JPH09246060A - コアおよびボビン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 トランスの形状を大きくすることなく、絶縁
性を向上させ、薄型化および小型化が可能となり、特性
のバラツキを低減することができるコアとボビンを提供
する。 【構成】 側脚１、２と中脚３と、前記それぞれの脚を
結ぶ底板部４より構成されたＥ型コアは、側脚１、２の
中脚３に対面する内周面は円弧状の面となっている。ま
た、中脚３はほぼ円形状に形成されており、該中脚３は
側脚１、２の底面より下方に飛び出す露出部５が有り、
かつ、底板部４の１端面に凸部があり、該凸部は側脚
１、２の底面より飛び出た中脚３の露出部５と同じ形で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は各種電子機器に使用
されるトランスおよびチョークコイルを構成する部品で
あるコアとボビンに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のコアとボビンについて図を用いて
説明する。図１０は、従来のコアのの斜視図である。図
１１は、従来のコアに用いるボビンの斜視図である。図
１２は、図１１のボビンに図１０のコアを組み込んだ側
面図である。

【０００３】近年、電子機器等に使用されるトランスお
よびチョークコイルは、取り付け寸法に対する高さが低
く制限されそれにともない横型といわれるトランスが増
えており、前記横型のトランスに使用されるコアは、図
１０に示すＥ型コアをボビンに組み合わせて構成されて
いる。図１０のＥ型コアは、側脚６１、６２と中脚６３
およびそれらを結ぶ底板部６４で構成され、側脚６１、
６２の中脚６３に対面する内周面は円弧状であり、中脚
６３はほぼ円形状の形となっている。前記Ｅ型コアを組
み込むボビンは、図１１のボビンであり、中空穴７１に
図１０のＥ型コアの中脚６３を挿入して、反対方向より
挿入されるＥ型コアと対向し、ボビンのコイル巻回部７
３に巻かれるコイルに対するコアとなる。また最近で
は、数十ボルトの電圧を数ｋボルトの高電圧に昇圧する
トランスが増え、このとき高圧側のコイルの端子とＥ型
コアの側脚との絶縁をとるために、Ｅ型コアの側脚の下
に絶縁板を挿入したり、図１２に示すように端子７８と
Ｅ型コアの側脚６１、６２との距離ｄを長くとるなどの
方法で絶縁を確保している。また従来ボビンに組み合わ
されたＥ型コアは、一般的にテープで前記Ｅ型コアの外
周を巻回し、対向するＥ型コアと固定するが、Ｅ型コア
とボビンの固定は、ボビンの鍔７２の上方に位置する鍔
７２の外周を結ぶ凸部７９とボビンの端子埋設部７４の
上面の平坦部とボビンの中空穴７１でおこなわれてお
り、最終的なボビンとＥ型コアの固定である接着剤およ
びワニス等でおこなわれるまでの仮固定としての役割を
なすものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来のトランスにおい
て、Ｅ型コアの側脚とボビンの端子との絶縁をとるため
の手段としては、上記に説明したように側脚の下に絶縁
板を挿入したり、あるいは端子との距離を長くとる方法
がおこなわれているが、前者の場合、部品点数が増えそ
れにより工数が上がり、また後者においてはＥ型コアの
位置を上方に移動させることであり、完成品であるトラ
ンスとしてのサイズが大きくなってしまう。また、ボビ
ンとＥ型コアの組み込み時の仮固定は、垂直方向に対す
る可動はボビンの鍔７２に施された凸部７９と端子埋設
部７４の上面により抑制されているが、ボビンの中空穴
７１はＥ型コアの中脚６３が挿入しやすいように公差の
幅が広く、水平方向についてのＥ型コアの可動を抑制す
るものでないため、どうしてもＥ型コアがボビンに対し
ガタツキを起こしてしまい、最終的な固定の時に、ボビ
ンに巻回されたコイル対し、コアが安定した位置でない
ため特性のばらつきを発生させていた。

【０００５】本発明は、上記に示したような問題を、部
品点数を増加することなく、またトランスとしての形状
を大きくすることなく、コアの側脚とボビンの端子との
絶縁距離を確保し、さらにボビンに巻回されたコイルに
対して常に定位置を保つものであり、特性のバラツキを
小さくすることが可能なコアとボビンを用いたトランス
を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明のひとつは、中脚
および２つの側脚とそれらの脚を結ぶ底板部からなるＥ
型コアにおいて、前記中脚のコア突き合わせ面を中心に
し側脚を左右に配置した場合、中脚の断面の一部が左右
の側脚底面より下方に露出する端面を有する構造であ
り、かつ、左右の側脚を結ぶ底板部の１端面には凸部が
あり、該凸部は前記中脚が側脚底面より露出した端面と
同じ形であるコアであり、また、前記Ｅ型コアにおいて
中脚の付け根の底板部には、該底板部を切欠する四角状
の溝が施されているコアである。

【０００７】本発明のふたつめは、中脚挿入用の中空穴
を有し、該中空穴の両端に鍔および端子を有するボビン
において、上記コアを係止するため、端子埋設部の上面
にボビンの中空穴の一部を延ばした溝が施されているボ
ビンであって、該ボビンの中空穴の両端に位置する鍔の
上方には、上記Ｅ型コアを係止するため、水平方向に飛
び出た凸部を有するボビンである。

【０００８】

【発明の実施の形態】図を用い実施の形態を説明する。
図９は、本発明のコアの対向部の平面図である。図１３
は、従来のコアの対向部の平面図である。

【０００９】本発明のコアは、図１３に示す従来のＥ型
コアの側脚８１、８２および底板部８４を中脚８４を固
定した状態で上方へ移動した構造であり、その結果図９
に示すように中脚５３が左右の側脚５１、５２の底面よ
り下方に露出した構造となる。前記構造により本発明の
Ｅ型コアの厚さ方向の寸法ｂは、中脚５３が下方へ露出
した寸法だけ増したことになり、従来のＥ型コアのコア
の厚さ方向の寸法ｅより大きくなるが、コイルの巻枠か
ら見れば従来のＥ型コアを用いた巻枠８６の寸法ｆと本
発明のコアを用いた巻枠５６の寸法ｃは同じ寸法となる
が、本発明のＥ型コアは左右の側脚５１、５２および中
脚５３に囲まれた空間は、中脚５３が側脚５１、５２よ
り飛び出た露出部５５の体積分増したこととなり、前記
体積増加分を中脚５３および側脚５１、５２の断面を増
すことができるので、トランスとしての大きさを増やす
ことなく、インダクタンスの増加、磁心損失の低減等が
可能となる。

【００１０】また、本発明のコアを本発明のボビンに取
り付けた際、コアの中脚の底面に比べ側脚の底面が上方
に位置することなり、上記と同じくトランスを大きくす
ることなく、ボビンに施された端子に対し絶縁を保証す
るに十分な絶縁距離をとることができる構造となるもの
である。また、本発明のボビンは該ボビンの中空穴の下
方が鍔の端子埋設部の上面まで延びているため、ボビン
にＥ型コアを挿入する際前記端子埋設部の上面で、前記
Ｅ型コアの各脚を滑らすようにボビンにコアを容易に挿
入できるため、ボビンの中空穴の公差寸法を削減するこ
とができる。また、側脚の付け根の底板部の台となって
いる端子埋設部は、中脚の付け根の底板部の台となって
いる端子埋設部より高さ寸法が厚くできるため、前記側
脚の付け根の底板部の台となっている端子埋設部に埋設
あるいは圧入する端子は、深く挿入できるため強固な端
子となる。また、ボビンの鍔の上部には、本発明による
Ｅコアの中脚の付け根の底板部に施された四角状の切欠
部に一致する四角状の凸部が設けられており、該凸部は
ボビンにＥ型コアを組み合わせたときに、前記Ｅ型コア
を係止するために有効なものであり、また、ボビンに巻
回したコイルの最上部とＥ型コアの底板部との絶縁距離
を確保する働きを有するものである。

【００１１】

【実施例】図を用いて本発明の実施例を説明する。図１
は、本発明のコアの第一の実施例の斜視図である。図２
は、本発明のコアの第一の実施例のコア対向面とコア背
面の平面図である。図３は、本発明のコアの第二の実施
例のコア対向面とコア背面の平面図である。図４は、本
発明のボビンの第一の実施例の斜視図である。図５は、
本発明のボビンの第一の実施例に本発明のコアの第一の
実施例を組み込んだ側面図である。図６は、本発明のコ
アの第三の実施例の斜視図である。図７は、本発明のボ
ビンの第二の実施例の斜視図である。図８は、本発明の
ボビンの第二の実施例に本発明のコアの第三の実施例を
組み込んだ斜視図である。

【００１２】図１および図２は、本発明のコアの形状を
表すものであり、Ｅ型コアは、側脚１、２と中脚３と、
前記それぞれの脚を結ぶ底板部４より構成されており、
側脚１、２の中脚３に対面する内周面は円弧状の面とな
っている。また、中脚３はほぼ円形状に形成されてお
り、該中脚３は図２に示すように側脚１、２の底面より
下方に飛び出す露出部５が有り、かつ、底板部４の１端
面に凸部６があり、該凸部６は側脚１、２の底面より飛
び出た中脚３の露出部５と同じ形である。

【００１３】図３は、本発明のコアの第２の形状を表す
ものであり、Ｅ型コアは、側脚１１、１２と中脚１３
と、前記それぞれの脚を結ぶ底板部１４より構成されて
おり、側脚１１、１２は垂直方向に長細い長方形であ
り、また、中脚１３は四角状に形成され、該中脚１３は
側脚１１、１２の底面より下方に飛び出す露出部１５を
有するものである。なお、底板部１４の１端面に凸部１
６があり、該凸部１６は側脚１１、１２の底面より飛び
出た中脚１３の露出部１５と同じ形である。

【００１４】図４は本発明のコアを組み込むためのボビ
ンであり、このボビンはＥ型コアの中脚挿入用の中空穴
２１を有し、ボビンの中空穴２１の両端には、鍔２２と
鍔を形成し端子を有する端子埋設部２４が構成されてい
る。該端子埋設部２４の上面には、本発明のコアをボビ
ンに組み込むため、ボビンの中空穴２１の下方を延ばし
た溝２６が施されている。また、端子埋設部２４には、
上面の一端に端子２８とＥ型コアの絶縁を図るための凸
部２５が施され、また、下方にはボビンに巻回されたコ
イルのリード導出用の凸部２７が施されている。

【００１５】図５は、図４のボビンに図１のＥ型コアを
組み込み側面より見た図であり、Ｅ型コアの側脚１、２
の上面に現れる突起は、ボビンの鍔２２の上部であり、
Ｅ型コアとボビンに巻回されたコイルとの絶縁距離をと
る働きをもつものである。また、コアの対向部の下方に
位置するものは、ボビンのコイル巻回部２３であり、本
発明のＥ型コアは、側脚１、２の底面より中脚３の一部
が露出しているためボビンのコイル巻回部２３も側脚
１、２より下方に露出する。図５において、端子２８と
コアの側脚１、２の距離ａは、Ｅ型コアの中脚１３の底
面に比べ側脚１、２の底面は上方に位置するため、従来
のボビンと比べ絶縁を保証するに十分な距離をとること
ができるものである。また、端子埋設部２４の端子２８
は、Ｅ型コアの側脚１、２が中脚１３に比べ上方に位置
するため、側脚１、２の付け根の底板部４の台となって
いる端子埋設部２４に埋設あるいは圧入される端子２８
は、深く挿入できるため、強固な端子となる。

【００１６】図６は、本発明のコアの第３の形状を表す
ものであり、Ｅ型コアは、側脚３１、３２と中脚３３
と、前記それぞれの脚を結ぶ底板部３４より構成されて
おり、側脚３１、３２の中脚３３に対面する内周面は円
弧状が施されている。また、中脚３３はほぼ円形状に形
成されており、該中脚３３は側脚３１、３２の底面より
下方に飛び出す露出部３５を有す。なお、前記Ｅ型コア
には、中脚３３の付け根の底板部３４にボビンとの係止
のための四角状の切欠部３７が施されている。

【００１７】図７は本発明のコアを組み込むためのボビ
ンであり、このボビンはＥ型コアの中脚挿入用の中空穴
４１を有し、ボビンの中空穴４１の両端には、鍔４２と
鍔を形成し端子を有する端子埋設部４４が構成されてい
る。該端子埋設部４４の上面には、本発明のＥ型コアを
ボビンに組み込むため、ボビンの中空穴４１の下方を延
ばした溝４６が施されている。また、端子埋設部４４の
上面の一端には、端子４８とＥ型コアの絶縁を図るため
の凸部４５が施され、また、下方にはボビンに巻回され
たコイルのリード導出用の凸部４７を有すものである。

【００１８】図８は本発明の図６のコアを図７のボビン
に組み込んだ図であり、ボビンの鍔４２の上方に位置す
る凸部４９は、Ｅ型コアの底板部３４に施された四角状
の切欠部３７とはめ合い、また、中脚３３の露出部３５
はボビンの端子埋設部４４の上面に施された溝４６に一
致するものである。本発明は、Ｅ型コアの垂直方向の可
動に対し、ボビンの鍔４２に施された凸部４９により抑
制され、また、水平方向の可動に対しても、ボビンの鍔
４２に施された凸部４９によって抑制されているため、
ワニスおよび接着等による最終固定までボビンに対する
Ｅ型コアの位置を常に一定に保つことができる。

【００１９】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、Ｅ型コア
の側脚を中脚に比べ上方に位置することにより、前記Ｅ
型コアの側脚とボビンの端子をトランスとしての厚さを
変えることなく、絶縁距離をとることができるから、薄
型化が可能なコアを提供することができ、さらに前記Ｅ
型コアの中脚が側脚の底面より露出する構造であるた
め、コアの断面積を増すことができ、コアの損失を低減
させ信頼性を向上させるものである。また、本発明のコ
アとボビンを用いることにより、ボビンの端子埋設部に
配置される端子が深く固定されるため、強固な端子とな
り信頼性が増すものであり、かつ、ボビンの端子埋設部
の上面に施された溝により、コアをボビンに挿入しやす
くして、工数の低減が図れ、さらにボビンの鍔の上方の
凸部とコアの底板部の切欠部がはめ合うことにより、コ
アがボビンに対して常に定位置であるため安定した特性
を得られることができ、生産性が顕著に向上するもので
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のコアの第一の実施例の斜視図

【図２】本発明のコアの第一の実施例のコア対向面とコ
ア背面の平面図

【図３】本発明のコアの第二の実施例のコア対向面とコ
ア背面の平面図

【図４】本発明のボビンの第一の実施例の斜視図

【図５】本発明のボビンの第一の実施例に本発明のコア
の第一の実施例を組み込んだ側面図

【図６】本発明のコアの第三の実施例の平面図

【図７】本発明のボビンの第二の実施例の斜視図

【図８】本発明のボビンの第二の実施例に本発明のコア
の第三の実施例を組み込んだ斜視図

【図９】本発明のコアの形態を示すコア対向面の平面図

【図１０】従来のコアの斜視図

【図１１】従来のボビンの斜視図

【図１２】従来のボビンに従来のコアを組み込んだ側面
図

【図１３】従来のコアの形態を示すコア対向面の平面図

【符号の説明】

１ 側脚 ２ 側脚 ３ 中脚 ４ 底板部 ５ 中脚の露出部 ６ 底板部の凸部 １１ 側脚 １２ 側脚 １３ 中脚 １４ 底板部 １５ 中脚の露出部 １６ 底板部の凸部 ２１ 中空穴 ２２ 鍔 ２３ コイル巻回部 ２４ 端子埋設部 ２５ 端子埋設部の凸部 ２６ 溝 ２７ リード導出用の凸部 ２８ 端子 ３１ 側脚 ３２ 側脚 ３３ 中脚 ３４ 底板部 ３５ 中脚の露出部 ３７ 切欠部 ４１ 中空穴 ４２ 鍔 ４３ コイル巻回部 ４４ 端子埋設部 ４５ 端子埋設部の凸部 ４６ 溝 ４７ リード導出用の凸部 ４８ 端子 ４９ 鍔の凸部 ５１ 側脚 ５２ 側脚 ５３ 中脚 ５４ 底板部 ５５ 中脚の露出部 ５６ 巻枠 ６１ 側脚 ６２ 側脚 ６３ 中脚 ６４ 底板部 ７１ 中空穴 ７２ 鍔 ７３ コイル巻回部 ７４ 端子埋設部 ７５ 端子埋設部の凸部 ７７ リード導出用の凸部 ７８ 端子 ７９ 鍔の凸部 ８１ 側脚 ８２ 側脚 ８３ 中脚 ８４ 底板部 ８６ 巻枠

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【手続補正書】

【提出日】平成８年９月１９日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００２

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００２】

【従来の技術】従来のコアとボビンについて図を用いて
説明する。図１０は、従来のコアの斜視図である。図１
１は、従来のコアに用いるボビンの斜視図である。図１
２は、図１１のボビンに図１０のコアを組み込んだ側面
図である。

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００５

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００５】本発明は、上記に示したような問題を、部
品点数を増加することなく、またトランスとしての形状
を大きくすることなく、コアの側脚とボビンの端子との
絶縁距離を確保し、さらにボビンに巻回されたコイルに
対して常にコアの定位置を保つものであり、特性のバラ
ツキを小さくすることが可能なコアとボビンを用いたト
ランスを提供する。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】中脚および２つの側脚とそれらの脚を結ぶ
   底板部からなるＥ型コアにおいて、前記中脚のコア突き
   合わせ面を中心にし側脚を左右に配置した場合、中脚の
   断面の一部が左右の側脚底面より下方に露出する端面を
   有する構造であり、かつ、左右の側脚を結ぶ底板部の１
   端面には凸部があり、該凸部は前記中脚が側脚底面より
   露出した端面と同じ形であることを特徴とするコア。
2. 【請求項２】Ｅ型コアにおいて中脚の付け根の底板部に
   は、該底板部を切欠する四角状の溝が施されていること
   を特徴とする請求項１のコア。
3. 【請求項３】中脚挿入用の中空穴を有し、該中空穴の両
   端に鍔および端子を有するボビンにおいて、請求項１お
   よび請求項２のコアを係止するため、端子埋設部の上面
   にボビンの中空穴の一部を延ばした溝が施されているこ
   とを特徴とするボビン。
4. 【請求項４】ボビンの中空穴の両端に位置する鍔の上方
   には、請求項２のＥ型コアを係止するため水平方向に飛
   び出た凸部を有することを特徴とする請求項３のボビ
   ン。