JPH09227685A - 新規フッ素変性シリコーン - Google Patents

新規フッ素変性シリコーン

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JPH09227685A
JPH09227685A JP32968996A JP32968996A JPH09227685A JP H09227685 A JPH09227685 A JP H09227685A JP 32968996 A JP32968996 A JP 32968996A JP 32968996 A JP32968996 A JP 32968996A JP H09227685 A JPH09227685 A JP H09227685A
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general formula
group
fluorine
integer
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JP32968996A
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English (en)
Inventor
Koichi Iyanagi
宏一 井柳
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Pola Chemical Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 撥水・撥油性に優れると共に相溶性にも優れ
るフッ素変性シリコーンおよび前記性質を有するフッ素
変性シリコーンの製造方法を提供する。 【解決手段】 ジメチルポリシロキサン構造の一部に、
パーフルオロアルキル基とバルキーな炭化水素基とが導
入された新規フッ素変性シリコーンを、例えば、パーフ
ルオロアルキル基を有する環状シリコーンと、バルキー
な炭化水素基を有する環状シリコーンと、必要に応じて
添加されるジメチル環状シリコーンとの混合物を開環重
合することによって製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ペイント、コーテ
ィング剤、表面処理剤等に好適に使用できる新規なフッ
素変性シリコーンの製造方法および新規フッ素変性シリ
コーンに関する。
【0002】
【従来の技術】フッ素変性シリコーン類は、優れた撥水
性を有するため、ペイント、コーティング剤、表面処理
剤等に広く用いられている。しかしながら、今まで開発
されてきたフッ素変性シリコーン類は、撥水性を有する
と同時に撥油性も有するため、他の材料とのなじみがが
悪く、複数の原料からなる、例えば、ペイント類等の組
成物に於いては、他の原料との相溶性の面から使いにく
いのが現状と言わざるを得なかった。
【0003】かかる状況から、シリコーンに導入するフ
ッ素原子の数を調整する、例えば、フッ素原子の含有率
の少ないアルキル基をシリコーンに導入するなどの試み
がなされたが、相溶性の改善が少ないばかりか、撥水性
等の長所も損ないかねない状況であった。また、前記フ
ッ素化アルキル基に替えて通常のメチル基を導入して、
相溶性を向上しようとする試みなども為されたが、相溶
性を上げれば撥水性が損なわれ、撥水性を持たせれば相
溶性が損なわれると言う問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこの様な状況
下行われたものであり、撥水・撥油性に優れると共に相
溶性にも優れるフッ素変性シリコーンおよび前記性質を
有するフッ素変性シリコーンの製造方法を提供すること
を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる状況に鑑みて、本
発明者等は、撥水・撥油性を損なわずにフッ素変性シリ
コーンの相溶性を向上する手段を求めて鋭意検討を重ね
た結果、ジメチルポリシロキサン構造の一部に、パーフ
ルオロアルキル基と共にバルキーな炭化水素基を導入す
ることにより、相溶性と撥水・撥油性とを併せ持つ新規
なフッ素変性シリコーンが得られることを見出し、本発
明を完成させるに至った。
【0006】すなわち本発明は、下記一般式(I)に示
されるフッ素変性シリコーンである。
【0007】
【化18】
【0008】(但し、式(I)中、Aは下記一般式(I
I)に表される基を表し、Bは下記一般式(III)に表さ
れる基を表し、lは0〜1500の任意の数値を表す。
また、R1、R3はそれぞれ独立して、炭素数1〜4の直
鎖、分岐、環状のアルキル基を表す。)
【0009】
【化19】
【0010】(但し、式(II)中、R21、R22、R23
・・・・、R2Xは、それぞれ独立してフッ素原子以外の
原子又はフッ素原子を含まない原子団で置換されていて
もよい炭素数2〜24の炭化水素基を表し、m1、m2
3、・・・・、mxは、それぞれ任意の数値を表し、m
1+m2+m3+・・・・+mxは1〜1500である。ま
た、xは1〜10の任意の整数である。)
【0011】
【化20】
【0012】(但し、式(III)中、a1、a2、a3、・
・・・、ayは、それぞれ独立して0〜5の任意の整数
を表し、Rf11、Rf12、Rf13・・・・、Rf1yは、
それぞれ独立して炭素数1〜12の直鎖、分岐、環状の
パーフルオロアルキル基を表し、n1、n2、n3、・・
・・、nyは、それぞれ任意の数値を表し、n1+n2
3+・・・・+nyは1〜1500である。また、yは
1〜5の任意の整数である。)
【0013】また本発明は、下記一般式(IV)に表され
る化合物の少なくとも一種と、一般式(V)に表される
化合物の少なくとも一種と、必要に応じて添加される一
般式(VI)に表される化合物との混合物を開環共重合さ
せた後、得られる開環共重合物に、下記イ群に示す化合
物から選ばれる一種又は二種以上をエンドキャッピング
剤として反応させて、前記開環共重合物をエンドキャッ
ピングすることを特徴とするフッ素変性シリコーンの製
造方法を提供する。 (イ)クロロトリアルキルシラン、メトキシトリアルキ
ルシラン、エトキシトリアルキルシラン、ブロモトリア
ルキルシラン、ヘキサアルキルジシロキサン(但し、イ
群の各化合物におけるアルキルは、炭素数1〜4の直
鎖、分岐、環状のアルキルを表す。)
【0014】
【化21】
【0015】(但し、式(IV)中pは3〜6の整数を表
し、R4はフッ素原子以外の原子又はフッ素原子を含ま
ない原子団で置換されていてもよい炭素数2〜24の炭
化水素基を表す。)
【0016】
【化22】
【0017】(但し、式(V)中qは3〜6の整数を表
し、bは0〜5の任意の整数を表し、Rf2は炭素数1
〜12の直鎖、分岐、環状のパーフルオロアルキル基を
表す。)
【0018】
【化23】
【0019】(但し、式(VI)中oは3〜6の整数を表
す。)
【0020】この様な本発明の製造方法により得られる
フッ素変性シリコーンとして、具体的には、上記一般式
(I)で表されるフッ素変性シリコーンを挙げることが
できる。
【0021】さらに本発明は、下記一般式(VII)に表
される化合物と、必要に応じて添加される一般式(VI)
に表される化合物との混合物を開環共重合させた後、得
られる開環共重合物に、下記イ群に示す化合物から選ば
れる一種又は二種以上をエンドキャッピング剤として反
応させて、前記開環共重合物をエンドキャッピングし、
これにさらに下記一般式(VIII)に表される化合物の少
なくとも一種および一般式(IX)に表される化合物の少
なくとも一種を付加反応させることを特徴とするフッ素
変性シリコーンの製造方法を提供する。 (イ)クロロトリアルキルシラン、メトキシトリアルキ
ルシラン、エトキシトリアルキルシラン、ブロモトリア
ルキルシラン、ヘキサアルキルジシロキサン(但し、イ
群の各化合物におけるアルキルは、炭素数1〜4の直
鎖、分岐、環状のアルキルを表す。)
【0022】
【化24】
【0023】(但し、式(VII)中rは3〜6の整数を
表す。)
【0024】
【化25】
【0025】(但し、式(VI)中oは3〜6の整数を表
す。)
【0026】
【化26】
【0027】(但し、式(VIII)中、X1、X2、X
3は、フッ素原子以外の原子を表し、R5はフッ素原子以
外の原子もしくは、フッ素原子以外の原子又はフッ素原
子を含まない原子団で置換されていてもよい炭素数1〜
22の炭化水素基を表す。)
【0028】
【化27】
【0029】(但し、式(IX)中dは0〜3の整数を表
し、Rf3は炭素数1〜12の直鎖、分岐、環状のパー
フルオロアルキル基を表す。)
【0030】また、この様な本発明の製造方法により得
られるフッ素変性シリコーンとして、具体的には、上記
一般式(I)で表されるフッ素変性シリコーンのうち、
一般式(III)のa1、a2、a3、・・・・、ayが2〜
5の任意の整数であるフッ素変性シリコーンを挙げるこ
とができる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明のフッ素変性シリコーンについて説明す
る。 (1)本発明のフッ素変性シリコーン 本発明のフッ素変性シリコーンは上記一般式(I)に示
す構造を有する。
【0032】ここで、一般式(I)においてAは、上記
一般式(II)に示されるように、末端が封鎖されていな
いx成分系の共重合体を表すが、一般式(II)におい
て、共重合体を構成する成分の数すなわち単量体の種類
xは、1〜10の何れかであり、好ましくは1〜5であ
る。また、一般式(II)において、R21、R22、R23
・・・・、R2Xは、それぞれ独立してフッ素原子以外の
原子又はフッ素原子を含まない原子団で置換されていて
もよい炭素数2〜24の炭化水素基を表すが、前記炭化
水素基として、具体的には、直鎖、分岐、環状、それら
の混合のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ア
リール基、アラルキル基等が挙げられ、これらのうちで
も、アルキル基、アリール基、アラルキル基を本発明の
フッ素変性シリコーンにおいて好ましい基として挙げる
ことができる。
【0033】上記炭化水素基を置換する原子又は原子団
として具体的には、フッ素以外のハロゲン原子、アルコ
キシ基、アルキルカルボニル基、アルキルカルボニルオ
キシ基、アルキルアミノ基、アルキルアミノカルボキシ
ル基、アルキルカルボニルアミノ基等を挙げることが可
能である。また、これら置換基における好ましい炭素数
は、1〜20である。
【0034】さらに一般式(II)において、m1、m2
3、・・・・、mxは、それぞれ任意の数値を表し、こ
れらの合計数m1+m2+m3+・・・・+mx(以下、合
計数をmsで表す)は1〜1500であるが、本発明の
フッ素変性シリコーンにおいては、msが5〜1000
の範囲にあることが好ましく、より好ましいmsの範囲
は10〜500である。
【0035】また、一般式(I)においてBは、上記一
般式(III)に示されるように、末端が封鎖されていな
いパーフルオロアルキル基を有するy成分系の共重合体
を表すが、一般式(III)において、共重合体を構成す
るパーフルオロアルキル基を有する成分の数すなわち単
量体の種類yは、1〜5の何れかであり、好ましくは1
〜3である。一般式(III)において、a1、a2、a3
・・・・、ayは、それぞれ独立して0〜5の任意の整
数を表す。本発明のフッ素変性シリコーンにおいて、こ
れらはそれぞれ0〜3の範囲にあることが好ましく、よ
り好ましいこれらの範囲は0〜2である。
【0036】一般式(III)において、Rf11、R
12、Rf13・・・・、Rf1yは、それぞれ独立して炭
素数1〜12の直鎖、分岐、環状のパーフルオロアルキ
ル基を表すが、前記パーフルオロアルキル基の炭素数は
2〜10であることが好ましく、更に3〜9であること
が本発明のフッ素変性シリコーンにおいてより好まし
い。前記パーフルオロアルキル基の炭素数が12より多
いと、得られるフッ素変性シリコーンの相溶性が損われ
ることがある。また、フッ素変性シリコーンがパーフル
オロアルキル基を有さない場合には、撥水・撥油性の効
果が得られないことになる。なお、上述の様に前記パー
フルオロアルキル基は直鎖であっても分岐していても、
あるいは環状であってもよいが、好ましい構造として、
製造のしやすさの点から直鎖構造を挙げることができ、
物理特性の点からは環状構造を挙げることができる。
【0037】さらに、一般式(III)において、n1、n
2、n3、・・・・、nyは、それぞれ任意の数値を表
し、これらの合計数n1+n2+n3+・・・・+ny(以
下、合計数をnsで表す)は1〜1500であるが、本
発明のフッ素変性シリコーンにおいては、nsが5〜1
000の範囲にあることが好ましく、より好ましいns
の範囲は10〜500である。
【0038】また、一般式(I)においてlは、0〜1
500の任意の数値を表すが、本発明のフッ素変性シリ
コーンにおいては、lが0〜1000の範囲にあること
が好ましく、より好ましいlの範囲は0〜500であ
る。
【0039】一般式(I)で示される本発明のフッ素変
性シリコーンにおいては、上記l、ms、nsの数値が得
られるフッ素変性シリコーンの状態に影響を与える。本
発明のフッ素変性シリコーンをペースト基剤等のように
固体乃至は半固体の性質を生かした用途に用いたい場合
には、上記l、ms、nsがそれぞれ独立して100〜1
500の範囲にあることが好ましい。また、より好まし
いl、ms、nsの範囲として200〜1000を、さら
に好ましい範囲として300〜800を挙げることがで
きる。
【0040】さらに、本発明のフッ素変性シリコーンに
おいては、その相溶性と撥水・撥油性のバランスを取る
ために(l+ms)/nsの値は、50〜200の範囲に
あることが好ましい。また、より好ましい(l+ms
/nsの値の範囲として75〜175を挙げることがで
き、さらに好ましい範囲として100〜150を挙げる
ことができる。
【0041】また、一般式(I)において、R1、R3
それぞれ独立して、炭素数1〜4の直鎖、分岐、環状の
アルキル基を表すが、本発明のフッ素変性シリコーンに
おいてR1およびR3は、ともにメチル基であることが好
ましい。
【0042】上記本発明のフッ素変性シリコーンは、一
般式(I)に示す通り数種類のモノマーが共重合して得
られる共重合化合物であり、例えば、重縮合反応により
一般式(I)の化合物の各構成単位となる様な各種モノ
マーの混合物を、通常の方法により重縮合反応させた
後、反応液に一般式(I)に示す末端を構成できるよう
な適当なエンドキャッピング剤を添加し、これで共重合
体をエンドキャッピングする等の製造方法により製造す
ることが可能である。
【0043】また、以下に示す本発明のフッ素変性シリ
コーンの製造方法と同様の方法により、パーフルオロア
ルキル基を有する環状シリコーンを含む数種のシリコー
ン環状化合物を出発物質として開環共重合を行った後、
これをエンドキャッピング剤によりエンドキャッピング
する等の製造方法を挙げることが可能である。あるい
は、以下に示す本発明のフッ素変性シリコーンのさらに
別の製造方法と同様の方法により、フッ素原子を含有し
ないシリコーン環状化合物を出発物質として開環共重合
を行い、これをエンドキャッピング剤によりエンドキャ
ッピングした後、これにパーフルオロアルキル基を有す
る炭化水素基およびバルキーな炭化水素基を付加反応等
により導入する等の製造方法を挙げることが可能であ
る。
【0044】(2)本発明のフッ素変性シリコーンの製
造方法 本発明は、フッ素変性シリコーンについて以下の製造方
法を提供する。本発明のフッ素変性シリコーンの製造方
法の1つ(以下、「本発明の製造方法1」という)は、
上記一般式(IV)に表される化合物の少なくとも一種
と、一般式(V)に表される化合物の少なくとも一種
と、必要に応じて添加される一般式(VI)に表される化
合物との混合物を開環共重合させた後、得られる開環共
重合物に、下記イ群に示す化合物から選ばれる一種又は
二種以上をエンドキャッピング剤として反応させて、前
記開環共重合物をエンドキャッピングすることを特徴と
する。 (イ)クロロトリアルキルシラン、メトキシトリアルキ
ルシラン、エトキシトリアルキルシラン、ブロモトリア
ルキルシラン、ヘキサアルキルジシロキサン(但し、イ
群の各化合物におけるアルキルは、炭素数1〜4の直
鎖、分岐、環状のアルキルを表す。) まず、本発明の製造方法1に、必要に応じて用いられる
一般式(VI)に表される環状シリコーンは、例えば、下
記反応式1(化28)に示す様にジクロロジメチルシラ
ンをアルカリの存在下、縮合することにより得られる。
【0045】
【化28】
【0046】(但し、式中oは3〜6の整数を表す。)
【0047】また、一般式(IV)に表される環状シリコ
ーンは、例えば、下記反応式2(化29)に示す様に、
まずメチルヒドロジェンジクロロシランに、末端に二重
結合を有するフッ素原子以外の原子又はフッ素原子を含
まない原子団で置換されていてもよい炭素数2〜24の
炭化水素化合物を付加することにより炭化水素基置換メ
チルジクロロシランを得、さらにこれをアルカリの存在
下、縮合することによって作製することができる。な
お、反応式2においては、メチルヒドロジェンジクロロ
シランに付加させる化合物としてエチレンの水素原子の
1つがR6で示される炭化水素基に置換された化合物を
用いているが、この様な化合物以外でも上記付加反応に
影響を与えない範囲であれば、前記エチレン誘導体にお
いて他の3つの水素原子がフッ素原子以外の原子又はフ
ッ素原子を含まない原子団で置換されていてる化合物を
用いることも可能である。
【0048】
【化29】
【0049】(但し、式中pは3〜6の整数を表し、R
6はフッ素原子以外の原子もしくは、フッ素原子以外の
原子又はフッ素原子を含まない原子団で置換されていて
もよい炭素数1〜22の炭化水素基を表す。)
【0050】さらに、一般式(V)に表されるパーフル
オロアルキル基を有する環状シリコーンは、例えば、下
記反応式3(化30)に示す様に、まずメチルヒドロジ
ェンジクロロシランに、末端に炭素数1〜12の直鎖、
分岐、環状のパーフルオロアルキル基を有し、前記パー
フルオロアルキル基が結合したのと反対の末端に二重結
合を有する炭化水素化合物を付加することによりパーフ
ルオロアルキル基を有する炭化水素基置換メチルジクロ
ロシランを得、さらにこれをアルカリ存在下、縮合する
ことによって作製することができる。
【0051】
【化30】
【0052】(但し、式中qは3〜6の整数を表し、e
は0〜3の任意の整数を表し、Rf4は炭素数1〜12
の直鎖、分岐、環状のパーフルオロアルキル基を表
す。)
【0053】あるいは、一般式(IV)で表される環状シ
リコーンおよび一般式(V)で表される環状シリコーン
は、それぞれ下記反応式4(化31)および下記反応式
5(化32)に示される通り、トリクロロメチルシラン
と、それぞれ対応する炭化水素基のハロゲン化物あるい
はパーフルオロアルキル基を有する炭化水素基のハロゲ
ン化物から誘導したグリニャール試薬とを反応させて、
前記炭化水素基あるいはパーフルオロアルキル基を有す
る炭化水素基置換のメチルジクロロシラン体とし、これ
をアルカリ存在下で環状化させることによっても製造す
ることが可能である。
【0054】
【化31】
【0055】(但し、式中pは3〜6の整数を表し、X
4はハロゲン原子を表し、R7はフッ素原子以外の原子又
はフッ素原子を含まない原子団で置換されていてもよい
炭素数2〜24の炭化水素基を表す。)
【0056】
【化32】
【0057】(但し、式中qは3〜6の整数を表し、h
は0〜5の任意の整数を表し、X5はハロゲン原子を表
し、Rf5は炭素数1〜12の直鎖、分岐、環状のパー
フルオロアルキル基を表す。)
【0058】本発明のフッ素変性シリコーンの製造方法
1においては、この様にして得られる一般式(IV)に表
される環状シリコーンの少なくとも一種と、一般式
(V)に表される環状シリコーンの少なくとも一種とを
適当な割合で混合させた混合物を開環共重合させる。ま
たは、一般式(IV)に表される環状シリコーンの少なく
とも一種と、一般式(V)に表される環状シリコーンの
少なくとも一種と、一般式(VI)に表される環状シリコ
ーンとを適当な割合で混合させた混合物を開環共重合さ
せる。ここで、前記開環共重合に用いる各環状シリコー
ン化合物の混合割合については、例えば、相溶性と共に
撥水・撥油性をも有するフッ素変性シリコーンを得るた
めの上記各化合物の混合割合として、一般式(VI)に表
される化合物と一般式(IV)に表される化合物の合計量
と一般式(V)に表される化合物の量の割合がモル比で
50:1〜200:1となるような混合割合を挙げるこ
とができる。また、前記モル比はより好ましくは、7
5:1〜175:1であり、さらに好ましくは100:
1〜150:1である。
【0059】また、開環重合の方法は通常の方法によれ
ばよく、上記混合物を、例えば、トルエン、ベンゼン、
キシレン等の有機溶媒に溶解させ、これに、トリフルオ
ロメチル硫酸、硫酸、硝酸等の触媒を加え、必要に応じ
て加熱しながら、適当な時間反応させる。反応時間につ
いては、目的とする共重合体の分子量あるいは重合度に
より調整する。例えば、上記モル比の混合物を用いて、
使用勝手のよい重合度15〜3000程度の共重合体を
得るには、60〜180℃程度の反応温度で、概ね2〜
24時間反応を行わせればよい。また、上記共重合体の
より好ましい重合度の範囲は20〜2500程度であ
り、さらにに好ましい重合度の範囲として30〜200
0程度を挙げることができる。
【0060】本発明の製造方法1においては、その後、
前記時間が経過したところで、反応を停止させるために
反応液に上記イ群に示す化合物から選ばれる一種又は二
種以上をエンドキャッピング剤として添加し反応させ
て、前記開環共重合物をエンドキャッピングする。用い
られるエンドキャッピング剤は、上記イ群に示す通りで
あるが、イ群の各化合物におけるアルキルは、メチルで
あることが好ましく、これらのうちでもより好ましいエ
ンドキャッピング剤として、ヘキサメチルジシロキサ
ン、クロロトリメチルシラン等を挙げることができる。
【0061】本発明のフッ素変性シリコーンの製造方法
1は、上述の様な製造方法であって、ブロックコポリマ
ーを作製するのに好適である。さらに、上記本発明の製
造方法1により得られるフッ素変性シリコーンとして、
具体的には、上記一般式(I)で表されるようなフッ素
変性シリコーンを挙げることができる。
【0062】本発明のフッ素変性シリコーンの製造方法
のさらに別の1つ(以下、「本発明の製造方法2」とい
う)は、上記一般式(VII)に表される化合物と、必要
に応じて添加される一般式(VI)に表される化合物との
混合物を開環共重合させた後、得られる開環共重合物
に、下記イ群に示す化合物から選ばれる一種又は二種以
上をエンドキャッピング剤として反応させて、前記開環
共重合物をエンドキャッピングし、これにさらに下記一
般式(VIII)に表される化合物の少なくとも一種および
一般式(IX)に表される化合物の少なくとも一種を付加
反応させることを特徴とする。 (イ)クロロトリアルキルシラン、メトキシトリアルキ
ルシラン、エトキシトリアルキルシラン、ブロモトリア
ルキルシラン、ヘキサアルキルジシロキサン(但し、イ
群の各化合物におけるアルキルは、炭素数1〜4の直
鎖、分岐、環状のアルキルを表す。) 本発明の製造方法2に用いる一般式(VI)に表される環
状シリコーンは、上記製造方法1において説明した通り
である。また、一般式(VII)に表される環状シリコー
ンも、一般式(VI)に表される環状シリコーンと同様に
して、メチルヒドロジェンジクロロシランをアルカリの
存在下、縮合することにより得られる。
【0063】本発明のフッ素変性シリコーンの製造方法
2においては、上記一般式(VII)に表される環状シリ
コーンを、または一般式(VII)に表される環状シリコ
ーンと一般式(VI)に表される環状シリコーンとを適当
な割合で混合させた混合物を、開環共重合させる。開環
重合の方法は通常の方法によればよく、上記一般式(VI
I)に表される環状シリコーンや、これと一般式(VI)
に表される環状シリコーンとの混合物等の重合体原料
を、例えば、トルエン、ベンゼン、キシレン等の有機溶
媒に溶解させ、これに、トリフルオロメチル硫酸、硫
酸、硝酸等の触媒を加え、必要に応じて加熱しながら、
適当な時間反応させる。
【0064】反応時間については、目的とする共重合体
の重合度により調整する。例えば、上記重合体原料を用
いて、使用勝手のよい重合度15〜3000程度の共重
合体を得るには、60〜180℃程度の反応温度で、概
ね2〜24時間反応を行わせればよい。また、上記共重
合体のより好ましい重合度の範囲は20〜2500程度
であり、さらにに好ましい重合度の範囲として30〜2
000程度を挙げることができる。
【0065】本発明の製造方法2においては、その後、
前記時間が経過したところで、反応を停止させるために
反応液に上記イ群に示す化合物から選ばれる一種又は二
種以上をエンドキャッピング剤として添加し反応させ
て、前記開環共重合物をエンドキャッピングする。用い
られるエンドキャッピング剤は、上記イ群に示す通りで
あるが、イ群の各化合物におけるアルキルは、メチルで
あることが好ましく、これらのうちでもより好ましいエ
ンドキャッピング剤として、ヘキサメチルジシロキサ
ン、クロロトリメチルシラン等を挙げることができる。
【0066】本発明の製造方法2においては、上記の様
にして開環共重合物をエンドキャッピングし得られた共
重合体に、さらに、一般式(VIII)に表される化合物の
少なくとも一種および一般式(IX)に表される化合物の
少なくとも一種を付加反応させる。付加反応の方法につ
いては、通常の方法に従えばよく、例えば、上記共重合
体と一般式(VIII)に表される化合物、一般式(IX)に
表される化合物を白金塩酸等の触媒を用いて、加圧加熱
条件下で付加反応させればよい。
【0067】ここで、本発明のフッ素変性シリコーンの
製造方法2における、各環状シリコーン化合物の混合割
合および付加反応に用いる各不飽和化合物の混合割合に
ついては、例えば、相溶性と共に撥水・撥油性をも有す
るフッ素変性シリコーンを得るための上記各化合物の混
合割合として、一般式(VI)に表される環状シリコーン
と一般式(VII)に表される環状シリコーンの混合割合
をモル比でs:tとし、付加反応に用いる一般式(VII
I)に表される化合物量と一般式(IX)に表される化合
物量の割合をモル比でu:wとした場合、s+(t×u
/(u+w)):t×w/(u+w)の値が50:1〜
200:1、好ましくは75:1〜175:1、より好
ましくは100:1〜150:1となるような混合割合
を挙げることが可能である。
【0068】本発明のフッ素変性シリコーンの製造方法
2は、上述の様な製造方法であり、共重合体中に炭化水
素基とパーフルオロアルキル基を含む基がアトランダム
に配置されたコポリマーを製造するのに好適である。
【0069】さらに、この様な本発明の製造方法2によ
り得られるフッ素変性シリコーンとして、具体的には、
上記一般式(I)で表されるフッ素変性シリコーンのう
ち、一般式(III)のa1、a2、a3、・・・・、ay
2〜5の任意の整数であるフッ素変性シリコーンを挙げ
ることができる。
【0070】上記本発明の製造方法1および製造方法2
により得られる本発明のフッ素変性シリコーンのうち、
例えば、上記一般式(I)に表されるフッ素変性シリコ
ーン等のクロマトグラフィー用の溶剤と相溶性が良い化
合物は、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、アルミ
ナカラクロマトガラフィー等により容易に精製すること
ができる。また、これ以外にも上記本発明の製造方法に
より得られる本発明のフッ素変性シリコーンを減圧蒸留
などの通常の方法によって精製することが可能である。
【0071】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明するが、本発明
がこれら実施例のみに限定されることがないことは言う
までもない。
【0072】
【実施例1】300mlのジエチルエーテルに溶解した
1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6
−トリデカフルオロ−8−イオドオクタン50gとマグ
ネシウム3gから誘導したグリニャール試薬に、ドライ
アイスアセトン冷却下で、トリクロロメチルシラン20
gをジエチルエーテル100mlに溶解させた溶液を、
滴下して加えた。この混合液の温度を徐々に室温まで上
げて24時間反応させた。得られた反応液を水500m
l中に滴下し、50℃で1時間加水分解した。加水分解
反応液を冷却した後、これにジエチルエーテル500m
lを加え液液抽出を行い、ジエチルエーテル層を取り出
した。次いで、取り出したジエチルエーテル層を、希塩
酸、水で洗浄した後、硫酸マグネシウムを通して乾燥さ
せた。得られた液体を濃縮し、シリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(溶出溶媒;ノルマルヘキサン:ジエチル
エーテル=100:0→50:50)で精製して、下記
式(1a)で表される環状シリコーン1を29g得た。
この化合物の構造は、NMR、IR、質量分析を行うこ
とで確認された。
【0073】
【化33】
【0074】次に、メチルジクロロシラン50gとH2
PtCl6の0.1g、SnCl2・2H2Oの0.5g
を加熱還流させ、さらにこれにスチレン70gを滴下
し、80℃で24時間反応させた。得られた反応液を上
記環状シリコーン1と同様にして加水分解した後、精製
して下記式(2a)で表される環状シリコーン2を43
g得た。
【0075】
【化34】
【0076】また、ジクロロジメチルシラン50gを上
記環状シリコーン1と同様にして加水分解処理した後、
精製して下記式(3a)で表される環状シリコーン3を
24g得た。
【0077】
【化35】
【0078】上記で得られた環状シリコーン1の12
g、環状シリコーン2の5g、および環状シリコーン3
の2gを100mlのトルエンに溶解し80℃に加熱し
た。この混合溶液にトリフルオロメチル硫酸を触媒量加
え、8時間反応させた。その後、この反応液にさらにヘ
キサメチルジシロキサン1gを加え、エンドキャッピン
グした。この反応物を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥させ、溶媒を溜去した後、シリカゲルカラムクロマト
グラフィー(溶出溶媒、ヘキサン:ジエチルエーテル=
100:0→50:50)で精製して、下記式(1B)
で表されるシリコーン1を8g得た。得られたシリコー
ン1の構造の確認は、NMR、IRを測定することによ
り行われた。また、重合度は粘度を測定することにより
求めた。
【0079】
【化36】
【0080】
【実施例2】上記実施例1と同様にして環状シリコーン
1および環状シリコーン3を製造した。さらに、上記実
施例1において環状シリコーン2を製造したのと全く同
様にして、20gのメチルジクロロシランと30gの1
−デセンから下記式(4a)で表される環状シリコーン
4を16g製造した。
【0081】
【化37】
【0082】上記で得られた環状シリコーン1の10
g、環状シリコーン3の2g、環状シリコーン4の5g
を100mlのトルエンに溶解し、実施例1と同様に1
6時間処理した後、ヘキサメチルジシロキサンでエンド
キャッピングした。得られた反応物を水洗し、無水硫酸
ナトリウムで乾燥させ、溶媒を溜去した後、シリカゲル
カラムクロマトグラフィー(溶出溶媒、ヘキサン:ジエ
チルエーテル=100:0→50:50)で精製し、下
記式(2B)で表されるシリコーン2を5g得た。得ら
れたシリコーン2の構造の確認は、NMR、IRを測定
することにより行われた。また、重合度は粘度を測定す
ることにより求めた。
【0083】
【化38】
【0084】
【実施例3】上記実施例1と同様にして環状シリコーン
1および環状シリコーン3を製造した。さらに、上記実
施例1において環状シリコーン2を製造したのと全く同
様にして、シクロヘキセン10gとメチルジクロロシラ
ン20gより、下記式(5a)で表される環状シリコー
ン5を7g製造した。
【0085】
【化39】
【0086】上記で得られた環状シリコーン1の5g、
環状シリコーン3の1g、環状シリコーン5の7gを5
0mlのトルエンに溶解し、実施例1と同様にして4時
間処理した後、ヘキサメチルジシロキサンでエンドキャ
ッピングした。得られた反応物を水洗し、無水硫酸ナト
リウムで乾燥させ、溶媒を溜去した後、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(溶出溶媒、ヘキサン:ジエチル
エーテル=100:0→50:50)で精製し、下記式
(3B)で表されるシリコーン3を4g得た。得られた
シリコーン3の構造の確認は、NMR、IRを測定する
ことにより行われた。また、重合度は粘度を測定するこ
とにより求めた。
【0087】
【化40】
【0088】
【実施例4】上記実施例1と同様にして環状シリコーン
3を製造した。また、上記実施例1の環状シリコーン1
の製造において、1,1,1,2,2,3,3,4,
4,5,5,6,6−トリデカフルオロ−8−イオドオ
クタンの替わりにパーフルオロオクチルブロマイドを用
いた以外は全く同様にして、27gの下記式(6a)で
表される環状シリコーン6を製造した。
【0089】
【化41】
【0090】さらに、上記実施例1において環状シリコ
ーン2を製造したのと全く同様にして、1−テトラデセ
ン20gとメチルジクロロシラン20gより、下記式
(7a)で表される環状シリコーン7を16g製造し
た。
【0091】
【化42】
【0092】上記で得られた環状シリコーン3の2g、
環状シリコーン6の5g、環状シリコーン7の10gを
200mlのトルエンに溶解し、実施例1と同様にして
10時間処理した後、ヘキサメチルジシロキサンでエン
ドキャッピングした。得られた反応物を水洗し、無水硫
酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を溜去した後、シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒、ヘキサン:ジ
エチルエーテル=100:0→50:50)で精製し、
下記式(4B)で表されるシリコーン4を12g得た。
得られたシリコーン4の構造の確認は、NMR、IRを
測定することにより行われた。また、重合度は粘度を測
定することにより求めた。
【0093】
【化43】
【0094】
【実施例5】上記実施例1と同様にして環状シリコーン
1、環状シリコーン2および環状シリコーン3を製造し
た。また、上記実施例4と同様にして環状シリコーン7
を製造した。
【0095】この様にして得られた環状シリコーン1の
7g、環状シリコーン2の5g、環状シリコーン3の2
gおよび環状シリコーン7の10gを100mlのトル
エンに溶解し、実施例1と同様にして6時間処理した
後、ヘキサメチルジシロキサンでエンドキャッピングし
た。得られた反応物を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥させ、溶媒を溜去した後、シリカゲルカラムクロマト
グラフィー(溶出溶媒、ヘキサン:ジエチルエーテル=
100:0→50:50)で精製し、下記式(5B)で
表されるシリコーン5を6g得た。得られたシリコーン
5の構造の確認は、NMR、IRを測定することにより
行われた。また、重合度は粘度を測定することにより求
めた。
【0096】
【化44】
【0097】
【実施例6】上記実施例1と同様にして環状シリコーン
3を製造した。また、上記実施例1において環状シリコ
ーン2を製造したのと全く同様にして、3,3,4,
4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,
10,10−ヘプタデカフルオロ−1−デセン50gと
メチルジクロロシラン30gより、下記式(8a)で表
される環状シリコーン8を21g製造した。
【0098】
【化45】
【0099】さらに、上記実施例1の環状シリコーン1
の製造において、1,1,1,2,2,3,3,4,
4,5,5,6,6−トリデカフルオロ−8−イオドオ
クタン50gの替わりにモノクロロベンゼン30gを用
いた以外は全く同様にして、26gの下記式(9a)で
表される環状シリコーン9を製造した。
【0100】
【化46】
【0101】上記で得られた環状シリコーン3の2g、
環状シリコーン8の5g、環状シリコーン9の7gを5
0mlのトルエンに溶解し、実施例1と同様にして3時
間処理した後、ヘキサメチルジシロキサンでエンドキャ
ッピングした。得られた反応物を水洗し、無水硫酸ナト
リウムで乾燥させ、溶媒を溜去した後、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(溶出溶媒、ヘキサン:ジエチル
エーテル=100:0→50:50)で精製し、下記式
(6B)で表されるシリコーン6を3g得た。得られた
シリコーン6の構造の確認は、NMR、IRを測定する
ことにより行われた。また、重合度は粘度を測定するこ
とにより求めた。
【0102】
【化47】
【0103】
【比較例1】上記実施例1と同様にして環状シリコーン
1を製造した。得られた環状シリコーン1の7gを50
mlのトルエンに溶解させ、硫酸を加えて4時間反応さ
せた後、トリメチルクロロシランを加えて重合反応を停
止させた。得られた反応物を水洗し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥させ、溶媒を溜去した後、シリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(溶出溶媒、ヘキサン:ジエチルエー
テル=100:0→50:50)で精製して、下記式
(7B)で表される対照シリコーン1を5g得た。
【0104】
【化48】
【0105】
【比較例2】市販の100csのポリジメチルシロキサ
ンを対照シリコーン2とした。
【0106】
【比較例3】上記実施例6と同様にして環状シリコーン
8を製造した。得られた環状シリコーン8の12gを1
00mlのトルエンに溶解させ、硝酸を加えて4時間反
応させた後、ヘキサメチルジシロキサンを加えて重合反
応を停止させた。得られた反応物を水洗し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥させ、溶媒を溜去した後、シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(溶出溶媒、ヘキサン:ジエチ
ルエーテル=100:0→50:50)で精製して、下
記式(8B)で表される対照シリコーン3を7g得た。
【0107】
【化49】
【0108】
【比較例4】市販の100csポリメチルフェニルシロ
キサンを対照シリコーン4とした。
【0109】<本発明のフッ素変性シリコーンの評価>
上記各実施例および各比較例で得られた各種シリコーン
化合物を用いて、本発明のフッ素変性シリコーンの相溶
性、撥水性、耐油性を評価した。
【0110】(1)溶解性試験 上記各実施例で得られたシリコーン1〜5および上記比
較例1、2で得られた対照シリコーン1、2のそれぞれ
と、表1に示す各種溶剤との相溶性を調べた。即ち、溶
媒9部とシリコーン1部を撹拌し静置して1時間後に、
相溶性の判定を行った。結果を表1に示す。なお、表1
において、○は完全に溶け合い相溶性有り、×は2層に
分離し相溶性なしを示す。
【0111】
【表1】
【0112】この結果から明らかなように、本発明の製
造方法により得られたフッ素変性シリコーンは、ポリマ
ーにおける繰り返し単位がパーフルオロアルキル基を有
する単位のみで構成されるフッ素変性シリコーン(対照
シリコーン1)に比べて相溶性がよく、その相溶性はフ
ッ素を含有しないシリコーン(対照シリコーン2)と同
程度であることがわかる。
【0113】(2)撥水性試験 上記各実施例で得られたシリコーン1〜5および上記比
較例1、2で得られた対照シリコーン1、2について、
撥水処理作用を調べた。即ち、シリコーンを1重量%の
ノルマルヘキサン溶液となるように調製し、得られた溶
液をガーゼに含浸させた。その後、前記ガーゼを溶液か
ら取り出し乾燥させて溶媒を除去した後、洗濯機にて2
0回の洗浄を行った。20回洗浄後の上記各種シリコー
ン処理ガーゼの撥水性を、ガーゼ上に滴下した水滴の形
状により判定し、+:撥水性あり、±:撥水性ややあ
り、−:撥水性無しの基準で判定した。なお、対照シリ
コーン1については、これを上記濃度でノルマルヘキサ
ンに溶解させようとしたところ不溶物が残った。結果を
表2に示す。
【0114】
【表2】
【0115】この結果から明らかなように、本発明の製
造方法により得られたフッ素変性シリコーンは、フッ素
を含有しないシリコーン(対照シリコーン2)に比べて
優れた撥水性を有し、その撥水性はポリマーにおける繰
り返し単位がパーフルオロアルキル基を有する単位のみ
で構成されるフッ素変性シリコーン(対照シリコーン
1)と同程度によいことがわかる。
【0116】(3)撥水性、耐油性試験 上記実施例6で得られたシリコーン6および上記比較例
2〜4で得られた対照シリコーン2〜4について撥水
性、耐油性試験を行った。即ち、鉛黄とシリコーンを
1:1でフーバーマーラーで混練りし、ドクターブレー
ドでガラス板に塗布した。これに水を5分間流し、前記
塗膜の残り具合から撥水性を、+:撥水性あり、±:撥
水性ややあり、−:撥水性無しの基準で評価した。同様
にオリーブ油を5分間流し、前記塗膜の残り具合から耐
油性を、+:耐油性あり、±:耐油性ややあり、−:耐
油性無しの基準で評価した。結果を表3に示す。
【0117】
【表3】
【0118】この結果から明らかなように、本発明の製
造方法により得られたフッ素変性シリコーンは、フッ素
を含有しないシリコーン(対照シリコーン2、対照シリ
コーン4)とは異なり、ポリマーにおける繰り返し単位
がパーフルオロアルキル基を有する単位のみで構成され
るフッ素変性シリコーン(対照シリコーン3)と同様
に、撥水性、耐油性の両方に優れることがわかる。
【0119】
【発明の効果】本発明によれば、撥水・撥油性に優れる
と共に相溶性にも優れるフッ素変性シリコーンが得られ
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)に示されるフッ素変性
    シリコーン。 【化1】 (但し、式(I)中、Aは下記一般式(II)に表される
    基を表し、Bは下記一般式(III)に表される基を表
    し、lは0〜1500の任意の数値を表す。また、
    1、R3はそれぞれ独立して、炭素数1〜4の直鎖、分
    岐、環状のアルキル基を表す。) 【化2】 (但し、式(II)中、R21、R22、R23、・・・・、R
    2Xは、それぞれ独立してフッ素原子以外の原子又はフッ
    素原子を含まない原子団で置換されていてもよい炭素数
    2〜24の炭化水素基を表し、m1、m2、m3、・・・
    ・、mxは、それぞれ任意の数値を表し、m1+m2+m3
    +・・・・+mxは1〜1500である。また、xは1
    〜10の任意の整数である。) 【化3】 (但し、式(III)中、a1、a2、a3、・・・・、ay
    は、それぞれ独立して0〜5の任意の整数を表し、Rf
    11、Rf12、Rf13・・・・、Rf1yは、それぞれ独立
    して炭素数1〜12の直鎖、分岐、環状のパーフルオロ
    アルキル基を表し、n1、n2、n3、・・・・、nyは、
    それぞれ任意の数値を表し、n1+n2+n 3+・・・・
    +nyは1〜1500である。また、yは1〜5の任意
    の整数である。)
  2. 【請求項2】 下記一般式(IV)に表される化合物の少
    なくとも一種と、一般式(V)に表される化合物の少な
    くとも一種と、必要に応じて添加される一般式(VI)に
    表される化合物との混合物を開環共重合させた後、得ら
    れる開環共重合物に、下記イ群に示す化合物から選ばれ
    る一種又は二種以上をエンドキャッピング剤として反応
    させて、前記開環共重合物をエンドキャッピングするこ
    とを特徴とするフッ素変性シリコーンの製造方法。 (イ)クロロトリアルキルシラン、メトキシトリアルキ
    ルシラン、エトキシトリアルキルシラン、ブロモトリア
    ルキルシラン、ヘキサアルキルジシロキサン(但し、イ
    群の各化合物におけるアルキルは、炭素数1〜4の直
    鎖、分岐、環状のアルキルを表す。) 【化4】 (但し、式(IV)中pは3〜6の整数を表し、R4はフ
    ッ素原子以外の原子又はフッ素原子を含まない原子団で
    置換されていてもよい炭素数2〜24の炭化水素基を表
    す。) 【化5】 (但し、式(V)中qは3〜6の整数を表し、bは0〜
    5の任意の整数を表し、Rf2は炭素数1〜12の直
    鎖、分岐、環状のパーフルオロアルキル基を表す。) 【化6】 (但し、式(VI)中oは3〜6の整数を表す。)
  3. 【請求項3】 下記一般式(VII)に表される化合物
    と、必要に応じて添加される一般式(VI)に表される化
    合物との混合物を開環共重合させた後、得られる開環共
    重合物に、下記イ群に示す化合物から選ばれる一種又は
    二種以上をエンドキャッピング剤として反応させて、前
    記開環共重合物をエンドキャッピングし、これにさらに
    下記一般式(VIII)に表される化合物の少なくとも一種
    および一般式(IX)に表される化合物の少なくとも一種
    を付加反応させることを特徴とするフッ素変性シリコー
    ンの製造方法。 (イ)クロロトリアルキルシラン、メトキシトリアルキ
    ルシラン、エトキシトリアルキルシラン、ブロモトリア
    ルキルシラン、ヘキサアルキルジシロキサン(但し、イ
    群の各化合物におけるアルキルは、炭素数1〜4の直
    鎖、分岐、環状のアルキルを表す。) 【化7】 (但し、式(VII)中rは3〜6の整数を表す。) 【化8】 (但し、式(VI)中oは3〜6の整数を表す。) 【化9】 (但し、式(VIII)中、X1、X2、X3は、フッ素原子
    以外の原子を表し、R5はフッ素原子以外の原子もしく
    は、フッ素原子以外の原子又はフッ素原子を含まない原
    子団で置換されていてもよい炭素数1〜22の炭化水素
    基を表す。) 【化10】 (但し、式(IX)中dは0〜3の整数を表し、Rf3
    炭素数1〜12の直鎖、分岐、環状のパーフルオロアル
    キル基を表す。)
  4. 【請求項4】 下記一般式(IV)に表される化合物の少
    なくとも一種と、一般式(V)に表される化合物の少な
    くとも一種と、必要に応じて添加される一般式(VI)に
    表される化合物との混合物を開環共重合させた後、得ら
    れる開環共重合物に、下記イ群に示す化合物から選ばれ
    る一種又は二種以上をエンドキャッピング剤として反応
    させて、前記開環共重合物をエンドキャッピングして得
    られる請求項1記載のフッ素変性シリコーン。 (イ)クロロトリアルキルシラン、メトキシトリアルキ
    ルシラン、エトキシトリアルキルシラン、ブロモトリア
    ルキルシラン、ヘキサアルキルジシロキサン(但し、イ
    群の各化合物におけるアルキルは、炭素数1〜4の直
    鎖、分岐、環状のアルキルを表す。) 【化11】 (但し、式(IV)中pは3〜6の整数を表し、R4はフ
    ッ素原子以外の原子又はフッ素原子を含まない原子団で
    置換されていてもよい炭素数2〜24の炭化水素基を表
    す。) 【化12】 (但し、式(V)中qは3〜6の整数を表し、bは0〜
    5の任意の整数を表し、Rf2は炭素数1〜12の直
    鎖、分岐、環状のパーフルオロアルキル基を表す。) 【化13】 (但し、式(VI)中oは3〜6の整数を表す。)
  5. 【請求項5】 下記一般式(VII)に表される化合物
    と、必要に応じて添加される一般式(VI)に表される化
    合物との混合物を開環共重合させた後、得られる開環共
    重合物に、下記イ群に示す化合物から選ばれる一種又は
    二種以上をエンドキャッピング剤として反応させて、前
    記開環共重合物をエンドキャッピングし、これにさらに
    下記一般式(VIII)に表される化合物の少なくとも一種
    および一般式(IX)に表される化合物の少なくとも一種
    を付加反応させて得られる請求項1記載のフッ素変性シ
    リコーン。 (イ)クロロトリアルキルシラン、メトキシトリアルキ
    ルシラン、エトキシトリアルキルシラン、ブロモトリア
    ルキルシラン、ヘキサアルキルジシロキサン(但し、イ
    群の各化合物におけるアルキルは、炭素数1〜4の直
    鎖、分岐、環状のアルキルを表す。) 【化14】 (但し、式(VII)中rは3〜6の整数を表す。) 【化15】 (但し、式(VI)中oは3〜6の整数を表す。) 【化16】 (但し、式(VIII)中、X1、X2、X3は、フッ素原子
    以外の原子を表し、R5はフッ素原子以外の原子もしく
    は、フッ素原子以外の原子又はフッ素原子を含まない原
    子団で置換されていてもよい炭素数1〜22の炭化水素
    基を表す。) 【化17】 (但し、式(IX)中dは0〜3の整数を表し、Rf3
    炭素数1〜12の直鎖、分岐、環状のパーフルオロアル
    キル基を表す。)
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