JPH09279308A - 高延性クロム鋼板 - Google Patents
高延性クロム鋼板Info
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- JPH09279308A JPH09279308A JP8804796A JP8804796A JPH09279308A JP H09279308 A JPH09279308 A JP H09279308A JP 8804796 A JP8804796 A JP 8804796A JP 8804796 A JP8804796 A JP 8804796A JP H09279308 A JPH09279308 A JP H09279308A
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Abstract
の延び特性を有する高延性クロム鋼板を提供することを
目的としている。 【解決手段】所定成分の鋼板を、さらに固溶Nb量を
0.003〜0.02重量%及び時効指数を50MPa
以下に限定するようにした。
Description
ンレス鋼板に関し、特に高い延性を示すクロム鋼板を得
る技術に係わる。
フェライト系ステンレス鋼板は、通常、連続鋳造で得た
鋳片を加熱した後、熱間圧延−熱延板焼鈍−冷間圧延−
仕上焼鈍の各工程を順次経て製造される。このようにし
て製造されたフェライト系ステンレス鋼板は、一般に、
耐応力腐食割れ性に優れると共に、比較的安価であるこ
とから、各種厨房器具、自動車部品などの分野で幅広く
使用されている。しかしながら、例えば、自動車の燃料
フィルタケースなどに使用した場合、過酷な深絞り加工
を行う必要があるが、かかる鋼板を使用したのでは、伸
びが十分でないという問題が生じていた。
絞り成形性を改善するため、これまでにも数多くの試み
がされ、公開された技術も少なくない。例えば、特公昭
54−11770号公報は、Fe−CrにTiを一定量
添加することで、従来より冷間加工性の良いフェライト
系ステンレス鋼板を製造する技術を開示している。ま
た、特公昭57−55787号公報は、Bを添加するこ
とで従来よりランクフォード値(r値)やEl(延び特
性)を目指したフェライト系ステンレス鋼板の製造技術
を提案している。さらに、特公平2−7391号公報
は、TiとBの両方を添加することで、深絞り後の張出
し成形時に脆性割れを生じにくいフェライト系ステンレ
ス鋼板の製造技術を開示している。
ぞれ以下の述べるような問題点があった。すなわち、特
公昭54−11770号公報記載の技術で得た鋼板で
は、過酷な深絞り加工後の二次加工時に、加工部に脆性
割れが散見されることがあった。また、特公昭57−5
5787号公報に開示された技術で得た鋼板では、十分
な深絞り性が得られないため、過酷な深絞り加工には適
さないという問題があった。さらに、特公平2−739
1号公報に記載の技術で得た鋼板は、TiとBの両方を
添加しているにも拘らず、深絞り性あるいは二次加工脆
性のいずれかの特性が劣り、両方の特性を同時に満足す
るものではなかった。加えて、上記した各技術では、E
lが十分に改善されていないという問題もあった。
を鑑み、深絞り性や耐二次加工脆性が高く、37%以上
の延び特性(El)を有する高延性クロム鋼板を提供す
ることを目的としている。
成するため鋭意研究し、クロム含有鋼板の延び特性(E
l)は、その固溶Nb量(特に、固溶Nbが増えると、
Elが良くなるという全く新規な知見)及びAI値(時
効指数)と関係していることを知り、本発明を創案し
た。
t%以下、Si: 1.0 wt% 以下、Mn:
1.0 wt%以下、P: 0.05 wt%以下、
S: 0.015 wt%以下、Al: 0.10 w
t%以下、N: 0.02 wt%以下、Cr: 5〜
60 wt%以下、Ti: 4(C+N)〜0.5 w
t%、Nb: 0.003〜0.02 wt%、固溶N
b: 0.003〜0.020 wt% B: 0.0002〜0.005 wt%を含み、残部
がFeおよび不可避的不純物からなり、且つAI(時効
指数)が50 MPa以下であることを特徴とする高延
性クロム鋼板である。
性クロム鋼板でもある。なお、本発明でのAI(時効指
数)は、鋼板に75%の引張予歪を与えた後、300℃
で30分加熱し、再引張を行って求めたΔYS(%)値
である。
うに限定するようにしたので、37%以上の高い延性を
有するクロム鋼板が得られるようになる。
由を述べる。 C:0.03重量%以下;Cは、r値及び延び特性を低
下させる元素である。特に、0.03重量%を超える
と、その影響が顕著になるので0.03重量%以下とす
る必要がある。好ましくは0.01重量%以下の範囲が
よい。 Si:1.0重量%以下;Siは、脱酸のために有効な
元素であるが、過剰の添加は冷間加工性の低下を招くの
で、その添加範囲は1.0重量%以下、好ましくは0.
5重量%以下とする。 Mn:1.0重量%以下;Mnは、鋼中に存在するSを
析出固定し、熱間圧延性を保つために有効な元素である
が、過剰の添加は冷間加工性の低下を招くので、その添
加範囲は1.0重量%以下、好ましくは0.5重量%以
下とする。 P:0.05重量%以下;Pは、熱間加工性に有害な元
素である。特に、0.05重量%を超えるとその影響が
顕著になるので、0.05重量%以下、好ましくは0.
04重量%以下とする。 S:0.015重量%以下;Sは、結晶粒界に偏析し、
粒界脆化を促進する有害な元素である。とくに、0.0
15重量%を超えるとその影響が顕著になるので、0.
15重量%以下、好ましくは0.008重量%以下とす
る。 Al:0.10重量%以下;Alは、脱酸のために有効
な元素であるが、過剰な添加はAl系介在物の増加によ
り、加工時に表面傷を招く原因となるので、0.10重
量%以下、好ましくは0.07重量%以下の範囲で添加
する。 N:0.02重量%以下;Nは、Cと同様に、深絞り性
に有害な元素である。特に、0.02重量%を超えると
その影響が顕著になるので、0.02重量%以下とする
必要がある。好ましくは0.01重量%以下の範囲がよ
い。 Cr:5〜60重量%;Crは、ステンレス鋼としての
耐食性を確保するために不可欠な元素である。その量が
5重量%未満では耐食性が不足し、一方60重量%を超
えての添加は冷間加工性の低下を招くので、その添加範
囲は5〜60重量%、好ましくは10〜45重量%とす
る。 Ti:4(C+N)〜0.5重量%;Tiは、深絞り性
に有害なC、Nを析出固定し、高い深絞り性を確保する
ために有用な元素である。その効果は、4(C+N)重
量%未満では得られず、一方0.5重量%を超えて添加
してもこれらの効果が飽和するのみでなく、製造性が低
下する。したがって、Tiの添加量は、4(C+N)〜
0.5重量%、好ましくは4(C+N)〜0.3重量%
とする。 Nb:0.003〜0.020重量%;Nbは、本発明
においてTi、Bなどとの複合添加により深絞り成形性
と耐二次加工脆性とを同時に改善する時に重要な元素で
ある。その効果は、0.003重量%未満では得られ
ず、一方、0.020重量%を超えて添加しても効果が
飽和し、却って製造コストの上昇を招くことになるの
で、Nbの添加量は0.003〜0.020重量%、好
ましくは0.004〜0.018重量%とする。 B:0.0002〜0.005重量%;Bは、深絞り成
形後の耐二次加工脆性を改善するための有効な元素であ
る。その効果は、0.0002重量%未満では得られな
いが、過剰の添加は深絞り成形性を劣化させるので、そ
の添加量は0.0002〜0.005重量%、好ましく
は0.0003〜0.003重量%とする。 固溶Nb:0.003〜0.020重量% 本発明で最も重要な事項であり、発明者が苦心したとこ
ろである。上記範囲に限定した理由は、実験結果を示す
鋼板の延び特性とこの固溶Nb量との関係から定めた。
つまり、図1から明らかなように、AI(時効指数)が
50MPa以下の条件では、鋼板の固溶Nbが増すと、
延びが大きくなる傾向がある。しかし、0.003重量
%未満の添加では、Elは従来の値程度にしかならず不
足するので、本発明では、0.003重量%を下限とし
た。一方、0.020重量%を超えて添加すると、鋼板
の材質が硬化するので、その値を上限とした。
また、固溶Nb量は、0.005〜0.015%が効果
の点で好ましい。 AI(時効指数):5O MPa以下 本発明での重要な限定事項であり、発明者の実験結果で
ある図2から、50MPaを超えると、鋼板のElが急
激に低下して深絞りに不十分な値となることが明らかで
ある。なお、このAI値は、40MPa以下が効果の点
で好ましい。
溶鋼段階での成分添加と、熱延、熱延板焼鈍、仕上焼鈍
と続く熱履歴の適正化で所定値に調整される。さらに、
本発明では、Ca:0.0005〜0.01、Mo:
0.01〜5.0重量%、Se:0.0005〜0.0
25重量%の添加も行っている。つまり、これらの成分
から選ばれた1種以上の添加で、一層高い延び特性が得
られるからである。また、本発明は、熱延板でもその効
果を発揮する。
って表1に示す鋳片を得た。
間圧延、仕上焼鈍を行い、得られた冷延板から試験片を
採取し、JIS Z2241に従った引張試験を行い、
各試験片の延び特性を測定した。その結果を、固溶Nb
量及びAI値と共に、表2に示す。
板のEl値は、すべて37%以上を達成しているが、比
較例による鋼板では、従来通りの延び値しか得られない
ことが確認できた。
り性や耐二次加工脆性が高く、37%以上の延び特性
(El)を有する高延性クロム鋼板が入手可能になっ
た。
示す図である。
図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 C: 0.03 wt%以下、 Si: 1.0 wt% 以下、 Mn: 1.0 wt%以下、 P: 0.05 wt%以下、 S: 0.015 wt%以下、 Al: 0.10 wt%以下、 N: 0.02 wt%以下、 Cr: 5〜60 wt%以下、 Ti: 4(C+N)〜0.5 wt%、 Nb: 0.003〜0.02 wt%、 固溶Nb: 0.003〜0.020 wt% B: 0.0002〜0.005 wt% を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、且
つAI(時効指数)が50 MPa以下であることを特
徴とする高延性クロム鋼板。 - 【請求項2】 さらに、 Ca:0.0005〜0.01 wt% Mo:0.01〜5.0 wt% Se:0.0005〜0.025 wt% から選択した1種以上を添加したことを特徴とする請求
項1記載の高延性クロム鋼板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08804796A JP3213234B2 (ja) | 1996-04-10 | 1996-04-10 | 高延性クロム鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08804796A JP3213234B2 (ja) | 1996-04-10 | 1996-04-10 | 高延性クロム鋼板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09279308A true JPH09279308A (ja) | 1997-10-28 |
JP3213234B2 JP3213234B2 (ja) | 2001-10-02 |
Family
ID=13931926
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08804796A Expired - Lifetime JP3213234B2 (ja) | 1996-04-10 | 1996-04-10 | 高延性クロム鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3213234B2 (ja) |
-
1996
- 1996-04-10 JP JP08804796A patent/JP3213234B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3213234B2 (ja) | 2001-10-02 |
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