JPH09272410A - 車両の下部洗浄装置システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 下部洗浄後に車体から水が垂れるのを防止し
たり又は、下部洗浄後の洗車用ストールの清掃が人手を
かけずに行なえるような車両の下部洗浄装置システムを
提供する。 【解決手段】 洗車用ストール１の中央部には下部洗本
体２を移動可能に設置した排水溝１ａを配設し、該排水
溝１ａに向かって水勾配をつけた傾斜面１ｂを該排水溝
１ａの両側に形成すると共に該洗車用ストール１の左右
側方には噴水部４を設置し、更に該洗車用ストール１の
出口近くに溝８を設置して該溝８をグレーチングカバー
７で覆うと共に該溝８内に空気ダクト９を配設し、該空
気ダクト９の空気吹出し口９ｂには蓋９ａを係止した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は車両洗浄装置、特に
車両の下部洗浄装置を備えた下部洗浄装置システムに関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来この種の車両の洗浄装置システムと
して、洗車用ストールに車体下部洗浄装置を単独で備え
たもの、及び洗車用ストールに門型洗車機と車体下部洗
浄装置とを併設し、車体の上部と下部とを同時に洗浄で
きるようにしたものが知られている。

【０００３】特に大型車両を整備する車両整備工場にお
いては、車両整備の前に車体の下部に付着した泥等を取
り除く必要があり、このため車体の下部洗浄装置を備え
た洗車用ストールが一般に設置されている。これらの洗
浄装置には、ノズルより高圧の洗浄水を噴射させるため
の高圧洗浄機が用いられている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】車両の下部洗浄が終
り、洗車用ストールから車両整備用ストールへ車両を移
動する際に該車両に付いていた洗浄水が床面を濡らした
り、又は車両整備用ストールへ移動後に該車両をリフト
・アップした際に作業員に洗浄水が垂れてくる等の問題
点があった。

【０００５】又、車両の下部洗浄を行った洗車用ストー
ルには後に土砂や泥が残り、該ストールの床面を洗浄ガ
ン等で清掃するための人手を要するという問題点があっ
た。

【０００６】本発明はこれらの問題点を解消し、下部洗
浄後に車体から水が垂れないようにしたり、又は洗車用
ストールの清掃も人手をかけずに行なえるような車両の
下部洗浄装置システムを提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成すべく、車体下部に付着した水を除去するための水切
り装置及び又は洗車用ストール床面洗浄装置を具備して
いることを特徴とする。

【０００８】

【発明の実施の形態】本発明の第１の実施の形態を図１
乃至図３ｂにより説明する。

【０００９】図１は、本発明を適用した下部洗浄装置シ
ステムの斜視図であり、下部洗浄を終了した車両Ａは、
洗車用ストール１よりＢ矢印の方向に退出する。

【００１０】該ストール１の床面の中央部には排水溝１
ａがあり、該排水溝１ａの両側には該排水溝１ａに向か
って低くなるように水勾配をつけた傾斜面１ｂ、１ｂが
ある。

【００１１】又、排水溝１ａの中には搖動型洗浄ノズル
（図示せず）を有する下部洗浄装置本体２があって、高
圧ホース２ａを介して高圧洗浄液源３に接続している。
又、該下部洗浄装置本体２は排水溝１ａに沿って移動可
能に形成されている。

【００１２】洗車用ストール１の左右側方にある噴水部
４は、洗車後に傾斜面１ｂに残った土砂や泥の洗い流し
を行うもので、高圧洗浄液源３に接続しており、前記下
部洗浄装置本体２と切換えて高圧水の供給を受けること
ができると共に、左右いずれか片側方の噴水部４にだけ
高圧水を供給するようにも切換えられる。これらは電磁
弁（図示せず）を用いて切換えられ、一定の時間高圧洗
浄を行うもので、これらの制御は操作盤６によって行わ
れる。

【００１３】図２は図１におけるＸ−Ｘ線截断面図、図
３ａと図３ｂは該図１のＹ−Ｙ線截断面図であり、前記
噴水部４からの洗浄水の噴水４ａは、洗車用ストール１
の床面に向かって稍々傾斜角をもって噴射するように形
成されている。

【００１４】次に５は送風機室で、中にはモータ駆動の
ブロワー（図示せず）が設置されている。７はグレーチ
ングカバーで、傾斜角を付した格子状の空気放出口７ａ
を有し、溝８を覆っている。

【００１５】該溝８は洗車用ストール１の出口近くに位
置し、Ｂ矢印の方向に対して略々直角に設けられてい
る。

【００１６】前記溝８内には前記ブロワーに接続する空
気ダクト９が配設してあり、該空気ダクト９の空気吹出
し口９ｂには蓋９ａが係止されている。

【００１７】図３ａは蓋９ａが閉じた状態を示し、図３
ｂは該蓋９ａが開いた状態を示す。

【００１８】ブロワーから空気の供給が無い時には該蓋
９ａは自重によって閉じ、空気吹出し口９ｂを塞いでい
るが、ブロワーから空気が送られると該空気の供給圧力
により該蓋９ａは押し開かれ、空気吹出し口９ｂより吐
出された空気は空気放出口７ａより斜め上方に放出され
る。

【００１９】この時車両Ａがグレーチングカバー７上を
低速でＢ矢印の方向に移動するようにして、車体の下部
に付着した水滴の除去（水切り）を行なう。

【００２０】この時のブロワー等の制御は操作盤６によ
って自動的に行われる。即ち、ブロワーから空気ダクト
９への空気の供給は、車両Ａがグレーチングカバー７上
を通過するのをセンサー（図示せず）で検出し、自動的
に空気の供給を行なうようにした。尚、これは操作盤６
の手動スイッチ操作によって空気の供給停止を行なうよ
うにしてもよい。

【００２１】又、ここでは水切り用の空気源を送風機室
５内に設けたモータ駆動ブロワーによるものとしたが、
これはモータ駆動ブロワーの代りに空気タンクとし、別
途工場用システム空気源等から該空気タンクへ圧縮空気
の供給を行なうにしてもよい。

【００２２】次に、本実施の形態の下部洗浄装置システ
ムの作動について説明する。

【００２３】車体の下部洗浄を行なおうとする車両Ａを
洗車用ストール１に導入し、下部洗浄装置本体２によっ
て車体下面の洗浄を行なう。

【００２４】高圧洗浄液源３は約８０Kg・f/cm²の吐出圧
力で下部洗浄装置本体２に洗浄水を供給し、該下部洗浄
装置本体２は車両Ａの下を排水溝１ａに沿って該排水溝
内を移動すると共に該下部洗浄装置本体２が有する搖動
型の洗浄ノズルより洗車Ａの車体下面に向かって放水を
行なって車体に付着した土砂や泥等を洗い落とす。

【００２５】洗車終了後、車両ＡはＢ矢印の方向にゆっ
くりと移動しながらグレーチングカバー７の上を通過
し、この間に空気放出口７ａから吹き上げてくる空気に
より、車両下部についた水滴を吹き飛ばして自動的に水
切りを行なう。

【００２６】尚、該空気放出口７ａの向きが車体下面に
対して傾斜角を有しているので、車輪等障害になるもの
の陰にある水滴も除去することができる。

【００２７】車両Ａが洗車用ストール１から退去した
後、床面上に土砂や泥が残っている時には、噴水部４に
より人手をかけずに該床面の洗浄を行なう。

【００２８】尚、噴水部４は噴水４ａの向きを床面に直
接当るように傾斜させて形成しているので、僅かの洗浄
水量により効率よく土砂や泥を排水溝１ａへ流し去るこ
とができる。

【００２９】又、空気吹出し口９ｂには蓋９ａが係止さ
れており、空気が送られない時には常に該蓋９ａが閉じ
ているので、洗浄水使用時やブロワー不使用時に空気ダ
クト９内へ水滴や塵等が落下してくる心配がない。

【００３０】本発明の第２の実施の形態を図４及び図５
により説明する。

【００３１】図４は図１のＹ−Ｙ線截断面における第２
の実施の形態を示し、図５は該図４のＺ−Ｚ線截断面を
示す。

【００３２】本第２の実施の形態では、前記溝８内に空
気ダクト９の代りに圧縮空気供給ホース１０及び扇形ノ
ズル１１を配置した以外は第１の実施の形態と同じであ
る。

【００３３】該扇形ノズル１１は車輪１１ａを有し、溝
８に沿って該溝８内を往復運動すると共に上面の空気吹
出し口１１ｂより空気を吹出して車体下部の水切りを行
なうように形成されている。

【００３４】本第２の実施の形態によれば、第１の実施
の形態よりも少ない空気量で車両Ａの車体下部に付着し
た水滴の除去を行なうことができるので、省エネの点か
ら有利である。

【００３５】尚、前記第１の実施の形態及び第２の実施
の形態では、車体下部に付着した水滴を除去するための
水切り装置と洗車用ストールの床面洗浄装置の両方を同
時に具備している下部洗浄装置システムとしたが、これ
ばいずれか一方のみを具備したのもであってもよい。

【００３６】

【発明の効果】このように本発明によれば、下部洗浄後
の車体から水が垂れないように自動的に車体下部の水切
りを行なったり又は、洗車用ストールの土砂を人手をか
けずに洗浄除去できるような車両の下部洗浄装置システ
ムを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の下部洗浄装置システムの斜視図であ
る。

【図２】同上のＸ−Ｘ線截断面図である。

【図3a】図１のＹ−Ｙ線截断面図である。

【図3b】同上の他の状態を示す図面である。

【図４】図１のＹ−Ｙ線截断面における他の実施の形態
を示す図面である。

【図５】同上のＺ−Ｚ線截断面図である。

【符号の説明】

１ 洗車用ストール 1a 排水溝 1b 傾斜面 ２ 下部洗本体 ３ 高圧洗浄機 ４ 噴水部 ７ グレーチングカバー 7a 空気放出口 9a 蓋 9b、11b 空気吹出し口 11 扇形ノズル

Claims (11)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車体下部に付着した水を除去するための
   水切り装置を具備していることを特徴とする車両の下部
   洗浄装置システム。
2. 【請求項２】 前記水切り装置は、洗車用ストールの床
   面に設置した空気吹出し装置からなることを特徴とする
   請求項１に記載の車両の下部洗浄装置システム。
3. 【請求項３】 前記空気吹出し装置は、洗車用ストール
   の床面に洗浄済み車両の退出方向に対して直角に溝を設
   け、該溝内に空気吹出し口を設置すると共に該溝の蓋を
   格子状の空気放出口を有するグレーチングカバーに形成
   したことを特徴とする請求項２に記載の車両の下部洗浄
   装置システム。
4. 【請求項４】 前記空気吹出し口は、該吹出し口を覆う
   蓋を開閉自在に設置すると共に空気吹出し時には供給さ
   れる空気の圧力により該蓋が押し開かれて空気を吹出す
   ように形成したことを特徴とする請求項３に記載の車両
   の下部洗浄装置システム。
5. 【請求項５】 前記空気吹き出し口は、前記溝に沿って
   該溝内を往復動可能に形成したことを特徴とする請求項
   ３又は請求項４に記載の車両の下部洗浄装置システム。
6. 【請求項６】 前記空気吹出し口は、扇形ノズル状に形
   成したことを特徴とする請求項３又は４又は５に記載の
   車両の下部洗浄装置システム。
7. 【請求項７】 前記グレーチングカバーは、前記空気放
   出口の向きが前記洗浄済み車両の車体下面に対して傾斜
   角を持つように稍々傾斜を有して形成したことを特徴と
   する請求項３に記載の車両の下部洗浄装置システム。
8. 【請求項８】 前記空気吹出し装置は、前記グレーチン
   グカバー上を車両が通過するのをセンサーを用いて検出
   し、該車両の通過中のみ自動的に前記空気吹出し口から
   空気を吹出すように形成したことを特徴とする請求項３
   に記載の車両の下部洗浄装置システム。
9. 【請求項９】 洗車用ストール床面洗浄装置を具備した
   ことを特徴とする車両の下部洗浄装置システム。
10. 【請求項10】 前記洗車用ストール床面洗浄装置は、洗
    車用ストールの左右両側に各々噴水部を配設し、該スト
    ール床面の中央部には排水溝を設置すると共に該ストー
    ル床面は該排水溝に向かって低くなるように水勾配をつ
    けて傾斜面に形成したことを特徴とする請求項９に記載
    の車両の下部洗浄装置システム。
11. 【請求項11】 前記噴水部へ供給する高圧水は、洗車用
    と共通の高圧洗浄機により供給されるよう構成し、該高
    圧水を前記ストールの左右いずれか片側の噴水部にだけ
    供給したり又は両側の噴水部へ同時に供給したり切換え
    可能に形成したことを特徴とする請求項１０に記載の車
    両の下部洗浄装置システム。