JPH0928312A - 動物用食餌材 - Google Patents

動物用食餌材

Info

Publication number
JPH0928312A
JPH0928312A JP7180253A JP18025395A JPH0928312A JP H0928312 A JPH0928312 A JP H0928312A JP 7180253 A JP7180253 A JP 7180253A JP 18025395 A JP18025395 A JP 18025395A JP H0928312 A JPH0928312 A JP H0928312A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gelatin
zeolite
transglutaminase
animal
raw material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7180253A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiko Nakano
佳彦 中野
Michiyo Kubo
美千代 久保
Shigemasa Aoki
重正 青木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Earth Corp
Original Assignee
Earth Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Earth Chemical Co Ltd filed Critical Earth Chemical Co Ltd
Priority to JP7180253A priority Critical patent/JPH0928312A/ja
Publication of JPH0928312A publication Critical patent/JPH0928312A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Feed For Specific Animals (AREA)
  • Fodder In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 弾力性、噛みごたえ等の食感に優れさらに歯
磨き効果も併せ持つ、従来より優れた動物用食餌材を提
供すること。 【解決手段】 少なくともゼラチン及びゼオライトを配
合したことを特徴とする動物用食餌材。好ましくは、ゼ
ラチン及びゼオライトを配合した動物用食餌材をトラン
スグルタミナーゼで処理することを特徴とする動物用食
餌材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、愛玩動物として飼
われている犬、猫等の動物に与える動物用食餌材に関
し、特に弾力性、噛み応え等の食感に優れ、さらには歯
磨き効果をも付与することができる動物用食餌材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から犬、猫等の愛玩動物用の食餌や
ペットフードとしては、畜肉、魚肉および/またはこれ
らの副産物を主原料とし、これに必要に応じてその他の
添加物を混合したものが知られている。これらは単に栄
養を供給するだけではなく、栄養バランスも良く、趣好
性を満足することも必要であり、さらには噛み応え等の
食感を満たすことも検討されている。例えば、特公昭5
7−39616号公報には、ミルクカゼインの粉状また
は粒状物と適当量のゼラチンとを混合し、これを130
〜200℃、1000kg/cm2 以上の高温高圧で所
要の形状に成形することで、ゼラチンを含有する場合に
不可避とされていた長い乾燥時間を短縮することがで
き、それに伴って細菌類の繁殖を抑えることができ、成
形が容易で大量生産ができ、栄養が豊かで、消化が良
く、さらに硬さも適度であって、型くずれのない畜犬用
玩具食餌剤の製法が開示されている。
【0003】また、特開平6−98689号公報には、
ゼラチン:10〜25重量%、糖:20〜50重量%、
カルシウム化合物:1〜40重量%、水分:10〜35
重量%であって、これら4成分が全体100重量%のう
ち80重量%以上を占める配合物を形成することで、硬
過ぎることがないようにするに十分な水分が保持される
ことにより適切な弾力性と硬さが備わり、歯ごたえがあ
って食感と適当な栄養を満たし、かつ生産性に優れたペ
ットフードが示されている。そして、特開平6−261
692号公報には、畜肉、魚肉および/またはこれらの
副産物を主原料とした原材料にトランスグルタミナーゼ
を添加し作用させた後、加熱殺菌することを特徴とする
動物用飼料の製造方法において、肉粒感と噛み応えを持
つ食感の優れた、長期常温保存可能な動物用飼料が安価
に提供されることが示されている。
【0004】一方、これら食感や栄養バランスを満たす
ことのほかに動物用飼料においては、ゼオライトを配合
して排糞中より発生する不快臭を防ぐことが検討されて
いる(「実験動物技術」第29巻第1号)。さらにゼオ
ライトは動物に対して他の目的においても用いられ、例
えば家禽類並びに観賞用鳥類の健康保持促進剤(特開昭
51−39284号公報)、ブロイラー家畜の肉/脂肪
比を改善するのに使う観賞用飼料添加剤(特開昭63−
192349号公報)、産卵家禽または産卵鶏の卵の品
質、例えば卵の内部品質の時間的劣化の速度を低下させ
ること、卵の生産量および/または卵殻品質を向上させ
るために飼料にゼオライトを配合する(特開平2−20
0152号公報)などがある。ところが、これらの動物
用食餌、飼料およびペットフード等においては食感、栄
養バランス、保存性そして生産性などはある程度満足さ
せるものがあるが改良の余地があり、特に歯磨き効果を
有するものは知られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、弾力性を有
し、噛みごたえ等の食感に優れ、さらに歯磨き効果も併
せ持つ従来より優れた動物用食餌材を提供することを目
的とするものである。食餌材に歯磨き効果をもたせるこ
とは、食餌を噛む動物のための食餌材において重要な要
素である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するために鋭意検討を行った結果、下記するようなゼラ
チンを食餌成分として含む動物用食餌材にゼオライトを
配合することで、弾力性があり、噛みごたえ等の食感に
優れ、さらに歯磨き効果も併せ持つ動物用食餌材、特に
犬、猫等愛玩用の動物のために有用な食餌材を得ること
ができること、さらに前記動物用食餌材をトランスグル
タミナーゼで変性することで、食感をさらに優れたもの
にでき、歯磨き効果も一層向上することを見出し本発明
を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、以下の(1)および
(2)からなるガム状の動物用食餌材に関するものであ
る。すなわち、 (1)少なくともゼラチン及びゼオライトを配合したこ
とを特徴とする動物用食餌材。 (2)トランスグルタミナーゼで変性することを特徴と
する前記(1)記載の動物用食餌材。 本発明の動物用食餌材には、後述するように種々のたん
ぱく質を添加でき、その1例としてコラーゲンが挙げら
れるが、コラーゲンはたんぱく質としてゼラチンと特に
区別されるものではないので、コラーゲンが添加されて
いる動物用食餌材は本発明に含まれるものである。ここ
で、トランスグルタミナーゼで変性するとは、後で説明
するように、ゼラチンを含む本発明の動物用食餌材を製
造する工程において、ゼラチンが添加された後の工程で
トランスグルタミナーゼを添加し、酵素反応を働かせる
ことによって、本発明の動物用食餌材をより一層弾力性
があり、噛み応えがあるものとすることを意味する。本
発明の動物用食餌材はその特徴として、弾力性があり、
噛みごたえ等の食感(以下、「食感」という)に優れて
いる。さらに詳しくはガム状の動物用食餌材であり、人
が嗜好品として口腔内で味わう「ガム」といわれるもの
と類似の特性を有するもので、口腔内での食感および風
味を満足させるものである上に、ガム状の動物用食餌材
は従来の食餌材より噛み始めから噛み終わるまでに噛む
回数が多い食餌材である。また、本発明のガム状の動物
用食餌材が人が嗜好する「ガム」と異なる点は、動物用
であることから食感および風味はもちろんのこと、口腔
内で味わった後に体内に摂取しても(飲み込んでも)何
ら健康上問題がなく口腔外に排出する(取り出す)必要
がなく、体内で消化される組成からなる食餌材である。
そして、特に重要なことは、ガム状であることから動物
の噛む回数が増え、その結果としてゼオライトの有する
研磨作用が十分に発揮されることで、従来では手間がか
かり、難しいとされてきた動物の歯磨きが容易に行うこ
とができるものである。
【0008】本発明でゼオライトとは、別名で沸石と呼
ばれテクトアルミノケイ酸塩で、イオン交換性の大きな
陽イオンを含み、可逆脱水されやすい弱く保持された水
と結合し、三次元網目状構造をもつ鉱物である。その化
学組成は一般式で、Wm n2n・SH2 O{W=N
a,Ca,K,Ba,Sr,Z=Si+Al(Si:A
l>1),S=不定}で表されるものであれば良い。こ
の中でクリノプチロル沸石が代表的には示され、例えば
イズカライト(株式会社イズカ社製)等の市販の天然硬
質ゼオライトが挙げられる。また、この他にも天然、合
成そして結晶性、非結晶性のものであって、ゼオライト
と称されるものであれば特に制限されるものではない
が、使用するゼオライトの粒径は500〜30メッシ
ュ、好ましくは300〜40メッシュの範囲のものであ
ることが好ましい。
【0009】そして、このゼオライトの使用量は、原材
料中に0.2〜20重量%、好ましくは1〜10重量%
である。これによって、本発明の動物用食餌材は、従来
には知られていなかったゼオライトによる食感の向上と
歯磨き作用が得られるものである。
【0010】本発明の動物用食餌材に用いる原材料とし
ては、ゼラチンおよびコラーゲンのようなたんぱく質の
他、通常動物用食餌材(剤)に用いられているものであ
れば良く、牛、馬、豚、鶏等の畜肉:カツオ、マグロ、
サバ等の魚肉:肉粉、魚粉、骨粉、血粉、血合肉、内蔵
等の副産物:とうもろこし、小麦、大豆、マイロ等の穀
類:米ぬか、ふすま、麦芽等の糟とう類:大豆粕、綿実
粕等の植物種子粕類:大豆油、綿実油、パーム油、牛脂
等の油脂類:リノール酸、α−リノレン酸、アラキドン
酸等の必須脂肪酸、EPA、DHA等の脂肪類:乳糖、
果糖等の炭水化物等が用いられる。
【0011】さらに本発明の動物用食餌材に用いる原材
料としては、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビ
タミンK等の脂溶性ビタミン、ビタミンB1、ビタミン
B2、ビタミンB6、ビタミンB12、チアミン、リボ
フラミン、パントテン酸、ナイアシン、コリン等のビタ
ミン類およびこれらのプロビタミン:カルシウム、リ
ン、カリウム、ナトリウム、塩素、マグネシウム、鉄、
銅、マンガン、亜鉛、ヨウ素、セレン、コバルト等のミ
ネラル類:バリン、ロイシン、イソロイシン、アルギニ
ン、リジン、ヒスチジン、スレオニン、トリプトファ
ン、フェニルアラニン、メチオニン、タウリン等のアミ
ノ酸またはそれらから構成されるタンパク質(前記の肉
類およびその副産物をも含む。):キシリトール、エリ
スリトール、ソルビトール等の糖アルコール:酵母、セ
ルロース類等の賦形剤:さらにカルバクロール、D−ド
デカラクトン、チモール、メントール、ヒノチオール等
の殺菌、口臭予防効果のある香料、ミルク、チーズ、ビ
ーフ、チキン、フィッシュ、ポークフレーバー等の趣向
を向上させる香料類:その他、甘草エキス、ウーロン茶
抽出物、緑茶抽出物等が用いられる。
【0012】この他、ピロリン酸2ナトリウム、ピロリ
ン酸ナトリウム、無水ピロリン酸ナトリウム、リン酸水
素ナトリウム、リン酸3ナトリウム、ポリリン酸ナトリ
ウム、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウ
ム、塩化リゾチウム、銅クロロフィリンナトリウム、ポ
リオキシエチレンラウリルエーテル、ラウロイルサルコ
シンナトリウム、アズレンスルホン酸ナトリウム、ε−
アミノカプロン酸、アラントインクロルヒドロキシアル
ミニウム、アラントインジヒドロキシアルミニウム、エ
ピジヒドロコレステリン、ジヒドロコレステロール、塩
化アナトリウム、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸
2アンモニウム、グリチルリチン酸2ナトリウム、グリ
チルリチン酸3ナトリウム、グリチルリチン酸ジカリウ
ム、グリチルリチン酸モノアンモニウム、β−グリチル
リチン酸、イソプロピルメチルフェノール、塩化セチル
ピリジニウム、塩化デカリウム、塩化ベンザルコニウ
ム、塩化ベンゼトニウム、塩化アルキルジアミノエチル
グリシン、塩化クロルヘキシジン、トリクロサン、アス
コルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム等の薬用成分:
さらに色素、保存剤等から必要に応じまたは所望により
適宜加えることができる。また、大豆タンパク、小麦
粉、小麦タンパク、とうもろこしタンパク、卵白、乳ホ
エータンパク、おから、ビーフティシュ等を品質に影響
を与えない程度に使用することができる。
【0013】本発明において動物用食餌材にゼラチンを
配合されるゼラチンは、コラーゲンを水と煮沸して可逆
的に水溶性に換えた誘導タンパク質であり、工業的に生
産されているものでも良い。例えば、動物の皮、ジン
帯、ケン、筋膜等を細かく切って、飽和石灰水に数ヶ月
浸し、水洗い後0.2%程度の硫酸または塩酸につけて
中和し、再び水洗後60〜70℃程度の湯に数時間抽出
する。抽出液を減圧後、50℃以下で濃縮し、10℃程
度に冷却しゲル化させ、その後25℃程度ですみやかに
乾燥させ白粉または透明の薄片として得られるものであ
る。この他にも、ゼラチンと称される誘導タンパク質で
あれば特に制限はないが、分子量が15000〜250
000であって、平均分子量が61000〜67000
程度のものが良い。そして、ゼラチンの使用量は、原材
料中に5〜50重量%、好ましくは10〜30重量%で
ある。これによって、本発明の食感はさらに向上され
る。そして、前記ゼオライトの歯磨き効果はさらに優れ
たものとなり、本発明の有用性が向上されるのである。
そして、本発明では、前記ゼオライトとゼラチンの食餌
材中での配合割合が、1:4〜100:1の範囲、好ま
しくは1:1〜30:1の範囲であることが効果を発揮
させるには好適である。
【0014】本発明において、ゼラチン及びゼオライト
を配合したのみの動物用食餌材では耐熱性が充分である
とはいえない。そのため、ゼラチン及びゼオライトを配
合した本発明の動物用食餌材をさらにトランスグルタミ
ナーゼで変性することで一層食感を高めることができ、
ガム状という性質が向上され、動物の噛む回数を増加さ
せることができる。ここで、動物用食餌材にトランスグ
ルタミナーゼを添加するにあたり、トランスグルタミナ
ーゼをゼラチンを配合する前に添加しても、あるいはゼ
ラチンと混合してトランスグルタミナーゼを添加しても
良い。ゼラチンとトランスグルタミナーゼを混合してか
ら動物用食餌材に添加する場合には、動物用食餌材中に
ゼラチンとが良く混合してからトランスグルタミナーゼ
による変成が行われ、食餌材の食感が高められ、噛む回
数を増加するようであれば良い。このように何れの時期
にトランスグルタミナーゼを添加しても本発明に含まれ
る。トランスグルタミナーゼで変性した動物用食餌材
は、輸送や保存中に30℃以上の高温の雰囲気に曝され
ても形状が変形したり、食餌材の一部が溶融したりして
商品価値が劣化することはない
【0015】トランスグルタミナーゼは、タンパク質ま
たはペプチド鎖内のグルタミン残基のγ−カルボキシア
ミド基と各種アミン間のアシル転移反応を触媒し、一級
アミンがタンパク質のリジン残基である場合、〔ε−
(γ−Glu)−Lys〕架橋結合が形成される。この
作用により食餌材は単に耐熱性が向上するだけでなく、
弾力性も一層向上し、その結果食餌材の噛み回数が増
え、歯磨き効果が一層発揮されるという相乗効果が生ま
れる。
【0016】前記トランスグルタミナーゼとしては、カ
ルシウム非依存性のものとカルシウム依存性のものが知
られている。前者としては、例えば、特開平1−274
71号公報に記載の微生物由来のものが挙げられ、後者
の例としては、特公平1−50382号公報に記載のモ
ルモット肝臓由来のもの、さらに魚由来のもの等が挙げ
られる。この他にも特開平1−300889号公報に記
載の遺伝子組み換えにより製造されるものが、いずれの
トランスグルタミナーゼであっても、トランスグルタミ
ナーゼ活性を有する限り、その起源に関係なく使用する
ことができる。
【0017】本発明におけるトランスグルタミナーゼの
使用量は、原材料中に0.0015〜10.0重量%
(0.15〜1000U)、好ましくは0.002〜
1.0重量%(0.20〜100U)である。ここで、
1ユニット(1U)とは37℃、pH6.0で、ベンジ
ルオキシカルボニル−L−グルタミニルグリシンを基質
としてヒドロキシルアミンを取り込ませ、1分間に1μ
molのヒドロキサム酸を生成するトランスグルタミナ
ーゼの量である。原材料にトランスグルタミナーゼを作
用させる反応条件としては、原材料のpHは5〜8の範
囲に調整し、約50℃で、1〜3時間程度反応させれば
良い。原材料の含有水分量が足りない場合には、原材料
に水分を補給したり、トランスグルタミナーゼ水溶液と
して処理することで水分含有量を調節することができ
る。
【0018】前記食餌材の原材料のpHを調整するため
に使用するpH調整剤としては、リン酸2水素ナトリウ
ム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸2水素カリウム、
リン酸水素2カリウム、ホウ酸、ホウ砂、炭酸ソーダ、
重炭酸ソーダ、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化ア
ンモニウム、リン酸2水素アンモニウム、リン酸水素2
アンモニウム、クエン酸2水素ナトリウム、クエン酸水
素2ナトリウム、クエン酸2水素カリウム、クエン酸水
素2カリウム、クエン酸、フタル酸水素ナトリウム、フ
タル酸水素カリウム、フタル酸、酒石酸、乳酸、酢酸、
塩酸、ピリジン、2,4,6−トリメチルピリジン、ト
リス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、N,N−ジメ
チルグリシンナトリウム塩、酒石酸ナトリウム、乳酸ナ
トリウム等を挙げることができる。
【0019】このようにトランスグルタミナーゼを処理
した原材料は、トランスグルタミナーゼの不活性化およ
び殺菌をかねて加熱処理を行う。この時の条件は、例え
ば115〜121℃で40〜60分間程度とすることが
できる。このようにして得られた動物用食餌材はこのま
まの状態で、例えばペットフード用缶詰めメーカーへの
流通におくこともできるが、長期間保存できるように、
トランスグルタミナーゼを作用させた後の原材料を耐熱
容器に充填し、加熱処理を行って製品とし、これを流通
に置くこともできる。このような製品を製造するための
耐熱容器としては、例えば缶詰容器、レトルトパウチ等
を示すことができる。例えば、前記のようにしてトラン
スグルタミナーゼを作用させた原材料を缶詰容器(例え
ば、4号缶)に充填し、初温を50℃とし、115〜1
21℃で約1〜2時間程度保持することで殺菌処理を行
う。このような殺菌処理によっても水分は遊離せず、噛
みごたえがあり、かつ耐熱性を失わない。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明は下記の実施例によって限定されるこ
とはない。
【0021】I 供試食餌 1.原料 供試食餌を製造するのに用いた原料とその商品名を以下
に記載する。 1) ゼラチン 2) 動物用食餌原料 3) 天然ゼオライト(イズカライト) 4) 茶褐色系着色剤 5) pH調整剤 6) 乳化剤 7) 甘味料 8) トランスグルタミナーゼ 9) 増粘剤 10) 保存料 11) 水 2.処方 供試食餌A〜Dの原料成分の配合は第1表の通りであ
る。
【0022】
【表1】
【0023】3.調合工程 前記原料を用いて供試食餌を調合する工程の概略は以下
の通りである。すなわち、200リットルの混合機中に
pH調整剤及び乳化剤を溶解した水溶液を仕込み加温す
る。この水溶液中にゼラチンを投入しながら攪拌・溶解
し、これに増粘剤水溶液を添加する。別に骨カルシウム
を粉砕し水中に分散したものに、甘味剤、カルシウム粉
末、天然ゼオライトを添加して混合・分散した分散液を
調製し、前記200リットルの混合機中のゼラチン水溶
液中に添加し、さらに肉エキス、オリゴ糖、保存料及び
茶褐色系着色剤を順次添加し、均一に混合・分散させた
混練物を冷却する。最後にこの混練物にトランスグルタ
ミナーゼの水溶液を添加し、2時間反応させ、成型、袋
詰め、殺菌する。
【0024】前記調合工程により製造した供試食餌A〜
Cを供試犬に与えて供試食餌の種類、大きさと食べ終わ
るまでの噛む回数の関係を調べた。 II 実施例1 A:供試動物 犬 (雑種 オス 1歳) B:供試食餌 供試食餌のサイズ: 縦6cm×横4cm×厚み2cm C:試験結果 試験の結果を第2表に示す。
【0025】
【表2】
【0026】III 実施例2 A:供試動物 犬 (雑種 オス 1歳) B:供試食餌 供試食餌のサイズ: 縦4cm×横3cm×厚み2cm C:試験結果: 試験の結果を第3表に示す。
【0027】
【表3】
【0028】IV 供試食餌の機械的特性 1.破断強度 クリープメータ〔(株)山電 〕を用いて供試食餌の破
断にいたるまでのクリープ挙動を測定し、初期の平均弾
性率、破断伸びおよび破断荷重を測定した。測定結果を
図1に示す。図1より、 初期の平均弾性率:初期40秒間の伸び(%)とその時
の応力(gf)から求めた平均弾性率をEA ,EB ,E
C とすると、 EB =0.8EA C =0.8EA であり、サンプルAが最も固いといえる。 破断伸び(表面に亀裂が生じはじめた時の伸び): SA =70%伸び,SB =60%伸び,SC =30%伸
び 破断荷重 :第4表に破断荷重の値を示した。 破断強度の測定から、サンプルAが最も弾性率が大き
く、かつ破断伸びも大きいので、サンプルAが最も弾性
に富むといえる。
【0029】
【表4】
【0030】2.圧縮回復性 前記クリープメータを用いて供試食餌に200gの荷重
をかけて1分間圧縮し、1分後荷重を除いて歪みの回復
性を測定した。測定結果を図2に示す。図2より、サン
プルCが最も柔らかく、柔らか→C→B→A→硬いの順
であり、圧縮状態からの回復は、サンプルA、B、C共
ほとんど変わらず、もとの厚さに回復した。以上破断強
度の測定および圧縮回復性の測定結果より、サンプルA
が最も強く、噛み応えのあるサンプルといえる。それを
サンプルの配合組成からみると、ゼラチン含有量が多
く、またそれに見合ったゼオライトが添加されている結
果であるといえる。
【0031】V 比較例1 A:供試動物 犬 (雑種 オス 1歳) B:供試食餌 供試食餌のサイズ: 縦4cm×横6cm×厚み2cm (i) 食餌処方:前記実施例1及び2において供試食餌の
調製で使用した処方Aを基本とし、処方Aから、 ゼオライトを除去し、トランスグルタミナーゼ処理を
行わなかったもの。 ゼラチンを除去し、トランスグルタミナーゼ処理を行
わなかったもの。 ゼラチンとゼオライトを除去したもの。 とし、前記調合工程に従って成型した。 (ii) 食餌調合の結果:比較例食餌は、50℃で2時
間保存したが、ゲル化せず、液状のままであった。ま
た、25℃まで温度を下げたところゲル化したが、耐熱
性のない食餌であった。比較例食餌及びは、50℃
で2時間保存したが、ゲル化せず、液状のままであっ
た。また冷却しても変化なく、固形食餌として成型でき
なかった。 C:試験結果 比較例の処方及び実施例1の処方Aを前記調製工程に
従って縦4cm×横6cm×厚み2cmの固形食餌に成
型し、供試犬(雑種 オス 1歳)に与え製剤の噛み回
数を試験した。 試験の結果:実施例1の処方Aは、ゼオライトを除去
し、トランスグルタミナーゼ処理を行わなかった比較例
食餌と比較して、噛み数が5倍以上に向上している。
【0032】
【発明の効果】ゼオライトを配合した動物用食餌材は、
機械的特性に優れ、実際供試動物として犬を用いた試験
の結果でも最も噛み終わるまでの噛み回数が多い。ゼオ
ライトを配合し、ゼラチンをより適正に添加し、トラン
スグルタミナーゼを作用させることにより、さらに優れ
た動物用食餌材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の動物用食餌材をクリープメータを用い
て引張り試験した結果を示す強度−歪み関係図である。
【図2】本発明の動物用食餌材をクリープメータを用い
て圧縮試験した結果を示す変位−時間関係を示す図であ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動物用食餌材において、少なくともゼラ
    チン及びゼオライトを配合したことを特徴とする動物用
    食餌材。
  2. 【請求項2】 ゼラチン及びゼオライトが配合された前
    記動物用食餌材において、トランスグルタミナーゼで変
    性したことを特徴とする請求項1記載の動物用食餌材。
JP7180253A 1995-07-17 1995-07-17 動物用食餌材 Pending JPH0928312A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7180253A JPH0928312A (ja) 1995-07-17 1995-07-17 動物用食餌材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7180253A JPH0928312A (ja) 1995-07-17 1995-07-17 動物用食餌材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0928312A true JPH0928312A (ja) 1997-02-04

Family

ID=16080040

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7180253A Pending JPH0928312A (ja) 1995-07-17 1995-07-17 動物用食餌材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0928312A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6399117B1 (en) * 1998-04-08 2002-06-04 Nutreco Aquaculture Research Centre A/S Method for the modification of protein structure in finish shaped feed pellets, balls or the like in order to achieve shape stability, and feed mass made in accordance with the method
JP2002544213A (ja) * 1999-05-12 2002-12-24 アクゾ・ノーベル・ナムローゼ・フエンノートシャップ 殺菌剤として用いるための、カルバクロールおよびチモールを含む組成物
WO2003013269A1 (fr) * 2001-08-02 2003-02-20 Tatsuji Nakata Processus de production de peau crue artificielle
JP2006502140A (ja) * 2002-08-16 2006-01-19 メリアル リミテッド 非動物製品含有獣医製剤
JP2008539760A (ja) * 2005-05-11 2008-11-20 ヒルズ・ペット・ニュートリシャン・インコーポレーテッド 動物飼料用組成物の食味増強法
JP2009514554A (ja) * 2005-11-04 2009-04-09 ヒルズ・ペット・ニュートリシャン・インコーポレーテッド 糞便の質を改善するための方法および組成物

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5139284A (en) * 1974-09-19 1976-04-01 Nippon Rifuretsushu Kk Kakinrui narabini kanshoyochorui no kenkohojisokushinzai
JPH0216936A (ja) * 1988-07-05 1990-01-19 Shiraishi Calcium Kk ペレット状ビタミン混合飼料の製造方法
JPH02171160A (ja) * 1988-12-23 1990-07-02 Nippi:Kk 魚翅様食品の製造方法
JPH05255055A (ja) * 1992-01-17 1993-10-05 Colgate Palmolive Co 口腔ケア性を有するペットチューイング製品
JPH06261692A (ja) * 1993-03-18 1994-09-20 Ajinomoto Co Inc 動物用飼料の製造法
JPH06319469A (ja) * 1993-05-10 1994-11-22 Nippon Ham Kk カルシウム強化剤およびその製造方法並びにカルシウム強化ペットフードの製造方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5139284A (en) * 1974-09-19 1976-04-01 Nippon Rifuretsushu Kk Kakinrui narabini kanshoyochorui no kenkohojisokushinzai
JPH0216936A (ja) * 1988-07-05 1990-01-19 Shiraishi Calcium Kk ペレット状ビタミン混合飼料の製造方法
JPH02171160A (ja) * 1988-12-23 1990-07-02 Nippi:Kk 魚翅様食品の製造方法
JPH05255055A (ja) * 1992-01-17 1993-10-05 Colgate Palmolive Co 口腔ケア性を有するペットチューイング製品
JPH06261692A (ja) * 1993-03-18 1994-09-20 Ajinomoto Co Inc 動物用飼料の製造法
JPH06319469A (ja) * 1993-05-10 1994-11-22 Nippon Ham Kk カルシウム強化剤およびその製造方法並びにカルシウム強化ペットフードの製造方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6399117B1 (en) * 1998-04-08 2002-06-04 Nutreco Aquaculture Research Centre A/S Method for the modification of protein structure in finish shaped feed pellets, balls or the like in order to achieve shape stability, and feed mass made in accordance with the method
US6528100B1 (en) * 1998-04-08 2003-03-04 Nutreco Aquaculture Research Centre As Feed mass having a modified protein structure for carnivorous animals
JP2002544213A (ja) * 1999-05-12 2002-12-24 アクゾ・ノーベル・ナムローゼ・フエンノートシャップ 殺菌剤として用いるための、カルバクロールおよびチモールを含む組成物
JP4790129B2 (ja) * 1999-05-12 2011-10-12 ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. カルバクロールおよびチモールを含む組成物の、トレポネーマによってもたらされる疾患の治療のための薬剤の製造のための使用
WO2003013269A1 (fr) * 2001-08-02 2003-02-20 Tatsuji Nakata Processus de production de peau crue artificielle
GB2395416A (en) * 2001-08-02 2004-05-26 Tatsuji Nakata Process for producing artificial rawhide
GB2395416B (en) * 2001-08-02 2005-06-01 Tatsuji Nakata Process for producing artificial rawhide
JP2006502140A (ja) * 2002-08-16 2006-01-19 メリアル リミテッド 非動物製品含有獣医製剤
JP2008539760A (ja) * 2005-05-11 2008-11-20 ヒルズ・ペット・ニュートリシャン・インコーポレーテッド 動物飼料用組成物の食味増強法
JP2009514554A (ja) * 2005-11-04 2009-04-09 ヒルズ・ペット・ニュートリシャン・インコーポレーテッド 糞便の質を改善するための方法および組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2291687C2 (ru) Продукты и способы улучшения гигиены зубов у животных
JP4596723B2 (ja) 食用熱可塑性物質及びペット用セグメント化滋養性ガム
US6044800A (en) Dental care article for pets and process for producing the same
RU2596132C2 (ru) Продукт кусочками в кормовых композициях для животных и способ его получения
AU2002308199A1 (en) Products and methods for improving animal dental hygiene
AU2008248946A2 (en) Pet food and a process for its manufacture
JP2009514531A (ja) 規定された緩和特性を有するペットフード組成物
JP5654408B2 (ja) ドライペットフード
JPH0928312A (ja) 動物用食餌材
JP2003527124A (ja) 歯に有益なペットフードおよびその製造方法
EP2931061B1 (en) Method of preparing a food composition
CN109310114A (zh) 仔猪用饲料
JP2008508902A (ja) 定められた弛緩特性を有するペットフード組成物
JPH05176688A (ja) カゼインホスホペプチドを含有する飼料
JPH11127797A (ja) 伴侶動物用飼料及びその製造方法
JP5258390B2 (ja) 小麦全粒粉を配合したペットフード
JP2000281575A (ja) 油脂被覆ビタミンc経口給与による、家畜の免疫力増強、並びにストレスの防除及び損耗を防止する方法
JPH06261692A (ja) 動物用飼料の製造法
CN110972987A (zh) 宠物咀嚼物及其制备方法
JP2545681B2 (ja) ペット用動物飼料
JP6479466B2 (ja) 飼料
JP6276192B2 (ja) ソフト・テキスチャー有するペット・フード組成物
JP2853966B2 (ja) ペット用レトルト飼料及びその製造方法
JP2008019236A (ja) 飼料添加剤
JPH0838071A (ja) 豚用飼料添加物および飼料

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040224

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040414

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20041110