JPH09242861A - 車両用自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

車両用自動変速機の変速制御装置

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JPH09242861A
JPH09242861A JP8044985A JP4498596A JPH09242861A JP H09242861 A JPH09242861 A JP H09242861A JP 8044985 A JP8044985 A JP 8044985A JP 4498596 A JP4498596 A JP 4498596A JP H09242861 A JPH09242861 A JP H09242861A
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JP
Japan
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shift
determination
vehicle
acceleration
determined
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JP8044985A
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English (en)
Inventor
Yoshio Ito
良雄 伊藤
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 運転者の運転指向に適合した変速線図に切り
換えることができる変速制御装置を提供する。 【解決手段】 シフトレバー78或いはO/Dオフスイ
ッチ81が手動変速レンジ(2レンジ、Lレンジ、O/
Dオフ位置)へ操作されたことがシフト操作位置判定手
段106により判断されたことに基づいて、変速指向判
定手段102により運転が加速指向であることが判定さ
れると、変速線図切換手段100により、複数種類の変
速線図から上記運転指向判定手段102により判定され
た運転指向に対応する変速線図が選択されてそれに切り
換えられる。したがって、本発明の変速制御装置によれ
ば、運転者の運転指向に適合した変速線図に切り換えら
れるとともに、運転者の運転指向に適合した変速制御が
得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用自動変速機
の変速制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】変速比が可変な車両用自動変速機、或い
は複数種類のギヤ段に切り換えられる車両用自動変速機
が知られている。このような車両用自動変速機には、予
め設定された変速線図から、たとえばスロットル弁開度
(エンジン負荷)および車速により表される車両の実際
の走行状態に基づいて、変速比或いはギヤ段を変化させ
る変速制御装置が用いられる。
【0003】しかし、上記のような車両用自動変速機の
変速制御装置では、自動変速機の変速比或いはギヤ段が
予め設定された変速線図を用いて一律に変更されるた
め、必ずしも運転者の意思に適合した変速が得られない
場合があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これに対し、特開平7
−30834号公報に記載されているように、エンジン
負荷の増加率が所定値を越えると、自動的にそれまでの
変速線図を加速指向用変速線図に切り換えることによ
り、運転者の加速指向に適合させる変速制御装置が提案
されている。
【0005】しかしながら、上記公報に記載の変速制御
技術は、単にエンジン負荷の増加率に応じてそれまでの
変速線図を加速指向用変速線図に切り換えるに過ぎず、
それほどエンジン負荷の増加率が大きくないけれども加
速指向の運転操作が行われる場合には何ら対応できない
ので、運転者の指向に合った変速線図に変更することが
必ずしも十分にできなかった。
【0006】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、運転者の運転指
向に適合した変速線図に切り換えることができる変速制
御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための第1の手段】斯かる目的を達成
するため、第1発明の要旨とするところは、複数種類の
変速線図から車両の運転指向に基づいて選択された変速
線図を用いて自動変速機の変速比を制御する変速制御装
置であって、(a) 車両のシフト操作部材が、自動変速レ
ンジに比較して所定の高速側ギヤ段への変速を制限する
手動変速レンジへ操作されているか否かを判定するシフ
ト操作位置判定手段と、(b) そのシフト操作位置判定手
段により前記シフト操作部材の操作位置が前記手動変速
レンジへ操作されていることが判定されたことに基づい
て、運転が加速指向であることを判定する運転指向判定
手段と、(c) 前記シフト操作部材が前記自動変速レンジ
へ復帰操作された場合には、前記複数種類の変速線図か
らその運転指向判定手段により判定された運転指向に対
応する変速線図を選択してそれに切り換える変速線図切
換手段とを、含むことにある。
【0008】
【第1発明の効果】このようにすれば、シフト操作位置
判定手段により前記シフト操作部材の操作位置が前記手
動変速レンジへ操作されていることが判定されたことに
基づいて、運転指向判定手段により車両の運転が加速指
向であることが判定される。そして、変速線図切換手段
により、複数種類の変速線図から上記運転指向判定手段
により判定された運転指向に対応する変速線図が選択さ
れてそれに切り換えられる。したがって、本発明の変速
制御装置によれば、運転者の運転指向に適合した変速線
図に切り換えられるとともに、運転者の運転指向に適合
した変速制御が得られるのである。
【0009】
【第1発明の他の態様】ここで、好適には、前記運転指
向判定手段は、前記シフト操作部材の操作位置が前記手
動変速レンジから自動変速レンジへ操作されても、手動
変速レンジへの操作に関連する加速指向の判定を持続さ
せるものである。このため、シフト操作部材の操作位置
が手動変速レンジから自動変速レンジへ操作されたこと
に関連する変速が発生しない利点がある。
【0010】また、好適には、車速が低速走行を判定す
るために予め設定された設定車速よりも低い発進期間で
あるか否かを判定する発進期間判定手段をさらに備えら
れ、前記運転指向判定手段は、上記発進期間判定手段に
より車両の発進期間であると判定された場合は、前記シ
フト操作位置判定手段により前記シフト操作部材の操作
位置が前記手動変速レンジへ操作されていることが判定
されたことに基づいて車両の加速指向を判定するもので
ある。このようにすれば、加速が求められる車両の発進
期間内では、手動変速レンジへの操作に関連して、一律
に変速線図切換手段によりその加速指向の判定によって
加速指向に適した変速線図が選択されるので、好適な加
速性が得られる利点がある。
【0011】また、好適には、車両の出力操作部材によ
り加速操作が行われているか否かを判定する加速操作判
定手段をさらに備えられ、前記運転指向判定手段は、前
記発進期間判定手段により車両の発進期間でないと判定
された場合は、前記シフト操作位置判定手段により前記
シフト操作部材の操作位置が前記手動変速レンジへ操作
されていることが判定され、且つ前記加速操作判定手段
により前記出力操作部材が加速操作中であると判定され
たことに基づいて、運転が加速指向であることを判定す
るものである。このようにすれば、発進期間が経過した
後においては、出力操作部材による加速操作中であると
きにのみ加速指向と判定されることから、エンジンブレ
ーキ作用を得るために手動レンジへ操作された場合が除
去されるので、単に手動変速レンジへの操作に基づいて
一律に加速指向と判定される場合に比較して、運転者の
指向に一層正確に適合した変速判断が得られる利点があ
る。
【0012】
【課題を解決するための第2の手段】また、前記目的を
達成するための第2発明の要旨とするところは、複数種
類の変速線図から車両の運転指向に基づいて選択された
変速線図を用いて自動変速機の変速比を制御する変速制
御装置であって、(a) 出力操作部材の非操作時前の所定
の運転期間内における変速線図の選択状態を判定する変
速線図選択状態判定手段と、(b) その変速線図選択状態
判定手段により判定された前記所定の運転期間内におけ
る変速線図の選択状態に基づいて、前記複数種類の変速
線図から所定の変速線図を選択してそれに切り換える変
速線図切換手段とを、含むことにある。
【0013】
【第2発明の効果】このようにすれば、変速線図切換手
段により、変速線図選択状態判定手段により判定された
前記所定の運転期間内における変速線図の選択状態に基
づいて、前記複数種類の変速線図から所定の変速線図が
選択されてそれに切り換えられるので、運転者の運転指
向に適合した変速線図が得られるとともに、運転指向に
適合した変速制御が得られるのである。
【0014】
【第2発明の他の態様】ここで、好適には、前記変速線
図選択状態判定手段は、前記所定の運転期間内における
変速線図の選択状態に対応する評価値を算出する選択状
態評価値算出手段と、その選択状態評価値算出手段によ
り算出された評価値に基づいて補正値を算出する補正値
算出手段と、車両の運転操作に関連して変化する運転指
向関連変数と、前記補正値算出手段により算出された補
正値により補正された判断基準値とを比較することによ
り、運転指向を判定する運転指向判定手段とを含み、前
記変速線図切換手段は、その運転指向判定手段により判
定された運転指向に対応する変速線図を選択するもので
ある。このようにすれば、運転者の運転指向に正確に適
合した変速線図が得られる利点がある。
【0015】
【発明の実施の態様】以下、本発明の一実施例を図面に
基づいて詳細に説明する。
【0016】図1には、車両の自動変速機および変速制
御装置が示されている。図1において、車両のエンジン
10から出力された動力は、トルクコンバータ12、自
動変速機14、および図示しない差動歯車装置および車
軸を経て図示しない駆動輪へ伝達されるようになってい
る。
【0017】上記トルクコンバータ12は、クランク軸
16に連結されたポンプ翼車18と、自動変速機14の
入力軸20に連結され且つ流体を介してポンプ翼車18
から動力が伝達されるタービン翼車22と、一方向クラ
ッチ24を介して位置固定のハウジング26に固定され
た固定翼車28と、ポンプ翼車18およびタービン翼車
22をダンパ30を介して直結するロックアップクラッ
チ32とを備えている。このロックアップクラッチ32
は、解放側油室33と係合側油室35との圧力差により
係合制御される。
【0018】上記自動変速機14は、同軸上に配設され
た3組のシングルピニオン型遊星歯車装置34,36,
38と、前記入力軸20と、遊星歯車装置38のリング
ギヤとともに回転する出力歯車39と前記差動歯車装置
との間で動力を伝達するカウンタ軸(出力軸)40とを
備えている。それら遊星歯車装置34,36,38の構
成要素の一部は互いに一体的に連結されるだけでなく、
3つのクラッチC0 ,C1 ,C2 によって互いに選択的
に連結されている。また、上記遊星歯車装置34,3
6,38の構成要素の一部は、4つのブレーキB0 ,B
1 ,B2 ,B3 によってハウジング26に選択的に連結
されるとともに、さらに、構成要素の一部は3つの一方
向クラッチF0 ,F1 ,F2 によってその回転方向によ
り相互に若しくはハウジング26と係合させられるよう
になっている。
【0019】上記クラッチC0 ,C1 ,C2 、ブレーキ
0 ,B1 ,B2 ,B3 は、例えば多板式のクラッチや
1本または巻付け方向が反対の2本のバンドを備えたバ
ンドブレーキ等にて構成され、それぞれ図示しない油圧
アクチュエータによって作動させられるようになってい
る。後述の電子制御装置42からの指令に従って作動す
る油圧制御回路44によりそれ等の油圧アクチュエータ
の作動がそれぞれ制御されることにより、図2に示され
ているように変速比γ(=入力軸20の回転速度/カウ
ンタ軸40の回転速度)がそれぞれ異なる前進4段・後
進1段の変速段が得られる。図2において、「1st」,
「2nd」,「3rd」,「O/D(オーバドライブ)」は、そ
れぞれ前進側の第1速ギヤ段,第2速ギヤ段,第3速ギ
ヤ段,第4速ギヤ段を表しており、上記変速比は第1速
ギヤ段から第4速ギヤ段に向かうに従って順次小さくな
る。なお、上記トルクコンバータ12および自動変速機
14は、軸心に対して対称的に構成されているため、図
1においては入力軸20の回転軸線の下側およびカウン
タ軸40の回転軸線の上側を省略して示してある。
【0020】上記油圧制御回路44には、自動変速機1
4のギヤ段を制御するための変速制御用油圧制御回路
と、ロックアップクラッチ32の係合を制御するための
係合制御用油圧制御回路とが設けられている。変速制御
用油圧制御回路は、ソレノイドNo.1およびソレノイドN
o.2によってそれぞれオンオフ駆動される第1電磁弁4
6および第2電磁弁48を備えており、それら第1電磁
弁46および第2電磁弁48の作動の組み合わせによっ
て図2に示すようにクラッチおよびブレーキが選択的に
作動させられて前記第1速ギヤ段乃至第4速ギヤ段のう
ちのいずれかが成立させられるようになっている。
【0021】また、上記係合制御用油圧制御回路は、ロ
ックアップクラッチ32を解放状態とする解放側位置と
ロックアップクラッチ32を係合状態とする係合側位置
とに切り換える図示しないクラッチ切換弁をオンオフ作
動させる切換用信号圧を発生する第3電磁弁50と、係
合側油室35および解放側油室33の圧力差ΔPを調節
してロックアップクラッチ32のスリップ量を制御する
図示しないスリップ制御弁を作動させるスリップ制御用
信号圧を電子制御装置42からの駆動電流に従って発生
させるリニアソレノイド弁54とを備えている。
【0022】前記電子制御装置42は、CPU60、R
AM62、ROM64、図示しない入出力インターフェ
ースなどを含む所謂マイクロコンピュータであって、そ
れには、エンジン10の吸気配管66に設けられたスロ
ットル弁68の開度TAを検出するスロットルセンサ7
0、エンジン10の回転速度を検出するエンジン回転速
度センサ72、自動変速機14の入力軸20の回転速度
を検出する入力軸回転速度センサ74、車速Vを検出す
るために自動変速機14のカウンタ軸40の回転速度を
検出する車速センサ76、シフトレバー78の操作位
置、すなわちL、S、D、N、R、Pレンジのいずれか
を検出する操作位置センサ80、オーバドライブギヤ段
すなわち第4速ギヤ段を阻止して第3速ギヤ段までとす
るために操作されるO/Dオフスイッチ81、ブレーキ
ペダル82の操作を検出するブレーキスイッチ84か
ら、スロットル弁開度TAを表す信号、エンジン回転速
度NEを表す信号、入力軸回転速度NINを表す信号、出
力軸(カウンタ軸40)の回転速度NOUT を表す信号、
シフトレバー78の操作位置PS を表す信号、O/Dオ
フスイッチ81が操作されたことを表す信号、ブレーキ
ペダル82の操作を表す信号SBKがそれぞれ供給される
ようになっている。上記スロットル弁68は出力操作部
材に相当するアクセルペダル58と機械的に連結されて
その踏込操作に伴ってスロットル弁開度TAが増加させ
られるものであるから、上記スロットルセンサ70はア
クセルペダル58の操作量(すなわち出力操作量)A
ACC も実質的に検出している。
【0023】電子制御装置42のCPU60は、予めR
OM64に記憶されたプログラムに従って上記入力信号
を処理し、たとえば運転指向推定制御、変速制御、ロッ
クアップクラッチ制御などを実行する。したがって、本
実施例では、電子制御装置42が運転指向推定装置、変
速制御装置として機能している。
【0024】上記電子制御装置42の変速制御やロック
アップクラッチ制御では、予めROM64に記憶された
複数種類の変速線図すなわち図3の加速指向の変速線
図、図4の中間指向(通常)の変速線図、図5の燃費指
向の変速線図から運転指向に対応する変速線図が選択さ
れ、その選択された変速線図から実際の車速Vおよびス
ロットル弁開度TAに基づいて所定のギヤ段へのシフト
判定或いはロックアップオンオフ判定が行われる。たと
えば、図4の通常の変速線図において実際の車速Vおよ
びスロットル弁開度TAを示す点がアップシフト線或い
はダウンシフト線と交差するとアップシフト判定或いは
ダウンシフト判定が行われる。そして、そのシフト判定
が行われたギヤ段を成立させるように、図1に示す第1
電磁弁46および第2電磁弁48が駆動され、或いはロ
ックアップクラッチ32の係合制御のために第3電磁弁
50およびリニアソレノイド弁54が駆動される。
【0025】なお、図3、図4、図5において、実線は
シフトアップ線を示し、破線はシフトダウン線を示し、
1点鎖線はロックアップクラッチの係合線を示し、2点
鎖線はロックアップクラッチの解放線を示している。図
3の加速指向の変速線図では、図4と比較して、高エン
ジン回転速度で変速が実行されるように変速線が設定さ
れている。また、図5の燃費指向の変速線図では、図4
と比較して、低エンジン回転速度で変速が実行されるよ
うに変速線が設定されている。
【0026】図6は、上記電子制御装置42の制御機能
の要部を説明する機能ブロック線図である。図におい
て、変速線図切換手段100は、運転指向判定手段10
2により判定された変速指向に基づいて、変速制御手段
104において用いられる変速線図を切り換えることに
より、自動変速機14の変速比を設定する。すなわち、
上記変速線図切換手段100は、ROM64に予め記憶
された図3、図4、図5に示す複数種類の変速線図か
ら、上記運転指向判定手段102により判定された変速
指向に対応した変速線図を選択する。たとえば、運転指
向判定手段102により加速指向が推定された場合に
は、図3の加速指向の変速線図が選択されるが、燃費指
向が推定された場合には、図5の燃費指向の変速線図が
選択され、中間指向が推定された場合には、それら加速
指向の変速線図および燃費指向の変速線図の中間的な特
性を備えた図4の中間指向の変速線図が選択されるので
ある。
【0027】上記変速制御手段104は、図3、図4、
図5に示すようにROM64に予め記憶された複数種類
の変速線図より上記変速線図切換手段100により選択
された1つの変速線図から、車速センサ76により検出
された実際の車速Vおよびスロットルセンサ70により
検出された実際のスロットル弁開度TAに基づいて所定
のギヤ段への変速判断を実行し、その変速判断により判
断されたギヤ段を達成するための電磁弁46、48、5
0に対して変速出力を行って自動変速機14のギヤ段を
切換制御する。
【0028】シフト操作位置判定手段106は、車両の
シフト操作部材すなわちシフトレバー78或いはO/D
オフスイッチ81が、自動変速レンジ(Dレンジ、O/
Dオン)に比較して高速側ギヤ段への変速を制限する手
動変速レンジ(O/Dオフ、2レンジ、Lレンジ)へ操
作されているか否かを判定する。上記運転指向判定手段
102は、シフト操作位置判定手段106によりシフト
レバー78或いはO/Dオフスイッチ81が上記手動変
速レンジへ操作されていることが判定されたことに基づ
いて、運転が加速指向であることを判定する。このた
め、変速線図切換手段100は、上記シフト操作部材が
前記自動変速レンジへ復帰操作された場合には、前記複
数種類の変速線図から前記運転指向判定手段により判定
された運転指向に対応する変速線図を選択してそれに切
り換える。
【0029】また、上記変速指向判定手段102は、シ
フトレバー78或いはO/Dオフスイッチ81が自動変
速レンジ(Dレンジ、O/D非オフ位置)へ復帰操作さ
れたときでも、上記手動変速レンジへの操作に関連する
加速指向の判定を持続する。これにより、自動変速レン
ジへの復帰操作に関連する変速が回避される。
【0030】また、加速操作判定手段108は、車両の
出力操作部材すなわちアクセルペダル58による加速操
作が行われているか否かを判定する。また、発進期間判
定手段110は、車両の発進期間を判定するために10
km/h程度に予め設定された発進期間判定車速V1 よりも
低いことを以て車両の発進期間を判定する。
【0031】前記運転指向判定手段102は、上記発進
期間判定手段110により車両の発進期間内であると判
定された場合は、前記シフト操作位置判定手段106に
より前記シフト操作部材の操作位置が前記手動変速レン
ジへ操作されていることが判定されたことを以て車両の
加速指向を判定する。これにより、加速が求められる車
両の発進期間内では、手動変速レンジへの操作によって
一律に変速線図切換手段100によりその加速指向の判
定によって加速指向に適した変速線図が選択され、好適
な加速性が得られる。
【0032】また、前記運転指向判定手段102は、上
記発進期間判定手段110により車両の発進期間でない
と判定された場合は、前記シフト操作位置判定手段10
6により前記シフト操作部材の操作位置が前記手動変速
レンジへ操作されていることが判定され、且つ前記加速
操作判定手段108により前記出力操作部材が加速操作
中であると判定されたことに基づいて、運転が加速指向
であることを判定するものである。このようにすれば、
発進期間が経過した後においては、出力操作部材による
加速操作中であるときにのみ加速指向と判定されるの
で、手動変速レンジへの操作に基づいて一律に加速指向
と判定される場合に比較して、運転者の指向に一層正確
に適合した変速判断が得られる。
【0033】平均スロットル弁開度判定手段112は、
前記シフト操作部材が自動変速レンジへ操作されている
状態において発進期間判定手段110により発進期間で
はないと判定されると、発進期間内におけるスロットル
弁開度TAの平均値TAAVが予め設定された判断基準値
a或いはbを越えたか否かを判断する。前記運転指向判
定手段102は、平均スロットル弁開度判定手段112
により発進期間内の平均スロットル弁開度TAAVが判断
基準値aを越えたと判定された場合には加速指向である
と判定し、発進期間内の平均スロットル弁開度TAAV
判断基準値a以下であり且つ判断基準値bを越えたと判
定された場合には中間指向であると判定する。
【0034】アイドル時間判定手段114は、ブレーキ
ペダル82の非操作状態でのアクセルペダル58の戻し
操作から踏込み操作までのアイドル時間T1 が、予め設
定された判断基準値Tc 或いはTd を越えたか否かを判
断する。また、制動操作後惰行時間判定手段116は、
ブレーキペダル82の操作完了からアクセルペダル58
の踏込み操作までのアクセルペダル非操作時間T2 が、
予め設定された判断基準値Te 或いはTf を越えたか否
かを判断する。前記運転指向判定手段102は、自動変
速レンジへ操作されている状態において、加速指向と判
定されている走行状態においては上記アイドル時間T1
が判断基準値Tc を越えたときは燃費指向と判定し、加
速指向と判定されていない走行状態においてはアイドル
時間T1が判断基準値Td を越えたときは燃費指向と判
定する。また、前記運転指向判定手段102は、自動変
速レンジへ操作されている状態において、加速指向と判
定されている走行状態においては上記アクセルペダル非
操作時間T2 が判断基準値Te を越えたときは燃費指向
と判定し、加速指向と判定されていない走行状態におい
てはアクセルペダル非操作時間T2 が判断基準値Tf
越えたときは燃費指向と判定する。
【0035】制動操作前惰行時間判定手段118は、ブ
レーキペダル82の操作前におけるアクセルペダル58
の非操作時間T0 が、予め設定された判断基準値Ta
いはTb を下回ったか否かを判断する。前記運転指向判
定手段102は、自動変速レンジへ操作されている状態
において、1回目の制動操作中と判定されている走行状
態においては上記アクセルペダル非操作時間T0 が判断
基準値Ta を下回ったときは加速指向と判定し、上記ア
クセルペダル非操作時間T0 が判断基準値Taを上回る
が判断基準値Tb を下回ったときは中間指向と判定し、
アクセルペダル非操作時間T0 が判断基準値Tb を上ま
わったときは燃費指向と判定する。
【0036】制動時平均減速度判定手段120は、車両
の制動時における平均減速度GNBKA V が予め設定された
判断基準値G1 或いはG2 を下回ったか否かを判断す
る。前記運転指向判定手段102は、自動変速レンジへ
操作されている状態において、上記平均減速度GNBKAV
が判断基準値G1 を上回ったときは加速指向と判定し、
上記平均減速度GNBKAV が判断基準値G1 を下回るが判
断基準値G2 を上回ったときは中間指向と判定し、平均
減速度GNBKAV が判断基準値G2 を下回ったときは燃費
指向と判定する。
【0037】アクセル操作速度判定手段122は、加速
指向と判定されていない状態においてアクセルペダル5
8の操作速度ACCTA が予め設定された判断基準値C8
越えたか否かを判定する。前記運転指向判定手段102
は、アクセルペダル58の操作速度ACCTA が判断基準値
8 を越えたときには加速指向と判定する。
【0038】スロットル弁開度の分散判定手段124
は、高負荷走行ではない走行状態の所定区間内における
スロットル弁開度TAの分散DISTHR(たとえば標準偏差
値)が予め設定された判断基準値I或いはJを越えたか
否かを判定する。前記運転指向判定手段102は、スロ
ットル弁開度TAの分散DISTHRが判断基準値Iを越えた
ときには加速指向と判定し、スロットル弁開度TAの分
散DISTHRが判断基準値Iを下まわるが判断基準値Jを越
えたときには中間指向と判定し、スロットル弁開度TA
の分散DISTHRが判断基準値Jを下まわったときには燃費
指向と判定する。
【0039】高負荷走行時間判定手段126は、たとえ
ばスロットル弁開度TAが85%以上の高負荷走行時に
おいて、高負荷走行時間CTHRLが予め設定された判断基
準値CI 或いはCJ を越えたか否かを判定する。前記運
転指向判定手段102は、高負荷走行時間CTHRLが判断
基準値CI 以上となったときには加速指向と判定し、高
負荷走行時間CTHRLが判断基準値CI を下まわるが判断
基準値CJ を越えたときは中間指向と判定する。
【0040】図7乃至図10は、前記電子制御装置42
の制御作動の要部を説明するフローチャートである。図
7乃至図10において、ステップ(以下、ステップを省
略する)SQ1では、車両が停止しているか否かがたと
えば車速センサ76からの信号に基づいて判断される。
車両が停止している場合は上記SQ1の判断が肯定され
るので、SQ2において車両のシフト操作部材として機
能するシフトレバー78或いはO/Dオフスイッチ81
が、自動変速レンジ(DレンジでO/Dオフスイッチ非
操作)に比較して高速側ギヤ段への変速を制限する手動
変速レンジ(2レンジ、Lレンジ、或いはO/Dオフ位
置)へ操作されているか否かを判定する。
【0041】上記SQ2の判断が否定された場合は、自
動変速レンジが選択操作されている状態であるので、S
Q3において、燃費指向を示すフラグXECO および発進
期間を示す発進フラグXPTSTの内容が「1」にセットさ
れるとともに、加速指向を示すフラグXSPORT および中
間指向を示すフラグXNORMの内容が「0」にクリアされ
た後、本ルーチンが終了させられる。また、上記SQ2
の判断が肯定された場合は、上記手動変速レンジが選択
操作されている状態であるので、SQ4において、加速
指向を示すフラグXSPORT および発進期間を示す発進フ
ラグXPTSTの内容が「1」にセットされるとともに、燃
費指向を示すフラグXECO および中間指向を示すフラグ
NORMの内容が「0」にクリアされた後、本ルーチンが
終了させられる。
【0042】前記SQ1の判断が否定された場合は、車
両の走行状態であるので、SQ5において発進フラグX
PTSTの内容が「1」であるか否かが判断される。当初は
このSQ5の判断が肯定されるので、SQ6において車
速Vが発進期間判定車速V1より低いか否かが判断され
る。この発進期間判定車速V1 はたとえば10km/h程度
の値が用いられる。そのSQ6の判断が肯定された場合
は、未だ発進期間中であるので、前記SQ2と同様のS
Q7においてシフトレバー78或いはO/Dオフスイッ
チ81が手動変速レンジなどへ操作されているか否かが
判断される。このSQ7の判断が否定された場合は自動
変速レンジが選択されているので本ルーチンが終了させ
られるが、肯定された場合は、SQ8において加速指向
を示すフラグXSPORT の内容が「1」にセットされると
ともに、燃費指向を示すフラグX ECO 、中間指向を示す
フラグXNORMの内容が「0」にクリアされた後、本ルー
チンが終了させられる。
【0043】しかし、車速Vが発進期間判定車速V1
到達すると前記SQ6の判断が否定されるので、前記S
Q2と同様のSQ9においてシフトレバー78或いはO
/Dオフスイッチ81が手動変速レンジへ操作されてい
るか否かが判断される。このSQ9の判断が肯定された
場合は、SQ10において加速指向を示すフラグXSP
ORT の内容が「1」にセットされるとともに、燃費指向
を示すフラグXECO 、中間指向を示すフラグXNORM、お
よび発進期間を示す発進フラグXPTSTの内容が「0」に
クリアされた後、本ルーチンが終了させられる。
【0044】上記SQ9の判断が否定された場合は自動
変速レンジが選択されているので、SQ11において発
進期間を示す発進フラグXPTSTの内容が「0」にクリア
された後、自動変速レンジへ操作されているときの発進
期間終了後における変速指向を発進期間内における加速
操作状態に応じて判断するSQ12乃至SQ15が実行
される。すなわち、先ずSQ12において、発進期間内
におけるスロットル弁開度TAの平均値である発進時平
均スロットル弁開度TAAVが予め設定された判断基準値
aよりも大きいか否かが判断され、そのSQ12の判断
が否定された場合はSQ13において、発進時平均スロ
ットル弁開度TAAVが判断基準値bよりも大きいか否か
が判断される。上記判断基準値aおよびbは、車両発進
時における平均スロットル弁開度TAの大きさに基づい
て加速意思の大きさを判断するために予め設定されたも
のであって、a>bである。
【0045】上記SQ12の判断が肯定された場合は、
発進時平均スロットル弁開度TAAVが最も大きい領域内
にあって加速意思が最も強い状態であるので、SQ14
において、加速指向を示すフラグXSPORT の内容が
「1」にセットされるとともに、燃費指向を示すフラグ
ECO の内容が「0」にクリアされた後、本ルーチンが
終了させられる。また、上記SQ13の判断が肯定され
た場合は、発進時平均スロットル弁開度TAAVが中間的
な領域内にあって加速意思が中間的な状態であるので、
SQ15において、中間指向を示すフラグXNORMの内容
が「1」にセットされるとともに、燃費指向を示すフラ
グXECO の内容が「0」にクリアされた後、本ルーチン
が終了させられる。そして、上記SQ12およびSQ1
3の判断が共に否定された場合には、発進時平均スロッ
トル弁開度TAAVが最も小さい領域内にあって加速意思
が最も弱い状態であるので、本ルーチンが終了させられ
る。
【0046】以上のようにして、車速Vが発進期間判定
車速V1 に到達してSQ11により発進フラグXPTST
内容が「0」にクリアされると、次の制御サイクルにお
いてSQ5の判断が否定されるので、前記SQ2と同様
のSQ16においてシフトレバー78或いはO/Dオフ
スイッチ81が手動変速レンジへ操作されているか否か
が判断される。このSQ16の判断が肯定された場合
は、SQ17においてスロットル弁68がそのアイドル
位置すなわち非操作(全閉)位置であるか否かがスロッ
トルセンサ70からの信号或いは図示しないアイドルス
イッチからの信号に基づいて判断される。
【0047】上記SQ17の判断が否定された場合は、
加速操作中であるので、SQ18において加速指向を示
すフラグXSPORT の内容が「1」にセットされるととも
に、燃費指向を示すフラグXECO および中間指向を示す
フラグXNORMの内容が「0」にクリアされた後、本ルー
チンが終了させられる。しかし、上記SQ17の判断が
肯定された場合は、スロットル弁68がそのアイドル位
置とされた瞬間であるので、ブレーキ操作状態に応じて
運転指向を判定する後述のSQ21以下が実行される。
【0048】前記SQ16の判断が否定された場合は、
自動変速レンジが選択された状態であるので、SQ19
においてスロットル弁68がそのアイドル位置となった
(瞬間)か否かが判断され、その判断が肯定された場合
は、SQ20においてスロットル弁68がアイドル位置
であるか否かが判断される。これらSQ19およびSQ
20の判断が共に肯定された場合は、自動変速レンジで
の惰行走行において、アクセルペダル非操作時間(惰行
走行時間)T1 、アクセルペダル非操作後制動開始まで
の惰行走行時間T0 、制動操作後加速開始までの惰行走
行時間T2 、或いは車両減速度に応じて車両の運転指向
を判定するためのSQ21以下が実行される。図11
は、それらアクセルペダル非操作時間(惰行走行時間)
1 、アクセルペダル非操作後制動操作開始までの惰行
走行時間T0 、制動操作後加速操作開始までの惰行走行
時間T2 を示している。また、上記SQ19およびSQ
20のいずれかの判断が否定された場合は、自動変速レ
ンジでの走行におけるアクセルペダル操作状態に応じて
車両の運転指向を判定するためのSQ43以下が実行さ
れる。
【0049】先ずSQ21において、車両の制動操作中
であるか否かがブレーキスイッチ84からの信号に基づ
いて判断される。このSQ21の判断が肯定された場合
は、SQ22においてアクセルペダル非操作後の一回目
の制動操作であるか否かが判断される。このSQ22の
判断が否定された場合は本ルーチンが終了させられるこ
とにより、手動変速レンジにおける車両の運転指向が引
き継がれる。また、上記SQ22の判断が肯定された場
合は、SQ23において制動開始時車速VAVEG S が記憶
された後、SQ24において加速指向を示すフラグX
SPORT の内容が「1」であるか否かが判断される。この
SQ24の判断が肯定された場合も本ルーチンが終了さ
せられることにより、手動変速レンジにおける車両の運
転指向が引き継がれる。
【0050】しかし、SQ24の判断が否定された場合
は、SQ25において、アクセルペダル非操作後制動操
作開始までの惰行走行時間T0 が予め設定された判断基
準時間Ta を下回っているか否かが判断され、そのSQ
25の判断が否定された場合は、SQ26において、上
記アクセルペダル非操作後制動操作開始までの惰行走行
時間T0 が予め設定された判断基準時間Tb を下回って
いるか否かが判断される。それら判断基準時間Ta およ
びTb は、上記アクセルペダル非操作後制動操作開始ま
での惰行走行時間T0 が短い程加速指向を示す関係を利
用して運転指向を判定するために設定された値であり、
a <Tb である。そして、上記SQ25の判断が肯定
された場合はSQ27において加速指向を示すフラグX
SPORT の内容が「1」にセットされ、上記SQ26の判
断が肯定された場合はSQ28において中間指向を示す
フラグXNORMの内容が「1」にセットされ、上記SQ2
5およびSQ26の判断が否定された場合は、SQ29
において燃費指向を示すフラグXECO の内容が「1」に
セットされる。
【0051】前記SQ21の判断が否定された場合はブ
レーキ操作が行われていない状態であるので、SQ30
において、ブレーキ操作回数nBKが零であるか否かが
判断される。このSQ30の判断が肯定された場合は、
アクセルペダル非操作時間(惰行走行時間)T1 に応じ
て運転指向を判定するためのSQ31乃至SQ34が実
行される。すなわち、SQ31において加速指向を示す
フラグXSPORT の内容が「1」であるか否かが判断され
る。この判断が肯定された場合は、SQ32においてア
クセルペダル非操作時間T1 が予め設定された判断基準
時間Tc よりも大きいか否かが判断される。このSQ3
2の判断が否定された場合は本ルーチンが終了させられ
るが、肯定された場合はSQ34において燃費指向を示
すフラグXECO の内容が「1」にセットされる。また、
上記SQ31において加速指向を示すフラグXSPORT
内容が「1」ではないと判定された場合は、SQ33に
おいて上記アクセルペダル非操作時間T1 が予め設定さ
れた判断基準時間Td よりも大きいか否かが判断され
る。このSQ33の判断が否定された場合は本ルーチン
が終了させられるが、肯定された場合は上記SQ34に
おいて燃費指向を示すフラグXECO の内容が「1」にセ
ットされる。上記判断基準時間Tc およびTdは、上記
アクセルペダル非操作時間T1 が長くなるほど燃費指向
であるという関係を利用して燃費指向を判定するために
設定された値であり、フラグXSPORT の内容が「1」で
あるときとないときにおいて的確に燃費指向を判定でき
るようにTc <Td とされている。
【0052】前記SQ30においてブレーキ操作回数n
BKが零ではないと判断された場合は、SQ35におい
てブレーキ非操作の瞬間であるか否かが判断される。こ
のSQ35の判断が否定された場合は、制動操作後加速
操作開始までの惰行走行時間T2 に応じて運転指向を判
定するためのSQ36乃至SQ38が実行される。すな
わち、SQ36において加速指向を示すフラグXSPORT
の内容が「1」であるか否かが判断される。この判断が
肯定された場合は、SQ37において制動操作後加速操
作開始までの惰行走行時間T2 が予め設定された判断基
準時間Te よりも大きいか否かが判断される。このSQ
37の判断が否定された場合は本ルーチンが終了させら
れるが、肯定された場合はSQ34において燃費指向を
示すフラグXECO の内容が「1」にセットされる。ま
た、上記SQ36において加速指向を示すフラグX
SPORT の内容が「1」ではないと判定された場合は、S
Q38において上記制動操作後加速操作開始までの惰行
走行時間T2 が予め設定された判断基準時間Tf よりも
大きいか否かが判断される。このSQ38の判断が否定
された場合は本ルーチンが終了させられるが、肯定され
た場合は上記SQ34において燃費指向を示すフラグX
ECO の内容が「1」にセットされる。上記判断基準時間
e およびTf は、上記制動操作後加速操作開始までの
惰行走行時間T2 が長くなるほど燃費指向であるという
関係を利用して燃費指向を判定するために設定された値
であり、フラグXSPORT の内容が「1」であるときとな
いときにおいて的確に燃費指向を判定できるようにTe
<Tf とされている。
【0053】前記SQ35の判断が肯定された場合はブ
レーキ非操作の瞬間であるので、SQ39において加速
指向を示すフラグXSPORT の内容が「1」であるか否か
が判断される。このSQ39の判断が肯定された場合
は、ブレーキ非操作の瞬間に自動変速レンジが選択され
且つ加速指向を示すフラグXSPORT の内容が「1」とさ
れている状態であるので、本ルーチンが終了させられて
それまでに判断された加速指向が継続される。しかし、
上記SQ39の判断が否定された場合は、SQ40にお
いて、制動開始時車速VAVEGS が予め設定された判断基
準値V2 よりも高いか否かが判断される。この判断基準
値V2 は、比較的高い車速において車両制動時の平均減
速度GNBKAV に応じて運転指向を判定させるための値で
あり、前記発進期間判定車速V1 よりも高い値たとえば
20km/h程度の値に設定されている。この平均減速度G
NBKAV は、車両の負の平均加速度の大きさを示す正の値
である。
【0054】上記SQ40の判断が否定された場合は本
ルーチンが終了させられるが、肯定された場合は、SQ
41において車両制動時の平均減速度GNBKAV が予め設
定された判断基準減速度G1 よりも大きいか否かが判断
される。このSQ41の判断が肯定された場合は前記S
Q27において加速指向を示すフラグXSPORT の内容が
「1」にセットされるが、否定された場合は、SQ42
において車両制動時の平均減速度GNBKAV が予め上記判
断基準減速度G1 よりも小さく設定された判断基準減速
度G2 よりも大きいか否かが判断される。このSQ42
の判断が肯定された場合は前記SQ28において中間指
向を示すフラグXNORMの内容が「1」にセットされる
が、否定された場合は、前記SQ29において燃費指向
を示すフラグXECO の内容が「1」にセットされる。
【0055】前記SQ19或いはSQ20の判断が否定
された場合は、自動変速レンジにおける加速操作状態で
あるので、アクセルペダル操作状態に基づいて運転指向
を判断するためのSQ43以下が実行される。先ずSQ
43においては、アクセルペダル58の踏込速度ACCTA
が予め設定された判断基準値C7 よりも低いか否かが判
断される。この判断基準値C7 はアクセルペダル操作が
安定的操作状態か過渡的操作状態かを判断するために設
定された値である。上記SQ43の判断が否定された場
合は、SQ44において加速指向を示すフラグXSPORT
の内容が「1」であるか否かが判断される。このSQ4
4の判断が肯定された場合は本ルーチンが終了させられ
ることにより、それ以前の加速指向判定結果が維持され
る。
【0056】しかし、そのSQ44の判断が否定された
場合は、SQ45においてアクセルペダル58の踏込速
度ACCTA が予め設定された判断基準値C8 よりも高いか
否かが判断される。この判断基準値C8 は、アクセルペ
ダル58の踏込速度ACCTA が加速指向となる程大きくな
る関係を利用して加速指向を判断するために設定された
値である。このSQ45の判断が肯定された場合は、S
Q46において加速指向を示すフラグXSPORT の内容が
「1」にセットされた後、本ルーチンが終了させられる
が、否定された場合は、SQ47において中間指向を示
すフラグXNORMの内容が「1」にセットされた後、本ル
ーチンが終了させられる。
【0057】アクセルペダル58の踏込速度ACCTA が判
断基準値C7 よりも低くて安定的操作状態であるときは
前記SQ43の判断が肯定されるので、SQ48におい
て、スロットル弁開度TAが予め設定された判断基準値
TA1 以上であるか否かが判断される。この判断基準値
TA1 は高負荷走行を判断するための値であって、たと
えば85%程度の値が採用される。このSQ48の判断
が否定された場合は、それほど高負荷走行ではないの
で、SQ49において高負荷走行継続時間を計時するた
めのタイマCTHRLの作動が停止させられた後、SQ50
において、サイクルタイマCDIS の内容が設定時間K
DIS と一致したか否かが判断される。この設定時間K
DIS は、アクセルペダル58の操作量の所定区間内の分
散値に基づく運転指向判定を実行する周期に対応するも
のであり、たとえば5秒程度の値が採用される。
【0058】当初は上記SQ50の判断が否定されるの
で本ルーチンが終了させられる。しかし、サイクルタイ
マCDIS の内容が設定時間KDIS と一致すると上記SQ
50の判断が肯定されるので、SQ51において、上記
設定時間KDIS 内におけるアクセルペダル58の操作量
の分散値(たとえば標準偏差値などの分散の程度を示す
値)DISTHRが予め設定された判断基準値Iよりも大きい
か否かが判断され、そのSQ51の判断が否定された場
合は、SQ52において、上記設定時間KDIS内におけ
るアクセルペダル58の操作量の分散値DISTHRが予め設
定された判断基準値Jよりも大きいか否かが判断され
る。それら判断基準値IおよびJは、分散値DISTHRが大
きい程加速指向である関係を利用して運転指向を判断す
るための値であり、I>Jに設定されている。
【0059】上記SQ51の判断が肯定された場合はS
Q46において加速指向を示すフラグXSPORT の内容が
「1」にセットされた後、本ルーチンが終了させられ、
SQ52の判断が肯定された場合は、SQ47において
中間指向を示すフラグXNORMの内容が「1」にセットさ
れた後、本ルーチンが終了させられるが、SQ52の判
断が否定された場合は、SQ53において燃費指向を示
すフラグXECO の内容が「1」にセットされた後、本ル
ーチンが終了させられる。
【0060】車両の高負荷走行であるときはSQ48の
判断が肯定されるので、SQ54において加速指向を示
すフラグXSPORT の内容が「1」であるか否かが判断さ
れる。このSQ54の判断が肯定された場合は本ルーチ
ンが終了させられるが、否定された場合は、SQ55に
おいて高負荷走行継続時間を計時するためのタイマC
THRLの内容が「0」であるか否かが判断される。当初は
このSQ55の判断が肯定されるので、SQ56におい
てタイマCTHRLがセット(計時開始)される。このた
め、次のサイクルでは、SQ55の判断が否定されるの
で、SQ57においてタイマCTHRLの計時内容が予め設
定された判断基準時間CI 以上となったか否かが判断さ
れ、このSQ57の判断が否定された場合は、SQ58
においてタイマCTHRLの計時内容が予め設定された判断
基準時間CJ を上回ったか否かが判断される。これらの
判断基準時間CI およびCJ は、高負荷走行時間が長く
なる程加速指向である関係を利用して運転指向を判断す
るための値であり、たとえばC I >CJ となるように設
定される。
【0061】上記SQ57の判断が肯定された場合はS
Q59において加速指向を示すフラグXSPORT の内容が
「1」にセットされた後、本ルーチンが終了させられ、
SQ58の判断が肯定された場合は、SQ60において
中間指向を示すフラグXNORMの内容が「1」にセットさ
れた後、本ルーチンが終了させられるが、SQ58の判
断が否定された場合は、本ルーチンが終了させられてそ
れ以前の運転指向の判断が継続される。
【0062】図12は、前記図6の変速線図切換手段1
00に対応する変速線図切換ルーチンを示している。図
12において、SH1では、加速指向を示すフラグX
SPORTの内容が「1」であるか否かが判断される。この
SH1の判断が肯定された場合は、SH2において、た
とえば図3に示す加速指向の変速線図が選択されるが、
否定された場合は、SH3において、中間指向を示すフ
ラグXNORMの内容が「1」であるか否かが判断される。
このSH3の判断が肯定された場合は、SH4におい
て、たとえば図4に示す中間指向の変速線図が選択され
るが、否定された場合は、SH5において燃費指向フラ
グXECO の内容が「1」であるか否かが判断される。こ
のSH5の判断が肯定された場合は、SH6において、
たとえば図5に示す燃費指向の変速線図が選択される
が、否定された場合は本ルーチンが終了させられる。
【0063】上記のように、本実施例によれば、シフト
レバー78或いはO/Dオフスイッチ81が手動変速レ
ンジ(2レンジ、Lレンジ、O/Dオフ位置)へ操作さ
れたことがシフト操作位置判定手段106に対応するS
Q2、SQ7、SQ9、SQ16により判断されたこと
に基づいて、変速指向判定手段102に対応するSQ
4、SQ8、SQ10、SQ18により運転が加速指向
であることが判定されると、変速線図切換手段100に
より、複数種類の変速線図から上記運転指向判定手段1
02により判定された運転指向に対応する変速線図が選
択されてそれに切り換えられる。したがって、本発明の
変速制御装置によれば、運転者の運転指向に適合した変
速線図に切り換えられるとともに、運転者の運転指向に
適合した変速制御が得られる。
【0064】また、本実施例によれば、変速指向判定手
段102は、シフトレバー78或いはO/Dオフスイッ
チ81が自動変速レンジ(Dレンジ、O/D非オフ位
置)へ復帰操作されたときでも、上記手動変速レンジへ
の操作に関連する加速指向の判定を持続するので、自動
変速レンジへの復帰操作に関連して変速が発生すること
が解消される。
【0065】また、本実施例によれば、車速Vが予め設
定された発進期間判定車速V1 よりも低い発進期間であ
るか否かを判定する発進期間判定手段110(SQ6)
がさらに備えられ、前記運転指向判定手段102(SQ
8、SQ10)は、上記発進期間判定手段110により
車両の発進期間内であると判定された場合は、前記シフ
ト操作位置判定手段106(SQ7、SQ9)により前
記シフト操作部材の操作位置が手動変速レンジへ操作さ
れていることが判定されたことに基づいて車両の加速指
向を判定する。このため、加速が求められる車両の発進
期間内では、手動変速レンジへの操作によって一律に変
速線図切換手段100によりその加速指向の判定によっ
て加速指向に適した変速線図が選択されるので、好適な
加速性が得られる利点がある。
【0066】また、本実施例によれば、車両の出力操作
部材(アクセルペダル58)により加速操作が行われて
いるか否かを判定する加速操作判定手段108(SQ1
7)がさらに備えられ、前記運転指向判定手段102
は、前記発進期間判定手段110(SQ6)により車両
の発進期間でないと判定された場合は、前記シフト操作
位置判定手段106により前記シフト操作部材の操作位
置が前記手動変速レンジへ操作されていることが判定さ
れ、且つ前記加速操作判定手段108(SQ17)によ
り前記出力操作部材が加速操作中であると判定されたこ
とに基づいて、運転が加速指向であることを判定する。
このため、発進期間が経過した後においては、出力操作
部材による加速操作中であるときにのみ加速指向と判定
されるので、手動変速レンジへの操作に基づいて一律に
加速指向と判定される場合に比較して、運転者の指向に
一層正確に適合した変速判断が得られる利点がある。
【0067】また、本実施例によれば、自動変速レンジ
へ操作されている状態において、発進期間判定手段11
0により発進期間ではないと判定されると、発進期間内
におけるスロットル弁開度TAの平均値TAAVが予め設
定された判断基準値a或いはbを越えたか否かを判断す
る平均スロットル弁開度判定手段112(SQ12、S
Q13)が備えられ、前記運転指向判定手段102(S
Q14、SQ15)は、平均スロットル弁開度判定手段
112により発進期間内の平均スロットル弁開度TAAV
が判断基準値aを越えたと判定された場合には加速指向
であると判定し、発進期間内の平均スロットル弁開度T
AVが判断基準値a以下であり且つ判断基準値bを越え
たと判定された場合には中間指向であると判定する。こ
のため、自動変速レンジへ操作されている状態では、発
進期間内におけるアクセルペダル操作量の平均値に基づ
いて発進期間後の運転指向が判定されるので、運転者の
指向に一層正確に適合した変速判断が得られる利点があ
る。
【0068】また、本実施例によれば、ブレーキペダル
82の非操作状態でのアクセルペダル58の戻し操作か
ら踏込み操作までのアイドル時間T1 が、予め設定され
た判断基準値Tc 或いはTd を越えたか否かを判断する
アイドル時間判定手段114(SQ32、SQ33)
と、ブレーキペダル82の操作完了からアクセルペダル
58の踏込み操作までのアクセルペダル非操作時間T2
が、予め設定された判断基準値Te 或いはTf を越えた
か否かを判断する制動操作後惰行時間判定手段116
(SQ37、SQ38)とが設けられており、前記運転
指向判定手段102(SQ34)は、自動変速レンジへ
操作されている状態において、加速指向と判定されてい
る走行状態においては上記アイドル時間T1 が判断基準
値Tc を越えたときは燃費指向と判定し、加速指向と判
定されていない走行状態においてはアイドル時間T1
判断基準値Td を越えたときは燃費指向と判定し、ま
た、加速指向と判定されている走行状態においては上記
アクセルペダル非操作時間T2 が判断基準値Te を越え
たときは燃費指向と判定し、加速指向と判定されていな
い走行状態においてはアクセルペダル非操作時間T2
判断基準値Tf を越えたときは燃費指向と判定する。こ
のため、車両の走行中において、惰行走行状態に応じて
運転指向が判定される利点がある。
【0069】また、本実施例によれば、ブレーキペダル
82の操作前におけるアクセルペダル58の非操作時間
0 が、予め設定された判断基準値Ta 或いはTb を下
回ったか否かを判断する制動操作前惰行時間判定手段1
18(SQ25、SQ26)が備えられ、前記運転指向
判定手段102(SQ27、SQ28、SQ29)は、
自動変速レンジへ操作されている状態において、1回目
の制動操作中と判定されている走行状態においては上記
アクセルペダル非操作時間T0 が判断基準値T a を下回
ったときは加速指向と判定し、上記アクセルペダル非操
作時間T0 が判断基準値Ta を上回るが判断基準値Tb
を下回ったときは中間指向と判定し、アクセルペダル非
操作時間T0 が判断基準値Tb を上回ったときは燃費指
向と判定する。このため、車両の走行中において、惰行
走行状態に応じて運転指向が判定される利点がある。
【0070】また、本実施例によれば、車両の制動時に
おける平均減速度GNBKAV が予め設定された判断基準値
1 或いはG2 を下回ったか否かを判断する制動時平均
減速度判定手段120(SQ41、SQ42)が備えら
れ、前記運転指向判定手段102(SQ27、SQ2
8、SQ29)は、自動変速レンジへ操作されている状
態において、上記平均減速度GNBKAV が判断基準値G1
を上回ったときは加速指向と判定し、上記平均減速度G
NBKAV が判断基準値G1 を下回るが判断基準値G 2 を上
回ったときは中間指向と判定し、平均減速度GNBKAV
判断基準値G2 を下回ったときは燃費指向と判定する。
このため、制動操作時においては、制動の強さに関連し
て加速指向が判定される利点がある。
【0071】また、本実施例によれば、加速指向と判定
されていない状態においてアクセルペダル58の操作速
度ACCTA が予め設定された判断基準値C8 を越えたか否
かを判定するアクセル操作速度判定手段122(SQ4
5)が備えられ、前記運転指向判定手段102(SQ4
6、SQ47)は、アクセルペダル58の操作速度ACCT
A が判断基準値C8 を越えたときには加速指向と判定
し、アクセルペダル58の操作速度ACCTA が判断基準値
8 以下となったときは中間指向と判定する。このた
め、加速操作時においては、アクセルペダル58の操作
速度ACCTA に関連して加速指向が判定される利点があ
る。
【0072】また、本実施例によれば、高負荷走行では
ない走行状態の所定区間内におけるスロットル弁開度T
Aの分散DISTHR(たとえば標準偏差値)が予め設定され
た判断基準値I或いはJを越えたか否かを判定するスロ
ットル弁開度の分散判定手段124(SQ51、SQ5
2)が備えられ、前記運転指向判定手段102(SQ4
6、SQ47、SQ53)は、スロットル弁開度TAの
分散DISTHRが判断基準値Iを越えたときには加速指向と
判定し、スロットル弁開度TAの分散DISTHRが判断基準
値Iを下まわるが判断基準値Jを越えたときには中間指
向と判定し、スロットル弁開度TAの分散DISTHRが判断
基準値Jを下まわったときには燃費指向と判定する。こ
のため、加速操作時においては、所定区間内のスロット
ル弁開度TAの分散DISTHRに関連して加速指向が判定さ
れる利点がある。
【0073】また、本実施例によれば、たとえばスロッ
トル弁開度TAが85%以上の高負荷走行時において、
高負荷走行時間CTHRLが予め設定された判断基準値CI
或いはCJ を越えたか否かを判定する高負荷走行時間判
定手段126(SQ57、SQ58)が備えられ、前記
運転指向判定手段102(SQ59、SQ60)は、高
負荷走行時間CTHRLが判断基準値CI 以上となったとき
には加速指向と判定し、高負荷走行時間CTHRLが判断基
準値CI を下まわるが判断基準値CJ を越えたときは中
間指向と判定する。
【0074】次に本発明の他の実施例を説明する。な
お、以下の実施例において前述の実施例と共通する部分
には同一の符号を付して説明を省略する。
【0075】図13は、本発明の他の実施例における電
子制御装置42の制御機能の要部を説明する機能ブロッ
ク線図である。図において、変速線図選択状態判定手段
130は、所定の運転期間内における変速線図の選択状
態を判定する。変速線図切換手段132は、その変速線
図選択状態判定手段130により判定された所定の運転
期間内における変速線図の選択状態に基づいて、前記複
数種類の変速線図から所定の変速線図を選択してそれに
切り換える。
【0076】上記変速線図選択状態判定手段130は、
前記所定の運転区間内における変速線図の選択状態に対
応する評価値PAVE 、PI を算出する選択状態評価値算
出手段と134と、その選択状態評価値算出手段134
により算出された評価値PAV E 、PI に基づいて補正値
Wを算出する補正値算出手段136と、発進期間内のア
クセルペダル操作量、走行中における惰行走行状態、走
行中におけるスロットル弁開度TAのばらつき、走行中
におけるシフトレバー78の操作状態などの車両の運転
指向に関連して変化する運転指向関連変数と、上記補正
値算出手段136により算出された補正値Wにより補正
された判断基準値とを比較することにより、運転指向を
判定する運転指向判定手段138とを含む。変速線図切
換手段132は、その運転指向判定手段138により判
定された運転指向に対応する変速線図を選択する。
【0077】上記運転指向関連変数は、車両において運
転指向に関連して変化する変数であり、たとえばスロッ
トル弁開度増加量検出手段140により加速操作時に検
出されるスロットル弁開度増加量ΔTA、制動時減速度
検出手段142により車両の制動操作時に検出される制
動時減速度GNBK 、アイドル時間検出手段144により
検出された走行中のアイドル時間T1 、制動操作後惰行
走行時間検出手段146により検出された制動操作後惰
行走行時間T2 などが用いられる。
【0078】図14は、電子制御装置42の制御作動の
要部を説明するフローチャートである。図のSR1で
は、車両のイグニションスイッチがオン状態であるか否
かが判断される。このSR1の判断が否定された場合
は、SR2において燃費指向を示すフラグXECO の内容
が「1」にセットされた後に本ルーチンが終了させられ
るが、肯定された場合は、SR3において評価値計算許
可が出されたか否かが判断される。この評価値とは、た
とえばイグニションスイッチがオン状態とされてからの
運転期間などの所定の運転区間における変速線図の切り
換え状態を示す値であり、評価値計算許可は、その評価
値の計算を実行させるために所定の周期で或いは変速線
図の切り換え毎に出されるものである。
【0079】上記SR3の判断が否定された場合は本ル
ーチンが終了させられるが、肯定された場合は、SR4
において評価値が算出される。すなわち、評価値計算許
可が出されたときの得点Pn (n回目の許可時の得点)
が、加速指向に対応する図3の変速線図が選択されてい
るときは点「3」、中間指向に対応する図4の変速線図
が選択されているときは点「2」、燃費指向に対応する
図5の変速線図が選択されているときは点「1」とされ
るとともに、その得点Pn の平均値を算出することによ
りパターン得点平均値PAVE 〔=(P1 +P2 +・・+
n )/n〕が算出され、その得点Pn をそれまでの得
点に加算することによりパターン得点積分値PI 〔=P
1 +P2 +・・+Pn 〕が算出される。
【0080】次いで、SR5において、上記パターン得
点平均値PAVE が予め設定された判断基準値a1 よりも
小さく且つ上記パターン得点積分値PI が予め設定され
た判断基準値b1 よりも小さいか否かが判断される。ま
た、このSR5の判断が否定された場合には、上記パタ
ーン得点平均値PAVE が予め設定された判断基準値a 2
よりも小さく且つ上記パターン得点積分値PI が予め設
定された判断基準値b 2 よりも小さいか否かが判断され
る。上記判断基準値a1 およびa2 は、パターン得点平
均値PAVE が大きくなる程加速指向である関係から、運
転指向を判断するための判断基準値Kを補正する補正値
Wを決定する値であり、a1 <a2 である。また、上記
判断基準値b1 およびb2 は、パターン得点積分値PI
が大きくなる程加速指向である関係から、運転指向を判
断するための判断基準値Kを補正する補正値Wを決定す
る値であり、b1 <b2 である。
【0081】上記SR5の判断が肯定された場合は、S
R7において補正値WとしてW1 が採用され、上記SR
5の判断が否定され且つSR6の判断が肯定された場合
は、SR8において補正値WとしてW2 が採用される。
そして、SR5およびSR6の判断が共に否定された場
合は、SR9において車両の停止であるか否かすなわち
車速Vが「0」であるか否かが判断され、そのSR9の
判断が否定された場合はSR10において補正値Wとし
てW3 が採用されるが、SR9の判断が肯定された場合
はSR11において発進加速のために加速指向を示すフ
ラグXSPORT の内容が「1」にセットされる。本実施例
では、上記補正値W1 、W2 、W3 は、W1 <W2 <W
3 の関係にある。
【0082】上記のようにして、イグニッションキーが
一旦オン状態にされた運転期間内において、所定周期毎
に或いは変速線図の切り換え毎に補正値Wが決定される
と、たとえば図15に示す運転指向判定ルーチンにおい
て運転指向が判定される。たとえば、加速指向となる程
短くなる制動操作後惰行走行時間T2 が用いられる場合
では、SS1において制動操作後惰行走行時間T2 が予
め決定された判断基準値K1 よりも小さいか否かが判断
される。このSS1の判断が肯定された場合にはSS2
において加速指向を示すフラグXSPORT の内容が「1」
にセットされるが、否定された場合にはSS3において
制動操作後惰行走行時間T2 が予め決定された判断基準
値K2 よりも小さいか否かが判断される。このSS3の
判断が肯定された場合にはSS4において中間指向を示
すフラグXNORMの内容が「1」にセットされるが、否定
された場合にはSS5において燃費指向を示すフラグX
ECO の内容が「1」にセットされる。
【0083】そして、以上のようにして運転指向が判定
されると、前記図12に示す変速線図切換ルーチンが実
行されることにより、運転指向に対応した変速線図に切
り換えられる。なお、上記判断基準値K1 およびK
2 は、運転指向を判定するためにたとえば図16に示す
ような、補正値Wが大きくなるほど小さくなる関係〔K
1=f1 (W)、K2 =f2 (W)〕から補正値Wに基
づいてそれぞれ補正されるものであり、K1 <K2 であ
る。上記制動操作後惰行走行時間T2 に替えて走行中の
アイドル時間T1 が用いられる場合は、図16と同様に
補正値Wが大きくなるほど判断基準値が小さくなる関係
が用いられるが、加速操作時のスロットル弁開度増加量
ΔTA或いは制動操作時の制動時減速度GNBK が上記制
動操作後惰行走行時間T2 に替えて用いられる場合に
は、図16と反対に補正値Wが大きくなるほど判断基準
値が大きくなる関係が用いられる。
【0084】上述のように、本実施例によれば、変速線
図切換手段132(図12の変速線図切換ルーチン)に
より、変速線図選択状態判定手段130(SR1乃至S
R11、SS1乃至SS5)により判定された所定の運
転期間内における変速線図の選択状態に基づいて、前記
複数種類の変速線図から所定の変速線図が選択されてそ
れに切り換えられるので、運転者の運転指向に適合した
変速線図が得られるとともに、運転指向に適合した変速
制御が得られるのである。
【0085】また、本実施例によれば、変速線図選択状
態判定手段130により検出された所定の運転期間内に
おける変速線図の選択状態に対応する評価値PAVE 、P
I を算出する選択状態評価値算出手段134(SR4)
と、その選択状態評価値算出手段134により算出され
た評価値PAVE 、PI に基づいて補正値Wを算出する補
正値算出手段136(SR5乃至SR10)と、車両の
運転操作に関連して変化する運転操作関連変数と、補正
値算出手段136により算出された補正値Wにより補正
された判断基準値Kとを比較することにより、運転指向
を判定する運転指向判定手段138(SS1乃至SS
5)とから変速線図選択状態判定手段130が構成さ
れ、変速線図切換手段132は、運転指向判定手段13
8により判定された運転指向に対応する変速線図を選択
するものである。このようにすれば、運転者の運転指向
に一層正確に適合した変速線図が得られる利点がある。
【0086】以上、本発明の一実施例を示す図面に基づ
いて説明したが、本発明はその他の態様においても適用
される。
【0087】たとえば、前述の実施例の変速線図切換手
段100、132では、運転指向判定手段102、13
8の運転指向判定結果に基づいて複数種類の変速線図か
ら実際の運転指向に対応する1つの変速線図が選択され
ていたけれども、たとえば中間指向の変速線図から求め
られる変速点車速が、上記運転指向判定手段102、1
38の運転指向判定結果に基づいて修正されることによ
り、実質的に変速線図が変更されるようにしてもよい。
【0088】また、前述の図13の実施例では、前記変
速線図選択状態判定手段130によって変速線図選択状
態が判定される運転期間、すなわち選択状態評価値算出
手段134により変速線図選択状態評価値が算出される
運転期間は、イグニションスイッチがオン操作されてか
らの運転期間であったが、或いはステアリングホイール
や運転席の位置が変更されてからの運転期間、予め設定
された時間毎の運転期間であっても差し支えない。ま
た、上記選択状態評価値算出手段134により選択状態
評価値が更新される期間は、発進操作毎などの他の期間
であってもよい。
【0089】また、前述の図13の実施例では、選択状
態評価値算出手段134において、変速線図評価値とし
て、パターン得点平均値PAVE 或いはパターン得点積分
値P I が用いられていたが、時間経過が長い得点程重み
付けが小さくなる重み付け平均値などの他の評価値が、
用いられてもよい。
【0090】また、前述の図12のフローチャートにお
いて、燃費指向の変速線図或いは中間指向の変速線図へ
は、燃費指向を示すフラグXECO 或いは中間指向を示す
フラグXNORMの内容が「1」にセットされる毎に或いは
車両停止後の発進毎に切り換えるが、加速指向の変速線
図へは、車両停止後の発進毎のみに切り換えるようにし
てもよい。
【0091】また、前述の実施例の自動変速機14は所
謂A/Tとして知られる遊星歯車式の多段変速機であっ
たが、たとえば特開平2−271149号公報に記載さ
れているベルト式無段変速機であってもよい。
【0092】また、前述の実施例では、アクセルペダル
58の操作状態を検出するためにスロットルセンサ70
が用いられていたが、スロットル弁68がアイドル位置
にあることを検出するアイドルスイッチなどが用いられ
てもよい。
【0093】なお、上述したのはあくまでも本発明の一
実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲にお
いて種々変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の車両用自動変速機の変速制
御装置を説明する図である。
【図2】図1の自動変速機におけるギヤ段とそれを成立
させるための電磁弁或いは摩擦係合装置の作動状態との
組み合わせを示す図表である。
【図3】図1の変速制御装置において用いられる変速線
図であって、運転が加速(スポーツ)指向であると推定
されたときに選択される変速線図である。
【図4】図1の変速制御装置において用いられる変速線
図であって、運転が中間(ノーマル)指向であると推定
されたときに選択される変速線図である。
【図5】図1の変速制御装置において用いられる変速線
図であって、運転が燃費(エコノミー)指向であると推
定されたときに選択される変速線図である。
【図6】図1の電子制御装置の制御機能の要部を説明す
る機能ブロック線図である。
【図7】図1の電子制御装置の制御作動の要部を、図
8、図9、図10とともに説明するフローチャートであ
る。
【図8】図1の電子制御装置の制御作動の要部を、図
7、図9、図10とともに説明するフローチャートであ
る。
【図9】図1の電子制御装置の制御作動の要部を、図
7、図8、図10とともに説明するフローチャートであ
る。
【図10】図1の電子制御装置の制御作動の要部を、図
7、図8、図9とともに説明するフローチャートであ
る。
【図11】図6の制動操作前惰行時間判定手段において
用いられる制動操作前惰行走行時間T0 、図6のアイド
ル時間判定手段において用いられるアイドル時間T1
図6の制動操作後惰行時間判定手段において用いられる
制動操作後惰行走行時間T 2 をそれぞれ示すタイムチャ
ートである。
【図12】図1の電子制御装置の制御作動の要部であっ
て、変速線図切換ルーチンを説明するフローチャートで
ある。
【図13】本発明の他の実施例における電子制御装置の
制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図14】図13の実施例の電子制御装置の制御作動の
要部であって、補正値決定ルーチンを説明するフローチ
ャートである。
【図15】図13の実施例の電子制御装置の制御作動の
要部であって、運転指向判定ルーチンを説明するフロー
チャートである。
【図16】図15のフローチャートにおいて用いられる
判断基準値を求めるための関係を示す図である。
【符号の説明】
14:自動変速機 100、132:変速線図切換手段 102:運転指向判定手段 104:変速制御手段 106:シフト操作位置判定手段 108:加速操作判定手段 110:発進期間判定手段 130:変速線図選択状態判定手段 134:選択状態評価値算出手段 136:補正値算出手段 138:運転指向判定手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数種類の変速線図から車両の運転指向
    に基づいて選択された変速線図を用いて自動変速機の変
    速比を制御する変速制御装置であって、 車両のシフト操作部材が、自動変速レンジに比較して所
    定の高速側ギヤ段への変速を制限する手動変速レンジへ
    操作されているか否かを判定するシフト操作位置判定手
    段と、 該シフト操作位置判定手段により前記シフト操作部材の
    操作位置が前記手動変速レンジへ操作されていることが
    判定されたことに基づいて、運転が加速指向であること
    を判定する運転指向判定手段と、 前記シフト操作部材が前記自動変速レンジへ復帰操作さ
    れた場合には、前記複数種類の変速線図から前記運転指
    向判定手段により判定された運転指向に対応する変速線
    図を選択してそれに切り換える変速線図切換手段とを、
    含むことを特徴とする車両用自動変速機の変速制御装
    置。
  2. 【請求項2】 車速が低速走行を判定するために予め設
    定された設定車速よりも低い発進期間であるか否かを判
    定する発進期間判定手段をさらに備え、 前記運転指向判定手段は、該発進期間判定手段により車
    両の発進期間であると判定された場合は、前記シフト操
    作位置判定手段により前記シフト操作部材の操作位置が
    前記手動変速レンジへ操作されていることが判定された
    ことに基づいて車両の加速指向を判定するものである請
    求項1の車両用自動変速機の変速制御装置。
  3. 【請求項3】 車両の出力操作部材により加速操作が行
    われているか否かを判定する加速操作判定手段をさらに
    備え、 前記運転指向判定手段は、前記発進期間判定手段により
    車両の発進期間でないと判定された場合は、前記シフト
    操作位置判定手段により前記シフト操作部材の操作位置
    が前記手動変速レンジへ操作されていることが判定さ
    れ、且つ前記加速操作判定手段により前記出力操作部材
    が加速操作中であると判定されたことに基づいて、運転
    が加速指向であることを判定するものである請求項2の
    車両用自動変速機の変速制御装置。
  4. 【請求項4】 複数種類の変速線図から車両の運転指向
    に基づいて選択された変速線図を用いて自動変速機の変
    速比を制御する変速制御装置であって、 出力操作部材の非操作時前の所定の運転期間内における
    変速線図の選択状態を判定する変速線図選択状態判定手
    段と、 該変速線図選択状態判定手段により判定された前記所定
    の運転期間内における変速線図の選択状態に基づいて、
    前記複数種類の変速線図から所定の変速線図を選択して
    それに切り換える変速線図切換手段とを、含むことを特
    徴とする車両用自動変速機の変速制御装置。
  5. 【請求項5】 前記変速線図選択状態判定手段は、 前記所定の運転期間内における変速線図の選択状態に対
    応する評価値を算出する選択状態評価値算出手段と、 該選択状態評価値算出手段により算出された評価値に基
    づいて補正値を算出する補正値算出手段と、 車両の運転操作に関連して変化する運転指向関連変数
    と、該補正値算出手段により算出された補正値により補
    正された判断基準値とを比較することにより、運転指向
    を判定する運転指向判定手段とを含み、 前記変速線図切換手段は、該運転指向判定手段により判
    定された運転指向に対応する変速線図を選択するもので
    ある請求項4の車両用自動変速機の変速制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007085481A (ja) * 2005-09-22 2007-04-05 Mazda Motor Corp 自動変速機の変速制御装置

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JP2007085481A (ja) * 2005-09-22 2007-04-05 Mazda Motor Corp 自動変速機の変速制御装置

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