JPH09241694A - アニオン界面活性剤、高嵩密度粒状アニオン界面活性剤、高嵩密度粒状洗剤組成物およびその製造法 - Google Patents

アニオン界面活性剤、高嵩密度粒状アニオン界面活性剤、高嵩密度粒状洗剤組成物およびその製造法

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JPH09241694A
JPH09241694A JP8056537A JP5653796A JPH09241694A JP H09241694 A JPH09241694 A JP H09241694A JP 8056537 A JP8056537 A JP 8056537A JP 5653796 A JP5653796 A JP 5653796A JP H09241694 A JPH09241694 A JP H09241694A
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JP
Japan
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fatty acid
anionic surfactant
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density granular
salt
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JP8056537A
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English (en)
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Shinichi Fukutome
信一 福留
Seiji Abe
誠治 阿部
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Lion Corp
Original Assignee
Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩からな
る良好な低温溶解性を有するアニオン界面活性剤と、こ
のアニオン界面活性剤を用いた低温溶解性に優れた高嵩
密度粒状アニオン界面活性剤、高嵩密度粒状洗剤組成物
およびその製造法を提供する。 【解決手段】 (A)α−スルホ脂肪酸アルキルエステ
ル、(B)脂肪酸または/および脂肪酸塩、およびこれ
ら(A)と(B)の中和当量以上のアルカリ中和剤を混
合、中和して、不飽和脂肪酸基/飽和脂肪酸基の重量比
が0.2以上である脂肪酸塩が、α−スルホ脂肪酸アル
キルエステル塩に対して0.1〜1の重量比で含まれる
アニオン界面活性剤を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低温溶解性が改善
されたα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩からなるア
ニオン界面活性剤と、このアニオン界面活性剤を用いた
高嵩密度粒状アニオン界面活性剤および高嵩密度粒状洗
剤組成物と、これらの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、衣料用洗剤としては、噴霧乾燥法
によって製造された、その粒子内部に空隙を有する噴霧
乾燥粒子からなる洗剤が用いられてきた。しかし、この
噴霧乾燥粒子はかさ高いため、1回の洗浄に使用する体
積量が多く、また、噴霧乾燥法はエネルギーロスが大き
く経済的ではない。そこで、上述の噴霧乾燥粒子にかわ
って、近年では粒状洗剤の密度を高めたいわゆるコンパ
クト洗剤(高嵩密度粒状洗剤)が主流となっている。こ
の高嵩密度粒状洗剤は、従来よりも少ないみかけ体積量
で洗浄することができ、圧密化・造粒して高嵩密度粒子
とするので、噴霧乾燥法による乾燥を簡略化あるいは省
略でき、噴霧乾燥粒子よりもエネルギーロスが少ないと
いう利点を有している。しかし、この高嵩密度粒状洗剤
は粒子内部に空隙がないので、上述のような利点を有す
るとともに、従来の噴霧乾燥粒子からなる洗剤と比較し
て溶解性が劣り、特に低温溶解性の更なる改善が要求さ
れている。
【0003】一方、衣料用洗剤などに利用されるアニオ
ン界面活性剤としては、数多くの種類が開発されて市販
洗剤に配合されており、その一つとしてα一スルホ脂肪
酸エステル塩が知られている。α一スルホ脂肪酸エステ
ル塩は、洗浄力が優れており、洗剤材料としての高い性
能を有している。また、生分解性が良好であるので、環
境に対する影響が少ないという利点も有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このα
−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩は、低温溶解性が低
く、このため、このα−スルホ脂肪酸アルキルエステル
塩を配合して高嵩密度粒状洗剤組成物とすると低温溶解
性が劣るという問題があった。本発明は前記事情に鑑み
てなされたもので、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル
塩からなる良好な低温溶解性を有するアニオン界面活性
剤と、このアニオン界面活性剤を用いた低温溶解性に優
れた高嵩密度粒状アニオン界面活性剤または高嵩密度粒
状洗剤組成物と、これらの製造法を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題は、(A) α
−スルホ脂肪酸アルキルエステル、(B) 脂肪酸およ
び/または脂肪酸塩、およびこれら(A)と(B)の中
和当量以上のアルカリ中和剤を混合、中和し、不飽和脂
肪酸基/飽和脂肪酸基の重量比が0.2以上である脂肪
酸塩が、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩に対して
0.1〜1の重量比で含まれるアニオン界面活性剤を製
造することによって解決される。また、前記アニオン界
面活性剤を、少なくとも1種以上の表面改質剤存在下で
造粒処理して高嵩密度粒状アニオン界面活性剤または高
嵩密度粒状洗剤組成物とすることもできる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のアニオン界面活性剤は、
α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩と、脂肪酸塩から
なるものである。この脂肪酸塩の脂肪酸組成は、不飽和
脂肪酸基/飽和脂肪酸基の重量比が0.2以上、より好
ましくは0.3〜0.8である。また、前記α−スルホ
脂肪酸アルキルエステル塩に対する脂肪酸塩の重量比は
0.1〜1、より好ましくは0.2〜0.8である。上
述の脂肪酸塩組成において、不飽和脂肪酸基/飽和脂肪
酸基の重量比が0.2未満であると低温溶解性改善効果
が少ない。また、前記α−スルホ脂肪酸アルキルエステ
ル塩に対する脂肪酸塩の重量比が0.1未満であると低
温溶解性は改善されず、1を越えると低温溶解性が低下
し、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の洗浄性能が
十分に発揮されない。
【0007】このアニオン界面活性剤は、(A) α−
スルホ脂肪酸アルキルエステル、(B) 脂肪酸および
/または脂肪酸塩、およびこれら(A)と(B)の中和
当量以上のアルカリ中和剤とを混合、中和して製造す
る。ついで、このアニオン界面活性剤を、少なくとも1
種以上の表面改質剤の存在下、造粒処理して高嵩密度粒
状アニオン界面活性剤または高嵩密度粒状洗剤組成物を
得る。本発明のアニオン界面活性剤、高嵩密度粒状アニ
オン界面活性剤および高嵩密度粒状洗剤組成物は、前記
条件を満足するようにして製造された結果、望まれる低
温溶解性を有するものである。ここで、高嵩密度粒状ア
ニオン界面活性剤とは、他の洗剤成分を加えずに前記ア
ニオン界面活性剤を造粒処理した高嵩密度粒子とする。
また、高嵩密度粒状洗剤組成物とは、他の洗剤成分とと
もにアニオン界面活性剤または高嵩密度粒状アニオン界
面活性剤を造粒処理したものか、前記高嵩密度粒状アニ
オン界面活性剤と他の洗剤成分の高嵩密度粒子を混合し
たものとする。
【0008】上述のアニオン界面活性剤中のα−スルホ
脂肪酸アルキルエステル塩の出発物質である(A) α
一スルホ脂肪酸エステルは、以下の一般式(I)で示さ
れるものが好適である。 (R1:炭素数8〜22のアルキル基 R2:炭素数1〜3のアルキル基) このα−スルホ脂肪酸アルキルエステルは、脂肪酸残基
の平均炭素数が9〜23、エステルのアルキル基の平均
炭素数が1〜3のものである。
【0009】また、上述のα−スルホ脂肪酸アルキルエ
ステルは、通常漂白処理を施して製品とされるため、こ
の漂白処理用試薬として一般に用いられる過酸化水素、
低級アルコールなどを含む。加えて、さらに原料由来の
不純物、水などを含むことにより、このα−スルホ脂肪
酸アルキルエステルはペースト状となっている。この状
態からアニオン界面活性剤を製造することもできるが、
予めトッピング処理(加温、減圧処理)を行って、上述
の不純物や水分を除去した粉末状のα−スルホ脂肪酸ア
ルキルエステルを用いると、製造性および操作性が向上
する。また、高嵩密度粒状洗剤組成物の環境および品質
に対する影響が低減する。
【0010】また、前記アニオン界面活性剤中の脂肪酸
塩の出発物質である(B) 脂肪酸および/または脂肪
酸塩としては、下記の一般式(II)で表わされるもの
を用いることができる。 RCOOM ・・・(II) (R:炭素数9〜17のアルキル基またはアルケニル基 M:水素またはアルカリ金属、一価に相当するアルカリ
土類金属、または置換もしくは無置換のアンモニウム
基) この脂肪酸あるいは脂肪酸塩は、炭素鎖長(脂肪酸基の
炭素数)10〜18の飽和または不飽和のものである。
そして、脂肪酸塩において、上述の一般式(II)中の
カルボキシル基と結合するMは、ナトリウム、カリウ
ム、リチウムなどのアルカリ金属;カルシウム、マグネ
シウムなどのアルカリ土類金属;アンモニウム、トリメ
チルアミン、トリエチルアミンなどの低級アミン、モノ
エタノールアミン、トリエタノールアミンなどのモノ、
ジまたはトリ低級アルカノールアミン、リジンなどの無
置換または置換のアンモニウム基であり、特に好ましく
は、ナトリウム、カリウムである。この脂肪酸塩の出発
物質(以下脂肪酸原料と記す)中の脂肪酸と脂肪酸塩の
比率は、特に限定することはなく、各々を単独で用いて
もよいし、これらの任意の比率の混合系としてもよい。
また、脂肪酸塩は60〜70重量%の濃度の水溶液とし
て用いてもよい。
【0011】また、この脂肪酸塩原料は以下のような条
件を満足する必要がある。すなわち、以下の一般式(I
II)にて表されるこの脂肪酸塩原料中の脂肪酸基は、
不飽和脂肪酸基/飽和脂肪酸基の重量比が0.2以上で
ある脂肪酸組成を有するものとする。0.2未満とする
と、アニオン界面活性剤の低温溶解性が低下する。この
重量比は、好ましくは0.3〜0.8、さらに好ましく
は0.3〜0.6とする。 RCOO- ・・・(III) (R:炭素数9〜17のアルキル基またはアルケニル
基)
【0012】このとき、この脂肪酸塩原料中の脂肪酸基
は、不飽和脂肪酸基のみとしてもよいし、飽和脂肪酸基
と不飽和脂肪酸基1種以上の混合系としてもよい。不飽
和脂肪酸基のみとした場合には、飽和脂肪酸基を含む場
合よりもアニオン界面活性剤の融点が低下し、その低温
溶解性はさらに向上するが、ややアニオン界面活性剤、
高嵩密度粒状アニオン界面活性剤または高嵩密度粒状洗
剤組成物の製造過程の操作性が低下する。
【0013】上述の一般式(I)で表されるα−スルホ
脂肪酸アルキルエステルおよび、一般式(II)で表さ
れる脂肪酸または脂肪酸塩は、いずれも脂肪酸に由来す
る部位を有しており、この脂肪酸は、牛脂、パーム油、
パーム核油などから誘導される動植物起源のものや、合
成脂肪酸が用いられる。
【0014】アルカリ中和剤としては、ナトリウム、カ
リウムなどのアルカリ金属の水酸化物、ケイ酸塩、炭酸
塩、重炭酸塩を好適に用いることができ、これらのうち
1種または2種以上を混合して用いることができる。前
記水酸化物およびケイ酸塩は、通常45〜60重量%程
度の水溶液として用いるが、炭酸塩および重炭酸塩は粉
体状(粉粒状)で用いることができる。粉体状のアルカ
リ中和剤を用いる方が、製造における操作性が良好であ
るし、高嵩密度粒状アニオン界面活性剤または高嵩密度
粒状洗剤組成物の水分量が調整しやすいので好ましい。
このアルカリ中和剤の使用量は、上述の(A) α−ス
ルホ脂肪酸アルキルエステル、および(B) 脂肪酸お
よび/または脂肪酸塩の中和当量以上であり、好ましく
は3〜20倍当量、さらに好ましくは5〜15倍当量と
する。20倍当量を越えるとアニオン界面活性剤中の界
面活性剤有効成分が少なくなるので好ましくない。
【0015】表面改質剤は無機微粉末であり、その粒子
径は20μm以下、望ましくは10μm以下である。こ
の表面改質剤は、上述の造粒処理の際には粉砕助剤とし
て働き、効率よく粉砕、造粒できるようにする効果をも
ち、また、高嵩密度粒状アニオン界面活性剤と高嵩密度
粒状洗剤組成物の粉体流動性を良好にするものである。
具体的には、ゼオライト、シリカ、酸化チタン、炭酸カ
ルシウム、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウムなどを1種
または2種以上組み合わせて用い、中でも洗浄性能を向
上させるようなゼオライト、炭酸ナトリウムを用いると
好ましい。この表面改質剤の使用量は造粒処理方法によ
って異なり、全製造工程の製造性、製品性能、製品の外
観なども考慮して任意に設定することができる。また、
高嵩密度粒状アニオン界面活性剤または高嵩密度粒状洗
剤組成物に対して10重量%以下の表面改質剤を用い
て、造粒処理終了後に高嵩密度粒状アニオン界面活性剤
または高嵩密度粒状洗剤組成物の表面をコーティングす
ると、粉体流動性がさらに向上し、好ましい。
【0016】以下、本発明のアニオン界面活性剤、高嵩
密度粒状アニオン界面活性剤および高嵩密度粒状洗剤組
成物の製造操作の例について説明する。すなわち、α−
スルホ脂肪酸アルキルエステル、脂肪酸塩原料およびア
ルカリ中和剤を、混合装置に供給して、捏和、混合し、
中和することによって、アニオン界面活性剤のペースト
またはドウ状物(パン生地状)を得る。
【0017】高嵩密度粒状アニオン界面活性剤は、前記
アニオン界面活性剤のペーストまたはドウ状物と、必要
によりビルダーなどの任意成分とを、表面改質剤の存在
下で造粒処理して製造することができる。前記高嵩密度
粒状アニオン界面活性剤製造時に用いるビルダーなどの
任意成分は、アニオン界面活性剤の硬さを調整し、高嵩
密度粒状アニオン界面活性剤を製造する際の造粒に適し
た物性に改質するためのものである。アニオン界面活性
剤の不飽和脂肪酸基/飽和脂肪酸基の重量比が大きくな
ると、アニオン界面活性剤が柔らかくなるので、前記ビ
ルダーなどの任意成分が必要となる場合がある。このビ
ルダーなどの任意成分としては上述に例示した表面改質
剤と同様の無機ビルダーなどを用いることができ、具体
的には炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、硫酸ナトリ
ウム、ゼオライト、シリカ、酸化チタンなどの粉体をあ
げることができる。
【0018】前記アニオン界面活性剤または高嵩密度粒
状アニオン界面活性剤を用いた高嵩密度粒状洗剤組成物
は以下のa法、b法のいずれかをよって製造することが
好ましい。 (a法)前記アニオン界面活性剤または高嵩密度粒状ア
ニオン界面活性剤を、後述する公知の洗浄性・品質向上
剤などの他の洗剤成分とともに、表面改質剤の存在下で
造粒処理し、高嵩密度粒状洗剤組成物とする。具体的に
は、このアニオン界面活性剤と、洗剤成分を捏和、混合
した混合物を、表面改質剤存在下で粉砕して高嵩密度粒
状洗剤組成物とする(捏和・粉砕法)。このとき後述す
る撹拌造粒機を用いて、アニオン界面活性剤と洗剤成分
とを表面改質剤存在下で一度に混合し、造粒してもよい
(撹拌造粒法)。 (b法)前記高嵩密度粒状アニオン界面活性剤と、予め
常法により製造した他の洗剤成分を含有する高嵩密度粒
子を粉体混合し、高嵩密度粒状洗剤組成物とする。この
際、前記他の洗剤成分のうち、酵素、柔軟剤、漂白剤な
どの性能向上粒を、上述のa法またはb法で得られた高
嵩密度粒状洗剤組成物と粉体混合してもよい。また、香
料や発塵抑制剤は前記高嵩密度粒状洗剤組成物に噴霧す
ることもできる。
【0019】上述のアニオン界面活性剤、高嵩密度粒状
アニオン界面活性剤および高嵩密度粒状洗剤組成物の製
造における、混合・中和操作から造粒処理操作に至る工
程中には中和熱が発生するので、必要に応じて冷却水
(10℃以下)や冷風(20℃以下)によって冷却し、
この中和熱を除去してもよい。
【0020】上述の混合・中和操作に用いる混合装置と
しては、上述の材料を、十分に混合することができるも
のであれば特に限定することはないが、高剪断力セルフ
クリーニングタイプの圧密・捏和装置が好ましい。具体
的には、KRCニーダー(栗本鉄工社製)、ホンダコン
ティニュアスニーダー(本田鉄工社製)などがあげられ
る。また、タービュライザー(細川ミクロン社製)、レ
ーディゲミキサー(マツボー社製)、ハイスピードミキ
サー(深江工業社製)などの竪型または横型の撹拌造粒
機や、ナウターミキサー(細川ミクロン社製)なども使
用可能である。
【0021】また、上述の混合・中和操作後の工程や高
嵩密度粒状アニオン界面活性剤または高嵩密度粒状洗剤
組成物の製造時などに粉砕操作を行うことができるが、
この粉砕機としては、特に、カッターミルタイプのもの
が好適であり、例えば、フィッツミル(細川ミクロン社
製)などを用いることができる。
【0022】また、上述の粉砕操作の前処理として、必
要に応じてアニオン界面活性剤を任意の形状(通常円柱
ペレット状とする。)に成形する押出操作を行うことの
できる。また、必要に応じて、流動層乾燥機などによっ
て水分調整を行うことは任意である。
【0023】また、上述のようにして得られる混合・中
和操作後のアニオン界面活性剤の性状は、ドウ状あるい
は柔らかいペースト状である。この性状は、このアニオ
ン界面活性剤を構成するα−スルホ脂肪酸アルキルエス
テル塩の種類と含量、脂肪酸塩の種類と含量、この脂肪
酸塩の飽和脂肪酸基に対する不飽和脂肪酸基の重量比、
また、アルカリ中和剤の種類と使用量、材料のα−スル
ホ脂肪酸アルキルエステルの不純物の含有量、材料中の
水分、および製造条件などによって変化する。すなわ
ち、これらの条件を変化させることによって、必要に応
じて、ある程度アニオン界面活性剤の性状を調整するこ
ともできる。
【0024】また、高嵩密度粒状アニオン界面活性剤ま
たは高嵩密度粒状洗剤組成物中の水分量は3〜15重量
%、好ましくは5〜10重量%とする。3重量%未満で
あると十分な低温溶解性が得られず、15重量%を越え
ると、製造が困難となるだけでなく、高嵩密度粒状アニ
オン界面活性剤または高嵩密度粒状洗剤組成物自身の荷
重の増大や保存時の吸湿により粒子が凝集してダマが発
生する。これら高嵩密度粒状アニオン界面活性剤または
高嵩密度粒状洗剤組成物の平均粒径は、300〜100
0μmとすると好ましい。さらに好ましくは、400〜
700μmとする。300μm未満であると微粉が増加
するので、粉体流動性が低下したり、水中に投入した際
に凝集し、ダマ化して、低温溶解性が低下する。100
0μmを越えると低温溶解性が低下する。さらにこれら
高嵩密度粒状アニオン界面活性剤または高嵩密度粒状洗
剤組成物の嵩密度は通常0.6g/cm3以上とし、さ
らに好ましくは0.6〜1.2g/cm3とする。
【0025】また、アニオン界面活性剤、高嵩密度粒状
アニオン界面活性剤、または高嵩密度粒状洗剤組成物中
のα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩は、5重量%以
上、より好ましくは10〜70重量%とする。また、こ
のα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩と脂肪酸塩との
合計量が5.5重量%以上となるようにする。α−スル
ホ脂肪酸アルキルエステル塩の含量が5重量%未満で
は、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の特性が有効
に発揮されず、70重量%を越えると低温溶解性が低下
する。
【0026】上述の高嵩密度粒状洗剤組成物において、
本発明のアニオン界面活性剤の他に配合する洗剤成分と
しては、洗浄力、泡立ち性、すすぎ性、酵素安定性、香
気、発塵、洗浄対象の漂白や柔軟性などの改善を目的と
する公知のものを、単独または組み合わせて用いること
ができる。また、必須成分である本発明のアニオン界面
活性剤の組成の一部を、α−スルホ脂肪酸アルキルエス
テル塩または/および脂肪酸塩の状態で、上述の配合方
法で配合するようにしてもよい。
【0027】これらの洗剤成分の組み合わせや配合量
は、高嵩密度粒状アニオン界面活性剤または高嵩密度粒
状洗剤組成物中の水分量や、アニオン界面活性剤、高嵩
密度粒状アニオン界面活性剤または高嵩密度粒状洗剤組
成物のα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩含量および
α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩と脂肪酸塩の合計
量などの条件を満足すれば、目的に応じて任意に設定可
能である。これらの洗剤成分は、各々の性状や物性によ
って異なるが、噴霧乾燥法によって噴霧乾燥粒子として
たものを用いることもできる。この噴霧乾燥法による乾
燥時に水分量を調整することもできる。
【0028】上述の洗剤成分としては、以下のようなも
のが用いられる。例えば、必須成分以外のアニオン界面
活性剤としては、硫酸塩、スルホン酸塩、カルボン酸
塩、リン酸塩等がある。硫酸塩としては以下のものが例
示される。 (1)平均炭素数10〜18のアルキル基またはアルケ
ニル基を有する高級アルコール硫酸塩。 (2)飽和または不飽和のアルコール残基の平均炭素数
が10〜18でl分子内に平均0.5〜8モルのエチレ
ンオキサイドを付加した高級アルコールエトキシレート
硫酸塩。
【0029】スルホン酸塩としては、以下のものが例示
できる。 (1)平均炭素数10〜18のアルキル基またはアルケ
ニル基を有する直鎖または分岐鎖アルキルベンゼンスル
ホン酸塩。 (2)平均炭素数10〜18のα−オレフィンスルホン
酸塩。
【0030】これらのアニオン界面活性剤の対イオン
は、通常カリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属が好
適である。
【0031】また、溶解性の改善や発塵抑制剤としての
効果も有するノニオン界面活性剤も前記高嵩密度粒状洗
剤組成物の製造の際にアニオン界面活性剤とともに造粒
処理したり、この高嵩密度粒状洗剤組成物に噴霧して添
加することができる。このノニオン界面活性剤として
は、以下のものがあげられる。 (l)以下の一般式(IV)で示される脂肪酸ポリオキ
シアルキレンアルキルエ一テル。 (R3CO:炭素数6〜20の飽和または不飽和の脂肪
酸残基 AO:炭素数2〜4のオキシアルキレン基あるいはそれ
らの混合したオキシアレキレン基 n:オキシアルキレンの平均付加モル数を示し、3〜3
0(ランダム、ブロック付加したものを含む) R4:炭素数1〜5のアルキル基)
【0032】(2)飽和または不飽和の直鎖または分岐
鎖のアルコールの炭素鎖長8〜18、オキシエチレンの
平均付加モル数3〜30のポリオキシエチレンアルキル
エーテル。 (3)飽和または不飽和の直鎖または分岐鎖のアルコー
ルの炭素鎖長8〜18、オキシエチレンの平均付加モル
数3〜30、オキシプロピレンの平均付加モル数2〜3
0のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル
エーテル。
【0033】また、発塵抑制剤としては前記ノニオン界
面活性剤以外に融点35℃以下のポリエチレングリコー
ルやポリプロピレングリコールなども有効である。
【0034】さらに、他の洗剤成分として、上述に例示
した表面改質剤と同様の無機ビルダーなどを配合するこ
ともできる。また、他の無機ビルダーとしてトリポリリ
ン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウムなどがあげられ
る。また、この他にはクエン酸ナトリウム、エチレンジ
アミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸塩、ポリアク
リル酸ナトリウム、アクリル酸ナトリウム−無水マレイ
ン酸ナトリウム共重合体、ポリアセタールカルボキシレ
ート、ヒドロキシイミノジコハク酸ナトリウムなどのカ
ルシウムイオン捕捉ビルダー;カルボキシメチルセルロ
ース、ポリエチレングリコールなどの再汚染防止剤;パ
ラトルエンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、キシ
レンスルホン酸塩、尿素などの粘度調整剤;第4級アン
モニウム塩、ベンナイト塩などの柔軟付剤;亜硫酸ナト
リウム、亜硫酸水素ナトリウムなどの還元剤;過炭酸ナ
トリウム、過ほう酸ナトリウムなどの漂白剤;エチレン
ジアミンテトラアセテート、オクタノイルオキシベンゼ
ンスルホン酸などの漂白活性剤;蛍光増白剤、香料、酵
素、色素、ホワイトカーボンなどを配合することができ
る。
【0035】酵素としては、加水分解酵素、酸化酵素、
還元酵素、トランスフェラーゼ、リアーゼ、イソメラー
ゼ、リガーゼ、シンテターゼなどを添加することができ
る。さらに好ましくは、プロテアーゼ、ケラチナーゼ、
リパーゼ、エステラーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、プ
ルラナーゼ、ペクチナーゼ、クチナーゼ、グルコシター
ゼ、グルカナーゼ、コレステロールオキシターゼ、ペル
オキシターゼなどがあげられる。
【0036】本発明の実施の態様をまとめると以下の様
になる。 本発明のアニオン界面活性剤、高嵩密度粒状アニオ
ン界面活性剤または高嵩密度粒状洗剤組成物中のα−ス
ルホ脂肪酸アルキルエステル塩含量は、5重量%以上、
より好ましくは10〜70重量%とする。また、このα
−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩と脂肪酸塩との合計
量は5.5重量%以上とすると好ましい。 アルカリ中和剤の使用量は、α−スルホ脂肪酸アル
キルエステルと、脂肪酸および/または脂肪酸塩の中和
当量以上であり、好ましくは3〜20倍当量、さらに好
ましくは5〜15倍当量とする。 本発明の高嵩密度粒状アニオン界面活性剤または高
嵩密度粒状洗剤組成物の水分量は3〜15重量%、好ま
しくは5〜10重量%とする。また、これらの平均粒径
は300〜1000μmとし、さらに好ましくは、40
0〜700μmとし、嵩密度は0.6g/cm3以上、
さらに好ましくは0.6〜1.2g/cmとする。 本発明の高嵩密度粒状洗剤組成物には、必須成分で
ある本発明のアニオン界面活性剤の他に、公知の洗浄性
・品質向上剤などの洗剤成分を配合することができる。
この配合方法としては、例えば、以下の2つの方法を用
いることができる。すなわち、本発明のアニオン界面活
性剤または高嵩密度粒状アニオン界面活性剤と、前記洗
剤成分を捏和、混合した混合物を、表面改質剤存在下で
粉砕して高嵩密度粒状洗剤組成物とする。このとき撹拌
造粒機を用いて、一度に混合し、造粒してもよい。ま
た、上述の洗剤成分を予め常法によって高嵩密度粒子と
したものを、本発明の高嵩密度粒状アニオン界面活性剤
と粉体混合して高嵩密度粒状洗剤組成物とすることもで
きる。さらに、酵素、柔軟剤、漂白剤などの性能向上粒
を前記高嵩密度粒状洗剤組成物と粉体混合してもよい。
また、香料や発塵抑制剤を前記高嵩密度粒状洗剤組成物
に噴霧することもできる。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例を示して詳しく説明す
るが、まず最初に実施例に採用した低温溶解性試験の評
価方法を説明する。すなわち、5℃の水1リットルに、
粒径を150〜1000μmとした試料5gを投入し、
250rpmの定速で8分間撹拌した。この後、予めそ
の重さを計量したナイロントリコット布(以下ナイロン
布と記す。)にてろ過し、このナイロン布を80℃で1
時間乾燥後、計量した。このろ過乾燥後のナイロン布の
重量から、はじめのナイロン布の重量を差し引いた重さ
を供試料の溶解残分の重さとし、はじめの試料の重さに
対するこの溶解残分の割合(重量%)を算出した。
【0038】[1] 高嵩密度粒状アニオン界面活性剤
の製造 (実施例1〜10、比較例1〜3)表1に示したα−ス
ルホ脂肪酸アルキルエステルと表2に示した脂肪酸また
は脂肪酸塩水溶液を、表3〜5に示した条件で、アルカ
リ中和剤とともにKRCニーダー(栗本鉄工社製;S−
4型)に供給し、0℃の冷却水を150リットル/hr
で流してジャケット冷却を行いつつ、100kg/hr
の能力で混合・中和操作を行い、アニオン界面活性剤と
した。このときのKRCニーダー中の平均滞留時間は6
0〜90秒であった。
【0039】ついで、このアニオン界面活性剤をペレッ
ターダブル(不二パウダル社製)を用いて直径8mm、
長さ15mm程度の円柱状のペレットとした。このペレ
ットを、表面改質剤であるゼオライト(水沢化学社製;
ゼオライト純分80%、水分10%)とともに、フィッ
ツミル(細川ミクロン社製;DKA−3型)に供給し、
穴径1.5〜2.0mmのスクリーンを取付け、10℃
の冷風を400m/hrで通して粉砕し、高嵩密度粒
状アニオン界面活性剤を得た。ただし、実施例9につい
ては、さらに、流動層乾燥機にて80℃、5分の条件で
乾燥し、高嵩密度粒状アニオン界面活性剤とした。ま
た、実施例7については、アニオン界面活性剤がペース
ト状であり、柔らかかったため、この造粒処理条件では
高嵩密度粒状アニオン界面活性剤とすることができなか
った。このときのゼオライトの添加量は、前記ペレット
とゼオライトの混合物の重量に対して、その純分が5重
量%になるようにした。
【0040】実施例1〜10は本発明に係るものであ
る。また、比較例1の高嵩密度粒状アニオン界面活性剤
は脂肪酸塩を含有せず、比較例2の高嵩密度粒状アニオ
ン界面活性剤は、脂肪酸塩の不飽和脂肪酸基/飽和脂肪
酸基の重量比が0.2未満であり、比較例3の高嵩密度
粒状アニオン界面活性剤は、α−スルホ脂肪酸アルキル
エステル塩に対する脂肪酸塩の重量比が1を越えている
ものである。これらの高嵩密度粒状アニオン界面活性剤
の組成と、高嵩密度、安息角の測定値および低温溶解性
試験の結果をまとめて表6〜8に示した。ただし、実施
例7に関しては高嵩密度粒状アニオン界面活性剤とする
ことができなかったので、測定不可能であった。この結
果より、実施例1〜10と比較例1〜3において、高嵩
密度および安息角はほぼ同じであるが、低温溶解性は明
らかに本発明に係る実施例1〜10の高嵩密度粒状アニ
オン界面活性剤が優れていることがわかる。
【0041】上述の高嵩密度粒状アニオン界面活性剤を
用いて、他の洗剤成分を配合した高嵩密度粒状洗剤組成
物を製造した。
【0042】[2] 高嵩密度粒状洗剤組成物(製品)
の製造 (実施例11〜14、比較例4)表9に示した主な製造
条件に従って、以下に示す組成物からなる洗剤成分
(a)の噴霧乾燥粒子と、上述の高嵩密度粒状アニオン
界面活性剤とを表面改質剤(表9中、造粒時表面改質剤
と記す。)の存在下で造粒処理した。ついで、表9に示
したコーティング密度になるように、表面改質剤にてコ
ーティングした後、対製品1重量%の酵素を粉体混合
し、さらに香料を対製品0.15重量%になるように噴
霧して高嵩密度粒状洗剤組成物とした。
【0043】 《洗剤成分(a)の組成》 水分 : 3重量% 直鎖アルキル(C10〜C14)ベンゼンスルホン酸カリウム塩 : 20重量% α−オレフィン(C14〜C18)スルホン酸カリウム塩 : 5重量% 炭酸カリウム : 20重量% ゼオライト : 40重量% 亜硫酸ナトリウム : 4重量% 蛍光剤(日本チバガイギー社社製;チノバールCBS−X) : 1重量% 炭酸ナトリウム : バランス
【0044】このとき行った造粒処理は、捏和・粉砕法
(表9中、捏和・粉砕として記載。)と、撹拌造粒機を
用いる撹拌造粒法(表9中、撹拌造粒として記載。)の
2種類である。捏和・粉砕法においては、KRCニーダ
ー(栗本鉄工社製)に高嵩密度粒状アニオン界面活性
剤、洗剤成分(a)、さらにこの高嵩密度粒状アニオン
界面活性剤と洗剤成分(a)の合計量に対して2重量%
のノニオン界面活性剤*および捏和・混合物の水分量が
7.0重量%になるような水を供給し、捏和、混合した
捏和・混合物をペレッターダブル(不二パウダル社製)
にて直径8mm、長さ15mm程度の円柱状のペレット
とし、さらにこのペレットをフィッツミル(細川ミクロ
ン社製;DKA−3型)に供給し、表面改質剤と共に、
穴径1.5〜2.0mmのスクリーンを取付け10℃の
冷風を400m3/hrで通して粉砕した。 * 高級(C13)アルコールポリオキシエトキシレート
(EOp=25)
【0045】また撹拌造粒法においては、高嵩密度粒状
アニオン界面活性剤、洗剤成分(a)および表面改質
剤、さらにこの高嵩密度粒状アニオン界面活性剤と洗剤
成分(a)の合計量に対して2重量%のノニオン界面活
性剤*および造粒品の水分量が7.0重量%になるよう
な水をレーディゲミキサー(マツボー社製;M−20
型)に供給し、造粒した。粒径1000μm以上のもの
については、篩分けし、フィッツミル(細川ミクロン社
製;DKA−3型)を用いて粉砕した後、前記粒径10
00μm未満の造粒品と混合した。 * 高級(C13)アルコールポリオキシエトキシレート
(EOp=25)
【0046】このようにして製造した高嵩密度粒状洗剤
組成物(製品)の嵩密度、水分量および低温溶解性試験
の結果を表9にまとめて示した。実施例11〜14の高
嵩密度粒状洗剤組成物は、本発明に係る実施例5、7、
10の高嵩密度粒状アニオン界面活性剤を用いて製造し
たもので、比較例4の高嵩密度粒状洗剤組成物は、脂肪
酸塩の不飽和脂肪酸塩/飽和脂肪酸基の重量比が0.2
未満である比較例2の高嵩密度粒状アニオン界面活性剤
を用いて製造したものである。実施例11〜14におい
ては、比較例4と比べて、低温溶解性が非常に良好であ
ることが明かである。
【0047】(実施例15〜17、比較例5〜6)以下
のような組成の洗剤成分(b)の高嵩密度粒子となるよ
うに、表面改質剤(炭酸ナトリウム)の存在下、上述の
捏和・粉砕法と同様にして造粒処理し、さらにコーティ
ング用表面改質剤(ゼオライト)でコーティングして高
嵩密度粒子(高嵩密度:0.88g/cm3、水分:6重量%)
とした。この洗剤成分(b)の高嵩密度粒子について、
低温溶解性試験を行ったところ、全て溶解した。この洗
剤成分(b)の高嵩密度粒子と、上述の高嵩密度粒状ア
ニオン界面活性剤とを、表10に示した混合重量比で、
対製品1重量%の酵素とともに粉体混合し、さらに香料
を対製品0.15重量%になるように噴霧して、高嵩密
度粒状洗剤組成物とした。
【0048】 《洗剤成分(b)の高嵩密度粒子の組成》 直鎖アルキル(C10〜C14)ベンゼンスルホン酸カリウム塩 : 15重量% α−オレフィン(C14〜C18)スルホン酸カリウム塩 : 5重量% 炭酸カリウム : 15重量% ゼオライト : 33重量% 亜硫酸ナトリウム : 4重量% 蛍光剤(日本チバガイギー社製;チノバールCBS−X) : 1重量% 炭酸ナトリウム : バランス 高級(C13)アルコールポリオキシエトキシレート : 5重量% (EOp=25) 造粒時表面改質剤(炭酸ナトリウム) : 8重量% コーティング用表面改質剤(ゼオライト) : 2重量%
【0049】このようにして製造した高嵩密度粒状洗剤
組成物(製品)の嵩密度、水分量および低温溶解性試験
の結果を表10にまとめて示した。実施例15〜17の
高嵩密度粒状洗剤組成物は、本発明に係る実施例4、
8、9の高嵩密度粒状アニオン界面活性剤を用いて製造
したものである。また、比較例5の高嵩密度粒状洗剤組
成物は、脂肪酸塩中の飽和脂肪酸基に対する飽和脂肪酸
基の重量比が0.2未満である比較例2の高嵩密度粒状
アニオン界面活性剤を用いて製造したものである。ま
た、比較例6の高嵩密度粒状洗剤組成物は、α−スルホ
脂肪酸アルキルエステル塩に対する脂肪酸塩の重量比が
1を越えている比較例3の高嵩密度粒状アニオン界面活
性剤を用いて製造したものである。実施例15〜17に
おいては、比較例5、6と比べて、低温溶解性が非常に
良好であることが明かである。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のアニオン
界面活性剤は、(A) α−スルホ脂肪酸アルキルエス
テル、(B) 脂肪酸または/および脂肪酸塩、および
これら(A)と(B)の中和当量以上のアルカリ中和剤
を混合、中和して製造されたものであり、不飽和脂肪酸
基/脂肪酸基の重量比が0.2以上である脂肪酸塩を、
α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩に対して、0.1
〜1の重量比で含むものである。この結果、洗浄性の高
いα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を含有し、かつ
低温溶解性に優れたアニオン界面活性剤とすることがで
きる。そして、このアニオン界面活性剤を、少なくとも
1種の表面改質剤存在下で造粒処理することによって、
低温溶解性に優れた高嵩密度粒状アニオン界面活性剤ま
たは高嵩密度粒状洗剤組成物を得ることができる。
【0051】
【表1】 *1) α-SF酸 : それぞれのエステルのアルキル
基の炭素数1、脂肪酸残基の炭素14、16のものを3
/7の重量比で混合したα−スルホ脂肪酸アルキルエス
テル。 *2) 漂白酸 : 漂白処理後、トッピング処理を行
っていないα−スルホ脂肪酸アルキルエステル。 *3) トッピング酸 : 漂白酸を竪型コントロ(日
立製作所社製)で、140℃、50Torrの条件でトッピ
ング処理したα−スルホ脂肪酸アルキルエステル。 *4) メタノール、過酸化水素 : 漂白処理液残
分。
【0052】
【表2】 *1) 脂肪酸基割合 : 脂肪酸または脂肪酸塩中の
全脂肪酸基に対する各々の脂肪酸基の重量%。 *2) C18 (不飽和) : オレイン酸 *3) 不飽和/飽和 : 全飽和脂肪酸基に対する不
飽和脂肪酸基の重量比。 *4) 対イオン Na: 脂肪酸ナトリウム塩 H : 脂肪酸 *5) 脂肪酸塩濃度 : 脂肪酸塩水溶液の脂肪酸ナ
トリウム濃度。
【0053】
【表3】 *1) α-SF酸の種類 : 表1に対応する。 *2) 脂肪酸原料の種類 : 表2に対応する。 *3) 中和剤の種類(アルカリ中和剤の種類) Na2CO3粉体 : 粉粒状の炭酸ナトリウム。 *4) α-SF酸 : α−スルホ脂肪酸アルキルエス
テル。
【0054】
【表4】 *1) α-SF酸の種類 : 表1に対応する。 *2) 脂肪酸原料の種類 : 表2に対応する。 *3) 中和剤の種類(アルカリ中和剤の種類) NaOH溶液・Na2CO3粉体 : 48%水酸化ナトリウム水
溶液と粉粒状の炭酸ナトリウム。 Na2CO3粉体 : 粉粒状の炭酸ナトリウム。 *4) α-SF酸 : α−スルホ脂肪酸アルキルエス
テル。
【0055】
【表5】 *1) α-SF酸の種類 : 表1に対応する。 *2) 脂肪酸原料の種類 : 表2に対応する。 *3) 中和剤の種類(アルカリ中和剤の種類) NaOH溶液・Na2CO3粉体 : 48%水酸化ナトリウム水
溶液と粉粒状の炭酸ナトリウム。 Na2CO3粉体 : 粉粒状の炭酸ナトリウム。 *4) α-SF酸 : α−スルホ脂肪酸アルキルエス
テル。 *5) もろいドウ状 : 過酸化水素の発泡により気泡
を含むもろいドウ状。
【0056】
【表6】 *1) 不飽和/飽和 : 脂肪酸塩中の不飽和脂肪酸
基/飽和脂肪酸基の重量比。 *2) α-SF塩 : α−スルホ脂肪酸アルキルエス
テルナトリウム塩 *3) 脂肪酸塩/α-SF塩 :α−スルホ脂肪酸アル
キルエステルナトリウム塩に対する脂肪酸塩の重量比。 *4) 中和剤の使用量(アルカリ中和剤の使用量)
: 原料のα−スルホ脂肪酸アルキルエステル、脂肪
酸または脂肪酸ナトリウム塩を中和するのに使用したア
ルカリ中和剤量。 *5) 含量 : α−スルホ脂肪酸アルキルエステル
塩と脂肪酸塩の含量
【0057】
【表7】 *1) 不飽和/飽和 : 脂肪酸塩中の不飽和脂肪酸
基/飽和脂肪酸基の重量比。 *2) α-SF塩 : α−スルホ脂肪酸アルキルエス
テル塩 *3) 脂肪酸塩/α-SF塩 :α−スルホ脂肪酸アル
キルエステル塩に対する脂肪酸塩の重量比。 *4) 中和剤の使用量(アルカリ中和剤の使用量)
: 原料のα−スルホ脂肪酸アルキルエステル、脂肪
酸または脂肪酸ナトリウム塩を中和するのに使用したア
ルカリ中和剤量。 *5) 含量 : α−スルホ脂肪酸アルキルエステル
塩と脂肪酸塩の含量 *6) 乾燥前の高嵩密度粒状アニオン界面活性剤の測
定値。
【0058】
【表8】 *1) 不飽和/飽和 : 脂肪酸塩中の不飽和脂肪酸
基/飽和脂肪酸基の重量比。 *2) α-SF塩 : α−スルホ脂肪酸アルキルエス
テルナトリウム塩 *3) 脂肪酸塩/α-SF塩 :α−スルホ脂肪酸アル
キルエステルナトリウム塩に対する脂肪酸塩の重量比。 *4) 中和剤の使用量(アルカリ中和剤の使用量)
: 原料のα−スルホ脂肪酸アルキルエステル、脂肪
酸または脂肪酸ナトリウム塩を中和するのに使用したア
ルカリ中和剤量。 *5) 含量 : α−スルホ脂肪酸アルキルエステル
塩と脂肪酸塩の含量
【0059】
【表9】 *1) アニオン界面活性剤の種類 : 表7、表8に
対応する。 *2) 造粒時表面改質剤 : 造粒操作時に添加した
表面改質剤の種類。 *3) コーティング密度 : 造粒操作後にコーティ
ングした表面改質剤の種類。 *4) ZEO : ゼオライト
【0060】
【表10】 *1) アニオン界面活性剤の種類 : 表7、表8に
対応する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A) α−スルホ脂肪酸アルキルエス
    テル、(B) 脂肪酸および/または脂肪酸塩、および
    これら(A)と(B)の中和当量以上のアルカリ中和剤
    を混合、中和し、 不飽和脂肪酸基/飽和脂肪酸基の重量比が0.2以上で
    ある脂肪酸塩が、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩
    に対して0.1〜1の重量比で含まれるアニオン界面活
    性剤を製造することを特徴とするアニオン界面活性剤の
    製造法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の製造法によって製造さ
    れたアニオン界面活性剤を、少なくとも1種以上の表面
    改質剤存在下で造粒処理することを特徴とする高嵩密度
    粒状アニオン界面活性剤または高嵩密度粒状洗剤組成物
    の製造法。
  3. 【請求項3】 (A) α−スルホ脂肪酸アルキルエス
    テル、(B) 脂肪酸および/または脂肪酸塩、および
    これら(A)と(B)の中和当量以上のアルカリ中和剤
    を混合、中和することにより製造され、 不飽和脂肪酸基/飽和脂肪酸基の重量比が0.2以上で
    ある脂肪酸塩が、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩
    に対して0.1〜1の重量比で含まれるアニオン界面活
    性剤。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のアニオン界面活性剤を、
    少なくとも1種以上の表面改質剤存在下で造粒処理し、
    得られた高嵩密度粒状アニオン界面活性剤または高嵩密
    度粒状洗剤組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006003988A1 (ja) * 2004-06-30 2006-01-12 Lion Corporation 高嵩密度粒状洗剤組成物及びその製造方法
JP5222733B2 (ja) * 2006-12-21 2013-06-26 ライオン株式会社 界面活性剤水性液とその製造方法

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WO2006003988A1 (ja) * 2004-06-30 2006-01-12 Lion Corporation 高嵩密度粒状洗剤組成物及びその製造方法
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