JPH09239833A - 熱収縮性ポリエステル系フィルムおよびその製造法 - Google Patents
熱収縮性ポリエステル系フィルムおよびその製造法Info
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Abstract
少なく、かつ衝撃に対する耐破断性に優れた熱収縮性ポ
リエステルフイルムを得る。 【解決手段】 ジカルボン酸成分中テレフタル酸成分が
70モル%以上、ジオール成分中エチレングリコール成
分が70モル%であるポリエステルからなる延伸された
フイルムであって、90℃の主収縮方向の収縮応力の最
大値(σmax)が0.5〜1.2Kg/mm2、75℃温
水中の主収縮方向の熱収縮率が40%以下、95℃温水
中の主収縮方向の熱収縮率が50%以上である熱収縮性
ポリエステル系フィルム。
Description
テル系フィルムおよびその製造法に関し、さらに詳しく
は熱収縮性フイルムの収縮後にシワ、収縮斑、歪みの発
生が極めて少なく、かつ衝撃に対する耐破断性に優れ
た、ラベル用途に好適な熱収縮性ポリエステル系フィル
ムおよびその製造法に関するものである。
ラベル用収縮フィルムの分野では、ポリ塩化ビニル、ポ
リエチレン等からなるフィルムが主として用いられてい
たが、近年、ポリ塩化ビニルについては廃棄時に焼却す
る際の塩素系ガス発生の問題、ポリエチレンについては
印刷が困難である問題等があり、さらにPETボトルの
回収にあたってはPET以外の樹脂ラベルを分別する必
要がある等の問題が加わり、熱収縮性ポリエステル系フ
ィルムが注目を集めている。ところが、熱収縮性ポリエ
ステル系フィルムは、急激に収縮するものが多く、収縮
後にシワ、収縮斑、歪みが残り、また収縮後に外部から
与えられた衝撃による破断が生じやすい等ラベル用収縮
フィルムとして満足されるものではなかった。かかる欠
点の一部を回避するため、特開平1−110931号公
報では主収縮方向と直交する方向の破断伸度を著しく小
さくすることによって収縮仕上がり性を改良する方法が
開示されている。
法で得られた収縮性フィルムにあっても、印刷、ラベリ
ング等の工程でテンションがかかると破断しやすいだけ
でなく、内容物を充填したボトルの胴部に環状に収縮し
て装着された状態でボトルをまとめて輸送を実施すれ
ば、相互にあるいは箱体と当たってラベル破れが起こり
やすくなり、やはりラベル用等の収縮フィルムとしての
実用性に乏しいフィルムであった。このように、熱収縮
性ポリエステル系フィルムでは、収縮仕上がり性と収縮
前あるいは後の耐破断性を両立させることが重要な課題
であった。本発明は、上記従来の熱収縮性ポリエステル
系フィルムの有する問題点を解決し、収縮後にシワ、収
縮斑、歪みの発生が極めて少なく、かつ衝撃に対する耐
破断性に優れた、ラベル用途に好適な熱収縮性ポリエス
テル系フィルムを提供することを目的とする。
め、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、ジカ
ルボン酸成分中テレフタル酸成分が70モル%以上、ジ
オール成分中エチレングリコール成分が70モル%であ
るポリエステルからなる延伸されたフイルムであって、
90℃のエアーオーブン中で加熱開始から1分後までの
間に発現する主収縮方向の収縮応力の最大値(σmax)
が0.5〜1.2Kg/mm2、75℃温水中で10秒
間処理後の主収縮方向の熱収縮率が40%以下、95℃
温水中で10秒間処理後の主収縮方向の熱収縮率が50
%以上であることを特徴とする。
エステル系フィルムは、安定した熱収縮性を有し、かつ
収縮後にシワ、収縮斑、歪みの発生が極めて少なく、か
つ衝撃に対する耐破断性に優れた、ラベル用途に好適な
熱収縮性フィルムである。
ィルムの製造法は、ジカルボン酸成分中テレフタル酸成
分が70モル%以上、ジオール成分中エチレングリコー
ル成分が70モル%であるポリエステル未延伸フイルム
を主収縮方向となる方向に延伸するにあたり、全延伸倍
率を3.0倍以上、全延伸倍率の40〜60%を延伸す
る前段の延伸温度をTg(ガラス転移点)+10〜Tg
+40℃、その後の、全延伸倍率の60〜40%を延伸
する後段の延伸温度をTg−15〜Tg+10℃で且つ
前段の延伸温度より低い温度で延伸することを特徴とす
る。
エステル系フィルムの製造法は、安定した熱収縮性を有
し、かつ収縮後にシワ、収縮斑、歪みの発生が極めて少
なく、かつ衝撃に対する耐破断性に優れた、ラベル用途
に好適な熱収縮性フィルムを製造する方法であって、延
伸条件を選んで収縮特性を一定範囲にすれば、収縮仕上
がり性と耐破断性が両立した熱収縮性ポリエステル系フ
ィルムが得られるのである。本発明方法の基本的な考え
方は主収縮方向の延伸の前段を高温に保持することによ
り収縮仕上がり性を良化させ、主収縮方向の延伸の後段
を低温に保持することにより耐破断性を良化させること
である。また、本発明では主収縮方向をフイルム製造時
の巾方向(横方向)とすることが熱収縮性フイルムの使
用時の利便性から考えて好ましい。
に説明する。本発明で用いるポリエステルは、ジカルボ
ン酸成分中テレフタル酸成分が70モル%以上、ジオー
ル成分中エチレングリコール成分が70モル%であるポ
リエステルであって、より具体的にはテレフタル酸以外
のジカルボン酸成分として、シュウ酸、マロン酸、コハ
ク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル
酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の公知の
ジカルボン酸の1種または2種以上を示すことができ
る。また、エチレングリコール以外のグリコール成分と
してプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、
テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコー
ル、トリメチレングリコール、ジエチレングリコール、
ポリアルキレングリコール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール等の公知のジオールの1種または2種以上を
示すことができる。また、収縮仕上がり性が特に優れた
熱収縮性ポリエステルフィルムとするためには、ネオペ
ンチルグリコールがグリコール成分の残りの成分である
ポリエステルを使用することが好ましい。なお、本発明
において用いるジカルボン酸成分中テレフタル酸成分が
70モル%以上、ジオール成分中エチレングリコール成
分が70モル%以上であるポリエステルとは、2種以上
のポリエステルを混合して用いる場合、混合後にエステ
ル交換がなされているかどうかに関わらずポリエステル
全体の中のジカルボン酸成分中に占めるテレフタル酸の
割合い、グリコール成分中に占めるエチレングリコール
の割合いをそれぞれ示す。
エステルは、ジカルボン酸成分中テレフタル酸成分が7
0モル%以上、ジオール成分中エチレングリコール成分
が70モル%であるポリエステルであるが、テレフタル
酸、エチレングリコールがそれぞれジカルボン酸成分、
ジオール成分中70モル未満の場合、得られた熱収縮性
フィルムの収縮後の耐破断性が低下する。
ーオーブン中で加熱開始から1分後までの間に発現する
主収縮方向(最大の収縮率を有する方向)の収縮応力の
最大値(σmax)が0.5〜1.2Kg/mm2である特
性を有する。熱収縮性フィルムの収縮応力の最大値(σ
max)が1.2Kg/mm2を越える場合、ボトル等の被
包装体を包装して収縮トンネルを通過させる場合に収縮
斑、歪みが発生しやすい。逆に主収縮方向の収縮応力の
最大値(σmax)が0.5Kg/mm2未満の場合、収縮
トンネルでボトルの胴部に熱収縮性フィルムを収縮させ
たラベルを装着した後、このボトルに温かい内容物を充
填した際、内容物の熱で収縮後のフィルムに歪みが生
じ、ボトルの上部でラベルが花びら状にたるむという欠
点が生じやすい。
方向の熱収縮率が75℃温水中で10秒間処理後では4
0%以下であり、95℃温水中では10秒間処理後で5
0%以上あることが必要である。特に、ボトル等の被包
装体を包装して収縮トンネルを通過させる場合の収縮斑
を抑制するためには、75℃温水中で10秒間処理後の
主収縮方向の熱収縮率は35%以下であるのが好まし
い。75℃での主収縮方向の熱収縮率が40%を越える
場合、上記収縮トンネルでフィルムを収縮させた場合、
シワ、収縮斑、歪みが発生しやすい。また、95℃での
主収縮方向の熱収縮率が50%未満の場合、ボトルの上
部で円錐状の径が小さくなっている部分の収縮不足を生
じやすい。
は主収縮方向に延伸する際、全延伸倍率が3.0倍以上
であることが必要である。全延伸倍率が3.0倍未満の
場合、得られた熱収縮性フィルムの厚み分布が悪く均一
性に欠け、フィルム製造工程および熱収縮性フィルムへ
の印刷等、熱収縮性フィルムを加工する工程での操業性
が低下するため生産性が低くなり、また熱収縮性フィル
ムの商品価値も低下する。
主収縮方向への延伸の前段(全延伸倍率の40〜60
%)をTg+10〜Tg+40℃の温度で延伸すること
が必要である。主収縮方向への延伸の前段の延伸倍率が
全延伸倍率の40%未満の場合あるいは延伸温度がTg
+10℃未満の場合、得られた熱収縮性フィルムの主収
縮方向の収縮応力の最大値(σmax)が大きくなり、熱
収縮率と収縮応力を両立させることができない。逆に主
収縮方向への延伸の前段の延伸倍率が全延伸倍率の60
%を越える場合あるいは延伸温度がTg+40℃以上の
場合、主収縮方向の収縮応力の最大値(σmax)が小さ
くなり収縮応力をコントロールできないばかりでなく、
得られたフィルムの耐破断性が低下するため本発明の目
的物が得られず、さらに得られた熱収縮性フィルムの厚
み分布が悪くなるため商品価値が低下する。
収縮方向への延伸の後段(全延伸倍率の40%から60
%)をTg−15℃〜Tg+10℃の温度で且つ前段の
延伸温度より低い温度で延伸することが必要である。主
収縮方向への延伸の後段の倍率が全延伸倍率の40%未
満の場合あるいはTg+10℃を越える場合、得られた
熱収縮性フィルムを収縮させた後の衝撃力による耐破断
性が低下する。逆に主収縮方向への延伸の後段の延伸倍
率が60%を越える場合あるいは延伸温度がTg−15
℃未満の場合、延伸工程で破断を生じやすくなり、また
得られた熱収縮性フィルムは熱収縮後の透明性が悪くな
る傾向がある。
定するものではないが、ラベル用収縮フィルムとして1
0〜200μmが好ましく、20〜100μmがさらに
好ましい。
方向と直交する方向の熱収縮率は特に限定するものでは
ないが、95℃温水中で10秒間処理後の熱収縮率が1
5%以下が好ましく、10%以下がさらに好ましい。
より具体的に説明するが、下記製造法に限定されるもの
ではない。本発明に用いるポリエステル原料をホッパー
ドライヤー、パドルドライヤー等の乾燥機、または真空
乾燥機を用いて乾燥し、200〜300℃の温度でフイ
ルム状に押し出す。押し出しに際してはTダイ法、チュ
ーブラー法等、既存のどの方法を採用しても構わない。
押し出し後急冷して未延伸フィルムを得る。該未延伸フ
ィルムに対し延伸処理を行うが、本発明の目的を達成す
るには主収縮方向としては横方向が実用的であるので以
下主収縮方向が横方向である場合の製膜法の例を示す
が、主収縮方向を縦方向とする場合も下記方法における
延伸方向を90度変えるほか通常の操作に準じて製膜す
ることができる。
フィルムの厚み分布を均一化させることに着目すれば、
テンターを用いて横方向に延伸する際、延伸工程に先立
って実施される予備加熱工程では熱伝達係数を0.00
13カロリー/cm2・sec・℃以下の低風速で所定
のフィルム温度になるまで加熱を行うことが好ましい。
横方向の延伸は、その全延伸倍率を3.0倍以上、好ま
しくは3.5倍以上、さらに好ましくは4.0倍以上と
して延伸する。さらに、前段の延伸倍率を全延伸倍率の
40〜60%、好ましくは45〜55%とし、Tg+1
0〜Tg+40℃の温度、好ましくはTg+15〜Tg
+30℃の温度で延伸し、次いで後段の延伸倍率を全延
伸倍率の40〜60%好ましくは45〜55%とし、T
g−15〜Tg+10℃、好ましくはTg−10〜Tg
+5℃の温度で延伸する。また、後段の延伸温度は、前
段の延伸温度より低く、例えば1〜40℃の範囲で低い
温度が好ましい。しかる後必要により70〜100℃の
温度で熱処理して熱収縮性ポリエステル系フィルムを得
る。延伸に伴うフィルムの内部発熱を抑制し、巾方向の
フィルム温度斑を小さくする点に着目すれば、延伸工程
の熱伝達係数は0.0009カロリー/cm2・sec
・℃以上、好ましくは0.0011〜0.0017カロ
リー/cm2・sec・℃の条件がよい。延伸の方法
は、テンターでの横1軸延伸ばかりでなく、付加的に縦
方向を僅かに延伸することも可能である。このような2
軸延伸においては、逐次2軸延伸法、同時2軸延伸法の
いずれの方法によってもでもよく、さらに必要に応じて
縦方向または横方向に再延伸を行ってもよい。
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、これら
の実施例に限定されるものではない。なお、本発明にお
いて、フィルムの評価方法は下記の通りである。
温度±0.5℃の温水中に無荷重状態で10秒間処理し
て熱収縮させた後、フィルムの縦および横方向の寸法を
測定し、下記(1)式に従い熱収縮率を求めた。該熱収縮
率の大きい方向を主収縮方向とした。 熱収縮率=(収縮前の長さ−収縮後の長さ/収縮前の長さ)×100(%) (1) 式
式:UTM−4L)を用いてチャック間を50mm、サ
ンプル形状を主収縮方向:10cm、主収縮方向と直交
方向:2cmとし、90℃エアーオーブン中で1分間加
熱した際に発現する力をレコーダーに記録し、最大値を
読みとり、下記(2)式に従い収縮応力の最大値を求め
た。 収縮応力の最大値=(読み取り値/加熱前のサンプル断面積) (Kg/mm2) (2)式
500−L)を用い、通過時間10秒、1ゾーン温度/
2ゾーン温度:85℃/90℃に設定し、900ccの
角型PETボトル(高さ25.5cm、中央部断面の縦
7.1cm、横7.1cm)(市販のAGF(株)製の
ブレンディに使用されているボトル)を用いてテスト
(試料数=10)した。なお、熱収縮性フイルムには、
あらかじめ東洋インキ製造(株)の草・金・白のインキ
で3色印刷した。評価は目視で行い、基準は下記の通り
とした。 シワ・色斑・収縮不足とも未発生 → ○ 色斑が発生 → △ クレーター状のシワまたは収縮不足が発生 → ×
日間保管した後、東洋精機(株)製のテンシロン(型
式:UTM−4L)を用いて、JIS C2318の方
法で引張試験を行い、主収縮方向と直角の方向(縦方
向)の伸度30%以下の発生数で評価(試料数=50)
した。
0)を用いて、未延伸フィルム10mgを−40℃から
120℃まで昇温速度20℃/分で昇温した際に得られ
た吸熱曲線に接線を引き、その交点をTg(ガラス転移
点)とした。
を用いて、縦方向5cm・横方向50cmのサンプルの
厚みを測定(試料数=20)し、各々のサンプルについ
て、下記(3)式により厚みのバラツキを求めた。また、
該厚みのバラツキの平均値(n=50)を下記の基準に
従って評価した。 厚みのバラツキ=(最大厚み−最少厚み/平均厚み)×100(%) (3)式 平均値:6%以下 → ○ 平均値:6%より大きく10%未満 → △ 平均値:10%以上 → ×
である。 ポリエステルA:ポリエチレンテレフタレート ポリエステルB:エチレングリコール70モル%、ネオ
ペンチルグリコール30モル%とテレフタル酸とからな
るポリエステル ポリエステルC:ポリブチレンテレフタレート ポリエステルD:テレフタル酸65モル%、アジピン酸
10モル%、イソフタル酸25モル%とブタンジオール
とからなるポリエステル
%、ポリエステルBを55wt%、ポリエステルCを1
0wt%混合したポリエステルを280℃で押し出し・
急冷して、未延伸フィルムを得た(Tg:69℃)。該
未延伸フィルムを、熱伝達係数0.0008カロリー/
cm2・sec・℃の条件でフィルム温度が100℃に
なるまで予備加熱した後、テンターで横方向に88℃で
2.6倍、続けて同方向に70℃で2.2倍延伸した。
次いで80℃で20秒間熱処理し、厚み60μmの熱収
縮性ポリエステル系フィルムを得た。 (実施例2)ポリエステルAを35wt%、ポリエステ
ルBを55wt%、ポリエステルDを10wt%混合し
たポリエステルを280℃でTダイから押し出し、チル
ロールで急冷して、未延伸フィルムを得た(Tg67
℃)。該未延伸フィルムを実施例1の操作と同様に予備
加熱を行った後、テンターで横方向に85℃で2.6
倍、続けて同方向に70℃で2.2倍延伸した。次いで
80℃で20秒間熱処理し厚み60μmの熱収縮性ポリ
エステル系フィルムを得た。 (実施例3)未延伸フイルムを縦方向に75℃で1.1
倍延伸した後、横延伸に移った以外は実施例2に準じた
方法で製膜し、厚み60μmの熱収縮性ポリエステルフ
ィルムを得た。 (実施例4)実施例1の方法で得られた未延伸フィルム
を熱伝達係数0.0008カロリー/cm2・sec・
℃の条件でフィルム温度が91℃になるまで予備加熱し
た後、テンターで横方向に85℃で1.8倍、続けて同
方向に68℃で2.2倍延伸した。次いで80℃で20
秒間熱処理し厚み60μmの熱収縮性ポリエステル系フ
ィルムを得た。 (比較例1)ポリエステルAを15wt%、ポリエステ
ルBを75wt%、ポリエステルCを10wt%混合し
たポリエステルを用いた以外は実施例1に記載した条件
で製膜して厚み60μmの熱収縮性ポリエステル系フィ
ルムを得た。 (比較例2)実施例1の方法で得られた未延伸フィルム
を横方向に70℃で2.6倍、続けて同方向に70℃で
2.2倍延伸した(即ち、温度差をつけずに低温側だけ
で延伸した)以外は実施例1に記載した方法で製膜し、
厚み60μmの熱収縮性ポリエステル系フィルムを得
た。 (比較例3)実施例1の方法で得られた未延伸フィルム
を横方向に88℃で2.6倍、続けて同方向に88℃で
2.2倍延伸した(即ち、温度差をつけずに高温側だけ
で延伸した)以外は実施例1に記載した方法で製膜し、
厚み60μmの熱収縮性ポリエステル系フィルムを得
た。 (比較例4)横方向延伸の後段の延伸を50℃で2.2
倍とした以外は実施例1に記載した方法で製膜したが、
製膜不良(破断)のためフィルムが得られなかった。 (比較例5)横方向延伸を88℃で3.2倍、続けて同
方向に70℃で1.6倍とした以外は実施例1に記載し
た方法で製膜して厚み60μmの熱収縮性ポリエステル
系フィルムを得た。 (比較例6)横方向延伸を85℃で1.4倍、続けて同
方向に65℃で2.4倍とした以外は実施例4に記載し
た方法で製膜して厚み60μmの熱収縮性ポリエステル
系フィルムを得た。 (比較例7)熱伝達係数を0.0017カロリー/cm
2・sec・℃とし、延伸後の熱処理温度を70℃とし
た以外は実施例1に記載した方法で厚み60μmの熱収
縮性ポリエステル系フィルムを得た。 (比較例8)延伸後の熱処理温度を90℃とした以外は
実施例1に記載した方法でせいまくして、厚み60μm
の熱収縮性ポリエステル系フィルムを得た。
たフィルムの評価結果を表1に示す。表1から明らかな
ように、実施例1〜4で得られた熱収縮性フィルムはい
ずれも良好な収縮仕上がり(シワ・色斑・収縮不足等の
欠点がない)を示し、耐破断性に優れ、厚み分布も良好
であった。このように、本発明の熱収縮性ポリエステル
系フィルムは、高品質で実用性が高く、特に収縮ラベル
用として好適である。一方、比較例1で得られた熱収縮
性フィルムは耐破断性が劣り、比較例2で得られた熱収
縮性フィルムはシワ・色斑が生じ、比較例3および5で
得られた熱収縮性フィルムは厚み分布が悪くさらに耐破
断性が劣り、比較例6で得られた熱収縮性フィルムは色
斑が生じ、比較例7で得られた熱収縮性フィルムはシワ
が生じかつ厚み分布が悪く、比較例8で得られた熱収縮
性フィルムは収縮不足が起こりかつ耐破断性が劣ってい
た。このように、比較例で得られた熱収縮性ポリエステ
ル系フィルムはいずれも品質が劣り、実用性が低いもの
であった。
ステル系フィルムは収縮後にシワ、収縮斑、歪みの発生
が極めて少なく、かつ衝撃に対する耐破断性に優れてい
る。また、請求項2記載の本発明の熱収縮性ポリエステ
ル系フィルムの製造法は、収縮後にシワ、収縮斑、歪み
の発生が極めて少なく、かつ衝撃に対する耐破断性に優
れている熱収縮性ポリエステルフイルムが容易に得られ
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 ジカルボン酸成分中テレフタル酸成分が
70モル%以上、ジオール成分中エチレングリコール成
分が70モル%であるポリエステルからなる延伸された
フイルムであって、90℃のエアーオーブン中で加熱開
始から1分後までの間に発現する主収縮方向の収縮応力
の最大値(σmax)が0.5〜1.2Kg/mm2、75
℃温水中で10秒間処理後の主収縮方向の熱収縮率が4
0%以下、95℃温水中で10秒間処理後の主収縮方向
の熱収縮率が50%以上であることを特徴とする熱収縮
性ポリエステル系フィルム。 - 【請求項2】 ジカルボン酸成分中テレフタル酸成分が
70モル%以上、ジオール成分中エチレングリコール成
分が70モル%であるポリエステル未延伸フイルムを主
収縮方向となる方向に延伸するにあたり、全延伸倍率を
3.0倍以上、全延伸倍率の40〜60%を延伸する前
段の延伸温度をTg+10〜Tg+40℃、その後の、
全延伸倍率の60〜40%を延伸する後段の延伸温度を
Tg−15〜Tg+10℃で且つ前段の延伸温度より低
い温度で延伸することを特徴とする熱収縮性ポリエステ
ル系フィルムの製造法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP7822596A JP3829353B2 (ja) | 1996-03-05 | 1996-03-05 | 熱収縮性ポリエステル系フィルム |
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JP7822596A JP3829353B2 (ja) | 1996-03-05 | 1996-03-05 | 熱収縮性ポリエステル系フィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09239833A true JPH09239833A (ja) | 1997-09-16 |
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ID=13656116
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JP (1) | JP3829353B2 (ja) |
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