JPH10321776A - 半導体素子用放熱部材 - Google Patents

半導体素子用放熱部材

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JPH10321776A
JPH10321776A JP12843497A JP12843497A JPH10321776A JP H10321776 A JPH10321776 A JP H10321776A JP 12843497 A JP12843497 A JP 12843497A JP 12843497 A JP12843497 A JP 12843497A JP H10321776 A JPH10321776 A JP H10321776A
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powder
metal
aln
high thermal
coated
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JP12843497A
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Shuichi Sugita
修一 杉田
Eiki Takeshima
鋭機 竹島
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低熱膨張率で熱伝導特性に優れた半導体素子
用放熱部材を得る。 【解決手段】 この半導体素子用放熱部材は、濡れ性改
善金属でコーティングしたAlN粉末と高熱伝導性金属
との混合粉末圧粉体が焼結されたものであり、各AlN
粉末粒子の粒子間隙が高熱伝導性金属で充填された組織
をもつ。AlN粉末は、濡れ性改善金属及び高熱伝導性
金属で複層に、或いは濡れ性改善金属と高熱伝導性金属
との合金又は混合物でコーティングしても良い。この場
合、コーティングされたAlN粉末は、そのまま圧粉成
形し、焼結できる。高熱伝導性金属にはCu,Al,A
gの金属単体又はこれらの合金等が、濡れ性改善金属に
はY,Ti,Zr,Hfの金属単体又はこれらの合金等
が使用される。 【効果】 AlN粉末粒子の間隙が高熱伝導性金属で充
填されているので、高い熱伝導率が示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱膨張率が小さく、熱
伝導率が大きなヒートシンク,半導体基板等の放熱部材
に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子搭載用の基板としては、搭載
される半導体素子と基板との接合界面に熱応力に起因し
た亀裂が発生することを防ぐため、半導体素子に比較的
近似した小さな熱膨張率をもつW,Mo,コバール等の
金属材料やAl23 ,AlN,BeO等のセラミック
ス材料が使用されている。また、半導体素子搭載用の基
板には、半導体素子で発生した熱を放散させ、定格温度
以下に半導体素子を維持するため、良好な熱伝導性を有
することが要求される。そこで、特に高熱伝導性が要求
される基板には、各種のCu合金が使用されることもあ
った。熱伝導性は、半導体素子で発生した熱を外部に放
散させるヒートシンクや放熱フィン等でも同様に要求さ
れる。以下の説明においては、半導体の素子搭載用基
板,ヒートシンク,放熱フィン等を放熱部材と総称す
る。
【0003】ところで、近年の半導体集積技術の進歩に
対応して、半導体素子の大型化や高密度化等が進められ
ている。半導体素子の大型化や高密度化に伴って、半導
体素子で発生する熱量も相当に増加しており、放熱部材
に対する要求特性も、より過酷なものになっている。こ
の要求に応えるため、たとえば特開昭50−62776
号公報では、熱伝導性の優れたCu,Ag等の金属と熱
膨張率の小さいW,Mo等からなる複合焼結体をSi素
子とCu製端子板との間に介在させる方法が開示されて
いる。また、特開昭59−21032号公報では、溶浸
法でW粉末焼結体の中にCuを溶浸させた材料を半導体
素子搭載用基板として使用することが開示されている。
Cu,Ag等とW,Mo等を複合化させた放熱部材で
は、CuやAg等の含有量を変化させることによって、
熱膨張率や熱伝導率を任意に設定することができる。こ
の長所を活用し、搭載しようとする半導体素子の材質,
パッケージの形状,基板の大きさ等に応じた最適の放熱
部材が製造され、広く使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、最近の半導体
集積技術革新は著しく、従来よりも放熱特性が一層優れ
た放熱部材の開発が強く求められている。因みに、現在
市販されている30重量%Cuと70重量%Wとからな
る放熱部材は、熱膨張率が約7.5×10-6/℃,熱伝
導率が約140W/m・Kである。また、30重量Cu
と70重量%Moとからなる放熱部材は、熱膨張率が約
9.5×10-6/℃,熱伝導率が約230W/m/Kで
ある。これに対して、現在要求されている放熱部材の熱
膨張率は8.0×10-6/℃以下、熱伝導率が約200
W/m・K以上である。このように熱膨張率が小さく、
熱伝導率が大きな放熱部材は、従来のW,MoとCu,
Agとの組合せでは製造できない。また、比重ができる
だけ小さく、圧延によって大面積の薄板加工が可能なこ
とも、放熱部材用の材料に要求されている。本発明は、
このような要求に応えるべく案出されたものであり、半
導体素子に近似する低い熱膨張率をもつAlN粉末を混
合して焼結することにより、熱膨張率が小さく、熱伝導
率が大きな放熱部材を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体素子用放
熱部材は、その目的を達成するため、濡れ性改善金属で
コーティングしたAlN粉末と高熱伝導性金属との混合
粉末圧粉体が焼結されたものであり、AlN粉末粒子の
粒子間隙が高熱伝導性金属で充填された組織をもつこと
を特徴とする。AlN粉末は、濡れ性改善金属及び高熱
伝導性金属で複層に、或いは濡れ性改善金属と高熱伝導
性金属との合金又は混合物でコーティングしても良い。
この場合、コーティングされたAlN粉末は、そのまま
圧粉成形し、焼結することが可能である。高熱伝導性金
属としては、Cu,Al,Agの金属単体又はこれらの
合金等が使用される。濡れ性改善金属としては、Y,T
i,Zr,Hfの金属単体又はこれらの合金等が使用さ
れる。
【0006】
【実施の形態】AlNは、半導体素子に近似した低い熱
膨張率を示し、熱伝導性も良好である。このような物性
を活用し、AlN焼結体は、半導体の高性能放熱部材と
して、VHF帯電力増幅モジュール、高電圧・大電流ス
イッチングモジュール、オプトエレクトエロニクス用モ
ジュール、マイクロウエーブ用セラミックスパッケージ
基板等の用途に広く使用されている。しかし、特開昭6
0−127267号公報,特開昭60−71575号公
報,特開昭61−10071号公報,特開昭63−27
7570号公報,特開昭63−277573号公報等で
紹介されているように、230W/m・K以上の高い熱
伝導率のものを製造するためには、N2 ガス雰囲気下、
カーボン製の容器の中で1850℃で10時間と極めて
高い温度で長時間焼結する必要がある。更に、焼結体に
不純物として含まれる酸素量を1000ppm以下にコ
ントロールする必要があった。しかも、AlN焼結体
は、展延性がないので圧延による薄板加工ができないた
め、現在では主に小型で特殊な用途のみにしか使用され
ていない。
【0007】AlNの焼結温度がこのように高いのは、
高融点のY23 (融点:2410℃)やCaO(融
点:2572℃)等の酸化物を焼結助剤として使用して
いるためである。また、焼結体中の不純物酸素量が10
00ppm以上になると、粒界を構成しているY−Al
−O化合物やCa−Al−O化合物の中にトラップしき
れない酸素がAlNの結晶格子中に固溶し、熱伝導率を
著しく低下させることも原因の一つであると考えられて
いる。そこで、本発明者等は、比重の小さなAlN粉末
粒子の間を透間なくCu、Al,Ag等の展延性に優れ
た比較的低融点の金属で充填できると、熱膨張率をかな
り低く保持した状態で熱伝導率の一層の向上が図れ、よ
り低温での焼結や圧延による大面積の放熱部材の製造が
可能となるものと考えた。しかし、AlN粉末粒子は、
Cu,Al,Ag等の溶融金属に対して全く濡れ性を示
さず、単にこれらの粉末を混合しただけでは焼結反応が
進行しない。
【0008】AlN粉末の濡れ性を改善するため、本発
明では、Y,Ti,Zr,Hfの金属単体(以下、濡れ
性改善金属という),これら金属元素とCu,Al,A
g(以下、高熱伝導性金属という)との合金,混合物と
して又は複層形態でAlN粉末を予めコーティングして
いる。AlN粉末の濡れ性がY,Ti,Zr,Hf等の
金属元素により改善されることは、「セラミックス接合
工学」、(1996.11.15 日刊工業新聞社発行
岩本信也、須賀唯知著)p.224〜231等により
知られているが、本発明ではこの濡れ性改善を利用して
半導体素子用放熱部材に適した焼結体を製造している。
AlN粉末粒子に対する濡れ性改善金属の重量比を1〜
10重量%の範囲に調整すると、AlN粉末粒子の表面
に連続したコーティング層が形成され、実質的に粉末粒
子の全表面が濡れ性改善金属で覆われる。したがって、
コーティングされたAlN粉末を使用して作成した焼結
体では、個々のAlN粉末粒子の間に確実に高熱伝導性
金属の金属相が介在し、AlN粉末粒子相互が直接的に
隣り合うことがなくなるので、焼結体の接合強度が著し
く向上する。
【0009】AlN粉末に対する濡れ性改善金属の割合
が1重量%を下回ると、AlN粉末粒子の表面に形成さ
れるコーティング層が縞状や点状になり易い。このよう
なAlN粉末を用いて得られた焼結体では、高熱伝導性
金属の金属相を介在させることなく、AlN粉末粒子相
互が直接的に隣り合った部分が観察される。この部分で
は、ピンホール等の内部欠陥が発生しやすい。逆に、濡
れ性改善金属の割合が10重量%を越えると、得られた
焼結体の特性に及ぼすY,Ti,Zr,Hf等の影響が
大きく現れ、熱膨張率が半導体素子に比較して著しく大
きくなる。その結果、繰返し昇温及び降温する半導体素
子と放熱部材との間の接合界面に熱応力に起因した亀裂
等が発生し易くなる。濡れ性改善金属で被覆されるAl
N粉末粒子は、連続したコーティング層の作用を効率よ
く発揮させるため、1〜10μmの粒径を持つことが必
要である。AlN粉末粒子の粒径が1μm未満では、A
lN粉末粒子相互の凝集が激しく、個々のAlN粉末粒
子に均一なコーティング層を形成することが困難であ
る。逆に、AlN粉末粒子の粒径が10μmを越える
と、個々のAlN粉末粒子に形成すべきコーティング層
が厚くなるので、膜厚の不均一化やコーティング表面の
凸凹が激しくなり易く、粉末の流動性や見掛け比重の変
動等の実用的諸問題が発生する。
【0010】濡れ性改善金属でコーティングされたAl
N粉末粒子と高熱伝導性金属との混合割合を変えること
により、目的とする焼結体の熱膨張率や熱伝導率を種々
調整することができる。AlN粉末以外にも、人造ダイ
ヤ,立方晶BN等の粉末を使用することができるが、S
iC、TiC、CrC、WC、TiN、Si34 等の
セラミックス粉末は、概して熱膨張率が小さいものの、
熱伝導率が著しく劣るので、放熱部材として使用できな
い。濡れ性改善金属は、スパッタリング法,イオンプレ
ーティング法,真空蒸着法,CVD法等でAlN粉末粒
子にコーティングされる。なかでも、粉末スパッタリン
グ法が最適である。スパッタリング法以外の方法で、Y
(融点:1526℃)、Ti(融点1670℃)、Zr
(融点:1852℃),Hf(融点:2227℃)等の
高融点金属をコーティングしたり、融点が相当低いCu
(融点:1085℃)、Al(融点:660℃)、Ag
(融点:961℃)等と濡れ性改善金属との合金を一定
組成のままコーティングすることは極めて難しい。スパ
ッタリング法によるAlN粉末のコーティングは、本発
明者等が開発した粉末スパッタリング装置を使用するこ
とにより容易に実施できる。この種の粉末スパッタリン
グ装置としては、たとえば粉末を装入した回転容器の回
転により形成した粉末流動層に金属をスパッタリングす
る装置(特開平2−153068号公報)がある。
【0011】濡れ性改善金属でコーティングされたAl
N粉末は、次に示す何れかの方法で高熱伝導性金属と混
合され、焼結される。 (1) 濡れ性改善金属を予めコーティングしたAlN
粉末と高熱伝導性金属の1種又は2種以上と混合し、圧
粉成形し、圧粉体を水素ガス雰囲気中で800℃〜12
00℃に加熱する。 (2)AlN粉末の表面に、第1層として濡れ性改善金
属でコーティングし、第1層の上に高熱伝導性金属でコ
ーティングして第2層を形成する。得られた二層複合粉
末を圧粉成形し、水素ガス雰囲気中で800〜1200
℃に加熱する。 (3)AlN粉末の表面に、濡れ性改善金属と高熱伝導
性金属との合金又は混合物で予めコーティングしたAl
N粉末を圧粉成形し、水素ガス雰囲気中で800℃〜1
200℃に加熱する。
【0012】得られた焼結体は、断面減少率50%以上
の圧下率で必要な厚さまで圧延される。圧下率を50%
以上に設定することにより、焼結体が圧密化され、靭性
が向上する。圧密化された焼結体は、密度が実質的に理
論密度まで上昇する。この焼結体は、AlN粉末粒子の
間が隙間なく高熱伝導性金属で充填されている構造とな
っているので、圧延に起因したクラック等の欠陥が圧延
後の組織に発生することも抑制される。圧延された焼結
体は、用途に応じて打抜き加工,曲げ加工等が施され、
所定形状の放熱部材となる。ここで、圧密化された組織
に由来して優れた加工性が発現し、打抜き加工や曲げ加
工時に欠け,破断等の欠陥が発生せず、高精度で目標形
状に加工される。加工後の製品は、平坦で緻密な表面を
もっている。したがって、素子の搭載に先立って形成さ
れる無電解ニッケルめっき層等の密着性も向上する。
【0013】本発明に従った放熱部材の比重は、4〜5
であり、従来の放熱部材に比較して極めて低い値を示
す。因みに、30重量%Cu−70重量%Wの放熱部材
では比重が16.2。30重量%Cu−70重量%Mo
の放熱部材では比重が9.8であり、本発明の放熱部材
に比較して重いものである。また、AlN粉末の単位重
量当りの価格はW粉末やMo粉末の価格とほぼ同レベル
であるが、AlN粉末の比重は3.3であり、W粉末の
比重19.3,Mo粉末の比重10.2と比較して非常
に軽い。そのため、単位体積当りの価格に換算すると、
原料粉末価格は1/6〜1/3と極めて安価である。
【0014】
【実施例】
実施例1:本発明者等が開発した粉末スパッタリング装
置(特開平2−153068号公報参照)を使用し、市
販のAlN粉末(東洋アルミニウム株式会社製 TOY
ALNITE−US,平均粒径1.4μm)の表面に1
重量%のYをコーティングした。コーティング粉末75
gと市販のCu粉末(福田金属箔粉株式会社製 平均粒
径1.0μm)25gを十分混合し、圧力5トン/cm
2 で圧粉成形した。圧粉体を水素ガス雰囲気中で120
0℃に1時間保持することにより焼結した。得られた焼
結体を断面減少率50%で冷間圧延し、板厚0.5mm
の板状に成形した。 実施例2:実施例1と同様に、AlN粉末を4重量%の
Tiでコーティングした。コーティング粉末80gと市
販のAl粉末(東洋アルミニウム株式会社製 平均粒径
10.0μm)20gを十分混合し、圧粉成形後、水素
ガス雰囲気中で800℃に1時間保持することにより焼
結した。得られた焼結体を断面減少率50%で冷間圧延
し、板厚0.5mmの板状に成形した。
【0015】実施例3:実施例1と同様に、AlN粉末
を7重量%のZrでコーティングした。コーティング粉
末85gと市販のAg粉末(株式会社高純度化学研究所
製 平均粒径3.0μm)15gを十分混合し、圧粉成
形後、水素ガス雰囲気中で1100℃に1時間保持する
ことにより焼結した。得られた焼結体を断面減少率50
%で冷間圧延し、板厚0.5mmの板状に成形した。 実施例4:実施例1と同様に、AlN粉末を10重量%
のHfでコーティングした。コーティング粉末90gと
市販のAg−Cu合金粉末(日本アトマイズ加工株式会
社製 Ag72重量%−Cu28重量%,平均粒径5.
0μm)10gを十分混合し、圧粉成形後、水素ガス雰
囲気中で900℃に1時間保持することにより焼結し
た。得られた焼結体を断面減少率50%で冷間圧延し、
板厚0.5mmの板状に成形した。
【0016】実施例5:実施例1と同様に、市販のAl
N粉末(東洋アルミニウム株式会社製 TOYALNI
TE−UF,平均粒径2.0μm)の表面を第1層とし
て1重量%のYでコーティングし、更に25重量%のC
uでコーティングして第1層の上に第2層を形成した。
得られた2層コーティング粉末100gを圧力5トン/
cm2 で圧粉成形した後、水素ガス雰囲気中で1200
℃に1時間保持することにより焼結した。次いで、焼結
体を断面減少率50%で冷間圧延し、板厚0.5mmの
板状に成形した。 実施例6:実施例5と同様に、AlN粉末を第1層とし
て4重量%のTiでコーティングし、更に第2層として
20重量%のAlでコーティングした。得られた2層コ
ーティング粉末100gを圧粉成形した後、水素ガス雰
囲気中で800℃に1時間保持することにより焼結し
た。次いで、焼結体を断面減少率50%で冷間圧延し、
板厚0.5mmの板状に成形した。
【0017】実施例7:実施例5と同様に、AlN粉末
を第1層として7重量%のZrでコーティングし、更に
第2層として15重量%のAgでコーティングした。得
られた2層コーティング粉末100gを圧粉成形した
後、水素ガス雰囲気中で1100℃に1時間保持するこ
とにより焼結した。次いで、焼結体を断面減少率50%
で冷間圧延し、板厚0.5mmの板状に成形した。 実施例8:実施例5と同様に、AlN粉末を第1層とし
て10重量%のHfでコーティングし、更に第2層とし
て10重量%のAg−Cu合金(Ag72重量%,Cu
28重量%)でコーティングした。得られた2層コーテ
ィング粉末100gを圧粉成形した後、水素ガス雰囲気
中で900℃に1時間保持することにより焼結した。次
いで、焼結体を断面減少率50%で冷間圧延し、板厚
0.5mmの板状に成形した。
【0018】実施例9:実施例1と同様に、市販のAl
N粉末(東洋アルミニウム株式会社製 TOYALNI
TE−UM,平均粒径6.5μm)74gをCu−Y合
金(Cu96.2重量%,Y3.8重量%)26gでコ
ーティングした。コーティング粉末100gを圧粉成形
した後、水素ガス雰囲気中で1200℃に1時間保持す
ることにより焼結した。次いで、焼結体を断面減少率5
0%で冷間圧延し、板厚0.5mmの板状に成形した。 実施例10:実施例9と同様に、AlN粉末76gをA
l−Ti合金(Al83.3重量%,Ti16.7重量
%)24gでコーティングした。コーティング粉末10
0gを圧粉成形した後、水素ガス雰囲気中で800℃に
1時間保持することにより焼結した。次いで、焼結体を
断面減少率50%で冷間圧延し、板厚0.5mmの板状
に成形した。
【0019】実施例11:実施例9と同様に、AlN粉
末78gをAg−Zr合金(Ag68.2重量%,Zr
31.8重量%)22gでコーティングした。コーティ
ング粉末100gを圧粉成形した後、水素ガス雰囲気中
で1100℃に1時間保持することにより焼結した。次
いで、焼結体を断面減少率50%で冷間圧延し、板厚
0.5mmの板状に成形した。 実施例12:実施例9と同様に、AlN粉末80gをH
f−Ag−Cu合金(Hf50.0重量%,Ag36.
0重量%,Cu14.0重量%)20gでコーティング
した。コーティング粉末100gを圧粉成形した後、水
素ガス雰囲気中で900℃に1時間保持することにより
焼結した。次いで、焼結体を断面減少率50%で冷間圧
延し、板厚0.5mmの板状に成形した。
【0020】比較例1:市販のAlN粉末(東洋アルミ
ニウム株式会社製 TOYALNITE−US,平均粒
径1.4μm)74gを市販のY粉末(株式会社高純度
化学研究所製平均粒径10.0μm)1g及び市販のC
u粉末25gと十分混合し、圧力5トン/cm2 で圧粉
成形した後、水素ガス雰囲気中で1200℃に1時間保
持することによって焼結を試みた。 比較例2:比較例1と同様に、AlN粉末76gを市販
のTi粉末(株式会社高純度化学研究所製 平均粒径1
0.0μm)4g及び市販のAl粉末20gと十分混合
し、圧粉成形した後、水素ガス雰囲気中で800℃に1
時間保持することによって焼結を試みた。
【0021】比較例3:比較例1と同様に、AlN粉末
78gを市販のZr粉末(株式会社高純度化学研究所製
平均粒径8.0μm)7g及び市販のAg粉末15g
と十分混合し、圧粉成形した後、水素ガス雰囲気中で1
100℃に1時間保持することによって焼結を試みた。 比較例4:比較例1と同様に、AlN粉末80gを市販
のHf粉末(株式会社高純度化学研究所製 平均粒径1
0.0μm)10g,市販のAg粉末7.2g及び市販
のCu粉末2.8gと十分混合し、圧粉成形した後、水
素ガス雰囲気中で900℃に1時間保持することによっ
て焼結を試みた。以上の実施例で得られた各焼結体の熱
伝導率を測定したところ、表1に示すように何れも20
0W/m・K以上の高い熱伝導率を示した。また、熱膨
張率は、8.0×10-6/℃以下の低い値を示した。こ
れらの結果から、放熱特性に優れた半導体パッケージ用
放熱部材として使用できることが判る。これに対し、表
面処理を施していないAlN粉末を使用した比較例で
は、Cu,Al,Ag等の溶融金属でAlN粉末粒子が
全く濡れないため、焼結体とならなかった。
【0022】
【0023】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の半導体
素子用放熱部材は、濡れ性改善金属でコーティングした
AlN粉末を高熱伝導性金属と混合して圧粉成形したも
のを焼結しているので、AlN粉末粒子の間隙が高熱伝
導性金属で充填された構造をもっている。そのため、A
lN本来の低熱膨張率及び高熱伝導性が活用され、高性
能化に伴って発熱量が大きくなる傾向にある半導体素子
の基板,ヒートシンク,放熱フィン等に適した放熱部材
として使用される。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 濡れ性改善金属でコーティングしたAl
    N粉末と高熱伝導性金属との混合粉末圧粉体が焼結され
    たものであり、AlN粉末粒子の粒子間隙が高熱伝導性
    金属で充填された組織をもつ半導体素子用放熱部材。
  2. 【請求項2】 濡れ性改善金属及び高導電性金属で複層
    にコーティングしたAlN粉末の粉末圧粉体が焼結され
    たものであり、Al粉末粒子の粒子間隙が高熱伝導性金
    属で充填された組織をもつ半導体素子用放熱部材。
  3. 【請求項3】 濡れ性改善金属と高導電性金属との合金
    又は混合物でコーティングしたAlN粉末の粉末圧粉体
    が焼結されたものであり、Al粉末粒子の粒子間隙が高
    熱伝導性金属で充填された組織をもつ半導体素子用放熱
    部材。
  4. 【請求項4】 Cu,Al,Agの金属単体又はこれら
    の合金から選ばれた1種又は2種以上を請求項1〜3の
    何れかに記載の高熱伝導性金属として使用した半導体素
    子用放熱部材。
  5. 【請求項5】 Y,Ti,Zr,Hfの金属単体又はこ
    れらの合金から選ばれた1種又は2種以上を請求項1〜
    3の何れかに記載の濡れ性改善金属として使用した半導
    体素子用放熱部材。
JP12843497A 1997-05-19 1997-05-19 半導体素子用放熱部材 Withdrawn JPH10321776A (ja)

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