JPH0779767A - 新規酵母及び該酵母を含有するパン生地 - Google Patents

新規酵母及び該酵母を含有するパン生地

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JPH0779767A
JPH0779767A JP16846394A JP16846394A JPH0779767A JP H0779767 A JPH0779767 A JP H0779767A JP 16846394 A JP16846394 A JP 16846394A JP 16846394 A JP16846394 A JP 16846394A JP H0779767 A JPH0779767 A JP H0779767A
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JP
Japan
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dough
yeast
power
ferm
saccharomyces cerevisiae
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Pending
Application number
JP16846394A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroaki Yamauchi
宏昭 山内
Ikuko Tomofuji
幾子 友藤
Isato Takada
勇人 高田
Koji Morita
浩治 森田
Sueo Iwasaki
末男 岩崎
Kozo Oya
甲三 大宅
Yasuhiro Tashimo
泰啓 田下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 サッカロミセス属に分類され、低糖生地での
5℃、24時間の生地膨張量が110ml以下であり、
かつ30℃、80分の生地膨張量が240ml以上であ
る新規酵母、及び該酵母を含有してなるパン生地。 【効果】 冷蔵生地法やリタード法において生地膨張が
少なく、また残生地の活用ができるため歩留りが向上
し、且つ冷凍生地法においても発酵が抑制され、シビア
ーな温度管理が不要となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規酵母及び該酵母を含
有するパン生地に関する。更に詳しくは、製パン上、と
りわけリタード工程を含むデニッシュやクロワッサンな
どのペーストリー、糖濃度の高い菓子パン、さらに全て
の種類のパンにおける冷蔵生地や冷凍生地に有用な新規
酵母及びそれを含有するパン生地、およびパン生地の製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近の製パン業界では、省力化による工
程の合理化と、その反面、多様な消費者ニーズにこたえ
るための品種のバラエティー化との両方のニーズに応え
るため、冷凍生地法が盛んに行われるようになってき
た。さらには、生地を冷凍させないで冷蔵状態で保管す
ると同時に生地の熟成を図る所謂冷蔵生地法も盛んに検
討されるようになってきた。しかしながら、従来のパン
酵母の場合は生地を低温に冷却しても発酵速度は常温の
場合よりも遅くはなるものの発酵が進むため、冷蔵生地
での保管はせいぜい1日程度であり、このため一部実用
化はされてはいるものの広く応用されるまでには至って
いないのが実状である。
【0003】デニッシュやクロワッサンなどのペースト
リーの製造では、ロールインマーガリンをきれいに層状
に折り込むため生地を低温処理するいわゆる「リタード
法」がとりいれられている。しかしながら、このリター
ド工程における若干の生地発酵のために、ロールインマ
ーガリンがきれいに折り込まれず、できたパンの層がき
れいにならなかったり、生地の冷蔵保管が事実上できな
いため、成形残の生地の活用できず、製パン工程の歩留
りの低下を招いている。
【0004】このような課題を解決すべく、特開平5-76
348、特開平5-284896、および特開平5-336872には、冷
蔵中には発酵せず、一定温度以上では発酵する酵母(低
温感受性酵母)が開示されているが、冷蔵保存後の発酵
力(本明細書の復温発酵力に相当する)が、冷蔵前に比
べて60%程度である。従って、冷蔵生地を用いてパンを
作製した場合、発酵力が不足するためボリュームのある
良質なパンが製造できない。
【0005】さらに、低温感受性酵母の復温発酵力の低
下は、生地中の糖濃度が高くなると一般により顕著にな
り、対粉当りの糖の添加量が25%以上の生地で冷蔵後の
発酵力が、冷蔵前と同等の発酵力を有する低温感受性酵
母は、未だ開発されていないのが現状である。
【0006】冷凍生地法においても、生地ミキシング
後、冷凍過程において若干の発酵(所謂冷凍前発酵)が
起こり、エチルアルコールが生地に生成することによっ
て酵母の冷凍耐性が低下したり、流通過程における冷凍
庫の開閉など保管条件の不良による温度上昇のため、せ
っかく冷凍した生地でも昇温による一部解凍が起こり品
質が低下したりする、などの問題があった。そして冷凍
前発酵を抑えるため、冷凍生地の製造ではミキシング温
度を極端に低く押さえるべく冷蔵庫のような低温下でミ
キシングを行い、かつ急速冷凍をするためスパイラル急
速冷凍機を使用するなど膨大なエネルギーを必要として
いるのが実状である。
【0007】このような課題を解決すべく、特開平4−
234939では、低温感受性かつ冷凍耐性の性質を有
するパン酵母が提供されているが、そのパン酵母はもと
もと一般のパン酵母に較べると発酵力がかなり弱いもの
であり、実用性という面で問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は生地を冷凍さ
せないで冷蔵状態でも流通が可能な冷蔵生地法や、リタ
ード工程における生地膨張が従来のパン酵母に比べて少
なく、商品価値が高く、かつ残生地も活用でき製品歩留
りの高いペーストリー商品の製造を可能とする新規酵母
及び該酵母を含有するパン生地を提供することを目的と
する。
【0009】また、本発明は冷凍生地法においても生地
の冷凍過程で速やかに発酵が抑制されるため、酵母の冷
凍耐性が向上し、冷凍流通過程での保管条件による昇温
に対しても耐性のある冷凍生地の製造を可能とする新規
酵母及びこれを含有する冷凍生地を提供することを目的
とする。
【0010】本発明は、さらに、冷蔵保存後でも発酵力
が低下せず、また高糖生地を冷蔵保存した場合でも復温
発酵力が高い酵母を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解決すべくなされたものであり、その目的とするところ
は、冷蔵耐性および/または冷凍耐性を有し、かつ、冷
蔵保存後も発酵力が減少することがない酵母、高糖生地
の冷蔵保存にも耐性な酵母を提供することにある。
【0012】本発明者らは、自然界から、あるいは保存
菌株からのスクリーニング又は変異処理や交雑や細胞融
合などによる育種操作によって得られた菌株を用いて幅
広く酵母のスクリーニングを行った結果、低温下で発酵
が抑制される酵母を分離した。さらにこれらの酵母から
スクリーニングを重ねた結果、目的とする菌株を得るこ
とに成功し、本発明を完成させた。
【0013】本発明は、サッカロミセス属に属し、以下
の(1)ー(3)に記載の性質のうち、1または2以上
の性質を有する酵母: (1)低糖生地での5℃、24時間の発酵力が110m
l以下であり、かつ30℃、80分の発酵力が240m
l以上である; (2)低糖生地での−20℃、2週間後のガス発生量が
350ml以上である;および、 (3)高糖生地での5℃、24時間の発酵力が10ml
以下であり、かつ30℃、115分の発酵力が350m
l以上であり、かつ復温発酵力が30℃、115分の発
酵力の70%以上である;という性質を有する酵母に関
するものである。ただし、いずれの酵母も少なくとも
(1)の性質を有している。
【0014】低糖生地での5℃、24時間の発酵力が1
10ml以下であれば、冷蔵中の発酵が抑制される。好
ましくは、70ml以下であり、さらに好ましくは30
ml以下である。また、30℃、80分の発酵力が24
0ml以上であれば、パンの焼成に十分な発酵力を与
え、好ましくは250ml以上である。
【0015】低糖生地での発酵力は、イースト工業会で
定められた低糖生地発酵力に準じて、以下の原料配合: 小麦粉 100 g 酵母 2 g 庶糖 5 g 食塩 2 g 水 62 ml により、生地を捏上温度が20±1℃になるようにミキ
シングを行い、生地をシリンダーにいれてあらかじめス
タート時の生地量を測定して決定する。5℃、24時間
発酵させた後の生地量とスタート時の生地量との差を5
℃低糖生地発酵力とする。
【0016】また、上記原料配合により、生地を捏上温
度が30±1℃になるようにミキシングを行い、生地を
シリンダーに入れてあらかじめスタート時の生地量を測
定し、30℃、80分発酵させた後の生地量とスタート
時の生地量との差を30℃低糖生地発酵力とする。
【0017】低糖生地での−20℃、2週間のガス発生
量は、冷凍耐性測定法(小麦粉200gベース)で求めた。
数字は重量部を表す。
【0018】配合:食パン 小麦粉 100 砂糖 5 食塩 2 油脂 7 酵母 4 生地改良材 2 (Sキモグリーン・ピュラトス社製) 脱粉 3 水 67 工程: ミキシング(ホバートミキサー)低速2分、中速1分 捏上温度 20±1℃ フロアタイム 20分 分割重量 50g ベンチタイム 10分 冷凍条件 −20℃、2週間 ガス発生量測定 株式会社アトー製、ファーモグラフを
使用 冷凍1週間後及び2週間後の冷凍生地50gをファーモ
グラフ測定用ビンに直接投入して、30℃ウォーターバ
ス中で30分解凍した後、測定を開始した。3時間後の
トータルガス発生量を調べ、スタート時と1週間後及び
2週間後のガス量を比較した。なお、スタート時(冷凍
前)は30分解凍なしでガス量を測定した。
【0019】高糖生地での発酵力は、イースト工業会で
定められた高糖生地発酵力に準じて、以下の原料配合: 小麦粉 100 g 酵母 3 g 庶糖 30 g 食塩 0.5 g 水 52 ml により、生地を捏上温度が20±1℃になるようにミキ
シングを行い、生地をシリンダーにいれてあらかじめス
タート時の生地量を測定し、5℃、24時間発酵させた
後の生地量とスタート時の生地量との差を5℃高糖生地
発酵力とした。
【0020】また、上記原料配合により、生地を捏上温
度が30±1℃になるようにミキシングを行い、生地を
シリンダーにいれてあらかじめスタート時の生地量を測
定し、30℃、115分発酵させた後の生地量とスター
ト時の生地量との差を30℃高糖生地発酵力とした。
【0021】復温発酵力は、5℃、24時間発酵させた
高糖生地を30℃に復温させて測定する。復温後、30
℃、115分の発酵力をもって、復温発酵力とする。
【0022】本発明は、低糖生地での5℃、24時間の
発酵力が110ml以下であり、かつ30℃、80分の
発酵力が240ml以上である性質を有する酵母に関す
る。このことにより、上記目的が達成される。
【0023】このような性質を有する酵母としては、以
下の番号を有する菌株が挙げられる。サッカロミセス・セレヒ゛シエR-
55(FERM P-13756)、同R-321(FERM P-13757)、同R-2401
(FERMP-14350)、同R-5704(FERM P-14353)、同R-5799(FE
RM P-14354)、同R-5947(FERMP-14355)、同R-5982(FERM
P-14356)、同R-6724(FERM P-14357)、同A-3364(FERMP-1
4391)、同A-3373(FERM P-14392)、同A-3417(FERM P-143
93)、同R-6180(FERMP-14395)、および同RM-4862(FERM P
-14396)が挙げられる。
【0024】好ましい酵母は、低糖生地での5℃、24
時間の発酵力が30ml以下であり、かつ30℃、80
分の発酵力が250ml以上である性質を有する酵母で
あり、このような酵母としては、サッカロミセス・セレヒ゛シエR-2401
(FERM P-14350)、同R-5704(FERM P-14353)、同R-5799(F
ERM P-14354)、同R-5947(FERM P-14355)、同R-5982(FER
M P-14356)、同R-6724(FERM P-14357)、同A-3364(FERM
P-14391)、同A-3373(FERM P-14392)、同A-3417(FERM P-
14393)、同R-6180(FERM P-14395)、および同RM-4862(FE
RM P-14396)が挙げられる。
【0025】さらに、本発明は、(1)低糖生地での5
℃、24時間の発酵力が110ml以下であり、かつ3
0℃、80分の発酵力が240ml以上である、および
(2)低糖生地での−20℃、2週間後のガス発生量が
350ml以上である性質を有する酵母に関する。この
ことにより、上記目的が達成される。好ましくは、
(1)の性質が低糖生地での5℃、24時間の発酵力が
30ml以下であり、かつ、30℃、80分の発酵力が
250ml以上である酵母である。このような酵母とし
ては、サッカロミセス・セレヒ゛シエR-5704(FERM P-14353)、同R-5799
(FERM P-14354)、同R-5947(FERM P-14355)、同R-5982(F
ERM P-14356)、および同R-6724(FERM P-14357)が挙げら
れる。 また、本発明は、(1)低糖生地での5℃、24時間の
発酵力が110ml以下であり、かつ30℃、80分の
発酵力が240ml以上である、および(2)高糖生地
での5℃、24時間の発酵力が10ml以下であり、か
つ30℃、115分の発酵力が350ml以上であり、
かつ復温発酵力が30℃、115分の発酵力の70%以
上である性質を有する酵母に関する。好ましくは、
(1)の性質が、低糖生地での5℃、24時間の発酵力
が30ml以下であり、かつ30℃、80分の発酵力が
250ml以上である酵母である。このことにより、上
記目的が達成される。
【0026】このような酵母として、サッカロミセス・セレヒ゛シエR-
5799(FERM P-14354)、または、サッカロミセス・セレヒ゛シエR-6724(F
ERM P-14357)が挙げられる。
【0027】さらに、本発明は、 (1)低糖生地での5℃、24時間の発酵力が110m
l以下であり、かつ30℃、80分の発酵力が240m
l以上である; (2)低糖生地での−20℃、2週間後のガス発生量が
350ml以上である;および、 (3)高糖生地での5℃、24時間の発酵力が10ml
以下であり、かつ30℃、115分の発酵力が350m
l以上であり、かつ復温発酵力が30℃、115分の発
酵力の70%以上である、性質を有する酵母に関する。
好ましくは、(1)の性質が、低糖生地での5℃、24
時間の発酵力が30ml以下であり、かつ30℃、80
分の発酵力が250ml以上である酵母である。このこ
とにより、上記目的が達成される。
【0028】このような酵母として、サッカロミセス・セレヒ゛シエR-
5799(FERM P-14354)、または、サッカロミセス・セレヒ゛シエR-6724(F
ERM P-14357)が挙げられる。
【0029】また、本発明は上記酵母を1種または2種
以上含有するパン生地に関し、さらに詳しくは冷蔵生
地、冷凍生地に関するものである。このことにより、上
記目的が達成される。
【0030】さらに、本発明は、上記パン生地の製造方
法に関するものである。冷蔵、冷凍後にも発酵力が高い
本願発明の酵母を用いることにより、本願発明の目的で
ある、長時間保存のできる冷蔵生地や、品質がよく歩留
りの高いリタード法でのペーストリー、さらには冷凍耐
性の高い冷凍生地の製造が可能になる。また、冷蔵生地
法による高糖生地を用いる菓子パンの製造が可能にな
る。
【0031】本願発明の酵母を用いることにより、低温
下で発酵が抑制される理由については明らかではない
が、酵母の発酵は細胞外の糖類(グルコースやフルクト
ース、シュクロースなど)を細胞膜に存在する糖の透過
酵素(パーミアーゼ)により酵母の細胞内に輸送し、輸
送された糖類を解糖系の酵素によりエチルアルコールと
炭酸ガスとに分類することにより進行するといわれてお
り、この細胞膜に存在する糖の透過酵素が該酵母の場合
特に低温下で活性が低下する、細胞質内に存在する解糖
系の酵素の一部又は全部が該酵母の場合低温下で活性が
低下する、温度により特異的に誘導されるタンパク(ヒ
ートショックプロテイン)によって該酵母の場合発酵が
阻害される、その他、呼吸能が特に低温下で抑制される
ことによって発酵が遅れる、などが考えられる。
【0032】なお、一般的には低温感受性(LOW TEMPERA
TURE SENSITIVE:LTS)という遺伝子がサッカロミセス属
に存在することは公知ではあるが、これは低温下や高温
下での「増殖」が抑制されたり死滅する現象に関するも
のであり、低温下での「発酵」が抑制される現象とは異
なっている。
【0033】以下、本願発明の酵母を取得する方法につ
いて述べる。
【0034】本願発明の酵母は、自然界からのスクリー
ニング、ニトロソグアニジン、エチルメタンスルホネー
ト、紫外線照射等の変異処理、交雑や細胞融合などによ
る育種操作によって得ることができる。ここでは、変異
処理して、目的とする酵母を取得する方法を開示する
が、この方法に限られないことはいうまでもない。
【0035】また、1段階の変異処理だけでは、不十分
な場合は、変異処理を繰り返す方法、胞子を取得して戻
し交雑する方法、細胞融合させる方法などを併用するこ
とも可能である。詳細については、後記する。
【0036】(A)酵母の変異方法 ここでは、エチルメタンスルフォネート(以下、EMS
と記す)による変異法を説明する。使用する培地は以下
の通りである。
【0037】 YPD培地 YPD寒天プレート グルコース 20 g グルコース 20 g ポリペプトン 20 g ポリペプトン 20 g 酵母エキス 10 g 酵母エキス 10 g 水 1000 ml 寒天 20 g 水 1000 ml まず、親株のスラントから、1白金耳、YPD培地 5
mlに植菌し、30℃、16時間振盪培養する。培養終
了後、3000rpm、10分で遠心分離して集菌し、0.1M、pH7.
0のリン酸バッファーで1回洗浄する。菌体を同じリン
酸バッファー5mlに懸濁し、EMSを0.15ml添
加し、30℃、2時間、時々攪拌しながら処理し、30
00rpm、10分の遠心分離で集菌し、リン酸バッフ
ァーで洗浄後、20%Na2S2O3を5ml加えて30℃、10分
静置してEMSを分解する。20%Na2S2O3処理を2回行
い、生理食塩水5mlで3回洗浄し、生理食塩水5ml
に懸濁し、上記組成のYPD寒天プレートに適宜希釈し
て菌を塗布する。
【0038】(B)低温感受性酵母のスクリーニング B-1.1次スクリーニング:マイクロプレート法 ブロムクレゾールパープル(BCP)を用い、高pHでは
青紫色、低pHでは黄色になるBCPの性質を利用して発
酵力をスクリーニングする方法である。
【0039】YPD寒天プレートで生育した株を、1白
金耳、YPD培地200μlが入ったマイクロプレートに植
菌し、30℃、16時間静置培養する。マイクロプレー
トの各ウエルにBCP含有YPD培地(上記YPD培地
にブロムクレゾールパープル(BCP)30mg加えたもの)200
μlを注入し、このマイクロプレート各2枚に、この培養
ブロスを20μlずつそれぞれ移植し、それぞれ10℃、
および30℃で5時間静置培養する。30℃培養区で生
育が良く菌量が多く、よく発酵するためブロスのpHが
下がり色が黄変し、かつ10℃培養区で生育は良いが発
酵が抑制されるためブロスのpHが下がらず色が黄変し
ていない株を選択する。
【0040】B-2.2次スクリーニング:マイセル法: 2次スクリーニングはマイセル発酵の前後の重量差から
優良な株を選択する方法である。使用する培地は以下の
通りである。
【0041】 糖蜜培地 マイセル液 糖蜜(糖として) 30g グルコース 80g 硫安 5g (NH42 HPO4 5g 燐安 3g KH2 PO4 5g 尿素 2g 水 1000ml 水 1000ml 1次スクリーニングで得られた株を糖蜜培地5mlに1
白金耳植菌して、30℃、24時間振盪培養する。この
培養液5mlを糖蜜培地50mlに移植し、さらに30
℃、24時間振盪培養する。培養後、2本のフラスコか
ら、培養液を併せて80mlとり、3000rpm、1
0分遠心分離して集菌し、滅菌水で1回洗浄する。100m
lのマイセル液に懸濁し、それぞれ50mlを、10℃
で15時間、および30℃で5時間培養した。マイセル
発酵の前後の重量差をもってマイセル発酵力とし、30
℃で良く発酵しており、かつ10℃で発酵力が低い株を
選択する。
【0042】2次スクリーニングによって特に良好な結
果の得られた株について、以下の方法で菌体を取得し、
実施例に示す各種発酵力、冷凍耐性、製パン性等の評価
を行った。
【0043】第1種母: 培地組成:糖蜜(糖として) 30g 硫安 5g 燐安 3g 尿素 2g 水 1000ml 培地100mlを500ml容坂口フラスコに分注、殺
菌し、新鮮なスラントから1白金耳移植し、30℃、2
4時間振盪培養する。
【0044】第2種母:第1種母と同じ培地1Lを5L
容三角フラスコに分注、殺菌後、第1種母を全量植菌
し、30℃、24時間振盪培養する。
【0045】種培養: 培地組成:糖蜜(糖として) 300 g 流加方式
で添加する 硫安 4 g 燐安 0.7 g 尿素 2.5 g 10L容ミニジャーファーメンターに培地1Lを加えて
殺菌し、第2種母全量を加えて2Lとする。30〜35
℃、pH4〜5(安水でコントロール)、300rpm
で攪拌しつつ、2NL/分通気して、12時間培養す
る。
【0046】本培養: 培地組成:糖蜜(糖として) 350 g 流加方式
で添加する 硫安 4 g 燐安 1 g 尿素 2.5 g 10L容ミニジャーファーメンターに培地1.3Lを加
えて殺菌し、種培養液700mlを加えて2Lとする。
30〜35℃、pH4〜5(安水でコントロール)、3
00rpmで攪拌しつつ、2NL/分通気して、10時
間培養した。
【0047】上記培養ブロスを分離・水洗・濾過して、
生菌体を得る。
【0048】上記のようにスクリーニング法を述べた
が、1段階の変異処理だけでは、低温下での発酵力は抑
制されても30℃での発酵力が低下傾向にあるため、3
0℃での発酵力を高める方法として、次に挙げる方法も
実施が可能である。即ち、変異処理を1回以上繰り返す
方法、少なくとも1回の変異処理で得られた低温下で発
酵が抑制される低温感受性変異株の胞子株と野生の2倍
体である酵母の胞子株とを少なくとも1回戻し交雑させ
る方法、この低温感受性変異株と野生の2倍体である酵
母とを少なくとも1回戻し細胞融合させる方法などであ
る。
【0049】戻し交雑とは、変異株と野生株の胞子株を
分離し、互いに異なる性をもった胞子株同志を交雑させ
て交雑株をとり、さらに交雑株から胞子株をとり、野生
株の胞子株と交雑を行う操作を1回以上行うことであ
る。これを行うことによって低温感受性(発酵に関す
る)の遺伝子と、野生株の優秀な発酵力の遺伝子を合わ
せ持つ菌株を取得することができる。
【0050】このように胞子株を取得できれば上述のよ
うな戻し交雑法が可能であるが、もし取得した変異株や
野生株が胞子形成能が極端に低かったり、胞子出芽率が
極端に低いため胞子株の取得が困難な場合は細胞融合法
を用いればよい。常法に従ってマーカーをつけてもよい
し、融合の頻度が高ければマーカーをつけなくとも融合
は可能である。なお、マーカーについては例えば特開昭
63−294778に記載されているリジン要求株と呼
吸欠損株との組み合わせが挙げられる。
【0051】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明
するが、本発明を制限するものではない。
【0052】(実施例1)商品名カネカレッドイースト
(鐘淵化学工業株式会社製)の菌株を親株として、前記
(A)のEMS法による変異を行い、前記(B)のスク
リーニングを行った結果、生命工学工業技術研究所に寄
託されているサッカロミセス・セレヒ゛シエR-55(FERM P-13756)および
サッカロミセス・セレヒ゛シエR-321(FERM P-13757)とを得た。前記し
た方法により菌体を取得後5℃および30℃低糖生地発
酵力を表1に示す。対照に比べ、5℃という低温で発酵
力が約1/2〜2/3に抑制されている。
【0053】
【表1】
【0054】(実施例2)実施例1で取得したサッカロミセス・
セレヒ゛シエR-55(FERM P-13756)とサッカロミセス・セレヒ゛シエR-321(FERM
P-13757)について、前記の方法により、冷凍耐性を調
べた。結果を表2に示す。
【0055】
【表2】
【0056】対照に比べ、冷凍耐性に優れていることが
わかる。
【0057】(実施例3)カネカレッドイーストの菌株
をFowellプレート(酢酸ナトリウム 0.4%、寒天2%、pH6.7)
に塗布し、28℃、2日間培養して胞子を形成させて得ら
れた胞子株R−6R株を親株として用い、前記(A)の
EMS法による変異を行い、前記(B)のスクリーニン
グを行った結果、生命工学工業技術研究所に寄託されて
いるサッカロミセス・セレヒ゛シエR-2401(FERM P-14350)およびサッカロミセ
ス・セレヒ゛シエR-6180(FERM P-14395)とを得た。これらの株に
ついて、5℃低糖生地発酵力、30℃低糖生地発酵力を
測定した。結果を表3に示す。
【0058】
【表3】
【0059】変異株の5℃低糖生地発酵力は対照のR−
6R、カネカレッドイーストに比べて非常に低く、30
℃低糖生地発酵力は、対照とほぼ同等の値を示した。
【0060】(実施例4)サッカロミセス・セレヒ゛シエR-2401をYPD
培地5mlに植菌し、30℃、1日培養した。培養液を3,0
00rpm、10分遠心分離して集菌し、滅菌水で洗浄しFowel
lプレート(酢酸ナトリウム 0.4%、寒天2%、pH6.7)に塗布
し、28℃、2日間培養して胞子を形成させた。マイクロ
マニュピュレーション法により胞子を分離し、胞子株R-
2401-1Aを得た。この胞子株の接合型を調べた結果、接
合型はαであった。
【0061】他方、上記方法と同様の方法によって商品
名カネカグリーンイースト(鐘淵化学工業株式会社製)
を親株として胞子を取得し、この得られた胞子と胞子株
R-2401-1Aとを直接交雑し、交雑株を得た。次にこの交
雑株の胞子を分離し、低温感受性の株を選択した結果、
生命工学工業技術研究所に寄託されているサッカロミセス・セレヒ゛
シエR-5704(FERM P-14353)、サッカロミセス・セレヒ゛シエR-5799(FERM
P-14354)、サッカロミセス・セレヒ゛シエR-5947(FERM P-14355)、サッカロ
ミセス・セレヒ゛シエR-5982(FERM P-14356)およびサッカロミセス・セレヒ゛シエ
R-6724(FERM P-14357)が得られた。これらの株につい
て、実施例1と同様にジャー培養で菌体を取得し、5℃
低糖生地発酵力、30℃低糖生地発酵力を測定した。結
果を表4に示す。
【0062】
【表4】
【0063】変異株から育種したこれらの低温感受性変
異株は、5℃低糖生地発酵力が対照の商品名カネカレッ
ドイーストに比べて非常に低く、30℃低糖生地発酵力
は、対照とほぼ同等の値を示した。
【0064】(実施例5)本願発明者らが分離した株A-
168B-21B株、RM-93株を用い、EMSあるいはUV変異
を行った後、実施例1と同様のスクリーニングを実施し
た結果、A-168B-21B株から、生命工学工業技術研究所に
寄託されているサッカロミセス・セレヒ゛シエA-3364(FERM P-14391)、
サッカロミセス・セレヒ゛シエA-3373(FERM P-14392)およびサッカロミセス・セレ
ヒ゛シエA-3417(FERM P-14393)、RM-93株からサッカロミセス・セレヒ゛シ
エRM-4862(FERM P-14396)を得た。
【0065】これらの株について実施例1と同様にジャ
ー培養で菌体を取得し、5℃低糖生地発酵力、30℃低
糖生地発酵力を測定した。結果を表5に示す。
【0066】
【表5】
【0067】この結果は、A-168B-21B株、RM-93株から
得られた変異株も実施例1と同様の低温感受性を示し、
30℃低糖生地発酵力も対照と同様であった。
【0068】(実施例6)下記の配合および工程(リタ
ード製法)によりデニッシュペストリーを得た。数字は
重量部を表す。
【0069】配合: 強力粉 70 薄力粉 30 砂糖 20 食塩 1.2 ショートニング 6 全卵 10 イーストフード 0.1 イースト 7 水 46 ロールインマーガリン 50 工程条件: ミキシング:低速3分、中速8分、高速1分 捏上温度 :22℃ 分割 :1000g リタード :−20℃、30分 ロールイン:三つ折り2回 リタード :5℃、60分 圧延 :三つ折り1回、4mmに圧延 分割・成型:50gロール状(ファーモグラフ用も50
g) 貯蔵 :冷蔵5℃、5日および10日 ホイロ :38℃、75%RH、60分 焼成 :200℃、12分 生地を分割成型後、貯蔵することなく焼成するか、上記
に示す条件で貯蔵後焼成した。冷蔵なしと、冷蔵後のガ
ス発生量は、生地50gを用いて測定した。30℃で2
時間の総炭酸ガス発生量(ml)を、株式会社アトー製
のファーモグラフを用いて測定してガス発生量とした。
【0070】
【表6】
【0071】上記条件で製パンしたパンについては、な
たね置換法により、比容積を測定した。
【0072】
【表7】
【0073】以上の結果は、デニッシュ生地において、
本発明の酵母を用いることにより、生地を長期に冷蔵し
てもイーストの発酵力はほとんど低下せず、良好なデニ
ッシュが得られることを示している。
【0074】(実施例7)実施例4で得られた菌株を用
いて、前記した冷凍耐性測定法の生地を用いて、冷凍耐
性を評価した。結果を表8に示す。
【0075】
【表8】
【0076】表8の結果は、これらの酵母の冷凍耐性が
非常に高いことを示し、冷蔵、冷凍生地用酵母として優
れた性質を持っていることを示している。
【0077】(実施例8)実施例4で得られた酵母菌株
を用いて、以下の配合および工程により、実際にパンを
作製して評価した。数字は重量部を表す。
【0078】配合:小麦粉 100 砂糖 5 食塩 2 油脂 5 酵母 4 生地改良材 2 (Sキモグリーン・ピュラトス社製) 脱粉 3 水 67 工程条件: ミキシング :低速3分、中速6
分、高速5分 捏上温度 :27℃ フロアタイム :30℃、15分 分割重量 :400g ベンチタイム :30℃、15分 成型 :モルダーで成型 冷凍条件 :−20℃、1週間、
2週間 解凍 :30℃、60分 ホイロ :40℃、湿度80% 焼成 :215℃、25分 なお、冷凍しない場合は、上記工程のうち、冷凍、解凍
工程なしとし、それ以外は同じ条件で製パンを行った。
上記条件で製パンしたパンについては、なたね置換法に
より、比容積を測定した。
【0079】結果を表9に示す。
【0080】
【表9】
【0081】この結果は、本願発明の酵母は、対照の酵
母と比べて冷凍耐性が高く、冷凍2週間でも比容積が大
きい良好なパンが得られることを示している。さらに、
長期の冷蔵、および冷凍製パンいずれの方法にも用いら
れ得ることが示されている。 (実施例9)実施例4で得られたサッカロミセス・セレヒ゛シエR-5799
およびサッカロミセス・セレヒ゛シエR-6724について、同様にジャー培
養菌体を得て、5℃高糖生地発酵力、30℃高糖生地発
酵力および復温発酵力を測定した。結果を表10に示
す。
【0082】
【表10】
【0083】表10に示したように、本願発明の酵母
は、30℃高糖生地発酵力は対照に比べ若干低いが、5
℃高糖生地発酵力は非常に低く、かつ復温発酵力もかな
り高い値を示し、高糖生地でも低温感受性株として良好
な性質を有していることがわかる。
【0084】(実施例10)実施例9で使用した酵母を
用いて、下記の配合および工程により菓子パンを得た。
数字は重量部である。
【0085】配合: 強力粉 90 薄力粉 10 砂糖 30 食塩 1 油脂 8 酵母 4 脱粉 2 卵 10 イーストフード 0.1 水 50 工程条件: ミキシング :低速3分、中速6
分、高速2分 捏上温度 :25℃ フロアタイム :30℃、30分 分割重量 :400g ベンチタイム :30℃、15分 成型 :モルダーで成型 貯蔵 :5℃、1、4および
7日 ホイロ :38℃、湿度80% 焼成 :200℃、15分 なお、冷蔵しない場合は、上記工程のうち、貯蔵工程な
しとし、それ以外は同じ条件で製パンを行った。上記条
件で製パンしたパンについては、なたね置換法により、
比容積を測定した。また、できたパンの外観、内相を観
察した。結果をそれぞれ、表11および表12に示す。
【0086】
【表11】
【0087】
【表12】
【0088】表11、表12に示したように、本願発明
の酵母は、通常のイーストに比較して、冷蔵中の生地の
膨張もなく冷蔵保存にともなう比容積の低下、外観、内
相の劣化が少なく、菓子パン生地においても、冷蔵生地
法において長期に良好なパンが得られることがわかる。
【0089】
【発明の効果】本発明の酵母を用いることにより、冷蔵
生地法、リタード法および冷凍生地法において発酵が抑
制され、生地膨張が少なく、冷蔵、冷凍後でも発酵力が
低下せずに、良好なパンを得ることができる。また、糖
濃度が高いリッチなパン製法においても、冷蔵生地法が
適用できる酵母が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩崎 末男 兵庫県高砂市高砂町栄町369 (72)発明者 大宅 甲三 兵庫県加古川市尾上町口里368−25 (72)発明者 田下 泰啓 兵庫県神戸市垂水区上高丸1丁目7−52− 404

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サッカロミセス属に属し、以下の(1)
    ー(3)に記載の性質のうち、1または2以上の性質を
    有する酵母: (1)低糖生地での5℃、24時間の発酵力が110m
    l以下であり、かつ30℃、80分の発酵力が240m
    l以上である; (2)低糖生地での−20℃、2週間後のガス発生量が
    350ml以上である;および、 (3)高糖生地での5℃、24時間の発酵力が10ml
    以下であり、かつ30℃、115分の発酵力が350m
    l以上であり、かつ復温発酵力が30℃、115分の発
    酵力の70%以上である;ただし、いずれの酵母も少な
    くとも(1)の性質を有している。
  2. 【請求項2】 サッカロミセス属に属し、以下の(1)
    ー(3)に記載の性質のうち、1または2以上の性質を
    有する酵母: (1)低糖生地での5℃、24時間の発酵力が30ml
    以下であり、かつ30℃、80分の発酵力が250ml
    以上である; (2)低糖生地での−20℃、2週間後のガス発生量が
    350ml以上である;および、 (3)高糖生地での5℃、24時間の発酵力が10ml
    以下であり、かつ30℃、115分の発酵力が350m
    l以上であり、かつ復温発酵力が30℃、115分の発
    酵力の70%以上である;ただし、いずれの酵母も少な
    くとも(1)の性質を有している。
  3. 【請求項3】 前記酵母が、サッカロミセス・セレビシ
    エR−55(FERM P−13756)、サッカロミ
    セス・セレビシエR−321(FERM P−1375
    7)、サッカロミセス・セレビシエR−2401(FE
    RM P−14350)、サッカロミセス・セレビシエ
    R−5704(FERM P−14353)、サッカロ
    ミセス・セレビシエR−5799(FERM P−14
    354)、サッカロミセス・セレビシエR−5947
    (FERM P−14355)、サッカロミセス・セレ
    ビシエR−5982(FERM P−14356)、サ
    ッカロミセス・セレビシエR−6724(FERM P
    −14357)、サッカロミセス・セレビシエA−33
    64(FERM P−14391)、サッカロミセス・
    セレビシエA−3373(FERM P−1439
    2)、サッカロミセス・セレビシエA−3417(FE
    RM P−14393)、サッカロミセス・セレビシエ
    R−6180(FERM P−14395)、または、
    サッカロミセス・セレビシエRM−4862(FERM
    P−14396)である、請求項1または2に記載の
    酵母。
  4. 【請求項4】 サッカロミセス属に属し、(1)低糖生
    地での5℃、24時間の発酵力が110ml以下であ
    り、かつ30℃、80分の発酵力が240ml以上であ
    る、および(2)低糖生地での−20℃、2週間後のガ
    ス発生量が350ml以上である性質を有する酵母。
  5. 【請求項5】 前記低糖生地での5℃、24時間の発酵
    力が30ml以下であり、かつ30℃、80分の発酵力
    が250ml以上である、請求項4に記載の酵母。
  6. 【請求項6】 前記酵母が、サッカロミセス・セレビシ
    エR−5704(FERM P−14353)、サッカ
    ロミセス・セレビシエR−5799(FERM P−1
    4354)、サッカロミセス・セレビシエR−5947
    (FERMP−14355)、サッカロミセス・セレビ
    シエR−5982(FERM P−14356)、また
    は、サッカロミセス・セレビシエR−6724(FER
    MP−14357)である、請求項5に記載の酵母。
  7. 【請求項7】 サッカロミセス属に属し、(1)低糖生
    地での5℃、24時間の発酵力が110ml以下であ
    り、かつ30℃、80分の発酵力が240ml以上であ
    る、および(2)高糖生地での5℃、24時間の発酵力
    が10ml以下であり、かつ30℃、115分の発酵力
    が350ml以上であり、かつ復温発酵力が30℃、1
    15分の発酵力の70%以上である性質を有する酵母。
  8. 【請求項8】 前記低糖生地での5℃、24時間の発酵
    力が30ml以下であり、かつ30℃、80分の発酵力
    が250ml以上である、請求項7に記載の酵母。
  9. 【請求項9】 前記酵母が、サッカロミセス・セレビシ
    エR−5799(FERM P−14354)、また
    は、サッカロミセス・セレビシエR−6724(FER
    M P−14357)である請求項8に記載の酵母。
  10. 【請求項10】 サッカロミセス属に属し、(1)低糖
    生地での5℃、24時間の発酵力が110ml以下であ
    り、かつ30℃、80分の発酵力が240ml以上であ
    る;(2)低糖生地での−20℃、2週間後のガス発生
    量が350ml以上である;および、(3)高糖生地で
    の5℃、24時間の発酵力が10ml以下であり、かつ
    30℃、115分の発酵力が350ml以上であり、か
    つ復温発酵力が30℃、115分の発酵力の70%以上
    である、性質を有する酵母。
  11. 【請求項11】 低糖生地での5℃、24時間の発酵力
    が30ml以下であり、かつ30℃、80分の発酵力が
    250ml以上である、請求項10に記載の酵母。
  12. 【請求項12】 前記酵母が、サッカロミセス・セレビ
    シエR−5799(FERM P−14354)、また
    は、サッカロミセス・セレビシエR−6724(FER
    M P−14357)である請求項11に記載の酵母。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12に記載の酵母を1種ま
    たは2種以上含有するパン生地。
  14. 【請求項14】 前記パン生地が冷蔵生地である、請求
    項13に記載のパン生地。
  15. 【請求項15】 前記パン生地が冷凍生地である、請求
    項13に記載のパン生地。
  16. 【請求項16】 請求項1〜12に記載の酵母を1種ま
    たは2種以上含有するパン生地の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記パン生地が冷蔵生地である、請求
    項16に記載のパン生地。
  18. 【請求項18】 前記パン生地が冷凍生地である、請求
    項16に記載のパン生地。
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