JPH09267203A - スローアウェイチップ - Google Patents
スローアウェイチップInfo
- Publication number
- JPH09267203A JPH09267203A JP10348396A JP10348396A JPH09267203A JP H09267203 A JPH09267203 A JP H09267203A JP 10348396 A JP10348396 A JP 10348396A JP 10348396 A JP10348396 A JP 10348396A JP H09267203 A JPH09267203 A JP H09267203A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- throw
- tip
- breaker
- away tip
- chip
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ＣＢＮ付きスローアウェイチップにおいて、
切り屑の衝突によるチップブレーカーの摩滅を防止し、
もって安定した切り屑処理性が長時間得られるようにす
る。 【解決手段】 超硬合金等からなるスローアウェイチッ
プ本体２に、切刃をなす立方晶窒化ほう素焼結体５を備
えると共に本体２にチップブレーカー１０が形成されて
なるスローアウェイチップ１において、チップブレーカ
ー１０の切り屑当り面を含む２点鎖線Ｎで示した所定の
エリアに、窒化チタン等のセラミックのコーティング層
を形成する。
切り屑の衝突によるチップブレーカーの摩滅を防止し、
もって安定した切り屑処理性が長時間得られるようにす
る。 【解決手段】 超硬合金等からなるスローアウェイチッ
プ本体２に、切刃をなす立方晶窒化ほう素焼結体５を備
えると共に本体２にチップブレーカー１０が形成されて
なるスローアウェイチップ１において、チップブレーカ
ー１０の切り屑当り面を含む２点鎖線Ｎで示した所定の
エリアに、窒化チタン等のセラミックのコーティング層
を形成する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、超硬合金又はサー
メット等からなるスローアウェイチップ本体に、切刃を
なす立方晶窒化ほう素焼結体（以下、ＣＢＮ焼結体若し
くは単にＣＢＮともいう）を備えると共に該本体にチッ
プブレーカーが形成されてなるスローアウェイチップ
（以下、ＣＢＮ付きスローアウェイチップ若しくはＣＢ
Ｎ切削工具ともいう）に関する。
メット等からなるスローアウェイチップ本体に、切刃を
なす立方晶窒化ほう素焼結体（以下、ＣＢＮ焼結体若し
くは単にＣＢＮともいう）を備えると共に該本体にチッ
プブレーカーが形成されてなるスローアウェイチップ
（以下、ＣＢＮ付きスローアウェイチップ若しくはＣＢ
Ｎ切削工具ともいう）に関する。
【０００２】
【従来の技術】この種のスローアウェイチップは、ＣＢ
Ｎ焼結体の優れた耐摩耗性により、焼入鋼などの高硬
度、高強度の金属材料等の切削に好適とされる。その代
表的なものとしては、平面視、三角形や四角形のスロー
アウェイチップ本体（母材）の１又は複数のコーナーの
凹部に、ＣＢＮ焼結体と超硬合金（層）とを上下２層に
し、平面、長方形や二等辺三角形等に形成した複合体
（チップ）をその超硬合金層（部位）を介してロー付け
することにより固着したものが知られている。
Ｎ焼結体の優れた耐摩耗性により、焼入鋼などの高硬
度、高強度の金属材料等の切削に好適とされる。その代
表的なものとしては、平面視、三角形や四角形のスロー
アウェイチップ本体（母材）の１又は複数のコーナーの
凹部に、ＣＢＮ焼結体と超硬合金（層）とを上下２層に
し、平面、長方形や二等辺三角形等に形成した複合体
（チップ）をその超硬合金層（部位）を介してロー付け
することにより固着したものが知られている。
【０００３】ところで、このようなスローアウェイチッ
プでも、切り屑を適当長さで分断処理するためにはチッ
プブレーカーが必要とされるが、ＣＢＮ切削工具ではチ
ップブレーカーが設けられていないものが多い。という
のは、この工具は通常、荒削りに使用されることは少な
く、切り込み量、送り量の比較的小さい中切削や仕上げ
切削領域で使用されるため、同ブレーカーを設ける場合
にはそれを切刃の近傍に設けないと効き目が小さい一
方、ＣＢＮ自体のすくい面にチップブレーカーを設ける
ことはＣＢＮ焼結体の製造技術上の種々の制約から困難
なためである。
プでも、切り屑を適当長さで分断処理するためにはチッ
プブレーカーが必要とされるが、ＣＢＮ切削工具ではチ
ップブレーカーが設けられていないものが多い。という
のは、この工具は通常、荒削りに使用されることは少な
く、切り込み量、送り量の比較的小さい中切削や仕上げ
切削領域で使用されるため、同ブレーカーを設ける場合
にはそれを切刃の近傍に設けないと効き目が小さい一
方、ＣＢＮ自体のすくい面にチップブレーカーを設ける
ことはＣＢＮ焼結体の製造技術上の種々の制約から困難
なためである。
【０００４】こうしたことから、この種のスローアウェ
イチップでチップブレーカーを備えたものは、特開昭５
３−１３６７８６号公報記載のＣＢＮ切削工具のよう
に、ＣＢＮに隣接するスローアウェイチップ本体にチッ
プブレーカーを備えている。
イチップでチップブレーカーを備えたものは、特開昭５
３−１３６７８６号公報記載のＣＢＮ切削工具のよう
に、ＣＢＮに隣接するスローアウェイチップ本体にチッ
プブレーカーを備えている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようなス
ローアウェイチップによって切削される金属材料（被削
材）は、高硬度、高強度のものであることから発生する
切り屑は極めて高温となる。一方、スローアウェイチッ
プ本体（以下、単に本体ともいう）が超硬合金製である
と、それに形成された同ブレーカーが高温の切り屑の衝
突にさらされる結果、次第に摩耗ないし削られてしま
い、切り屑の分断等その処理性（以下、切り屑処理性と
いう）が不安定となってしまうといった問題があった。
ローアウェイチップによって切削される金属材料（被削
材）は、高硬度、高強度のものであることから発生する
切り屑は極めて高温となる。一方、スローアウェイチッ
プ本体（以下、単に本体ともいう）が超硬合金製である
と、それに形成された同ブレーカーが高温の切り屑の衝
突にさらされる結果、次第に摩耗ないし削られてしま
い、切り屑の分断等その処理性（以下、切り屑処理性と
いう）が不安定となってしまうといった問題があった。
【０００６】こうした問題は、切り込み量、送り量の小
さい仕上げ切削の場合でも同様に発生する。すなわち、
仕上げ切削領域でチップブレーカーの効き目を出すため
には、切刃からチップブレーカーまでの距離を小さくし
ないといけないが、この距離を小さくすればするほどチ
ップブレーカーは切削面に近付くことになり、より高温
の切り屑の衝突にさらされることになる。つまり、仕上
げ切削領域では、高温の切り屑の衝突にさらされること
によるチップブレーカーの摩耗、摩滅がある。そして、
このような摩耗が進むと、チップブレーカーが変形した
り刃先からチップブレーカーまでの距離が変動すること
になるために、切り屑の流出（排出）角度が変化してし
まう。その結果、切り屑が所望とする長さに分断されな
いなど同ブレーカーの効き目が次第に悪くなり、切り屑
処理性の低下を招いてしまうといった問題があった。と
りわけ、高硬度材料中でも比較的軟質の被削材を切削す
る際には切り屑が長くなりやすく、したがって、それが
仕上げ面に当って傷をつけたりする原因ともなる。
さい仕上げ切削の場合でも同様に発生する。すなわち、
仕上げ切削領域でチップブレーカーの効き目を出すため
には、切刃からチップブレーカーまでの距離を小さくし
ないといけないが、この距離を小さくすればするほどチ
ップブレーカーは切削面に近付くことになり、より高温
の切り屑の衝突にさらされることになる。つまり、仕上
げ切削領域では、高温の切り屑の衝突にさらされること
によるチップブレーカーの摩耗、摩滅がある。そして、
このような摩耗が進むと、チップブレーカーが変形した
り刃先からチップブレーカーまでの距離が変動すること
になるために、切り屑の流出（排出）角度が変化してし
まう。その結果、切り屑が所望とする長さに分断されな
いなど同ブレーカーの効き目が次第に悪くなり、切り屑
処理性の低下を招いてしまうといった問題があった。と
りわけ、高硬度材料中でも比較的軟質の被削材を切削す
る際には切り屑が長くなりやすく、したがって、それが
仕上げ面に当って傷をつけたりする原因ともなる。
【０００７】このようなことから従来のＣＢＮ付きスロ
ーアウェイチップにおいては、ＣＢＮのなす切刃の切れ
味の低下による寿命に至る前に、チップブレーカーが先
に摩滅して切り屑処理性の低下を招いてしまうことがあ
るといった寿命のアンバランスがあり、せっかくのＣＢ
Ｎ切削工具もその寿命を生かしきれないことがあるとい
った問題があった。本発明は、このようなＣＢＮ付きス
ローアウェイチップにおける切り屑の衝突によるチップ
ブレーカーの摩滅を防止し、もって安定した切り屑処理
性が長時間得られるようにすることにある。
ーアウェイチップにおいては、ＣＢＮのなす切刃の切れ
味の低下による寿命に至る前に、チップブレーカーが先
に摩滅して切り屑処理性の低下を招いてしまうことがあ
るといった寿命のアンバランスがあり、せっかくのＣＢ
Ｎ切削工具もその寿命を生かしきれないことがあるとい
った問題があった。本発明は、このようなＣＢＮ付きス
ローアウェイチップにおける切り屑の衝突によるチップ
ブレーカーの摩滅を防止し、もって安定した切り屑処理
性が長時間得られるようにすることにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、超硬合金又はサーメット等からなるスロ
ーアウェイチップ本体に、切刃をなす立方晶窒化ほう素
焼結体を備えると共に該本体にチップブレーカーが形成
されてなるスローアウェイチップにおいて、少なくとも
該チップブレーカーの切り屑当り面に、窒化チタン（Ｔ
ｉＮ）、炭窒化チタン（ＴｉＣＮ）又は窒化チタンアル
ミニウム（ＴｉＡｌＮ）等のセラミックのコーティング
層（被覆層）が形成されていることにある。
めに本発明は、超硬合金又はサーメット等からなるスロ
ーアウェイチップ本体に、切刃をなす立方晶窒化ほう素
焼結体を備えると共に該本体にチップブレーカーが形成
されてなるスローアウェイチップにおいて、少なくとも
該チップブレーカーの切り屑当り面に、窒化チタン（Ｔ
ｉＮ）、炭窒化チタン（ＴｉＣＮ）又は窒化チタンアル
ミニウム（ＴｉＡｌＮ）等のセラミックのコーティング
層（被覆層）が形成されていることにある。
【０００９】このようなセラミック層が形成されていれ
ば、その分、チップブレーカーの耐摩耗性、耐熱性が向
上するので、切り屑の衝突による同ブレーカーの摩滅等
の防止に有効である。上記手段において切り屑当り面と
は、チップブレーカーの表面のうち、切り屑が当る面
（領域）をいう。なおコーティング層は、少なくとも該
チップブレーカーの切り屑当り面に形成されていればよ
いが、ＣＢＮ焼結体を本体にロー付けして設けた後でコ
ーティングするような場合には、前記本体及び前記切刃
（ＣＢＮ）のすくい面側の全体（全面）に形成すると、
コーティングの際のマスキング処理が不要或いは容易と
なるのでその作業性が向上する。
ば、その分、チップブレーカーの耐摩耗性、耐熱性が向
上するので、切り屑の衝突による同ブレーカーの摩滅等
の防止に有効である。上記手段において切り屑当り面と
は、チップブレーカーの表面のうち、切り屑が当る面
（領域）をいう。なおコーティング層は、少なくとも該
チップブレーカーの切り屑当り面に形成されていればよ
いが、ＣＢＮ焼結体を本体にロー付けして設けた後でコ
ーティングするような場合には、前記本体及び前記切刃
（ＣＢＮ）のすくい面側の全体（全面）に形成すると、
コーティングの際のマスキング処理が不要或いは容易と
なるのでその作業性が向上する。
【００１０】なお、スローアウェイチップ本体は超硬合
金又はサーメットに限られず、高速度鋼など、その本体
として用いられる適宜の材質でよい。コーティング層を
なすセラミックは、単層又は多層でもよい。コーティン
グは、周知のＰＶＤ（physical vapor deposition ）又
はＣＶＤ（chemical vapor deposition ）により、コー
ティングエリアに応じて適宜マスキングをすることによ
り行えばよい。この際、ＰＶＤにより、単層で形成する
場合にはＴｉＮが適切であり、多層で形成する場合には
ＴｉＡｌＮ、ＴｉＣＮが適切である。また、ＣＶＤによ
り、単層で形成する場合にはＡｌ2 Ｏ3 が適切であり、
多層で形成する場合には、本体表面から最上層にかけ
て、ＴｉＣ−ＡｌＯＮ−Ａｌ2 Ｏ3 、ＡｌＯＮ−ＴｉＣ
−ＴｉＮ、ＴｉＣＮ−Ａｌ2 Ｏ3 −ＴｉＮがそれぞれ適
切なものとして例示される。
金又はサーメットに限られず、高速度鋼など、その本体
として用いられる適宜の材質でよい。コーティング層を
なすセラミックは、単層又は多層でもよい。コーティン
グは、周知のＰＶＤ（physical vapor deposition ）又
はＣＶＤ（chemical vapor deposition ）により、コー
ティングエリアに応じて適宜マスキングをすることによ
り行えばよい。この際、ＰＶＤにより、単層で形成する
場合にはＴｉＮが適切であり、多層で形成する場合には
ＴｉＡｌＮ、ＴｉＣＮが適切である。また、ＣＶＤによ
り、単層で形成する場合にはＡｌ2 Ｏ3 が適切であり、
多層で形成する場合には、本体表面から最上層にかけ
て、ＴｉＣ−ＡｌＯＮ−Ａｌ2 Ｏ3 、ＡｌＯＮ−ＴｉＣ
−ＴｉＮ、ＴｉＣＮ−Ａｌ2 Ｏ3 −ＴｉＮがそれぞれ適
切なものとして例示される。
【００１１】また、コーティング層の厚さはそのセラミ
ックの材質やスローアウェイチップ本体の材質（硬度、
耐熱性など）にもよるが、１〜２０μｍの範囲が適切で
ある。１μｍ以下だと高熱の切り屑の衝突により摩滅し
易いためであり、２０μｍを超えるようだとその衝突に
よる衝撃で剥離しやすいためである。２〜１０μｍの厚
さがより適切である。
ックの材質やスローアウェイチップ本体の材質（硬度、
耐熱性など）にもよるが、１〜２０μｍの範囲が適切で
ある。１μｍ以下だと高熱の切り屑の衝突により摩滅し
易いためであり、２０μｍを超えるようだとその衝突に
よる衝撃で剥離しやすいためである。２〜１０μｍの厚
さがより適切である。
【００１２】コーティングをＰＶＤによる場合には、刃
先すなわちＣＢＮ焼結体をなす複合体を本体にロー付け
する前又は後のいずれでも行える。一方、ＣＶＤ手法に
よる場合には、その行程においてロー材の融点（８００
℃程度）より高温（１０００〜１１００℃程度）となる
ことから、ＣＢＮ焼結体のロー付け前に行わないといけ
ない。
先すなわちＣＢＮ焼結体をなす複合体を本体にロー付け
する前又は後のいずれでも行える。一方、ＣＶＤ手法に
よる場合には、その行程においてロー材の融点（８００
℃程度）より高温（１０００〜１１００℃程度）となる
ことから、ＣＢＮ焼結体のロー付け前に行わないといけ
ない。
【００１３】なお、ロー付け前にセラミックのコーティ
ング層を形成する場合には、ＣＢＮ焼結体がロー付けさ
れる本体の部位の表面に形成されているコーティング層
はロー付けの支障となるから研磨等により除去しておく
必要がある。したがって、好ましくは前記したように、
ＣＢＮ焼結体をなす複合体をロー付けした後で、コーテ
ィング層を形成するエリアを除いて適宜マスキングをす
るか、マスキングをすることなく、前記本体及び前記切
刃のすくい面側の全体にＰＶＤ手法によりコーティング
するとよい。
ング層を形成する場合には、ＣＢＮ焼結体がロー付けさ
れる本体の部位の表面に形成されているコーティング層
はロー付けの支障となるから研磨等により除去しておく
必要がある。したがって、好ましくは前記したように、
ＣＢＮ焼結体をなす複合体をロー付けした後で、コーテ
ィング層を形成するエリアを除いて適宜マスキングをす
るか、マスキングをすることなく、前記本体及び前記切
刃のすくい面側の全体にＰＶＤ手法によりコーティング
するとよい。
【００１４】
【発明の実施の形態】さて次に、本発明に係るスローア
ウェイチップを具体化した実施の形態について、図１な
いし図４を参照して詳細に説明する。図１中、１は、略
正方形をなすネガタイプのスローアウェイチップであっ
て、本例では超硬合金製のスローアウェイチップ本体２
の一コーナーＣを直方体形状に切欠いて凹部３とし、こ
の凹部３に平面視（すくい面４からみて）略矩形（長方
形）をなす、ＣＢＮ焼結体５と超硬合金６との上下二層
からなる複合体７がロー付けにより固着されたものであ
る。
ウェイチップを具体化した実施の形態について、図１な
いし図４を参照して詳細に説明する。図１中、１は、略
正方形をなすネガタイプのスローアウェイチップであっ
て、本例では超硬合金製のスローアウェイチップ本体２
の一コーナーＣを直方体形状に切欠いて凹部３とし、こ
の凹部３に平面視（すくい面４からみて）略矩形（長方
形）をなす、ＣＢＮ焼結体５と超硬合金６との上下二層
からなる複合体７がロー付けにより固着されたものであ
る。
【００１５】ＣＢＮ焼結体５のなす切刃８のコーナーＣ
先端からの各長さはＬ１＞Ｌ２とされ、本例ではこの長
さＬ１をなす切刃８と相対する辺９に沿う本体２のすく
い面４が部分的に***してチップブレーカー１０をなし
ている。ただし、本例のチップブレーカー１０は、頂面
１１を平坦にして***する平面視、矩形を成しており、
その長辺がＣＢＮ焼結体５の長辺９に沿って形成されて
おり、ＣＢＮ焼結体５側の傾斜壁面１２とその傾斜壁面
１２とＣＢＮ焼結体５の長辺９との間（図３，４中のＷ
の範囲）の平坦面１３の範囲を中心にして切り屑当り面
を構成している。そして本例では、本体２のすくい面４
側のうち、チップブレーカ１０及びＣＢＮ焼結体５のす
くい面（上面）５ａを含み、２点鎖線Ｎで包囲されるコ
ーナー寄りＣエリア（本体２の側面１７及びＣＢＮ焼結
体の逃げ面を除く）にＴｉＮコーティング層が所定厚さ
（２〜１０μｍ程度）形成されている。なお、ＴｉＮコ
ーティング層は、ＣＢＮ焼結体（複合体７）５を本体２
にロー付けした後でＰＶＤにより形成されている。
先端からの各長さはＬ１＞Ｌ２とされ、本例ではこの長
さＬ１をなす切刃８と相対する辺９に沿う本体２のすく
い面４が部分的に***してチップブレーカー１０をなし
ている。ただし、本例のチップブレーカー１０は、頂面
１１を平坦にして***する平面視、矩形を成しており、
その長辺がＣＢＮ焼結体５の長辺９に沿って形成されて
おり、ＣＢＮ焼結体５側の傾斜壁面１２とその傾斜壁面
１２とＣＢＮ焼結体５の長辺９との間（図３，４中のＷ
の範囲）の平坦面１３の範囲を中心にして切り屑当り面
を構成している。そして本例では、本体２のすくい面４
側のうち、チップブレーカ１０及びＣＢＮ焼結体５のす
くい面（上面）５ａを含み、２点鎖線Ｎで包囲されるコ
ーナー寄りＣエリア（本体２の側面１７及びＣＢＮ焼結
体の逃げ面を除く）にＴｉＮコーティング層が所定厚さ
（２〜１０μｍ程度）形成されている。なお、ＴｉＮコ
ーティング層は、ＣＢＮ焼結体（複合体７）５を本体２
にロー付けした後でＰＶＤにより形成されている。
【００１６】因みに、本例における本体２の凹部３は、
図３，４に示したように、すくい面４とほぼ平行な平面
視矩形状をなす底面１４と、この底面１４とほぼ直角に
交差する二つの壁面１５，１６から形成され、複合体７
は、この凹部３にちょうど納まる略直方体に形成されて
いる。なお、複合体７は、台座をなす一定厚さの超硬合
金（層）６と、それより厚さの薄い所定厚さのＣＢＮ焼
結体５を一体で焼結、形成したものであり、超硬合金層
６の下面を介して凹部３の底面１４に載置され，壁面１
５，１６に拘束された下で、銀ローなどによりロー付け
されている。
図３，４に示したように、すくい面４とほぼ平行な平面
視矩形状をなす底面１４と、この底面１４とほぼ直角に
交差する二つの壁面１５，１６から形成され、複合体７
は、この凹部３にちょうど納まる略直方体に形成されて
いる。なお、複合体７は、台座をなす一定厚さの超硬合
金（層）６と、それより厚さの薄い所定厚さのＣＢＮ焼
結体５を一体で焼結、形成したものであり、超硬合金層
６の下面を介して凹部３の底面１４に載置され，壁面１
５，１６に拘束された下で、銀ローなどによりロー付け
されている。
【００１７】このように形成された本例のスローアウェ
イチップ１は、チップブレーカー１０の切り屑当り面を
なす傾斜壁面１２と平坦面１３を含む所定のエリア（本
体のすくい面４側のうち２点鎖線Ｎで包囲されたコーナ
ーＣ寄り部位）にセラミックコーティング層が形成され
ている。したがって、そのコーティング層が形成された
領域の耐摩耗性、耐熱性は本体２をなす超硬合金素材の
表面のそれより高いものとなる。すなわち、本例のスロ
ーアウェイチップ１によれば、高硬度、高強度の被削材
を切削することにより発生する高熱、高強度の切り屑が
チップブレーカー１０の傾斜壁面１２に衝突しても、同
ブレーカー１０の切り屑当り面は容易に摩耗することが
ないから、切り屑処理性の低下が少ない。
イチップ１は、チップブレーカー１０の切り屑当り面を
なす傾斜壁面１２と平坦面１３を含む所定のエリア（本
体のすくい面４側のうち２点鎖線Ｎで包囲されたコーナ
ーＣ寄り部位）にセラミックコーティング層が形成され
ている。したがって、そのコーティング層が形成された
領域の耐摩耗性、耐熱性は本体２をなす超硬合金素材の
表面のそれより高いものとなる。すなわち、本例のスロ
ーアウェイチップ１によれば、高硬度、高強度の被削材
を切削することにより発生する高熱、高強度の切り屑が
チップブレーカー１０の傾斜壁面１２に衝突しても、同
ブレーカー１０の切り屑当り面は容易に摩耗することが
ないから、切り屑処理性の低下が少ない。
【００１８】この結果、切り屑の絡み付きや、仕上げ面
の傷の発生が防止されるだけでなく、切り屑の流出角度
等の変化も少ないので、安定した切り屑処理性が長期間
得られることになる。よって、従来問題となっていた切
刃（ＣＢＮ焼結体）の寿命とチップブレーカー１０の寿
命とのアンバランスも解消される。
の傷の発生が防止されるだけでなく、切り屑の流出角度
等の変化も少ないので、安定した切り屑処理性が長期間
得られることになる。よって、従来問題となっていた切
刃（ＣＢＮ焼結体）の寿命とチップブレーカー１０の寿
命とのアンバランスも解消される。
【００１９】なお、本例では、切刃長をＬ１＞Ｌ２とし
た（右）勝手付きのチップとし、かつＣＢＮ焼結体５の
辺９に沿ってチップブレーカー１０を設けたため、切刃
８からチップブレーカー１０の傾斜壁面１２までの距離
Ｄを小さくできる。したがって切込み量、送りの量がと
くに小さい精密仕上げ切削領域でもチップブレーカー１
０の効きがよいといった効果もある。
た（右）勝手付きのチップとし、かつＣＢＮ焼結体５の
辺９に沿ってチップブレーカー１０を設けたため、切刃
８からチップブレーカー１０の傾斜壁面１２までの距離
Ｄを小さくできる。したがって切込み量、送りの量がと
くに小さい精密仕上げ切削領域でもチップブレーカー１
０の効きがよいといった効果もある。
【００２０】また、上記例では２点鎖線Ｎで包囲された
コーナーＣ寄り部位をコーティングしたが、セラミック
のコーティング層は、チップブレーカー１０の切り屑当
り面をなす傾斜壁面１２及び平坦面１３のみに形成して
もよい。そして、コーティング材は、本体２の材質（耐
摩耗性、耐熱性など）を考慮した上で、適宜のセラミッ
クとすればよい。なおＴｉＮ等のコーティング手法は、
前記において簡述したが詳しくは次のようである。
コーナーＣ寄り部位をコーティングしたが、セラミック
のコーティング層は、チップブレーカー１０の切り屑当
り面をなす傾斜壁面１２及び平坦面１３のみに形成して
もよい。そして、コーティング材は、本体２の材質（耐
摩耗性、耐熱性など）を考慮した上で、適宜のセラミッ
クとすればよい。なおＴｉＮ等のコーティング手法は、
前記において簡述したが詳しくは次のようである。
【００２１】すなわち、ＣＢＮ焼結体５をなす複合体７
を本体２にロー付けした後に上記のエリアにＰＶＤによ
りコーティングする場合には、すくい面４のうちのコー
ティング層の形成エリア以外と逃げ面（側面）１７など
に適宜マスキングしてからコーティングすればよい。も
っとも、スローアウェイチップ１のすくい面４側及び側
面１７の全体にコーティングされていてもよい。そして
その場合には、マスキングを要しないので、その分の作
業手間が減少する。なお、こうしたコーティング手法
は、ＴｉＣＮ、ＴｉＣＮ又はＴｉＡｌＮ等による場合で
も同様である。
を本体２にロー付けした後に上記のエリアにＰＶＤによ
りコーティングする場合には、すくい面４のうちのコー
ティング層の形成エリア以外と逃げ面（側面）１７など
に適宜マスキングしてからコーティングすればよい。も
っとも、スローアウェイチップ１のすくい面４側及び側
面１７の全体にコーティングされていてもよい。そして
その場合には、マスキングを要しないので、その分の作
業手間が減少する。なお、こうしたコーティング手法
は、ＴｉＣＮ、ＴｉＣＮ又はＴｉＡｌＮ等による場合で
も同様である。
【００２２】なお、上記においては、切刃８をなすＣＢ
Ｎ焼結体５を平面視矩形とし、チップブレーカー１０の
形状を、平面視矩形で、ＣＢＮ焼結体５の長辺の切刃８
に対向する辺９に沿って細長状に***させたものとした
が、ＣＢＮ焼結体の形状及びチップブレーカーの形状
（幅、高さ、すくい角、切刃との角度など）等は、被削
材、切り込み量、送り量、ノーズ半径などに応じ、かつ
所望とする切り屑に応じて適宜に設計すればよい。ま
た、切刃から、チップブレーカーの切り屑当り面までの
距離は、所望とする切り屑の長さに応じて適切に設計す
ればよい。
Ｎ焼結体５を平面視矩形とし、チップブレーカー１０の
形状を、平面視矩形で、ＣＢＮ焼結体５の長辺の切刃８
に対向する辺９に沿って細長状に***させたものとした
が、ＣＢＮ焼結体の形状及びチップブレーカーの形状
（幅、高さ、すくい角、切刃との角度など）等は、被削
材、切り込み量、送り量、ノーズ半径などに応じ、かつ
所望とする切り屑に応じて適宜に設計すればよい。ま
た、切刃から、チップブレーカーの切り屑当り面までの
距離は、所望とする切り屑の長さに応じて適切に設計す
ればよい。
【００２３】図５及び図６は、チップブレーカー２０の
別例を示す実施形態例であるが、前例と基本的に共通す
るので相違点のみ説明し、同一部位には同一の符号を付
し適宜その説明を省略する。以下の形態例でも同様であ
る。すなわち本例では、ＣＢＮ焼結体５のなすすくい面
５ａを本体２のすくい面４より低位に位置させ、切刃８
の長辺に対向する辺９から適宜の角度で本体２のすくい
面４まで傾斜壁面２１を立ち上げてチップブレーカー２
０としたもので、切刃８の長辺に沿う本体２の一辺の中
間まで凹設された形をなしている。そして、セラミック
のコーティング層は、本例でも本体２のすくい面４側の
うち、図中２点鎖線Ｎで包囲されたコーナーＣ寄り部位
に形成されている。もっとも、本例でも、凹設されたチ
ップブレーカー２０の領域のみにコーティング層を形成
してもよいし、ＣＢＮ焼結体５のすくい面５ａと本体２
のすくい面４の全体にコーティング層を形成してもよ
い。
別例を示す実施形態例であるが、前例と基本的に共通す
るので相違点のみ説明し、同一部位には同一の符号を付
し適宜その説明を省略する。以下の形態例でも同様であ
る。すなわち本例では、ＣＢＮ焼結体５のなすすくい面
５ａを本体２のすくい面４より低位に位置させ、切刃８
の長辺に対向する辺９から適宜の角度で本体２のすくい
面４まで傾斜壁面２１を立ち上げてチップブレーカー２
０としたもので、切刃８の長辺に沿う本体２の一辺の中
間まで凹設された形をなしている。そして、セラミック
のコーティング層は、本例でも本体２のすくい面４側の
うち、図中２点鎖線Ｎで包囲されたコーナーＣ寄り部位
に形成されている。もっとも、本例でも、凹設されたチ
ップブレーカー２０の領域のみにコーティング層を形成
してもよいし、ＣＢＮ焼結体５のすくい面５ａと本体２
のすくい面４の全体にコーティング層を形成してもよ
い。
【００２４】また、図７及び図８は、図５のチップブレ
ーカーに対して、その幅ＤをＣＢＮ焼結体５と切り屑当
り面をなす傾斜壁面２１との間に平坦面２３を設けて広
くしたチップブレーカー２０を示す実施形態例である。
このものは、切り込み量を大きくしたい場合に適するも
のであるが、セラミックのコーティング層は、図７中の
２点鎖線Ｎで包囲されたコーナーＣ寄り部位など、前例
と同様にチップブレーカー２０の切り屑当り面を含めて
適宜、形成すればよい。
ーカーに対して、その幅ＤをＣＢＮ焼結体５と切り屑当
り面をなす傾斜壁面２１との間に平坦面２３を設けて広
くしたチップブレーカー２０を示す実施形態例である。
このものは、切り込み量を大きくしたい場合に適するも
のであるが、セラミックのコーティング層は、図７中の
２点鎖線Ｎで包囲されたコーナーＣ寄り部位など、前例
と同様にチップブレーカー２０の切り屑当り面を含めて
適宜、形成すればよい。
【００２５】図９は、図５又は図７において、チップブ
レーカー２０の壁面２１を切刃８に対して角度（本例で
はネガ）をつけて形成した例であり、切り屑の流出角度
を切刃８の先端側に向けるようにしたものである。この
ようなチップブレーカー２０を備えたスローアウェイチ
ップにおいても、セラミックコーティング層を図９中の
２点鎖線Ｎで包囲されたコーナーＣ寄り部位など、チッ
プブレーカー２０の傾斜壁面２１などの切り屑当り面を
含めて適宜、形成すればよい。このように本発明は、チ
ップブレーカーの形状にかかわらず具体化できる。当然
のことながら、ＣＢＮ焼結体の形状は、略三角形や略正
方形など適宜の形、大きさとすればよい。
レーカー２０の壁面２１を切刃８に対して角度（本例で
はネガ）をつけて形成した例であり、切り屑の流出角度
を切刃８の先端側に向けるようにしたものである。この
ようなチップブレーカー２０を備えたスローアウェイチ
ップにおいても、セラミックコーティング層を図９中の
２点鎖線Ｎで包囲されたコーナーＣ寄り部位など、チッ
プブレーカー２０の傾斜壁面２１などの切り屑当り面を
含めて適宜、形成すればよい。このように本発明は、チ
ップブレーカーの形状にかかわらず具体化できる。当然
のことながら、ＣＢＮ焼結体の形状は、略三角形や略正
方形など適宜の形、大きさとすればよい。
【００２６】また、上記においては、スローアウェイチ
ップ本体は正方形のもので具体化したが、本発明はこれ
以外の三角、四角、五角、六角などの正多角形、又は正
多角形に限らず、いずれのスローアウェイチップでも具
体化できる。そして、当然のことながら、一コーナーの
みでなく、全コーナーにＣＢＮ焼結体及びチップブレー
カーを設けた場合でもその各コーナーにおいて本発明を
具体化できる。さらに、スローアウェイチップ本体は、
上記においてはすくい角がネガのものにおいて具体化し
たが、ポジのものにおいても具体化できることはいうま
でもない。
ップ本体は正方形のもので具体化したが、本発明はこれ
以外の三角、四角、五角、六角などの正多角形、又は正
多角形に限らず、いずれのスローアウェイチップでも具
体化できる。そして、当然のことながら、一コーナーの
みでなく、全コーナーにＣＢＮ焼結体及びチップブレー
カーを設けた場合でもその各コーナーにおいて本発明を
具体化できる。さらに、スローアウェイチップ本体は、
上記においてはすくい角がネガのものにおいて具体化し
たが、ポジのものにおいても具体化できることはいうま
でもない。
【００２７】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係るＣＢＮ付きスローアウェイチップによれば、チッ
プブレーカーにセラミックのコーティング層を形成した
ことから、高硬度、高強度の被削材の切削による高温の
切り屑の処理においても、そのコーティング層がある
分、チップブレーカーの摩滅が防止され、もって安定し
た切り屑処理性が長時間得られる。この結果、ＣＢＮ付
きスローアウェイチップの寿命の延長と共に仕上げ面粗
度の向上も図られる。
に係るＣＢＮ付きスローアウェイチップによれば、チッ
プブレーカーにセラミックのコーティング層を形成した
ことから、高硬度、高強度の被削材の切削による高温の
切り屑の処理においても、そのコーティング層がある
分、チップブレーカーの摩滅が防止され、もって安定し
た切り屑処理性が長時間得られる。この結果、ＣＢＮ付
きスローアウェイチップの寿命の延長と共に仕上げ面粗
度の向上も図られる。
【図１】本発明に係るＣＢＮ付きスローアウェイチップ
を具体化した実施形態例の斜視図。
を具体化した実施形態例の斜視図。
【図２】図１における要部の拡大図。
【図３】図２の平面図。
【図４】図３のＡ−Ａ線断面図。
【図５】別のチップブレーカーを備えた実施形態例の斜
視図。
視図。
【図６】図５におけるＢ矢視部分拡大図。
【図７】別のチップブレーカーを備えた実施形態例の斜
視図。
視図。
【図８】図７におけるＥ矢視部分拡大図。
【図９】別のチップブレーカーを備えた実施形態例の斜
視図。
視図。
１ スローアウェイチップ ２ スローアウェイチップ本体 ３ 凹部 ４ すくい面 ５ ＣＢＮ焼結体 ６ 超硬合金 ７ 複合体 ８ ＣＢＮ焼結体のなす切刃 １０，２０ チップブレーカー １２，２１ チップブレーカーの傾斜壁面 Ｃ コーナー
Claims (3)
- 【請求項１】 超硬合金又はサーメット等からなるスロ
ーアウェイチップ本体に、切刃をなす立方晶窒化ほう素
焼結体を備えると共に該本体にチップブレーカーが形成
されてなるスローアウェイチップにおいて、少なくとも
該チップブレーカーの切り屑当り面に、窒化チタン、炭
窒化チタン又は窒化チタンアルミニウム等のセラミック
のコーティング層が形成されてなることを特徴とするス
ローアウェイチップ。 - 【請求項２】 前記コーティング層が、前記本体及び前
記切刃のすくい面側の全体に形成されていることを特徴
とする請求項１記載のスローアウェイチップ。 - 【請求項３】 前記コーティング層の厚さが、１〜２０
μｍであることを特徴とする請求項１又は２記載のスロ
ーアウェイチップ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10348396A JPH09267203A (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | スローアウェイチップ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10348396A JPH09267203A (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | スローアウェイチップ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09267203A true JPH09267203A (ja) | 1997-10-14 |
Family
ID=14355264
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10348396A Pending JPH09267203A (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | スローアウェイチップ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09267203A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6737178B2 (en) * | 1999-12-03 | 2004-05-18 | Sumitomo Electric Industries Ltd. | Coated PCBN cutting tools |
| JP2011148066A (ja) * | 2010-01-23 | 2011-08-04 | Kyocera Corp | 切削工具 |
-
1996
- 1996-03-29 JP JP10348396A patent/JPH09267203A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6737178B2 (en) * | 1999-12-03 | 2004-05-18 | Sumitomo Electric Industries Ltd. | Coated PCBN cutting tools |
| JP2011148066A (ja) * | 2010-01-23 | 2011-08-04 | Kyocera Corp | 切削工具 |
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