JPH09228222A - 潜在捲縮能を有する繊維よりなる繊維積層物 - Google Patents

潜在捲縮能を有する繊維よりなる繊維積層物

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JPH09228222A
JPH09228222A JP8042419A JP4241996A JPH09228222A JP H09228222 A JPH09228222 A JP H09228222A JP 8042419 A JP8042419 A JP 8042419A JP 4241996 A JP4241996 A JP 4241996A JP H09228222 A JPH09228222 A JP H09228222A
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fiber
latent
heat
latent crimping
polyethylene terephthalate
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JP8042419A
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Nobuhiro Matsunaga
伸洋 松永
Katsuyoshi Niikura
勝良 新倉
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 伸縮性やウレタンライクのクッション性を有
する不織布を得ることができる潜在捲縮能を有する複合
繊維からなる繊維積層物を提供する。 【解決手段】 ポリエチレンテレフタレート又はこれを
主体とするポリエステルとイソフタル酸(IPA)及び
ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物(BAE
O)を下記式(1)、(2)を満足する共重合モル分率
で共重合したポリエチレンテレフタレート系共重合ポリ
エステルとが偏心的に接合した複合繊維であって、17
0℃自由収縮熱処理により50個/25mm以上のスパ
イラル捲縮を発現しうる潜在捲縮能を有する繊維を含有
する繊維積層物。 IPA≦4.5 または BAEO≦1.5 (1) 5≦IPA+BAEO≦10 (2)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、適度な熱処理によ
り不織布に伸縮性やウレタンライクのクッション性をも
たらす繊維積層物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、潜在捲縮能を有する短繊維を積層
し、加熱することによって捲縮を発現させて伸縮性不織
布とする技術が知られている。(例えば特開昭59−1
68159号公報、特開平3−269147号公報) また、特開平4−100961号公報には、金属スルホ
ネート基を有する構成単位を共重合したエチレンテレフ
タレート単位主体の共重合ポリエステルとポリエチレン
テレフタレートとの複合繊維であって、50個/25m
m以上のスパイラル捲縮が発現した繊維がバインダー繊
維で点接合されたウレタンライクの風合のポリエステル
固綿が開示されている。
【0003】しかし、従来の金属スルホネート基を有す
る構成単位を共重合したエチレンテレフタレート単位主
体の共重合ポリエステルとポリエチレンテレフタレート
との複合繊維であって潜在捲縮能を有する繊維の場合、
繊維積層物を作るためのカーディング工程で繊維が引っ
張られ、この時点でコイルスプリング状の立体的なスパ
イラル捲縮がある程度発現するために繊維が完全には開
繊され難くなり、カーディング後の繊維積層物中や熱処
理して不織布にした時の不織布中に繊維の絡まった部
分、いわゆるネップが出来やすかった。このネップが出
来ると不織布の伸縮性が阻害されたりクッション材とし
て用いた時、ウレタンライクのソフトな風合が損なわれ
るといった問題があった。
【0004】また、特開平7−54216号公報に通常
のポリエステルとイソフタル酸およびビスフェノールA
のエチレンオキシド付加物を特定量共重合したポリエチ
レンテレフタレート系共重合ポリエステルとを複合した
潜在捲縮能を有する繊維が知られている。しかしなが
ら、このような組み合わせの場合、潜在捲縮を顕在化す
るための熱処理の温度の少しの違いによって潜在捲縮の
顕在化の度合いが大きく異なり、不織布生産の際の品質
の安定性に問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる現状
を鑑みてなされたもので、潜在捲縮能を有する繊維を用
いた場合も良好にカーディングでき、ネップの少ない品
位の良い不織布となり得ると同時に、潜在捲縮を顕在化
するための熱処理の温度の違いによる面積収縮率の変化
がある程度小さく、安定した不織布製品が得られるよう
な繊維積層物を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するもので、その要旨は次のとおりである。すなわ
ち、ポリエチレンテレフタレートまたはこれを主体とす
るポリエステルとイソフタル酸およびビスフェノールA
のエチレンオキシド付加物を共重合したポリエチレンテ
レフタレート系共重合ポリエステルとが偏心的に接合し
た複合繊維であって、イソフタル酸とビスフェノールA
のエチレンオキシド付加物の共重合モル分率が下記式
(1)、(2)を満足すると同時に170℃の自由収縮
熱処理により50個/25mm以上のスパイラル捲縮を
発現しうる潜在捲縮能を有する繊維を60重量%以上含
有することを特徴とする潜在捲縮能を有する繊維よりな
る繊維積層物である。 IPA≦4.5 または BAEO≦1.5 (1) 5≦IPA+BAEO≦10 (2) (ここでIPA:共重合ポリエステルの繰り返し単位モ
ル数に対するイソフタル酸のモル%、BAEO:共重合
ポリエステルの繰り返し単位モル数に対するビスフェノ
ールAのエチレンオキシド付加物単位のモル%) なお、本発明でいう繊維積層物とは、カーディング工程
を経て得られるカードウェブの他、カードウェブにニー
ドルパンチや水流絡合処理等の機械的絡合処理を施した
不織布、あるいは熱融着性のバインダー繊維を含み実質
的に潜在捲縮が顕在化しない程度の温度で熱カレンダ
ー、熱エンボス、サーマルスルー等の熱接着処理を施し
た不織布、およびこれら不織布を積層一体化してなる積
層構造体等をいう。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の繊維積層物に用いる潜在捲縮能を有する
ポリエステル繊維を得るには、偏心的に接合する2種の
ポリエステル成分の種類および重合度の組み合わせを適
当にすることが必要であり、本発明においてはポリエチ
レンテレフタレートを主体とするポリエステルとイソフ
タル酸およびビスフェノールAのエチレンオキシド付加
物を特定量共重合したポリエチレンテレフタレート系共
重合ポリエステルとを組み合わせる。なお、偏心的に接
合された複合形態としては、糸条長手方向に沿って2種
の成分が並列に配されたサイドバイサイド型や、芯部分
が偏心された偏心芯鞘型が挙げられる。
【0008】本発明に用いる繊維は、その構成成分の一
つであるポリエチレンテレフタレート系共重合ポリエス
テルにおいて、その繰り返し単位モル数に対するイソフ
タル酸のモル%が4.5モル%以下または共重合ポリエ
ステルの繰り返し単位モル数に対するビスフェノールA
のエチレンオキシド付加物(以下、BAEOと略記す
る。なお、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物
は、ビスフェノールA1モルに対してエチレンオキシド
が2〜20モル%付加したものが好ましい。)のモル%
が1.5モル%以下であると同時に、同じくイソフタル
酸とBAEOの合計が5モル%以上10モル%以下であ
ることを必要とする。また共重合ポリエステルの相対粘
度(フェノールと四塩化エタンとの当重量混合物を溶媒
とし、濃度0.5d/dl、温度20℃で測定)は、
1.35〜1.50のものが適当である。
【0009】上記、イソフタル酸のモル%が4.5モル
%を越え、かつBAEO単位のモル%が1.5モル%を
越える場合には潜在捲縮を顕在化するための熱処理の温
度の少しの違いによって潜在捲縮の顕在化の度合いが大
きく異なり、不織布生産の際の品質の安定性に問題が生
じるので不適当である。すなわち、潜在捲縮の顕在化の
度合いが異なることにより不織布の収縮性の度合いが異
なったり、不織布の密度斑が生じたりするため好ましく
ない。
【0010】また、イソフタル酸とBAEOの合計が5
モル%に満たない場合、潜在捲縮の顕在化の度合いが小
さく、繊維積層物を熱処理により潜在捲縮を顕在化させ
て得られる不織布に充分な伸縮性やウレタンライクのク
ッション性をもたらすことができなくなるので不適当で
ある。イソフタル酸とBAEOの合計が10モル%を越
える場合は潜在捲縮を顕在化するための熱処理の温度の
少しの違いによっても潜在捲縮の顕在化の度合いが大き
く異なり、繊維積層物を熱処理し不織布生産する際の品
質の安定性に問題が生じるので不適当である。すなわ
ち、潜在捲縮の顕在化の度合いが異なることにより不織
布の収縮性の度合いが異なるものとなったり、不織布の
密度斑が生じたりするため好ましくない。
【0011】一方、複合繊維のもう一つの構成成分であ
るポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート
単独が好ましく用いられるが、染色性向上などの目的
で、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1, 4−
ブタンジオール、1, 6−ヘキサンジオール、ジエチレ
ングリコール、ポリエチレングリコールなどの共重合成
分を少量(10モル%程度以下)含有していてもよい。
また、ポリエステルの相対粘度は、1.35〜1.40
のものが適当である。
【0012】本発明の潜在捲縮能を有する繊維は170
℃の自由収縮熱処理により50個/25mm以上の立体
的なスパイラル捲縮を発現しうる潜在捲縮能を有するこ
とが必要である。この値が50個/25mmに満たない
場合、繊維積層物を熱処理しても十分な伸縮性やウレタ
ンライクのクッション性を有する不織布が得られないの
で不適当である。スパイラル捲縮数の上限は特に限定さ
れないが、不織布にした際の風合い等を考慮すると15
0個/25mm以下にすることが好ましい。
【0013】また、本発明にいう潜在捲縮能を有する繊
維の熱収縮特性は、この繊維100%で作成した70g
/m2 のニードルパンチ不織布を200℃で1分間熱処
理したときの不織布の面積収縮率(S200 (%))と、
同じくこの繊維100%で作成した70g/m2 のニー
ドルパンチ不織布を140℃で1分間熱処理したときの
不織布の面積収縮率(S140 (%))との差(S200
140 )が25%以上55%以下の範囲であることが好
ましい。S200 −S140 の値が25%に満たない場合、
潜在捲縮の顕在化の度合いが小さく、繊維積層物を熱処
理しても不織布に充分な伸縮性やウレタンライクのクッ
ション性をもたらすことができなくなる傾向にあるため
好ましくない。一方、(S200 −S140 )の値が55%
を超える場合は潜在捲縮を顕在化するための熱処理の温
度の少しの違いによっても潜在捲縮の顕在化の度合いが
大きく異なり、繊維積層物を熱処理し不織布生産する際
の品質の安定性に問題が生じる傾向にあるため好ましく
ない。
【0014】(S200 −S140 )の値を25%以上55
%以下の範囲とするには、潜在捲縮能を有する繊維の構
成成分の一つである共重合ポリエステルにおいてその繰
り返し単位モル数に対するイソフタル酸とBAEOのモ
ル%を適当な範囲にコントロールすればよい。
【0015】なお、潜在捲縮能を有する繊維100%で
作成した70g/m2 のニードルパンチ不織布を175
℃で1分間熱処理したときの不織布の面積収縮率をS
175 (%)とすると、(S200 −S175 )/(S175
140 )の値が1以下であるものの方が比較的低い温度
で潜在捲縮が顕在化した不織布を安定して生産できるの
で、好ましい。このような潜在捲縮能を有する繊維を得
るには繊維を延伸する際の熱セットの条件を最適化すれ
ばよく、熱セット温度を110℃以上170℃以下の範
囲にすることが好ましい。
【0016】繊維を延伸する際の熱セットの温度が高す
ぎると、潜在捲縮を顕在化するための熱処理温度付近で
急激に繊維積層物の面積収縮率が変化する場合がある。
この場合、(S200 −S175 )/(S175 −S140 )の
値が1以上となり、不織布生産の際の品質の安定性に問
題が生じることがあり、好ましくない。
【0017】本発明における複合繊維は、概ね従来技術
を踏襲した方法で製造することができる。すなわち、ま
ず汎用の複合溶融紡糸装置を用いて紡糸する。紡糸に際
し、安定剤、蛍光剤、顔料などを共存させてもよい。繊
維の断面形状は、円形断面をはじめ、扁平、六葉、三角
断面等の異形あるいは中空断面でもよい。
【0018】紡出された繊維は、必要に応じて連続的ま
たは別工程で延伸、熱処理されるが延伸条件によっても
繊維の潜在捲縮能の度合いをコントロールすることが出
来る。
【0019】繊維は、油剤を付与し、クリンパーなどで
機械クリンプをかけてから数万〜数百万デニールに引き
揃えてECカッター、グルグルカッターなどのカッター
で所定の長さに切断される。切断長は30〜102mm
程度である。
【0020】本発明の繊維積層物は、潜在捲縮能を有す
る繊維を繊維積層物全体の60重量%以上含有する。6
0重量%未満であると、本発明の目的とする伸縮性やウ
レタンライクのクッション性を有する不織布は得られな
い。また、本発明に用いる潜在捲縮能を有する繊維以外
に、用途による要求特性を考慮して、通常のポリエステ
ル繊維、熱融着性のバインダー繊維や、木綿、麻等の天
然繊維を混綿してもよい。
【0021】本発明の繊維積層物は、上記の潜在捲縮能
を有する繊維よりなる原綿を単独または必要に応じてそ
の他の繊維を混綿し、カーディング工程を経て得ること
ができる。
【0022】本発明の繊維積層物に、スパイラル捲縮を
発現させ伸縮性やウレタンライクのクッション性を付与
するための熱処理は100〜230℃の範囲で適宜行え
ばよい。例えば、貼布剤の基布用伸縮性不織布として用
いる場合には80〜150g/m2 程度の目付けでニー
ドルパンチや水流絡合処理を施した比較的薄い不織布を
120〜160℃の比較的低温で処理する。また、クッ
ション材用不織布(いわゆる固綿)として用いる場合に
は500〜1500g/m2 程度の目付けの厚い不織布
を150〜200℃の比較的高温で処理すればよい。ま
た、これらの場合、熱融着性のバインダー繊維(例え
ば、ユニチカ社製、メルティ<4080>)を併用すれ
ば引張強力や剥離強力の強い不織布とすることが出来
る。熱融着性のバインダー繊維を含む繊維積層物の場
合、予め比較的低温で熱融着処理を行ってから、さらに
高温で熱処理を施しスパイラル捲縮を発現させてもよい
し、熱融着処理とスパイラル捲縮を発現させる熱処理を
同時に行ってもよい。
【0023】
【作用】従来の偏心的に2成分が接合した潜在捲縮能を
有するポリエステル繊維は、カーディング工程などで繊
維が少し引き伸ばされるとともに両成分の収縮度合いの
違いによって立体的なスパイラル捲縮が顕在化し、繊維
積層物中のいわゆるネップの原因となって低品位の不織
布しか得られない。また潜在捲縮を顕在化するための熱
処理の温度の少しの違いによっても潜在捲縮の顕在化の
度合いが大きく異なり、不織布生産の際の品質の安定性
に問題が生じる。すなわち、潜在捲縮の顕在化の度合い
が異なることにより不織布の収縮性の度合いが異なった
り、不織布の密度斑が生じたりする。
【0024】これに対し本発明の潜在捲縮能を有するポ
リエステル繊維は理由は不明であるが、カーディング時
の多少の延伸では両成分の収縮度合いに基づくスパイラ
ル捲縮が生じることなく、100〜230℃程度の加熱
処理で始めて極めて良好なスパイラル捲縮発現性能があ
る。そのためカーディング工程を経た後、熱処理すれば
十分な伸縮性やウレタンライクのクッション性のある不
織布を得ることができる。また、潜在捲縮を顕在化する
ための熱処理の温度が多少違っても潜在捲縮の顕在化の
度合いは大きくは異ならず、不織布生産の際の品質の安
定性が良好である。
【0025】
【実施例】次に、実施例をあげて本発明を具体的に説明
する。なお、特性値の測定法は、次のとおりである。 (1)繊 度:JIS L−1015 7・5・1Aの
方法で測定した。 (2)強度、伸度:JIS L−1015 7・7の方
法で測定した。 (3)潜在捲縮能:繊維を170℃×5分間、自由に収
縮しうる状態で熱処理した後、JIS L−1015
7・12・1の方法で捲縮数を測定した。 (4)熱収縮特性:カードウエブ(70g/m2 )に1
92本/cm2 の針密度でニードルパンチを施した後、
サンプルを30cm×30cmのサイズに切り出し所定
温度で1分間熱処理を行った。この熱処理後のサンプル
面積S,を測定し次式により面積収縮率ST を算出し
た。(ここで、T:熱処理温度(℃))
【0026】実施例1 相対粘度1.38のポリエチレンテレフタレート及びイ
ソフタル酸を6モル%とビスフェノールAのエチレンオ
キシド2モル付加物1モル%とを共重合した相対粘度
1.45のポリエチレンテレフタレート系共重合ポリエ
ステルの2種のチップを減圧乾燥した後、通常の複合溶
融紡糸装置を使用して溶融し、2種の成分がサイドバイ
サイドに複合(重量比1:1)するようにして紡糸温度
285℃、総吐出量を230g/分として複合溶融紡糸
した。紡出糸条を冷却した後引取速度1000m/分で
引き取って未延伸糸条を得た。得られた糸条を収束し、
10万デニールのトウにして、延伸倍率3.4倍、延伸
温度75℃で延伸し、150℃のヒートドラムで熱処理
してからクリンパーで機械捲縮を付与し51mmに切断
した。得られた繊維は単糸繊度2.4デニール(d)、
強度4.8g/d、伸度36%、機械捲縮数10個/2
5mm、熱収縮特性がS200 =63%、S175 =47
%、S140 =13%、潜在捲縮能が60個/25mmの
ものであった。この繊維80%に対し、熱融着性のバイ
ンダー繊維(ユニチカ社製、<4080>2d×51m
m)20%を混合し、2dクラスの通常のポリエステル
繊維と同様の条件でカーディングしたところ、通常のポ
リエステル繊維を用いたときと同様ネップのない120
g/m2 の繊維積層物(ウエブ)が得られた。このウエ
ブにニードルパンチを施した後、170℃の熱オーブン
中で5分間フリーの熱処理を行った所、良好な伸縮性の
ある不織布となった。
【0027】実施例2 実施例1において、共重合ポリエステルとして、イソフ
タル酸4モル%とビスフェノールAのエチレンオキシド
付加物2モル%を共重合した相対粘度1.46のものを
用いた以外は実施例1と同様にして実施した。得られた
繊維は、単糸繊度2.4デニール(d)、強度4.6g
/d、伸度35%、機械捲縮数9個/25mm、熱収縮
特性がS200 =55%、S175 =41%、S140 =9
%、潜在捲縮能が58個/25mmのものであった。ま
た、得られた不織布は良好な伸縮性のあるものであっ
た。
【0028】実施例3 実施例1において、共重合ポリエステルとして、イソフ
タル酸2.5モル%とビスフェノールAのエチレンオキ
シド付加物5モル%を共重合した相対粘度1.46のも
のを用い、延伸時のヒートドラム熱セット温度を120
℃とした以外は実施例1と同様にして実施した。得られ
た繊維は、単糸繊度2.4デニール(d)、強度4.2
g/d、伸度36%、機械捲縮数9個/25mm、熱収
縮特性がS200 =60%、S175 =46%、S140 =1
6%、潜在捲縮能が61個/25mmのものであった。
また、得られた不織布は良好な伸縮性のあるものであっ
た。
【0029】実施例4 実施例1において、共重合ポリエステルとして、イソフ
タル酸8モル%とビスフェノールAのエチレンオキシド
付加物1.5モル%を共重合した相対粘度1.46のも
のを用い、延伸時のヒートドラム熱セット温度を120
℃とした以外は実施例1と同様にして実施した。得られ
た繊維は、単糸繊度2.4デニール(d)、強度4.0
g/d、伸度35%、機械捲縮数9個/25mm、熱収
縮特性がS200 =62%、S175 =52%、S140 =1
8%、潜在捲縮能が68個/25mmのものであった。
また、得られた不織布は良好な伸縮性のあるものであっ
た。
【0030】比較例1 実施例1において、共重合ポリエステルとして、イソフ
タル酸7モル%とビスフェノールAのエチレンオキシド
付加物4モル%を共重合した相対粘度1.46のものを
用いた以外は実施例3と同様にして実施した。得られた
繊維は、単糸繊度2.4デニール(d)、強度4.3g
/d、伸度33%、機械捲縮数9個/25mm、熱収縮
特性がS200 =73%、S175 =41%、S140 =16
%、潜在捲縮能が67個/25mmのものであった。ま
た、得られた不織布は伸縮性は良好なものであったが熱
処理温度の違いによる不織布の面積収縮率の差が大き
く、工業的に安定生産するには不適当なものであった。
【0031】比較例2 実施例1において、共重合ポリエステルとして、イソフ
タル酸10モル%とビスフェノールAのエチレンオキシ
ド付加物1.5モル%を共重合した相対粘度1.46の
ものを用いた以外は実施例3と同様にして実施した。得
られた繊維は、単糸繊度2.4デニール(d)、強度
4.1g/d、伸度33%、機械捲縮数9個/25m
m、熱収縮特性がS200 =78%、S175 =40%、S
140 =9%、潜在捲縮能が87個/25mmのものであ
った。また、得られた不織布は伸縮性は良好なものであ
ったが熱処理温度の違いによる不織布の面積収縮率の差
が大きく、工業的に安定生産するには不適当なものであ
った。
【0032】比較例3 実施例1において、共重合ポリエステルとして、イソフ
タル酸3モル%とビスフェノールAのエチレンオキシド
付加物9モル%を共重合した相対粘度1.46のものを
用いた以外は実施例1と同様にして実施した。得られた
繊維は、単糸繊度2.4デニール(d)、強度4.2g
/d、伸度31%、機械捲縮数9個/25mm、熱収縮
特性がS200 =73%、S175 =47%、S140 =14
%、潜在捲縮能が79個/25mmのものであった。ま
た、得られた不織布は伸縮性は良好なものであったが熱
処理温度の違いによる不織布の面積収縮率の差が大き
く、工業的に安定生産するには不適当なものであった。
【0033】比較例4 実施例1において、共重合ポリエステルとして、イソフ
タル酸およびビスフェノールAのエチレンオキシド2モ
ル付加物をそれぞれ2モル%共重合した相対粘度1.3
3のものを用いた以外は実施例1と同様にして実施し
た。得られた繊維は、機械捲縮数10個/25mm、熱
収縮特性がS200 =34%、S175 =23%、S140
5%、潜在捲縮能が34個/25mmのものであった。
ウエブのネップは少なく品位は良好であったが熱処理後
の不織布は、スパイラル捲縮の発現が不十分で伸縮性が
殆ど認められなかった。
【0034】比較例5 実施例1において、共重合ポリエステルとして5−スル
ホイソフタル酸を5モル%共重合した相対粘度1.28
のものを用い総吐出量200g、延伸倍率2.9倍とし
たこと以外は実施例1と同様にして実施した。得られた
繊維は、機械捲縮数11個/25mm、潜在捲縮能が6
8個/25mmのものであった。これをカーディングし
たところウエブのネップが多く不織布の伸縮性が実施例
1のものに較べ低いものであった。
【0035】実施例5 実施例1で得られた潜在捲縮能を有する繊維100%使
いにてカーディングしたネップのないウエブをクロスラ
ッパーで積層し目付け1200g/m2 の積層ウエブを
得た。この積層ウエブを厚さ5cmに規制しながらサク
ションバンドタイプの連続熱処理機で190℃、2分間
熱処理した。得られた固綿は風合がウレタンフォームに
類似したソフトな物であった。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、潜在捲縮能を有する複
合繊維からなる、ネップの少ない高品位の繊維積層物が
提供される。そして、潜在捲縮を顕在化するための熱処
理の温度が多少違っても潜在捲縮の顕在化の度合いは大
きくは異ならないため、この繊維積層物を熱処理すれば
伸縮性やウレタンライクのクッション性のある不織布を
安定して得ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレンテレフタレートまたはこれ
    を主体とするポリエステルとイソフタル酸およびビスフ
    ェノールAのエチレンオキシド付加物を共重合したポリ
    エチレンテレフタレート系共重合ポリエステルとが偏心
    的に接合した複合繊維であって、イソフタル酸とビスフ
    ェノールAのエチレンオキシド付加物の共重合モル分率
    が下記式(1)、(2)を満足すると同時に170℃の
    自由収縮熱処理により50個/25mm以上のスパイラ
    ル捲縮を発現する潜在捲縮能を有する繊維を60重量%
    以上含有することを特徴とする潜在捲縮能を有する繊維
    よりなる繊維積層物。 IPA≦4.5 または BAEO≦1.5 (1) 5≦IPA+BAEO≦10 (2) (上式において、IPA:共重合ポリエステルの繰り返
    し単位モル数に対するイソフタル酸のモル%、BAE
    O:共重合ポリエステルの繰り返し単位モル数に対する
    ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物単位のモル
    %)
  2. 【請求項2】 潜在捲縮能を有する繊維の熱収縮特性が
    下記式(3)を満足することを特徴とする請求項1記載
    の潜在捲縮能を有する繊維よりなる繊維積層物。 25≦S200 −S140 ≦55 (3) (上式において、S200 :潜在捲縮能を有する繊維10
    0%で作成した70g/m2 のニードルパンチ不織布を
    200℃で1分間熱処理したときの不織布の面積収縮率
    (%)、 S140 :潜在捲縮能を有する繊維100%で
    作成した70g/m2 のニードルパンチ不織布を140
    ℃で1分間熱処理したときの不織布の面積収縮率
    (%))
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008100681A (ja) * 2007-12-07 2008-05-01 Unitika Ltd 通気性を有する自動車内装カーペット
JP2014019968A (ja) * 2012-07-18 2014-02-03 Nippon Ester Co Ltd 潜在捲縮性ポリエステル複合繊維糸条及びその織編物
KR20220167581A (ko) * 2021-06-14 2022-12-21 도레이첨단소재 주식회사 멜트블로운 부직포, 이를 포함하는 다층구조 스펀본드 부직포 및 이의 제조방법

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