媒で霜を溶かすとい
う、エネルギー的に大変非効率的な方法で対処してい
る。この分野でも、霜が付き難い撥水膜が強く求められ
ている。
【0006】最近、鄭らはニッケルメッキ浴にテトラフ
ルオロエチレン分散させた液にニッケル基板を浸漬し、
分散電気メッキを行なうことにより、ニッケル基板表面
を撥水化することに成功した(例えば、J.Elect
roanal.Chem.,209ページ,353巻,
1993年)。この膜は従来に無い優れた初期撥水性能
を有するだけでなく、基板との密着性も良好である。
【0007】しかしながら、この膜は空気中に放置する
と、その撥水性能が著しく低下するという問題点があ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、テトラフル
オロエチレンオリゴマーと金属からなる撥水膜に関する
前述の問題点に鑑みなされたものであって、撥水性能を
安定化して耐久性を向上させるための処理方法を提供す
ることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
の結果、テトラフルオロエチレンオリゴマーと金属から
なる撥水膜表面をフルオロアルキルシランでさらに処理
することにより、撥水性能の時間安定性が著しく向上す
ることを見い出した。
【0010】まず、本発明の原理について述べる。テト
ラフルオロエチレンオリゴマーとニッケルからなる撥水
膜を表面分析した結果、前記撥水膜表面には多数の凹凸
が存在し、凸部分の主成分がテトラフルオロエチレンオ
リゴマー粒子であるのに対して、凹部分の主成分はニッ
ケルからなることが明らかになった。さらに熱力学的な
考察から、撥水性能の劣化は、ニッケル表面が空気中の
酸素および/または水分により容易に酸化されることに
よることがわかった。酸化されたニッケル部分が親水性
に変化するために、撥水性能が低下するものと考えられ
る。そこで、酸化されたニッケル表面または酸化される
前のニッケル表面にフルオロアルキルシランの薄膜をコ
ーティングすることにより、ニッケル領域と水との相互
作用を弱めることにより、撥水性能の安定性が顕著に向
上したものと考えられる。
【0011】本発明において、テトラフルオロエチレン
オリゴマーと金属からなる撥水膜が被覆される基材は全
ての金属を用いることができる。
【0012】本発明において、テトラフルオロエチレン
オリゴマーと金属からなる撥水膜の被覆は電気メッキに
よる方法が好ましい。メッキ液としてはニッケルその他
の金属のスルファミン酸その他の有機酸塩、および/ま
たは無機酸塩の溶液にテトラフルオロエチレンオリゴマ
ー、および必要に応じてホウ酸、界面活性剤を添加した
液が用いられる。メッキ液中の上記金属塩とテトラフル
オロエチレンオリゴマーとの割合は重量比で10:1〜
10:10の範囲が好ましい。テトラフルオロエチレン
オリゴマーは平均分子量が5000〜15000の範囲
内例えば約8500程度のものを好適に使用できる。ま
た撥水膜の金属としては、ニッケル、クロム、アルミニ
ウム、金、銀等を挙げることができる。この撥水膜と金
属基材との接着力を更に大きくする必要がある場合に
は、例えば320℃で2時間以上焼成するのが効果的で
ある。
【0013】本発明で用いるフルオロアルキルシランは
酸化された金属表面と強く結合するものであば、何でも
よい。具体的には、アルコキシドまたは塩素等の官能基
(下記、化学式1のX)を有するフルオロアルキルシラ
ンが特に好適に使用される。フルオロアルキル鎖の長さ
は重要なパラメータである。短すぎると、金属領域に十
分な撥水性能を付与することができないからである。従
って、特にn>3以上のものが好適である。
【0014】
【化1】CF3(CF2n(CH22SiX3 (1) (ここで、nは3〜15の整数、Xはアルコキシドまた
は塩素基である)
【0015】フルオロアルキルシランの処理方法は、液
相法および気相法を用いることが可能である。しかしな
がら、処理したいニッケルのような金属領域は表面凹凸
の凹部分に相当しており、液相法では処理液が浸透せ
ず、均一に処理し難い場合もある。一方、気相法を用い
ることにより、容易にかつ均一に表面コーティングする
ことができる。この場合、フルオロアルキルシランの蒸
気圧が高い方が好ましく、n<9のフルオロアルキルシ
ランが好適に使用できる。従って、気相処理では3<n
<9の範囲のフルオロアルキルシランを用いることが望
ましい。上記化学式1で表わされる化合物としては、ヘ
プタデカフルオロデシルトリクロロシラン、ヘキサフル
オロデシルトリクロロシラン等を挙げることができる。
【0016】上記気相法の中で減圧CVD法が本発明で
好ましく用いられる。減圧CVD法自体は、よく知られ
ている方法であり、CVD処理時の真空度は、十分な撥
水剤の蒸気圧、例えば5Torr以下が得られるように
設定すれば良い。従って、用いる撥水剤の種類によって
異なるが、通常は0.01〜10Torr、例えば5T
orr程度で十分である。
【0017】テトラフルオロエチレンオリゴマーと金属
からなる撥水膜表面(基材)とフルオロアルキルシラン
との反応を促進するためには、基材を加熱しながら減圧
CVD法によりフルオロアルキルシランを付着させるこ
とが好ましく、加熱温度は40〜100℃、例えば80
℃程度で十分である。このフルオロアルキルシラン薄膜
の厚みは好ましくは約0.5nm〜100nm、より好
ましくは5〜30nmである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、実施例に基づいて本発明を
詳細に説明するが、本発明はかかる実施例にのみに限定
されるものではない。
【0019】140gのスルファミン酸ニッケル,18
gの塩化ニッケル,および16gのホウ酸を400mL
の蒸留水に加え、攪拌しながら50℃で約2時間加熱す
ることにより、緑色の均一溶液を得た(ニッケルメッキ
溶液)。カチオン性界面活性剤5.05gに蒸留水50
0mLを加え、60℃で3時間攪拌することにより薄黄
色の均一溶液を得た(界面活性剤溶液)。テトラフルオ
ロエチレンオリゴマー(TFEO、分子量 8500)
55gに界面活性剤溶液55mLを添加し、ホモジナイ
ザーを用いて1150rpmの速度で約5分間攪拌した
(オリゴマー分散液)。
【0020】このオリゴマー分散液にニッケルメッキ溶
液を150mL加えて攪拌した。さらに、この液に残り
のニッケルメッキ溶液450mLを加えてから十分に攪
拌することにより、撥水膜用分散電気メッキ液を調製し
た。
【0021】分散電気メッキに用いた装置を図1に示
す。恒温槽9のウォーターバス5中で45℃に保温され
たメッキ浴槽8(7.5cm×8cm×10cm)に分
散電気メッキ液4を入れ、磁気攪拌子7による攪拌を続
けた。陰極2および陽極3として、それぞれニッケル基
板(有効面積=5cm×7cm)を準備し、これを予め
アセトンに10分間浸漬して脱脂したものを更に10%
塩酸水溶液に2秒間浸漬後、乾燥させたものを用いた。
北斗電工製ポテンシオガルバノスタット(HA501)
を直流電源1として、2A/dm2 の電流密度で40分
間通電したところ、メッキされた撥水膜の厚みは約30
μmであった。サンプルをメッキ浴から取り出し、エタ
ノールで洗浄してから乾燥させた。
【0022】この方法に従って、4枚の撥水性ニッケル
基板を作製した。さらに、その内2枚を80℃に保温し
た真空チャンバー内にセットし、約10Torrに減圧
した。50μLのヘキサフルオロデシルトリクロロシラ
ン(HFTS)を注射器で真空チャンバー内に導入し
た。系を閉じて、80℃で30分間加熱した。過剰のH
FTSを除去するために、さらに真空ポンプで真空引き
しながら、100℃に昇温して30分間加熱を続けた。
撥水性ニッケル基板表面のヘキサフルオロデシルトリク
ロロシラン薄膜の厚みは約15nmであった。
【0023】撥水処理のみを施したサンプル(比較例)
をA1,A2とする。さらにHFTS処理したサンプル
(実施例)をB1,B2とする。比較例サンプルおよび
実施例サンプルの水に対する接触角の経時変化を図2で
それぞれデータ11(●)および12(▲)に示す。但
し、データ11,12はぞれぞれA1,A2およびB
1,B2の平均値を表わしている。
【0024】これより、実施例(B1,B2)および比
較例(A1,A2)の初期接触角はともに140°を超
えており、良好な撥水性能が得られていることがわか
る。しかしながら、室内放置時間と共に比較例(A1,
A2)の接触角は急激に低下し室内放置時間4日で接触
角は約120°と低くなっている。これに対して、実施
例(B1,B2)サンプルでは、室内放置時間が10日
でも接触角は約135°と高く、室内放置時間が増加し
ても接触角は初期接触角と殆ど変化せず、経時変化が非
常に小さくなっている。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、テトラフルオロエ
チレンオリゴマーおよび金属からなる撥水膜に、フルオ
ロアルキルシラン処理を施すことにより、撥水性能の時
間安定性を著しく向上させることができる。従って、本
処理方法は金属の腐食防止、霜、氷、雪の付着防止、防
汚処理等の目的に好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の撥水物品を作製するための装置を示す
概略側面図。
【図2】本発明の撥水物品の接触角の時間安定性を示す
グラフ。
【符号の説明】
1 電源(ポテンシオガルバノスタット) 2 陰極 3 陽極 4 分散電気メッキ溶液 5 ウォーターバス 6 撥水膜 7 磁気攪拌子 8 メッキ浴槽 9 恒温槽

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テトラフルオロエチレンオリゴマーと金
    属からなる撥水膜を有する撥水性物品において、前記撥
    水膜の上に更にフルオロアルキルシランの薄膜が設けら
    れていることを特徴とする撥水性物品。
  2. 【請求項2】 前記フルオロアルキルシランの薄膜は
    0.5nm〜100nmの厚みを有する請求項1記載の
    撥水性物品。
  3. 【請求項3】 前記フルオロアルキルシランが,以下の
    化学式(1)で表わされる化合物である請求項1または
    2記載の撥水性物品。 【化1】CF3(CF2n(CH22SiX3 (1) (ここで、nは3〜15の整数、Xはアルコキシドまた
    は塩素基である)
  4. 【請求項4】 前記前記フルオロアルキルシランがヘキ
    サフルオロデシルトリクロロシランである請求項3記載
    の撥水性物品。
  5. 【請求項5】 前記金属がニッケルである請求項1〜4
    のいずれかに記載の撥水性物品。
  6. 【請求項6】 金属メッキ液にテトラフルオロエチレン
    オリゴマーを分散させたメッキ液の浴に基材を浸漬して
    メッキを行なう撥水性物品の製造方法において、その撥
    水性物品表面に減圧CVD法によりフルオロアルキルシ
    ランの薄膜を被覆させることを特徴とする撥水性物品の
    製造方法。
JP11398396A 1996-05-08 1996-05-08 撥水性物品およびその製造方法 Pending JPH09299880A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0947478A1 (en) * 1998-02-13 1999-10-06 Central Glass Company, Limited Water-repellent solution and method of forming water-repellent film on substrate by using the solution

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0947478A1 (en) * 1998-02-13 1999-10-06 Central Glass Company, Limited Water-repellent solution and method of forming water-repellent film on substrate by using the solution
US6235833B1 (en) 1998-02-13 2001-05-22 Central Glass Company, Limited Water-repellent solution and method of forming water-repellent film on substrate by using the solution
US6461670B2 (en) 1998-02-13 2002-10-08 Central Glass Company, Ltd. Water-repellent solution and method of forming water-repellent film on substrate by using the solution

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