JPH09271718A - 複層塗膜形成方法 - Google Patents

複層塗膜形成方法

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JPH09271718A
JPH09271718A JP8138096A JP8138096A JPH09271718A JP H09271718 A JPH09271718 A JP H09271718A JP 8138096 A JP8138096 A JP 8138096A JP 8138096 A JP8138096 A JP 8138096A JP H09271718 A JPH09271718 A JP H09271718A
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JP
Japan
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polyester resin
coating film
structural unit
coating
parts
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JP8138096A
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English (en)
Inventor
Nobuyoshi Shirai
伸佳 白井
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗膜外観は、もとよりのこと、とりわけ、層
間密着性、耐チッピング性ならびに耐候性などの諸性能
にも優れる複層塗膜形成方法を確立することにある。 【解決手段】 特定の構造単位を有するポリエステル樹
脂を必須の成分として得られる粉体塗料を塗装し、焼き
付け硬化させて得られる塗膜上に、さらに、ベースコー
ト塗料、トップコート塗料を塗布して、積層塗膜を形成
せしめることにより、叙上のような、極めて実用性の高
い塗装システムの開発となった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規にして有用な
る複層塗膜形成方法に関する。さらに詳細には、本発明
は、脂環式構造単位を有するグリコールおよび/または
多塩基酸を用いて得られる特定のポリエステル樹脂と、
該樹脂中の水酸基と反応し得る官能基を有する硬化剤と
を必須の構成成分として含有する樹脂組成物から得られ
る粉体塗料を塗装し、加熱硬化させたのち、ベースコー
ト塗料を塗装し、さらに、透明トップコート塗料を塗装
し、焼き付け乾燥させることから成るか、
【0002】あるいは上記した特定の粉体塗料を塗装
し、加熱硬化させたのち、トップコート塗料を塗装し、
焼き付け乾燥させることから成る、上塗り塗膜の、とり
わけ、外観、耐候性、層間密着性ならびに耐チッピング
性などに優れた複層塗膜を与える塗膜形成方法に関す
る。
【0003】そして、本発明に係る複層塗膜形成方法
は、特に、自動車車体上に形成させた場合において、極
めて実用性の高い複層塗膜を得ることが出来るというも
のである。
【0004】
【従来の技術】有機溶剤を含有しない塗料の一形態とし
て、粉体塗料があるが、近年、大気汚染などの環境問題
の観点より、その低公害性が注目され、使用量も、年
々、増加している。その用途としては、家電・建材用な
どの金属製品の塗装用をはじめ、多岐に亘るが、塗装時
に揮発する溶剤が、実質的に無いという粉体塗料の特徴
から、自動車用塗装剤としても、適用の検討が進んでい
る。
【0005】現在、実用に供されている粉体塗料用樹脂
組成物としては種々のものがある。たとえば、水酸基を
主として有するポリエステル樹脂と、ブロック・イソシ
アネート化合物とを組み合わせてなる組成物は、良好な
る外観と、機械的物性ならびに耐候性などを有し、広く
使用されているし、カルボキシル基を主として有するポ
リエステル樹脂と、エポキシ樹脂とを組み合わせてなる
組成物も、得られる塗膜の耐食性などが優れているとい
う処から、汎用的に使用されている。
【0006】一方、自動車車体の塗装方法の従来型技術
を見ると、現状では、カチオン電着塗装が施された被塗
物(自動車車体など)に、有機溶剤を含む中塗り塗料を
塗装し、焼き付け乾燥させたのち、同じく、有機溶剤を
含むベースコート用塗料、さらには、有機溶剤を含むト
ップコート用塗料を、順次、塗り重ね、焼き付け硬化さ
せる工程を取るという塗装方法が、主流を占めている。
【0007】ところが、このような従来型技術において
は、上述したように、塗装時に、有機溶剤が揮散するた
めに、斯かる塗装方法は、環境衛生上、問題のあるもの
である。
【0008】また、有機溶剤の揮散を回避する方法とし
て、実質的に、有機溶剤を含有しない粉体塗料を使用す
ることも考えられるが、現状においては、中塗り塗料と
して、粉体塗料を使用した場合には、得られる粉体塗膜
の、とりわけ、平滑性、耐候性ならびに耐溶剤性など
が、従来型の有機溶剤系塗料に比して、劣るという処か
ら、粉体塗料を塗装せしめて得た中塗り塗膜の上に、有
機溶剤系ベースコート塗料や、さらに、トップコート塗
料を塗装せしめるという形で以て、いわゆる複層塗膜を
形成させても、得られる複層塗膜の、とりわけ、外観、
耐候性ならびに耐チッピング性などが劣るものとなって
いた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来型技
術に従う限りは、どうしても、上塗り塗膜の、とりわ
け、外観、耐候性、層間密着性ならびに耐チッピング性
などに優れた複層塗膜を与えるという塗膜形成方法を提
供することが、頗る、困難であった。
【0010】そのために、本発明者らは、得られる複層
塗膜の、とりわけ、外観、耐候性ならびに耐チッピング
性などにも優れるし、層間密着性などにも優れるとい
う、極めて実用性の高い、斬新なる複層塗膜形成方法を
提供するべく、鋭意、研究に着手した。
【0011】したがって、本発明が解決しようとする課
題は、一にかかって、特に、トップコートの塗膜外観、
耐候性、層間密着性ならびに耐チッピング性などの諸物
性に優れるという、極めて実用性の高い、斬新なる複層
塗膜形成方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】しかるに、本発明者ら
は、上述したような従来型技術の問題点を解消すべく、
加えて、上述したような発明が解決しようとする課題に
照準を合わせて、鋭意、検討を重ねた結果、下記するよ
うな構造の脂環式構造単位(1)を有している、しか
も、特定範囲の水酸基価ならびに特定範囲の環球法によ
る軟化点を有するポリエステル樹脂と、此のポリエステ
ル樹脂中の水酸基と反応し得る官能基を有する硬化剤と
を、必須の皮膜形成成分として含有する粉体塗料用樹脂
組成物を、中塗り塗料、または下塗り塗料として使用し
て、複層塗膜を形成させた場合には、非常に良好なる塗
膜外観が得られることは勿論のこと、塗膜の、とりわ
け、耐候性や耐チッピング性なども亦、従来型の粉体塗
料用樹脂組成物を使用した場合に比較して、格段に向上
化していることを見出すに及んで、ここに、本発明を完
成させるに到った。
【0013】脂環式構造単位(1)
【0014】
【化7】
【0015】(ただし、上掲の構造単位式中の置換基の
位置は、オルソ位、メタ位またはパラ位のいずれかの位
置を表わすものとする。)
【0016】すなわち、本発明は、基本的には、それぞ
れ、一つとして、上掲したような脂環式構造単位を有す
るグリコール類(a−1)または上掲したような脂環式
構造単位を有する多塩基酸類(a−2)のうちの少なく
とも一方を、必須の成分として用いて得られる、水酸基
価が10〜350(mgKOH/g)で、かつ、環球法
による軟化点が80〜150℃なるポリエステル樹脂
[A]と、このポリエステル樹脂[A]の水酸基と反応
し得る官能基を有する硬化剤[B]とを必須の構成成分
としてなる樹脂組成物から得られる粉体塗料[I]を、
被塗物に塗装し、加熱硬化させたのち、ベースコート塗
料[II]を塗装し、さらに、透明トップコート塗料
[III]を塗装し、焼き付け乾燥させることから成
る、複層塗膜形成方法を提供しようとするものである
し、
【0017】二つとして、上掲したような脂環式構造単
位を有するグリコール類(a−1)または上掲したよう
なような脂環式構造単位を有する多塩基酸類(a−2)
のうちの少なくとも一方を、必須の成分として用いて得
られる、水酸基価が10〜350(mgKOH/g)
で、かつ、環球法による軟化点が80〜150℃なるポ
リエステル樹脂[A]と、このポリエステル樹脂[A]
の水酸基と反応し得る官能基を有する硬化剤[B]とを
必須の構成成分としてなる樹脂組成物から得られる粉体
塗料[I]を、被塗物に塗装し、加熱硬化させたのち、
トップコート塗料[IV]を塗装し、焼き付け乾燥させ
ることから成る、複層塗膜形成方法をも提供しようとす
るものである。
【0018】上述したような従来型技術における諸々の
課題を解決するための手段について述べることにする
と、本発明は、次のような脂環式構造単位(1)
【0019】
【化8】
【0020】(ただし、上掲の構造単位式中の置換基の
位置は、オルソ位またはメタ位またはパラ位のいずれか
を表わすものとする。)
【0021】を有するグリコール類(a−1)または上
掲したような脂環式構造単位(1)を有する多塩基酸類
(a−2)のうちの少なくとも一方を、必須の原料成分
として用いて得られる、それぞれ、水酸基価が10〜3
50(mgKOH/g)で、しかも、環球法による軟化
点が80〜150℃なる、特定のポリエステル樹脂
[A]と、該ポリエステル樹脂[A]中の水酸基と反応
し得る官能基を有する硬化剤[B]とを、必須の構成成
分(皮膜形成成分)として含有する樹脂組成物から得ら
れる粉体塗料[I]を、被塗物に塗装して、加熱硬化さ
せたのちに、ベースコート塗料[II]を塗装し、さら
に、透明トップコート塗料[III]を塗装して、焼き
付け乾燥させることから成る、斬新なる複層塗膜形成方
法を開示するというものであり、
【0022】さらに、本発明は、上掲したような脂環式
構造単位(1)を有するグリコール類(a−1)または
上掲したような脂環式構造単位(1)を有する多塩基酸
類(a−2)のうちの少なくとも一方を、必須の原料成
分として用いて得られる、それぞれ、水酸基価が10〜
350(mgKOH/g)で、しかも、環球法による軟
化点が80〜150℃なる、特定のポリエステル樹脂
[A]と、該ポリエステル樹脂[A]中の水酸基と反応
し得る官能基を有する硬化剤[B]とを必須の構成成分
(皮膜形成成分)として含有する樹脂組成物から得られ
る粉体塗料[I]を、被塗物に塗装して、加熱硬化させ
たのちに、トップコート塗料[IV]を塗装して、焼き
付け乾燥させることから成る、斬新なる複層塗膜形成方
法をも開示するというものである。
【0023】この場合において使用される硬化剤[B]
としては、種々のものが使用できるが、ブロック・ポリ
イソシアネート化合物または次のような構造式(2)
【0024】
【化9】
【0025】で示されるウレトジオン型の、いわゆるセ
ルフ・ブロック・ポリイソシアネート化合物を使用する
ことが望ましい。この際に、ブロック・ポリイソシアネ
ート化合物と、斯かるセルフ・ブロック・ポリイソシア
ネート化合物とは、それぞれの単独使用でもよいし、こ
れらの両系統化合物の併用でもよいということは、勿論
である。
【0026】
【発明の実施の形態】さらに、本発明に係る複層塗膜形
成方法について、特に、本発明の構成を中心として、以
下に述べることにする。
【0027】本発明は、大別して、2種の複層塗膜形成
方法を開示しているものである。第一の当該複層塗膜形
成方法は、それぞれ、[1]被塗物、[2]本発明に係
る複層塗膜形成方法に使用する粉体塗料[I]を塗装し
て、焼き付け硬化させて形成される塗膜層、[3]ベー
スコート塗料[II]から形成される塗膜層ならびに
[4]透明トップコート塗料[III]から形成される
塗膜層という各構成要素から成るというものであって、
【0028】具体的には、[1]の被塗物上に、本発明
において用いられる粉体塗料[I]を塗装し、加熱硬化
させて塗膜層[2]を形成させたのちに、さらに、ベー
スコート塗料[II]を塗装し、その上に、透明トップ
コート塗料[III]を塗装せしめてから、塗膜層
[3]および塗膜層[4]を、同時に、加熱乾燥(硬
化)せしめるということによって、複層塗膜を形成する
という方法を開示するものである。
【0029】一方、第二の複層塗膜形成方法は、それぞ
れ、[1]被塗物、[2]本発明において用いられる粉
体塗料[I]を塗装して、焼き付け硬化させて形成され
る塗膜層、[5]トップコート塗料[IV]から形成さ
れる塗膜層という各構成要素から成るというものであっ
て、具体的には、第一の複層塗膜形成方法における塗膜
層[3]ならびに[4]に替えて、上記トップコート塗
料[IV]を塗装して、加熱乾燥(硬化)せしめてか
ら、塗膜層[5]を形成させることによって、複層塗膜
を形成するという方法を開示するものである。
【0030】以下に、本発明に係る複層塗膜形成方法に
おける、それぞれの構成要素について、詳細に説明をす
ることにする。
【0031】まず、上掲した、第一の複層塗膜形成方法
についての、詳細なる説明をすることにすると、次の通
りである。
【0032】すなわち、第一の構成要素である[1]被
塗物とは、塗料が塗布される基材を指称するものであっ
て、具体的には、未塗装の鋼板、未処理の、ないしは化
成処理されたアルミ基材などの未塗装金属素材であっ
て、自動車車体や、2輪車車体などのような、道路車両
に使用される基材や、アルミホイールなどのような自動
車部品用に使用される基材などが挙げられるし、また、
電着塗装が施された状態の自動車車体などのような、道
路車両に使用される基材も包含される。さらに、家電製
品や、スチール家具などに使用される基材、たとえば、
電気亜鉛メッキ鋼板や、溶融亜鉛メッキ鋼板なども亦、
特に代表的なものとして例示される。
【0033】これらの種々の基材は、最終用途に応じた
形状に加工されたものでもよいし、あるいはPCM(プ
レ・コート・メタル)塗装法が適用される形態、つま
り、大まかに、平板状の切板状基材であって、本発明の
方法によって、複層塗膜が形成されたのちに、目的に応
じた、所定の形状に折り曲げ加工されるというようなも
のであってもよいし、さらには、コイル・コーティング
のような、完全に後加工に供されるというような塗装シ
ステムに使用される部類の基材であってもよいことは、
勿論である。
【0034】本発明に係る複層塗膜形成方法により形成
される、此の複層塗膜を構成する第二の構成要素であ
る、[2]なる、本発明において用いられる粉体塗料
[I]を塗装して焼き付け硬化させて得られる塗膜層と
は、
【0035】前掲したような脂環式構造単位(1)を有
するグリコール類(a−1)または前掲したような脂環
式構造単位(1)を有する多塩基酸類(a−2)のうち
の少なくとも一方を、必須の原料成分として用いて得ら
れる、水酸基価が10〜350(mgKOH/g)で、
しかも、環球法による軟化点が80〜150℃なるポリ
エステル樹脂[A]と、
【0036】該ポリエステル樹脂[A]中の水酸基と反
応し得る官能基を有する硬化剤[B]とを、必須の構成
成分(皮膜形成成分)として含有する樹脂組成物から得
られる粉体塗料[I]を、加熱硬化せしめることによっ
て得られる形の塗膜層を指称する。
【0037】このような粉体塗料[I]を調製する際に
使用することの出来る、上記したポリエステル樹脂
[A]は、公知慣用の種々の方法で以て調製することが
出来るけれども、一般的には、グリコール類と、多塩基
酸類とを、脱水縮合せしめるというような方法が、簡便
であるので推奨される。
【0038】本発明に係る複層塗膜形成方法において用
いる、当該ポリエステル樹脂[A]とは、前掲したよう
な脂環式構造単位(1)を有するグリコール類(a−
1)または前掲したような脂環式構造単位(1)を有す
る多塩基酸類(a−2)のうちの少なくとも一方を、必
須の原料成分として用いて得られるというような形の樹
脂を指称する。
【0039】ここにおいて、必須の原料成分として使用
することの出来る脂環式構造単位を有するグリコール類
(a−1)として特に代表的なもののみを例示するにと
どめれば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水添
ビスフェノールA、水添ビスフェノールAのエチレンオ
キサイド付加物または水添ビスフェノールAのプロピレ
ンオキサイド付加物などにより代表されるような、種々
の脂環式グリコール類などである。
【0040】また、同様に、必須の原料成分として使用
することの出来る脂環式構造単位を有する多塩基酸類
(a−2)として特に代表的なもののみを例示するにと
どめれば、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸または
1,3−シクロヘキサンジカルボン酸などにより代表さ
れるような、種々の脂環式カルボン酸類などであるし、
あるいはヘキサヒドロ無水フタル酸などにより代表され
るような、種々の脂環族の酸無水物などである。これら
の脂環式構造単位を有する、それぞれ、グリコール類
(a−1)あるいは多塩基酸類(a−2)は、いずれ
も、単独使用でもよいし、併用でもよいことは、勿論で
ある。
【0041】さらに、これらの各必須原料成分に加え
て、当該ポリエステル樹脂を調製する際に使用される、
各種のグリコール類や、各種の多塩基酸類などをも併用
することが出来る。
【0042】それらのうちでも特に代表的なるもののみ
を例示するにとどめれば、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,6
−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピ
レングリコール、ネオペンチルグリコール、トリエチレ
ングリコールまたはビスフェノールAなどをはじめ、さ
らには、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物
またはビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加
物、あるいはグリセリン、トリメチロールプロパン、ト
リスヒドロキシメチルアミノメタン、トリスヒドロキシ
エチルイソシアヌレート、ペンタエリスリトールまたは
ジペンタエリスリトールなどである。
【0043】また、多塩基酸類として特に代表的なもの
のみを挙げるにとどめれば、無水フタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸、無水こはく酸、アジピン酸、アゼラ
イン酸、セバチン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、テト
ラブロム無水フタル酸、テトラクロル無水フタル酸、無
水ヘット酸、無水ハイミック酸〔此の「ハイミック酸」
は、日立化成工業(株)の登録商標である。〕、無水マ
レイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水トリメリット
酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸無水物または
無水ピロメリット酸などである。
【0044】さらに、これらの多価アルコールおよび多
塩基酸以外にも、メタノール、プロパノール、ブタノー
ルまたはベンジルアルコールなどのような種々の1価ア
ルコールや、安息香酸またはp−tert−ブチル安息
香酸などのような種々の一塩基酸や、ひまし油脂肪酸、
ヤシ油脂肪酸または大豆油脂肪酸などのような種々の脂
肪酸類や、さらには、ジメチロールプロピオン酸または
ヒドロキシピバリルピバレートなどのような種々の、一
分子中に水酸基とカルボキシル基の両方を有する形の化
合物や、あるいはエポキシ樹脂、「カーデュラE10」
(オランダ国、シェル社製の、分岐脂肪酸のグリシジル
エステルの商品名)などのような種々のエポキシ基含有
化合物なども亦、使用することが出来る。
【0045】本発明に係る複層塗膜形成方法において用
いられる一必須構成成分(一皮膜形成成分)たる当該ポ
リエステル樹脂[A]の水酸基価としては、10〜35
0(mgKOH/g)なる範囲内が適切であるし、好ま
しくは、50〜350(mgKOH/g)なる範囲内が
適切である。
【0046】水酸基価が10よりも小さいという場合に
は、塗膜層[2]の、とりわけ、耐溶剤性などが不足す
るというようになり易く、ひいては、得られる複層塗膜
の外観などが劣るようになり易いし、さらには、得られ
る複層塗膜の、とりわけ、耐チッピング性なども劣るよ
うになるし、一方、水酸基価が350よりも大きいとい
う場合には、どうしても、得られる複層塗膜の、とりわ
け、平滑性などが劣るようになり易いので、いずれの場
合も好ましくない。
【0047】加えて、当該ポリエステル樹脂[A]の、
環球法による軟化点としては、80〜150℃なる範囲
内が適切である。かかる軟化点が80℃よりも低いとい
う場合には、どうしても、粉体塗料[I]の、とりわ
け、耐ブロッキング性などが劣るようになり易いし、一
方、軟化点が150℃よりも高いという場合には、得ら
れる複層塗膜の、とりわけ、平滑性などが不十分となり
易くなるので、いずれの場合も好ましくない。
【0048】次いで、本発明に係る複層塗膜形成方法に
おいて用いられる、粉体塗料[I]の必須の構成成分
(皮膜形成成分)たる、前述したようなポリエステル樹
脂[A]中の水酸基と反応し得る官能基を有する硬化剤
[B]とは、水酸基と反応することのできる官能基を有
する化合物を指称するが、それらのうちでも特に代表的
なもののみを例示するにとどめれば、アミノプラスト、
ポリイソシアネート化合物類またはブロック・ポリイソ
シアネート化合物類などである。
【0049】まず、アミノプラストとして特に代表的な
もののみを例示するにとどめれば、メラミン、尿素、ア
セトグアナミン、ベンゾグアナミン、ステログアナミン
またはスピログアナミンの如き、各種のアミノ基含有化
合物と、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、ア
セトアルデヒドまたはグリオキザールの如き、各種のア
ルデヒド系化合物成分とを、公知慣用の種々の方法によ
り、反応せしめるということによって得られる形の縮合
物などであるし、あるいは此等の各縮合物を、アルコー
ル類で以てエーテル化せしめるということによって得ら
れる形の化合物などであるが、通常、塗料用として使用
されているようなものであれば、いずれの化合物も使用
することが出来るのは、勿論である.
【0050】そのうちでも、特に、C1 〜C4 なるアル
コール類で以て、部分的に、あるいは完全にエーテル化
せしめた形のものの使用が望ましく、こうした形のアミ
ノプラストとして特に代表的なもののみを挙げるにとど
めれば、ヘキサメチルエーテル化メチロールメラミン、
ヘキサブチルエーテル化メチロールメラミン、メチルブ
チル混合エーテル化メチロールメラミン、メチルエーテ
ル化メチロールメラミン、ブチルエーテル化メチロール
メラミンまたはイソブチルエーテル化メチロールメラミ
ンなどであるし、あるいは其れらの縮合物などである。
【0051】また、ポリイソシアネート化合物として特
に代表的なもののみを例示するにとどめれば、ヘキサメ
チレンジイソシアネートもしくはトリメチルヘキサメチ
レンジイソシアネートの如き、各種の脂肪族ジイソシア
ネート類;キシリレンジイソシアネートもしくはイソホ
ロンジイソシアネートの如き、種々の環状脂肪族(脂環
式)ジイソシアネート類;またはトリレンジイソシアネ
ートもしくは 4,4’−ジフェニルメタンジイソシア
ネートの如き、各種の芳香族ジイソシアネート類などで
代表されるような種々の有機ジイソシアネートなどをは
じめ、
【0052】さらには、これらの種々の有機ジイソシア
ネートと、多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂
(ポリエステル・ポリオール)または水などとの付加物
などであるし、さらには、上掲されたような種々の有機
ジイソシアネート同志の重合体(イソシアヌレート型ポ
リイソシアネート化合物をも含む。)や、イソシアネー
ト・ビウレット体などである。
【0053】さらに、ブロック・ポリイソシアネート化
合物として特に代表的なもののみを例示するにとどめれ
ば、上掲したような種々のポリイソシアネート化合物
を、公知慣用の種々のブロック化剤で以て、ブロック化
せしめることによって得られるような形のものなどであ
り、
【0054】そうした形の市販品として特に代表的なも
ののみを挙げるにとどめれば、「VESTANAT B
1358/100」または「VESTAGON B10
65もしくはB1530」(いずれも、ドイツ国ヒュル
ス社製の、ブロック・ポリイソシアネートの商品名)
や、「クレランUIもしくはTPLS2122」[住友
バイエル・ウレタン(株)製の、ブロック・ポリイソシ
アネートの商品名]などである。
【0055】また、ポリイソシアネート化合物として
は、特に、分子内に、次のような構造式(2)
【0056】
【化10】
【0057】で示されるウレトジオン結合を有する、い
わゆるセルフ・ブロック・タイプのポリイソシアネート
類の化合物をも使用することが出来る。
【0058】こうしたセルフ・ブロック・タイプのポリ
イソシアネート類として特に代表的なもののみを例示す
るにとどめれば、「VESTAGON BF1540も
しくはEP−BF1300」(いずれも、ドイツ国ヒュ
ルス社製の、ウレトジオン結合含有の、セルフ・ブロッ
ク・タイプのブロック・ポリイソシアネート化合物の商
品名)や、「クレラン TPLS2147」[住友バイ
エルウレタン(株)製の、ウレトジオン結合含有の、セ
ルフ・ブロック・タイプのブロック・ポリイソシアネー
ト化合物の商品名]などである。
【0059】これらの、それぞれ、ポリエステル樹脂
[A]および硬化剤[B]から、本発明の複層塗膜形成
方法を実施するに当たって用いられる粉体塗料[I]を
調製するには、公知慣用の種々の方法が採用できるが、
一般的には、ポリエステル樹脂[A]および硬化剤
[B]を、さらに、必要に応じて、顔料、硬化促進剤お
よび/または表面調整剤などの、種々の添加剤成分を混
合し、溶融混練せしめたのちに、さらに、微粉砕化せし
めるという、いわゆる機械粉砕方式によるのが、簡便で
あるので、特に推奨される。
【0060】かくして得られる粉体塗料[I]は、公知
慣用の種々の方法によって、被塗物基材飢上に、静電粉
体塗装され、次いで、焼き付けされて、目的とする硬化
塗膜が、此の被塗物基材上に形成されるということにな
る。
【0061】引き続いて、本発明に係る複層塗膜の一構
成要素たる、前記したベースコート塗料[II]から形
成される塗膜層[3]についての、詳細なる説明をする
ことにする。
【0062】かかる塗膜層[3]を形成するために用い
られる、此のベースコート塗料[II]とは、主とし
て、水または有機溶剤を、媒体として用いて得られる形
の塗料を指称するものである。
【0063】まず、水を媒体とする形の塗料として特に
代表的なもののみを例示するにとどめれば、 水性樹
脂をバインダーとする形のもの、 ディスパージョン
(水分散物)タイプの樹脂をバインダーとする形のも
の、 エマルジョン重合体をバインダーとする形のも
のなどである。
【0064】上記なるタイプに属する塗料としては、
たとえば、カルボキシル基含有ビニル単量体を共重合す
ることによって、酸基を含有せしめた形のアクリル樹脂
を、さらに、アミン中和することによって、完全水溶化
せしめた形の重合体水溶液から成るものなどがあるし、
上記なるタイプに属する塗料としては、たとえば、特
公平3−45755号公報に開示されているような、ア
ニオン形成性基を有する水分散性ポリウレタン樹脂から
成るものなどがあるし、また、上記なるタイプに属す
る塗料としては、たとえば、特開昭56−157358
に開示されているような、架橋性重合体微粒子を含むエ
マルジョン重合体水溶液から成るものなどがある。
【0065】有機溶剤を媒体とする塗料として特に代表
的なもののみを例示するにとどめれば、トルエンまたは
キシレンなどで代表されるような種々の有機溶剤に可溶
なる高分子化合物、たとえば、水酸基を有するビニル共
重合体の有機溶剤溶液と、該高分子化合物と反応し得
る、たとえば、アミノプラスト、ポリイソシアネート類
またはブロック・ポリイソシアネート類などとを組み合
わせた形の組成物などである。
【0066】これらの、水または有機溶剤を媒体として
得られる形の当該ベースコート塗料[II]は、これら
の樹脂成分以外にも、酸化チタンなどのような、公知慣
用の種々の無機顔料;体質顔料;有機顔料;あるいはア
ルミ・フレークやマイカ・フレークなどのような、公知
慣用の種々の光輝性(メタリック調)顔料;硬化促進
剤;あるいは亦、レベリング剤などで代表される、種々
の添加剤類を含有せしめることが出来る。
【0067】次いで、本発明に係る複層塗膜の一構成要
素たる、前記した透明トップコート塗料[III]から
形成される塗膜層[4]についての、詳細なる説明をす
ることにする。
【0068】かかる塗膜層[4]を形成するために用い
られる、此の透明トップコート塗料[III]として
は、主として、前述した、水または有機溶剤を媒体とし
て用いて得られる形の粉体塗料用樹脂組成物を使用する
ことも出来るし、実質的に、水や有機溶剤などを含有し
ない形の粉体塗料用樹脂組成物をも使用することが出来
る。
【0069】その際に使用するトップコート塗料は、透
明塗膜を形成するというものであって、透明でさえある
ならば、勿論のことながら、着色されていてもよい。
【0070】上述したような、それぞれ、塗膜層[3]
および塗膜層[4]は、この順序で以て、前掲したよう
な種々の被塗物基材上に塗装され、しかるのち、同時
に、焼き付け乾燥され、その結果、塗膜層[2]、
[3]および[4]なる各層が積層された形の、いわゆ
る複層塗膜が形成されるということになる。ただし、塗
膜層[3]が塗装されたのちであって、塗膜層[4]が
塗装される以前に、此の塗膜層[3]を焼き付け乾燥せ
しめるという工程を取る、いわゆる2C2B(2コート
2ベーク)方式を採ることも出来るし、そのような焼き
付け工程を取らないという、いわゆる2C1B(2コー
ト1ベーク)方式を採ることも出来るし、さらには、塗
膜層[3]を、予備的に、室温から100℃程度の温度
範囲で以て乾燥せしめるという工程を取ることも出来
る。
【0071】次いで、本発明に係る複層塗膜形成方法の
うち、前述した、他の一方の方法、つまり、第二の複層
塗膜形成方法についても、詳細なる説明をすることにす
る。
【0072】本発明に係る、他方の複層塗膜形成方法
は、[1]被塗物と、[2]本発明において用いられる
粉体塗料[I]を塗装し、焼き付け硬化させて得られる
塗膜層および[5]トップコート塗料[IV]から形成
される塗膜層という、それぞれの各塗膜層とからなる複
層塗膜の形成方法を指称するものであり、そのうちの、
それぞれ、被塗物[1]および塗膜層[2]について
は、前述したような、第一の複層塗膜形成方法の場合
と、構成要素ならびに使用態様は、同じである。
【0073】残る塗膜層[5]は、前述したような塗膜
層[2]が焼き付け硬化反応によって形成されたのち
に、該塗膜層[2]の上に塗装され、かくして形成され
る塗膜層を指称するものであり、その際に使用されるト
ップコート塗料[IV]としては、前述したような塗膜
層[4]を形成する際に使用される透明トップコート塗
料[III]も使用することが出来るが、こうした、本
発明の他方の複層塗膜形成方法においては、前述したよ
うな塗膜層[4]の場合とは異なり、当該塗膜層[5]
それ自体は、透明であっても、不透明であってもよいと
いうことである。
【0074】トップコート塗料[IV]として使用する
ことが出来るような樹脂組成物として特に代表的なもの
のみを例示するにとどめれば、前掲した、トルエンまた
はキシレンなどのような種々の有機溶剤に可溶なる高分
子化合物、たとえば、水酸基を有するビニル共重合体の
有機溶剤溶液と、該高分子化合物の有する水酸基と反応
し得る、それぞれ、アミノプラスト、ポリイソシアネー
ト類またはブロック・ポリイソシアネート類とを組み合
わせた形の粉体塗料用樹脂組成物などであるし、また、
前述したような、水を媒体とする形の粉体塗料用樹脂組
成物を使用することも出来るし、水や有機溶剤などを、
実質的に、含有しないという形の粉体塗料用樹脂組成物
などであり、これらの種々の樹脂組成物には、酸化チタ
ンやカーボンブラックなどのような、隠ぺい性のある、
種々の顔料類を含有せしめることも出来る。
【0075】かくして得られる、それぞれ、ポリエステ
ル樹脂[A]と、このポリエステル樹脂[A]の水酸基
と反応し得る官能基を有する硬化剤[B]とを必須の構
成成分としてなる樹脂組成物から得られる粉体塗料
[I]を、被塗物に塗装し、加熱硬化させたのち、ベー
スコート塗料[II]を塗装し、さらに、透明トップコ
ート塗料[III]を塗装し、焼き付け乾燥させること
により、
【0076】あるいはポリエステル樹脂[A]と、この
ポリエステル樹脂[A]の水酸基と反応し得る官能基を
有する硬化剤[B]とを必須の構成成分としてなる樹脂
組成物から得られる粉体塗料[I]を、被塗物に塗装
し、加熱硬化させたのち、トップコート塗料[IV]を
塗装し、焼き付け乾燥させることによって、本発明に係
る複層塗膜形成方法が、首尾よく、達成されるというも
のである。
【0077】つまり、2C2B(2コート2ベーク)方
式および2C1B(2コート1ベーク)方式であると
か、さらには、前記した塗膜層[3]を、予備的に、室
温から100℃程度の温度範囲で以て乾燥せしめるとい
う、種々の方式の採用によって、本発明方法が、首尾よ
く、達成できるというものである。
【0078】
【実施例】次に、本発明を、参考例、実施例および比較
例により、一層、具体的に説明することにするが、本発
明は、決して、それらの例示例のみに限定されるもので
はない。以下において、部および%は、特に断りの無い
限り、すべて、重量基準であるものとする。
【0079】参考例1〔本発明の複層塗膜形成方法に使
用するポリエステル樹脂[A]の調製例〕
【0080】攪拌機、温度計、精留塔および窒素ガス導
入口を備えた反応容器に、エチレングリコールの127
部、1,4−シクロヘキサンジメタノールの293部お
よびトリメチロールプロパンの46部を仕込んで、窒素
雰囲気下に、攪拌を続けながら、150℃にまで昇温し
た。
【0081】ここへ、テレフタル酸の683部およびジ
ブチル錫オキサイドの0.5部を加えて、240℃にま
で昇温し、同温度で、脱水縮合反応を続行せしめること
によって、水酸基価が55mgKOH/gで、かつ、環
球法による軟化点が110℃なる、目的とするポリエス
テル樹脂[A]を得た。以下、これをポリエステル樹脂
[A−1]と略記する。
【0082】参考例2(同上) 攪拌機、温度計、精留塔および窒素ガス導入口を備えた
反応容器に、エチレングリコールの229部およびトリ
メチロールプロパンの165部を仕込んで、窒素雰囲気
下に、攪拌を続けながら、150℃にまで昇温した。
【0083】ここへ、テレフタル酸の378部、1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸の392部およびジブチ
ル錫オキサイドの0.5部を加えて、240℃にまで昇
温し、同温度で、脱水縮合反応を続行せしめることによ
って、水酸基価が110mgKOH/gで、かつ、環球
法による軟化点が90℃なる、目的とするポリエステル
樹脂を得た。以下、これをポリエステル樹脂[A−2]
と略記する。
【0084】参考例3(同上) 攪拌機、温度計、精留塔および窒素ガス導入口を備えた
反応容器に、ネオペンチルグリコールの21部、1,4
−シクロヘキサンジメタノールの30部およびグリセリ
ンの410部を仕込んで、窒素雰囲気下に、攪拌を続け
ながら、150℃にまで昇温した。
【0085】ここへ、イソフタル酸の620部、1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸の71部およびジブチル
錫オキサイドの0.5部を加え、240℃にまで昇温し
て、同温度で、脱水縮合反応を続行せしめることによっ
て、水酸基価が320mgKOH/gで、かつ、環球法
による軟化点が110℃なる、目的とするポリエステル
樹脂を得た。以下、これをポリエステル樹脂[A−3]
と略記する。
【0086】参考例4(同上) 攪拌機、温度計、精留塔および窒素ガス導入口を備えた
反応容器に、エチレングリコールの222部、水添ビス
フェノールAの94部およびトリメチロールプロパンの
140部を仕込んで、窒素雰囲気下に、攪拌を続けなが
ら、150℃にまで昇温した。
【0087】ここへ、イソフタル酸の620部、1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸の71部およびジブチル
錫オキサイドの0.5部を加え、240℃にまで昇温し
た。同温度で、脱水縮合反応を続行せしめることによっ
て、水酸基価が150mgKOH/gで、かつ、環球法
による軟化点が120℃なる、目的とするポリエステル
樹脂を得た。以下、これをポリエステル樹脂[A−4]
と略記する。
【0088】参考例5〔比較対称用の複層塗膜形成方法
に使用する対照用ポリエステル樹脂の調製例〕
【0089】攪拌機、温度計、精留塔および窒素ガス導
入口を備えた反応容器に、エチレングリコールの137
部、ネオペンチルグリコールの230部およびトリメチ
ロールプロパンの43部を仕込み、窒素雰囲気中で、攪
拌を続けながら、150℃にまで昇温した。
【0090】ここへ、テレフタル酸の753部およびジ
ブチル錫オキサイドの0.5部を加えて、240℃にま
で昇温し、同温度で、脱水縮合反応を続行せしめること
によって、水酸基価が40mgKOH/gで、かつ、環
球法による軟化点が115℃なる、目的とするポリエス
テル樹脂を得た。以下、これを対照用のポリエステル樹
脂[A’]と略記する。
【0091】参考例6〜12〔本発明に係る複層塗膜形
成方法ならびに対照用の複層塗膜形成方法において使用
する粉体塗料[I]の調製例〕
【0092】下に掲げる、それぞれ、第1表および第2
表に示すような割合で以て、粉体塗料用樹脂組成物を配
合せしめ、次いで、かくして得られる配合物を、コ・ニ
ーダー PR−46型」(スイス国ブス社製の、一軸混
練機の商品名)を使用して、溶融混練せしめたのちに、
微粉砕せしめ、さらに、150メッシュの金網で分級せ
しめることによって、平均粒径が30〜40マイクロ・
メーター(μm)なる各種の粉体塗料を調製した。
【0093】しかるのち、それぞれの粉体塗料を、第1
表および第2表に示している通り、[I−1]〜[I−
7]と略記する。
【0094】
【表1】
【0095】《第1表の脚註》 1)ドイツ国ヒュルス社製:イソホロンジイソシアネー
トのヌレート体をε−カプロラクタムでブロックしたブ
ロックポリイソシアネートの商品名
【0096】2)ドイツ国ヒュルス社製:イソホロンジ
イソシアネートをウレトジオン結合でセルフブロック化
させたブロックポリイソシアネートの商品名
【0097】
【表2】
【0098】《第2表の脚註》 3)大日本インキ化学工業(株)製の、ビスフェノール
Aのポリグリシジルエーテル・タイプのエポキシ樹脂の
商品名
【0099】4)ドイツ国BASF社製の、表面調整剤
の商品名
【0100】5)石原産業(株)製の、ルチル型酸化チ
タンの商品名
【0101】6)三菱化学(株)製の、カーボンブラッ
クの商品名
【0102】
【表3】
【0103】
【表4】
【0104】参考例13〔本発明に係る複層塗膜形成方
法において使用するベースコート塗料[II]の成分と
して使用する水性樹脂[W]の調製例〕
【0105】攪拌機、温度計、コンデンサーおよび窒素
ガス導入口を備えた反応容器に、脱イオン水の680
部、過硫酸アンモニウムの2部、および「Triton
x−200」(註)を15部加えて、95℃にまで
加熱昇温したした。
【0106】下掲するようなアクリル・モノマー成分の
水性乳化液を、この95℃なる反応系に、4時間をかけ
て滴下せしめ、その滴下終了後も亦、さらに、3時間の
あいだ保持した。しかるのち、反応液を冷却して、ジメ
チルエタノールアミンの5部と、脱イオン水の40部と
を添加した。
【0107】かくして、安定なる、固形分が45%の、
目的とする、水性アクリル樹脂の乳白色の分散液を得
た。以下、これを水性樹脂[WA]と略記する。
【0108】アクリル単量体成分
【0109】 メチルメタクリレート 450 部 エチルアクリレート 350 部 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 150 部 アクリル酸 20 部 エチレングリコールジーメタクリレート 30 部
【0110】 n−オクチルメルカプタン 5 部 過硫酸アンモニウム 4 部 「Triton Xー200」 15 部 「エマルゲン840s」(註) 10 部 脱イオン水 530 部
【0111】
【脚注】 アメリカ国ローム・アンド・ハース(Rohm&H
aas)社製の、アニオン性界面活性剤の商品名
【0112】 花王アトラス(株)製の、ノニオン性
界面活性剤の商品名
【0113】参考例14〔増粘剤の調製例〕 「アクリゾールASEー60」(ローム・アンド・ハー
ス社製の、増粘剤の商品名;固形分=28%)の64部
に、ジメチルエタノールアミンの6部および脱イオン水
の530部を添加して、固形分が3%なる、目的の増粘
剤を得た。以下、これを[AD]と略記する。
【0114】参考例15〔本発明に係る複層塗膜形成方
法において使用するベースコート塗料[II]の調製
例〕
【0115】水性樹脂[WA]の100部に、参考例1
4で得られた増粘剤[AD]の10部、「サイメル30
0」[(有)三井サイアナミド製の、ヘキサメトキシメ
チル化メラミンの商品名]の5部、パラトルエンスルフ
ォン酸(p−トルエンスルフォン酸)の1.0部、「ア
ルミ・ペースト分散液#4919」[東洋アルミニウム
(株)製の、アルミ・ペーストの商品名]の3部および
「アルミ・ペースト分散液#55ー519」(同上社製
品)の1.5部に、イソプロパノールの12部を混合せ
しめ、脱イオン水で以て、20℃における、フォード・
カップNo.4による粘度が16秒となるように調整し
た。以下、これをベースコート塗料[II]と略記す
る。
【0116】参考例16〔本発明に係る複層塗膜形成方
法において使用する透明トップコート塗料[III]の
調製例〕
【0117】参考例13と同様の反応容器に、500部
のキシレンを仕込み、120℃にまで昇温した。次い
で、スチレンの150部、メチルメタクリレートの15
0部、n−ブチルアクリレートの75部および2−ヒド
ロキシエチルメタクリレートの125部と、アゾビスイ
ソブチロニトリルの3部およびtert−ブチルパーオ
クトエート(以下、TBPOと略記する。)の3部とか
らなる混合物を、4時間に亘って滴下せしめ、滴下終了
後も、同温度に、10時間のあいだ保持するということ
によって、不揮発分が50.5%で、かつ、溶液基準で
の水酸基価が53(mgKOH/g)なる、トップコー
ト塗料[III]の調製に用いるための、目的とする樹
脂の溶液を得た。以下、この樹脂溶液を、トップコート
塗料用樹脂[T−1]と略記する。
【0118】次いで、この樹脂[T−1]なる樹脂溶液
の100部に、「スーパーベッカミン L−117−6
0」[大日本インキ化学工業(株)製の、ブチルエーテ
ル化メラミン・ホルムアルデヒド樹脂の商品名]の3
5.7部を加え、「ソルベッソ100」(エクソン化学
社製の、芳香族炭化水素系有機溶剤の商品名)を用い、
20℃における、フォード・カップNo.4による粘度
が24秒となるように調整した。以下、これを透明トッ
プコート塗料[III−1]と略記する。
【0119】参考例17〔本発明に係る複層塗膜形成方
法において使用する透明トップコート塗料[III]の
調製例〕
【0120】参考例16と同様の反応容器に、キシレン
の400部を仕込み、135℃にまで昇温した。次い
で、スチレンの90部、メチルメタクリレートの240
部、2−エチルヘキシルアクリレートの30部およびグ
リシジルメタクリレートの240部と、TBPOの24
部とからなる混合物を、同温度で、6時間を要して滴下
せしめた。
【0121】滴下終了後も、同温度で、さらに、8時間
のあいだ反応を続行せしめた。重合反応終了後は、かく
して得られる共重合体の溶液を、約30Torrの減圧
下に保持し、キシレンを留去せしめることによって、不
揮発分が99.5%で、環球法による軟化点が117℃
で、エポキシ当量が380で、かつ、数平均分子量が
4,700なる、目的とする共重合体の固形物が得られ
た。以下、これをトップコート塗料用樹脂[T−2]と
略記する。
【0122】次いで、このトップコート塗料用樹脂[T
−2]の76部に対して、24部のドデカン二酸(以
下、DDAと略記する。)を加え、さらに、「モダフロ
ー」(アメリカ国モンサント社製の、流動調整剤の商品
名)の1.0部を加えたのち、参考例6〜12と同様に
して、透明トップコート塗料[III]として使用し得
る粉体トップコートクリアー塗料を得た。以下、これを
透明トップコート塗料[III−2]と略記する。
【0123】参考例18〔本発明に係る複層塗膜形成方
法において使用するトップコート塗料[IV]の調製
例〕
【0124】参考例16で得られたトップコート塗料用
樹脂[T−1]の100部に対して、酸化チタンの27
部を加え、サンドミルを使用して、顔料と樹脂を分散せ
しめた。
【0125】次いで、この分散液に、「スーパーベッカ
ミン L−117−60」の35.7部を加え、20℃
における、フォード・カップNo.4による粘度が24
秒となるように、「ソルベッソ100」で以て希釈する
ことによって、顔料を含んだ形のトップコート塗料を得
た。以下、これをトップコート塗料[IV]と略記す
る。
【0126】実施例1〜8ならびに比較例1〜4 以下に示すような、種々の複層塗膜形成方法に従って、
第3表〜第5表に示すような、各種の塗膜を作製し、次
いで、塗膜諸性能の比較検討試験を行なった。それの結
果を、まとめて、それぞれの表に示す。
【0127】参考例6〜12で調製した粉体塗料[I−
1]〜[I−7]と、参考例15で調製したベースコー
ト塗料[II]と、参考例16〜18で調製したトップ
コート塗料[III−1]、[III−2]および[I
V]とを使用し、本発明ならびに対照用の複層塗膜を、
下掲するような方法で以て作製した。
【0128】まず、被塗物[1]として使用する基材
は、次のような前処理を施した形のものを用いた。
【0129】すなわち、「ボンデライト#3030」
[日本パーカライジング(株)製の、燐酸亜鉛系処理剤
で以て処理された軟鋼板の商品名]に、エポキシ樹脂系
カチオン電着塗料を電着塗装せしめた形のものを用い
た。
【0130】次に、粉体塗料[I−1]などを、被塗物
[1]上に、焼き付け後の膜厚が約50μmとなるよう
にして静電粉体塗装せしめたのち、180℃/20分な
る条件下に焼き付けを行なった。かくして粉体塗料が塗
装された被塗物を、室温にまで冷却したのちに、ベース
コート塗料[II]を、温度が25℃で、かつ、相対湿
度が65〜70%なる塗装雰囲気中で、乾燥膜厚が20
μmとなるように、それぞれ、2回に分けて塗装せしめ
た。こうした2回の塗装の間に、2分間のセッティング
を行なった。
【0131】1回目の塗装時における、スプレーガンの
エアー圧は5Kg/cm2 とし、塗料の流速は400m
/分とし、2回目の塗装時には、塗料の流速は、200
m/分とし、被塗物とスプレーガンとの距離は40cm
と為した。なお、被塗物基材上における塗布面が、常
に、吐出方向に対して垂直となるように、この被塗物基
材は保持されていた。
【0132】かかる2回の塗装ののちに、被塗物を、3
0℃の温度で5分間風乾せしめ、さらに、室温にまで冷
却せしめてから、透明トップコート塗料[III−1]
などを塗装せしめた。
【0133】この際に、トップコート塗料が、それぞ
れ、[III−1]および[IV]の場合には、通常の
スプレー塗装法により塗装せしめ、焼き付け温度は14
0℃/20分として行なった。また、トップコート塗料
が[III−2]の場合には、静電粉体塗装によって、
乾燥膜厚が60μmとなるように塗布せしめ、150℃
/20分間の焼き付けを行なった。
【0134】かくして得られた、それぞれの硬化塗膜に
ついての、諸性能の評価判定を行なった。それらの結果
を、まとめて、第3表〜第5表に示す。
【0135】
【表5】
【0136】《脚注》なお、評価判定の要領は、次の通
りにした。
【0137】平滑性……………………目視により評価判
定した。評価判定の基準は、次の通りである。
【0138】 ◎…非常に、スムーズなる平滑な塗面の場合 ○…大きなラウンドが認められる場合 ×…細かいチリ肌が認められる場合
【0139】60度光沢………………60度鏡面反射率
(%)による数値的評価判定。
【0140】メタリック感……………[ALCOPE
LMRー100」[関西ペイント(株)製の、メタリッ
ク感測定装置の商品名]で以て測定して得られたIV値
に応じての数値的評価を行なった。その際の目視による
評価判定との対応関係は、次の通りである。
【0141】優……250を超える場合、つまり、アル
ミ・フレークの配列が良好で非常に美麗な外観を示し、
また、見る角度によって、メタリック塗膜独特の奥行き
感を、充分に、発揮できているという状態にある場合 良……200以上250未満なる範囲内の場合、つま
り、アルミ・フレークの配列は、概ね、良好でこそある
ものの、塗膜の明度が、若干、劣るという状態にある場
合 不良…200未満の場合、つまり、アルミ・フレークの
並びが乱れ、塗膜に、黒さが生じているという状態にあ
る場合
【0142】デュポン衝撃……………デュポン衝撃試験
器による評価判定試験(1/2インチ)。500gの荷
重を落下させたときに、塗膜に割れなどの欠陥を生じな
い高さ(cm)で表示しTが、この値が大きいほど、耐
衝撃性が良好であることを意味している。
【0143】エリクセン………………エリクセン試験機
による評価判定試験。常法に従って、此の試験を行な
い、割れや剥がれなどの欠陥が生じた際の押し出し距離
(mm)で以て表示した。
【0144】この値が大きいほど、塗膜の可撓性が良好
であることを意味している。
【0145】耐チッピング性…………−20℃にまで冷
却した試験板に対して、90度の角度で、5atm.な
る気圧を用いて、200gの7号砕石を当てた際におけ
る、塗膜の剥離状態を、目視で以て評価判定した。その
際の評価判定基準としては、次の通りである。
【0146】 ○…ほとんど、剥離が認められない場合 △…ある程度、塗膜層の剥離が認められる場合 ×…粉体塗膜層における大きな剥離が認められるし、し
かも、最下層の電着塗膜も損傷し、金属面の露出が認め
られる場合
【0147】相間密着性………………塗板を、40℃の
温水中に、10日間のあいだ浸漬せしめ、引き上げてか
ら30分後に、クロス・カットを入れ、粘着テープによ
る剥離試験を行なった。
【0148】評価判定の基準は、次の通りである。
【0149】○…いずれの塗膜層の間にも、あるいは被
塗物と塗膜層との間にも剥離が全く認められない場合 △…いずれかの塗膜層の間か、あるいは被塗物と塗膜層
との間かに、部分的に、剥離が認められる場合 ×…全面的に層間剥離が認められる場合
【0150】耐水性……………………試験板を、40℃
の温水中に、10日間のあいだ浸漬したのちの光沢の保
持率で以て評価判定した。評価判定の基準は、次の通り
である。
【0151】◎…光沢保持率が80%を超える場合 ○…光沢保持率が60%以上80%未満なる範囲内の場
合 ×…光沢保持率が60%未満の場合
【0152】耐候性……………………サンシャイン・ウ
ェザーメーター[スガ試験機(株)製の商品名]によ
る、1,000時間に及ぶ促進耐候性の試験後の光沢保
持率(%)で以て表示したが、この値が高いほど、耐候
性が良好であることを意味している。
【0153】
【表6】
【0154】
【表7】
【0155】
【発明の効果】以上に示した処からも明らかなように、
本発明に係る複層塗膜形成方法によって得られる塗膜
は、特に、トップコートの塗膜外観、層間密着性、耐チ
ッピング性などの諸物性に優れるというものであり、し
たがって、本発明の複層塗膜形成方法は、叙上のような
諸物性に優れた硬化塗膜を与えるという、極めて実用性
の高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B05D 5/00 B05D 5/00 C Z 7/14 7/14 L C09D 5/03 PNS C09D 5/03 PNS 167/02 PLB 167/02 PLB //(C09D 167/02 161:20)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次のような脂環式構造単位 【化1】 (ただし、上掲の構造単位式中の置換基の位置は、オル
    ソ位、メタ位またはパラ位のいずれかの位置を表わすも
    のとする。)を有するグリコール類(a−1)または次
    のような脂環式構造単位 【化2】 (ただし、上掲の構造単位式中の置換基の位置は、オル
    ソ位、メタ位またはパラ位のいずれかの位置を表わすも
    のとする。)を有する多塩基酸類(a−2)のうちの少
    なくとも一方を、必須の成分として用いて得られる、水
    酸基価が10〜350(mgKOH/g)で、かつ、環
    球法による軟化点が80〜150℃なるポリエステル樹
    脂[A]と、このポリエステル樹脂[A]の水酸基と反
    応し得る官能基を有する硬化剤[B]とを必須の構成成
    分としてなる樹脂組成物から得られる粉体塗料[I]
    を、被塗物に塗装し、加熱硬化させたのち、ベースコー
    ト塗料[II]を塗装し、さらに、透明トップコート塗
    料[III]を塗装し、焼き付け乾燥させることを特徴
    とする、複層塗膜形成方法。
  2. 【請求項2】 次のような脂環式構造単位 【化3】 (ただし、上掲の構造単位式中の置換基の位置は、オル
    ソ位、メタ位またはパラ位のいずれかの位置を表わすも
    のとする。)を有するグリコール類(a−1)または次
    のような脂環式構造単位 【化4】 (ただし、上掲の構造単位式中の置換基の位置は、オル
    ソ位、メタ位またはパラ位のいずれかの位置を表わすも
    のとする。)を有する多塩基酸類(a−2)のうちの少
    なくとも一方を、必須の成分として用いて得られる、水
    酸基価が10〜350(mgKOH/g)で、かつ、環
    球法による軟化点が80〜150℃なるポリエステル樹
    脂[A]と、このポリエステル樹脂[A]の水酸基と反
    応し得る官能基を有する硬化剤[B]とを必須の構成成
    分としてなる樹脂組成物から得られる粉体塗料[I]
    を、被塗物に塗装し、加熱硬化させたのち、トップコー
    ト塗料[IV]を塗装し、焼き付け乾燥させることを特
    徴とする、複層塗膜形成方法。
  3. 【請求項3】 前記した、ポリエステル樹脂[A]の水
    酸基と反応し得る官能基を有する硬化剤[B]がブロッ
    ク・ポリイソシアネート化合物である、請求項1または
    2に記載の複層塗膜形成方法。
  4. 【請求項4】 前記した、ポリエステル樹脂[A]の水
    酸基と反応し得る官能基を有する硬化剤[B]が、次の
    ようなの構造式 【化5】 で示されるウレトジオン結合を構造単位として有してい
    る、いわゆるセルフ・ブロック・ポリイソシアネート化
    合物である、請求項1または2に記載の複層塗膜形成方
    法。
  5. 【請求項5】 前記した、ポリエステル樹脂[A]の水
    酸基と反応し得る官能基を有する硬化剤[B]が、次の
    ような構造式 【化6】 で示されるウレトジオン結合を構造単位として有してい
    る、いわゆるセルフ・ブロック・ポリイソシアネート化
    合物と、ブロック・ポリイソシアネート化合物との混合
    物である、請求項1または請求項2に記載の複層塗膜形
    成方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1867662A2 (en) 1998-06-25 2007-12-19 Idemitsu Kosan Co., Ltd. Propylene polymer and composition containing the same, molded object and laminate comprising these, and processes for producing propylene polymer and composition containing the same

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