JPH09252651A - 植物栽培用led光源および個別led光源装着型植物培養容器 - Google Patents

植物栽培用led光源および個別led光源装着型植物培養容器

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JPH09252651A
JPH09252651A JP8070239A JP7023996A JPH09252651A JP H09252651 A JPH09252651 A JP H09252651A JP 8070239 A JP8070239 A JP 8070239A JP 7023996 A JP7023996 A JP 7023996A JP H09252651 A JPH09252651 A JP H09252651A
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JP
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light source
led
culture container
plant
container
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JP8070239A
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Inventor
Kensei Okamoto
研正 岡本
Michio Tanaka
道男 田中
Yoshimi Makino
好美 牧野
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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  • Cultivation Of Plants (AREA)
  • Cultivation Receptacles Or Flower-Pots, Or Pots For Seedlings (AREA)
  • Led Device Packages (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は透光性でかつ通気性を有する一方、
水分や雑菌等は通さないという特殊な性質を有する樹脂
フィルムで容器の一部ないしは全体を囲ったマイクロプ
ロパゲーション用培養容器や、ガラスまたはプラスチッ
ク等の樹脂からなる通常の培養容器に、赤色発光ダイオ
ード単独またはこれと青色発光ダイオードの両方を含む
発光ダイオード(LED)アレー(配列)からなる人工
光源を装着して一体化することにより、外部光源不要と
いう従来のものにはない特徴を有する、きわめて簡便か
つ小型・軽量、安価で、しかも量産可能な新型培養容器
に関する。 【解決手段】 赤色LED単独又は赤色LEDと青色L
EDの両方を含むLED素子を基板等に配列し、これを
培養容器の蓋に取り付け可能とした植物栽培用人工光
源。また、LED光源を装着した蓋と容器本体からなる
個別LED光源装着型植物培養容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人工光源による植
物栽培や植物組織培養での使用を目的とする、安価かつ
簡便なるまったく新しいタイプの栽培(培養)容器に関
するものである。本発明による栽培(培養)容器は、農
学や農業における植物栽培や植物組織培養、医学、薬
学、生化学、食品科学などにおけるバイオ実験などで利
用できる。また、家庭内菜園や卓上菜園、さらにはイン
テリアとしての応用も考えられ、コンシューマ・プロダ
クト(民生用商品)としての新規なる事業の可能性に満
ちたものである。本発明の先端技術的な利用としては、
宇宙ステーション内での食用作物栽培が考えられる。
【0002】
【従来の技術】透明容器を用いた培養は以前から植物組
織培養等で広く行われていたが、マイクロプロパゲーシ
ョン(組織培養にエリート個体のクローン苗の大量増
殖)では容器への雑菌の混入が苗条(シュート)の生育
に致命的な影響を及ぼすことが問題であった。これを解
決する目的で、本発明者の一人である田中道男らは、培
養器内部と養液栽培用のロックウール(輝緑石や製鉄の
際に出るスラッジ等から作った繊維状支持体)を通気性
のあるフッ素溶融樹脂透明フィルムで加熱圧着密封する
とともに、実用的な工夫を凝らした培養器を開発した。
(特願昭63−36396)。その後、田中道男と香川
県善通寺市の(有)バイオ・Uは、この培養器を改造
し、プラスチックフレームで全体を補強するとともに蓋
部と本体を分離し、双方を発泡シリコンパッキングや固
定レバーなどで迅速、簡単に結合・脱着ができる新型培
養器を開発した。新型培養器は、現時点ではまだ広く利
用されるには至っていないが、田中道男はこれを用いて
ラン苗やその他の園芸植物等のマイクロプロパゲーショ
ンを試み、すでに実験に成功している。これにより新型
培養器は、目下、国内外の業界・学会から注目を浴びて
いる。現在、(有)バイオ・Uは、この新型培養器の人
工光源として植物育成用蛍光灯ランプを用い、他に先駆
けてラン苗の大量栽培を実施している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】新型培養器を使用した
マイクロプロパゲーションは、革命的な栽培方法である
が、この方法には、従来、次のような問題点がある。 (1)光源に植物育成用蛍光灯ランプを使っている。こ
のランプはフィラメント型ランプに比べて電力効率が良
く発熱も少ないが、光源が大型であること、ランプ管自
身の発熱や、電気回路上ランプ一本につき一個必要な安
定器(鉄心入りコイル)の発する熱は少なくなく、栽培
空間の大型化とあわせて空調に相当な電力を要する。ま
た、蛍光灯ランプでは、光はランプ軸に垂直な全方向に
放射されるため、その真下にある栽培(培養)物への照
射効率は悪く、しかも、光照射強度はランプからの距離
の自乗に反比例して弱くなる。このため、実際には蛍光
灯ランプの全体的光利用効率はあまり良くない。
【0004】(2)植物育成用蛍光灯ランプは、通常の
白色蛍光灯ランプや昼光色蛍光灯ランプに比べて植物育
成に必要な光波長成分(とくに青色領域と赤色領域)を
より多く放射するように作られたものであるが、植物成
長にあまり寄与しない光成分も多い。 (3)容器は柵に置かれ、各柵の天井部に置かれた蛍光
灯で照射しているので、容器を重ね置きすることができ
ない。このため、栽培空間の利用効率が悪い。
【0005】(4)蛍光灯ランプの寿命は数千時間程度
であり、長期的に光照度を一定に保つのは難しい。ま
た、膨大な数の蛍光灯ランプの取替え等の保守、管理は
大変でありコストもかかる。 (5)通常の蛍光灯回路ではランプの放射光度を自由に
制御することは困難である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、発光ダイ
オードからなる光源を容器に装着することによってかか
る問題の解決に成功した。即ち本発明は、発光ダイオー
ド(以下LEDと略す)素子を有し、植物培養容器の蓋
部に装着しうる様に構成された植物栽培用LED光源、
および容器本体と蓋からなる培養容器であって、蓋部分
に、発光ダイオード(以下LEDと略す)からなる光源
が装着されていることを特徴とする個別LED光源装着
型植物培養容器に存する。
【0007】以下、本発明を説明する。本発明の培養容
器は容器本体と蓋から構成される。容器の材質は、特に
限定されるものではなく、この種容器に使用されるガラ
ス、プラスチック等の各種材料が使用出来るが、容器本
体は、少なくともその一部が通気性素材で形成されてい
るか、通気性を確保するための構造を有している必要が
ある。容器の大きさ、形状も、特に限定されるものでな
く取り扱い便利なものであればよい。好ましくは、素材
として光透過性、保湿性、耐久・耐薬品性、高いガス透
過性を有する樹脂フィルムを容器の一部または全体に用
いた容器である。容器全体にフィルムを用いる場合はプ
ラスチック、木、金属等のフレームで補強する。
【0008】光源に使用される赤色LEDとしては、波
長領域630nm−680nm、好ましくは発光ピーク
波長660nm付近のもの、青色LEDとしては波長領
域380nm−480nm、好ましくは発光ピーク波長
450nm付近のものが用いられる。青色LEDは光量
で赤色LEDの50%以下の割合となる様に用いられ
る。LEDは赤色および青色を混合使用するが、植物に
よっては、赤色単独を用いても良い。LED光源は、蓋
内部に取り付けてもよく、あるいは、光透過性素材で形
成された蓋に重ねて装着しても良い。また、LED素子
を配置した基板からなる光源をそのまま容器の蓋とする
事も可能である。蓋と本体は独立させ、例えばゴムパッ
キングと固定レバー等により簡単に密封連結、分離出来
る様にすることが好ましい。蓋と容器本体を独立させる
ことにより、光源部分以外の容器に容易に加熱、滅菌す
ることができる。また、必要に応じ、容器内に雑菌が混
入するのを避けるため、容器本体の開口部は、樹脂フィ
ルム等の光透過性素材で覆うことがこのましい。培養容
器内には、培地、培養液が収容されている。以下に好ま
しい実施態様を説明する。
【0009】1.光源 植物生長に不可欠な光放射源として、発光ダイオード
(Light Emitting Diode,通称L
ED、以下LEDと記す)、とくに、わずか数ミリアン
ペア(mA)の電流で目も眩むような明るい光を放つ最
新型の超高輝度LEDを採用した。これは次のような理
由からである。
【0010】(1)LED(図1)は、通常のものでも
素子1個の大きさが直径5mm、長さ7〜8mm、重さ
0.3gと豆粒のように小さく軽いが、この十年余りの
間に急速なテンポで開発され市場に登場した超高輝度L
EDの場合、20mAの直流定格電流(所要入力電圧
1.8〜3.6V)で光度数カンデラ(cd)、光出力
数ミリワット(mW)と従来のLEDに比べておよそ1
00倍も明るい光を放つ。
【0011】(2)LEDは、元来、光ディスプレイ素
子(光表示素子)として開発され、現在、各種電気機器
のパネル表示や電光掲示板など、広く使用されている
が、超高輝度LEDの場合、複数個の素子を二次元的に
近接配列すれば照明用光源としても利用できる。 (3)LEDの寿命は数万時間と、電熱型ランプ(電
球)はいうまでもなく、蛍光灯ランプに比べても十倍以
上も長寿命である。
【0012】(4)LEDは電熱型ランプや蛍光灯など
の通常の発光体と違って、分光スペクトルにおける発光
波長帯域が極めて狭く単色光に近い美しい純色光を発す
る。 (5)半導体発光チップ(0.3mm角程度ときわめて
小さい)全体と2本の電流端子は、硬質エポキシ樹脂等
の非常に硬いプラスチックレンズでおおわれている(図
1)ので、通常の使用において割れることはなく、衝撃
や振動に対してきわめて堅牢であり、また、湿気にも強
い。
【0013】(6)LEDの光放射は適度な指向性(図
1)を有するので、効率良く対象物を照射することがで
きる。また、光の照度は光源からの距離の自乗に反比例
するという、いわゆる光の逆自乗法則の作用が小さいた
め、対象物を光源から遠ざけても照度はさほど低下しな
い。 (7)LEDの光放射は物質内部での電子発光によるも
のであり、熱の発生はきわめて小さい。このため、栽培
中に植物が成長して背丈が伸び、葉や茎がLEDに直接
触れても焼けたりすることはない。
【0014】(8)LEDは定格電流(通常20mA)
以下では入力電流と放射光強度がほぼ比例するので、照
射光強度を電流によって自由かつ定量的に制御できる。 (9)LEDは百万個単位で大量生産される商品であ
り、開発直後はともかく最終的には1個数十円〜百円程
度の低価格になる。 上記(1)から(9)に列挙したLEDの数々の特長に
加えて、次に述べる理由から、本発明の植物培養器のL
ED光源は、発光ピーク波長が660ナノメータ(n
m)付近の超高輝度赤色LEDと、発光ピーク波長が4
50nm付近の超高輝度青色LEDの両方を混合使用し
た。
【0015】(10)植物の光合成において中心的な役
割を担う葉緑素(クロロフィル)は、光を一様に吸収す
るのではなく、赤色660nm付近と青色450nm付
近に明確な吸収ピークを示す(図2)。これに関係して
光合成の波長特性は、660nm付近に第一ピークを、
450nm付近に第二のピークを有する。この450n
m付近の青色光は植物の高エネルギー反応系と呼ばれる
光反応系にも影響を及ぼし、植物の健全な形態形成に必
要不可欠である。
【0016】(11)波長660nmの赤色LEDは、
可視光LED中最も多く生産されており、また、高輝度
化が最も進んでいる。現在、最高光度10cdクラスの
ものが開発されている。 (12)高輝度の青色LEDについては、1993年ま
で光エレクトロニクスの業界・学界ではそのデビューは
21世紀になるだろうと言われていた程、製造が難しか
った。ところが、1993年、日亜化学工業は世界で初
めて、それも商品レベルで光度1cd(現在2cd)と
従来の青色LEDと比べて100倍も明るく、しかも発
光波長が450nmと最も短波長の超高輝度青色LED
を開発し、直ちに商品化した。
【0017】(13)本発明者の一人である岡本研正
は、超高輝度赤色LEDの発光波長660nmと超高輝
度青色LEDの発光波長450nmが、植物の光合成や
生長に最も有効に寄与する赤色光および青色光のそれと
同じであるという偶然性に着目。直ちに赤色LED(3
cd、直径5mm、シャープ製)88個と青色LED
(1cd、直径5mm、日亜化学工業製)88個を一枚
のプリント基板上に均等に配置・実装した面状光源を製
作して植物(レタス苗)の栽培を試み、1994年7
月、これに成功。赤色と青色のLEDだけで、しかも、
わずか7ワットの光源消費電力で健全な植物苗が育つこ
とを世界で初めて発表した(1994年10月刊行、平
成6年度電気関係学会四国支部連合大会講演論文集p.
109、岡本研正、柳智博著「青色/赤色超高輝度発光
ダイオードを用いた植物育成用光源の開発」)。その後
の実験で、ホウレンソウなどの野菜も赤/青LEDで生
育することも確かめられた。
【0018】上記(10)〜(13)から、超高輝度の
赤色LEDと青色LEDの混合から成る植物栽培用光源
は、光スペクトルの利用効率が非常に高く、光のムダが
少ないことが分かる。図2に本発明で使用した赤色LE
D(東芝TLRA120、広角放射タイプ)と青色LE
D(日亜化学工業NLPB520、広角放射タイプ)の
発光スペクトルを示す。
【0019】2.光源の装着 光源の種類が何であれ、従来のガラス製や樹脂製の培養
容器を用いた培養では、光源の下方に培養容器を一次元
的または二次元的に置くのが当然であり、三次元的に重
ねて置くことは不可能であった。また、培養柵における
光照度の分布や偏りははなはだしく、真に有効な培養エ
リアは限定される。そこで、小型、軽量、堅牢、長寿命
で、しかも発熱がほとんどなく低電力で駆動できる(従
って細く軽い電気コードで給電が可能)というLED光
源の特長に着眼し、本発明では、LED光源を培養器の
蓋に直接装着したタイプの容器、ならびに、培養容器の
蓋の上部に重ねて赤色LEDと青色LEDの混合光源を
実装したタイプの小型、軽量かつ簡便な独立型培養容器
を考案した。このようなLED光源装着型培養容器は重
ね置きが可能であるという、従来のものにはないきわめ
て実用的な特長を持つものである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例により、よ
り具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限
り以下の例に限定されるものではない。 (1)赤色LED8と青色LED9を1枚のプリント基
板(10cm×10cm、厚み1.6mm)上に配置
し、これを図3(a)のように培養容器の蓋7(11c
m×11cm、高さ17mm)に取り付けて、蓋そのも
のを光源とした(以下これをLED CAP〈レッド・
キャップ〉と呼ぶ)。容器全体は図3(b)に示す形状
で、プラスチックフレーム13と通気性且つ透明な樹脂
フィルム14で構成され、内部にロックウール培地15
が収容されており、固定レバー16により蓋7を装着す
ることができる。LED CAP自体の重量は100
g、LED CAPを装着した場合のロックウールを含
む全体(水、培養液は除く)の重量は200gと軽い。
なお、LED CAPをつけても全体のサイズは、縦1
1cm×横11cm×高さ14cmと元のままである。
【0021】(2)LED CAP17は、図4のよう
に別の培養容器29の蓋部に重ねて使用することもでき
る。この場合、LED CAP光源と容器の結合、脱着
はきわめて簡便である。 (3)このように容器とLED CAPを一体化するこ
とにより、蛍光灯のような外部光源は不要となる。それ
故、図5のように培養容器の重ね置きが可能となり、栽
培空間を三次元的に完全に利用することができる。図6
は蛍光灯を光源とする従来の栽培方法であり、培養容器
の重ね置きはできない。
【0022】(4)赤色LEDと青色LEDの回路接続
は、前者の最適動作電圧が1.8Vで、後者のそれはち
ょうど2倍の3.6Vであるという好都合な条件をも考
慮し、最終的にLEDへの電流入力端子が最も単純な二
端子となるよう、また、入力電圧に対して各LEDに定
格以内の電流が流れるよう、適切な直列接続と並列接続
の組み合わせを行った(図7)。
【0023】(5)上記(4)に関連して、LED C
APの基板上において、電流入力端子とLED回路との
間に、交流(AC)を直流(DC)に変換するブリッジ
整流素子を接続するか、あるいはAC/DC整流回路を
付設することにより、LEDCAPを例えば家庭用交流
電源AC100Vコンセントに直接接続して使うことが
できる(図8)。また、LED自身の持つ整流機能を生
かす回路を組むことによって、上述のAC/DC整流回
路をも削除し、LED回路を直接家庭用交流電源に接続
し、使用することも可能である。
【0024】(6)赤色LEDと青色LEDの使用個数
については、合成照射光における赤色光と青色光の光量
子束密度の成分比率が、これまでの実験により求めた最
適値である赤色光70〜95%、青色光30〜5%とな
るよう、その各個数を選んだ。図9は、10cm角のプ
リント基板上に36個の赤色LED(東芝TLRA12
0)と9個の青色LED(日亜化学工業NLPB52
0)の計45個のLEDをそれぞれ均等配置した直流型
LED CAP(回路は図7)を図3の容器に装着した
場合の、LED下方約10cmに位置する栽培床(水耕
栽培用ロックウール、9cm×9cm×3cm厚)面中
央での光量子束密度と直流入力電流の関係であり、両者
は比例関係にある。このことから電流により照射光を連
続的に制御できることが分かる。図9において、このL
ED CAPに定格入力電流I=60mA(図7よりL
ED1個あたり平均20mAとなる)を流すと光量子束
密度は66μmolm-2-1となるが、この光強度は、
植物苗の栽培やマイクロプロパゲーションを行うのに十
分な値である。図9の場合、赤色光と青色光の光量子束
密度成分比は86対14である。
【0025】このLED CAPを装着した培養容器を
用いて、サラダナ、レタス、カイワレ大根、コマツナな
どの低背野菜の栽培、ラン(シンビジウム)やユーカリ
のクローン苗などのマイクロプロパゲーションを行ない
良好な結果を得た。試験例図4に示すようなフッ素樹脂
フィルムをポリカーボネイト樹脂製のフレームで支えた
培養容器(縦10cm×横10cm×高さ14cm)の
上に、図7で配線図を示した直流型LED CAPを重
ねて装着し、シンビジウム(Cymbidium Me
lody Fair‘Marilyn Monro
e’)のクローン苗条(展開葉3枚、根切除)の無菌培
養を行った。培地および培地支持体としては、それぞれ
修正Vacin & Went液体培地(無糖)および
ロックウールマルチブロック(オランダGrodani
a製)を用いた。LED1個当たりの順方向電流を17
mAに固定したところ、培地支持体であるロックウール
の表面中央での光量子束密度は45μmol/m2 /s
であり、その赤色光と青色光の光量子束密度としての構
成比は、赤色光86%、青色光14%であった。培養は
3000ppmの炭酸ガスを施用したインキューベータ
ー内、25℃で96日間行った。なお、対照として同じ
フッ素樹脂製フィルム培養容器を用いて植物育成用蛍光
灯(東芝ライテック製プラントルクス、45μmol/
2 /s)で照明した場合、および従来法であるフラス
コ寒天培地を用いて植物育成用蛍光灯(同上)で照明し
た場合と比較した。結果は表1に示したとおり、LED
CAPを用いた試験区で良好な生育を示した。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】本発明によるLED光源付き培養容器お
よび培養容器用LED光源は、小型軽量かつ構造ならび
に構成がきわめて簡単で、しかも低価格で量産可能なの
で、マイクロプロパゲーションによる種苗生産や不定胚
の増殖等に利用できる。もちろん栽培実験やバイオ実験
における簡易培養器としても有用である。さらに、農学
実験や植物工場的な利用だけでなく、一般向けとして
は、家庭内交流電源を使用する家庭内菜園(ホーム菜
園)や、趣味とインテリア(LED光の美しさを利用)
兼ねた卓上菜園としての新たな利用も有望であり、新規
なる市場の創成の可能性を秘めている。また、透湿性が
低く、炭酸ガス透過性の高い培養容器素材を本発明に利
用すれば、高効率を要求される宇宙ステーション内での
野菜栽培も可能と考えられる。
【0028】
【図面の簡単な説明】
【図1】LEDの形状と構造である。
【図2】クロロフィル(葉緑素)の光吸収分光特性と、
本発明で使用した赤色LEDおよび青色LEDの発光ス
ペクトル図である。
【図3】本発明実施例に用いた光源(LED CAP)
及び光源を装着した培養容器を示す取り鳥瞰図である。
【図4】LED CAPを培養容器の蓋へ重ねて装着す
る方法を示す図である。
【図5】本発明培養器の重ね積み使用例を示す図であ
る。
【図6】従来の植物育成用蛍光灯を用いた栽培例を示す
図である。
【図7】LED CAPにおける赤色LEDと青色LE
Dの回路接続例である(直流電源使用の場合)。
【図8】交流電源(AC100V)用LED CAPの
回路例である。
【図9】本発明培養容器のロックウール表面中心部にお
ける光強度(光量子束密度)と入力電流(直流)の関係
を示す図である。
【符号の説明】
1 陽極端子 2 陰極端子 3 発光チップ 4 エポキシ樹脂レンズ 5 放射光 6 入力電流 7 蓋 8 赤色LED 9 青色LED 10 ゴムパッキング 11 プラスチックスペーサ 12 培養容器本体 13 プラスチック製フレーム 14 通気・遮水性フィルム 15 ロックウール 16 固定レバー 17 レッドキャップ 18 電源コード 19 ストッパー 20 培養容器 21 柵 22 植物育成用蛍光灯 23 直流用レッドキャップ 24 赤色LED 25 青色LED 26 赤色LED 27 直流電流源 28 交流用レッドキャップ 29 ブリッジ整流素子 30 赤色LED 31 青色LED 32 赤色LED 33 抵抗 34 ACコンセントプラグ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 000005968 三菱化学株式会社 東京都千代田区丸の内二丁目5番2号 (72)発明者 岡本 研正 香川県高松市昭和町1丁目13番地25の406 号 (72)発明者 田中 道男 香川県木田郡三木町大字平木644−2 (72)発明者 牧野 好美 横浜市港南区日野南6丁目34−22

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発光ダイオード素子を有し、植物培養容
    器の上部に装着しうる様に構成された植物栽培用LED
    光源。
  2. 【請求項2】 基板に配列してなる波長領域630nm
    から680nmの赤色LED、または該赤色LEDと波
    長領域380nmから480nmの青色LEDの素子か
    らなることを特徴とする請求項1記載の光源。
  3. 【請求項3】 整流素子または整流回路を付設してなる
    ことを特徴とする請求項1または2記載の植物栽培用L
    ED光源。
  4. 【請求項4】 LEDの整流機能を生かしLEDの接続
    回路を調節することにより、変圧器、整流素子または整
    流回路無しで直接家庭用、業務用交流電源に使用可能な
    請求項1または2記載の植物栽培用LED光源。
  5. 【請求項5】 容器本体と蓋からなる培養容器であっ
    て、発光ダイオード(LED)素子を、直接蓋部分に装
    着してなることを特徴とする個別LED光源装着型植物
    培養容器。
  6. 【請求項6】 LEDを発光素子とした光源装置を培養
    容器上部に重ねて装着する事を特徴とする個別LED光
    源装着型植物培養容器。
  7. 【請求項7】 請求項2乃至4の何れかに記載の光源を
    装着してなる請求項5または6の何れかに記載の植物培
    養容器。
  8. 【請求項8】 容器本体の少なくとも一部が通気性素材
    で形成されていることを特徴とする請求項5乃至7の何
    れかに記載の植物培養容器。
  9. 【請求項9】 フレームと通気性透明樹脂フィルムから
    構成され、内部に培地を収容した容器本体と、赤色LE
    Dまたは赤色LEDおよび青色LEDからなる光源を搭
    載し、ゴムパッキングおよび容器本体との固定手段を有
    する蓋からなる請求項5乃至8の何れかに記載の植物培
    養容器。
JP8070239A 1996-03-26 1996-03-26 植物栽培用led光源および個別led光源装着型植物培養容器 Pending JPH09252651A (ja)

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