JPH09280719A - 冷凍冷蔵庫 - Google Patents

冷凍冷蔵庫

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JPH09280719A
JPH09280719A JP8914996A JP8914996A JPH09280719A JP H09280719 A JPH09280719 A JP H09280719A JP 8914996 A JP8914996 A JP 8914996A JP 8914996 A JP8914996 A JP 8914996A JP H09280719 A JPH09280719 A JP H09280719A
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JP
Japan
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humidity
moisture
storage
refrigerator
freezer
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JP8914996A
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English (en)
Inventor
Akiko Enotsu
明子 榎津
Mayumi Kaji
まゆみ 鍛冶
Kuninari Araki
邦成 荒木
Shoichi Kitahata
正一 北畠
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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  • Cold Air Circulating Systems And Constructional Details In Refrigerators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】良熱伝導部材による輻射冷却効果、及び吸放湿
性部材による調湿効果を利用して、内部を食品の保存に
適した温湿度環境に調整する高湿貯蔵室を備えた冷凍冷
蔵庫を提供する。 【解決手段】貯蔵容器Dに容器カバー13を配して間接冷
却方式とした高湿貯蔵室内の一部に開口部を設け、板状
に圧縮成形した吸放湿性繊維と細孔を有する疎水性フィ
ルム,板状親水性樹脂から構成される調湿部材Cを、着
脱自在に設置する。また、貯蔵容器Dを金属板、あるい
は金属粉末もしくはこれをマスターバッチ化したものを
練り込んで成形し良熱伝導性を付与した合成樹脂等、良
熱伝導性の部材で形成し、または通常の貯蔵容器の内部
に良熱伝導部材からなる容器を着脱自在に設置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は冷凍冷蔵庫に係り、
特に、食品の保存に適した温度,湿度に調整する機能を
持つ貯蔵室を備えた冷凍冷蔵庫に関する。
【0002】
【従来の技術】食品の鮮度保持で、貯蔵温度および湿度
は最も重要な要素であり、貯蔵環境を各食品に応じた温
度,湿度に調整されれば、長期間新鮮さを保持すること
が可能となる。しかし、不特定且つ他品種の食品が保存
される家庭用の冷凍冷蔵庫では、各食品に応じた温湿度
に詳細に調節することは不可能であり、また、低価格化
が望まれる市場の状況で、複雑且つ高コストな装置を備
えた製品は適さない。そこで、従来より家庭用の冷凍冷
蔵庫でも、冷凍室や冷蔵室に加えて、チルド室や野菜室
等の様に大まかな食品の種類毎に、それぞれ適した温度
に保存できる貯蔵室が備えられるようになった。しか
し、貯蔵室内の温度は、扉開閉や冷凍機の除霜等に伴っ
て上昇したり、数個所設置された冷気吹出口による局所
的な冷却では温度分布の不均一性が発生する等、適正な
温度に調整されにくかった。これらに起因する温度変動
は生鮮食品、特に貯蔵中も生命活動を営んでいる青果物
にとっては大きなストレスとなり、呼吸作用を増進させ
水分蒸散を促す等、鮮度低下の要因となる。また、直接
冷却式の貯蔵室では、乾燥した冷気が食品表面に当た
り、乾燥の促進,変色等の鮮度劣化を引き起こすため、
貯蔵容器にカバー等を配し、間接的に冷却することによ
り従来より内部の湿度を高めた貯蔵室も多く見られるよ
うになった。以下、図面に従ってこれら代表的な食品保
存機能について説明する。
【0003】図12は間接冷却方式によって、食品の種類
に応じた氷温貯蔵温度に冷却制御できる複数の区画室を
有する貯蔵庫の断面図である。貯蔵庫の内箱24の内部は
上下三室に区画されており、それぞれにアルミニウム等
の良熱伝導部材で構成された前面開口のケース25,26,
27が組み込まれ、各ケース25,26,27の内部には区画室
28,29,30が形成されている。各ケースにはそれぞれ連
通しない冷気通路31,32,33が設けられ、これらは断熱
箱体背部に上下方向にわたって設けられたダクト部材34
とケースの背面側にて連通しており、ダクト部材34から
冷気が吐出口35,36,37を介して冷気通路31,32,33内
に流入する。また、冷気通路内には吐出口を開閉する冷
気制御手段として電磁ダンパ38,39,40を配し、区画室
28,29,30内には温度検出装置41,42,43を設置して内
部の温度を制御している。温度はそれぞれの食品の種類
に対応する氷温貯蔵温度に制御され、また間接冷却方式
により高湿度を保持して、食品の保存性を高めている。
【0004】一方、図13は貯蔵室内の湿度を調整する機
能を持つ、高湿チルド室の断面図である。44は貯蔵容器
であり、45は食品の水分蒸散を抑制するために設置され
た容器カバーであり、46は容器カバー内側に付着する結
露水を処理するために設けた調湿シートである。また47
は食品間で生ずる臭移りを処理するために設けた脱臭フ
ィルタであり、これらの機構により食品をラップ等の包
装なしで保存することが出来る。
【0005】なお、この種の冷凍冷蔵庫に関連する技術
例は、例えば、図12に関しては特開平7−198242
号公報、図13に関しては特開平6−213556号公報
が挙げられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の調整機構で
は、以下のような問題があった。すなわち、図12を用い
て従来の問題点を説明する。貯蔵庫の内箱24の内部を上
下三つに区画して、それぞれにアルミニウム等の良熱伝
導部材で構成した前面開口のケース25,26,27を組み込
み、各ケース内部に形成した区画室28,29,30を、ケー
ス周囲にそれぞれ独立した冷気通路を配して間接冷却を
行うことにより、温度変化の幅を小さくし、且つ高湿度
の状態を維持できる機構であるが、ケース内は負荷自身
の水分蒸散を利用して高湿度化しているため、負荷少量
時にはケース内の水分が不足して湿度が低下する一方、
負荷多量時には湿度過多となり、余分な水分は天井面等
に結露して負荷の表面に滴下し、腐敗を招く可能性があ
る。また、貯蔵室の外側にアルミニウム等の良熱伝導部
材で形成したケースを配することにより、温度変動幅を
小さくすることができるが、冷気吐出口近くの温度が低
下して内部の温度分布は必ずしも均一にはならない。温
度分布が均一化されないと、貯蔵室の密閉性を高めて高
湿度化しても内部で対流が生じ、この空気の移動によっ
て負荷食品の水分蒸散が促進される等、食品の鮮度を低
下させる要因にもなる。また、ケース毎に冷気通路を配
し、冷気吐出口を開閉する冷気制御手段と温度検出装置
を備えることにより、各食品に応じたより精密な温度制
が可能となるが、不特定且つ他品種の食品が収納される
家庭用の冷凍冷蔵庫では、各々の食品に対応する温度制
御は困難であり、また複雑且つ高コストな制御機構は製
品の高価格化をもたらすため、より簡便で安価な構成が
望まれる。
【0007】一方、図13は貯蔵容器44に食品が水分蒸散
により乾燥劣化をするのを防ぐ容器カバー45を設置して
室内の湿度を保つ、間接冷却方式を採用している。容器
カバー45の上面には特に温度の低い冷気が通過して局部
的に冷却されるため、貯蔵室内の水蒸気が容器カバー45
の下面に凝縮して結露水となり付着するが、これを処理
するために容器カバー45の冷気通過面の一部に開口部を
設け、親水性処理を施した樹脂を多孔質状に板状成形し
て吸水性を付与した調湿シート46を設置している。調湿
シート46は結露した水分を吸水し、飽和すると保持して
いた水分を貯蔵室内に蒸散して湿度をコントロールす
る。しかし、負荷少量時には貯蔵室内側よりも、乾燥し
た冷気が通過する貯蔵室外側に水分が蒸散し、室内側を
適正な湿度に保つことが困難である。
【0008】本発明の目的は、温度変動,温度分布の不
均一性を解消し、負荷量に伴う湿度変動を抑制して、貯
蔵室内を食品の保存に適した温湿度に調整する機能を備
え、鮮度保持性を高めた冷凍冷蔵庫を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、貯蔵室全体あ
るいはその一部を良熱伝導部材で形成し、特に貯蔵容器
と容器カバーからなる間接冷却方式の高湿貯蔵室では、
内部に調湿部材を設置することにより、貯蔵室内を食品
の保存に適した温湿度に調整し、鮮度保持性を高めた。
すなわち、貯蔵容器もしくは容器カバーを金属素材、あ
るいは金属粉末を練り込んで良熱伝導性を付与したプラ
スチック材等、良熱伝導部材で形成することにより、良
熱伝導部材の輻射冷却効果で、扉開閉や除霜に伴う温度
変動や貯蔵室内の温度分布の不均一性を解消し、負荷の
品温を一定化して食品に与える温度ストレスを軽減し、
また板状に圧縮成形して剛性を付与した吸放湿性繊維を
貯蔵室の内側に設置することによって、負荷多量時、あ
るいは扉開閉により外部の暖気が低温の貯蔵室内に流入
する等、室内湿度が必要以上に上昇した場合には、余分
な水蒸気を吸湿することによって結露の発生を防ぎ、貯
蔵室内が一定湿度以上のときには内部に水分を保持し、
負荷少量時、あるいは水分含有量の少ない食品が負荷と
して収納される等、室内湿度が低下した場合には、保持
していた水分を蒸散させて室内を食品の保存に適した湿
度に調整するものである。また、この吸放湿性繊維の片
面には微小な細孔を有する疎水性フィルムを貼着して、
吸放湿性繊維に吸水,保持された水分が貯蔵室外側に過
剰に蒸散するのを防ぎ、またその上部に一定の空間を設
けて板状の親水性樹脂を設置することにより、余分な水
分を貯蔵室外に排出する機構とした。このメカニズムの
詳細を説明する。板状の親水性樹脂を、吸放湿性繊維が
保持可能な水分量をオーバーすると吸湿,吸水により膨
張して接触するような位置に配し、吸放湿性繊維が板状
親水性樹脂に接触すると内部の水分が疎水性フィルムの
細孔を介して親水性樹脂に吸水され、これが親水性樹脂
上面を通過する冷気に蒸散することにより、余分な水分
が室外に排出される。また親水性樹脂は、ポリエチレン
等の樹脂の表面を親水性の素材でコーティングして多孔
質状に成形したものであり、表面に水滴が接触すると毛
細管現象を生じて内部に浸透し、吸水可能な容量を超え
ると水分を低湿側に蒸散させる性質を持つ。したがっ
て、貯蔵室の一部に開口部を設け、吸放湿性繊維をフィ
ルム側が室外に面するように設置し、その上部に一定の
空間を設けて板状の親水性樹脂を配することにより、吸
放湿性繊維の吸水量が保持可能な容量以下の場合には、
室内側に水分を蒸散させて内部の湿度を調整し、吸放湿
性繊維の吸水量が保持可能な容量を超えた場合には膨張
した吸放湿性繊維が親水性樹脂に接触し、内部の水分を
疎水性フィルムの細孔を介して親水性樹脂に吸水させ、
上面を通過する冷気に蒸散させるため、調湿部材で吸水
しきれない水分が負荷等に滴下することなく、食品の保
存に適した環境を創出できる。更に、親水性樹脂表面を
抗菌剤で処理し、吸放湿性繊維を抗菌剤で表面処理する
あるいは吸放湿性繊維に抗菌剤を練り込むことにより、
安全性,衛生性をより向上することができる。このよう
に、貯蔵室に上述の機構を配することにより、簡便且つ
安価な構成で食品の保存に最適な温湿度環境が創出でき
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明の一実施例を図面に基
づき説明する。
【0011】〈実施例1〉図1は貯蔵容器に容器カバー
を配して密閉性を高め、間接冷却方式を採ることにより
内部の湿度を高める高湿貯蔵室を備えた冷凍冷蔵庫の断
面図である。図中、1は冷凍冷蔵庫、2は冷凍室、4は
冷蔵室、3は冷凍室扉、5は冷蔵室扉である。6は冷気
循環用のファンであり、7はファンを駆動するモータ、
8はエバポレータである。Aは高湿チルド室、Bは高湿
野菜室、9はチルド室Aの扉、10は野菜室Bの扉であ
り、11はコンプレッサである。
【0012】図2は、図1の高湿チルド室Aの断面図で
ある。12は貯蔵室の密閉性を高め、間接冷却するために
配した容器カバーであり、C部は高湿チルド室A内に設
置した調湿部材である。調湿部材Cは、容器カバー12の
一部に配した開口部にリブを設け、着脱自在に設置され
ているが、貯蔵室内の如何なる部分に同様な構成で設置
しても良い。また、Dは良熱伝導部材からなる貯蔵容器
である。
【0013】図3は、図1の高湿野菜室Bの断面図であ
る。13は貯蔵室の密閉性を高め、間接冷却するために配
した容器カバーであり、C部は高湿野菜室B内に設置し
た調湿部材である。C部は図2と同様、貯蔵室内の如何
なる部分に開口部及びリブを設けて設置しても良い。ま
た、Dは良熱伝導部材からなる貯蔵容器である。
【0014】図4は図2,図3における調湿部材Cの断
面図である。14は調湿部材Cの基材となる吸放湿性繊維
であり、量産における組立て性,取り扱い性等を考慮し
て、これを板状に圧縮成形することにより剛性を付与し
ている。この吸放湿性繊維14に使用する素材としては、
架橋ポリアクリル酸ソーダや酢酸ビニル系の共重合ケン
化物からなる吸放湿性樹脂を繊維化したもの等が挙げら
れる。貯蔵室内部に吸放湿性繊維14を設置することによ
り、負荷多量時、あるいは扉開閉により外部の暖気が低
温の貯蔵室内に流入した場合等には、室内の余分な水分
を吸湿することによって結露の発生を防ぎ、貯蔵室内が
一定湿度以上のときには内部に水分を保持し、負荷少量
時、あるいは水分含有量の少ない食品が負荷として収納
される等、室内湿度が低下した場合には、保持した水分
を蒸散させて室内を食品の保存に適した湿度に調整する
ことができる。更に吸放湿性繊維14の内部に保持した水
分を貯蔵室外側に蒸散するのを防ぐために、微小な細孔
を有するポリエチレンあるいはポリビニルアルコール
等、疎水性の樹脂からなるフィルム15を貼着し、更にそ
の上部に一定の空間を設けて、表面を親水処理したポリ
エチレン等の樹脂からなる親水性樹脂板16を設置して、
調湿部材Cを構成している。この調湿機能の詳細を説明
する。図4(a)は調湿部材Cの初期状態を示してお
り、吸放湿性繊維14が吸水し膨張すると図4(b)のよ
うに親水性樹脂16に接触して、余分な水分が疎水性フィ
ルム15の細孔を介して親水性樹脂16に吸水され、親水性
樹脂16の表面を通過する冷気に蒸散する。上述のような
機構で調湿部材C内部の水分が調整されるため、吸水し
きれない水分が負荷等に滴下するのを防ぐことができ
る。更に、親水性樹脂16表面を抗菌剤で処理し、吸放湿
性繊維14を抗菌剤で表面処理するあるいは繊維に抗菌剤
を練り込むことにより、安全衛生性がより向上される。
【0015】図5は調湿部材Cを構成する、片面に疎水
性フィルム15を貼着した吸放湿性繊維14の斜視図であ
る。疎水性フィルム15には微細孔17が配されているが、
吸放湿性繊維14内部に保持した水分を室外側に過剰に放
湿させないよう、微細孔17の直径は10〜100μm程度に
設定するのが適当である。
【0016】図6は、図2,図3に記載の貯蔵容器Dの
断面図である。18はアルマイト,ステンレス等の良熱伝
導部材で形成した貯蔵容器であり、良熱伝導部材による
輻射冷却効果で貯蔵室内の温度変動を抑え、温度分布を
均一化して負荷する食品の品温を一定に保つことがで
き、また内部温度の不均一性により生じる室内空気の対
流等、負荷の水分蒸散を促進する要因を排除することが
できる。更に、上述の調湿部材Cによる湿度調整の効果
も相俟って、食品の保存性が著しく向上する。
【0017】図7は、図6記載のアルマイト,ステンレ
ス等の良熱伝導部材で形成した貯蔵容器18を設置する代
わりに、19に示す金属粉末、あるいはこれをマスターバ
ッチ化したものをポリプロピレン,ABS樹脂等の合成
樹脂20に練り込むことにより、良熱導性を付与した貯蔵
容器の断面図である。図6のようにアルマイト,ステン
レス等の金属素材を使用した場合と比較して、低コス
ト、且つ軽量に容器を形成することができ、取り扱い性
等の向上を図ることができる。
【0018】図8は、図6,図7記載の熱良導部材で形
成した貯蔵容器を使用する代わりに、ポリプロピレン,
ABS樹脂等の合成樹脂20からなる貯蔵容器本体の内側
に、アルマイト,ステンレス等の良熱伝導部材で形成し
た良熱伝導性容器21を着脱自在に設置したものである。
良熱伝導性容器21は必ずしも図8に示したような五面体
である必要はなく、五面以下の容器を用いても良い。ま
た良熱伝導性容器21は、貯蔵室からの出し入れがしやす
いトレー形状にすることにより、清掃性,収納性等のユ
ーザーの取扱性を向上することができる。
【0019】図9は、図2,図3に記載の容器カバー1
2,13の代わりに、良熱伝導部材で形成した容器カバー2
2を設置した貯蔵室の断面図である。良熱伝導部材で形
成した容器カバー22にも図2,図3に記載の容器カバー
12,13と同様に一部の開口部とリブを設け、調湿部材C
を着脱自在に設置することにより、同等の鮮度保持効果
が得られる。
【0020】図10は、図3に記載の高湿野菜室Bと比較
例として従来の野菜室に、水分蒸散により鮮度が低下し
やすい青果物を収納して行った保存試験の結果を示した
ものである。供試品の代表例として、アスパラガス,ブ
ロッコリーを14日間貯蔵した際の水分減少率の推移を表
すグラフをそれぞれ図10(a),図10(b)に示す。い
ずれの図でも実験1は本実施例、実験2は比較例を示
す。
【0021】図10に図示のように、アスパラガス,ブロ
ッコリーともに、水分減少率は1/5以下に抑えられ、
新鮮さを保つことができる。
【0022】〈実施例2〉図11は、直接冷却方式の貯蔵
室内壁を良熱伝導部材で構成した冷凍冷蔵庫の断面図で
ある。貯蔵室内部を高湿度化する機構は備えていない
が、貯蔵室内壁23を良熱伝導部材で構成することによ
り、内部の温度変動を抑制し、温度分布を均一化して、
温度ストレスによる食品の劣化を防ぎ、保存性を高める
ことが可能となる。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、貯蔵室、特に貯蔵容器
と容器カバーから構成され、密閉性を高めた高湿貯蔵室
の貯蔵容器を良熱伝導部材で形成することにより、良熱
伝導部材の輻射冷却効果で扉開閉や除霜に伴う温度変動
を抑え、貯蔵室内の温度分布を均一化することにより、
食品に与える温度ストレスを軽減して食品の保存性を高
めるばかりでなく、内部温度の不均一性により生じる空
気の移動により、負荷の水分蒸散を促進する現象を防ぐ
こともできる。更に吸放湿性の繊維を板状に成形した材
料を貯蔵室内に設置することにより、負荷多量時、ある
いは扉開閉により外部の暖気が低温の貯蔵室内に流入し
た場合等には、室内の余分な水分を吸湿することによっ
て結露の発生を防ぎ、貯蔵室内が一定湿度以上のときに
は内部に水分を保持し、負荷少量時等、室内湿度が低下
する場合には、保持していた水分を蒸散して室内を食品
の保存に適した湿度に調整することができる。また、吸
放湿性繊維の片面に微小な細孔を有する疎水性フィルム
を貼着し、その上部に一定の空間を設けて板状の親水性
樹脂を設置し、吸放湿性繊維が保持可能な吸水量を超え
ると吸湿,吸水により膨張して親水性樹脂に接触し、余
分な水分を疎水性フィルムの細孔を介して親水性樹脂に
吸水させ、親水性樹脂上面を通過する冷気に蒸散させる
ことにより、吸水しきれない水分が負荷等に滴下するの
を防ぐことができる。更に、これら構成部材に抗菌処理
を施すことにより、安全性,衛生性がより向上される。
上記のような簡便且つ安価な構成で、食品保存に適した
温湿度環境を創出することができ、その結果、負荷食品
の水分減少率は従来の約1/5以下に抑えられ、更に安
全衛生面も配慮したことにより、長期にわたる保存が可
能となり、鮮度保持性が著しく高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例となる高湿貯蔵室を設置した
冷凍冷蔵庫の断面図。
【図2】同じく良熱伝導部材から構成される貯蔵容器と
調湿部材を備えた高湿チルド室の断面図。
【図3】同じく良熱導部材から構成される貯蔵容器と調
湿部材を備えた高湿野菜室の断面図。
【図4】同じく板状に圧縮成形した吸放湿性繊維と微細
孔を有する疎水性フィルム、板状親水性樹脂から構成さ
れる調湿部材の断面図。
【図5】同じく調湿部材を構成する片面に微細孔を有す
る疎水性フィルムを貼着した吸放湿性繊維の斜視図。
【図6】同じく金属等の良熱伝導部材で形成した貯蔵容
器の断面図。
【図7】同じく金属粉末あるいはこれをマスターバッチ
化して合成樹脂に練り込むことにより良熱伝導性を付与
した合成樹脂等の部材で形成する貯蔵容器の断面図。
【図8】同じく合成樹脂で形成された貯蔵容器に金属等
の良熱伝導部材で形成された容器を着脱自在に設置した
貯蔵容器の断面図。
【図9】同じく良熱伝導部材で形成した貯蔵容器カバー
を設置した高湿貯蔵室の断面図。
【図10】同じく本実施例の高湿貯蔵室による鮮度保持効
果確認のため実施した保存試験における、食品の水分減
少率を示す特性図。
【図11】同じく内壁に良熱伝導部材を配した直接冷却方
式の貯蔵室を具備する他の実施例となる冷凍冷蔵庫の断
面図。
【図12】従来の冷却制御貯蔵庫の断面図。
【図13】従来の高湿チルド室例を示す断面図。
【符号の説明】
10…野菜室扉、11…コンプレッサ、12…チルド容器カバ
ー、13…野菜容器カバー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北畠 正一 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地株 式会社日立製作所冷熱事業部内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】貯蔵容器にカバーを配して密閉性を上げ、
    間接冷却方式により内部の湿度を高めた貯蔵室におい
    て、上記貯蔵容器及びカバーの全体、あるいはその一部
    に良熱伝導部材を用い、室内の温度変動抑制,温度分布
    均一化を図り、上記貯蔵室の内部に吸放湿性を有する調
    湿部材を設置することにより、室内の湿度を調整するこ
    とを特徴とする冷凍冷蔵庫。
  2. 【請求項2】上記貯蔵容器、上記カバーの材料として、
    金属材料を使用するか、あるいはこれら金属素材を粉末
    状にする、もしくは粉末状のものをマスターバッチ化し
    て練り込むことにより、良熱伝導性を付与した合成樹脂
    を使用して成る請求項1に記載の冷凍冷蔵庫。
  3. 【請求項3】上記貯蔵容器、上記カバーの全体あるいは
    一部に良熱伝導部材を使用する代わりに、上記貯蔵容器
    の内部に、良熱伝導部材から成る一ないし五面の容器を
    着脱自在に配設して成る請求項1に記載の冷凍冷蔵庫。
  4. 【請求項4】上記調湿部材として、周囲の湿度に応じて
    吸湿,放湿する性質を有する繊維を板状に圧縮成形する
    ことにより剛性を付した材料を使用して成る請求項2ま
    たは3に記載の冷凍冷蔵庫。
  5. 【請求項5】上記吸放湿性繊維の上面に10〜100μmの
    細孔を有する疎水性のフィルムを貼着し、更にその上部
    に、板状の親水性樹脂を吸放湿性繊維が保持可能な水分
    量をオーバーすると吸湿,吸水により膨張して接触する
    よう、一定の空間を設けて設置し、上記吸放湿性繊維内
    の水分を上記疎水性フィルムの細孔を介して板状親水性
    樹脂に吸水させ、これを上記板状親水性樹脂の上面を通
    過する冷気に蒸散させることによって、余分な水分を室
    外に排出する機構を備えた請求項4に記載の冷凍冷蔵
    庫。
  6. 【請求項6】間接冷却して成る貯蔵室のほか、直接冷却
    方式の上記貯蔵室の内壁の全体、あるいは一部に上記良
    熱伝導部材を使用することにより、温度変動抑制,温度
    分布の均一化を図ったことを特徴とする冷凍冷蔵庫。
JP8914996A 1996-04-11 1996-04-11 冷凍冷蔵庫 Pending JPH09280719A (ja)

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JP8914996A JPH09280719A (ja) 1996-04-11 1996-04-11 冷凍冷蔵庫

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