JPH0926721A - 分離爪およびその製造方法 - Google Patents

分離爪およびその製造方法

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JPH0926721A
JPH0926721A JP7199078A JP19907895A JPH0926721A JP H0926721 A JPH0926721 A JP H0926721A JP 7199078 A JP7199078 A JP 7199078A JP 19907895 A JP19907895 A JP 19907895A JP H0926721 A JPH0926721 A JP H0926721A
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liquid crystal
acid
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thermotropic liquid
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JP7199078A
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Motomi Nogiwa
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Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、硬度、耐摩耗性などに優れ、トナー
が付着し難く、かつ長期使用に耐えるプリンター用の分
離爪およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 サーモトロピック液晶樹脂からなる成形
体に、ポリベンゾイミダゾール系樹脂またはシリコーン
系樹脂からなる塗膜を付与してなるサーモトロピック液
晶樹脂製分離爪1およびその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は分離爪、特に複写機
やレーザービームプリンター、液晶プリンター等に用い
るのに適した、ポリベンゾイミダゾールなどの塗膜を有
するサーモトロピック液晶樹脂製分離爪およびその製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】静電式複写機やレーザービームプリンタ
ー、液晶プリンター等のPPC(普通紙用複写機)用の
プリンターには、ドラムに随伴する紙をドラムから分離
する分離爪が設けられている。この分離爪は、トナーを
定着した紙と180℃程度に加熱された回転ドラム(定
着ドラム)に接触して、紙をドラムから分離するもので
ある。したがって、この分離爪には、耐熱性があるこ
と、トナーが付着し難いこと、適宜の硬度を有し、耐摩
耗性に優れていること、爪先が鋭利であること等が要求
される。例えば、特開平4−328595号公報にはP
PS(ポリフェニレンサルファイド)からなる分離爪に
ポリベンゾイミダゾール被膜を形成してなる分離爪が開
示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの分離爪は、ト
ナーに対する付着性は低い。しかしながら、ポリベンゾ
イミダゾールとPPSとの密着強度は必ずしも満足し得
るものではなく、長期使用する間において塗膜剥離等の
問題が生じていた。分離爪は紙と接触するために、ある
程度以上の密着強度が必要とされる。本発明の目的は、
分離爪として要求される性能を十分満足し、かつ長期使
用に耐えるポリベンゾイミダゾールなどの塗膜を有する
サーモトロピック液晶樹脂成形体からなる分離爪および
その製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第1
は、サーモトロピック液晶樹脂からなる成形体にポリベ
ンゾイミダゾール系樹脂またはシリコーン系樹脂からな
る塗膜を付与してなるサーモトロピック液晶樹脂製分離
爪に関するものである。本発明の第2は、サーモトロピ
ック液晶樹脂を用いて射出成形し、得られた成形体にポ
リベンゾイミダゾール系樹脂またはシリコーン系樹脂の
ワニスを塗布した後、焼き付けることを特徴とするサー
モトロピック液晶樹脂製分離爪の製造方法に関するもの
である。
【0005】以下、本発明を更に説明する。本発明でい
うサーモトロピック液晶樹脂とは、溶融時に光学的異方
性を示し、かつ熱可塑性有するポリマーである。このよ
うに溶融時に光学的異方性を示すポリマーは、溶融状態
でポリマー分子鎖が規則的な平行配列をとる性質を示
す。光学的異方性溶融相の性質は、直交偏光子を利用し
た通常の偏光検査法によって確認することができる。上
記液晶樹脂としては、例えば、液晶性ポリエステル、液
晶性ポリカーボネート、液晶性ポリエステルイミド等、
具体的には、(全)芳香族ポリエステル、ポリエステル
アミド、ポリアミドイミド、ポリエステルカーボネー
ト、ポリアゾメチン等が挙げられる。サーモトロピック
液晶樹脂は、一般的に細長く、偏平な分子構造からな
り、分子の長鎖に沿って剛性が高い。本発明において用
いるサーモトロピック液晶樹脂には、一つの高分子鎖の
一部が異方性溶融相を形成するポリマーのセグメントか
ら構成されるポリマーも含まれる。また、複数のサーモ
トロピック液晶樹脂を複合したものも含まれる。
【0006】サーモトロピック液晶樹脂を構成するモノ
マーの代表例としては(A)芳香族ジカルボン酸の少な
くとも一種、(B)芳香族ヒドロキシカルボン酸系化合
物の少なくとも1種、(C)芳香族ジオール系化合物の
少なくとも1種、(D)(D1)芳香族ジチオール、
(D2)芳香族チオフェノールおよび(D3)芳香族チオ
ールカルボン酸化合物の少なくとも1種、(E)芳香族
ヒドロキシルアミンおよび芳香族ジアミン系化合物の少
なくとも1種等の芳香族化合物が挙げられる。これらは
単独で用いられる場合もあるが、多くは(A)と
(C);(A)と(D);(A)、(B)と(C);
(A)、(B)と(E);あるいは(A)、(B)、
(C)と(E)等のように組み合わせて構成される。
【0007】上記(A)芳香族ジカルボン酸系化合物と
しては、テレフタル酸、4,4'−ビフェニルジカルボン
酸、4,4'−テルフェニルジカルボン酸、2,6−ナフ
タレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン
酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエー
テル−4,4'−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン−
4,4'−ジカルボン酸、ジフェノキシブタン−4,4'−
ジカルボン酸、ジフェニルエタン−4,4'−ジカルボン
酸、イソフタル酸、ジフェニルエーテル−3,3'−ジカ
ルボン酸、ジフェノキシエタン−3,3'−ジカルボン
酸、ジフェニルエタン−3,3'−ジカルボン酸、1,6
−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、ま
たはクロロテレフタル酸、ジクロロテレフタル酸、ブロ
モテレフタル酸、メチルテレフタル酸、ジメチルテレフ
タル酸、エチルテレフタル酸、メトキシテレフタル酸、
エトキシテレフタル酸などで代表される上記芳香族カル
ボン酸のアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体が
挙げられる。
【0008】(B)芳香族ヒドロキシカルボン酸系化合
物としては、4−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ
安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、6−ヒド
ロキシ−1−ナフトエ酸などの芳香族ヒドロキシカルボ
ン酸、または3−メチル−4−ヒドロキシ安息香酸、
3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ジ
メチル−4−ヒドロキシ安息香酸、3−メトキシ−4−
ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジメトキシ−4−ヒドロ
キシ安息香酸、6−ヒドロキシ−5−メチル−2−ナフ
トエ酸、6−ヒドロキシ−5−メトキシ−2−ナフトエ
酸、2−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、3−クロロ
−4−ヒドロキシ安息香酸、2,3−ジクロロ−4−ヒ
ドロキシ安息香酸、3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ
安息香酸、2,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ安息香
酸、3−ブロモ−4−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロ
キシ−5−クロロ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−
7−クロロ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−5,7
−ジクロロ−2−ナフトエ酸などの芳香族ヒドロキシカ
ルボン酸のアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体
が挙げられる。
【0009】(C)芳香族ジオールとして、4,4'−ジ
ヒドロキシビフェニル、3,3'−ジヒドロキシビフェニ
ル、4,4'−ジヒドロキシテルフェニル、ハイドロキノ
ン、レゾルシン、2,6−ナフタレンジオール、4,4'
−ジヒドロキシジフェニルエーテル、ビス(4−ヒドロ
キシフェノキシ)エタン、3,3'−ジヒドロキシジフェ
ニルエーテル、1,6−ナフタレンジオール、2,2'−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)メタン等の芳香族ジオール、または
クロロハイドロキノン、メチルハイドロキノン、tert−
ブチルハイドロキノン、フェニルハイドロキノン、メト
キシハイドロキノン、フェノキシハイドロキノン、4−
クロロレゾルシン、4−メチルレゾルシン等の芳香族ジ
オールのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体が
挙げられる。
【0010】(D1)芳香族ジチオールとしては、ベン
ゼン−1,4−ジチオール、ベンゼン−1,3−ジチオー
ル、2,6−ナフタレン−ジチオール、2,7−ナフタレ
ン−ジチオール等が挙げられる。 (D2)芳香族チオフェノールとしては、4−メルトカ
プトフェノール、3−メルトカプトフェノール、6−メ
ルカプトフェノール等が挙げられる。 (D3)芳香族チオールカルボン酸としては、4−メル
カプト安息香酸、3−メルカプト安息香酸、6−メルカ
プト−2−ナフトエ酸、7−メルカプト−2−ナフトエ
酸などが挙げられる。
【0011】(E)芳香族ヒドロキシルアミンまたは芳
香族ジアミン系化合物としては、4−アミノフェノー
ル、N−メチル−4−アミノフェノール、1,4−フェ
ニレンジアミン、N−メチル−1,4−フェニレンジア
ミン、N,N'−ジメチル−1,4−フェニレンジアミ
ン、3−アミノフェノール、3−メチル−4−アミノフ
ェノール、2−クロロ−4−アミノフェノール、4−ア
ミノ−1−ナフトール、4−アミノ−4'−ヒドロキシ
ビフェニル、4−アミノ−4'−ヒドロキシジフェニル
エーテル、4−アミノ−4'−ヒドロキシジフェニルメ
タン、4−アミノ−4'−ヒドロキシジフェニルスルフ
ィド、4 ,4'−ジアミノジフェニルスルフィド(チオ
ジアニリン)、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、
2,5−ジアミノトルエン、4,4'−エチレンジアニリ
ン、4,4'−ジアミノジフェノキシエタン、4,4'−ジ
アミノジフェニルメタン(メチレンジアニリン)、4,
4'−ジアミノジフェニルエーテル(オキシジアニリ
ン)等が挙げられる。
【0012】本発明で用いるサーモトロピック液晶樹脂
は、上記モノマーから溶融アシドリス法やスラリー重合
法等の多様なエステル形成法などにより製造することが
できる。これらのモノマーから得られるサーモトロピッ
ク液晶樹脂のうち、一般式〔I〕で表されるモノマー単
位を含む(共)重合体である全芳香族ポリエステルが好
ましい。
【0013】
【化1】
【0014】本発明の好ましい全芳香族ポリエステル
は、4−ヒドロキシ安息香酸、フタル酸およびジヒドロ
キシビフェニルの3種の化合物からそれぞれ誘導される
繰り返し単位を有する式〔II〕で表されるポリエステ
ル、または4−ヒドロキシ安息香酸およびヒドロキシナ
フトエ酸の2種の化合物からそれぞれ誘導される繰り返
し単位を有する式〔III〕で表されるポリエステルであ
る。
【0015】
【化2】
【化3】
【0016】サーモトロピック液晶樹脂は、単独で用い
てもよいが、好ましくは無機または有機充填剤を含むも
のを用いる。通常、無機または有機充填剤の配合量は、
サーモトロピック液晶樹脂と充填剤の合計に対して0〜
90重量%、好ましくは10〜80重量%、より好まし
くは20〜60重量%の範囲である。充填剤の配合は、
従来公知の方法に従って行うことができる。無機および
有機充填剤のうち、特に無機充填剤が重要であって、サ
ーモトロピック液晶樹脂の加工性や成形品の物性などを
改良するためにしばしば用いられる。無機充填剤として
は、従来公知の二硫化モリブテン、タルク、マイカ、ク
レー、セリサイト、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、
シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、黒鉛、非晶質
炭素、チタン酸カリウム、ガラス繊維、炭素繊維、各種
ウィスカー等が挙げられる。
【0017】本発明においては、実用上の物性を改良す
るために、サーモトロピック液晶樹脂に無機または有機
充填剤の他に各種の添加剤を配合することができる。こ
のような添加剤としては、従来公知の安定剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、改質剤などが挙げられ
る。
【0018】なお本発明の効果を奏する限りにおいて、
サーモトロピック液晶樹脂に他の熱可塑性樹脂、例えば
ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、PA6、PA66、PA46等の脂肪族ポリアミ
ド、ポリフタル酸アミド、PET、PBT等のポリエス
テル、ポリアリレート(PAR)、ポリケトン(PE
K)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリ
エーテルサルフォン(PES)、ポリイミド(PI)、
ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(P
EI)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリ
サルフォン(PSF)等、さらには天然ゴム、合成ゴム
等のエラストマー等を配合することができる。これらの
樹脂類は本発明において必須の成分ではないが、目的に
応じて、その種類および量を適宜選択することができ
る。
【0019】本発明の分離爪の形状は、射出成形により
成形され得る限り特に限定されない。図1は分離爪の一
例の拡大斜視図である。図において分離爪1は、左端の
爪先2を紙とドラムの間に挿入し、紙をドラムから分離
させるために使用する。
【0020】上記分離爪用の成形体は、常法に従いサー
モトロピック液晶樹脂を射出成形することにより所定の
形状のものが得られる。サーモトロピック液晶樹脂の射
出成形条件は、例えば樹脂温200〜420℃、金型温
度60〜170℃、より好ましくは60〜130℃、射
出圧力100〜3000kg/cm2および射出速度5〜50
0mm/secの範囲から適宜に選択することができる。
【0021】本発明に使用するポリベンゾイミダゾール
系樹脂は安定な複素環式ポリマーであり、その製造方法
は、例えば米国再発行特許26,065号、米国特許3,
313,783号、3,509,108号、3,518,2
34号、3,555,389号、3,433,772号、
3,408,336号、3,578,644号、3,549,
603号、3,708,439号、4,154,919号、
4,312,976号、4,377,546号、4,549,
388号公報等に記載されている。好ましいポリベンゾ
イミダゾールは、次式〔IV〕で示されるポリ−2,2'−
(m−フェニレン)−5,5'−ビベンゾイミダゾールであ
る。
【0022】
【化4】 本発明に用いるポリベンゾイミダゾールの分子量は、一
般に数平均分子量で2,000〜100,000、好まし
くは、2,000〜30,000である。
【0023】ポリベンゾイミダゾールのワニスは、ポリ
ベンゾイミダゾールを適宜の溶媒、例えばN,N−ジメ
チルアセトアミド等に溶解して得られる溶液である。こ
の溶液を、ディッピング、静電塗装等の適宜の手段によ
り成形体に塗布した後、170℃を超える温度、好まし
くは190℃以上、400℃以下で強制加熱して乾燥す
ることにより強固な樹脂皮膜が形成される。加熱時間
は、1〜20時間の範囲が適当である。溶媒は、N,N
−ジメチルアセトアミドのほか、N,N−ジメチルフォ
ルムアミド、ジメチルスルフォキシドおよびN−メチル
−2−ピロリドンをはじめとして、ポリベンゾイミダゾ
ールの乾式紡糸液の調製において一般に用いられる溶剤
から選択することができる。特に、N,N−ジメチルア
セトアミドおよびN−メチル−2−ピロリドンが好まし
い。ワニスを塗布した後、一旦上記温度よりも低い温
度、例えば100℃で溶剤を蒸発させた後、上記条件下
で加熱焼き付けを行うことが望ましい。
【0024】本発明に使用し得るシリコーンワニスは、
一般にはポリシロキサンをトルエン、キシレン等の芳香
族系溶剤、ジメチルエーテル等の含酸素系溶剤など適宜
の溶剤で希釈したものであるが、無溶剤型のものも含
む。シリコーンワニスとしては、メチルシリコーンワニ
ス、フェニルメチルシリコーンワニス等が例示される。
メチルシリコーンワニスは、一般にはSiO2、CH3Si
3/2、(CH3)2SiO、(CH3)3SiO1/2等の構造単位
を種々組み合わせてできる共重合体のワニスである。ま
たフェニルメチルシリコーンワニスは、CH3Si
3/2、(CH3)2SiO、(C65)(CH3)SiO、(C6
5)2SiO等の構造単位を種々組み合わせて得られる共重
合体のワニスである。そのほか、他の有機ワニスにより
変性した変性ワニス、例えば、シリコーンアルキドワニ
ス、シリコーンフェノールワニス、シリコーンメラミン
ワニス、シリコーンエポキシワニス、シリコーンポリエ
ステルワニス、シリコーンアクリルワニス、シリコーン
ウレタンワニス等も例示される。さらに、無溶剤型のワ
ニスとしては、ビニル基を含有するポリシロキサンなど
が例示される。
【0025】シリコーンワニスを、ディッピング、静電
塗装等の適宜の手段により成形体に塗布した後、室温で
放置することにより溶剤が揮散して塗膜が得られる。し
かしながら、ポリベンゾイミダゾールのワニスの場合と
同様に、170℃を超える温度、好ましくは190℃以
上、400℃以下で強制加熱して乾燥することにより強
固な樹脂皮膜を形成することが好ましい。また同様に、
加熱時間は1〜20時間の範囲が適当であり、ワニスを
塗布した後、一旦上記温度よりも低い温度、例えば10
0℃で溶剤を蒸発させた後、上記条件下で加熱焼き付け
を行うことが望ましい。
【0026】これらの塗膜用の材料には、必要に応じ前
記の各種無機充填剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸
収剤、光安定剤、顔料、染料、可塑剤、滑剤、造核剤、
帯電防止剤、難燃剤等を配合することができる。
【0027】塗膜層は、成形体の全面にわたり塗布して
もよく、また特に保護が必要な部分のみに塗布してもよ
い。 本発明の塗膜層の厚みは特に限定されないが、塗
膜としての機能を満足するためには、焼き付け前の乾燥
膜厚として1μm以上が好ましく、3μm以上が更に好
ましい。膜厚は厚すぎると不経済であるため、通常10
0μm以下とする。
【0028】サーモトロピック液晶樹脂を射出成形して
得られる分離爪用の成形体に、ポリベンゾイミダゾール
溶液やシリコーン樹脂を直接塗布して焼き付けることも
できる。しかしながら、射出成形体の表面を適宜の方法
により予備処理することによって、塗膜の密着力を向上
させることが好ましい。このような目的の処理方法とし
ては、スパッタリング、アルカリまたは酸によるによる
エッチング、コロナ放電処理、紫外線照射、オゾン処理
等の表面活性処理方法が例示される。
【0029】本発明の分離爪は、静電式複写機やレーザ
ービームプリンター、液晶プリンター等のいわゆるPP
C用プリンターのロールから複写紙を剥離または分離す
るための爪(ストリッパー)として使用される。
【0030】
【発明の実施の形態】サーモトロピック樹脂からなる成
形体に、ポリベンゾイミダゾール系樹脂またはシリコー
ン系樹脂からなる塗膜を付与した分離爪は、耐熱性、硬
度、耐摩耗性などに優れ、トナーが付着し難く、かつ長
期使用に耐えることができる。また、サーモトロピック
樹脂を射出成形して得た成形体に、上記樹脂からなるワ
ニスを塗布した後、焼き付けることにより強固な樹脂被
膜を形成することができる。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。 <実施例1>サーモトロピツク液晶樹脂として、フタル
酸/イソフタル酸/4−ヒドロキシ安息香酸/4,4'−
ジヒドロキシビフェニルからそれぞれ誘導される繰り返
し単位を有するサーモトロピツク液晶コポリエステルを
用いた。それぞれのモル比は、0.75/0.25/3/
1である。この樹脂について、ホットステージを装着し
た偏光顕微鏡を用いて光学的異方性を観察したところ、
340℃以上の溶融状態で光学的異方性を示した。上記
の液晶樹脂にガラス繊維を30重量%配合して、常法に
従い射出成形により、図1に示す形状の成形体を得た。
成形機としては東芝機械(株)製のIS−80射出成形機
(型締めストローク460mm)を用い、成形温度35
0℃、射出速度100mm/secおよび金型温度60℃の条
件で行なった。この成形体に、ポリ−2,2'−(m−フ
ェニレン)−5,5'−ビベンゾイミダゾールのワニス
(固形分10重量%のN,N−ジメチルアセトアミド溶
液)を塗布した後、100℃で乾燥し、5μmの塗膜を
形成した。その後、200℃のオーブン中で5時間加熱
処理を行った。得られた分離爪は変形がなく、またレー
ザー式複写機の定着装置に装着して作動させたところト
ナーの付着は生じなかった。更に100時間以上の長期
にわたり連続使用しても、塗膜の剥離等は観察されなか
った。
【0032】<実施例2>上記実施例1で得た図1に示
す形状の成形体に紫外線を照射した後、シリコーンワニ
ス(固形分10重量%のジメチルエーテル溶液)を塗布
して乾燥し、5μmの塗膜を形成した。その後200℃
のオーブン中で5時間加熱処理を行った。得られた分離
爪は変形がなく、またこれを用いて複写機の定着装置を
作動させたが、トナーの付着は認められなかった。
【0033】
【発明の効果】本発明の分離爪は、サーモトロピック液
晶樹脂を使用しているので、トナー定着ドラムのように
高温に加熱された対象に接触させて使用しても変形しな
い。ポリベンゾイミダゾール樹脂やシリコーン樹脂はそ
れ自体の耐熱性が高いため、高温下の使用に耐え、また
塗膜形成時の温度が比較的低いので、分離爪用成形体が
塗膜成形時に著しく変形することはない。また、本発明
の分離爪は、ポリベンゾイミダゾール塗膜の密着強度が
高く、複写機の定着装置において連続長時間の使用に耐
えるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】分離爪の例の拡大斜視図である。
【符号の説明】
1 分離爪 2 爪先

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サーモトロピック液晶樹脂からなる成形
    体に、ポリベンゾイミダゾール系樹脂またはシリコーン
    系樹脂からなる塗膜を付与してなるサーモトロピック液
    晶樹脂製分離爪。
  2. 【請求項2】 前記成形体が、射出成形によるものであ
    ることを特徴とする請求項1に記載のサーモトロピック
    液晶樹脂製分離爪。
  3. 【請求項3】 サーモトロピック液晶樹脂を用いて射出
    成形し、得られた成形体にポリベンゾイミダゾール系樹
    脂またはシリコーン系樹脂のワニスを塗布した後、焼き
    付けることを特徴とするサーモトロピック液晶樹脂製分
    離爪の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記焼き付けを、170℃を超える温度
    で行うことを特徴とする請求項3に記載のサーモトロピ
    ック液晶樹脂製分離爪の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006076016A (ja) * 2004-09-07 2006-03-23 Mitsubishi Pencil Co Ltd 筆記具
JP2015212747A (ja) * 2014-05-02 2015-11-26 株式会社立花商店 定着装置及び画像形成装置

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