JPH10310965A - ポリエステル短繊維不織布 - Google Patents

ポリエステル短繊維不織布

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JPH10310965A
JPH10310965A JP9119065A JP11906597A JPH10310965A JP H10310965 A JPH10310965 A JP H10310965A JP 9119065 A JP9119065 A JP 9119065A JP 11906597 A JP11906597 A JP 11906597A JP H10310965 A JPH10310965 A JP H10310965A
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JP
Japan
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polyester
fiber
nonwoven fabric
polyethylene terephthalate
fibers
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JP9119065A
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English (en)
Inventor
Nobuhiro Matsunaga
伸洋 松永
Katsuyoshi Niikura
勝良 新倉
Hideyuki Tsujimura
英之 辻村
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成型加工性が良く、伸縮性の不織布やウレタ
ンライクの柔らかい風合のクツシヨン材として好適で、
あり、長期間あるいは高温雰囲気下で使用した時に変形
やへたりが起こり難い不織布を得る。 【解決手段】 ポリエチレンテレフタレート又はこれを
主体とするポリエステルとイソフタル酸及びビスフェノ
ールAのエチレンオキシド付加物を共重合したポリエチ
レンテレフタレート系共重合ポリエステルとが偏心的に
接合した、微細捲縮性を有する複合繊維が、芯(ポリエ
チレンテレフタレート)/鞘(結晶融点100℃以上の
ポリエチレンテレフタレート・ポリブチレンテレフタレ
ートとポリε−カプロラクトンとの共重合ポリエステ
ル)複合ポリエステル系バインダー繊維で接合された不
織布。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、伸縮性やウレタン
ライクのクッション性を有し、高温雰囲気下で使用した
ときも変形しないようなポリエステル短繊維不織布に関
するのである。なお、この短繊維不織布は、寝装具、家
具用クッション材、シートクッション材等に好適に用い
られるものである。
【0002】
【従来の技術】従来、潜在捲縮能を有した短繊維を積層
し、加熱することによって捲縮を発現させて伸縮性不織
布とする技術が知られている(例えば特開昭59−16
8159号公報、特開平3−269147号公報)。ま
た、特開平4−100961号公報には、金属スルホネ
ート基を有する構成単位を共重合したエチレンテレフタ
レート単位主体の共重合ポリエステルとポリエチレンテ
レフタレートとの複合繊維であって、50個/25mm以
上のスパイラル捲縮が発現した繊維がバインダー繊維で
点接合されたウレタンライクの風合のポリエステル固綿
が開示されている。
【0003】また、従来、主として用いられるポリエス
テルバインダー繊維は、ポリエチレンテレフタレート/
イソフタレート共重合ポリエステルをバインダー成分と
するものである。このポリエステルは非晶性のポリマー
で明確な結晶融点を示さず、ガラス転移点(約65℃)
以上となれば軟化の始まるものである。そのため高温雰
囲気下で使用したときに接着強力が低下して変形すると
いう欠点がある。本発明者らはさきに高温雰囲気下で使
用したときに接着強力が低下して変形することのないポ
リエステルバインダー繊維を提案した。(PCT/JP
93/01890;平成6年特許願第515862号)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来のバインダー繊維を用いた不織布を高温雰囲気下で
使用した場合の変形のしやすいという欠点を解消し、芯
地、フィルター、肩パット、家具用詰め綿やベッド、敷
布団、座布団、マット、自動車・車両シート用クッショ
ンなどのクッション材、自動車用床材あるいはトランク
ルーム内装材等に好適に用いられる、熱融着された伸縮
性に優れた不織布やウレタンライクのクッション性を有
する不織布を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、このような
新規な不織布を開発すべく鋭意検討を重ねた結果、本発
明に到達した。すなわち、本発明は、50ケ/2.5cm
以上の微細なスパイラル捲縮を有するポリエステル繊維
が、結晶融点100℃以上の脂肪族ラクトン共重合ポリ
エステル系バインダー繊維で点接合されていることを特
徴とするポリエステル短繊維不織布を要旨とするもので
ある。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明の不織布を構成する主体繊維としてのポリ
エステル繊維は、50ケ/2.5cm以上のスパイラル捲
縮を有することが必要である。この値は通常の捲縮数に
較べ数倍以上に多いもので、非常に細かい捲縮が数多く
発現し、微細捲縮繊維と呼ばれるものである。この値が
50ケ/2.5cmに満たない場合、捲縮発現が不充分で
伸縮性に優れた不織布やウレタンライクのクッション性
を有する不織布が得られなくなる。
【0007】本発明の不織布を構成するスパイラル捲縮
を有するポリエステル繊維は、2種のポリエステル成分
を偏芯的に接合した複合繊維を熱処理等をすることによ
って得ることができるが、構成する2種のポリエステル
成分の種類および重合度の組合せを適当に選定すること
が重要である。例えば、複合繊維の一方を構成するポリ
エステルAとしてはポリエチレンテレフタレートが好ま
しく用いられる。一方、複合繊維の他方を構成するポリ
エステルBとしてはエチレンテレフタレート単位を主体
とし、イソフタル酸、5−スルホイソフタル酸、ビスフ
ェノールA、ジエチレングリコール、ポリエチレングリ
コールなどの共重合成分を単独あるいは2種以上を組み
合わせて2〜20モル%共重合したものが好ましく用い
られる。原綿の段階で微細捲縮が発現した繊維は、カー
ド機の通過性が悪いので、本発明に適した複合繊維を得
るには、クリンパーで機械捲縮を付与した後の乾燥機で
の熱セットの温度条件を100℃未満として原綿を製造
し、カード機でウエブを形成した後に100℃以上で熱
処理して潜在的な微細捲縮を顕在化させるというやり方
で微細捲縮繊維を得るのがよい。延伸工程での熱セット
条件によっても繊維の潜在捲縮能をコントロールするこ
とができる。
【0008】また、スパイラル捲縮を有するポリエステ
ル繊維は、その断面形態が丸断面であっても異型断面で
あっても良いし中空であっても非中空でもよい。さら
に、その繊度は、特に限定されるものでなく、用途によ
る要求特性により決めればよいが、一般には1.5〜2
00デニールのものが用いられる。この繊維には通常の
不織布用油剤を付与しても特に滑りの良いシリコン系あ
るいは非シリコン系の易滑性油剤を付与しても良い。本
発明の不織布におけるスパイラル捲縮繊維の割合は、全
体の20〜90重量%が適当であるが、用途による要求
特性により、変えることができる。
【0009】本発明の不織布のもう一つの構成要素であ
るポリエステル系バインダー繊維は、芳香族ポリエステ
ルと脂肪族ラクトンとが共重合した結晶融点100℃以
上の共重合ポリエステルをバインダー成分として持つも
のである。芳香族ポリエステルとしては、エチレンテレ
フタレート単位および/またはブチレンテレフタレート
単位の重合体、あるいはこれらにイソフタル酸、2,6
−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、
ジエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール等を
共重合したものであり、共重合される成分の総和はポリ
エステルの構成成分の単位モル数に対し20モル%以下
程度が好ましい。脂肪族ラクトンとしては、炭素4〜1
1のラクトンの単独重合体または二種以上の共重合体が
あり、特に良好なラクトンとして、ε−カプロラクトン
やδ−バレロラクトン等が挙げられる。脂肪族ラクトン
の共重合割合はε−カプロラクトンの場合おおよそ3モ
ル%以上、80モル%未満であるのが好ましい。また、
ポリエステル中のε−カプロラクトン単位は他の構成単
位とランダム共重合であってもブロック共重合であって
もさしつかえない。ε−カプロラクトン単位が3モル%
に満たない場合、接着強度が不十分で不織布に荷重がか
かった時に変形しやすくなる。またε−カプロラクトン
単位が40モル%以上の場合、得られるポリエステルが
エラストマー弾性を有するようになり得られる不織布の
表面が独特の極めてソフトな風合いを呈するようにな
る。ε−カプロラクトン単位が80モル%を越える場合
得られるポリエステルの融点が低くなり過ぎ加工工程で
の不具合が生じたり高温雰囲気下で使用した場合に変形
しやすくなり好ましくない。
【0010】ポリエステルバインダー繊維の融点は10
0℃以上、好ましくは130℃以上である。融点が10
0℃未満であると、高温雰囲気下、例えば炎天下にさら
される条件で使用すると変形しやすくなり好ましくな
い。また、融点の上限は主体となる繊維の融点や分解点
より20℃以上低くするのが好ましい。
【0011】また、本発明に用いるバインダー繊維は、
100℃での収縮率が3%以下であることが好ましい。
100℃での収縮率が3%を越える場合、特にバインダ
ー繊維の使用割合が高いと、加熱接着後の不織布が高温
雰囲気下にさらされた時に収縮して寸法安定性が悪くな
ることがある。バインダー繊維の収縮率を低くするには
バインダー繊維の延伸工程でバインダー繊維の結晶融点
より低い範囲のなるべく高温で熱セットすれば良い。こ
れはバインダー繊維の溶融する成分が明確な結晶融点を
示す場合にのみ可能なことであり、従来のポリエステル
バインダー繊維のように65℃以上で軟化の始まるよう
なバインダー繊維では不可能なことであった。
【0012】ポリエステル系バインダー繊維としては、
ポリエステルバインダー成分のみからなる単成分繊維お
よび、このポリエステルバインダー成分が単繊維の表面
の全部または一部を形成している芯鞘型、サイドバイサ
イド型、海島型、割繊型等の複合繊維等が挙げられる。
これらのうち、芯鞘型で芯がポリエチレンテレフタレー
ト、鞘がポリエステルバインダー成分の複合繊維が、接
着強力の高さすなわち不織布とした時の形態保持性なら
びに不織布のコシの強さの観点より好ましい。
【0013】ポリエステル系バインダー繊維の繊度は特
に限定するものではないが、2〜100デニールが適当
である。本発明におけるポリエステル系バインダー繊維
の使用割合は、全体の5〜70重量%が適当であるが、
用途による要求特性により、変えることができる。
【0014】本発明の不織布は、スパイラル捲縮を有す
る繊維とバインダー繊維のみからなる不織布だけでなく
バインダー繊維より融点あるいは分解点の高い他の繊維
を併用した不織布であってもよい。他の繊維としては、
ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリ
プロピレン繊維等の合成繊維、レーヨン繊維等の再生繊
維、ウール、木綿、麻等の天然繊維等いずれであっても
さしつかえない。なかでもポリエステル繊維例えばエチ
レンテレフタレート単位やブチレンブチレンテレフタレ
ート単位あるいはエチレンナフタレート、特にエチレン
−2,6−ナフタレート単位を主たる構成成分とするも
のが好ましいが、その変形のしにくさ等の物性および経
済性の面からとりわけポリエチレンテレフタレート繊維
が好ましい。なおその特性を損なわない範囲でイソフタ
ル酸、5−スルホイソフタル酸、ジエチレングリコール
等の他の成分が共重合されたポリエステルであっても差
し支えない。また、ポリエステル繊維はその断面形態が
丸断面であっても異型断面であっても良いし中空であっ
ても非中空でもよい。さらに、その繊度は特に限定され
るものでなく、用途による要求特性により決めればよい
が、一般には2〜200デニールのものが用いられる。
捲縮形態は特に規定しないが不織布をクッション材とし
て用いる場合にはコンジュゲートタイプの立体捲縮を有
するものの方がクッション性の良いものが得られるので
より好ましい。ポリエステル繊維には通常の詰綿用油剤
を付与しても特に滑りの良いシリコン系あるいは非シリ
コン系の易滑性油剤を付与しても良い。
【0015】繊維は、油剤を付与し、クリンパーなどで
機械クリンプをかけてから数万〜数百万デニールに引き
揃えてECカッター、グルグルカッターなどのカッター
で所定の長さに切断される。
【0016】本発明の不織布は、原料となるそれぞれの
繊維に捲縮を付与し5〜100mm、好ましくは20〜8
0mmにカットしたあと、用途あるいはその要求特性によ
り決定した割合にて混綿し、梳綿機等でウエブを形成し
た後、熱処理装置を通してポリエステル系バインダー繊
維を溶融させ繊維を点接合させることと同時に微細捲縮
を顕在化させることにより得ることができる。この場
合、熱処理の前にニードリング加工を行なってもよい。
熱処理装置としては、熱風循環ドライヤー、熱風貫流ド
ライヤー、サクシヨンドラムドライヤー、ヤンキードラ
ムドライヤー等が用いられ、バインダー成分の融点に応
じた処理温度と処理時間を選定して処理を行なえばよ
い。
【0017】また、ある程度厚みのあるクッション材を
製造する方法として原料となる繊維の混合物を吹き込み
成形機によって所定の側地や型枠内に吹き込み、成形す
るやり方もある。側地や型枠の形態は、得られる成型品
の用途により適宜選定される。すなわち、側地や型枠内
に原料となる繊維の混合物を吹き込んでから熱処理し、
混合物に含まれる潜在捲縮綿の捲縮を顕在化させると同
時にバインダー繊維を融着、点接合させるというやりか
たで製造することもできる。型枠内で加熱する場合、熱
風を片側から吹き込み、もう一方から吸引する、いわゆ
るサクッションタイプの熱処理機を用いるのが、加熱時
間が少なくてすみ、効率的である。また型枠内で加熱し
てから所定の形状にホットプレスあるいはコールドプレ
スで成形加工してもよい。
【0018】本発明の不織布をクッション材として用い
る場合には、厚さを5mm以上とするのが好ましい。この
ような、厚みのある不織布は通常、固綿とも呼称され
る。厚さの上限は特に限定しないが、製造設備、製造コ
スト、使い易さの点から150mm程度が好ましい。ま
た、クッション材の密度は、0.010g/cm3 以上とす
るのが好ましい。
【0019】本発明の不織布の厚さと密度を規制するに
は、熱処理によるウエブの面積収縮を考慮して熱処理前
のウエブの目付を適切に選定するとともに、熱処理装置
に厚さ規制ロールを組み込んだり、所定の厚さのスペー
サーをはさんだ板や金網の間にウエブをはさんで熱処理
すればよい。
【0020】本発明の不織布に伸縮性あるいはウレタン
ライクのクッション性を付与し、一体化するための熱処
理は100℃以上、230℃以下の範囲で適宜行えばよ
い。また、これらの場合他の熱融着性のポリエステルバ
インダー繊維(例えば、ユニチカ社製、メルティ<40
80>)を併用すれば引張強力や剥離強力の強い不織布
とすることも出来る。
【0021】
【作用】本発明の不織布を構成する繊維は、微細なスパ
イラル捲縮を有しているため風合が柔らかい。また、比
較的ソフトで熱分解しにくく熱溶着加工しやすいポリエ
ステル系バインダーによって点接合されているため、得
られた不織布は風合が一層軟らかく、繰り返し圧縮して
も点接合した部分の接着強力が高いためか接合部分が剥
離しにくい。したがって不織布の形態が良好に保持さ
れ、へたりにくい。また、このバインダー成分は、融点
100℃以上のポリマーであるので、使用に際して例え
ば70〜80℃位の高温雰囲気下での圧縮に対しても変
形しにくく、へたりにくいものとなる。
【0022】
【実施例】以下、実施例によって本発明を詳しく説明す
るが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。なお、実施例に記述した諸物性の評価法は、次のと
おりである。 (1) 相対粘度 フエノールと四塩化エタンの等重量混合物を溶媒とし、
試料濃度 0.5g/dl、温度20℃で測定した。 (2) 融点 パーキンエルマー社製の示差走査熱量計DSC−2型を
使用し、昇温速度20℃/分で測定した。 (3) 微細捲縮数 加熱処理した後の不織布(あるいは固綿)から微細捲縮
繊維を抜き出し、JIS L−1015 7・12・1
の方法で捲縮数を測定した。
【0023】(4) 繰り返し圧縮時の耐へたり性 不織布の厚さを測定した後、試験片(10cm×10cm)
を平行平面板にはさみ、毎分60回で15kgの荷重をか
けて合計5万回の繰り返し圧縮試験を行なった。試験後
の試験片の厚さを測定し、次式で嵩高性保持率C(%)
を算出し、へたりにくさの尺度とした。Cの値が大きい
ほどへたりにくいものである。
【0024】
【数1】
【0025】(5) 高温雰囲気下の耐へたり性 不織布の厚さを測定した後、試験片(10cm×10cm)
を平行平面板にはさみ、当初の厚さの50%に圧縮固定
して温度70℃の恒温槽中に入れ、6時間放置した後取
り出し、平行平面板よりはずして常温中で30分間放置
し、その厚さを測定する。次式で高温雰囲気下の嵩高性
保持率Cp(%)を算出し、耐へたり性の尺度とした。
【0026】
【数2】
【0027】(6) 風 合 10人のパネラーによる官能試験により、に熱処理した
不織布の風合を次の3段階で評価した。 1:柔らかい 2:普 通 3:硬 い
【0028】実施例1 相対粘度1.38のポリエチレンテレフタレート及びイ
ソフタル酸を4モル%とビスフェノールAのエチレンオ
キシド2モル付加物3モル%とを共重合した相対粘度
1.45のポリエチレンテレフタレート系共重合ポリエ
ステルの2種のチップを減圧乾燥した後、通常の複合溶
融紡糸装置を使用して溶融し、2種の成分がサイドバイ
サイドに複合(重量比1:1)するようにして紡糸温度
285℃、総吐出量を920g/分として複合溶融紡糸
した。紡出糸条を冷却した後、引取速度1000m/分
で引き取って未延伸糸条を得た。得られた糸条を収束
し、10万デニールのトウにして、延伸倍率3.4倍、
延伸温度75℃で延伸し、140℃のヒートドラムで熱
処理してからクリンパーで機械捲縮を付与し70℃で乾
燥してから51mmに切断した。得られた繊維は単糸繊度
10.3デニール、機械捲縮数9個/25mmの潜在捲縮
性繊維であった。また、エチレンテレフタレート単位/
ブチレンテレフタレート単位(モル比1/1)およびこ
のアルキレンテレフタレート単位全体とε−カプロラク
トン(ε−CL)の総モル数に対しε−CLを20モル
%配合して得たバインダー成分としてのランダム共重合
ポリエステルチツプ(相対粘度1.34、融点144℃)
と、相対粘度1.38のポリエチレンテレフタレート(P
ET)のチツプを減圧乾燥した後、通常の複合溶融紡糸
装置を使用して溶融し、ランダム共重合ポリエステルを
鞘部に、PETを芯部に配し、複合比(重量比)を1:
1とし、紡糸温度を280℃、総吐出量を313g/分
として複合溶融紡糸した。紡出糸条を冷却した後引取速
度1000m/分で引き取って未延伸繊維糸条を得た。
得られた糸条を集束し、10万デニールのトウにして、
延伸倍率2.9、延伸温度60℃で延伸し、120℃のヒ
ートドラムで熱処理してから、押し込み式クリンパを使
用して捲縮を付与した後、長さ51mmに切断して、単糸
繊度4デニールの芯鞘型複合ポリエステル系バインダー
繊維を得た。前記、潜在捲縮性繊維80%に対し、前記
ポリエステル系バインダー繊維20%の重量割合で混綿
し、梳綿機に通した後、クロスラッパーで積層して目付
け600g/m2のウエブとし、バーブ付きニードルを有
するニードルロッカールームに通して、針密度240本
/cm2 にてニードリングを行った。。さらにこのウエブ
を20mmの厚さのスペーサーを挟んだ金網の間に入れ、
厚さを規制しつつ、180℃の熱風循環ドライヤーの中
で10分間熱処理を行って、厚さ20mmの実施例1の不
織布(固綿)を得た。固綿を構成する微細捲縮繊維の捲
縮数は68個/25mmであった。この固綿を3枚重ねに
してクッション性を評価した結果、C=96%、Cp=
93%となり繰り返し圧縮時および高温雰囲気下の耐へ
たり性が良好なものであることが分かった。また風合の
評価は1で柔らかい良好なものであった。
【0029】実施例2 相対粘度1.38のポリエチレンテレフタレート及び相
対粘度1.29のポリエチレンテレフタレートの2種の
チップを減圧乾燥した後、通常の中空複合溶融紡糸装置
を使用して溶融し、2種の成分がサイドバイサイドに複
合(重量比1:1)するようにして紡糸温度285℃、
総吐出量を1200g/分として複合溶融紡糸した。紡
出糸条を冷却した後、引取速度1000m/分で引き取
って未延伸糸条を得た。得られた糸条を収束し、10万
デニールのトウにして、延伸倍率3.4倍、延伸温度7
5℃で延伸し、170℃で乾燥してから51mmに切断し
た。得られた繊維は単糸繊度13.5デニール、捲縮数
10個/25mmの嵩高な中空複合繊維であった。実施例
1で得られた潜在捲縮性繊維50%、ポリエステル系バ
インダー繊維15%および上記中空複合繊維35%の重
量割合で混綿すること以外は実施例1と同様に行い、固
綿を得た。
【0030】実施例3 実施例2において、潜在捲縮性繊維に用いる共重合ポリ
エステルチップとして、イソフタル酸5モル%とビスフ
ェノールAのエチレンオキシド付加物5モル%を共重合
した相対粘度1.46のものを用いた以外は実施例2と
同様にして実施した。
【0031】実施例4 実施例2において、潜在捲縮性繊維に用いる共重合ポリ
エステルチップとして5−スルホイソフタル酸を5モル
%共重合した相対粘度1.28のものを用い総吐出量7
85g、延伸倍率2.9倍としたこと以外は実施例1と
同様にして実施した。得られた潜在捲縮性繊維は、機械
捲縮数11個/25mmであった。また、得られた固綿は
柔らかい風合いのものとなった。
【0032】比較例1 実施例2において、潜在捲縮性繊維に用いる共重合ポリ
エステルチップとして、イソフタル酸およびビスフェノ
ールAのエチレンオキシド2モル付加物をそれぞれ1モ
ル%共重合した相対粘度1.33のものを用いた以外は
実施例2と同様にして実施した。得られた潜在捲縮性繊
維は、機械捲縮数10個/25mm、また、得られた固綿
を構成する微細捲縮繊維の捲縮数は33個/25mmのも
のであった。固綿は微細捲縮綿特有のウレタンライクの
風合いが認められず、殆ど通常の固綿と同じ風合であっ
た。
【0033】実施例5 実施例2において、ポリエステル系バインダー繊維に用
いるランダム共重合ポリエステルチップとして、ポリブ
チレンテレフタレート(PBT)とε−CLの総モル数
に対しε−CLを20モル%配合して得たバインダー成
分としてのランダム共重合ポリエステルチツプ(相対粘
度1.34、融点182℃)を用い、ヒートドラム熱処理
を130℃、固綿の熱処理時の温度を190℃とする以
外は、実施例2と同様にして実施例5の固綿を得た。得
られた固綿は柔らかい風合いのものとなった。
【0034】実施例6 実施例2において、ポリエステル系バインダー繊維に用
いるランダム共重合ポリエステルチツプとして、PET
とε−CLの総モル数に対しε−CLを28モル%配合
して得たランダム共重合ポリエステルチツプ(相対粘度
1.42、融点196℃)を用い、ヒートドラム熱処理を
150℃、ミニ布団の熱処理温度を210℃とする以外
は、実施例2と同様にして実施例6の固綿を得た。熱処
理温度が高温にもかかわらずポリエステルバインダー成
分が熱分解した様子は認められなかった。得られた固綿
は柔らかい風合いのものとなった。
【0035】実施例7 実施例2において、ポリエステル系バインダー繊維に用
いるランダム共重合ポリエステルチツプとして、PET
とε−CLの総モル数に対しε−CLを60モル%配合
して得たランダム共重合ポリエステルエラストマーチツ
プ(相対粘度1.82、融点183℃)を用い、ヒートド
ラム熱処理を120℃、固綿の熱処理温度を190℃と
する以外は、実施例2と同様にして実施例7の固綿を得
た。熱処理温度が高温にもかかわらずポリエステルエラ
ストマー成分が熱分解した様子は認められなかった。得
られた固綿は柔らかい風合いのものとなった。
【0036】実施例8 実施例2において、ポリエステル系バインダー繊維に用
いるランダム共重合ポリエステルチツプとして、PBT
とε−CLの総モル数に対しε−CLを62モル%配合
して得たランダム共重合ポリエステルエラストマーチツ
プ(相対粘度1.95、融点160℃)を用い、ヒートド
ラム熱処理を110℃、固綿の熱処理温度を180℃と
する以外は、実施例2と同様にして実施例8の固綿を得
た。得られた固綿は柔らかい風合いのものとなった。
【0037】実施例9 実施例2において、ポリエステル系バインダー繊維に用
いるランダム共重合ポリエステルチツプとして、PBT
に対しε−CLを71モル%配合して得たランダム共重
合ポリエステルエラストマーチツプ(相対粘度2.05、
融点133℃)を用い、ヒートドラム熱処理を100
℃、ミニ布団の熱処理温度を150℃とする以外は、実
施例2と同様にして実施例9の玉状綿集合体を得た。得
られた玉状綿集合体は柔らかい風合いのものとなった。
【0038】実施例10 実施例2において、ポリエステル系バインダー繊維に用
いるランダム共重合ポリエステルチツプとして、PBT
に対しε−CLを53モル%配合して得たランダム共重
合ポリエステルエラストマーチツプ(相対粘度2.08、
融点180℃)を用い、ヒートドラム熱処理を120
℃、固綿の熱処理温度を200℃とする以外は、実施例
2と同様にして実施例10の固綿を得た。得られた固綿
は柔らかい風合いのものとなった。
【0039】実施例11 実施例2において、ポリエステル系バインダー繊維に用
いるランダム共重合ポリエステルチツプとして、テレフ
タル酸/エチレングリコール/1,4−ブタンジオール
=100/50/50を共重合した芳香族ポリエステル
90モル%とδ−バレロラクトン10モル%を共重合し
たランダム共重合ポリエステルチップ(融点160℃)
を用いること以外は実施例2と同様にして実施例11の
固綿を得た。得られた固綿は柔らかい風合いのものとな
った。
【0040】比較例2 実施例2において、ポリエステル系バインダー繊維に用
いるランダム共重合ポリエステルチツプとして、エチレ
ンテレフタレート単位/ブチレンテレフタレート単位
(モル比6/4)28モル%、ε−CLを72モル%配
合して得たポリエステルエラストマーチツプ(相対粘度
1.92、融点94℃)を用い、延伸後140℃のヒ−ト
ドラムで熱処理することに替えて60℃のヒ−トドラム
で熱処理する条件にて実施した。延伸ローラー巻きや繊
維同志の密着がかなり認められたが少量のサンプルを得
た。これをバインダー繊維として用い、固綿の熱処理温
度を180℃に替えて120℃とする以外は、実施例2
と同様にして比較例2の固綿を得た。
【0041】比較例3 実施例2において、ポリエステル系バインダー繊維に用
いるランダム共重合ポリエステルチツプとして、エチレ
ンテレフタレート単位/エチレンイソフタレート単位
(モル比6/4)よりなるポリエステルチツプ(相対粘
度1.37、DSCによる融点は認められず目視による軟
化点110℃)を用い、延伸後140℃のヒ−トドラム
で熱処理することに替えて熱処理を行うことなく実施し
た。これをバインダー繊維として用い、固綿の熱処理温
度を180℃に替えて150℃とする以外は、実施例2
と同様にして比較例3の固綿を得た。実施例2〜10お
よび比較例1〜3の固綿の風合と耐へたり性の評価結果
を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】表1より明らかなごとく、実施例2〜11
のいずれの固綿も、風合、耐へたり性共に良好であった
が、比較例2の固綿は、接着成分としてのポリエステル
エラストマーの融点が低いため高温雰囲気下でへたりや
すいものであった。また比較例3の固綿は風合が固めと
なりまた高温雰囲気下でへたりやすいものであった。
【0044】
【発明の効果】本発明の不織布は、風合がソフトで伸縮
性のある不織布やウレタンライクのクッション性をもた
らす固綿になしうる。また、繰り返し圧縮や高温雰囲気
下での圧縮に対しへたりにくい。そのため、本発明の不
織布は家具用クッション材、シートクッション材に好適
である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 50ケ/2.5cm以上の微細なスパイラ
    ル捲縮を有するポリエステル繊維が結晶融点100℃以
    上の脂肪族ラクトン共重合ポリエステル系バインダー繊
    維で点接合されていることを特徴とするポリエステル短
    繊維不織布。
  2. 【請求項2】 50ケ/2.5cm以上の微細なスパイラ
    ル捲縮を有するポリエステル繊維がポリエチレンテレフ
    タレートまたはこれを主体とするポリエステルとイソフ
    タル酸およびビスフェノールAのエチレンオキシド付加
    物を共重合したポリエチレンテレフタレート系共重合ポ
    リエステルとが偏心的に接合した複合繊維であることを
    特徴とする請求項1記載のポリエステル短繊維不織布。
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