JPH09255927A - 粘着テープ及びその製造方法ならびに表面保護された物品 - Google Patents

粘着テープ及びその製造方法ならびに表面保護された物品

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JPH09255927A
JPH09255927A JP8064805A JP6480596A JPH09255927A JP H09255927 A JPH09255927 A JP H09255927A JP 8064805 A JP8064805 A JP 8064805A JP 6480596 A JP6480596 A JP 6480596A JP H09255927 A JPH09255927 A JP H09255927A
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adhesive tape
film
pressure
tile
substrate
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JP8064805A
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Tomoaki Uchiya
智昭 打矢
Masafumi Sonoda
雅史 園田
Tomohito Nakajima
智史 中嶋
Tatsuya Nakamura
達也 中村
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Original Assignee
Minnesota Mining and Manufacturing Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 延伸容易でありかつ保護フィルムとして有用
な粘着テープを提供すること。 【解決手段】 基材とその少なくとも片面に施された粘
着剤層とを含む粘着テープであって、前記基材が、天然
もしくは合成のフィルム形成性高分子材料を水又は溶剤
に溶解もしくは分散せしめた溶液又は分散液から形成さ
れたものであり、そして、その基材を100%延伸した
時、10〜700g/mm2 の応力を有しかつ、この10
0%延伸の状態を5分間保持した後、300g/mm2
下の残留応力を有することを特徴とする粘着テープ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は粘着テープとその製
造及び使用に関する。さらに詳しく述べると、本発明
は、各種の物品にその表面の保護のために有利に適用す
ることのできる粘着テープ、その粘着テープを製造する
方法、そしてそのような粘着テープを使用した表面保護
された物品に関する。本発明の粘着テープは、プレキャ
ストタイル(以下、「PCタイル」と記す)のユニット
の製造工程で、その粗い表面を保護するための保護フィ
ルムとして有利に用いることができる。また、表面保護
された物品としては、特に限定されないというものの、
粗い表面を有する粗面体の形をした物品、例えば自動車
タイヤなどを挙げることができる。
【0002】
【従来の技術】ビル等の構造物の外壁や床面、街路など
では、近年、各種の材料からなりかついろいろな形状及
び意匠を有するPCタイルユニットが利用されている。
従来のPCタイルの製造は、通常、次のような手順で行
われている:先ず、タイルがそのなかに隙間なく収容さ
れるように作られた複数個の区画を有する木枠に、所定
数のタイルをその表面を上にして収容する。次いで、木
枠の格子に一致するように格子状に加工された発泡ポリ
エチレンを、タイル間の隙間の部分を埋めるようにし
て、タイルの隙間に充填する。引き続いて、タイル及び
タイル間の発泡ポリエチレンの全体を覆うようにして、
木枠の上側より粘着テープを被覆する。タイル及び発泡
ポリエチレンをこのようにして固定してタイル集合体を
形成した後、そのタイル集合体を木枠から取り外し、コ
ンクリート流し込みのための型枠に、タイルの表面(粘
着テープ被覆面)を下にして収容する。コンクリートを
型枠に流し込み、その硬化後に発泡ポリエチレン及び粘
着テープを取り除くと、所望とするPCタイルユニット
を得ることができる。
【0003】上記したような従来のPCタイルユニット
の製造方法は、タイルの表面が平滑もしくはほぼ平滑で
あるならば特に問題とはならないけれども、本願明細書
において総称的に「粗面」として記載する粗い表面を有
するタイル、例えば、表面が非常に粗いタイルや意匠性
をだすためにいろいろな形状に表面を加工してある特殊
なタイル、地形断面のように厚みにむらのあるタイルな
ど、を用いてPCタイルユニットを製造しようとした場
合には問題が発生した。すなわち、タイルの表面に粘着
テープが付着しにくい、タイル集合体を裏返しにした時
にタイルの裏面が水平にならない、といった不都合があ
るので、満足すべきPCタイルユニットを製造すること
ができなかった。
【0004】上述のような不都合を解消するため、いろ
いろな工夫もなされている。例えば、タイル集合体をウ
レタンフォームの型で保持し、上記したような粗面を有
するタイルを用いてもタイルの裏面が水平に揃うよう
な、改良されたPCタイルユニットの製造方法が考案さ
れている。底のある木枠を用いるほかは上記した通常の
方法と同様にしてタイルを木枠に収容する。木枠の上に
粘着テープを貼り付けて枠全体を気密にした後、陰圧を
適用して粘着テープを吸引し、下地のタイル表面に密着
させる。その後、木枠の上にさらに蓋状の型枠を被せ、
その型枠と粘着テープの間の空間にウレタンプレポリマ
ーを流し込み、発泡・硬化させる。木枠及び蓋状型枠を
取り外すと、タイル集合体を保持したウレタンフォーム
の型が形成される。この型を使用して、上記した通常の
方法と同様にしてコンクリートの流し込みを行う。
【0005】ところで、上記した改良方法では、使用す
る粘着テープに特別な性質が要求される。すなわち、粘
着テープは、途中で適用される吸引によって容易に延伸
し、また、粗面に追従し、タイル表面によく接着する一
方で、剥離する際には粘着剤を残さずにそのタイル表面
から容易に剥がれるものでなければならない。また、粘
着テープの粘着剤の面の一部分が、水を含んだ硬化前の
コンクリートに曝されるので、粘着テープは、強アルカ
リ性の水溶液に対する耐性を有することが必要である。
【0006】従来、いろいろな種類の粘着テープが提案
されているけれども、上記したような特定の要件をすべ
て満足させ得るような粘着テープは未だ知られていな
い。先ず、比較的に弱い力の適用によって通常実施可能
である吸引によって容易に延伸するためには、その粘着
テープは応力(モジュラス)が小さくなくてはならな
い。このような粘着テープとしては、例えば、特開昭6
0−6775号公報に開示されているような、300〜
500%の破断伸び及び0.4〜0.8kg/mm2 の10
0%モジュラスを有しかつポリウレタンフィルム支持体
とポリウレタン系粘着剤からなる粘着フィルム、そして
特開平6−278248号公報に開示されているよう
な、30〜70kg/cm2 の100%モジュラスを有しか
つポリウレタンフィルム基材とアクリル系粘着剤からな
るシールテープの使用を考慮することができる。しか
し、このような望ましいと思われる範囲の100%モジ
ュラスでも、粘着テープを粗面に貼り付けた場合、粘着
力そのものが十分に大きくないと、時間の経過とともに
粘着テープが部分的に浮き上がってしまうという問題が
ある。
【0007】また、かかるポリウレタンフィルムを基材
とする粘着テープは、粘着剤を離型紙に塗布し、乾燥し
た後、得られた粘着剤層をポリウレタンフィルム基材に
積層して製造するのが常法である。このような粘着剤層
転写法では、しかし、基材と粘着剤層の十分な密着性を
得ることができず、また、従って、上述の工法で使用し
た場合には、強アルカリ性水溶液が粘着剤面に接触した
部分では粘着剤層が基材から剥離し、最終的にはコンク
リートの目地部分に残ってしまうという問題がある。
【0008】さらに、上記した用途に、例えば特開昭6
3−89585号公報に開示されるような、アクリルエ
マルジョンが攪拌起泡化され、この起泡化物が加熱乾燥
されてフォーム状シートに形成され、該フォーム状シー
トに粘着剤が含浸もしくは積層されていることを特徴と
する接着シートの使用も検討された。しかしながら、こ
の接着シートは、フォーム状シートが連続気泡構造から
なるため、破断強度に乏しく、吸引及び延伸された時に
タイルの角の部分で簡単に引き裂かれてしまい、ウレタ
ンフォームの型の形成のためのウレタンプレポリマーが
濡れ、タイル表面に付着してしまうという問題があっ
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の1つの目的
は、上記したような従来の技術の欠点を解決して、延伸
容易でありかつ保護フィルムとして有用な粘着テープを
提供することにある。本発明のもう1つの目的は、被着
体の表面に凹凸や段差等があっても、それらの粗面に対
して十分な粘着力を有する一方で、剥離時には粘着剤層
を残すことなく容易に剥離可能な粘着テープを提供する
ことにある。
【0010】本発明のさらにもう1つの目的は、引き裂
けに対する十分な強度及び強アルカリ性の水溶液に対し
て十分な耐性を有している粘着テープを提供することに
ある。また、本発明のもう1つの目的は、上記したよう
な粘着テープの製造方法を提供することにある。
【0011】さらに、本発明のもう1つの目的は、いか
なる複雑な形状のものでも表面の保護が可能な、薄膜で
保護された物品を提供することにある。本発明のその他
の目的は、以下の詳細な説明から容易に理解することが
できるであろう。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、その1つの面
において、基材とその少なくとも片面に施された粘着剤
層とを含む粘着テープであって、前記基材が、天然もし
くは合成のフィルム形成性高分子材料を水又は溶剤に溶
解もしくは分散せしめた溶液又は分散液から形成された
ものであり、そして、その基材を100%延伸した時、
10〜700g/mm2 の応力を有しかつ、この100%
延伸の状態を5分間保持した後、300g/mm2 以下の
残留応力を有することを特徴とする粘着テープを提供す
る。
【0013】本発明は、そのもう1つの面において、基
材とその少なくとも片面に施された粘着剤層とを含む粘
着テープを製造する方法であって、下記の工程:天然も
しくは合成のフィルム形成性高分子材料を水又は溶剤に
溶解もしくは分散せしめた溶液又は分散液を、その溶液
又は分散液から形成されたフィルムをそのフィルムの成
膜後に剥離可能な、JIS−K−6768において規定
される手法に従って測定した時に20〜45dyn/cm
の表面エネルギーを有している支持体に塗布すること、
及び前記フィルムの乾燥後、基材としてのそのフィルム
の表面に粘着剤を塗布して乾燥すること、を含んでなる
ことを特徴とする粘着テープの製造方法を提供する。
【0014】さらに、本発明は、そのもう1つの面にお
いて、本発明の粘着テープがその粘着剤層を介して下地
の物品を被覆していることを特徴とする表面保護された
物品を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明による粘着テープ及びその
製造方法ならびに表面保護された物品は、それぞれ、い
ろいろな好ましい形態で実施することができる。以下に
記載するものに限定されるわけではないけれども、特に
好ましい実施の形態を添付の図面を参照しながら説明す
ることにする。
【0016】本発明による粘着テープは、上記した通
り、基材とその少なくとも片面に施された粘着剤層とを
含み、そして前記基材が、天然もしくは合成のフィルム
形成性高分子材料を水又は溶剤に溶解もしくは分散せし
めた溶液又は分散液から形成されたものであることを特
徴としている。図1は、基材1の片面に粘着剤層2が施
された粘着テープ10の例、そして図2は、基材1の両
面に粘着剤層2が施された粘着テープ11の例である。
基材は、上記したように、天然もしくは合成のフィルム
形成性高分子材料を水又は溶剤に溶解もしくは分散せし
めた溶液又は分散液から形成されたものであり、好まし
くはフィルムの形態で用いられる。適当なフィルム形成
性高分子材料は、以下に列挙するものに限定されないと
いうものの、各種の樹脂材料、例えばアクリル樹脂、S
BR樹脂、NBR樹脂、EVA樹脂、PVC樹脂、酢酸
ビニル樹脂など、及び各種のゴム材料、例えばクロロプ
レンゴム、変性天然ゴムなどを包含する。これらの高分
子材料は、単独で使用してもよく、さもなければ、2種
類もしくはそれ以上の材料を組み合わせて使用してもよ
い。これらの材料は、水、溶剤あるいはその混合物中に
適当な濃度で溶解もしくは分散させた後、その溶液又は
分散液から成膜することができる。適当な溶剤として
は、高分子材料の溶解に一般的に使用されている溶剤、
例えばトルエン、酢酸エチル、ヘプタン、イソプロピル
アルコールなどのような有機溶剤を挙げることできる。
成膜に用いられる溶液又は分散液中の上記フィルム形成
性高分子材料(固形分)の濃度は、所望とする基材の特
性、使用する高分子材料の特質、溶液又は分散液の塗工
条件などのファクタに応じて広く変更し得るというもの
の、一般に約20〜70%であるのが好ましい。成膜に
は、各種の常用の成膜法をそのままあるいは変更して使
用することができるというものの、目的とする基材の膜
厚がかなり薄いこと(通常、約7〜200μm )などを
考慮にいれて、高分子材料の溶液又は分散液を仮の支持
体(例えば、エンドレスのベルト、剥離紙、円形ベルト
など)上に流延し、乾燥し、次いでフィルムを支持体か
ら剥離して独立のフィルムを得ることを含むフィルム流
延法を有利に使用することができる。
【0017】また、上記した基材の片面もしくは両面に
施される粘着剤層は、いろいろな常用の粘着剤から慣用
の塗布技法を使用して形成することができる。粘着剤層
の形成は、通常、先の工程で形成した基材を仮の支持体
から剥離しないで、すなわち、その支持体に付着させた
ままの状態で、有利に実施することができる。適当な粘
着剤としては、以下に列挙するものに限定されないとい
うものの、アクリル系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、シリ
コーン系粘着剤などを挙げることができる。その都度、
下地となる基材との密着性及び相容性に優れているもの
を有利に使用することができる。一例を示すと、基材が
アクリル樹脂である場合にはアクリル系粘着剤を有利に
使用することができ、また、合成ゴム系の基材の場合に
は合成ゴム系粘着剤を有利に使用することができる。さ
らに、これらの粘着剤は、溶剤タイプでも、水分散タイ
プであっても、あるいは紫外線硬化タイプであってもよ
い。粘着剤層の膜厚は、上記した基材と同様に非常に薄
くすることが一般的であり、通常、約3〜100μm で
あるのが好ましい。
【0018】上記のような粘着剤として重要な特性は、
下地の基材に対する粘着力、そして、特に本発明の粘着
テープをPCタイルユニットの製造時に保護フィルムと
して使用する場合など、強アルカリ性水溶液に対する耐
性である。粘着テープをPCタイルユニットの製造時に
保護フィルムとして使用する場合(粘着テープが強アル
カリ性水溶液としてのコンクリートに接触せしめられる
場合)を仮定すると、粘着力が高ければ、粘着テープを
粗面体に対して付着させた時にテープの浮きなどが起こ
ることはなくなるが、高すぎると、強アルカリ性水溶液
が接触した部分で粘着剤がコンクリート面に転写してし
まうという問題が起こる。このため、本発明で使用する
粘着剤としては、粘着力のある程度低いものを選ぶのが
好ましい。強アルカリ性水溶液に対する耐性に優れたも
のとしては、水分散タイプの粘着剤よりも溶剤タイプの
粘着剤が好ましいが、水分散タイプの粘着剤でも、適当
な架橋剤を添加してその粘着剤を架橋させるならば、強
アルカリ性水溶液に対する満足し得る耐性を得ることが
できる。
【0019】図3は、基材1の片面に粘着剤層2が施さ
れた粘着テープ10の一変更例である。粘着テープ12
は、その片面に施された粘着剤層2の反対側の面に、有
機中空粒子層3を有することができる。有機中空粒子層
12は、特に、以下に説明するPCタイルユニットの製
造時など、粘着テープの一部がタイルユニットの表面に
残るのを防止するのに有効である。なぜならば、PCタ
イルユニットの製造時、例えばウレタンフォームのよう
な樹脂からなるタイル支持型をタイルユニットから分離
する時に、粘着テープ近傍のウレタンフォームの層間強
度が弱いので、その部分でテープの切断が起こってしま
い、粘着テープの一部がタイルユニットの表面に残るか
らである。本発明者らは、粘着テープの背面に有機中空
粒子層を設けることによって、粘着テープ近傍の層間強
度を向上できるということを見い出した。有機中空粒子
層は、通常、適当なバインダ樹脂中に中空粒子を均一に
分散させた形で有利に構成することができる。バインダ
樹脂としては、下地の基材との密着性が良好な材料を選
択することが好ましい。一般的に適当なバインダ樹脂と
しては、例えば、アクリル樹脂(AE366B、日本合
成ゴム社製)などを挙げることができる。また、このバ
インダ樹脂中に分散せしめられる中空粒子は、基材に比
較して硬く、また延伸しにくいので、バインダ樹脂の厚
さ(したがって、有機中空粒子層の厚さ)は、できるか
ぎり薄いことが好ましい。さらに、バインダ樹脂中に分
散せしめられるべき中空粒子は、一般的に、例えばアク
リル/スチレン共重合体などのような有機材料からなる
ものであり、また、そのサイズは、平均粒径で示して、
約0.3〜0.6μm の範囲である。適当な中空粒子
は、例えば、ローム・アンド・ハース社からOP−62
(商品名)として入手可能である。
【0020】図1〜図3を参照して説明した粘着テープ
は、いずれも基材1が高分子材料の単層からなる例であ
る。しかし、粘着テープは、必要に応じて、2層もしく
はそれ以上の層から構成して、機械的強度の向上、強ア
ルカリ性水溶液に対する耐性の向上、その他の効果をさ
らに得ることもできる。基材をこのように積層構造体と
する場合、構造体のそれぞれの層は任意に変更すること
ができる。図4は、それぞれ材料を異にする3種類の層
a、b及びcを積層して基材1を構成した例である。
【0021】また、本発明の粘着テープ10は、図5に
点線で示すように、必要に応じて剥離可能な保護フィル
ム4を有していてもよい。保護フィルム4は、それが粘
着剤層を保護しかつ粘着テープから剥離可能である限
り、特に限定されるものではない。この技術分野で常用
の保護フィルムをそのままあるいは変更して、利用する
ことができる。
【0022】さらにまた、ここでは図示して説明してい
ないけれども、本発明の粘着テープは、必要に応じて、
追加の層、例えば粘着促進層等を有していてもよく、ま
た、そのような層は、基材と粘着剤層の中間あるいはそ
の他の位置に配置することができ、さもなければ、基材
等の表面に改質等の処理が施されていてもよい。本発明
による粘着テープは、従来の技術では予想されなかった
ことであるが、弱い力を加えただけでも十二分に延伸可
能であり、粗面や複雑な形状の面にも強力に付着可能で
あり、また、そのような面に付着後に長時間が経過した
時にも、テープの一部あるいは全部がその付着面から浮
いてくることもなく、付着面がコンクリートである場合
においても、その面に粘着剤を残すことなくきれいに粘
着テープを剥離することができる。また、このような優
れた性質を有している本発明の粘着テープであるので、
本発明の粘着テープは、以下に列挙するものに限定され
ないというものの、いろいろな技術分野において、特に
保護フィルムとして、有利に利用することができる。粘
着テープの好ましい利用例としては、例えば、PCタイ
ルユニット製造時におけるタイル表面保護のための保護
フィルム、自動車タイヤ、自転車タイヤ等の粗面を保護
するための保護フィルム、また、型樹脂と組み合わせて
使用しての、家電製品等の梱包時のクッション材、工芸
品・文化財の表面保護フィルム、その他を挙げることが
できる。上記した利用例の一例を図面を参照して説明す
ると、図6は、複数個のタイル22がコンクリート21
によって固定されているPCタイルユニット20の例で
ある。図示されていないけれども、粘着フィルムは、粗
面を有するタイル22の表面に、一部に露出したコンク
リート21の部分も含めて、延伸した状態で全面的に付
着せしめられる。また、図7は、自動車タイヤ30の表
面及び側面に本発明の粘着テープ10を保護フィルムと
して被覆した例である。粘着テープ10は、延伸した状
態でタイヤ表面及び側面を被覆することが可能である。
タイヤ30の表面にパターン状に形成された溝部分やタ
イヤの側面に付与されたレタリング、各種のデコレーシ
ョンなどの***表示部分にも粘着テープが密着されてい
ることが理解できるであろう。なお、テープの密着は、
以下においてPCタイルユニットの製造のところで説明
するけれども、テープの吸引によって有利に行うことが
できる。
【0023】本発明による粘着テープは、それを粗面体
に密着して付着させることを考慮して、また、特に特殊
タイルのPCタイルユニット等の製造に利用することを
考慮して、吸引の力で簡単に延伸可能であり、その際に
引き裂けないことが必要である。換言すると、粘着テー
プ及び特にその基材は、100%モジュラス(100%
延伸した時の応力)が十分に小さいことが必要である。
本発明者らの知見によると、粘着テープの基材は、それ
を100%延伸した時、10〜700g/mm2の応力を
有しかつ、この100%延伸の状態を5分間保持した
後、300g/mm 2 以下の残留応力を有することが好ま
しい〔記載の応力は、JIS−Z−0273において規
定される手法に従って測定した〕。100%モジュラス
が700g/mm2 を上回ると、粘着テープを吸引により
タイル表面等の粗面に十分に密着させるためには、タイ
ル収容型枠の気密性を十分に高める必要が生じ、作業も
煩雑になり、生産性が低下する。また、100%モジュ
ラスが10g/mm2 を下回ると、粘着テープを剥離紙よ
り剥離する時に粘着テープの大きな変形を生じるので、
好ましくない。基材の100%モジュラスは、さらに好
ましくは、20〜300g/mm2 の範囲である。
【0024】本発明の粘着テープにおいて、その強度も
重要である。本発明者らの知見によると、粘着テープ
は、特にその基材の破断強度に関して、0.08〜1
0.0kg/mm2 の範囲の破断強度を有しているのが好ま
しい〔記載の破断強度は、上記した応力の場合と同様、
JIS−Z−0273において規定される手法に従って
測定した〕。基材の破断強度が0.08kg/mm2 未満で
は、粘着テープの吸引及び延伸を行う時に、例えばその
テープがタイル等の角の部分に当たって伸ばされると、
粘着テープがその部分で引き裂け、その隙間よりウレタ
ンプレポリマーが漏れて、タイル表面に強固に接着して
しまい、作業性を著しく低下させてしまう。また、基材
の破断強度が10.0kg/mm2 を上回ると、上記したよ
うな100%モジュラスを実現することが困難になる。
【0025】本発明の粘着テープにおいて、その粘着力
も重要である。もしも粘着テープの粘着力が高すぎる
と、例えばPCタイルユニットの製造では、コンクリー
トペーストが接触する粘着剤面で粘着剤がコンクリート
に転写するという問題を生じてしまう。このため、粘着
力が低い粘着剤を用いるのが好ましいが、粘着力が低い
と、粘着テープをタイル表面に貼った後、時間の経過と
ともに粘着テープがタイル表面から剥がれ、浮いてくる
という問題を生じる。この問題を防ぐためには、上述の
ようにモジュラスが低いだけでは十分でなく、テープを
延伸して貼付する時に、フィルムの残留応力が短時間の
間に緩和される必要がある。この特性を発揮するための
目安として、本発明者らの発見によれば、上記したよう
に、粘着テープの基材が、それを100%延伸した後に
その100%延伸の状態を5分間保持した後、300g
/mm2 以下の残留応力を有することが好ましく、さらに
好ましくは100g/mm2 以下である。
【0026】本発明の粘着テープは、一般的に、10〜
500μm の範囲の厚さを有しているのが好ましい。テ
ープの厚さが10μm 未満では、上記した強度をだすの
が難しく、上記の例と同様にタイルの角の部分でテープ
が避けるという問題が発生する。また、テープの厚さを
500μm を上回ると、かえって粗面への追従性が悪く
なるばかりか、製造時の生産性も低下する。粘着テープ
の厚さは、さらに好ましくは、50〜200μm の範囲
である。
【0027】粘着テープの大きさは、その使途に応じて
広く変更することができる。例えば、使用の対象がPC
タイルユニットのようなものの場合には正方形あるいは
それに類する矩形とすることができ、また、使用の対象
が自動車タイヤのようなものの場合には長尺物とするこ
とができる。大型のフィルムの形で製造した後、それを
任意の大きさに切断又は細断して使用することもでき
る。
【0028】本発明による粘着テープは、上記したよう
に、下記の工程:天然もしくは合成のフィルム形成性高
分子材料を水又は溶剤に溶解もしくは分散せしめた溶液
又は分散液を、その溶液又は分散液から形成されたフィ
ルムをそのフィルムの成膜後に剥離可能な支持体に塗布
すること、前記フィルムの乾燥後、基材としてのそのフ
ィルムの表面に粘着剤を塗布して乾燥すること、及び必
要に応じて、前記粘着剤の塗布及び乾燥後、前記粘着剤
層を有する基材を前記支持体から分離すること、によっ
て製造することができる。
【0029】また、粘着テープの基材を積層構造体とし
て構成する場合には、好ましくは、前記フィルム形成性
高分子材料の溶液又は分散液を少なくとも2回にわたっ
て塗布することによって基材を形成することができる。
さらに、前記した基材の両面に粘着剤層を施す場合に
は、前記フィルム形成性高分子材料の溶液又は分散液を
前記基材に塗布する前、前記粘着剤と同一もしくは異な
る粘着剤を前記基材に塗布して乾燥することができる。
また、基材表面の片面に粘着剤層を施しかつその粘着剤
層とは反対側の面に有機中空粒子層を施す場合には、前
記フィルム形成性高分子材料の溶液又は分散液を前記基
材に塗布する前、前記有機中空粒子層形成性の材料を前
記基材に塗布して乾燥することができる。
【0030】本発明による粘着テープは、いろいろな手
法に従って製造することができるというものの、好まし
くは、例えば図8に順を追って示すように、次のような
手順に従って製造することができる。先ず、図8(A)
に示すように、剥離可能な支持体、すなわち、本発明の
粘着テープを製造する際にそれを支承するための仮りの
支持体5を用意する。ここで使用する支持体は、フィル
ム形成の分野において仮の支持体として一般的に使用さ
れている支持体を任意に使用することができるというも
のの、表面エネルギーの低いフィルム材料、特にJIS
−K−6768において規定される手法に従って測定し
た時、20〜45dyn/cmの表面エネルギーを有して
いるフィルム材料を有利に使用することができる。かか
る支持体材料としては、例えば、ポリオレフィンフィル
ム、例えばポリプロピレンフィルム、ポリエチレンラミ
ネート紙、その他を挙げることができる。
【0031】次いで、図8(B)に示すように、用意し
た支持体5の上方に基材1を形成する。具体的には、先
に示したようなアクリル樹脂、SBR樹脂等のフィルム
形成性高分子材料の適当量を水、溶剤又はその混合物に
溶解もしくは分散した後、流延法などにより支持体の表
面に均一に塗布し、さらに乾燥する。ここで使用するフ
ィルム形成性高分子材料は、得られる基材に関して求め
られる前記した特性に加えて、そのような特性、特に1
00%モジュラスを保証するため、一般的に0℃前後の
低いガラス転移温度(Tg)を有することが好ましい。ま
た、フィルム形成性高分子材料の溶液又は分散液は、必
要に応じて、常用の添加剤を含有していてもよい。適当
な添加剤の一例を示すと、例えば、得られる基材の視認
性を向上させるための染料、顔料等の着色剤、基材の強
度を改良するための架橋剤、フィラー等の補強剤、その
他を挙げることができる。また、基材の形成を水分散液
から行う場合には、塗工状態を改良するため、増粘剤、
消泡剤、濡れ剤などを添加することが好ましい。そし
て、先にも説明したように、かかる高分子材料の塗膜
は、複数の高分子材料を混合して単層として形成しても
よく、さもなければ、同一もしくは異なる高分子材料を
使用して2層もしくはそれ以上の複合層として形成して
もよい。高分子材料の塗膜の乾燥は、いろいろな条件下
で実施することができるけれども、一般的に約60〜1
20℃の温度で行うことができ、また、この乾燥温度に
依存して乾燥時間を広範に変更することができる。高分
子材料の塗膜後、図8(B)に示すように、乾燥後の膜
厚が例えば約50μm である基材1を上面に有する支持
体5が得られる。
【0032】引き続いて、図8(C)に示すように、先
の基材形成工程で使用した支持体5を剥離することな
く、形成された基材1の上面に粘着剤を塗工して粘着剤
層2を形成する。粘着剤の塗工には、上記した基材の形
成の場合と同様、先に好ましい例を示した粘着剤を流延
法などの常用のフィルム形成技法を使用して塗布するこ
とができる。粘着剤の塗工後、得られた塗膜を乾燥し、
硬化させる。この粘着剤の塗膜の乾燥は、いろいろな条
件下で実施することができるけれども、一般的に約60
〜120℃の温度で行うことができ、また、この乾燥温
度に依存して乾燥時間を広範に変更することができる。
なお、上記した高分子材料の塗膜やこの粘着剤の塗膜の
乾燥には、常用の乾燥装置、例えば加熱オーブンなどを
有利に使用することができる。
【0033】粘着剤の塗膜が乾燥により硬化すると、図
8(D)に示すように、基材1及びその片面に付着した
粘着剤層2からなる粘着テープ10が得られる。また、
この粘着テープの形成に当たって仮の支持体として使用
した支持体5は、必要に応じて、剥離し、分離すること
が可能である。本発明による粘着テープは、例えば、そ
れをPCタイルユニットを製造する際にタイルの粗面の
保護フィルムとして使用する場合、次のような手順:タ
イルユニットの形成に必要な寸法及び数のタイルを、そ
れらのタイルの粗い表面が上方に位置するようにして、
前記ユニットに対応してそれぞれのタイルを収容可能な
空間を有するタイル収容型枠に収容すること、前記タイ
ル収容型枠の上面に、前記タイルの粗面を被覆するよう
にして、本発明の粘着テープをその粘着剤層を介して延
伸下に密着すること、前記タイルの粗面上及び相隣れる
タイル間の間隙の一部にタイル支持型形成用樹脂をその
樹脂の硬化後に前記タイルを固定的に保持するのに十分
な厚みで適用すること、上記の工程で形成されたタイル
支持型を前記タイル収容型枠から分離した後、前記タイ
ル支持型のタイルの露出した裏面及び相隣れるタイル間
の間隙にコンクリートを所定の厚さで適用すること、及
び前記コンクリートの硬化後、前記PCタイルユニット
を前記タイル支持型から分離すること、に従ってPCタ
イルユニットを有利に製造することができる。
【0034】このPCタイルユニットの製造において、
タイル支持型形成のための樹脂(以下、「型樹脂」とも
記す)としては、好ましくは、発泡硬化性樹脂、例えば
ポリウレタンフォーム、ポリスチレンフォームなどを有
利に使用することができる。ここで、発泡硬化性樹脂の
発泡の程度、含まれる気泡のサイズ(平均直径)など
は、所望とするタイル支持型の特質などのファクタに応
じて広く変更することができる。
【0035】以下、典型的なPCタイルユニットの製造
工程を図9及び図10を参照しながら説明することにす
る。第1の段階として、図9(A)に断面で示されるよ
うに、PCユニットに対応してそれぞれのタイルを収容
可能な空間を有するタイル収容型枠15を用意する。型
枠15は、通常、木製であり、しかし、必要に応じて、
プラスチック成形体、その他であってもよい。また、図
示の例ではタイル収容型枠15が4個のタイル収容空間
しか有していないけれども、これは説明の簡略化のため
に省略したものであり、本発明の実施に当たっていろい
ろなタイプのタイル収容型枠を使用し得ることが容易に
理解されるであろう。
【0036】次いで、図9(B)に示すように、タイル
ユニットの形成に必要な寸法及び数のタイル22を、そ
れらのタイルの粗い表面が上方に位置するようにして、
前記タイル収容型枠15に収容する。図示のタイル22
は、その表面に地形状の粗面を有している。タイルを型
枠に収容した後、図9(C)に示すように、その型枠1
5の上面に、タイル22の粗面を被覆するようにして、
本発明の粘着テープ10をその粘着剤層を介して、すな
わち、粘着剤層をタイル表面に当接させて、密着する。
型枠15と粘着テープ10によって囲まれた部分は、し
たがって、気密の状態となる。粘着テープの密着は、好
ましくは、それを適度に延伸した状態で行うことができ
る。本例では、粘着テープの密着及び延伸のため、型枠
15に付設した吸引装置(図示せず)により、タイル2
2の側を陰圧にし、テープ10をタイル22の側に吸引
してそのタイル表面の微細な凹凸のところまでテープが
追従して密着するようにした。
【0037】次いで、タイルを支持するためのタイル支
持型を図9(D)に示すようにして製造した。先ず、タ
イル収容型枠15にそれに対応する寸法の型樹脂(タイ
ル支持型形成用樹脂)打ち込み型枠16を載置した。型
枠16は、型枠15と同様に木製であった。そして、粘
着テープ10で覆われたタイル22の粗面及び相隣れる
タイル22間の間隙の上方に型樹脂17を流し込んだ。
ここで流し込む型樹脂の厚さは、いろいろに変更し得る
というものの、通常、その型樹脂の硬化後に型枠がなく
とも複数個のタイルを固定的に保持するのに十分な厚み
である。なお、本例では、タイル支持型形成のための型
樹脂として、液状のウレタンプレポリマーを使用し、こ
れを発泡、硬化させることによって、ポリウレタンフォ
ーム製のタイル支持型を完成した。図10(E)は、得
られたタイル支持型を型枠から取り出した後の状態を示
した断面図である。
【0038】タイル支持型の完成後、図10(F)に示
すように、そのタイル支持体型をそのタイル22の露出
した裏面が上面にくるようにして木製のコンクリート打
ち込み型枠18に収容し、そしてタイル22の露出した
裏面及び相隣れるタイル22間の間隙にコンクリート2
1を所定の厚さ(タイルユニットに求められている厚
さ)で打設する。
【0039】最後に、先の工程で型枠18に打設したコ
ンクリート21が硬化した後、その型枠を取り外し、さ
らにタイル支持型を分離すると、図10(H)に示され
るように、複数個のタイル22をその粗面を上方にして
コンクリート21で保持したPCタイルユニット20が
得られる。本発明の粘着テープは、上記したようなPC
タイルユニットの製造に有利に利用することができる。
このことは、すでに説明しているように、本発明の粘着
テープが、弱い力でも良く伸び、粗面にも良く接着し、
また、時間が経っても浮いてくることがなく、そしてタ
イルユニット表面に粘着剤を残すことなく剥離すること
ができるからである。
【0040】このような新規な構成の粘着テープは、被
着体の表面形状に追従可能であるという点でこれまでの
粘着テープには見られない優れた特性を示すため、PC
タイルユニットの製造以外の用途においても有効に使用
することができる。有効な使用例としては、表面形状が
複雑な三次元曲面を有する被着体の表面保護あるいは塗
装の際のマスキング、などが挙げられる。例えば、全体
が曲面からなる自動車タイヤの表面を保護する場合、通
常のフィルム製又は紙製の粘着テープでは、新品の自動
車タイヤ全体を粘着テープの端面をきれいに揃えなが
ら、粘着テープで包み込むことが非常に困難であったけ
れども、本発明の粘着テープでは、自動車タイヤを完全
に、仕上がりがきれいな状態で包み込むことかでき、流
通過程及び展示中の汚染を防止することができる。
【0041】
【実施例】
I.粘着テープの製造例1 100重量部のアクリルエマルジョン(AE−343、
日本合成ゴム社製)及び23重量部のアクリルエマルジ
ョン(AE−313、日本合成ゴム社製)を含む水分散
液を厚さ40μm の未処理のOPPフィルム(パイレン
フィルム P2161、東洋紡社製)上に乾燥後の膜厚
が50μm となるように塗布し、100℃で3分間にわ
たって乾燥した。透明なアクリルフィルムが得られた。
【0042】得られたアクリルフィルムを、100%モ
ジュラス(初期及び5分後)、破断強度及び伸びに関し
て下記の測定方法に従い評価した。 試料基材の調製:アクリルフィルムを被着したOPPフ
ィルムを幅約25mmで細断し、アクリルフィルムが伸び
ないように注意しながらOPPフィルムを剥離した。幅
約25mm及び長さ約100mmの短冊状試料基材が得られ
た。 100%モジュラスの測定:試料基材を、上下のチャッ
ク間隔が正確に50mmになるように調整してあるテンシ
ロン型引っ張り試験機に取り付けた。試料基材を300
mm/分の速度で引っ張り、伸びが100%(50mm)に
なったところで停止した。さらに、この100%伸びの
状態を5分間維持し、応力の緩和をチャートに記録し
た。100%延伸時の応力及び5分後の残留応力をチャ
ートより読み取り、それらの読み取り値及びフィルム厚
さから100%モジュラス(g/mm2 )を算出した。得
られた結果を下記の第1表に記載する。 破断強度(引張強度)及び伸びの測定:試料基材を、上
下のチャック間隔が正確に50mmになるように調整して
あるテンシロン型引っ張り試験機に取り付けた。この試
料基材の破断強度(kg/mm2 )及び伸び(%)をJIS
−Z−0273に規定される手法に従って測定した。得
られた結果を下記の第1表に記載する。
【0043】次いで、先の工程で製造したアクリルフィ
ルムを被着したままのOPPフィルムに、100重量部
のアクリルエマルジョン系粘着剤(SKダイン RE−
300、綜研化学社製)及び1.5重量部のポリエポキ
シ系架橋剤(E−5C、綜研化学社製)を含む水分散液
を乾燥後の膜厚が35μm となるように直接に塗布し、
100℃で3分間にわたって乾燥した。次いで、このよ
うにして得られた粘着剤層含有OPPフィルムを片面に
のみシリコーン処理を施した両面ポリエチレンラミネー
ト紙からなるライナーに貼り合わせた後、OPPフィル
ムをていねいに剥離した。所望とする粘着テープが得ら
れた。
【0044】得られた粘着テープをその接着力(g/2
5mm)に関して測定した。厚さ25μm のポリエステル
フィルムを基材とした粘着テープ(スコッチTM#75
4、住友スリーエム社製)を上記の粘着テープの背面に
貼り付け、伸びないように補強した。次いで、この補強
粘着テープを幅約25mmで細断した。幅約25mm及び長
さ約100mmの短冊状供試テープが得られた。測定方法
は、JIS−Z−0273に規定される手法に準じた。
得られた結果を下記の第1表に記載する。例2〜例11 前記例1に記載の手法を繰り返した。しかし、本例で
は、それぞれ、以下に記載するような基材及び粘着剤を
使用した。なお、アクリル系粘着剤は、前記例1におい
て使用したものに同じである。
【0045】また、例11では、基材の片面(粘着剤層
とは反対の側)に有機中空粒子層を形成するため、10
0重量部のアクリルエマルジョン(AE−343、日本
合成ゴム社製)及び145重量部の有機中空粒子の水分
散体(ローペイクOP−62、ローム・アンド・ハース
社製)を含む水分散液を乾燥後の膜厚が1μm となるよ
うにマイヤーバーを用いて塗布し、100℃で3分間に
わたって乾燥した。 基材(品名) 樹脂のタイプ 粘着剤のタイプ 2 AE343 アクリル樹脂 アクリル系 3 JSR0598 SBR樹脂 合成ゴム系 4 Nipol ZLX−B NBR樹脂 合成ゴム系 5 W−2510 酢酸ビニル樹脂 アクリル系 6 モビニール 184E EVA樹脂 合成ゴム系 7 Croslene 2M-36 MBR樹脂 アクリル系 8 CR115 クロロプレンゴム アクリル系 9 MG−25 MMA−NR樹脂 アクリル系 10 AE343/AE315 アクリル樹脂 合成ゴム系11 AE343/AE315 アクリル樹脂 アクリル系 ここで、合成ゴム系粘着剤としては、次のような配合の
ものを使用した。
【0046】 合成ゴム カリフレックスTR1107P 80重量部 (シエル化学社製) 粘着付与剤 ウィングタック プラス 20重量部 (グッドイヤー社製) 老化防止剤 イルガノックス1076 1重量部 (日本チバ・ガイギー社製) 溶剤 トルエン 200重量部 溶剤 イソプロピルアルコール 50重量部 また、基材の入手先は、それぞれ、以下に列挙する通り
である。 基材(品名) 入手先 JSR0598 日本合成ゴム株式会社 Nipol ZLX−B 日本ゼオン株式会社 W−2510 大日本インキ化学工業株式会社 モビニール 184E ヘキスト合成株式会社 Croslene 2M-36 武田薬品工業株式会社 CR115 昭和電工−デュポン株式会社 MG−25 葵ラバー株式会社 得られた結果を下記の第1表に記載する。比較例1〜比較例5 前記例1に記載の手法を繰り返した。しかし、本例で
は、比較のため、それぞれ、以下に記載するような基材
及び粘着剤を使用した。比較例 基材(品名) 樹脂のタイプ 粘着剤のタイプ 1 AE315 アクリル樹脂 アクリル系 2 V401S EVA樹脂 合成ゴム系 3 57L VLPE樹脂 合成ゴム系 4 ラプレーズU ポリウレタン樹脂 アクリル系 5 DUS214CDB ポリウレタン樹脂 アクリル系 また、基材の入手先は、それぞれ、以下に列挙する通り
である。 基材(品名) 入手先 V401S 三菱化学株式会社 57L 三菱化学株式会社 ラプレーズU 東燃化学株式会社 DUS214CDB シーダム株式会社 得られた結果を次の第1表に記載する。 第1表 100%モジュラス * 破断強度 伸び 接着力 例番号 初期 5分後 (kg/mm2 (%) (g/25mm) 例1 267 40 0.68 324 353 例2 89 24 0.49 408 300 例3 234 63 0.72 447 800 例4 93 42 0.20 573 1000 例5 437 79 0.90 245 365 例6 274 74 1.08 416 1250 例7 85 33 0.20 612 200 例8 49 16 0.15 597 175 例9 167 97 0.76 467 250 例10 267 40 0.68 324 975 例11 263 44 0.58 296 325 比較例1 1707 190 2.07 125 405 比較例2 557 365 2.21 508 900 比較例3 774 537 2.50 627 300 比較例4 464 302 2.55 501 285 比較例5 527 347 2.55 624 250 * 100%モジュラス(g/mm2 ) II.PCタイルユニットの製造 前記例1〜例11ならびに前記比較例1〜比較例5にお
いて製造した粘着テープを使用して、図9及び図10を
参照して説明した手法に従ってPCタイルユニットを製
造した。得られたPCタイルユニットのそれぞれをテー
プの裂け、テープの浮き、コンクリート面での粘着剤の
残り、そしてポリウレタンフォームの密着性に関して評
価した。得られた評価結果を次の第2表に記載する。 第2表 コンクリート面 ウレタンフォーム 例番号 テープの裂け テープの浮き の粘着剤の残り の密着性 例1 なし なし なし 良 例2 なし なし なし 良 例3 なし なし なし 良 例4 なし なし なし 良 例5 なし なし なし 良 例6 なし なし なし 良 例7 なし なし なし 良 例8 なし なし なし 良 例9 なし なし なし 良 例10 なし なし なし 良 例11 なし なし なし 優良 比較例1 あり あり なし 良 比較例2 なし あり あり 良 比較例3 なし あり あり 不可 比較例4 なし あり あり 良 比較例5 なし あり あり 可
【0047】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、薄膜であるにもかかわらず引き裂けることなく容易
に延伸可能でありかつ保護フィルムとして有用な粘着テ
ープを提供することができる。また、この粘着テープ
は、被着体の表面に凹凸や段差等があっても、それらの
粗面に対して十分に大きな粘着力でもって付着させるこ
とができる一方で、被着体からの剥離時には、粘着剤層
を少しも残すことなく容易に剥離可能である。さらに、
本発明の粘着テープは、その基材を特定の材料から構成
したので、引き裂けに対する十分な強度及び強アルカリ
性の水溶液に対する十分な耐性を保証することができ
る。また、かかる粘着テープは、本発明の方法を使用す
ることにより、簡単かつ容易に製造することができ、歩
留りも良好である。さらに、本発明の粘着テープは、い
かなる複雑な形状のものに適用しても、その物品の表面
保護フィルムとして有効に機能することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による粘着テープの好ましい1態様を示
した断面図である。
【図2】本発明による粘着テープのもう1つの好ましい
態様を示した断面図である。
【図3】本発明による粘着テープのもう1つの好ましい
態様を示した断面図である。
【図4】本発明による粘着テープのさらにもう1つの好
ましい態様を示した断面図である。
【図5】図1に示した粘着テープの1変形例を示した断
面図である。
【図6】本発明の粘着テープを使用して製造されたPC
タイルユニットの断面図である。
【図7】本発明の粘着テープを保護フィルムとして有す
る自動車タイヤの断面図である。
【図8】図1に示した粘着テープの製造工程を順を追っ
て示した断面図である。
【図9】図6に示したPCタイルユニットの製造工程
(前半部分)を順を追って示した断面図である。
【図10】図6に示したPCタイルユニットの製造工程
(図9の工程に続く後半部分)を順を追って示した断面
図である。
【符号の説明】
1…基材 2…粘着剤層 3…有機中空粒子層 4…保護フィルム 5…剥離可能な支持体 10…粘着テープ 11…粘着テープ 12…粘着テープ 15…タイル収容型枠 16…型樹脂打ち込み型枠 17…タイル支持型形成用樹脂(型樹脂) 18…コンクリート打ち込み型枠 20…PCタイルユニット 21…コンクリート 22…タイル 30…タイヤ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中嶋 智史 神奈川県相模原市南橋本3−8−8 住友 スリーエム株式会社内 (72)発明者 中村 達也 神奈川県相模原市南橋本3−8−8 住友 スリーエム株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材とその少なくとも片面に施された粘
    着剤層とを含む粘着テープであって、前記基材が、天然
    もしくは合成のフィルム形成性高分子材料を水又は溶剤
    に溶解もしくは分散せしめた溶液又は分散液から形成さ
    れたものであり、そして、その基材を100%延伸した
    時、10〜700g/mm2 の応力を有しかつ、この10
    0%延伸の状態を5分間保持した後、300g/mm2
    下の残留応力を有することを特徴とする粘着テープ。
  2. 【請求項2】 前記基材が、0.08〜10.0kg/mm
    2 の破断強度を有することを特徴とする、請求項1に記
    載の粘着テープ。
  3. 【請求項3】 10〜500μm の厚さを有することを
    特徴とする、請求項1又は2に記載の粘着テープ。
  4. 【請求項4】 前記粘着剤層が前記基材の片面に施され
    ている時、その基材の前記粘着剤層とは反対側の面に有
    機中空粒子層が施されていることを特徴とする、請求項
    1〜3のいずれか1項に記載の粘着テープ。
  5. 【請求項5】 基材とその少なくとも片面に施された粘
    着剤層とを含む粘着テープを製造する方法であって、下
    記の工程:天然もしくは合成のフィルム形成性高分子材
    料を水又は溶剤に溶解もしくは分散せしめた溶液又は分
    散液を、その溶液又は分散液から形成されたフィルムを
    そのフィルムの成膜後に剥離可能な、JIS−K−67
    68において規定される手法に従って測定した時に20
    〜45dyn/cmの表面エネルギーを有している支持体
    に塗布すること、及び前記フィルムの乾燥後、基材とし
    てのそのフィルムの表面に粘着剤を塗布して乾燥するこ
    と、を含んでなることを特徴とする、粘着テープの製造
    方法。
  6. 【請求項6】 前記基材がその粘着剤層とは反対側の面
    に有機中空粒子層を有するものであり、そして、前記有
    機中空粒子層を形成するため、前記フィルム形成性高分
    子材料の溶液又は分散液を前記基材に塗布する前、前記
    有機中空粒子層形成性の材料を前記基材に塗布して乾燥
    することを特徴とする、請求項5に記載の粘着テープの
    製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の粘
    着テープがその粘着剤層を介して下地の物品を被覆して
    いることを特徴とする、表面保護された物品。
  8. 【請求項8】 前記物品が粗面体でありかつその表面に
    その表面の粗面状態に適合して前記粘着テープが延伸下
    に密着せしめられていることを特徴とする、請求項7に
    記載の表面保護された物品。
  9. 【請求項9】 前記物品がプレキャストタイルのユニッ
    トでありかつ、その製造時、前記粘着テープがタイルの
    粗面を保護していることを特徴とする、請求項8に記載
    の表面保護された物品。
  10. 【請求項10】 前記物品が自動車タイヤでありかつ前
    記粘着テープがタイヤの粗面を保護していることを特徴
    とする、請求項8に記載の表面保護された物品。
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