JPH09283816A - 磁界を感知する磁気抵抗センサ - Google Patents

磁界を感知する磁気抵抗センサ

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JPH09283816A
JPH09283816A JP8085378A JP8537896A JPH09283816A JP H09283816 A JPH09283816 A JP H09283816A JP 8085378 A JP8085378 A JP 8085378A JP 8537896 A JP8537896 A JP 8537896A JP H09283816 A JPH09283816 A JP H09283816A
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ferromagnetic
spin valve
exchange bias
magnetic
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JP8085378A
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Yutaka Shimizu
豊 清水
Atsushi Tanaka
厚志 田中
Kazuo Kobayashi
和雄 小林
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気抵抗効果型センサの再生出力を大きく
し、またサーマルアスピリティを除くこと。 【解決手段】 1対のスピン・バルブ構造を絶縁層で分
離した積層構造とし、好ましくは差分情報を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スピン・バルブ効
果を利用し、磁界を感知する磁気抵抗(MR)センサに
関し、更に詳しくは、電気的に絶縁された一組のスピン
・バルブ素子を有するような磁気センサに関する。
【0002】
【従来の技術】ハードディスクドライブに代表される磁
気記録装置の読み取りヘッドとして、巨大磁気抵抗(G
MR)効果を利用した磁気センサが、「スピン・バルブ
効果利用の磁気抵抗センサ」(特開平4−358310
号公報)により開示されている。この磁気センサは、非
磁性金属層によって分離された2つの結合されていない
強磁性体層をそなえ、一方の強磁性体層の磁化が固定さ
れているサンドイッチ構造である。磁化の固定は、鉄−
マンガン合金に代表される反強磁性金属層を一方の強磁
性体層に付着して行う。この構造において、外部磁場が
印加されると、固定されていない強磁性体層の磁化方向
は外部磁場の方向に一致して自由に回転するため、磁化
が固定された強磁性体層の磁化方向と角度差を生じる。
この角度差に依存して、伝導電子のスピンに依存した散
乱が変化し、電気抵抗値が変化する。この電気抵抗値の
変化を検出することによって、外部磁場の状況、すなわ
ち、磁気記録媒体からの信号磁場を取得するものであ
る。
【0003】このスピン・バルブ磁気抵抗センサの抵抗
変化は、約5%程度であるが、磁気記録密度の高密度化
に伴う読み取りエラー防止のため、更に磁気抵抗変化の
大きい磁気抵抗センサが要求されている。また、磁気ヘ
ッドは磁気記録媒体の突起や塵埃等のために磁気ヘッド
と媒体とが直接あるいは間接に接触することがあり、接
触点では摩擦熱により、急激な温度上昇が生じる。この
温度変化によりMR素子の抵抗変化が生じ、出力変動が
生じることが知られている。この出力変動はサーマルア
スピリティ(thermal asperity)また
は、サーマルノイズ(thermal noise)と
呼ばれ、このサーマルアスピリティを除く従来技術とし
て、特開平2−154310公報等に記載されたものが
ある。これは、MR素子を2つ設け、2つのMR素子を
差動型にし、差動検出することにより、サーマルアスピ
リティをキャンセルする方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】スピン・バルブ磁気抵
抗センサを差動型とすることにより、約2倍の出力向上
及びサーマルアスピリティのキャンセルが望めるが、従
来技術に記載されている方法では、MR素子2つ分のト
ラック幅が必要になるため、高記録密度化に伴う狭トラ
ック化に対応できない。本発明は、スピン・バルブ磁気
抵抗センサを積層型検出機構とすることによって、再生
出力が大きく、かつサーマルアスピリティを除くことが
可能な磁気抵抗効果型ヘッドを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、1対のスピン・バルブ構造を絶縁層で分
離した積層構造の磁気抵抗センサとするものである。す
なわち、本発明は、非磁性スペーサ層を介して互いに分
離された、第1及び第2の強磁性体薄膜を備え、印加磁
場ゼロのとき、前記第1の強磁性体層の磁化方向と前記
第2の強磁性体層に隣接する第1の反強磁性体の薄膜層
(交換バイアス層)により固定された前記第2の強磁性
体層の磁化方向が直交する方向であり、外部磁場によ
り、前記強磁性体の各々の層の磁化の回転の差によって
生じる電気抵抗変化を検知する手段を有する、第1のス
ピン・バルブ(Spin Valve)構造と、非磁性
スペーサ層を介して互いに分離された、第3及び第4の
強磁性体薄膜を備え、印加磁場ゼロのとき、前記第3の
強磁性体層の磁化方向と前記第4の強磁性体層に隣接す
る第2の反強磁性体の薄膜層(交換バイアス層)により
固定された前記第4の強磁性体層の磁化方向が直交する
方向であり、外部磁場により、前記強磁性体の各々の層
の磁化の回転の差によって生じる電気抵抗変化を検知す
る手段を有する、第2のスピン・バルブ(Spin V
alve)構造と、前記第1及び第2のスピン・バルブ
構造の間を電気的に絶縁する絶縁層と、各々のスピン・
バルブ構造からの出力を検出する手段とを有することを
特徴とする磁気抵抗センサを提供するものである。
【0006】1対のスピン・バルブ構造から加算情報を
得て再生出力を大きくすることもできるが、差分情報を
得るようにすると、再生出力を大きくしながらサーマル
アスピリティを除くことができる。差動型出力機構を構
成するには、各々のスピン・バルブ構成において固定強
磁性体層の磁化方向が180度となることが必要であ
る。これは、以下に記す2種類の方法により実現され
る。
【0007】第一の方法として、強磁性体層の磁化方向
を固定する交換バイアス層に、各々のスピン・バルブ構
成において、ブロッキング温度の異なる材料を用いるこ
とにより、交換バイアス方向を独立に設定することが出
来る。例えば、鉄−マンガンとニッケル−マンガンの場
合、鉄−マンガンのブロッキング温度は約220℃であ
り、ニッケル−マンガンのブロッキング温度は300℃
以上である。従って、まず、ニッケル−マンガン層の交
換バイアス方向を高温で設定した後、鉄−マンガンのブ
ロッキング温度よりも少し高い温度、例えば230℃で
鉄−マンガンの交換バイアス方向を直流磁場中で設定す
ることにより、各々の交換バイアス方向を独立(位相差
180度)に設定することが出来る。
【0008】第二の方法として、交換バイアス層により
磁化方向が固定される強磁性体層と交換バイアス層との
間に、非磁性金属薄膜からなる反強磁性的結合膜を介し
た第5の強磁性体層を付与する。強磁性体/非磁性金属
/強磁性体から構成される積層構造は、多層膜GMR材
料に見られるように、非磁性金属層(反強磁性的結合
膜)を適当な厚さとする事により、隣接する2つの強磁
性体層の磁化方向が反平行状態となることが知られてい
る。この好ましい実施例としては、Fe2nm/Cr1.
3nm/Fe2nm,Co2nm/Cu0.7nm/Co2nm等
の構成で大きな反強磁性結合が得られている。このた
め、反強磁性材料からなる交換バイアス層に隣接する固
定強磁性体層を前述の反強磁性的積層構造とする事によ
り、本来の磁化固定方向から反平行(位相差180度)
に磁化方向が固定された強磁性体層を得ることが可能と
なる。したがって、一方のスピン・バルブ構成の固定強
磁性体層を反強磁性的積層構造とする事により、一度の
交換バイアス化処理(直流磁場中熱処理)により位相差
が180度の1組のスピン・バルブ磁気抵抗センサが得
られる。
【0009】上述の様にして構成される積層型スピン・
バルブ磁気抵抗センサにおいて、絶縁層によって隔てら
れてた各々のスピン・バルブ構造からの出力信号は、外
部磁場に対して、逆位相の出力信号となる。すなわち、
第1のスピン・バルブ構造において、交換バイアス方向
を磁気記録媒体面に対して鉛直上向き方向とした場合、
第2のスピン・バルブ構造の交換バイアス方向は磁気記
録媒体面に対して鉛直下向き方向となる。このため、印
加磁場ゼロの時に、どちらの固定強磁性体層の磁化方向
とも90度の角度をなし、同一方向に磁化されたそれぞ
れの自由強磁性体層に磁気記録媒体面に対して鉛直上向
きの信号磁界が作用した場合、第1のスピン・バルブ構
造では、自由強磁性体層の磁化方向が磁気記録媒体面に
対して鉛直上向き方向、すなわち固定強磁性体層の磁化
方向に揃う方向に回転するため、電気抵抗が減少する方
向に変化する。第2のスピン・バルブ構造においては、
逆に固定強磁性体層の磁化方向と反平行に揃う方向に回
転するため、電気抵抗が増加する方向に変化する。これ
らの出力を独立に検出し、差分増幅回路を用いて再生す
る事により、差動型スピン・バルブ磁気抵抗センサを構
成することが可能となる。
【0010】本発明の磁気抵抗効果型ヘッドを用いるこ
とにより、再生出力が大きく、かつサーマルアスピリテ
ィを除くことが可能となる。
【0011】
【実施例】
実施例1 図1に本実施例の構成を示す。1は、Al2 3 絶縁膜
であり、このAl2 3 絶縁膜を挟んで一対のスピン・
バルブ構造2,3が積層されている。スピン・バルブ構
造2,3において、どちらもNi81Fe19磁性膜4,5
間にCuスペーサ層6を介在させた積層構造であるが、
スピン・バルブ構造2ではNi50Mn50交換バイアス膜
7、スピン・バルブ構造3ではFe50Mn50交換バイア
ス膜8を積層している。磁性膜4,5は、Ni,Fe,
Co及びこれらの合金から成る一種以上の磁性金属膜を
用いることも可能である。スペーサ層6は、Au,A
g,Cu及びこれらの合金から成る非磁性金属群から選
ばれる金属膜を用いることも可能である。また、スピン
・バルブ構造2,3において、異なる磁性膜及びスペー
サ層を用いても同様の効果がある。
【0012】絶縁膜19を介して一対の電極9を形成し
た基板20上にNi50Mn50反強磁性膜7を10nm,N
81Fe19磁性膜5を4nm,Cuスペーサ層6を2nm,
Ni 81Fe19磁性膜4を10nm,Al2 3 絶縁膜1を
20nm,Ni81Fe19磁性膜4′を10nm,Cuスペー
サ層6′を2nm,Ni81Fe19磁性膜5′を4nm,Fe
50Mn50反強磁性膜8を10nmを積層し、その上に再び
一対の電極9を形成した。この積層膜の形成方法として
は、スパッタ法、イオンビームスパッタ法、蒸着法等の
いずれの方法を用いることも可能である。また、素子化
に際しては、通常のフォトリソグラフィー技術を用いた
イオンミリング等の工程を利用することができる。
【0013】図2に示すように、センス電流IS はトラ
ック幅方向に流れ、磁気記録媒体10からの信号磁界H
SIG は積層膜界面に平行でかつセンス電流IS と垂直な
方向から入る。図2中、Vは媒体移動方向30はリード
である。Ni50Mn50交換バイアス膜7,Fe50Mn50
交換バイアス膜8には、反平行の磁気異方性M1,M2
が付与されており、これにより、交換バイアス膜7,8
に各々隣接する磁性膜5,5′の磁化方向は互いに反平
行のM3,M4の方向に固着される。Cuスペーサ層
6,6′を各々挟んで積層された磁性膜4,4′の磁化
方向は外部磁場ゼロのときに、センス電流IS 方向に磁
化容易軸M5が設定されている。
【0014】この磁気抵抗センサに磁気記録媒体10か
ら垂直方向の信号磁界HSIG が入った場合、磁性膜5,
5′の磁化方向M3,M4は各々交換バイアス膜7,8
によって固着されるため変化しないが、磁性膜4,4′
の磁化方向は、信号磁界HSI G の向きによって磁性膜
4,4′面内で回転する。上向の信号磁界HSIG の場
合、磁性膜4面内ではM3方向に近くなり、磁性膜4′
面内ではM4方向に対し、反対方向に近くなるように回
転する。M3とM5 2は同方向に近いのでスピンバルブ2
の抵抗値r2は低くなる。M4とM5 3は反対方向に近い
ので、スピンバルブ3の抵抗値r3は大きくなる。下向
の信号磁界HSIG の場合、磁性膜4面内ではM3方向に
対し反対方向に近くなり、磁性膜4′面内ではM4方向
に近くなる様に回転する。M3とM5 2は反対方向に近い
のでスピンバルブ2の抵抗値r2は大きくなる。M4と
5 3は同方向に近いので、スピンバルブ3の抵抗値r3
は小さくなる。この時の、スピン・バルブ構造2,3の
各々の抵抗値r2,r3の信号磁界HSIG 依存性を図3に
示す。同一信号磁界HSIG に対して、対称的な電気抵抗
変化を示すことから、スピン・バルブ構造2,3の出力
信号を独立に検出することによって、差動型磁気抵抗セ
ンサとして動作する。
【0015】実施例2 図4に別の実施例の構成を示す。1は、Al2 3 絶縁
膜であり、このAl23 絶縁膜を挟んで一対のスピン
・バルブ構造2,3が積層されている。スピン・バルブ
構造2,3において、どちらもNi81Fe19磁性膜4,
5間にCuスペーサ層6を介在させた積層構造であり、
Ni50Mn50交換バイアス膜7,8を積層している。な
お、スピン・バルブ構造3では、磁性層5はCu反強磁
性的結合膜12、磁性膜11を介して交換バイアス層8
と積層されている。この時、交換バイアス膜7,8は同
一の反強磁性材料を用いることが可能である。その他の
磁性4,5及び非磁性層6の構成は実施例1に準ずる。
【0016】絶縁膜19を介して一対の電極9を形成し
た基板20上にNi50Mn50反強磁性膜7を10nm,N
81Fe19磁性膜5を4nm,Cuスペーサ層6を2nm,
Ni 81Fe19磁性膜4を10nm,Al2 3 絶縁膜1を
20nm,Ni81Fe19磁性膜4′を10nm,Cuスペー
サ層6′を2nm,Ni81Fe19磁性膜5′を4nm,Cu
反強磁性的結合膜12を1nm,Ni81Fe19磁性膜11
を2nm,Ni50Mn50反強磁性膜8を10nmを積層し、
その上に再び一対の電極9を形成した。
【0017】図5に示すように、センス電流IS はトラ
ック幅方向に流れ、磁気記録媒体10からの信号磁界H
SIG は積層膜界面に平行でかつセンス電流IS と垂直な
方向から入る。交換バイアス層7,8には、同一方向の
磁気異方性M1,M2が付与されており、これにより、
交換バイアス層7,8に隣接する磁性膜5,11の磁化
方向は同一方向のM3,M6の方向に固着される。この
時、スピン・バルブ構造3では、Cu反強磁性的結合膜
12を介して、磁性膜5′,11に強い反強磁性結合が
生じるため磁性膜5′の磁化方向は、磁性膜11の磁化
方向M6、すなわち交換バイアス層8の磁化方向M2と
反平行のM4方向に固着される。Cuスペーサ層6,
6′を挟んで積層された磁性膜4,4′の磁化方向は外
部磁場ゼロのときに、センス電流IS 方向に磁化容易軸
M5が設定されている。
【0018】この磁気抵抗センサに磁気記録媒体10か
ら垂直方向の信号磁界HSIG が入った場合、磁性膜5,
5′の磁化方向は交換バイアス層7,8によって固着さ
れるため変化しないが、磁性膜4,4′の磁化方向は、
信号磁界HSIG の向きによって磁性膜4,4′面内で磁
化方向M5と信号磁界HSIG の合成により回転する。こ
の時の、スピン・バルブ構造2,3の各々の抵抗値
2,r3の信号磁界HSIG依存性は前述の図3のように
同一信号磁界HSIG に対して、対称的な電気抵抗変化を
示すことから、スピン・バルブ構造2,3の出力信号を
独立に検出することによって、差動型磁気抵抗センサと
して動作する。
【0019】実施例3 図6に別の実施例の構成を示す。61は、NiO絶縁性
交換バイアス膜であり、このNiO絶縁***換バイアス
膜61を挟んで一組のスピン・バルブ構造2,3が積層
されている。スピン・バルブ構造2,3において、どち
らもNi81Fe 19磁性膜4,5間にCuスペーサ層6を
介在させた積層構造である。実施例3では、実施例1,
2で用いられたNiMn又はFeMn交換バイアス膜
7,8に代えて絶縁***換バイアス膜61を用いること
が、特長となっている。なお、スピン・バルブ構造3で
は、磁性層5′はCu反強磁性的結合膜12、磁性膜1
1を介してNiO絶縁***換バイアス膜61と積層され
ている。その他の磁性及び非磁性層の構成は実施例1に
準ずる。
【0020】絶縁膜19を介して一対の電極9を形成し
た基板20上にNi81Fe19磁性膜4を10nm,Cuス
ペーサ層6を2nm,Ni81Fe19磁性膜5を4nm,Ni
O絶縁***換バイアス膜61を20nm,Ni81Fe19
性膜11を2nm,Cu反強磁性的結合膜12を1nm,N
81Fe19磁性膜5′を4nm,Cuスペーサ層6′を2
nm,Ni81Fe19磁性膜4′を10nmを積層し、その上
に再び一対の電極9′を形成した。
【0021】図7に示すように、センス電流IS はトラ
ック幅方向に流れ、磁気記録媒体10からの信号磁界H
SIG は積層膜界面に平行でかつセンス電流IS と垂直な
方向から入る。NiO絶縁***換バイアス層61には、
磁気異方性M1が付与されており、これにより、絶縁性
交換バイアス層61に隣接する磁性膜5,11の磁化方
向は同一方向のM3,M6の方向に固着される。この
時、スピン・バルブ構造3では、Cu反強磁性的結合膜
12を介して、磁性膜5′,11に強い反強磁性結合が
生じるため磁性膜5の磁化方向は、磁性膜11の磁化方
向M6、すなわちNiO絶縁***換バイアス層61の磁
化方向M1と反平行のM4方向に固着される。Cuスペ
ーサ層6,6′を挟んで積層された磁性膜4,4′の磁
化方向は外部磁場ゼロのときに、センス電流IS 方向に
磁化容易軸M5が設定されている。
【0022】この磁気抵抗センサに磁気記録媒体10か
ら垂直方向の信号磁界HSIG が入った場合、磁性膜5,
11の磁化方向はNiO絶縁***換バイアス層61によ
って固着されるため変化しないが、磁性膜4,4′の磁
化方向は、信号磁界HSIG の向きによって磁性膜4,
4′面内で回転する。この時の、スピン・バルブ構造
2,3の抵抗値r2,r3の信号磁界HSIG 依存性は前述
の図3のように同一信号磁界HSIG に対して、対称的な
電気抵抗変化を示すことから、スピン・バルブ構造2,
3の出力信号を独立に検出することによって、差動型磁
気抵抗センサとして動作する。尚、表1、表2、表3
に、実施例1,2,3各々の場合の、抵抗値r 2,r3
変化の補足説明を示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
【発明の効果】以上の説明のように、本発明の磁気抵抗
センサを用いることにより、再生出力が大きく、かつサ
ーマルアスピリティを除く磁気抵抗効果型ヘッドを提供
することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のセンサの模式断面図。
【図2】実施例1のセンサの展開図。
【図3】実施例1のセンサの出力を示す。
【図4】実施例2のセンサの模式断面図。
【図5】実施例2のセンサの展開図。
【図6】実施例3のセンサの模式断面図。
【図7】実施例3のセンサの展開図。
【符号の説明】
1…絶縁膜 2,3…スピン・バルブ構造 4,5,4′,5′…磁性膜 6,6′…スペーサ層 7,8…交換バイアス膜 9,9′…電極 11…磁性膜 12…反強磁性的結合膜 19…絶縁膜 20…基板 61…絶縁***換バイアス膜

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性スペーサ層を介して互いに分離さ
    れた、第1及び第2の強磁性体薄膜を備え、印加磁場ゼ
    ロのとき、前記第1の強磁性体層の磁化方向と前記第2
    の強磁性体層に隣接する第1の反強磁性体の薄膜層(交
    換バイアス層)により固定された前記第2の強磁性体層
    の磁化方向が直交する方向であり、外部磁場により、前
    記強磁性体の各々の層の磁化の回転の差によって生じる
    電気抵抗変化を検知する手段を有する、第1のスピン・
    バルブ(Spin Valve)構造と、 非磁性スペーサ層を介して互いに分離された、第3及び
    第4の強磁性体薄膜を備え、印加磁場ゼロのとき、前記
    第3の強磁性体層の磁化方向と前記第4の強磁性体層に
    隣接する第2の反強磁性体の薄膜層(交換バイアス層)
    により固定された前記第4の強磁性体層の磁化方向が直
    交する方向であり、外部磁場により、前記強磁性体の各
    々の層の磁化の回転の差によって生じる電気抵抗変化を
    検知する手段を有する、第2のスピン・バルブ(Spi
    n Valve)構造と、 前記第1及び第2のスピン・バルブ構造の間を電気的に
    絶縁する絶縁層と、 各々のスピン・バルブ構造からの出力を検出する手段と
    を有することを特徴とする磁気抵抗センサ。
  2. 【請求項2】 前記第1のスピン・バルブ構造と前記第
    2のスピン・バルブ構造からの出力の差分情報を検出す
    る請求項1記載の磁気抵抗センサ。
  3. 【請求項3】 前記第1及び第2のスピン・バルブ構造
    において、交換バイアス層によって固定される前記第2
    及び第4の強磁性体層の磁化方向が反平行である請求項
    1又は2記載の磁気抵抗センサ。
  4. 【請求項4】 前記第1及び第2の交換バイアス層が異
    なるブロッキング温度を有する請求項3記載の磁気抵抗
    センサ。
  5. 【請求項5】 前記第1及び第2の交換バイアス層が、
    鉄−マンガン、ニッケル−マンガン及びパラジウム−マ
    ンガンから成る反強磁性規則合金群及びニッケル一酸化
    物から選択された異なる2種類の材料から成ることを特
    徴とする請求項4記載の磁気抵抗センサ。
  6. 【請求項6】 前記第1及び第2の交換バイアス層によ
    り、磁化方向が固定される前記第2及び第4の強磁性体
    層のうち、一方の強磁性体層と交換バイアス層との間
    に、非磁性金属薄膜からなる反強磁性的結合膜を介した
    第5の強磁性体層を有する請求項3記載の磁気抵抗セン
    サ。
  7. 【請求項7】 前記第1及び第2のスピン・バルブ構造
    において、前記第2及び第4の強磁性膜の磁化方向を固
    定する第1及び第2の交換バイアス層を兼ねる反強磁性
    体からなる前記絶縁層(絶縁***換バイアス層)を有す
    る請求項1又は2記載の磁気抵抗センサ。
  8. 【請求項8】 前記絶縁***換バイアス層がニッケル一
    酸化物反強磁性体からなる請求項7記載の磁気抵抗セン
    サ。
  9. 【請求項9】 前記絶縁***換バイアス層により、磁化
    方向が固定される前記第2及び第4の強磁性体層のう
    ち、一方の強磁性体層と前記絶縁***換バイアス層との
    間に、非磁性金属薄膜からなる反強磁性的結合膜を介し
    た第5の強磁性体層を有する請求項7記載の磁気抵抗セ
    ンサ。
JP8085378A 1996-01-19 1996-04-08 磁界を感知する磁気抵抗センサ Withdrawn JPH09283816A (ja)

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