JPH09234058A - 新規酵母および該酵母を含有するパンの製造方法 - Google Patents
新規酵母および該酵母を含有するパンの製造方法Info
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- JPH09234058A JPH09234058A JP8046498A JP4649896A JPH09234058A JP H09234058 A JPH09234058 A JP H09234058A JP 8046498 A JP8046498 A JP 8046498A JP 4649896 A JP4649896 A JP 4649896A JP H09234058 A JPH09234058 A JP H09234058A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- yeast
- strain
- dough
- bread
- saccharomyces cerevisiae
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- Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】冷凍耐性を有する酵母と、それをもちいる冷凍
パン生地、パンの製造方法を提供する。 【解決手段】菌体内に、プロリン、アルギニン、リジ
ン、グルタミン酸から選ばれる1種以上のアミノ酸を蓄
積する、冷凍耐性を有する酵母を得る。これを用いて冷
凍パン生地、パンを製造する。
パン生地、パンの製造方法を提供する。 【解決手段】菌体内に、プロリン、アルギニン、リジ
ン、グルタミン酸から選ばれる1種以上のアミノ酸を蓄
積する、冷凍耐性を有する酵母を得る。これを用いて冷
凍パン生地、パンを製造する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は特に冷凍耐性にすぐれた
新規酵母および該酵母を含有するパンの製法に関する。
新規酵母および該酵母を含有するパンの製法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、製パン業界では、工程の省力化に
よる合理化、消費者のニーズに合わせた焼き立てパンの
提供のため、冷凍パン生地の利用が盛んになってきてい
る。冷凍耐性のない通常のパン酵母は、冷凍前の発酵に
より冷凍すると障害を受け、死滅や発酵能の低下が起こ
り、品質の良いパンが得られない場合が多い。特にリー
ンな生地を用いた場合の冷凍障害は大きいことが知られ
ており、凍結前の発酵時間を短縮したり、酵母量を増や
したりする必要があり、風味に欠けたまずいパンになり
やすい。従って、冷凍パン生地はリッチなパンへの適用
が多い。
よる合理化、消費者のニーズに合わせた焼き立てパンの
提供のため、冷凍パン生地の利用が盛んになってきてい
る。冷凍耐性のない通常のパン酵母は、冷凍前の発酵に
より冷凍すると障害を受け、死滅や発酵能の低下が起こ
り、品質の良いパンが得られない場合が多い。特にリー
ンな生地を用いた場合の冷凍障害は大きいことが知られ
ており、凍結前の発酵時間を短縮したり、酵母量を増や
したりする必要があり、風味に欠けたまずいパンになり
やすい。従って、冷凍パン生地はリッチなパンへの適用
が多い。
【0003】冷凍耐性のすぐれたパン酵母としてはサッ
カロミセス ロゼイ(特公昭59ー25584号)、サ
ッカロミセス セレビシエFTY(FRY−413)
(特公昭59ー48607号)、サッカロミセス セレ
ビシエIAM4724(特公昭63ー58536号)、
サッカロミセス セレビシエFTY−3(特公平4ー2
0595)、サッカロミセス セレビシエKYF(特公
平6ー87772号)等が知られているが、上記の問題
について充分な解決に至っていないのが現状である。
カロミセス ロゼイ(特公昭59ー25584号)、サ
ッカロミセス セレビシエFTY(FRY−413)
(特公昭59ー48607号)、サッカロミセス セレ
ビシエIAM4724(特公昭63ー58536号)、
サッカロミセス セレビシエFTY−3(特公平4ー2
0595)、サッカロミセス セレビシエKYF(特公
平6ー87772号)等が知られているが、上記の問題
について充分な解決に至っていないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】糖、油脂類の多いリッ
チな生地のみならず、食パンおよびフランスパン用等の
リーンな生地においてもすぐれた冷凍耐性を示す酵母を
開発し、これを用いた冷凍パン生地およびパンの製造法
を検討することにある。
チな生地のみならず、食パンおよびフランスパン用等の
リーンな生地においてもすぐれた冷凍耐性を示す酵母を
開発し、これを用いた冷凍パン生地およびパンの製造法
を検討することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の問題
点を解決すべく鋭意検討した結果、冷凍保護物質として
知られているいくつかのアミノ酸、たとえば、プロリ
ン、アルギニン、リジン、グルタミン酸を菌体内に多量
に蓄積する酵母を得ることにより、冷凍保存に適した酵
母が得られることと、さらにこれを用いることにより冷
凍耐性の高いパン生地が得られることを見いだした。
点を解決すべく鋭意検討した結果、冷凍保護物質として
知られているいくつかのアミノ酸、たとえば、プロリ
ン、アルギニン、リジン、グルタミン酸を菌体内に多量
に蓄積する酵母を得ることにより、冷凍保存に適した酵
母が得られることと、さらにこれを用いることにより冷
凍耐性の高いパン生地が得られることを見いだした。
【0006】即ち、本発明はプロリン、アルギニン、リ
ジン、グルタミン酸の内、1種以上のアミノ酸を菌体内
に蓄積させた冷凍耐性を有する酵母および該酵母を用い
ることを特徴とするパン用生地を用いたパン類の製造法
に関する。
ジン、グルタミン酸の内、1種以上のアミノ酸を菌体内
に蓄積させた冷凍耐性を有する酵母および該酵母を用い
ることを特徴とするパン用生地を用いたパン類の製造法
に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明になる特定アミノ酸を菌体
内に蓄積する酵母を得るためには、変異処理により誘導
したり、酵母自体の酵素反応により菌体内にアミノ酸を
蓄積させる方法等が利用できる。酵母としてはパン酵母
として使用できるものであればよく、例えばサッカロミ
セス セレビシエ、サッカロミセス ウバルム、サッカ
ロミセス シュバリエ、サッカロミセス ロゼイ等が利
用できるが、特にサッカロミセス セレビシエに属する
ものが好ましい。サッカロミセス属以外のパン酵母であ
るトルラスポラ属(たとえば、トルラスポラ デルブル
ツキ)やクルベロマイセス属(たとえば、クルベロマイ
セス サーモトレランス)等についても、本発明の親株
として適用が可能である。
内に蓄積する酵母を得るためには、変異処理により誘導
したり、酵母自体の酵素反応により菌体内にアミノ酸を
蓄積させる方法等が利用できる。酵母としてはパン酵母
として使用できるものであればよく、例えばサッカロミ
セス セレビシエ、サッカロミセス ウバルム、サッカ
ロミセス シュバリエ、サッカロミセス ロゼイ等が利
用できるが、特にサッカロミセス セレビシエに属する
ものが好ましい。サッカロミセス属以外のパン酵母であ
るトルラスポラ属(たとえば、トルラスポラ デルブル
ツキ)やクルベロマイセス属(たとえば、クルベロマイ
セス サーモトレランス)等についても、本発明の親株
として適用が可能である。
【0008】本発明には、上記親株を変異誘導処理して
得られた変異株又は酵母の酵素反応により菌体内に特定
アミノ酸が親株に比べて増加したものを選択して、これ
を用いる。
得られた変異株又は酵母の酵素反応により菌体内に特定
アミノ酸が親株に比べて増加したものを選択して、これ
を用いる。
【0009】変異誘導処理としてはプロリンアナログに
耐性の酵母を選択する方法が有利である。アナログ剤と
しては、チオプロリン、アゼチジン−2−カルボキシレ
ート、デヒドロプロリンなどが挙げられるが、プロリン
アナログであれば何でもよい。
耐性の酵母を選択する方法が有利である。アナログ剤と
しては、チオプロリン、アゼチジン−2−カルボキシレ
ート、デヒドロプロリンなどが挙げられるが、プロリン
アナログであれば何でもよい。
【0010】変異誘導の処理としては、紫外線照射、放
射線照射、エタンメタンスルホネート(以下EMSと略
す)、N−メチル−’N−ニトロ−N−ニトロソグアニ
ジン等の薬剤を使用することができる。
射線照射、エタンメタンスルホネート(以下EMSと略
す)、N−メチル−’N−ニトロ−N−ニトロソグアニ
ジン等の薬剤を使用することができる。
【0011】酵母の酵素反応を用いる方法は、酵母生育
のために必要な炭素源とは別に、特定アミノ酸の前駆体
を培地に添加し、特定アミノ酸を菌体内に蓄積させる方
法が利用できる。 例えばリジンの場合にはLーαーア
ミノアジピン酸を培地に添加し、菌体内にリジンを蓄積
させることが出来る。尚、特定アミノ酸を菌体内に蓄積
させるために、特定アミノ酸の分解能を菌株育種の課程
で欠損させておくことは特に有効である。
のために必要な炭素源とは別に、特定アミノ酸の前駆体
を培地に添加し、特定アミノ酸を菌体内に蓄積させる方
法が利用できる。 例えばリジンの場合にはLーαーア
ミノアジピン酸を培地に添加し、菌体内にリジンを蓄積
させることが出来る。尚、特定アミノ酸を菌体内に蓄積
させるために、特定アミノ酸の分解能を菌株育種の課程
で欠損させておくことは特に有効である。
【0012】
【実施例】以下に本発明の実施例について述べる。
【0013】
【実施例1】プロリンアナログ耐性を有する変異株を取
得するには、プロリン分解系欠損株であるサッカロミセ
ス セレビシエ AJ-14707(以下 AJ 14707 株と略す)
を親株としてEMSを用いた変異処理を施すことにより
達成された。
得するには、プロリン分解系欠損株であるサッカロミセ
ス セレビシエ AJ-14707(以下 AJ 14707 株と略す)
を親株としてEMSを用いた変異処理を施すことにより
達成された。
【0014】プロリン分解系欠損株はJ.Bacteriology,
140, 498-503(1979)、J.Bacteriology, 140, 504-507(1
979)に従い、取得できる。即ち、サッカロミセス セレ
ビシエをEMS処理し、ガラクトースとグルタミン酸を
含む培地に生育し、ガラクトースとプロリンを含む培地
に生育しない株を選択、即ちプロリンを窒素源として資
化しないものを選択し、内1株を AJ 14707 とした。
140, 498-503(1979)、J.Bacteriology, 140, 504-507(1
979)に従い、取得できる。即ち、サッカロミセス セレ
ビシエをEMS処理し、ガラクトースとグルタミン酸を
含む培地に生育し、ガラクトースとプロリンを含む培地
に生育しない株を選択、即ちプロリンを窒素源として資
化しないものを選択し、内1株を AJ 14707 とした。
【0015】YPD寒天培地(ポリペプトン2.0%、
酵母エキス1.0%、グルコース2.0%、寒天1.5
%)で30℃、48時間培養した AJ 14707 株の菌体を
4×10ー7細胞/mlになるように0.1Mリン酸カリ
ウム緩衝液(pH7.0)に3mlに懸濁し、0.1m
lのEMSを加え30℃、20分間変異処理を行った。
次いで、6.0%のチオ硫酸ナトリウムでEMSを中和
後、菌体を洗浄した。洗浄した菌体を適宜希釈し、アゼ
チジン−2−カルボキシレートを5mg/ml含む最少
寒天培地(ディフコ社製、バクトイーストナイトロジェ
ン・ベース0.67%、グルコース2%および寒天1.
5%)にまき、30℃、7日間培養し、生育してきたコ
ロニーを拾い上げた。
酵母エキス1.0%、グルコース2.0%、寒天1.5
%)で30℃、48時間培養した AJ 14707 株の菌体を
4×10ー7細胞/mlになるように0.1Mリン酸カリ
ウム緩衝液(pH7.0)に3mlに懸濁し、0.1m
lのEMSを加え30℃、20分間変異処理を行った。
次いで、6.0%のチオ硫酸ナトリウムでEMSを中和
後、菌体を洗浄した。洗浄した菌体を適宜希釈し、アゼ
チジン−2−カルボキシレートを5mg/ml含む最少
寒天培地(ディフコ社製、バクトイーストナイトロジェ
ン・ベース0.67%、グルコース2%および寒天1.
5%)にまき、30℃、7日間培養し、生育してきたコ
ロニーを拾い上げた。
【0016】上記コロニーをさらに最少培地(ディフコ
社製、バクトイーストナイトロジェン・ベース0.67
%、グルコース2%)で30℃、2日間培養後、集菌し
て熱水抽出(100℃、15分間)を行い、菌体内のア
ミノ酸をアミノ酸アナライザーで測定し、プロリンまた
はアルギニン量の高い株としてそれぞれ AJ 14704 株と
AJ 14705 株を取得した。これら2株は工業技術院生命
工学技術研究所にそれぞれ FERM P-15494 と FERM P-1
5495 として寄託されている。
社製、バクトイーストナイトロジェン・ベース0.67
%、グルコース2%)で30℃、2日間培養後、集菌し
て熱水抽出(100℃、15分間)を行い、菌体内のア
ミノ酸をアミノ酸アナライザーで測定し、プロリンまた
はアルギニン量の高い株としてそれぞれ AJ 14704 株と
AJ 14705 株を取得した。これら2株は工業技術院生命
工学技術研究所にそれぞれ FERM P-15494 と FERM P-1
5495 として寄託されている。
【0017】
【実施例2】米国イースト・ジェネティック・ストック
・センターより譲渡されたサッカロミセス セレビシエ
X2180-18(何人でも自由に入手可能である、以下X2180-
18株と略す)を用いてApplied Microbiology, 9, 1 (19
61)の方法に従い、培養液中にL-α-アミノアジピン酸を
各種濃度(0〜0.5%)添加し、菌体内リジン含量が乾
燥菌体重量に対して約0%、1%、2%、5%、10%
の菌株を作成した。
・センターより譲渡されたサッカロミセス セレビシエ
X2180-18(何人でも自由に入手可能である、以下X2180-
18株と略す)を用いてApplied Microbiology, 9, 1 (19
61)の方法に従い、培養液中にL-α-アミノアジピン酸を
各種濃度(0〜0.5%)添加し、菌体内リジン含量が乾
燥菌体重量に対して約0%、1%、2%、5%、10%
の菌株を作成した。
【0018】
【実施例3】AJ 14707 株と実施例1で得られた AJ 147
04 株 と AJ 14705 株について冷凍耐性度を比較した結
果を表1に示す。上記菌株を最少培地で30℃、2日間
培養後、−20℃で7日間保存し、保存前後の生菌数を
YPD寒天培地上で測定することにより生存率を算出し
た。
04 株 と AJ 14705 株について冷凍耐性度を比較した結
果を表1に示す。上記菌株を最少培地で30℃、2日間
培養後、−20℃で7日間保存し、保存前後の生菌数を
YPD寒天培地上で測定することにより生存率を算出し
た。
【0019】
【表1】
【0020】この結果から明らかなように、AJ 14704
株と AJ 14705 株は AJ 14707 株に比べて菌体内プロリ
ン量が約10〜20倍に増加し、生存率が約6〜9倍に
上昇していた。さらに AJ 14705 株に関しては菌体内ア
ルギニン量が親株の約2倍になっていた。
株と AJ 14705 株は AJ 14707 株に比べて菌体内プロリ
ン量が約10〜20倍に増加し、生存率が約6〜9倍に
上昇していた。さらに AJ 14705 株に関しては菌体内ア
ルギニン量が親株の約2倍になっていた。
【0021】
【実施例4】実施例2で作成した菌株を実施例3と同様
の方法により、冷凍耐性度を比較した結果を表2に示
す。
の方法により、冷凍耐性度を比較した結果を表2に示
す。
【0022】
【表2】
【0023】この結果から明らかなように、菌体内のリ
ジンを増加させることにより、冷凍耐性度が上昇してい
た。
ジンを増加させることにより、冷凍耐性度が上昇してい
た。
【0024】
【実施例5】冷凍パン酵母として高プロリン蓄積株また
は高アルギニン蓄積株である AJ 14704 株と AJ 14705
株の2株と、菌体内リジンが乾燥菌体に対して約5%と
10%の高リジン株を使用し、パン生地を調製した。パ
ン生地組成は表3に示すとおりである。なお、対照とし
て AJ 14707 株と X2180-18株と市販酵母旭化成45株
を用いた。
は高アルギニン蓄積株である AJ 14704 株と AJ 14705
株の2株と、菌体内リジンが乾燥菌体に対して約5%と
10%の高リジン株を使用し、パン生地を調製した。パ
ン生地組成は表3に示すとおりである。なお、対照とし
て AJ 14707 株と X2180-18株と市販酵母旭化成45株
を用いた。
【0025】
【表3】
【0026】上述のごとく調製したパン生地について下
記に示すような方法でパン生地の冷凍耐性を調べた。
記に示すような方法でパン生地の冷凍耐性を調べた。
【0027】(冷凍区)24穴のプラスチックプレート
にパン生地を分注し、ただちに30℃、1時間前発酵を
行い、プレートをアルミホイルに包んで−20℃で7日
間冷凍保存した。ファーモグラフSS(ATTO 社製)で
2時間発酵を行い、炭酸ガス量を測定した。
にパン生地を分注し、ただちに30℃、1時間前発酵を
行い、プレートをアルミホイルに包んで−20℃で7日
間冷凍保存した。ファーモグラフSS(ATTO 社製)で
2時間発酵を行い、炭酸ガス量を測定した。
【0028】(非冷凍区)24穴のプラスチックプレー
トにパン生地を分注後、ただちにファーモグラフSSで
3時間発酵を行い、炭酸ガス量を測定した。
トにパン生地を分注後、ただちにファーモグラフSSで
3時間発酵を行い、炭酸ガス量を測定した。
【0029】表4に高プロリン蓄積株または高アルギニ
ン蓄積株株、高リジン蓄積株と対照株の冷凍耐性度を示
した。冷凍耐性度は、非冷凍区の3時間発酵で生成した
炭酸ガス量に対する冷凍区の3時間発酵で生成した炭酸
ガス量の百分率で表した。
ン蓄積株株、高リジン蓄積株と対照株の冷凍耐性度を示
した。冷凍耐性度は、非冷凍区の3時間発酵で生成した
炭酸ガス量に対する冷凍区の3時間発酵で生成した炭酸
ガス量の百分率で表した。
【0030】
【表4】
【0031】表4から明らかなように、高プロリン蓄積
株または高アルギニン蓄積株と高リジン蓄積株を用いて
調製したパン生地は、対照株を用いて調製したパン生地
よりも冷凍耐性がすぐれていた。
株または高アルギニン蓄積株と高リジン蓄積株を用いて
調製したパン生地は、対照株を用いて調製したパン生地
よりも冷凍耐性がすぐれていた。
【0032】
【実施例6】実施例5で使用した高プロリン蓄積株また
は高アルギニン蓄積株と高リジン蓄積株を用いて冷凍パ
ン生地を調製した。配合、工程を下記に示した。
は高アルギニン蓄積株と高リジン蓄積株を用いて冷凍パ
ン生地を調製した。配合、工程を下記に示した。
【0033】配合: 小麦粉(強力粉) 100.0g 食塩 2.0g モルト倍希釈液 0.4g 酵母 2.0g 生地改良剤(旭フーズ製) 1.0g 水 65.0g
【0034】工程: ミキシング L8M3 こね上げ温度 25℃ フロアタイム 28℃、75%、30分 ベンチタイム 20分
【0035】調製したパン生地を成型した後、−20℃
で1週間保存した。その後20℃で解凍し、35℃、湿
度70%、70分ホイロしてから210℃ 17分焼成
したところ、通常処理のパンと同様のパンを得ることが
出来た。
で1週間保存した。その後20℃で解凍し、35℃、湿
度70%、70分ホイロしてから210℃ 17分焼成
したところ、通常処理のパンと同様のパンを得ることが
出来た。
【0036】
【発明の効果】本発明の方法によれば、冷凍貯蔵後の発
酵力のすぐれた冷凍パン生地が製造でき、特にリーンな
生地にもおいても冷凍耐性がすぐれていることから、産
業上の利用価値の高いものである。
酵力のすぐれた冷凍パン生地が製造でき、特にリーンな
生地にもおいても冷凍耐性がすぐれていることから、産
業上の利用価値の高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C12N 1/18 C12R 1:865)
Claims (8)
- 【請求項1】菌体内に、プロリン、アルギニン、リジ
ン、又はグルタミン酸から選ばれる1種以上のアミノ酸
を蓄積する冷凍耐性を有する酵母。 - 【請求項2】酵母がサッカロミセス属に属する請求項1
記載の酵母。 - 【請求項3】酵母がサッカロミセス セレビシエである
請求項2記載の酵母 - 【請求項4】酵母がサッカロミセス セレビシエ AJ 1
4704 (FERM P-15494)又はサッカロミセス セレビ
シエ AJ 14705 (FERM P-15495)である請求項3記
載の酵母。 - 【請求項5】請求項1〜4の酵母を含むパン生地。
- 【請求項6】パン生地が冷凍パン生地である請求項5記
載のパン生地。 - 【請求項7】請求項1〜4記載の酵母を含むパン。
- 【請求項8】請求項1〜4記載の酵母を用いて発酵を行
うことを特徴とするパンの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8046498A JPH09234058A (ja) | 1996-03-04 | 1996-03-04 | 新規酵母および該酵母を含有するパンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8046498A JPH09234058A (ja) | 1996-03-04 | 1996-03-04 | 新規酵母および該酵母を含有するパンの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09234058A true JPH09234058A (ja) | 1997-09-09 |
Family
ID=12748911
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8046498A Pending JPH09234058A (ja) | 1996-03-04 | 1996-03-04 | 新規酵母および該酵母を含有するパンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09234058A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006067806A (ja) * | 2004-08-31 | 2006-03-16 | Fukui Prefecture | プロリン蓄積型形質転換酵母とその作成方法及び該酵母を用いた清酒の製造方法 |
WO2008047596A1 (en) * | 2006-10-18 | 2008-04-24 | Fuji Oil Company, Limited | Freeze-tolerant yeast |
WO2008081519A1 (ja) | 2006-12-27 | 2008-07-10 | Japan Tobacco Inc. | 甘味系アミノ酸高含有調味料組成物及びそれを得る酵母 |
WO2011074359A1 (ja) * | 2009-12-17 | 2011-06-23 | キリン協和フーズ株式会社 | アルギニン高含有酵母エキスおよびその製造方法 |
US8101390B2 (en) | 2006-07-14 | 2012-01-24 | National University Corporation NARA Institute of Science and Technology | Mutant-type acetyltransferase Mpr1 |
WO2013088920A1 (ja) | 2011-12-15 | 2013-06-20 | 国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学 | 冷凍ストレス耐性を有する酵母 |
-
1996
- 1996-03-04 JP JP8046498A patent/JPH09234058A/ja active Pending
Cited By (13)
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---|---|---|---|---|
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