JPH09226098A

JPH09226098A - 印刷検査方法とその装置並びに該装置用監視装置

Info

Publication number: JPH09226098A
Application number: JP8039889A
Authority: JP
Inventors: Hideyuki Hanabusa; 秀行花房; Masami Nishio; 正巳西尾
Original assignee: Futec Inc
Current assignee: Futec Inc
Priority date: 1996-02-27
Filing date: 1996-02-27
Publication date: 1997-09-02

Abstract

(57)【要約】【課題】本発明は、カラー印刷物の印刷位置ずれの良否
判定を自動的にかつ高い信頼性をもって行える印刷検査
装置を提供することにある。【解決手段】カラー印刷物Saの印刷見当マークＭを一定
画角で撮像するカラーテレビカメラ28と、前記マークに
ついての前記撮像信号を各インク色毎に弁別する色変換
回路52と、前記撮像信号を視覚化し静止画表示するカラ
ーテレビ40と、前記マークのカラー静止画が基準条件を
満たしている時に色変換回路52で弁別された各インク色
毎のインク色データをマスタデータとして保存するマス
タメモリ53と、前記データの保存後における前記マーク
の撮像信号を色変換回路52で弁別して得た各インク色毎
の披検査データを一時的に保存するメモリ54と、前記各
インク色毎マスタデータと各インク色毎の披検査データ
とを比較して各インク色毎の位置ずれ寸法を求める比較
・演算回路55とを具備したことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、複数の色インクで
カラー印刷する輪転印刷機や枚葉印刷機等の印刷装置で
印刷される印刷物の印刷品質を保証する印刷検査装置に
係り、特に、各インク色の印刷位置のずれ（色ずれ）を
自動的に検査できるようにした印刷検査方法とその装置
並びに該装置用監視装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】オフセット印刷装置やグラビア印刷装置
は、Ｙ（黄）のインク、Ｍ（マゼンタ）のインク、Ｃ
（シアン）のインク、Ｋ（黒）のインクを必ず使用する
基本インク色として採用して、カラー印刷を行うもので
ある。

【０００３】これらの印刷装置で作られる印刷物の印刷
位置ずれの検査は、刷り出し時においては、刷り出され
た印刷物を任意にオペレータの手作業で抜き取って、検
視台にて印刷物の幅方向一端部のみに付された印刷位置
ずれ検出用印刷部（言い換えれば、印刷見当マークであ
って、通常はトンボと称されており、一般的にはインク
色ごとに重ねて刷られる「十」の見当マークが採用され
ることが多い。）を、ルーペ等を用いて目視チェックす
ることで行っている。

【０００４】そして、こうした刷り出し検査後における
本刷り時においては、印刷ラインのデリバリー側に設置
した監視用カラーテレビカメラにより、所定時間ごとに
前記トンボをストロボ発光下で瞬間撮像し、そのカラー
撮像信号をモニタ用カラーディスプレイで視覚化してカ
ラー静止画として拡大表示し、その静止画を目視チェッ
クすることにより、印刷位置ずれの良否を判定してい
る。一般に、印刷位置ずれ（色ずれ）は 100μｍ以内で
あれば許容され、色ずれが 100μｍ以上ある場合には印
刷の輪郭がぼやけて見えるので、印刷不良との判断がオ
ペレータにより下されるようになっている。

【０００５】また、印刷位置ずれの検査ではないが、本
刷り時の印刷の良否を知るために、次のような印刷監視
装置も知られている。この監視装置は、印刷ラインのデ
リバリー側に設置した監視用カラーテレビカメラにズー
ム機構付きのものを採用するとともに、このカメラを、
印刷物の幅方向に延びて設置されたトラバースレールに
沿って移動可能に取付けている。そして、手動操作によ
り任意のトラバース位置に前記カメラを移動させるとと
もに、ズーム機構をリモコン操作により所望とする画角
にして、印刷面をストロボ発光下で瞬間撮像し、そのカ
ラー撮像信号をモニタ用カラーディスプレイで視覚化し
てカラー静止画として拡大表示している。したがって、
このカラー静止画を目視チェックすることにより、印刷
の良否をオペレータにおいて判断させるようになってい
る。

【０００６】同様に印刷位置ずれの検査ではないが、検
出された欠点をカラー表示するための欠点検査装置も知
られている。この検査装置は、欠点検出用テレビカメラ
で印刷物を幅方向に走査し、このカメラからの欠点撮像
信号を欠点検出装置で処理して、印刷物中に欠点がある
かないかを検出するとともに、その検出された欠点が印
刷物の幅方向のどの位置にあるのかを測定する。そし
て、欠点検出用テレビカメラよりも印刷物の移動方向下
流側に配置された監視装置に前記欠点の位置情報を与え
て、この監視装置が有したズーム機能付きの監視用カラ
ーテレビカメラをトラバース動作させて検出された欠点
が通過する予定位置に移動させ、このカメラにより前記
検出された欠点を前記予定位置においてストロボ発光下
で瞬間撮像し、そのカラー撮像信号をモニタ用カラーデ
ィスプレイで視覚化してカラー静止画として拡大表示し
ている。したがって、このカラー静止画を目視チェック
することにより、検出された欠点をオペレータが監視モ
ニタリングできるようになっている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】前記のように従来行わ
れている印刷位置ずれの検査は、検視によるものは問題
外としてもモニタ用カラーディスプレイに表示されるカ
ラー静止画をオペレータがモニタリングして、このオペ
レータの判断により印刷位置ずれの良否判定をしている
ものであった。また、カラーテレビカメラを印刷物の幅
方向にトラバースさせて、印刷または検出された欠点を
カラー静止画にしてモニタリングする前記印刷監視装置
または前記欠点検査装置は、そのカラーテレビカメラの
トラバース範囲を変更すれば、印刷位置ずれ検出用の印
刷見当マークを撮像して、それをカラー静止画表示する
ことも可能であると考えられるが、その場合においても
印刷位置ずれの良否判定はオペレータの判断に委ねられ
ることに変わりがない。

【０００８】しかし、こうした判定においては、同じオ
ペレータであってもその感性による影響が定期的に実施
される良否判定に大きく反映するだけではなく、各イン
ク色の位置ずれ寸法の計測をしていないから具体的な印
刷位置ずれの状況を正確に知ることができず、そのため
に、印刷位置ずれの良否判定の信頼性が低いという問題
がある。

【０００９】なお、前記印刷監視装置または前記欠点検
査装置により印刷見当マークを撮像する構成を仮定した
場合、これらの装置が備えるカラーテレビカメラは、印
刷見当マークを撮像する直前に設定されたズームミング
の拡大倍率にしたがって印刷見当マークを撮像すること
になるので、その撮像のたびに異なる拡大倍率で撮像さ
れる可能性が極めて高く、また、欠点と印刷見当マーク
では大きさに格段の差があるので、必然的に拡大倍率を
変える必要がある。しかし、このように画角の大きさが
異なるものでは、モニタ用カラーディスプレイ上のカラ
ー静止画をもとに各インク色の印刷位置ずれを寸法計測
しようとする場合に、その基準を確保できない。

【００１０】したがって、本発明が解決しようとする第
１の課題は、カラー印刷物の印刷位置ずれの良否判定を
自動的にかつ高い信頼性をもって行える印刷検査方法と
その装置を提供することにある。

【００１１】また、既述のように従来の印刷位置ずれの
良否判定は、印刷物の幅方向一端部のみに設けられた印
刷見当マークをモニタ用カラーディスプレ上で目視して
行っているだけであって、印刷物の幅方向他端側での印
刷位置ずれの良否判定は、前記印刷監視装置などで得る
印刷のカラー静止画の目視に委ねられているから、この
判定は実際上はしていないに等しいものである。

【００１２】したがって、グラビア印刷で多くみられる
ように輪転印刷用原紙の両端部での伸びが異なる場合
や、印刷が施される輪転印刷用原紙の各部厚みが均一で
はなく厚み方向に厚み差がある場合等において、前記他
端側に印刷位置ずれ不良が発生した場合には、甚だしく
は、折角印刷した印刷物の幅方向他端側半分の印刷が不
良となってしまう可能性が高い。また、以上のように厚
み差があると印刷物がスキューし易くなるが、こうした
スキュー発生情報を得ることもできないという問題があ
る。

【００１３】したがって、本発明が解決しようとする第
２の課題は、前記第１の課題を解決しつつ、印刷位置ず
れによる印刷不良の発生を少なくする上で有効な印刷位
置ずれ情報を得ることができるとともに、印刷物のスキ
ュー発生情報も得ることができる印刷検査装置を提供す
ることにある。

【００１４】ところで、前記従来の印刷位置ずれの検査
は既述のように印刷見当マークの監視装置に他ならな
い。また、印刷部のみを監視する前記印刷監視装置は、
欠点を検出し監視する機能を備えていない。さらに、前
記欠点検査装置は欠点のみを監視するものであって、印
刷見当マークを監視することはできない。

【００１５】しかし、カラー印刷を行う上では、印刷位
置ずれの良否判定も自動検出された欠点の良否判定も共
に重要であり、これらの両方を満たすためには、夫々の
装置を個別に設けなければならず、設備上の負担が大き
くなるという問題がある。

【００１６】したがって、本発明が解決しようとする第
３の課題は、前記第１の課題を達成しつつ、少ない設備
負担で自動検出された欠点の良否判定も行える印刷検査
装置を提供することにある。

【００１７】また、本発明が解決しようとする第４の課
題は、印刷位置ずれの良否判定と自動検出された欠点の
良否判定とのための監視情報を検出するのに適する印刷
検査装置用監視装置を提供することにある。

【００１８】

【課題を解決するための手段】前記第１の課題を解決す
るために、請求項１の発明方法は、複数の色インクでカ
ラー印刷された印刷物に前記各インクで付された印刷位
置ずれ検出用の注目印刷部を、一定の画角の監視用カラ
ーテレビカメラで撮像し、このカメラからだされるカラ
ー撮像信号を各インク色ごとに弁別し、その内の少なく
とも最初に印刷されたインクについてのインク色データ
をマスタデータとし、次に、検査しようとする前記注目
印刷部について前記カメラで得たカラー撮像信号を各イ
ンク色ごとに弁別して各インク色ごとの被検査データを
作った後、これら被検査データを前記マスタデータと比
較して各インク色ごとの印刷位置ずれ寸法を求めること
を特徴としている。

【００１９】この請求項１の発明方法においては、検査
しようとする注目印刷部についてのカラー撮像信号を各
インク色ごとに弁別して各インク色ごとの被検査データ
を得て、これら被検査データをマスタデータと比較する
ので、各インク色ごとの基準位置に対する印刷位置ずれ
を検出できるとともに、両データとも一定画角の同一カ
ラーテレビカメラで撮像したカラー撮像信号を処理して
得るから、前記比較の基準を確保でき、各インク色ごと
の印刷位置ずれ寸法を求めることができる。

【００２０】同様に前記第１の課題を解決するために、
請求項２の発明装置は、複数の色インクでカラー印刷さ
れた印刷物に前記各インクで付された印刷位置ずれ検出
用の注目印刷部を一定の画角で撮像する監視用カラーテ
レビカメラと、前記注目印刷部についての前記カメラの
カラー撮像信号を各インク色ごとに弁別する色変換手段
と、前記カラー撮像信号を視覚化し静止画表示するモニ
タ用カラーディスプレイと、このディスプレイ上の前記
注目印刷部のカラー静止画が基準条件を満たしていると
きに前記色変換手段で弁別された各インク色ごとのイン
ク色データをマスタデータとして取込んで保存するマス
タ記録手段と、前記マスタデータの保存後において前記
注目印刷部を撮像した前記カラーテレビカメラから出さ
れるカラー撮像信号を前記色変換手段で弁別して得た各
インク色ごとの披検査データを取込んで一時的に保存す
るＹＭＣＫ記録手段と、前記各インク色ごとのマスタデ
ータと各インク色ごとの披検査データとを比較して各イ
ンク色ごとの印刷位置ずれ寸法を求める比較・演算手段
とを具備したものである。

【００２１】この請求項２の発明において、監視用カラ
ーテレビカメラは、カラー印刷物に付された印刷位置ず
れ検出用の注目印刷部を撮像する。この撮像は常に一定
の画角で行われ、それにより、後述の比較・演算の際に
おける計測基準を確保する。注目印刷部には、各インク
により印刷物の幅方向の端部に印刷される印刷見当マー
ク、或いはこれに代えて印刷部の一部であってすべての
インクを用いて印刷された特徴的な印刷部分が利用され
る。

【００２２】色変換手段は、これに供給される前記カメ
ラからのカラー撮像信号を、インク色ごとに弁別する。
この弁別は、注目印刷部のＲＧＢ画像情報がどのインク
色で作られているのかということを区分けする色分解を
行うものである。モニタ用カラーディスプレイは、前記
カメラからのカラー撮像信号を視覚化して、その画面上
にカラー静止画として表示する。マスタ記録手段は、カ
ラー静止画が基準条件を満たしているとき、つまり印刷
位置ずれが実質的にないと認められるときに、前記色分
解された各インク色ごとのインク色データをマスタデー
タとして取込んで保存する。

【００２３】ＹＭＣＫ記録手段は、前記カラー撮像信号
を色変換手段で弁別して得た各インク色ごとの被検査デ
ータを、例えば次の非検査データが供給されるまで一時
的に保存する。比較・演算手段は、各インク色ごとの前
記マスタデータとこれらに個別に対応する各インク色ご
との被検査データとを比較するとともに、各インク色ご
との印刷位置ずれ寸法を計測する演算を行う。

【００２４】したがって、この印刷検査装置において
は、一定の画角で監視用カラーテレビカメラにより撮像
した注目印刷部についてのカラー撮像信号がモニタ用カ
ラーディスプレイにカラー静止画として表示されるか
ら、この静止画を視認することにより注目印刷部に印刷
位置ずれがあるかどうかを目視チェックできる。一方、
前記カラー撮像信号、言い換えれば、ＲＧＢ画像情報は
色変換手段にも供給されるから、この変換手段での弁別
作用で、注目印刷部が各インク色ごと分解される。そし
て、オペレータによる前記目視チェックの結果、それが
マスタデータとして評価できる基準条件を満たしている
場合には、オペレータによる指示操作に伴って、前記基
準条件を満たしたカラー撮像信号を各インク色ごとに弁
別して得た各インク色データが、後述の比較の基準とな
るマスタデータとしてマスタ記録手段に取込まれて保存
される。

【００２５】こうした刷り出し時におけるマスタデータ
の保存後に本刷りに移行し、それにより、印刷された印
刷物についても前記カラーテレビカメラで注目印刷部が
撮像され、そのカラー撮像信号が色変換手段で弁別され
て各インク色ごとの被検査データが形成される。これら
各インク色ごとの被検査データはＹＭＣＫ記録手段に、
次の被検査データが供給されるまで一時的に保存され
る。

【００２６】そして、この被検査データとマスタデータ
とは、夫々比較・演算手段に読み込まれる。ここにおい
て、各インク色ごとに比較、つまり、比較の基準をなし
たマスタデータとそれに対応するインク色データとが夫
々比較されるとともに、その比較に基づいてマスタデー
タに対して比較されたインク色データの印刷位置のずれ
寸法が演算により求められる。

【００２７】したがって、この印刷検査装置は、印刷物
の注目印刷部を印刷した複数のインク色ごとに、その各
インクが基準の印刷位置に対してどの方向にどれだけ位
置がずれているのかということを自動的に判定できる。
この判定における基準は、マスタデータおよび各インク
色データを得るためのカラーテレビカメラの画角が一定
であることから、以上判定のたびに変わることがない。

【００２８】また、前記第２の課題を解決するために、
請求項３の発明装置は、前記監視用カラーテレビカメ
ラ、色変換手段、マスタ記録手段、ＹＭＣＫ記録手段、
および比較・演算手段を備えた第１、第２の印刷検査系
統を具備し、そのうちの前記第１印刷検査系統が備える
前記カラーテレビカメラを、前記印刷物の幅方向一端部
に付された前記注目印刷部を撮像できる位置に配置し、
前記第２印刷検査系統が備える前記カラーテレビカメラ
を、前記印刷物の幅方向他端部に付された前記注目印刷
部を撮像できる位置に配置したものである。

【００２９】この請求項３の発明の第１、第２の印刷検
査系統は、夫々監視用カラーテレビカメラ、色変換手
段、マスタ記録手段、ＹＭＣＫ記録手段、および比較・
演算手段を備えており、これらの系統構成要素は請求項
２の発明の印刷検査装置と同一の作用をなすので、この
請求項３の発明においても第１の課題を解決できる。そ
の上、第１印刷検査系統が印刷物の幅方向一端部に付さ
れた注目印刷部を検査し、第２印刷検査系統が印刷物の
幅方向他端部に付された注目印刷部を検査するから、印
刷物の幅方向両端部について各インク色ごとの印刷位置
ずれの良否判定ができる。

【００３０】こうした印刷物の幅方向両端部での印刷位
置ずれの良否判定により、輪転印刷用原紙の幅方向の伸
びが異なる場合や、印刷が施される輪転印刷用原紙の各
部厚みが均一ではなく厚み方向に厚み差がある場合等に
おいて、前記他端側に印刷位置ずれ不良が発生したり、
前記厚み差にもとづいて印刷物がスキューしたりするこ
とに伴って、そうした情報を得ることができるから、そ
の検出情報を利用して印刷位置ずれや印刷物のスキュー
を回避させる対策を早期に採らせることができる。

【００３１】また、前記第３の課題を解決するために、
請求項４の発明装置は、複数の色インクでカラー印刷さ
れた印刷物が搬送される欠点検出位置を視野として配置
され、前記欠点検出位置に搬送された前記印刷物を幅方
向に走査する欠点検出用テレビカメラと、このテレビカ
メラから供給される欠点撮像信号を処理して前記印刷物
の印刷の良否を判定するとともに、欠点があると判定し
たときに、この欠点の前記印刷物の幅方向の位置を計測
する欠点検出装置と、前記欠点検出位置よりも前記印刷
物の搬送方向下流側に定められた欠点監視位置を視野と
して配置され、前記印刷物の全幅以上の長さに渡って前
記印刷物の幅方向に移動自在に設けられた監視用カラー
テレビカメラを有し、前記欠点検出装置から供給される
欠点の位置情報にしたがって前記監視用カラーテレビカ
メラを前記欠点が通過する予定位置に移動させて、この
カメラにより前記欠点が前記予定位置を通過する際にこ
の欠点を含む所定領域を拡大撮像するとともに、定期的
に前記監視用カラーテレビカメラを前記印刷物に付され
た印刷位置ずれ検出用の注目印刷部が通過する位置ずれ
検出予定位置に移動させて、このカメラにより前記注目
印刷部が前記位置ずれ検出位置を通過する際に前記注目
印刷部を含む所定領域を拡大撮像する監視装置と、前記
監視用カラーテレビカメラからのカラー撮像信号を視覚
化しカラー静止画としてモニタ用ディスプレイに表示す
るカラー静止画表示装置と、前記注目印刷部についての
カラー撮像信号を処理して印刷位置のずれを計測する印
刷見当評価装置とを具備し、前記監視装置が、監視用カ
ラーテレビカメラと、このカメラと組み合わされて前記
欠点を高解像度で撮像する少なくとも一つの固定焦点の
第１レンズと、前記カラーテレビカメラと組み合わされ
て前記注目印刷部を拡大撮像する一つの固定焦点の第２
レンズと、これらのレンズを選択させるレンズ交換機構
とを有してなることを特徴とするものである。

【００３２】この請求項４の発明において、欠点検出用
テレビカメラは、印刷欠点検出位置に搬送された印刷物
を幅方向に走査して欠点撮像信号として欠点検出装置に
供給する。この検出装置は、欠点撮像信号を処理して印
刷中の欠点を検出し、その良否判定を行うだけではな
く、その欠点が印刷物の幅方向の度の位置にあるのかを
計測して欠点の位置情報を得る。

【００３３】印刷物の幅方向に移動自在な監視用カラー
テレビカメラは、そのレンズ交換機構により第１レンズ
を選択した時には、このレンズを通して欠点検出装置で
検出された欠点を撮像する。この撮像において、カラー
テレビカメラは先に検出された欠点の位置情報にしたが
って、その欠点が通過する予定位置に予め移動して、そ
の位置において欠点を撮像するとともに、その撮像にお
ける画角は高解像度を得るように固定焦点をもって予め
定められている。しかし、第１レンズが複数ある場合に
は夫々に応じた高解像度を選択できる。

【００３４】また、前記カラーテレビカメラは、定期的
にそのレンズ交換機構により第２レンズを選択し、注目
印刷部が通過する予定位置に予め移動して、その位置に
おいて第２レンズを通して注目印刷部を撮像する。この
撮像における画角は必要な解像度を得るように固定焦点
をもって予め定められているので、後述の印刷評価の際
における計測基準を確保できる。注目印刷部には、各イ
ンクにより印刷物の幅方向の端部に印刷される印刷見当
マーク、或いはこれに代えて印刷部の一部であってすべ
てのインクを用いて印刷された特徴的な印刷部分が利用
される。

【００３５】カラー静止画表示装置は、監視用カラーテ
レビカメラから供給されるカラー撮像信号をカラー静止
画としてモニタ用カラーディスプレイに表示する。した
がって、この装置のディスプレイには欠点についてのカ
ラー画像が高解像度で拡大して静止画表示される。

【００３６】印刷見当評価装置は、前記カラーテレビカ
メラか供給される注目印刷部についてのカラー撮像信号
を処理して、印刷位置のずれを計測する。したがって、
この請求項４の発明では、定期的に監視装置の第２レン
ズを通して注目印刷部を撮像し、そのカラー撮像信号を
印刷見当評価装置で処理して印刷位置ずれを自動的に計
測できる。また、こうした印刷位置ずれの計測の合間に
欠点検出用テレビカメラで得た欠点撮像信号を欠点検出
装置で処理して欠点を自動検出し、その欠点を監視装置
の第１レンズを通して撮像して、それをカラー製糸画表
示装置によりそのモニタ用ディスプレイにカラー静止画
として高解像度で拡大表示するから、前記ディスプレイ
において自動検出された欠点のカラー静止画像を視認で
きる。

【００３７】このように請求項４の発明においては、同
じ監視装置およびカラー静止画装置を共用して、自動的
に検出された欠点をカラー静止画にして視認させ得ると
ともに、印刷見当マーク等の注目印刷部の監視および印
刷位置ずれの寸法計測とを行うことができる。

【００３８】また、同様に前記第３の課題を解決するた
めに、請求項５の発明装置は、前記印刷見当評価装置
が、前記注目印刷部についての前記監視用カラーテレビ
カメラのカラー撮像信号を各インク色ごとに弁別する色
変換手段と、前記監視用カラーディスプレイ上の前記注
目印刷部のカラー静止画が基準条件を満たしているとき
に前記色変換手段で弁別された各インク色ごとのインク
色データをマスタデータとして取込んで保存するマスタ
記録手段と、前記マスタデータの保存後において前記注
目印刷部を撮像した前記カラーテレビカメラから出され
るカラー撮像信号を前記色変換手段で弁別して得た各イ
ンク色ごとの披検査データを取込んで一時的に保存する
ＹＭＣＫ記録手段と、前記各インク色ごとのマスタデー
タと各インク色ごとの披検査データとを比較して各イン
ク色ごとの印刷位置ずれ寸法を求める比較・演算手段と
を具備してなることを特徴としている。

【００３９】この請求項５の印刷見当評価装置の各構成
要素である色変換手段、マスタ記録手段、マスタデー
タ、ＹＭＣＫ記録手段、および比較・演算手段は、いず
れも前記請求項２の発明における同一名称のものと同じ
作用をなす。

【００４０】したがって、この請求項５における印刷見
当評価装置で計測される印刷位置ずれは、既述のように
注目印刷部についてのカラー撮像信号をインク色ごとに
色分解して得た被検査データと、それ以前に同様にして
適正な注目印刷部についてのカラー撮像信号をインク色
ごとに色分解して得てマスタ記録手段に保存されたマス
タデータとを、夫々比較・演算手段に読み込んで、ここ
において、各インク色ごとに比較、つまり、基準となる
マスタデータとそれに対応するインク色データとが夫々
比較されるとともに、その比較に基づいてマスタデータ
に対して比較されたインク色データの印刷位置のずれ寸
法を演算により求めることができる。

【００４１】そのため、この印刷見当評価装置を備える
印刷検査装置は、注目印刷部をなす複数のインク色ごと
に、その各インクが基準の印刷位置に対してどの方向に
どれだけ位置がずれているのかということを自動的に判
定できる。この判定における基準は、以上のようにマス
タデータおよび各インク色データを得るためのカラーテ
レビカメラの画角が一定であることから、判定のたびに
変わることがない。

【００４２】また、前記第４の課題を解決するために、
請求項６の発明装置は、監視用カラーテレビカメラ、搬
送される印刷物に付された主印刷領域中の欠点を前記カ
ラーテレビカメラと組み合わされて高解像度で拡大撮像
する少なくとも一つの固定焦点の第１レンズ、前記印刷
物に付された印刷位置ずれ検出用注目印刷部を前記カラ
ーテレビカメラと組み合わされて拡大撮像する一つの固
定焦点の第２レンズ、およびこれらレンズを選択させる
レンズ交換機構を有した監視カメラユニットと、前記印
刷物の全幅以上の長さを有して前記印刷物の幅方向に伸
びて配置されるとともに前記カメラユニットを摺動自在
に支持するトラバースレールを有し、このレールに沿っ
て前記カメラユニットを移動させるトラバース機構と、
前記監視用カラーテレビカメラおよび前記レンズ交換機
構並びに前記トラバース機構を制御する監視制御部とを
具備したものである。

【００４３】この請求項６の発明において、トラバース
機構は、そのトラバースレールに支持された監視カメラ
ユニットを、監視位置に搬送された印刷物の幅方向に沿
ってトラバースさせて、前記ユニットが備える監視用カ
ラーテレビカメラによる印刷物のカラー撮像を可能にす
る。監視制御部はトラバース機構を制御して、監視カメ
ラユニットを、そのカラーテレビカメラが自動検出され
た印刷物の欠点を撮像できる位置にトラバース移動させ
るとともに、定期的にカラーテレビカメラが印刷位置ず
れ検出用の注目印刷部を撮像できる位置にトラバース移
動させる。また、監視制御部は、監視カメラユニットの
レンズ交換機構を制御して、欠点を監視する場合には第
１レンズがカラーテレビカメラに組み合わされるように
レンズ交換させるとともに、注目印刷部を監視する場合
には第２レンズがカラーテレビカメラに組み合わされる
ようにレンズ交換させる。また、監視制御部は、カラー
テレビカメラの撮像動作を制御して夫々のトラバース位
置において欠点または注目印刷部を拡大撮像させる。

【００４４】したがって、この監視装置は、不定期に自
動検出される印刷物の欠点を撮像できるとともに、定期
的に注目印刷部を撮像でき、また、これらの撮像におい
てピント合わせ動作が不要であり、欠点および注目印刷
部の夫々異なる大きさに適合する拡大倍率でこれらを拡
大撮像できる。

【００４５】

【発明の実施の形態】以下、図１〜図７を参照して本発
明の第１の実施の形態を説明する。図１中１は例えばグ
ラビア輪転印刷をする印刷装置であり、これは第１〜第
４の印刷部を２〜５を備えている。これら印刷部２〜５
は、いずれも版胴６と、これに転接されたゴム胴７と、
このゴム胴７に転接された圧胴８とを有しており、その
ゴム胴７と圧胴８との間に印刷紙Ｓが通されることによ
ってカラー印刷が印刷紙Ｓに施される。

【００４６】印刷紙Ｓは印刷装置１のフィーダー部１ａ
に配置された給紙機９から繰り出される。この給紙動作
により印刷紙Ｓは、はじめに第１印刷部２に通された
後、第２〜第４の印刷部３〜５に次々に通されてから、
印刷装置１のデリバリー部１ｂに配置された排紙機１０
に排出されて例えば巻き取られるようになっている。ま
た、各印刷部２〜５の印刷色の分担は、例えば第１印刷
部２がＫ（黒）のインクを用いて印刷を分担し、第２印
刷部３がＣ（シアン）のインクを用いて印刷を分担し、
第３印刷部４がＭ（マゼンタ）のインクを用いて印刷を
分担し、第４印刷部５がＹ（黄）のインクを用いて印刷
を分担するものである。

【００４７】各印刷部２〜５の版胴６に着脱可能に巻き
付けられる図示しない印刷版は、印刷位置ずれ検出用の
注目印刷部としての印刷見当マーク（図３中符号Ｍ参
照）を印刷するためのマーキング部分を有し、この第１
の実施の形態においては主印刷領域から外れて幅方向両
端部に夫々前記マーキング部分を設けてなるものが採用
されている。なお、この左右のマーキング部分は後述の
トラバース機構の配置の関係に合わせて印刷紙Ｓの搬送
方向に多少ずらして設けられている。

【００４８】したがって、この印刷装置１においては、
図３に示されるように印刷紙Ｓの幅方向両端部に夫々例
えば「十文字」状の印刷見当マークＭが印刷され、これ
らの間の主印刷領域に所定の印刷（図３では「Ａ」なる
文字で代表されている。）が施されるようになってい
る。そして、各印刷部２〜５は夫々のインクで印刷見当
マークＭを印刷し、印刷位置ずれがない場合には同一箇
所に印刷見当マークＭが重なって印刷され、位置ずれが
ある場合には先に印刷された色の印刷見当マークＭに対
して後に印刷される他の色インクの印刷見当マークＭが
前後左右のいずれかの方向にずれて印刷されるものであ
る。

【００４９】図１に示されるように印刷装置１には各印
刷部２〜５の夫々に対応して印刷見当センサ１１〜１４
が設けられている。これらのセンサ１１〜１４は、対応
する印刷部２〜５において印刷見当マークＭが刷れられ
るたびに、或いはこのマークＭを検出するたびに見当セ
ンサ信号を出力する。

【００５０】これらのセンサ信号は、後述の印刷見当評
価装置５１に供給されて印刷紙Ｓの搬送方向の位置情報
（Ｙアドレス）を得るために使用されるとともに、印刷
コントローラ１５にも供給される。印刷機コントローラ
１５は、印刷装置１の印刷動作等全般に渡る制御を行
う。しかも、このコントローラ１５は、それに供給され
た印刷見当センサ１１〜１４の信号に基づいて、印刷位
置ずれの補正を必要とした際に各圧胴８の回転速度を変
化させる制御指令を印刷装置１に与え、それにより、印
刷紙Ｓの搬送速度を調整して各印刷部間での印刷位置ず
れを少なくするようにもなっている。

【００５１】印刷装置１のデリバリ部１ｂには、この第
１の実施の形態に係る印刷検査装置が備える欠点検出用
テレビカメラ２１と、後述の監視装置２４とが夫々設置
されている。印刷検査装置は印刷装置により印刷される
印刷物について印刷インライン検査を行うものである。

【００５２】テレビカメラ２１は、すべての印刷が施さ
れた印刷紙（印刷物Ｓａ）が搬送されてくる欠点検出位
置を視野として、前記印刷物Ｓａの印刷面と対向して配
置されていて、この印刷物Ｓａをその搬送方向と直交す
る幅方向に沿って走査する。このカメラ２１は必要な解
像度を得るとともに印刷物Ｓａの全幅を走査するため通
常は印刷物Ｓａの幅方向に複数台並設される。テレビカ
メラ２１の受光部には一次元のＣＣＤイメージセンサ
（ＣＣＤラインイメージセンサとも、或いはＣＣＤリニ
アアレーイメージセンサとも称される。）が採用されて
いる。なお、テレビカメラ２１の視野は図示しない照明
装置により照明されるようになっている。

【００５３】このカメラ２１の受光部は例えばモノクロ
の欠点撮像信号を出力する。この欠点撮像信号は、ゲイ
ン補正回路２２を介して欠点検出装置２３に供給され、
この装置２３が有する電子回路で処理される。正規化手
段としてのゲイン補正回路２２は、撮影レベルの利得変
動を相殺して撮像信号のレベルを適正化する処理を行
う。

【００５４】欠点検出装置２３は印刷物Ｓａの主印刷領
域に印刷された印刷の良否判定をするとともに、この判
定により印刷面中に欠点（図３中にＢ、Ｃで代表して示
し、欠点Ｂは跳ね飛んだインク、欠点Ｃは印刷の欠けで
ある。）があると判定したときに、この欠点の印刷物Ｓ
ａの幅方向の位置を計測するものである。

【００５５】そのために、この検出装置２３は、例えば
輪郭抽出回路と、第１、第２の欠点認識部と、第１、第
２の欠点判定回路とを、欠点位置計測回路とを備えてい
る。輪郭抽出回路はゲイン補正された前記撮像信号を取
込んで、この信号の変化を強調し、それにより画像の輪
郭パターンを抽出する。

【００５６】第１欠点認識部は、良品に係る印刷物につ
いて抽出された輪郭パターンが供給されるとともに、そ
れをマスタパターンとして保存する第１マスタパターン
メモリと、検査しようとする印刷物について抽出された
輪郭パターンが供給されて、その輪郭パターンを拡大し
て搬送精度の多少の誤差等を吸収できるようにした被検
査パターンを形成する第１パターン拡大回路と、前記マ
スタパターンと被検査パターンとを比較照合する第１パ
ターンマッチング回路とを有している。この認識部は、
被検査パターンが図４中Ｃに示されるような欠け性の欠
点を有している場合に、それに対応するマスタパターン
の一部が被検査パターンに対して食み出すことにより、
その部分を欠点情報として認識する。そして、こうして
得られた欠点情報が供給される第１欠点判定回路は、そ
の欠点情報が設定した欠点であるのかどうかのを判定を
する。

【００５７】同様に、第２欠点認識部は、良品に係る印
刷物について抽出された輪郭パターンが供給されて、そ
の輪郭パターンを拡大してマスタパターンを形成する第
２パターン拡大回路と、こうして得たマスタパターンを
保存する第２マスタパターンメモリと、検査しようとす
る印刷物について抽出された輪郭パターンが被検査パタ
ーンとして供給されるとともに、これを前記マスタパタ
ーンと比較照合する第２パターンマッチング回路とを有
している。この認識部は、被検査パターンが図４中Ｂに
示されるような飛び性の欠点を有している場合に、それ
に対応する被検査パターンの一部がマスタパターンに対
して食み出すことにより、その部分を欠点情報として認
識するものである。こうして得られた欠点情報が供給さ
れる第２欠点判定回路は、その欠点情報が設定した欠点
であるのかどうかのを判定をする。

【００５８】そして、両認識部の出力、つまり、検出さ
れた欠点が供給される欠点位置計測回路は、その欠点に
ついての印刷物Ｓａの幅方向の位置を計測するものであ
る。この計測により得た欠点信号は印刷コントローラ１
５および印刷見当評価装置に供給されるようになってい
る。

【００５９】なお、本発明において、カラー印刷物Ｓａ
がハーフトーンを構成するドット印刷領域を少なくとも
一部に含み、その領域についての印刷良否を判定する場
合には、それに使用する欠点検出装置には以下の構成の
ものを採用してもよい。

【００６０】この検出装置は、ドット印刷領域を少なく
とも一部に含む印刷物の前記ドット印刷領域の任意な注
目箇所を拡大撮像するＣＣＤカラーカメラと、このカメ
ラのカラー撮像信号から前記注目箇所内の各ドットをそ
のインク色ごとに弁別する色変換回路と、この回路で弁
別された各インク色ごとのドットのサイズの演算を一つ
以上のドットについて行って被検査データを得、または
前記弁別された各インク色ごとの面積の演算を一つ以上
のドットについて行って被検査データを得る被検査デー
タ形成回路と、基準となる印刷物についての前記注目箇
所内のインク色ごとのドットについて演算されたサイズ
または面積をマスタデータとして各インク色ごとに保存
するマスタメモリと、マスタデータと被検査データとを
各インク色ごとに個別に比較する比較回路と、比較結果
についてそれが許容値内にあるかどうかを判定する判定
回路とからなる。こうした網版印刷物についての欠点検
出装置は、前記判定の結果が許容値外の場合において、
判定されたインク色のドットの大きさや密度に異常があ
る（したがって、印刷色調が所定の色調と異なる。）も
のとして欠点信号を発する。

【００６１】欠点検出装置２３が備えた前記欠点位置計
測回路の出力はカラー静止画表示装置３７に供給され
る。この装置３７は、図４に示されるようにカラー静止
画制御回路３８と、ＲＧＢメモリ３９と、モニタ用カラ
ーディスプレイとしてのモニタカラーテレビ４０とを備
えている。

【００６２】ＲＧＢメモリ３９には、後述の監視用カラ
ーテレビカメラ２８から出されてゲイン補正回路４１で
正規化処理されたカラー撮像信号がカラー静止画制御回
路３８を通して供給される。このメモリ３９は供給され
たカラー撮像信号のＲＧＢの色信号を保存する。カラー
静止画制御回路３８には、欠点検出装置２３から位置情
報を有した欠点信号と、後述の印刷見当評価装置５１が
出す見当評価信号と、ゲイン補正回路４１を通ったカラ
ー撮像信号とが供給される。

【００６３】この回路３８は、ＲＧＢメモリ３９内にカ
ラー静止画情報を保存させるとともに、ＲＧＢメモリ３
９に保存された１画面分の画像情報をカラー静止画とし
てモニタ用カラーテレビ４０に表示させるものである。
この静止画表示においてカラー静止画制御回路３８は、
それに欠点信号が供給された時には、その欠点を含む画
像情報を前記テレビ４０にカラー静止画表示させ、ま
た、見当評価信号が供給された時には、その評価された
印刷見当マークＭを含む画像情報を前記テレビ４０にカ
ラー静止画表示させ、それ以外の時には必要に応じて指
定される任意なＸＹ座標位置で撮像された印刷面の画像
情報を前記テレビ４０にカラー静止画表示させるように
なっている。

【００６４】これらの切替えは図示しない印刷検査装置
全体に対するコントローラで制御され、その切替えの優
先順位は、印刷見当マークＭを含むカラー静止画表示が
１番目、欠点を含むカラー静止画表示が２番目、最後が
ランダムな印刷面のカラー静止画表示である。なお、ラ
ンダムな印刷面のカラー静止画表示は、前記図示しない
コントローラに予め組まれたプログラム、もしくはキー
ボード入力等にしたがって行われる。こうした各種の画
面表示によって印刷品質の状況、欠点の状況、および印
刷見当マークによる印刷位置ずれの状況が、オペレータ
の視認により把握できるようになっている。

【００６５】また、前記印刷装置１のデリバリ部１ｂに
は、前記欠点検出位置よりも印刷物Ｓａの搬送方向下流
側に定められた欠点監視位置を視野として監視装置２４
が配置されている。この監視装置２４は、トラバース機
構２５と、これにより移動される監視カメラユニット２
６と、監視制御部２７とを備えている。

【００６６】この第１の実施の形態では、印刷見当マー
クＭを印刷物Ｓａの幅方向両端に夫々設けてあるから、
夫々に対応して一対のトラバース機構２５が用いられて
いる。これらの機構２５は、図２および図３に示される
ように印刷物Ｓａの全幅よりも長いトラバースレール２
５ａと、このレール２５ａに沿って監視カメラユニット
２６を移動させる駆動部２５ｂとを備えている。

【００６７】トラバースレール２５ａは、欠点監視位置
において印刷面と対向して印刷物Ｓａの幅方向を横断す
るように配置されており、このレール２５ａの一端部に
駆動部２５ｂが設けられている。この駆動部２５ａの動
作により、トラバースレール２５ａにその軸方向に摺動
自在に支持された監視カメラユニット２６が、印刷物Ｓ
ａの全幅に渡って移動される。駆動部２５ａによる監視
カメラユニット２６の移動は、監視制御部２７に供給さ
れる欠点信号（印刷物Ｓａにおける欠点の幅方向位置を
あらわす位置情報）にしたがって行われる。それによ
り、検出された欠点が通過する予定位置に予め監視カメ
ラユニット２６が移動して配置されるようになってい
る。

【００６８】そして、例えば印刷物Ｓａの搬送方向（図
３に矢印で示す。）下流側に位置される一方のトラバー
ス機構２５は、図４において印刷物Ｓａの幅方向左半分
についての印刷検査を分担して監視カメラユニット２６
を移動させ、前記搬送方向上流側に位置される他方のト
ラバース機構は、印刷物Ｓａの幅方向右半分についての
印刷検査を分担して前記ユニット２６を移動させるよう
にしてある。

【００６９】図２〜図４に示されるように監視カメラユ
ニット２６は、トラバースレール２５ａに支持される監
視用カラーテレビカメラ２８と、このテレビカメラ２８
に連結されたレンズ交換機構２９と、この機構２９に取
付けられた欠点監視用の第１レンズ３０と、前記機構に
取付けられた見当マーク監視用の第２レンズ３１と、前
記テレビカメラ２８に取付けられたストロボ発光器３２
とを有している。

【００７０】監視用カラーテレビカメラ２８には、その
受光部がエリア形のカラーＣＣＤイメージセンサ等から
なるものが採用されている。このカメラ２８は、その受
光部に入射された光を、光ー電変換作用により光強度に
応じたＲＧＢの電気信号に変換し、それをディジタルの
ＲＧＢカラー撮像信号として出力するものであり、ま
た、このカラー撮像信号は多値のＡ／Ｄ変換処理により
例えば２５６段階の階調で画像表現を行うようになって
いる。

【００７１】カラーテレビカメラ２８は前記見当センサ
信号（印刷物Ｓａにおける長手方向の位置をあらわす信
号）にしたがって撮像動作をするようになっている。レ
ンズ交換機構２９は前記カメラ２８に対して第１レンズ
３０または第２レンズ３１を選択して使用させるレンズ
交換を自動で行わせるものであって、前記複数のレンズ
３０、３１を支持した機構ベース２９ａを例えば水平に
半回転させてレンズ選択を行うように構成されている。

【００７２】第１レンズ３０には例えば画角が４mm相当
で５ｍの高解像度を得ることができる固定焦点の狭画角
レンズが使用されており、第２レンズ３１には画角が４
０mm相当で５０ｍの高解像度を得ることができる固定焦
点の広画角レンズが使用されている。なお、第１レンズ
３０は一つに限らず複数設けてもよく、その場合に夫々
の画角が異なるものを使用すればよい。ストロボ発光器
３２は前記カメラ２８の視野を瞬間照明するものであ
る。この照明と同期して前記カメラ２８は、例えば１／
５０万秒の高速度で印刷面の指定された一部領域を監視
視野として、そこを瞬間的に拡大撮像するようになって
いる。なお、各レンズ３０、３１はいずれも複数のレン
ズ素子を組み合わせてなるとともに、印刷面に対してピ
ント合わせがされているものである。

【００７３】図４に示されるように監視制御部２７は、
撮像アドレス遅延回路３３、トラバースアドレス制御回
路３４、撮像制御回路３５、およびレンズ交換コントロ
ーラ３６を有している。

【００７４】撮像アドレス遅延回路３３には、最終印刷
部５用の印刷見当センサ１４から出される見当センサ信
号、言い換えれば、印刷物Ｓａにおける長手方向の位置
をあらわす信号が供給される。この遅延回路３３は、印
刷見当センサ１４に対するカメラ２８の視野位置の位置
ずれに応じて、見当センサ信号を遅延させて信号のタイ
ミングを合わせる遅延処理を行うもので、それにより、
監視カメラユニット２６に対するＹ座標が求められ、こ
のＹ座標は撮像制御回路３５に供給される。

【００７５】トラバースアドレス制御回路３３には、欠
点検出装置２３から出される欠点信号、言い換えれば、
印刷物Ｓａにおける欠点の幅方向位置をあらわす位置情
報が供給される。この制御回路３３は供給された欠点の
位置情報から監視カメラユニット２６のトラバース位置
を決めるＸ座標を求めるものであり、このＸ座標は撮像
制御回路３５に供給される。

【００７６】撮像制御回路３５は、監視カメラユニット
２６が前記Ｘ座標に配置されるようにトラバース機構２
５を制御するとともに、この座標位置で監視用カラーテ
レビカメラ２８を前記Ｙ座標にしたがって撮像動作を行
わせる制御をなし、かつ、この撮像の際にストロボ発光
器３２を発光させる制御するものである。さらに、この
制御回路３５は、前記ＸＹ座標において欠点もしくは印
刷見当マークＭを選択的に撮像できるようにレンズ交換
機構２９を制御するものである。この制御により、定期
的（例えば印刷物Ｓａが 100ｍ搬送されるたび）に第２
レンズ３１を選択させて印刷位置ずれの監視動作を行わ
せ、それ以外の時には第１レンズ３０を選択させて、欠
点信号がトラバースアドレス制御回路３４に供給される
たびに欠点監視動作を行わせるようになっている。な
お、印刷位置ずれの監視動作は欠点監視動作に優先す
る。

【００７７】前記ゲイン補正回路４１を通ったカラー撮
像信号は印刷見当評価装置５１に供給される。この装置
５１は、色変換手段としての色変換回路５２と、マスタ
記録手段としてのマスタメモリ５３と、ＹＭＣＫ記録手
段としてのＹＭＣＫメモリ５４と、比較・演算手段とし
ての比較・演算回路５５とを備えている。

【００７８】印刷位置ずれの監視動作において正規化さ
れたカラー撮像信号が供給される色変換回路５２は、受
け入れたＲＧＢカラー撮像信号をインク色ごとに分解す
る処理、言い換えれば、前記各印刷部２〜５で使用され
るインク色ごとに違いを見出だして区別する弁別処理を
行う。

【００７９】こうした弁別は、ある一定の変換条件を設
定して、それに従いＲＧＢの色信号を変換することによ
り可能であり、そのために、この第１の実施の形態にお
いては図５に示されるテーブルを用いている。このテー
ブル中Ｙ，Ｍ，Ｃ，Ｋは基本インク色、Ｗは印刷紙Ｓの
地色、Ｒ，Ｇ，Ｂは夫々光の３原色、また、数値は前記
２５６段階の階調をあらわしている。このテーブルに従
う色変換回路５２でのＹＭＣＫ変換（インク色分解）の
一例を説明すれば、Ｒ，Ｇ，Ｂ３原色の夫々の階調の値
がいずれも６０以上である場合には、Ｙのインクで印刷
されたものであるとの弁別をするものである。

【００８０】色変換回路５２で弁別されたインク色デー
タは、マスタメモリ５３に供給されて保存される。この
保存は基準のマスタデータについて行われる。つまり、
印刷見当マークＭのカラー静止画が基準条件を満たして
いる（印刷位置ずれがないと認められる）時に、色変換
回路５２で弁別された各インク色ごとのカラー撮像信号
をマスタデータとして取込んで保存するものである。

【００８１】色変換回路５２で弁別されたインク色デー
タは検査時においてはＹＭＣＫメモリ５４にも供給され
て一時的に保存される。ＹＭＣＫメモリ５４は各インク
色ごとに分けてインク色データを保存する。そのため
に、ＹＭＣＫメモリ５４には４台のメモリが使用され、
或いは一つのメモリを各インク色ごとにアドレスを付け
て４つのメモリ領域に別けて、夫々のメモリ（或いはメ
モリ領域）に各インク色データを個別に一時保存するよ
うになっている。このＹＭＣＫメモリ５４へのインク色
データの一時保存は印刷位置ずれを検出しようとする印
刷見当マークについて行われるものである。したがっ
て、このメモリ５４に一時的に保存されるインク色デー
タは被検査データである。

【００８２】マスタメモリ５３に保存された各インク色
ごとのマスタデータと、ＹＭＣＫメモリ５４に一時的に
保存された各インク色ごとの被検査データとが、共にタ
イミングを合わせて同期して供給される比較・演算回路
５５は、両データを比較してその異同を求める比較部を
有している。さらに、この回路５５は、その比較結果に
基づいて各インク色ごとにマスタデータに対する被検査
データの印刷位置ずれ寸法を求める演算部を有してい
る。

【００８３】そして、この比較・演算回路５５での処理
によって得た印刷位置ずれ寸法は見当評価信号として前
記カラー静止画表示装置３７に供給されるとともに、印
刷コントローラ１５にも供給される。印刷コントローラ
１５は、見当評価信号に基づき印刷位置ずれが起きてい
る印刷部に対して印刷位置ずれ調整をする制御を行うよ
うになっている。

【００８４】前記監視用カラーテレビカメラ２８を有し
た監視装置２４とそれに対応する印刷見当評価装置５１
とを備える印刷検査系統は、この第１の実施の形態では
一対設けられているものであって、その内の第１の印刷
検査系統は印刷物Ｓａの幅方向左半分についての印刷検
査を分担し、第２の印刷検査系統は印刷物Ｓａの幅方向
右半分についての印刷検査を分担している。

【００８５】次に前記構成の印刷検査装置による印刷検
査動作を説明する。印刷装置１のフィーダー部１ａから
繰り出される印刷紙Ｓは、第１〜第４の印刷部２〜５を
順次経由することにより、Ｋ、Ｃ、Ｍ、Ｙの各色インク
を順に印刷されて印刷物Ｓａとなってデリバリ部１ｂに
搬送されて巻き取られる。この印刷動作においては、主
印刷領域から外れた印刷紙Ｓの幅方向両端部に夫々印刷
見当マークＭが重ね刷りされるとともに、各インク色ご
との印刷見当マークＭに応じて印刷見当センサ１１〜１
３から出される見当センサ信号に基づく印刷コントロー
ラ１５からの制御指令により、印刷装置１は印刷位置ず
れが生じないように調整を行う。

【００８６】しかし、この調整のみでは完全な位置ずれ
防止を長期間にわたって期待することはできず、印刷の
継続に従い印刷位置ずれが発生することは知られてい
る。こうした印刷位置ずれは、次のようにして検出さ
れ、修正される。

【００８７】まず、各種の調整が施されるカラー印刷の
刷り出し時において監視制御装置３７は初めにマスタ設
定モードを設定するので、その撮像制御回路３５での制
御作用により監視装置２４が印刷見当マークＭの監視状
態に入る。

【００８８】つまり、撮像制御回路３５の制御指令によ
りトラバース機構２５が動作されて、監視カメラユニッ
ト２６が印刷見当マークＭを撮像する位置、言い換えれ
ば、印刷見当マークが通過する位置ずれ検出予定位置に
移動されるとともに、撮像制御回路３５の制御指令によ
りレンズ交換コントローラ３６を介してレンズ交換機構
２９が動作されて、画角が広い第２レンズ３１が監視用
カラーテレビカメラ２８にセットされるようにレンズが
交換される。

【００８９】そして、撮像制御回路３５による撮像制御
指令により、最終印刷部５の印刷見当センサ１４から出
されるセンサ信号を基準にして、搬送される印刷物が欠
点監視位置に到達するのとタイミングを合わせて、スト
ロボ発光器３２の発光時に前記欠点監視位置に位置され
た印刷見当マークＭを含む領域がカラーテレビカメラ２
８により瞬間的に拡大撮像される。この撮像は第２レン
ズ３１が固定焦点であるので、以後の印刷見当マークＭ
の定期的撮像において画角が変わることはない。

【００９０】こうして撮像された印刷見当マークＭにつ
いてのカラー撮像信号は、ゲイン補正回路４１で正規化
処理されてからカラー静止画表示装置３７に供給され
て、この装置３７で視覚化されて、そのモニタ用カラー
テレビ４０にカラー静止画表示される。そのため、オペ
レータがモニタ用カラーテレビ４０上のカラー静止画を
視認することによって、各インクで重刷りされた印刷見
当マークＭに印刷位置ずれがあるかどうかを目視チェッ
クできる。そして、このモニタ用カラーテレビ４０上の
カラー静止画の目視チェックの結果、それがマスタデー
タとして評価できる基準条件を満たしている場合には、
オペレータはマスタデータを取込む指示操作をする。

【００９１】なお、各インクが重刷りして形成される印
刷見当マークＭにおいて基準条件を満たしているマーク
Ｍは、各インクの色ずれが実質的にはないから、重塗り
により減色混合されて黒色に近似したマーク構成（図６
参照）となっている。そのため、基準条件を満たした正
常な印刷見当マークＭは、この第１の実施の形態では黒
色十字のマーク構成であり、それは恰も第１の印刷部２
ではじめに印刷した印刷見当マークＭを基準として採用
したのと等価である。

【００９２】一方、前記画像表示と同時に、前記カラー
撮像信号、言い換えれば、ＲＧＢ画像情報は印刷見当評
価装置５１にも供給されるため、この重刷りされたり印
刷見当マークＭについてのＲＧＢ画像情報は、印刷見当
評価装置５１の色変換回路５２での弁別作用で、各イン
ク色ごとに分解される。言い換えれば、印刷見当マーク
ＭのＲＧＢ画像情報がどのインク色で作られているのか
ということが区分される。

【００９３】このインク色分解は図５のテーブルにした
がって行われる。こうして分解された各インク色ごとの
データは、前記取込みの指示操作に伴って、各インク色
ごとのマスタデータとしてマスタメモリ５３に取込まれ
て保存される。なお、既述のように正常な印刷見当マー
クＭが黒色十字のマークであるから、見掛け上は各イン
ク色ごとに分解されていない状態でマスタデータの保存
が行われる。

【００９４】こうしたマスタデータの保存後に印刷装置
１は本刷りに移行する。この本刷り時に監視制御部２７
は見当監視モードに切り換えられる。それにより、印刷
された印刷物の印刷見当マークＭについても定期的に前
記カメラ２８で印刷見当マークＭが撮像される、それに
より、そのカラー撮像信号が供給される印刷見当評価装
置５１において、その色変換回路５２でカラー撮像信号
を各インク色ごとに弁別して、検査しようとする印刷見
当マークＭについてのＲＧＢ画像情報がどのインク色で
作られているのかということが区分される。こうして弁
別された各インク色ごとの撮像データは被検査データと
して用いられ、この被検査データは次の被検査データが
供給されるまでＹＭＣＫメモリ５４に一時的に保存され
る。

【００９５】次に、この被検査データはＹＭＣＫメモリ
５４から比較・演算回路５５に読み込まれる。同様にそ
れと同期して比較・演算回路５５にはマスタメモリ５３
からマスタデータが読み込まれる。そして、この比較・
演算回路５５において、各インク色ごとの比較、つま
り、比較の基準をなしたマスタデータとそれに対応する
インク色データとが夫々比較されるとともに、その比較
に基づいてマスタインク色データに対する比較インク色
データの印刷位置のずれ寸法が演算により求められる。
なお、図６中２点鎖線はマスタデータＭに対してあるイ
ンク色データＭ′が位置ずれしたイメージを示してお
り、同図中Ｅ、Ｆがズレ寸法として計測される。

【００９６】以上のような印刷検査装置での印刷位置ず
れの検出において、そのマスタデータおよび被検査デー
タを得る際に使用される監視カメラユニット２６は、既
述のように固定焦点の第２レンズ３１に切り換えてカラ
ー撮像をするから、前記比較・演算回路５５での判定基
準が判定のたびに変わることがない。そして、この比較
・演算を経ることによって、印刷物Ｓａの印刷見当マー
クＭを印刷した複数のインク色ごとに、その各インクが
基準の印刷位置に対してどの方向にどれだけ位置ずれし
ているのかということを自動的に判定できる。

【００９７】また、検査される印刷見当マークＭに色ず
れがなく、このマーク全体が黒十字の被検査データとし
て形成されるにも拘らず、それ全体がマスタメモリ５３
に保存されたマスタデータに対して印刷位置ずれしてい
る場合にも、そのずれの検出とずれ寸法の計測を既述よ
うにして行うことができる。言い換えれば、前記印刷位
置ずれの検出において、マスタデータを取り込んだ印刷
を基準版とすれば、この版に対して前記黒十字がずれた
印刷版が何版目に起きたのかと言うことも知ることがで
きる。

【００９８】なお、印刷見当マークには前記のような重
ね刷りされるもの以外に、図７に示されるように印刷物
Ｓａの移動方向または幅方向に沿ってダイヤモンド形状
の印刷見当マークを所定間隔で並設する場合がある。こ
うした配列刷りの印刷見当マークＭＫ，ＭＣ，ＭＭ，Ｍ
Ｙが印刷された印刷物Ｓａについて、図４の印刷見当評
価措置５１で既述のように印刷位置ずれを検出する場合
には、そのマスタメモリ５３へのマスタデータの保存が
各インク色ごとに個別に行われ、それに対して各インク
色ごとの被検査データが比較・演算回路５５により比
較、演算される。そのため、前記十字の印刷見当マーク
を持った印刷物に対する検査と同様に、印刷見当マーク
ＭＫ，ＭＣ，ＭＭ，ＭＹを印刷した複数のインク色ごと
に、その各インクが基準の印刷位置に対してどの方向に
どれだけ位置ずれしているのかということを自動的に判
定できる。なお、図７中２点鎖線は主印刷領域、矢印は
搬送方向を示している。

【００９９】以上のように各インク色ごとの印刷位置ず
れの良否判定ができ、判定結果は見当評価信号（制御目
標値）として印刷コントローラ１５に供給される。その
ため、このコントローラ１５は供給された制御目標値に
応じて印刷位置ずれの調整を必要とする印刷部に対する
ずれ調整が印刷装置１に行わせるものである。なお、こ
うした自動的な印刷位置ずれ調整に代えて、前記制御目
標値をモニタ用カラーテレビ４０に表示させて、その視
認に基づいてオペレータの手動操作による指示を印刷コ
ントローラ１５に与えて必要な印刷部に対するずれ調整
が印刷装置１に行わせるようにしてもよい。

【０１００】しかも、この第１の実施の形態に係る印刷
検査装置においては、以上のような印刷位置ずれの検査
を、監視装置２４と、カラー静止画表示装置３７と、印
刷見当評価装置５１とを備えてなる２つの印刷検査系統
において夫々実施している。その内の一方の検査系統に
より、印刷物Ｓａの幅方向一端部に付された印刷見当マ
ークＭを検査し、他方の査系統が印刷物Ｓａの幅方向他
端部に付された印刷見当マークＭを検査する。そのた
め、印刷物Ｓａの幅方向両端部について各インク色ごと
の印刷位置ずれの良否判定ができる。

【０１０１】こうした印刷物の幅方向両端部での印刷位
置ずれの良否判定により、グラビア印刷で多くみられる
ように輪転印刷用原紙の幅方向の伸びが異なる場合や、
印刷が施される輪転印刷用原紙の各部厚みが均一ではな
く厚み方向に厚み差がある場合等において、前記他端側
に印刷位置ずれ不良が発生したり、前記厚み差にもとづ
いて印刷物にスキューを発生した場合には、そうした情
報を得ることができる。したがって、その検出した監視
情報を利用して印刷位置ずれや印刷物のスキューを回避
させる対策（印刷位置ずれなどが調整可能な場合には前
記自動または手動による調整、対応不可能と判断される
場合には印刷中止とする等。）を早期に採らせることが
できる。

【０１０２】また、この第１の実施の形態においては、
前記印刷位置ずれの検査の合間に欠点の自動検出とその
カラー画像を静止画表示することもできる。すなわち、
この欠点検査装置は、監視装置２４の上流側に配置され
た欠点検出用テレビカメラ２１により、欠点検査位置に
搬送されてきた印刷物Ｓａを幅方向に走査して欠点検出
情報を得ている。このカメラ２１の撮像信号は欠点検出
装置２３に供給されるので、この検出装置２３での撮像
信号の処理によって、印刷中の欠点が検出されるととも
にその良否判定が行われ、その結果欠点と認められたも
のについて、その欠点が印刷物Ｓａの幅方向のどの位置
にあるのかということが計測される。

【０１０３】こうした欠点検出に伴って欠点監視モード
に切替わるので、監視制御部２７は、その撮像制御回路
３５からの制御指令でレンズ交換コントローラ３６を介
してレンズ交換機構２９を動作させて、画角が狭い第１
レンズ２９が監視用カラーテレビカメラ２８にセットさ
れるようにレンズを交換させる。これとともに、検出さ
れた欠点の位置情報（Ｙ方向の座標情報）がトラバース
アドレス制御回路３４に供給される。なお、前記欠点を
含んだ撮像のアドレスは印刷見当センサー１４のセンサ
ー信号（Ｘ方向の座標情報）が供給される撮像アドレス
遅延回路３３で把握されている。

【０１０４】したがって、撮像制御回路３５はトラバー
ス機構２５を動作させて、第１レンズ３０を選択した監
視用カラーテレビカメラ２８を、前記Ｙの座標情報にし
たがって前記欠点が通過する予定位置に予め移動させ
る。次に、撮像制御回路３５は前記Ｘの座標情報にした
がって前記検出された欠点が前記カメラ２８の視野に搬
送された際に、それとタイミングを合わせてストロボ発
光器３２を発光させるとともに前記欠点を含む領域をカ
ラーテレビカメラ２８により瞬間的に拡大撮像する。

【０１０５】そうすると、このカラーテレビカメラめら
２８からのカラー撮像信号がカラー静止画表示装置３７
に供給されるから、この装置３７はカラー撮像信号をカ
ラー静止画としてモニタ用カラーテレビ４０に表示す
る。それにより、このテレビ４０には欠点についてのカ
ラー画像が高解像度で拡大表示される。こうした欠点の
画像表示は欠点が検出されるたびに行われ、このモニタ
画面によりオペレータは欠点の性状を視認して把握でき
る。

【０１０６】以上のようにして第１の実施の形態に係る
印刷検査装置は、定期的に監視装置２４の第２レンズ３
１を通して印刷見当マークＭを撮像し、そのカラー撮像
信号を印刷見当評価装置５１で処理して印刷位置ずれを
自動的に計測し、かつ、撮像された印刷見当マークＭを
カラー静止画表示装置３７のモニタ用カラーテレビ４０
にカラー静止画として拡大表示できる。

【０１０７】また、その一方で、こうした印刷位置ずれ
の計測の合間に欠点検出用テレビカメラ２１で得た欠点
検出情報を欠点検出装置２３で処理して欠点を自動検出
し、その欠点を監視装置２４の第１レンズ３０を通して
撮像して、それをカラー静止画表示装置３７のモニタ用
カラーテレビ４０にカラー静止画として高解像で拡大表
示させて、前記テレビ４０において自動検出された欠点
のカラー静止画像を視認させることができる。

【０１０８】したがって、この印刷検査装置は、同じ監
視装置２４およびカラー静止画装置３７を共用して、自
動的に検出された欠点をカラー静止画にして視認させ得
るとともに、印刷見当マークＭの監視を行うことができ
るので、カラー印刷を行う上で、印刷位置ずれの良否判
定と自動検出された欠点の良否判定とを行う装置を個別
に設ける必要がなくなり、これらの良否判定を少ない設
備負担で実施することができる。

【０１０９】なお、本発明は前記第１の実施の形態には
制約されない。例えば、マスタメモリ５３に保存するマ
スデータは、印刷見当マークが十字マークである場合に
は、第１の印刷部２で印刷されたマークのみとしてもよ
い。もちろん、この場合においても重ね刷りされた印刷
見当マークを色変換手段によりインク色に分解して、見
当センサ信号によりアドレスを得て、第１の印刷部２で
印刷されたマークのみをマスタメモリ５３に取込んで保
存すればよい。この場合、印刷位置ずれがある方がよ
く、したがって、印刷装置１での調整画完了していない
早めの段階で基準を取り込むことができる。

【０１１０】また、本発明において印刷位置ずれを検出
するために拡大撮像される印刷部は、印刷見当マークに
限らず、印刷領域内の任意な特徴ある印刷部に注目し
て、その注目印刷部を利用してもよい。

【０１１１】また、本発明は前記第１の実施の形態にお
いて設けた一対の印刷検査系統の内の一方を省略して実
施することもできる。この場合において、トラバース機
構２５は監視カメラユニット２６を印刷物Ｓａの全幅に
渡って移動させるようにすればよい。

【０１１２】

【発明の効果】本発明は、以上詳記したような形態で実
施されるので、以下に記載されるような効果がある。請
求項１および２の発明に係る印刷検査方法および装置に
よれば、印刷物の注目印刷部を印刷した複数のインク色
ごとに、その各インクが基準の印刷位置に対してどの方
向にどれだけ位置ずれしているのかという位置ずれ寸法
の計測が自動的にできるとともに、その判定基準が判定
のたびに変わることがなくオペレータの感性に影響され
ることが少ないから、カラー印刷物の印刷位置ずれの良
否判定を自動的にかつ高い信頼性をもって行える。

【０１１３】請求項３の発明に係る印刷検査装置によれ
ば、第１、第２の印刷検査系統により第１の課題を解決
できる上、これら両印刷検査系統により印刷物の幅方向
両端部について各インク色ごとの印刷位置ずれの良否判
定をするから、印刷位置ずれによる印刷不良の発生を少
なくする上で有効な印刷位置ずれ情報を得ることができ
るとともに、印刷物のスキュー発生情報も得ることがで
きる。

【０１１４】請求項４の発明に係る印刷検査装置によれ
ば、同じ監視装置およびカラー静止画装置を共用して、
自動的に検出された欠点をカラー静止画にして視認させ
得るとともに、印刷見当マーク等の注目印刷部の監視に
もとずく印刷位置ずれの寸法計測を行うことができるの
で、カラー印刷を行う上で、印刷位置ずれの良否判定と
自動検出された欠点の良否判定とを行う装置を個別に設
ける必要がなくなり、これらの良否判定を少ない設備負
担で実施することができる。

【０１１５】請求項５の発明に係る印刷検査装置によれ
ば、請求項４の発明と同様にカラー印刷を行う上で、印
刷位置ずれの良否判定と自動検出された欠点の良否判定
とを行う装置を個別に設ける必要がなくなり、これらの
良否判定を少ない設備負担で実施することができ、しか
も、その印刷位置ずれの良否判定における判定基準が判
定のたびに変わることがなくオペレータの感性に影響さ
れることが少ないから、印刷位置ずれの良否判定を自動
的にかつ高い信頼性をもって行える。

【０１１６】請求項６の発明に係る印刷検査装置用監視
装置によれば、不定期に自動検出される印刷物の欠点を
撮像できるとともに、定期的に注目印刷部を撮像でき、
また、これらの撮像においてピント合わせ動作が不要で
あり、欠点および注目印刷部の夫々異なる大きさに適合
する拡大倍率でこれらを拡大撮像できるから、印刷位置
ずれの良否判定と自動検出された欠点の良否判定とのた
めの監視情報を検出するのに適している。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施の形態に係る印刷検査装置
の構成を印刷装置とともに概略的に示す図。

【図２】第１の実施の形態に係る印刷検査装置が備える
監視装置の構成を図１中矢印Ｚ−Ｚ線方向から見て印刷
物とともに示す図。

【図３】図２に示された監視装置の構成を印刷物ととも
に示す平面図。

【図４】第１の実施の形態に係る印刷検査装置の回路構
成を示すブロック図。

【図５】第１の実施の形態に係る印刷検査装置が備える
色変換回路での色分解の基準として用いるテーブルの内
容を示す図。

【図６】第１の実施の形態に係る印刷検査装置で検出す
る印刷見当マークの一例を示す図。

【図７】第１の実施の形態に係る印刷検査装置で検出す
る印刷見当マークの他の例を示す図。

【符号の説明】

１…印刷装置、２１…欠点検出用テレビカメラ、２３…欠点検出装置、２４…監視装置、２５…トラバース機構、２６…監視カメラユニット、２７…監視制御部、２８…監視用カラーテレビカメラ、２９…レンズ交換機構、３０…第１レンズ、３１…第２レンズ、３７…カラー静止画表示装置、４０…モニタ用カラーテレビ（モニタ用カラーディスプ
レイ）、５１…印刷見当評価装置、５２…色変換回路（色変換手段）、５３…マスタメモリ（マスタ記録手段）、５４…ＴＭＣＫメモリ（ＹＭＣＫ記録手段）、５５…比較・演算回路（比較・演算手段）。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】複数の色インクでカラー印刷された印刷物
に前記各インクで付された印刷位置ずれ検出用の注目印
刷部を、一定の画角の監視用カラーテレビカメラで撮像
し、このカメラから出されるカラー撮像信号を各インク色ご
とに弁別し、その内の少なくとも最初に印刷されたイン
クについてのインク色データをマスタデータとし、次に、検査しようとする前記注目印刷部について前記カ
メラで得たカラー撮像信号を各インク色ごとに弁別して
各インク色ごとの被検査データを作った後、これら被検査データを前記マスタデータと比較して各イ
ンク色ごとの印刷位置ずれ寸法を求めることを特徴とす
る印刷検査方法。
【請求項２】複数の色インクでカラー印刷された印刷物
に前記各インクで付された印刷位置ずれ検出用の注目印
刷部を一定の画角で撮像する監視用カラーテレビカメラ
と、前記注目印刷部についての前記カメラのカラー撮像信号
を各インク色ごとに弁別する色変換手段と、前記カラー撮像信号を視覚化し静止画表示するモニタ用
カラーディスプレイと、このディスプレイ上の前記注目印刷部のカラー静止画が
基準条件を満たしているときに前記色変換手段で弁別さ
れた各インク色ごとのインク色データをマスタデータと
して取込んで保存するマスタ記録手段と、前記マスタデータの保存後において前記注目印刷部を撮
像した前記カラーテレビカメラから出されるカラー撮像
信号を前記色変換手段で弁別して得た各インク色ごとの
披検査データを取込んで一時的に保存するＹＭＣＫ記録
手段と、前記各インク色ごとのマスタデータと各インク色ごとの
披検査データとを比較して各インク色ごとの印刷位置ず
れ寸法を求める比較・演算手段とを具備した印刷検査装
置。
【請求項３】前記監視用カラーテレビカメラ、色変換手
段、マスタ記録手段、ＹＭＣＫ記録手段、および比較・
演算手段を備えた第１、第２の印刷検査系統を具備し、
そのうちの前記第１印刷検査系統が備える前記カラーテ
レビカメラを、前記印刷物の幅方向一端部に付された前
記注目印刷部を撮像できる位置に配置し、前記第２印刷
検査系統が備える前記カラーテレビカメラを、前記印刷
物の幅方向他端部に付された前記注目印刷部を撮像でき
る位置に配置したことを特徴とする請求項２に記載の印
刷検査装置。
【請求項４】複数の色インクでカラー印刷印刷された印
刷物が搬送される欠点検出位置を視野として配置され、
前記欠点検出位置に搬送された前記印刷物を幅方向に走
査する欠点検出用テレビカメラと、このテレビカメラから供給される欠点撮像信号を処理し
て前記印刷物の印刷の良否を判定するとともに、欠点が
あると判定したときに、この欠点の前記印刷物の幅方向
の位置を計測する欠点検出装置と、前記欠点検出位置よりも前記印刷物の搬送方向下流側に
定められた欠点監視位置を視野として配置され、前記印
刷物の全幅以上の長さに渡って前記印刷物の幅方向に移
動自在に設けられた監視用カラーテレビカメラを有し、
前記欠点検出装置から供給される欠点の位置情報にした
がって前記監視用カラーテレビカメラを前記欠点が通過
する予定位置に移動させて、このカメラにより前記欠点
が前記予定位置を通過する際にこの欠点を含む所定領域
を拡大撮像するとともに、定期的に前記監視用カラーテ
レビカメラを前記印刷物に付された印刷位置ずれ検出用
の注目印刷部が通過する位置ずれ検出予定位置に移動さ
せて、このカメラにより前記注目印刷部が前記位置ずれ
検出位置を通過する際に前記注目印刷部を含む所定領域
を拡大撮像する監視装置と、前記監視用カラーテレビカメラからのカラー撮像信号を
視覚化しカラー静止画としてモニタ用ディスプレイに表
示するカラー静止画表示装置と、前記注目印刷部についてのカラー撮像信号を処理して印
刷位置のずれを計測する印刷見当評価装置とを具備し、前記監視装置が、監視用カラーテレビカメラと、このカ
メラと組み合わされて前記欠点を高解像度で撮像する少
なくとも一つの固定焦点の第１レンズと、前記カラーテ
レビカメラと組み合わされて前記注目印刷部を拡大撮像
する一つの固定焦点の第２レンズと、これらのレンズを
選択させるレンズ交換機構とを有してなることを特徴と
する印刷検査装置。
【請求項５】前記印刷見当評価装置が、前記注目印刷部についての前記監視用カラーテレビカメ
ラのカラー撮像信号を各インク色ごとに弁別する色変換
手段と、前記監視用カラーディスプレイ上の前記注目印刷部のカ
ラー静止画が基準条件を満たしているときに前記色変換
手段で弁別された各インク色ごとのインク色データをマ
スタデータとして取込んで保存するマスタ記録手段と、前記マスタデータの保存後において前記注目印刷部を撮
像した前記カラーテレビカメラから出されるカラー撮像
信号を前記色変換手段で弁別して得た各インク色ごとの
披検査データを取込んで一時的に保存するＹＭＣＫ記録
手段と、前記各インク色ごとのマスタデータと各インク色ごとの
披検査データとを比較して各インク色ごとの印刷位置ず
れ寸法を求める比較・演算手段とを具備してなることを
特徴とする前記請求項４に記載の印刷検査装置。
【請求項６】監視用カラーテレビカメラ、搬送される印
刷物に付された主印刷領域中の欠点を前記カラーテレビ
カメラと組み合わされて高解像度で拡大撮像する少なく
とも一つの固定焦点の第１レンズ、前記印刷物に付され
た印刷位置ずれ検出用注目印刷部を前記カラーテレビカ
メラと組み合わされて拡大撮像する一つの固定焦点の第
２レンズ、およびこれらレンズを選択させるレンズ交換
機構を有した監視カメラユニットと、前記印刷物の全幅以上の長さを有して前記印刷物の幅方
向に伸びて配置されるとともに前記カメラユニットを摺
動自在に支持するトラバースレールを有し、このレール
に沿って前記カメラユニットを移動させるトラバース機
構と、前記監視用カラーテレビカメラおよび前記レンズ交換機
構並びに前記トラバース機構を制御する監視制御部とを
具備した印刷検査装置用監視装置。