JPH09220055A - 茶類飲料の製造方法 - Google Patents

茶類飲料の製造方法

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JPH09220055A
JPH09220055A JP5082196A JP5082196A JPH09220055A JP H09220055 A JPH09220055 A JP H09220055A JP 5082196 A JP5082196 A JP 5082196A JP 5082196 A JP5082196 A JP 5082196A JP H09220055 A JPH09220055 A JP H09220055A
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tea
tannin
amino acid
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extract
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Koji Oki
浩司 大木
Kenji Nakamura
健二 中村
Kenji Naito
憲二 内藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 茶類飲料中のタンニンの任意量を定量的に除
去することにより、アミノ酸/タンニン比を任意に設定
し、タンニンの渋味・苦味が抑制され、アミノ酸の旨味
が強調された嗜好性の優れた茶類飲料の製造方法を提供
する。 【構成】 タンニン及びアミノ酸を含有する茶類抽出液
を、ポリビニルポリピロリドン樹脂と接触させ、茶類抽
出液中のタンニンを吸着させ、除去することにより、ア
ミノ酸/タンニン比を0.2〜3.0に設定する茶類飲
料の製造方法。上記の処理により得られる茶類抽出液
と、未処理の茶類抽出液とを混合することにより、アミ
ノ酸/タンニン比を0.2〜3.0に設定する茶類飲料
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は茶類飲料の製造方法
に関し、特に茶類の苦味・渋味成分であるタンニン類を
除去するために相当する重量のポリビニルポリピロリド
ン樹脂を用いて定量的に除去することにより、茶類飲料
の旨味成分であるアミノ酸と苦味・渋味成分であるタン
ニンの比率を任意に設定することができ、上級茶と同等
の風味が任意に設計可能な嗜好性の優れた茶類飲料の製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】茶類飲料は、茶類風味の呈味成分の観点
からは、アミノ酸の旨味と糖類の甘味にタンニンの軽い
渋味が調和しており、後味に清涼感を与える風味のもの
がよいとされている。したがって、嗜好性の優れた玉露
・上級煎茶等の茶類飲料を製造するためには、アミノ酸
を多く含み、タンニンが少なめに配合されていることが
必要である。一方、番茶・並級煎茶等の茶類飲料を製造
するためには、旨味よりもさっぱりした軽い爽快な風味
が要求される。
【0003】このように、茶類飲料はその種類により要
求される味の特徴が異なるので、それぞれの特徴的な味
覚が得られるように抽出方法が工夫されている。すなわ
ち、玉露・上級煎茶は、低温下にて時間をかけて抽出す
ることにより、アミノ酸が十分に溶出され、高温で溶出
されるタンニン成分の抽出を抑制している。一方、番茶
・並級煎茶等は、高温下で短時間の抽出により、薄い濃
度のタンニンを主体とする爽快な風味が得られている。
しかし、これらの方法では、工業的に茶類飲料を製造す
る場合に、常に均一な品質のものを得ることは困難であ
り、品質範囲を広く設定することにより製品品質管理を
行なっているのが現状である。更に、従来の抽出条件で
は、得られる茶類飲料の品質には限界があり、任意の風
味設計は不可能である。
【0004】また、茶類缶飲料が夏期に低温で飲用され
る場合、より渋味を感じやすくなるので、アミノ酸濃度
を高く保持したまま、タンニンの濃度を抑制することが
要求される。この条件を満足するアミノ酸とタンニンの
濃度を茶葉の選定に求めた場合は、玉露や高級煎茶葉に
限定されるので、コスト的に高価なものになる。したが
って、一般的には、茶葉からのタンニンの溶出温度がア
ミノ酸など他の呈味成分より高い性質を利用して、並級
煎茶葉を用いて比較的低温(約40〜60℃)で長時間
抽出を行うことにより、アミノ酸などの他の呈味成分の
濃度をある程度保持したまま、タンニンの濃度を抑制す
る方法が採用されている。しかし、この方法では製造に
長時間を要し、原料茶葉からの抽出効率もよくないため
に、業界からは改善が求められている。
【0005】一方、容器入り茶飲料の品質の劣化を防止
する方法として、特開平2−291230号公報には、
不活性ガス雰囲気下で茶を抽出し、その抽出液をそのま
ま又は陽イオン交換樹脂処理した後に容器に封入する茶
飲料の製造方法が開示されている。しかし、この方法は
不活性ガス存在下で酸化による風味劣化を防止し、陽イ
オンのミネラル成分を除去することによる風味向上を目
的とするものである。
【0006】また、コーヒー、コーラ、紅茶などの濃い
色の飲料を、無色又は淡い色にする方法として、特開昭
62−61569号公報には、コーヒー、紅茶、コーラ
などの濃い色の飲料や原液を、ポリアミド、ポリエチレ
ン、ポリビニルピロリドンなどの高分子樹脂と接触させ
て、飲料に含まれているポリフェノール類を吸着させ、
除去して脱色する方法が開示されている。しかし、この
方法はゲル状のポリアミドおよびポリエチレンや、直鎖
状高分子のポリビニルピロリドンを用いて、ポリフェノ
ール類含量の高い濃い色の飲料の脱色を目的とするもの
であり、旨味や風味についての改良はなされていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の様な従来技術の欠点を改善し、茶類の苦味・渋味成分
であるタンニン類を、一定濃度まで除去することによ
り、茶類飲料の旨味成分であるアミノ酸と苦味・渋味成
分であるタンニンの比率を任意に設定することを可能に
した嗜好性の優れた茶類飲料の製造方法を提供すること
にある。
【0008】本発明の別の目的は、茶類の苦味・渋味成
分であるタンニン類を、一定濃度まで除去処理した茶抽
出液と、タンニン類を除去処理していない茶抽出液とを
混合することにより、アミノ酸とタンニンの比率を任意
に設定することを可能にした嗜好性の優れた茶類飲料の
製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明によれば、
タンニンおよびアミノ酸を含有する茶類抽出液を、ポリ
ビニルポリピロリドン樹脂と接触させ、茶類抽出液中の
タンニンを吸着させ、除去することにより、アミノ酸/
タンニン比を0.2〜3.0に設定することを特徴とす
る茶類飲料の製造方法が提供される。
【0010】また、本発明によれば、前記タンニン除去
方法により処理して得られた茶類抽出液と、未処理の茶
類抽出液とを混合することにより、アミノ酸/タンニン
比を0.2〜3.0に設定できることを特徴とする茶類
飲料の製造方法が提供される。
【0011】本発明者らは、茶葉から呈味成分を充分に
抽出した茶類抽出液に、タンニンを効率よく吸着する性
質を有するポリビニルポリピロリドン樹脂を接触させ、
除去することにより、タンニンを任意の濃度まで定量的
に取り除き、渋味・苦味の少ない嗜好性の優れた茶類飲
料を製造することが可能でることを見い出した。
【0012】また、アミノ酸濃度が既知の茶類抽出液を
ポリビニルポリピロリドン樹脂で処理してタンニンを除
いた茶類抽出液と、ポリビニルポリピロリドン樹脂未処
理の茶類抽出液とを任意の割合で混合することにより、
アミノ酸/タンニン比率を任意に設定することができる
味わい深い新風味の茶類飲料を製造することができる方
法を見いだし本発明を完成した。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の茶類飲料の製造方
法について具体的に説明する。本発明の茶類飲料の製造
方法は、先ずタンニンおよびアミノ酸を含有する茶類抽
出液を調整し、次いでその茶類抽出液とポリビニルポリ
ピロリドン樹脂とを接触させ、茶類抽出液中のタンニン
を吸着させ、除去することにより、アミノ酸/タンニン
比を0.2〜3.0に設定することを特徴とする。
【0014】本発明の茶類飲料の製造方法では、まず原
料茶葉から茶抽出液を調整する。使用する原料茶葉は、
緑茶(不発酵茶)、紅茶(発酵茶)、ウーロン茶(半発
酵茶)等はもとより、茶類エキスやタンニンを含む茶葉
以外の植物原料葉であってもよい。原料茶葉からニーダ
ーやカラムなどの抽出装置を用いて、それぞれの茶葉に
適した抽出条件下で充分に抽出し、茶類抽出液を作製す
る。
【0015】次いで、上記の茶類抽出液とポリビニルポ
リピロリドン樹脂とを接触させ、茶類抽出液中のタンニ
ンを吸着させる。本発明で用いられるポリビニルポリピ
ロリドン樹脂は、架橋結合したポリビニルピロリドン樹
脂であり、直鎖状のポリビニルピロリドンが架橋剤によ
り架橋された3次元網状構造の高分子樹脂であり、水に
不溶である。ポリビニルポリピロリドン樹脂は、上記の
構造を有するために、ポリビニルピロリドンよりもタン
ニンの吸着性に優れ、また安定な樹脂であるために繰り
返して使用することができる。ポリビニルポリピロリド
ン樹脂の市販品としては、例えばダイバガン(商品名:
BASF社製品)が挙げられる。
【0016】ポリビニルポリピロリドン樹脂は、水で膨
潤させるか、またはそのままの状態で調合タンク内に投
入し撹拌しながら茶類抽出液と接触させる。図1は実施
例1の茶類抽出液中に存在するタンニンのポリビニルポ
リピロリドン樹脂への吸着反応を経時的に示すグラフで
あるが、同図1に示すように、両者の反応は通常20℃
前後で10分程度で平衡化し、ポリビニルポリピロリド
ン樹脂への吸着は飽和に達する。
【0017】また、図2は実施例1のポリビニルポリピ
ロリドン樹脂濃度と茶類抽出液中のタンニン濃度減少量
の直線的な関係を示すグラフであるが、ポリビニルポリ
ピロリドン樹脂のタンニン吸着量は、図2に示すよう
に、樹脂の使用量と正比例するので、事前に茶類抽出液
のタンニン濃度を測定しておき、目標とする最終タンニ
ン濃度の計算量のポリビニルポリピロリドン樹脂使用量
を設定すれば、定量的に精度良くタンニンを除去するこ
とができる。
【0018】反応が終了した抽出液は、クラリファイア
ー等の遠心分離機にてポリビニルポリピロリドン樹脂を
粗別する。更に、阻止能力直径1μm程度の濾過装置を
用いて細別すれば、一般に市販されている平均粒径45
μm程度のポリビニルポリピロリドン樹脂は、完全に除
去できる。得られた濾液は、茶類缶詰飲料の充填原液と
して使用するか、またはポリビニルポリピロリドン樹脂
処理茶類抽出液(茶類エキス)として、ポリビニルポリ
ピロリドン樹脂未処理の茶類抽出液と混合して使用する
ことができる。
【0019】ポリビニルポリピロリドン樹脂は、食品添
加物として認可されているものであり、安全性は確認さ
れている。
【0020】アミノ酸の濃度は、原料茶葉の配合率によ
り任意に設定できる。実施例1の表1に示すように、ポ
リビニルポリピロリドン樹脂はアミノ酸をほとんど吸着
せず、タンニンのみを選択的に吸着するので、原料茶葉
の配合率を通常より増加し、かつポリビニルポリピロリ
ドン樹脂の処理を施せば、アミノ酸の旨味が濃厚な深い
味わいでありながら、渋味の少ない茶類飲料を製造する
ことができる。
【0021】また、このようなポリビニルポリピロリド
ン樹脂処理を施してタンニンを除去した茶類抽出液と未
処理の茶類抽出液を別々のタンクに貯蔵し、目標とする
タンニン濃度の割合に調合すれば、アミノ酸とタンニン
の比率が任意に設定でき、様々な風味の茶類飲料の設計
が極めて容易となる。1例を実施例2の図4に示したよ
うに、ポリビニルポリピロリドン樹脂処理にてタンニン
の濃度を自由かつ正確にコントロールすることにより、
意図する風味の自由な設計が可能となる。
【0022】本発明のポリビニルポリピロリドン樹脂で
処理された茶類飲料は、アミノ酸/タンニン比を0.2
〜3.0、好ましくは0.3〜2.0、さらに好ましく
は0.5〜1.5の範囲に設定することが望ましく、
0.2未満では渋味が勝って風味不良となる。また、
3.0を越えると旨味が勝り和風スープ様になり、お茶
の風味が失われる。
【0023】更に、図3はアミノ酸/タンニン比による
市販の玉露、上級煎茶、煎茶、番茶の各飲料の分布位置
を示す図であるが、具体的に図3により説明すると、茶
類抽出液中のアミノ酸濃度を予め測定しておき、タンニ
ン濃度を任意の目標値にポリビニルポリピロリドン樹脂
処理により設定することにより、番茶、煎茶から玉露、
上級煎茶への好みのグレードへアップすることができ
る。すなわち、原料茶葉の抽出条件とポリビニルポリピ
ロリドン樹脂処理を組み合わせることにより、任意のグ
レートと風味の茶類飲料を製造することができる。
【0024】
【実施例】以下に、本発明を実施例により説明するが本
発明はこれらに限定されるものではない。
【0025】実施例1 緑茶葉22kgを50℃、1000リットルの温水にて
15分間抽出した後、金属メッシュ(No.120)フ
ィルター濾過法により固液分離を行った。得られた抽出
液(pH5.9、タンニン濃度165mg/100g)
950kgを室温まで冷却後、ポリビニルポリピロリド
ン樹脂(商品名:ダイバガンEC、平均粒径45μm、
かさ密度0.2〜0.25g/cm3 、BASF社製
品)0.475kgを終濃度500ppmとなるよう添
加し撹拌を開始した。撹拌開始より経時的により抽出液
を抜き取り、孔径0.45μmの精密濾過機(ミリポア
フィルターJHタイプ、ミリポア社製品)によってポリ
ビニルポリピロリドン樹脂を除去後、濾液のタンニン濃
度を酒石酸鉄比色法で測定した。その結果を図示したも
のが図1である。図1に示す通り、タンニンのポリビニ
ルポリピロリドン樹脂(以下、PVPPと記す)への吸
着反応は10分でほぼ平衡に達した。
【0026】次に、上記抽出液に終濃度1000ppm
〜3000ppmとなるようPVPPを添加し20分間
接触させた時のタンニン濃度の減少度合を図2に示し
た。図2より、タンニン濃度の減少とPVPPの添加量
の間には直線的な比例関係が成り立つことが判る。
【0027】図2と同様な実験系を用いたときの、PV
PPの終濃度と、タンニン濃度、アミノ酸濃度の推移を
調べた結果を下記の表1に示した。
【0028】
【表1】
【0029】表1の結果より、PVPPはタンニンを定
量的に吸着して抽出液中のタンニンを取り除く一方、ア
ミノ酸を吸着せず、アミノ酸濃度はほぼ変化しないこと
が判る。このことは、風味上アミノ酸の旨味を保持した
まま、タンニンの渋味が抑制可能であることを示してい
る。
【0030】実施例2 緑茶葉11.2kgを50℃の温水1000リットルに
て30分間抽出後、金属メッシュ(No.120)フィ
ルター濾過法により固液分離した抽出液950kgを作
り、これを第1液とした。この抽出液500kgへPV
PP(ダイバガンEC、BASF社製品)1.5kgを
終濃度3000ppmとなるよう添加し、20分間接触
させた処理液(タンニン濃度17mg/100g)45
0kgを調整し、第2液とした。
【0031】第1液の残り450kgと第2液450k
gを混合しタンニン濃度が60mg/100gおよび3
0mg/100gである緑茶Aおよび緑茶Bを調整し
た。従って、緑茶Aと緑茶Bは、アミノ酸濃度(21m
g/100g)が等しくタンニン濃度が異なる2種類の
緑茶である。このとき、混合比率を変化させれば、アミ
ノ酸/タンニン比は任意に調整可能である。
【0032】緑茶AおよびBについて、それぞれ絶対評
価法により官能検査(パネラー数28名)を行い、結果
を図4に示した。評価は4点満点にて行い、渋味・苦味
・旨味の項目は、0点:弱い、2点:丁度良い、4点:
強いとし、コクについては、0点:ない、2点:どちら
とも言えない、4点:あるとして評価した。
【0033】図4の結果から、PVPPによるタンニン
濃度の調整により、渋味・苦味が抑制され、旨味の強調
された緑茶が製造されたことが認められる。
【0034】実施例3 ウーロン葉11.2kgを70℃の温水1000リット
ルにて20分間抽出後、金属メッシュ(No.120)
フィルター濾過法により固液分離した抽出液950kg
を作り、これを第1液とした。この抽出液500kgへ
PVPP(ダイバガンEC、BASF社製品)1.5k
gを終濃度3000ppmとなるよう添加し、20分間
接触させた処理液(タンニン濃度12mg/100g)
450kgを調整し、第2液とした。
【0035】第1液の残り450kgと第2液450k
gを混合しタンニン濃度が60mg/100gおよび3
0mg/100gであるウーロン茶Aおよびウーロン茶
Bを調整した。従って、ウーロン茶Aとウーロン茶B
は、アミノ酸濃度(20mg/100g)が等しくタン
ニン濃度が異なる2種類のウーロン茶である。
【0036】実施例2と同様に、それぞれ絶対評価法に
より官能検査を行い、結果を図5に示した。図5の結果
から、PVPPによるタンニン濃度の調整により、渋味
・苦味が抑制され、旨味の強調されたウーロン茶が製造
されたことが認められる。
【0037】実施例4 紅茶葉11.2kgを70℃の温水1000リットルに
て15分間抽出後、金属メッシュ(No.120)フィ
ルター濾過法により固液分離した抽出液950kgを作
り、これを第1液とした。この抽出液500kgへPV
PP(ダイバガンEC、BASF社製品)1.5kgを
終濃度3000ppmとなるよう添加し、20分間接触
させた処理液(タンニン濃度15mg/100g)45
0kgを調整し、第2液とした。
【0038】第1液の残り450kgと第2液450k
gを混合しタンニン濃度が60mg/100gおよび3
0mg/100gである紅茶Aおよび紅茶Bを調整し
た。従って、紅茶Aと紅茶Bは、アミノ酸濃度(19m
g/100g)が等しくタンニン濃度が異なる2種類の
紅茶である。
【0039】実施例2と同様に、それぞれ絶対評価法に
より官能検査を行い、結果を図6に示した。図6の結果
から、PVPPによるタンニン濃度の調整により、渋味
・苦味が抑制され、旨味の強調された紅茶が製造された
ことが認められる。
【0040】実施例5 実施例1〜4の処理方法を応用することにより、渋味・
苦味・が低減され、旨味が相対的に向上した製品設計を
することができる。緑茶の例を図3に示す。図3は、タ
ンニン濃度10〜1200mg/100g、アミノ酸濃
度10〜1000mg/100gの緑茶飲料を460種
類作製し、風味評価を行った結果を表示している。
【0041】5点評価法(1点:まずい、2点:ややま
ずい、3点:どちらとも言えない、4点:ややおいしい
い、5点:おいしい)において、4点以上の高い評点を
得た緑茶飲料のアミノ酸/タンニン比は、0.3〜2.
0であった。
【0042】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の茶類飲料の
製造方法によれば、茶類飲料中のタンニンの任意量を定
量的に除去することにより、茶類飲料のアミノ酸/タン
ニン比を任意に設定することができる。その結果、タン
ニンの渋味・苦味が抑制され、アミノ酸の旨味が強調さ
れた嗜好性の優れた高級茶類飲料を、高価な原料茶葉を
選定せずに、安価な並級の原料茶葉を利用することによ
り製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の茶類抽出液中に存在するタンニンの
PVPPへの吸着反応を経時的に示すグラフである。
【図2】実施例1のPVPP濃度と茶類抽出液中のタン
ニン濃度減少量の直線的な関係を示すグラフである。
【図3】アミノ酸/タンニン比別によるPVPP処理緑
茶飲料460種類の風味評価と市販の玉露、上級煎茶、
煎茶、番茶の分布位置を示す図である。
【図4】実施例2のPVPP処理により調整した、アミ
ノ酸濃度が変わらずタンニン濃度が異なる2種類の緑茶
AおよびBの官能検査による風味評価比較のグラフであ
る。
【図5】実施例3のPVPP処理により調整した、アミ
ノ酸濃度が変わらずタンニン濃度が異なる2種類のウー
ロン茶AおよびBの官能検査による風味評価比較のグラ
フである。
【図6】実施例4のPVPP処理により調整した、アミ
ノ酸濃度が変わらずタンニン濃度が異なる2種類の紅茶
AおよびBの官能検査による風味評価比較のグラフであ
る。
フロントページの続き (72)発明者 内藤 憲二 神奈川県相模原市淵野辺5丁目11番10号 カルピス食品工業株式会社研究開発センタ ー内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンニンおよびアミノ酸を含有する茶類
    抽出液を、ポリビニルポリピロリドン樹脂と接触させ、
    茶類抽出液中のタンニンを吸着させ、除去することによ
    り、アミノ酸/タンニン比を0.2〜3.0に設定する
    ことを特徴とする茶類飲料の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の処理により得られる茶類
    抽出液と、未処理の茶類抽出液とを混合することによ
    り、アミノ酸/タンニン比を0.2〜3.0に設定する
    ことを特徴とする茶類飲料の製造方法。
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