JPH09227979A - 低熱膨張性焼結合金 - Google Patents

低熱膨張性焼結合金

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JPH09227979A
JPH09227979A JP5367296A JP5367296A JPH09227979A JP H09227979 A JPH09227979 A JP H09227979A JP 5367296 A JP5367296 A JP 5367296A JP 5367296 A JP5367296 A JP 5367296A JP H09227979 A JPH09227979 A JP H09227979A
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JP
Japan
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alloy
powder
thermal conductivity
pinholes
thermal expansion
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JP5367296A
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Hideo Yomo
英雄 四方
Tamio Takada
民夫 高田
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Resonac Corp
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Hitachi Powdered Metals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低熱膨張係数および高熱伝導率を有し、焼結
体内部にピンホール等の欠陥の無い、均質な製品特性を
有する放熱性に優れた焼結合金を低コストで提供できる
ようにする。 【解決手段】 本発明の低熱膨張性焼結合金は、Cu合
金が5〜25重量%、残部がWまたは/およびMoから
なり、前記のCu合金がBiおよびPbの1種または2
種を0.01〜1.0重量%含有することを要部として
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、高密度実装化が
進む電子部品からの発熱を効果的に放熱するために好適
な低熱膨張性焼結合金に関する。なお、本明細書中、C
uは銅の元素記号を、Wはタングステンの元素記号を、
Moはモリブデンの元素記号を、Biはビスマスの元素
記号を示している。
【0002】
【従来の技術】近年、ICの演算速度の高速化および半
導体装置の高集積化が目覚ましく、これに伴い、半導体
素子からの発熱量の増加が著しい。このため、半導体素
子搭載用の基板材料は、半導体素子および外周部材との
熱膨張係数の差が小さく、半導体素子からの発熱をより
効率よく放熱すべく、熱伝導率の高い材料の要求が高ま
っている。その種の材料の内、焼結接点材料或いは電極
材料として広く用いられてきたW−Cu合金またはMo
−Cu合金は、低熱膨張係数および高熱伝導率を有する
ことから、半導体素子搭載用の放熱部材としても特に注
目されている。
【0003】これらの合金は主に溶浸法或いは混合法に
より製造される。溶浸法は、WまたはMoの多孔質焼結
体のスケルトンにCuを溶浸する方法であり、半導体素
子搭載用基板材料の製法として例えば特開昭59−21
032号公報に記載されている。また、混合法は、W粉
またはMo粉とCu粉とを所定量混合しておき、Cuの
融点以上の温度で焼結する方法、或いは、W粉またはM
o粉に所定Cu量の一部のCu粉を混合しておき、成形
体をCuの融点以上の温度で焼結後、更に残部のCuを
溶浸する(例えば、特開平4−49642号公報記載
の)方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述の溶浸による製法
では、WまたはMoの多孔質焼結体のスケルトンの気孔
率の調整が難しく、その結果、溶浸するCu量にバラツ
キが生じ易く、均一な材料特性が得難い。更に、スケル
トン全体にわたって気孔内にCuを溶浸することは困難
であり、Cuの未溶浸部分がピンホール等の欠陥となり
焼結体内部に残存することがある。
【0005】これに対し、前記の混合法によれば、Cu
の融点未満の焼結温度では焼結体の密度が上がり難く、
焼結体内部には多数の気孔が残存する。また、Cuの融
点以上の焼結温度ではCuの溶融に伴い、いわゆる融出
空孔が焼結体内部に残留し易い。更に、Cuの溶融に伴
い、WまたはMo粒子の移動が起こるため、焼結体の変
形が生じたり、寸法バラツキが大きくなる等の問題も発
生する。このように、混合法の場合には何れの焼結温度
でも、焼結体内部には気孔が残留し易く、前述のピンホ
ール等の欠陥が生じ易い。このピンホールは、後工程で
の基板へのニッケルメッキ工程において、メッキ層の膨
れや非被覆部分を生じる原因となると共に、半導体素子
と基板との密着性を低下させ、熱サイクル下において半
導体素子の剥離および半導体素子からの熱伝達の低下の
原因ともなる。
【0006】そこで、本発明は以上の問題を解消するた
め、低熱膨張係数および高熱伝導率を有し、焼結体内部
にピンホール等の欠陥の無い、均質な製品特性を有する
W基またはMo基の放熱性に優れた焼結合金を低コスト
に提供することを目的としている。他の目的は、以下の
説明する内容の中で順次に明らかにして行く。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の低熱膨張性焼結合金は、Cu合金が5〜25重
量%、残部がWまたは/およびMoからなり、前記のC
u合金がBiおよびPbの1種または2種を0.01〜
1.0重量%含有していることを要部としている。以上
の合金によれば、製造方法が溶浸法や混合法の何れの方
法でも焼結体内部にピンホール等の欠陥の無い低熱膨張
係数および高熱伝導率を有する放熱部材を得ることが可
能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は次のような知見に基づい
て完成されたものである。まず、Cuの熱伝導率は、一
般に固溶する不純物含有量の増加に伴い低下することが
分かっている。ところが、Bi、Pbの場合はある含有
量の範囲において、Cu中に微量固溶されても、熱伝導
率の低下が殆ど見られず、更には熱伝導率が増加するこ
とが判明した。この理由は、これらの元素がCu中に固
溶する酸素と結合し、電気的に中性な酸化物として微細
分散するためと推察される。
【0009】上記の含有量の最適範囲を確定すべく試験
を重ねることにより以下の結果が得られた。次にその成
分組成について説明するが、含有量は重量%である。ま
ず、Cu−Bi合金の場合、熱伝導率はBi含有量が
0.01%未満の場合は純Cuと同等であり、Bi含有
することによる効果が認められなかった。また、Bi含
有量の増加に伴い熱伝導率は増大し、Bi含有量が0.
2%付近で極大値を示すことが分かった。しかし、Bi
含有量が1.0%を越えると、純Cuの熱伝導率より低
下するようになる。このことから、Cu−Bi合金にあ
っては、Bi含有量を0.01〜1.0%の範囲にする
ことが好ましい。この場合、熱伝導率をより高めるには
Bi含有量を0.05〜0.5%になるようにする。
【0010】Cu−Pb合金の場合は、前記の各合金と
同様に、Pb含有量が0.01%未満では熱伝導率の向
上が認められず、Pb含有量の増加に伴い増大し、Pb
含有量が0.5%付近で極大値となることが分かった。
しかし、Pb含有量が1.0%を越えると純Cuの熱伝
導率より低下するようになる。このことから、Cu−P
b合金にあっては、Pb含有量を0.01〜1.0%の
範囲にすることが好ましい。この場合、熱伝導率をより
高めるにはPb含有量を0.1〜0.1%になるように
する。
【0011】また、Cu−Bi−Pb合金の場合は、前
記の各合金と同様に、BiとPbの含有量が0.01%
未満では熱伝導率の向上が認められず、BiとPb含有
量の増加に伴い増大し、BiとPb含有量が0.35%
付近で極大値となることが分かった。しかし、BiとP
b含有量が1%を越えると純Cuの熱伝導率より低下す
るようになる。このことから、Cu−Bi−Pb合金に
あっては、BiとPb含有量を0.01〜1.0%の範
囲にすることが好ましい。
【0012】なお、Cu中に僅かに固溶しても熱伝導率
を著しく悪化させない元素としては、Cd、S、Se、
Teを挙げることができる。しかしながら、これら元素
の場合、Cuに0.1%未満の含有量では熱伝導率に変
化は認められず、0.1%を越えると純Cuより低くな
るので、添加元素として有効ではないことも判明した。
【0013】次に、W基またはMo基合金中のCu合金
含有量は、2%未満であると熱伝導率、機械的強度が低
く、加工性も悪くなる。一方、Cu合金含有量は40%
を越えると、熱膨張係数が大きく(約10×10-6
℃)なり、半導体素子搭載用部材としては不適当にな
る。これらは、Cu合金含有量を変えた比較試験から判
明しており、また、熱膨張係数および熱伝導率、機械的
強度や加工性などの観点からは本発明のCu合金が5〜
25重量%の範囲でWまたはMo合金中に含有されてい
ることが最も好ましい。
【0014】上記のように、特定される成分組成の銅合
金は、熱伝導性がよい。加えて、これらの銅合金によれ
ば、融点が僅かに低くなると共に、WまたはMoとの濡
れ性がよく、溶浸法または混合法で発明合金を製作した
とき、ピンホール等の欠陥が少なくなり、メッキ性能が
大きく改善される。本発明合金は、W粉またはMo粉の
圧粉体にCu合金を溶浸する方法、W粉またはMo粉と
Cu合金粉、および成形潤滑剤との混合粉を圧粉成形お
よび焼結する方法によって製作することができる。
【0015】W粉またはMo粉の粒度は、以下に述べる
溶浸後のCu合金相の好ましい大きさを得るために、平
均粒径が1〜40μm程度のものが望ましい。即ち、半
導体素子搭載面にメタライズ処理されたアルミナ等の絶
縁基板を半田付け(処理温度200〜450℃)接合す
る際、W基またはMo基合金と半田との濡れ性が悪いた
め、通常、Niメッキが施されるが、このとき、W基また
はMo基合金のCu合金相の径が大きい場合、Niメッ
キ工程およびその前処理の酸洗い工程において、処理液
とCu相とが反応して、ピンホール発生、後工程の熱処
理工程における変色、およびメッキ層の膨れや剥離の原
因となる。ピンホール発生やメッキ層の膨れ等の問題が
生じないCu相の径の大きさの目安は40μm以下、望
ましくは20μm以下である。
【0016】また、溶浸法による場合、W粉またはMo
粉の平均粒径は、1μm未満の微粉であると、焼結後の
スケルトン内に閉鎖気孔を生じCu合金溶浸後のピンホ
ール等の原因となり易い。このため、W粉またはMo粉
の粒度は1〜40μm程度、より望ましくは1〜20μ
mである。また、溶浸法による場合は、W粉またはMo
粉に成形潤滑剤または樹脂バインダを混合し、圧力1〜
7トン/cm2程度で圧粉成形した後、非酸化性雰囲気
中で1100〜1400℃の温度で焼結する。得られた
多孔質焼結体に、非酸化性雰囲気中で1100〜120
0℃の温度でCu合金を溶浸すると本発明合金材が得ら
れる。
【0017】混合法による場合は、W粉とMo粉の何れ
か1方、又は両方、Cu合金粉、および成形潤滑剤また
は樹脂バインダーとの混合粉を、1〜7トン/cm2の
圧力で成形した後、非酸化性雰囲気中で1100〜12
00℃の温度で焼結すると本発明合金材が得られる。
【0018】次に、W基およびMo基合金の選択法につ
いて述べる。含有されるCu合金量が一定の場合、W基
合金はMo基合金と比較して低熱膨張、高熱伝導という
特長があるが、比重が高く重い。一方、Mo基合金はW
基合金より熱膨張、熱伝導の点で若干劣るが、比重が低
く、軽量化に寄与できる利点がある。更に、W粉とMo
粉を所定の比率で混合したW−Mo基合金はその構成比
率に応じて、W基合金およびMo基合金の中間的な熱膨
張、熱伝導および比重などの特性値が得られる。このよ
うに、本発明材は、製品の目的、仕様条件に合致する特
性値が得られるように、W基またはMo基合金またはW
−Mo基合金を種々選定することができる。なお、上記
した焼結または溶浸のときの炉内ガス雰囲気は、一般の
焼結機械部品等で用いられる分解アンモニアガスで十分
である。従来のW焼結体にCuを溶浸する場合、熱伝導
率に影響する雰囲気ガスからの汚染を排除する必要か
ら、水素、窒素またはアルゴン等の比較的高価な雰囲気
ガスを用いていたのに比べて、安価に焼結することがで
きるという特長が挙げられる。
【0019】
【実施例】以下に、本発明を実施例と比較例によって更
に説明する。 [実施例1]原料粉末として、平均粒径が5μmのW粉
末を準備し、成形潤滑剤を混合したのち柱体形状に圧粉
成形した。この成形体を温度1250℃、分解アンモニ
ア雰囲気中で焼結し、Wスケルトンを作製した。次に、
そのWスケルトンに純Cu、および下記のCu合金を用
いて溶浸を行い、W基焼結合金を作製した。
【0020】前記溶浸したCu合金は、Cu−0.01
〜2%Biの各種組成合金、およびCu−0.01〜2
%Pbの各種組成合金で、これらは鋳造合金を圧延加工
した薄板材料である。また、溶浸は、純Cuの場合が水
素ガス雰囲気の温度1250または1350℃とし、C
u合金の場合が分解アンモニア雰囲気の温度1250℃
である。
【0021】得られた各合金の評価中、表1には各試料
とも純CuまたはCu合金の含有量が10%、残部がW
のものを選び、それぞれ熱伝導率および熱膨張係数の測
定、金属組織およびピンホール発生の有無の確認を行っ
たときの結果を示している。
【0022】なお、熱伝導率は、レーザーフラッシュ法
(室温)にて測定した。熱膨張係数はアルミナを基準材
とし、室温から300℃の範囲で測定した。ピンホール
発生の有無は、試料を研摩した表面を光学顕微鏡で確認
すると共に、研摩面にNiメッキ(厚さ5μm)を施し
た後、アルゴン雰囲気中で900℃まで加熱して、Ni
メッキ表面の膨れ等を観察した。また、前記ピンホール
および膨れの観察に供した各試料番号の試料数は10個
ずつであり、表1にはその平均を示している。
【0023】表1中、熱伝導率はW/m℃で示し、ピン
ホール%はピンホールの検出率%を示し、膨れ率%は膨
れ検出率%を示している。また、試料番号(比較材)1
および2は、温度が1350℃,1250℃で、かつ水
素ガス雰囲気中にて焼結し、作製したWスケルトンに、
温度が1100〜1200℃で、かつ水素ガス雰囲気中
にて純Cuを溶浸したものである。試料番号(比較材)
3は、温度が1250℃で、分解アンモニアガス雰囲気
中にて焼結し、作製したWスケルトンに、温度が110
0〜1200℃で、分解アンモニアガス雰囲気中にて純
Cuを溶浸したものである。
【0024】下記の表1からは、本発明材(表1に示す
試料番号)4〜9、11〜14、16〜18は、純Cu
を溶浸した比較材(表1に示す試料番号)1〜3および
比較材10、15より総合評価的に優れていることが分
かる。即ち、熱伝導率は193W/m℃以上と優れてお
り、これに加えて、溶浸後にピンホールの発生は全く認
められず、しかもNiメッキ後の加熱処理を施してもメ
ッキ表面に膨れ等の欠陥も全く認められなかった。特
に、ピンホール率(ピンホールの検出率%)は溶浸材が
純Cuである比較材1〜3および溶浸材がCu−2%B
i合金、Cu−2%Pb合金である比較材10,15の
場合に10〜40%以上と大きく、同様に、膨れ率%
(膨れ検出率%)は比較材1〜3および比較材10、1
5の場合に10〜40%以上と大きくなっているのに対
し、前記本発明材のものは大きく改善されることが分か
る。
【0025】
【表1】(W基合金系)
【0026】なお、以上の発明材4〜9、11〜14、
16〜18の熱膨張係数は、スペースの関係で表1に示
さなかったが5.9〜6.0×10-6/℃という低い値
を示すことが確認されている。
【0027】[実施例2]平均粒径が10μmのMo粉
末を用いて、他は実施例1の場合と同様にして焼結およ
び溶浸を行った。評価法も実施例1と同様に行なった。
表2の評価試料は各試料とも純CuまたはCu合金の含
有量が10%、残部がMoのものを選び、それぞれ熱伝
導率および熱膨張係数の測定、金属組織およびピンホー
ル発生の有無の確認を行ったときの結果である。
【0028】表2中、熱伝導率はW/m℃で示し、ピン
ホール%はピンホールの検出率%を示し、膨れ率%は膨
れ検出率%を表1と同様に示している。また、試料番号
(比較材)19および20は、温度が1350℃,12
50℃で、かつ水素ガス雰囲気中にて焼結し、作製した
Moスケルトンに、温度が1100〜1200℃で、か
つ水素ガス雰囲気中で純Cuを溶浸したものである。試
料番号(比較材)21は、温度が1250℃で、かつ分
解アンモニアガス雰囲気中にて焼結し、作製したMoス
ケルトンに、温度が1100〜1200℃で、かつ分解
アンモニアガス雰囲気中にて純Cuを溶浸したものであ
る。
【0029】
【表2】(Mo基合金系)
【0030】上記表2において、本発明材(表2に示す
試料番号)22〜27、29〜32、34〜36は、純
Cuを溶浸した比較材(表2に示す試料番号)19〜2
1および比較材28、33に比して総合評価的に優れて
いることが分かる。即ち、熱伝導率は143W/m℃以
上と優れており、これに加えて、溶浸後にピンホールの
発生は全く認められず、しかもNiメッキ後の加熱処理
を施してもメッキ表面に膨れ等の欠陥も全く認められな
かった。特に、ピンホール率は溶浸材が純Cuである比
較材19〜21および溶浸材がCu−2%Bi合金、C
u−2%Pb合金である比較材28,33の場合に10
〜30%以上と大きく、同様に、膨れ率%は比較材19
〜21および比較材28,33の場合に10〜30%以
上と大きくなっているのに対し、前記本発明材のものは
大きく改善されることが分かる。
【0031】また、以上の発明材22〜27、29〜3
2、34〜36の熱膨張係数はスペースの関係で表2に
示さなかったが6.4〜6.5×10-6/℃という低い
値を示すことが確認されている。
【0032】[実施例3]平均粒径がそれぞれ5μmの
W粉と10μmのMo粉とを用い、その配合比を25:
75,50:50,75:25と変えた混合粉を準備
し、各混合粉に成形潤滑剤を混合したのち、柱体形状に
圧粉成形した。この各成形体を温度1250℃で、かつ
分解アンモニアガス雰囲気中にて焼結し、W−Moスケ
ルトンを作製した。次に、その各W−Moスケルトンに
Cu−0.2%Bi合金およびCu−0.5%Pb合金
を、温度1100〜1200℃で、かつ分解アンモニア
ガス雰囲気中にて溶浸を行い、W−Mo基焼結合金を作
製した。評価法は実施例1と同様に行なった。表3の評
価試料は各試料ともCu合金の含有量が10%、残部が
W−Moのものを選び、それぞれ熱伝導率および熱膨張
係数の測定、金属組織およびピンホール発生の有無の確
認を行ったときの結果である。
【0033】表3中、配合比は重量比でのW:Moを示
し、熱伝導率はW/m℃で示し、熱膨張係数は ×10
-6/℃で示し、ピンホール%はピンホールの検出率%を
示し、膨れ率%は膨れ検出率%を示している。
【0034】
【表3】(W−Mo基合金系)
【0035】上記表3において、本発明材(試料番号)
37〜39、40〜42は、WとMoの配合比を変える
ことにより、W基およびMo基合金の中間的な熱特性お
よび比重が得られることが分かる。加えて、溶浸後のピ
ンホールの発生は全く認められず、しかもNiメッキ後
の加熱処理を施してもメッキ表面に膨れ等の欠陥も全く
認められなかった。このように、本発明材は前述した様
に、製品の目的や仕様に合わせて、W基またはMo基ま
たはW−Mo基合金を種々選定することができる。
【0036】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
に係る低膨張性焼結合金は、ピンホール等の欠陥がない
状態に製作することが容易な合金であり、しかも高熱伝
導率、低熱膨張係数であるあるから、半導体素子搭載用
の基板材料などとして安定した品質で提供することがで
きる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cu合金が5〜25重量%、残部がWま
    たは/およびMoからなり、前記のCu合金がBiおよ
    びPbの1種または2種を0.01〜1.0重量%含有
    して放熱性に優れていることを特徴とする低熱膨張性焼
    結合金。
JP5367296A 1996-02-19 1996-02-19 低熱膨張性焼結合金 Pending JPH09227979A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1319690A3 (en) * 2001-12-11 2004-02-04 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. A thermoconducting silicone composition, its curing product and installation method, and a heat dissipating structure of a semiconductor device using same

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EP1319690A3 (en) * 2001-12-11 2004-02-04 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. A thermoconducting silicone composition, its curing product and installation method, and a heat dissipating structure of a semiconductor device using same

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