JPH09235539A - 粘着剤組成物および粘着シート類 - Google Patents

粘着剤組成物および粘着シート類

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JPH09235539A
JPH09235539A JP8039479A JP3947996A JPH09235539A JP H09235539 A JPH09235539 A JP H09235539A JP 8039479 A JP8039479 A JP 8039479A JP 3947996 A JP3947996 A JP 3947996A JP H09235539 A JPH09235539 A JP H09235539A
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pressure
sensitive adhesive
prepolymer
weight
adhesive composition
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JP8039479A
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English (en)
Inventor
Makoto Kojima
誠 小島
Hironobu Tamai
弘宣 玉井
Yoshihide Kawaguchi
佳秀 川口
Katsuhide Kojima
勝秀 小島
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、有機溶媒の使用量を減少させると共
に、反応性の高いアクリル系共重合プレポリマーを用い
た新規な粘着剤組成物およびその粘着シート類を提供す
ることを目的とする。 【解決手段】 2種類のアクリル系単量体を必須成分と
して共重合して得られる、分子中に反応性の高い水酸基
を有する重量平均分子量5千〜30万のアクリル系共重
合プレポリマーに、鎖延長剤として二官能を主体とする
多官能イソシアネートが配合されている粘着剤組成物で
あって、該プレポリマーに含まれる水酸基の反応性に及
ぼすプレポリマー側鎖の立体的な障害を回避して、水酸
基本来の反応性を確保することによって、比較的低分子
量のプレポリマーを効率よく鎖延長して高分子量化する
ことができ、従って有機溶剤の使用量の少ない、即ち高
濃度の粘着剤組成物を提供することができる。また、こ
の粘着剤組成物から良好な粘着特性を示す信頼性の高い
粘着シート類が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粘着剤組成物およ
びこれを用いてなる粘着シート、粘着テープなどの粘着
シート類に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、紙やプラスチックフィルム、
織布、不織布などの支持体の片面もしくは両面に粘着剤
層を設けてなる粘着シートや粘着テープ(以下、粘着シ
ート類と言う)が各種用途に使用されている。粘着剤層
を形成するための粘着剤組成物の種類は、その用途に応
じて多種多様であって、天然ゴムや合成ゴムからなるゴ
ム系、アクリル系、ビニルエーテル系、シリコーン系な
どが一般に用いられている。これらの粘着剤のうち、ア
クリル系粘着剤は、他の系に較べて本質的に耐候性、耐
溶剤性、耐熱性などの耐劣化特性に優れており、また、
接着力、初期粘着力(タック)、凝集力などの粘着特性
のバランスを取りやすい為、各種の分野で広く利用され
ている。アクリル系粘着剤は、一般に接着力、初期粘着
力(タック)を付与するためガラス転移温度の低い(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルを主成分の単量体と
し、これにカルボキシル基やヒドロキシル基などの官能
基を有する極性単量体を少量共重合してなるアクリル系
高分子に、必要により凝集力を向上させるために、過酸
化物架橋、3官能ポリイソシアネートの如き外部架橋剤
を配合したり、上記高分子に予めグリシジル(メタ)ア
クリレートの如き内部架橋用単量体を少量共重合してお
く、或いは電子線照射等の手段により、粘着特性のバラ
ンスを取っている。
【0003】しかし、従来のアクリル系粘着剤用のアク
リル系共重合高分子は、それ自体高分子量体であるた
め、粘着シート類の製造時の塗工に適度の粘度に調整す
るには、多量の有機溶媒を必要とする問題がある。ま
た、上記のアクリル系共重合高分子に含まれているカル
ボキシル基やヒドロキシル基などの官能基は、反応性が
低く、粘着シート類の製造時に架橋剤との反応に長時間
を要したり、或いは高い温度で乾燥すると支持体を傷め
る等の欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、有機溶媒の
使用量を減少させると共に、反応性の高いアクリル系共
重合プレポリマーを用いた新規な粘着剤組成物およびそ
の粘着シート類を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来技術
の有する問題点を解決するために鋭意検討を行った結
果、従来から一般に使用されているアクリル系粘着剤用
のアクリル系共重合高分子は、反応点となるべき高分子
中の官能基が高分子の分子側鎖内に取り込まれ、速やか
な反応が起こり難く、架橋反応に前記の欠点があり、架
橋安定化に長時間を要する等の問題点が存在しているも
のと考え、プレポリマー中に含まれる官能基(水酸基)
の反応性を高度に発揮しうるように分子設計した、比較
的低分子量のアクリル系共重合プレポリマーを使用する
ことによって、イソシアネート基と容易に反応して粘着
剤層の形成に適した高分子量に鎖延長されることを見出
し、本発明を完成するに至ったものである。
【0006】すなわち、本発明は、下記の単量体(a)
および(b)を必須成分として共重合して得られる、分
子中に反応性の高い水酸基を有する重量平均分子量5千
〜30万のアクリル系共重合プレポリマーに、鎖延長剤
として二官能を主体とする多官能イソシアネートが配合
されている粘着剤組成物に関するものである。 (a)一般式;CH2 =CH(R1 )COOR2 (R1
は水素又はメチル基、R2 は炭素数2〜14のアルキル
基である)で表されるアクリル系単量体。75〜99.
95重量% (b)一般式;CH2 =CH(R1 )COOR3 (R1
は水素又はメチル基、R3 は少なくとも1個の水酸基を
有する炭素数3〜14の1価のアルキル基である)で表
されるアクリル系単量体。0.05〜25重量%(但
し、使用する単量体(a)および(b)は、エステル結
合部を基準にして、(a)のアルキル鎖の最長先端の炭
素位置の順位数nに対して、(b)の最長先端の水酸基
が結合しているアルキル鎖の炭素位置の順位数mが、m
≧n−1の関係を満たすものとする。)
【0007】本発明において、上記のアクリル系共重合
プレポリマーは、1分子中に反応活性度の高い水酸基を
平均0.5〜10個有しているものが、イソシアネート
基と容易に反応して粘着剤層の形成に適した高分子量に
鎖延長される点で好ましく、また多官能イソシアネート
はアクリル系共重合プレポリマーの水酸基1当量に対し
てイソシアネート基が0.1〜10当量となるように配
合するのが好ましい。また、本発明においては、有機溶
剤の使用量を極力減少させる経済的および環境的な理由
を満たすことができ、上記のアクリル系共重合プレポリ
マーおよび多官能イソシアネートを含む粘着剤成分は少
量の有機溶剤に均一に溶解しうるため、40〜90重量
%の高濃度で提供することができる。さらに、本発明の
粘着剤組成物は、プラスチックや紙等の支持体の片面又
は両面に、塗布した後、通常の乾燥温度で加熱すること
により、迅速に反応して良好な粘着剤層を有する粘着シ
ート類を製造することができる。
【0008】本発明において用いる単量体(a)は、前
記の一般式で示される、炭素数2〜14のアルキル基を
有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルであって、
主として粘着特性を付与する成分である。エステル側鎖
としてのアルキル基の炭素数は、初期接着性(タック)
および接着性の点から、2〜14とする必要がある。上
記単量体(a)は、粘着剤としての特性の点からは、必
須成分として全単量体の75〜99.95重量%、好ま
しくは90〜99.5重量%の範囲で共重合される。
(a)成分が75重量%未満では、必然的に(b)成分
が多くなり、イソシアネート基による鎖延長の実現が困
難となる。すなわち、粘着剤には適度なゲルが必要であ
るが、ゲル化が進みすぎて、一方で必要な高分子量ポリ
マーの生成を阻害するので好ましくない。また、(a)
成分が99.95重量%を越えると、その分後述する
(b)成分の絶対量が不足し、この場合も本発明の意図
する鎖延長の実現が困難となる。
【0009】本発明における(a)成分としての単量体
は、後述の単量体(b)と一定の関係を満たすものが使
用される。使用しうる単量体(a)としては、例えば
(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル
酸プロピルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステ
ル、(メタ)アクリル酸ペンチルエステル、(メタ)ア
クリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸2−エ
チルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ヘプチルエ
ステル、(メタ)アクリル酸オクチルエステル、(メ
タ)アクリル酸イソオクチルエステル、(メタ)アクリ
ル酸ノニルエステル、(メタ)アクリル酸デシルエステ
ル等が挙げられ、これらは直鎖エステル又はその構造異
性体としての分岐鎖エステルでもよく、一種もしくは二
種以上が用いられる。
【0010】本発明において用いる単量体(b)は、前
記の一般式で示される、少なくとも1個の水酸基を炭素
数3〜14のアルキル鎖中に有する(メタ)アクリル酸
アルキルエステルであって、エステル結合部を基準にし
て、反応点としての水酸基がアルキル鎖の炭素順位数m
の位置に結合しているものである。使用しうる単量体
(b)としては、例えば(メタ)アクリル酸3−ヒドロ
キシプロピルエステル、(メタ)アクリル酸2−メチル
3−ヒドロキシプロピルエステル、(メタ)アクリル酸
4−ヒドロキシブチルエステル、(メタ)アクリル酸6
−ヒドロキシヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸8
−ヒドロキシオクチルエステル、(メタ)アクリル酸1
0−ヒドロキシデシルエステル等が挙げられる。この単
量体(b)は、全単量体の0.05〜25重量%、好ま
しくは0.1〜10重量%の範囲でその一種もしくは二
種以上が用いられる。
【0011】上記の単量体(a)および単量体(b)
は、次の一定条件を満たすように組み合わせて使用する
必要がある。すなわち、使用する単量体(a)および
(b)は、エステル結合部を基準にして、(a)のアル
キル鎖の最長先端の炭素位置の順位数nに対して、
(b)の最長先端の水酸基が結合しているアルキル鎖の
炭素位置の順位数mが、m≧n−1の関係を満たすもの
でなければならない。上記の条件は、単量体(a)のア
ルキル基は、直鎖アルキル基又は分岐鎖アルキル基であ
ることができ、エステル結合部を基準にして、そのアル
キル鎖の最長先端の炭素位置の順位数nの単量体(a)
を使用する場合には、単量体(b)としては、同様にエ
ステル結合部を基準にして、その最先端の水酸基が結合
しているアルキル鎖の炭素位置の順位数mとが、m≧n
−1の関係を満たすことを意味する。例えば、単量体
(a)としてアクリル酸ブチルエステル(n=4)を使
用する場合には、単量体(b)としては(メタ)アクリ
ル酸2−メチル−3−ヒドロキシプロピルエステル、
(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルエステル等の
m≧3のものが使用される。
【0012】上記の関係を満足する場合には、単量体
(a)および(b)からなるアクリル系共重合プレポリ
マーにおいて、単量体(b)アルキル鎖に存在する水酸
基は単量体(a)のアルキル鎖の最長先端の炭素位置と
同位置又はそれ以上の位置にペンディングしていること
となるので、共重合プレポリマーの分子側鎖内に取り込
まれる水酸基の量が少なくなり、水酸基が本来有する高
い反応性を発揮することができ、鎖延長効果、架橋効果
を有効に達成することができるのである。
【0013】本発明においては、上記の単量体(a)お
よび(b)の特性を阻害しない範囲で、また粘着剤とし
ての微妙な特性を付与もしくは改質する目的で、単量体
(a)および(b)と共重合可能な単量体(c)を全単
量体の30重量%以下、好ましくは25重量%以下の範
囲で置換することができる。これらの単量体(c)とし
ては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン
酸、マレイン酸等のカルボキシル基含有単量体、2−ア
クリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のスル
ホン酸基含有単量体、2−ヒドロキシエチルアクリロイ
ルホスフェート、2−ヒドロキシプロピルアクリロイル
ホスフェート等のリン酸基含有単量体、(メタ)アクリ
ルアミド、N−置換(メタ)アクリルアミド、3−アク
リロイルオキシプロピルアミド、4−アクリロイルオキ
シブチルアミド、5−アクリロイルオキシヘキシルアミ
ド、N−ビニルピロリドン等のアミド系単量体、酢酸ビ
ニル、スチレン、α−メチルスチレン等のビニル系単量
体、(メタ)アクリル酸グリシジル、フッ素含有(メ
タ)アクリレート、シリコン含有(メタ)アクリレート
等の他の(メタ)アクリル酸エステル系単量体、などが
挙げられる。また、場合によっては、単量体(a)およ
び(b)と共重合可能で不飽和結合を共重合プレポリマ
ーに導入しうる単量体も含まれ、多官能(メタ)アクリ
レートなども必要に応じて使用される。例えば、電子線
などによる無架橋剤下での後架橋を行いたい場合の架橋
点とすることもできる。この様な架橋剤として含有させ
るものとしては、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレ
ート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ト
リメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタ
エリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエ
リスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、その他エポ
キシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタ
ンアクリレートなどが用いられる。
【0014】本発明に使用するアクリル系共重合プレポ
リマーは、前記単量体(a)および単量体(b)を必須
成分とし、また必要に応じて単量体(c)を配合して共
重合して得られるものであり、その重合方法はとくに限
定されるものではない。溶液重合法、乳化重合法、塊状
重合法や懸濁重合法などの公知の重合方法を採用するこ
とができ、無溶剤重合法である塊状重合法では紫外線な
どの放射線照射による重合を採用することもできる。上
記の各重合法における重合開始剤としては、アゾ系、過
酸化物系の熱重合開始剤やアセトンフェノン系、ベンゾ
インエーテル系、ケタール系の光重合開始剤などを用い
ることができる。これらの具体例としては、熱重合開始
剤として、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニト
リル、tert−ブチルパーベンゾエート、クメンヒド
ロキシパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカ
ーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネー
ト、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネー
ト、tert−ブチルパーオキシデカノエート、ter
t−ブチルパーオキシビバレート、ジ(3,5,5−ト
リメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ジラウロイル
パーオキサイド、ジプロピオニルパーオキサイド、ジア
セチルパーオキサイド、アンモニウムまたはカリウムパ
ーさるフエートなどが挙げられる。また、光重合開始剤
としては、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フエニル
(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、メトキシア
セトフエノン、α−ヒドロキシ−α,α '−ジメチルア
セトフエノン、2,2−ジメトキシ−2−フエニルアセ
トフエノンなどのアセトフエノン系開始剤、ベンゾイン
エチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなど
のベンゾインエーテル系開始剤、その他ハロゲン化ケト
ン、アシルホスフイノキシド、アシルホスホナートなど
を挙げることができる。
【0015】重合に際して、本発明に使用するアクリル
系共重合プレポリマーを所望の分子量とするため、適量
の連鎖移動剤を使用して調製することができる。使用す
る連鎖移動剤は特に制約はなく、適宜のものを選ぶこと
ができ、メルカプタン系のものが最も汎用的である。上
記プレポリマーの重量平均分子量は、5千〜30万に調
製される。30万以上では、本発明の目的の一つである
溶液塗工時の有機溶剤の削減効果が少なく、5千以下で
は、分子量が低すぎて、粘着剤形成のための高分子量化
に必要な鎖延長が難しくなってくる。斯くして得られる
アクリル系共重合プレポリマーは、単量体(b)に基づ
く活性な水酸基を分子中に有することになる。分子中の
水酸基量としては、前述の単量体(a)および(b)、
場合によって(c)を含めた量的な関係と共に、1分子
中に平均0.5〜10個、好ましくは0.5〜5個を有
するのが望ましい。この水酸基量が平均0.5〜10個
の範囲を外れると、最良の高分子量化が起こり難くなる
ので望ましくない。
【0016】このアクリル系共重合プレポリマーに、鎖
延長剤として二官能を主とした多官能イソシアネートを
配合することにより、本発明の粘着剤組成物が得られ
る。多官能イソシアネートは、上記プレポリマーの活性
な水酸基と反応して、鎖延長され、粘着剤として望まし
いポリマーを与えるものである。本発明に使用しうる多
官能イソシアネートとしては、芳香族系、脂環族系、脂
肪族系のイソシアネートがあり、例えば2,4−トルエ
ンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネー
ト、p−フエニレンジイソシアネート、4,4 '−ビフ
エニレンジイソシアネート、4,4 '−メチレンジビフ
エニールジイソシアネート、ポリメチレンポリフエニレ
ンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、キシ
リレンジイソシアネート、メチレンジシクロヘキシルジ
イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、
4,4',4" −トリフエニレンメタントリイソシアネー
ト、或いは、トリメチロールプロパンとトルエンジイソ
シアネート或いはヘキサメチレンジイソシアネートとの
付加物等の三量化および多量化イソシアネート、並びに
昇温によりイソシアネート基を遊離する、例えばポリイ
ソシアネートとフエノール、クレゾールの反応生成物の
如き、所謂ブロックされたポリイソシアネートなどが挙
げられ、一種又は二種以上を併用することができる。
【0017】これらの多官能イソシアネートの配合割合
は、上記共重合プレポリマーの活性な水酸基1個に対し
て、イソシアネート基が0.1〜10当量となるように
配合するのが好ましい。イソシアネート基が0.1当量
以下では、上記共重合プレポリマー中への導入水酸基の
量が少ない場合に、鎖延長の効率或いは必要なゲル量の
確保が難しくなる。また、10当量以上ではイソシアネ
ート基が過剰となり、この場合も鎖延長の効率が低下し
て、良好な粘着剤物性が得られ難くなるので望ましくな
い。本発明の粘着剤組成物には、凝集力向上のための追
加の架橋処理として外部架橋剤、例えば、多官能イソシ
アネートの追加使用、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ア
ジリジン化合物、過酸化物、金属キレートなどを配合す
ることができる。本発明の粘着剤組成物には、さらに必
要に応じて天然もしくは合成の樹脂類、油脂類、界面活
性剤、ガラス繊維、ガラスビーズ、金属粉、無機粉末な
どの各種充填剤、顔料、染料などの各種添加剤を上記共
重合プレポリマー100重量部に対して200重量部以
下の範囲で配合することもできる。
【0018】さらに、本発明は支持体の片面又は両面
に、上記の粘着剤組成物から得られる粘着剤層を形成し
てなる粘着シート類に関するものである。本発明の粘着
剤組成物は、各種プラスチックフィルムやシート、紙、
織布、不織布、発砲体フィルムやシート、金属箔、又は
これらの積層体からなる支持体の片面又は両面に、5〜
2000μm程度の厚さで層状に形成して、粘着テープ
や粘着シートなどの粘着シート類とすることができる。
なお、本発明の粘着シート類は、支持体背面にシリコー
ン系樹脂やフッ素系樹脂、長鎖アルキル系などの公知の
離型剤の皮膜を形成してロール状に巻回したり、形成さ
れた粘着剤層の露出面に公知の離型剤の皮膜を形成した
セパレータで被覆してもよい。
【0019】
【発明の効果】本発明の粘着剤組成物は、分子中に反応
性の高い水酸基を有する重量平均分子量5千〜30万の
アクリル系共重合プレポリマーに、鎖延長剤として二官
能を主体とする多官能イソシアネートを必須成分として
配合してなるものであり、該プレポリマーに含まれる水
酸基の反応性に及ぼすプレポリマー側鎖の立体的な障害
を回避して、水酸基本来の反応性を確保することによっ
て、比較的低分子量のプレポリマーを効率よく鎖延長し
て高分子量化することができ、従って有機溶剤の使用量
の少ない、即ち高濃度の粘着剤組成物を提供することが
できる。また、この粘着剤組成物から良好な粘着特性を
示す信頼性の高い粘着シート類を提供することができ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明の製造例、実施例、
比較例を用いて、さらに具体的に説明するが、本発明は
これらに限定されるものではなく、本発明の技術思想を
逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。文中におい
て部とあるのは重量部を意味する。なお、実施例および
比較例における試験項目は、下記の試験方法によって測
定したものである。 〔接着力〕作製した粘着シートを幅20mmのテープ状
に切断し、サンドペーパ(#280)で研磨したステン
レス板(SUS−304)に貼着し、2Kgのゴムロー
ルを1往復させ、30分放置後、粘着テープをステンレ
ス板に対して180°折り返した後、300mm/分の
速度で剥離させ、このときの剥離力を測定した(JIS
−C−2107)。 〔凝集力〕ベークライト板上に10mm×20mmの粘
着テープサンプルを貼付面積が10mm×10mmとな
るように貼付し、他端に500gの錘をさげて、40℃
に放置して、そのずれ量(1時間当たりのずれ距離m
m)を測定した。
【0021】製造例1 冷却管、窒素導入管および攪拌装置を備えた反応容器
に、n−ブチルアクリレート(BA)300部、6−ヒ
ドロキシヘキシルアクリレート(HHA)2.085
部、連鎖移動剤としてラウリルメルカプタン(LSH)
0.580部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニ
トリル(AIBN)0.3部および酢酸エチル200部
を入れ、60℃で4時間、続いて70℃で2時間重合し
て、重合率99%の水酸基含有のアクリル系共重合プレ
ポリマー溶液を得た。この溶液は、25℃で130ポイ
ズの粘度を示し、120℃で2時間乾燥後の固形分とし
てアクリル系共重合プレポリマー62.8重量%を含む
高濃度の溶液である。この共重合プレポリマーのGPC
(ゲルパーミエイション クロマトグラフィー)による
スチレン換算の重量平均分子量は18.9万、数平均分
子量は6.36万であった。この数平均分子量から計算
すると、この共重合プレポリマーは1分子当たり平均
2.55個の水酸基を有することとなる。
【0022】製造例2 製造例1と同様の反応容器に、HHAに代えて、2−ヒ
ドロキシエチルアクリレート(HEA)1.406部を
配合する以外は製造例1と同様に重合して、重合率99
%の水酸基含有のアクリル系共重合プレポリマー溶液を
得た。この溶液およびアクリル系共重合プレポリマーの
性状は、製造例1とほぼ同様であった。但し、このアク
リル系共重合プレポリマーは、単量体(a)および
(b)の相互関係は、n=4、m=2であるため、前記
のm≧n−1の関係を満たしていない。
【0023】製造例3〜5 製造例1と同様の反応容器にて、HHAおよびLSHの
配合量を変えて、実施例1と同様に重合して、表1に示
すような各種性状の異なる水酸基含有のアクリル系共重
合プレポリマー溶液を得た。
【0024】
【表1】
【0025】製造例6 製造例と同様の反応容器に、2−エチルヘキシルアクリ
レート(2−EHA)300部、、6−ヒドロキシヘキ
シルアクリレート(HHA)1.450部、ラウリルメ
ルカプタン(LSH)0.403部、アゾビスイソブチ
ロニトリル(AIBN)0.3部および酢酸エチル20
0部を入れ、60℃で4時間、続いて70℃で2時間重
合して、重合率98.5%の水酸基含有のアクリル系共
重合プレポリマー溶液を得た。この溶液は、25℃で1
35ポイズの粘度を示し、120℃で2時間乾燥後の固
形分としてアクリル系共重合プレポリマー62.5重量
%を含む高濃度の溶液である。この共重合プレポリマー
のGPCによるスチレン換算の重量平均分子量は18.
5万、数平均分子量は6.08万であった。この数平均
分子量から計算すると、この共重合プレポリマーは1分
子当たり平均1.7個の水酸基を有することとなる。
【0026】実施例1 製造例1で得られたアクリル系共重合プレポリマー溶液
100部に対して4,4 '−ジフエニルメタンジイソシ
アネート(MDI)0.315部(プレポリマーの水酸
基に対して当量関係)を加えて、粘着剤組成物の溶液を
得た。この溶液を25μm厚のポリエステルフィルム上
に塗布し、120℃で5分間乾燥して50μm厚の粘着
剤層を有する粘着シートを作製した。この粘着シートの
接着力は650g/20mm、凝集力は0.2mm/時
間以下であった。
【0027】比較例1 製造例2で得られたアクリル系共重合プレポリマー溶液
100部に対して4,4 '−ジフエニルメタンジイソシ
アネート(MDI)0.315部(プレポリマーの水酸
基に対して当量関係)を加えて、粘着剤組成物の溶液を
得た。この共重合プレポリマーは、製造例2で説明した
ように、m≧n−1の関係を満たしていない。そのた
め、この溶液を25μm厚のポリエステルフィルム上に
塗布し、120℃で5分間乾燥して50μm厚の粘着剤
層を有する粘着シートを作製したが、プレポリマーの高
分子化が不充分でであり、物性評価はできなかった。さ
らに50℃で3日間エージングを行って、物性評価をし
たが、凝集破壊を呈するものであった。
【0028】実施例2〜5 製造例3〜6で得られたアクリル系共重合プレポリマー
溶液の各100部に対して、表2に示すように、4,4
'−ジフエニルメタンジイソシアネート(MDI)を各
プレポリマーの水酸基に対して当量関係となるように所
定部数を加えて、粘着剤組成物の溶液を得た。この各溶
液について、実施例1と同様にして、粘着シートを作製
した後、接着力および凝集力の試験を行った結果を、表
2に示した。
【0029】
【表2】
【0030】実施例6 製造例5で得られたアクリル系共重合プレポリマー溶液
100部に対して、トリメチロールプロパン−トリレン
ジイソシアネート付加物(日本ポリウレタン社製、商品
名コロネートL、NCO含量13.8%)を表3に示す
ように、共重合プレポリマーの水酸基に対して試料1〜
3の如く適宜の量を加えて、粘着剤組成物の溶液を得
た。実施例1と同様にして、この溶液をポリエステルフ
ィルム上に塗布し、乾燥して粘着シートを作製した。乾
燥後の粘着剤層のゲル分率は、いずれもほぼ100%で
あった。実施例1と同様にして接着力を測定したとこ
ろ、表3のように再剥離用として良好な低接着力を示し
た。なお、上記のゲル分率とは、室温において、粘着剤
層を0.1μmの孔径を有するフッ素樹脂膜からなる袋
に入れて、溶解力の強い酢酸エチル中に1週間浸漬し、
溶解分を抽出後の残存量から判定したもので、溶解しな
かった粘着剤(残存分)の元の粘着剤に対する比率で示
している。再剥離用としてはゲル分率60%以上が好ま
しい。
【0031】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小島 勝秀 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の単量体(a)および(b)を必須
    成分として共重合して得られる、分子中に反応性の高い
    水酸基を有する重量平均分子量5千〜30万のアクリル
    系共重合プレポリマーに、鎖延長剤として二官能を主体
    とする多官能イソシアネートが配合されている粘着剤組
    成物。 (a)一般式;CH2 =CH(R1 )COOR2 (R1
    は水素又はメチル基、R2 は炭素数2〜14のアルキル
    基である)で表されるアクリル系単量体。75〜99.
    95重量% (b)一般式;CH2 =CH(R1 )COOR3 (R1
    は水素又はメチル基、R3 は少なくとも1個の水酸基を
    有する炭素数3〜14の1価のアルキル基である)で表
    されるアクリル系単量体。0.05〜25重量%(但
    し、使用する単量体(a)および(b)は、エステル結
    合部を基準にして、(a)のアルキル鎖の最長先端の炭
    素位置の順位数nに対して、(b)の最長先端の水酸基
    が結合しているアルキル鎖の炭素位置の順位数mが、m
    ≧n−1の関係を満たすものとする。)
  2. 【請求項2】 アクリル系共重合プレポリマーは、1分
    子中に反応性の高い水酸基を平均0.5〜10個有して
    いる請求項1記載の粘着剤組成物。
  3. 【請求項3】 アクリル系共重合プレポリマーの水酸基
    1当量に対してイソシアネート基が0.1〜10当量と
    なるように多官能イソシアネートが配合されている請求
    項1記載の粘着剤組成物。
  4. 【請求項4】 アクリル系共重合プレポリマーが、単量
    体(a)および(b)に加えて他の共重合可能な単量体
    を全単量体の30重量%以下の範囲で共重合させて得ら
    れたものである請求項1記載の粘着剤組成物。
  5. 【請求項5】 アクリル系共重合プレポリマーおよび多
    官能イソシアネートを含む粘着剤成分が有機溶剤に溶解
    されており、前記粘着剤成分を40〜90重量%の高濃
    度で提供しうる請求項1記載の粘着剤組成物。
  6. 【請求項6】 支持体の片面又は両面に、請求項1記載
    の粘着剤組成物から得られる粘着剤層を形成してなる粘
    着シート類。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8124706B2 (en) 2007-04-24 2012-02-28 Soken Chemical & Engineering Co., Ltd. Adhesive composition comprising end-reactive acrylic polymer and uses thereof

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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