JPH0820752A - アプリケーションシート付き粘着シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 施工現場でのアプリケーションシートの貼り
付け作業や剥離紙の剥離作業を必要とせず、施工性にす
ぐれたアプリケーションシート付き粘着シートを提供す
る。 【構成】 着色基材シート２の片面にアクリル系粘着剤
層３が設けられてなる粘着シート１の他の面に、合成樹
脂シートの片面が剥離処理され他の面にアクリル系弱粘
着剤層６が設けられてなるアプリケーションシート４が
該弱粘着剤層６により積層されてなり、上記アクリル系
粘着剤層３の粘着力よりも弱粘着剤層６の粘着力が弱く
なされている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、着色、装飾、表示等の
目的で、特に広面積の被着体に用いて好適なアプリケー
ションシート付き粘着シートに関する。

【０００２】

【従来の技術】片面に粘着剤層が設けられた着色シート
を図形状に切り抜いて、装飾や表示の目的で看板や壁等
に貼り付けることが行われている。このように図形状に
切り抜いた着色シートを被着体に貼り付けるには、上記
粘着剤層の粘着力よりも弱い粘着力の粘着剤層を設けた
アプリケーションシートを図形状の着色シート上から仮
接着し、これを被着体に貼り付けた後、該アプリケーシ
ョンシートを剥離除去することが行われる（例えば特開
平２−１６１７７号公報参照）。

【０００３】上記アプリケーションシートは図形状に切
り抜いた着色シートだけでなく、広面積の着色シートを
例えば看板の下地として貼り付ける場合にも使用され
る。これは施工中に着色シートが伸びたり、しわが発生
するのを防止し、且つ、正確に位置決めするためであ
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記公報記載のように
アプリケーションシートを用いて１枚の着色シートを看
板の下地や壁全体のような広面積に貼り付ける（以下
「べた貼り」という）には、かなり広面積の着色シート
と、それを覆うだけのアプリケーションシートが必要で
あり、施工にあたり着色シートの粘着剤層に積層されて
いる剥離紙の剥離作業の他に、広面積のアプリケーショ
ンシートを着色シートに貼り付ける作業も必要である。

【０００５】本発明は上記従来の問題点を解消し、施工
現場でのアプリケーションシートの貼り付け作業や剥離
紙の剥離作業を必要とせず、施工性にすぐれたアプリケ
ーションシート付き粘着シートを提供することを目的と
する。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明アプリケーション
シート付き粘着シートは、着色基材シートの片面に粘着
剤層が設けられてなる粘着シートの他の面に、合成樹脂
シートの片面が剥離処理され他の面に弱粘着剤層が設け
られてなるアプリケーションシートが該弱粘着剤層によ
り積層されてなり、上記粘着剤層の粘着力よりも弱粘着
剤層の粘着力が弱いことを特徴とするものである。

【０００７】着色基材シートは、塩化ビニル樹脂に顔料
その他添加剤を混合した組成物をカレンダー法やキャス
ティング法によりシート状に成形されたものである。該
着色基材シートの片面に設けられる粘着剤層は特に限定
されないが、耐候性、耐油性等にすぐれたアクリル系粘
着剤が好ましい。上記着色基材シートの片面に粘着剤層
が設けられてなる粘着シートは、その粘着剤層面が一旦
剥離紙に積層されたものとして準備される。

【０００８】アプリケーションシートとして用いられる
合成樹脂シートは、ポリエステル、延伸ポリプロピレン
等の熱可塑性樹脂からなるシートであり、粘着シートの
支持体としてある程度腰の強いものが好ましい。剥離処
理としては、シリコーン系、非シリコーン系等の剥離剤
で一般の粘着テープに使用されているものが使用でき
る。又、被着体への貼り付け作業や位置決め作業をし易
くするため、透明性を有するものが好ましく、着色され
ていてもよい。

【０００９】アプリケーションシートに設けられる弱粘
着剤層も特に限定されないが、この粘着力は前記粘着シ
ートの粘着剤層の剥離紙に対する粘着力よりも強いが、
粘着シートの粘着剤層の被着体に対する粘着力よりも弱
いものである。この理由は、剥離紙に積層された粘着シ
ートにアプリケーションシートの弱粘着剤層面を積層
し、アプリケーションシートとともに粘着シートを剥離
紙から剥離するためと、粘着シートを被着体に貼り付け
た後、アプリケーションシートだけを剥離するためであ
る。

【００１０】剥離紙に積層された粘着シートにアプリケ
ーションシートの弱粘着剤層面を積層してアプリケーシ
ョンシートとともに粘着シートを剥離紙から剥離したも
のは、該アプリケーションシートの他の面が剥離処理さ
れているので、粘着剤層を内側にして巻芯に巻き付け、
又は巻芯を用いずに巻いて施工現場へ運び、そのまゝ展
開して使用できる。従って、粘着シートに剥離紙がない
ので、従来のように施工現場で剥離紙を剥離する必要が
なく、従来行われていたような施工時や施工後に散乱し
た剥離紙の始末も不要である。

【００１１】本発明アプリケーションシート付き粘着シ
ートは、着色基材シートを図形状に切り抜かず、製造さ
れた着色基材シート原形のものに対して用いることがで
きるが、特に広面積の着色シートに対して用いるとその
効果は顕著である。

【００１２】本発明のアプリケーションシート付き粘着
シートを用いて施工するには、被着体に対して位置決め
を行い、粘着シートと被着体との間の空気を排除しなが
ら粘着シートを貼り付け、その後アプリケーションシー
トだけを剥離する。被着体よりも粘着シートが大きすぎ
たり、粘着シートの存在が不要な箇所があれば、被着体
に貼り付ける前にその部分をアプリケーションシートと
ともに切り除き、その後貼り付け作業を行えばよい。

【００１３】本発明アプリケーションシート付き粘着シ
ートは、建築物の内装や外装、看板やショーウインド
ウ、車両の車体等に広く適用可能である。

【００１４】

【作用】本発明のアプリケーションシート付き粘着シー
トは、弱粘着剤層とは反対面が剥離処理されているの
で、粘着剤層を内側にして巻芯に巻き付け、又は巻芯を
用いずに巻いて施工現場へ運び、そのまゝ展開して使用
できる。従って、粘着シートに剥離紙がないので、従来
のように施工現場で剥離紙を剥離する必要がない。その
ため施工後に散乱した剥離紙の始末も不要である。

【００１５】被着体に対して位置決めの後、粘着シート
を貼り付け、その後アプリケーションシートだけを剥離
すると被着体へ貼り付けられる。被着体よりも粘着シー
トが大きすぎたり、粘着シートの存在が不要な箇所があ
れば、被着体に貼り付ける前にその部分をアプリケーシ
ョンシートとともに切り除いた後貼り付けできる。

【００１６】又、剥離紙を用いていないため、ロール状
の巻物としても剥離紙の背面が着色基材シートに触れる
ことにより生ずる白化現象が起こらない。

【００１７】

【実施例】次に本発明アプリケーションシート付き粘着
シートの実施例を図面を参照して説明する。 （実施例）図１は本発明アプリケーションシート付き粘
着シートの実施例を示す断面図である。１は粘着シート
であり、カレンダー法により成形した厚み７０μｍの着
色基材シート２の片面に厚み３０μｍのアクリル系粘着
剤層３が設けられてなる。

【００１８】４はアプリケーションシートで厚み５０μ
ｍの延伸ポリプロピレンフィルム５の片面はシリコーン
剥離処理面５１となされている。該アプリケーションシ
ート４の他の面に上記粘着シート１のアクリル系粘着剤
層３の粘着力よりも弱い粘着力を有するアクリル系弱粘
着剤層６が厚み１５μｍで設けられ、該弱粘着剤層６面
が上記着色基材シート２上に積層されてなる。

【００１９】上記着色基材シート２の粘着剤層３は、ア
クリル系粘着剤に架橋剤１．５重量部を加えて均一分散
するように攪拌したものを着色基材シート２に塗布・乾
燥したものである。又、アプリケーションシート４の弱
粘着剤層６は、アクリル系粘着剤に架橋剤０．４重量部
を加えて均一分散するように攪拌したものを塗布・乾燥
したものである。

【００２０】このような弱粘着剤層６の着色基材シート
に対する粘着力は、着色基材シートに設けられた粘着剤
層３の被着体に対する粘着力よりも弱いものである。

【００２１】上記アプリケーションシート付き粘着シー
トを、１ｍ×１．５ｍのアクリル樹脂板よりもやや大き
めに切り取り、該アクリル樹脂板にベタ貼りした。作業
は一人で楽にでき、仕上がりもよく、短時間で貼り付け
作業は完了し、剥離紙を用いていないので跡始末は全く
なかった。

【００２２】（比較例１）実施例で用いたものと同じ粘
着シートの粘着剤層に剥離紙を積層し、アプリケーショ
ンシートを用いず、剥離紙を剥離しながら実施例で用い
たアクリル樹脂板にベタ貼りを行った。アプリケーショ
ンシートを貼り付ける作業はないが、剥離紙の剥離作業
が面倒で一人で作業することは困難であった。又、貼り
付け作業中に着色基材シートが伸びるので作業性が非常
に悪く、しわができて仕上がりも良くなかった。更に、
着色基材シートと同面積の剥離紙が廃材として生じた。

【００２３】（比較例２）実施例で用いたものと同じ粘
着シートの粘着剤層に剥離紙を積層し、現場でアプリケ
ーションシートを積層し、その後剥離紙を剥がしながら
実施例と同様にしてアクリル樹脂板にベタ貼りを行っ
た。この場合、アプリケーションシートを使用したので
着色基材シートが伸びたりすることがないので貼り付け
作業はし易く、仕上がりも綺麗であるが、広面積である
ためアプリケーションシートの積層作業は困難で時間を
要した。又、剥離紙の剥離作業も面倒で一人で作業する
ことは困難であった。ここでも剥離紙が廃材として残っ
た。

【００２４】

【発明の効果】本発明は以上の構成であり、予め粘着シ
ートにアプリケーションシートが積層されているので、
施工現場でのアプリケーションシートの貼り付け作業が
不要である。又、被着体に対して位置決めの後、粘着シ
ートを貼り付け、その後アプリケーションシートだけを
剥離すると被着体へ貼り付けることが完了する。

【００２５】このため、特に広面積の被着体に広面積の
粘着シートを貼り付ける場合、非常に能率的に作業で
き、しかも仕上がりのよいものとすることができる。
又、粘着シートに剥離紙を用いないので、剥離紙の剥離
作業を必要とせず、剥離紙の始末も不要であり、従来よ
りも遙かに施工性にすぐれたものである。

【００２６】更に、剥離紙を用いないため、粘着シート
表面に白化現象やくもりを生ずることがなく、商品価値
を高く維持することができる。

【００２７】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明アプリケーションシート付き粘着シート
の実施例を示す断面図。

【符号の説明】

１：粘着シート ２：着色基材シート ３：アクリル系粘着剤層 ４：アプリケーションシート ５：ポリプロピレンフィルム ６：アクリル系弱粘着剤層

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 着色基材シートの片面に粘着剤層が設け
   られてなる粘着シートの他の面に、合成樹脂シートの片
   面が剥離処理され他の面に弱粘着剤層が設けられてなる
   アプリケーションシートが該弱粘着剤層により積層され
   てなり、上記粘着剤層の粘着力よりも弱粘着剤層の粘着
   力が弱いことを特徴とするアプリケーションシート付き
   粘着シート。