JPH09216875A - 光学活性ベンゾチアゼピン誘導体およびその製法 - Google Patents

光学活性ベンゾチアゼピン誘導体およびその製法

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JPH09216875A
JPH09216875A JP32239596A JP32239596A JPH09216875A JP H09216875 A JPH09216875 A JP H09216875A JP 32239596 A JP32239596 A JP 32239596A JP 32239596 A JP32239596 A JP 32239596A JP H09216875 A JPH09216875 A JP H09216875A
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ring
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JP32239596A
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Ryuzo Yoshioka
龍藏 吉岡
Shinichi Yamada
真一 山田
Takeji Shibatani
武爾 柴谷
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Tanabe Seiyaku Co Ltd
Original Assignee
Tanabe Seiyaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 化学式[1] 【化1】 [式中、環A及び環Bは置換基を有してもよいベンゼン
環、R1及びR2は同一又は異なってもよい低級アルキル
基を表わす。]で表される化合物を光学分割する方法を
提供する。 【解決手段】 光学活性3−ブロモカンファー−9−ス
ルホン酸を分割剤とし、生成する二種のジアステレオマ
ー塩の相互の溶解度の差を利用して、化学式[1]で表
される3−ヒドロキシ−1,5−ベンゾチアゼピン誘導
体を光学分割することにより製する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学活性な3−ヒ
ドロキシ−1,5−ベンゾチアゼピン誘導体の製法およ
び光学活性な3−ヒドロキシ−1,5−ベンゾチアゼピ
ン誘導体酸付加塩に関する。
【0002】さらに詳しくはラセミ型シス−3−ヒドロ
キシ−1,5−ベンゾチアゼピン誘導体又はその酸付加
塩を光学活性3−ブロモカンファー−9−スルホン酸又
はその塩によって光学分割する方法、および新規化合物
である3−ヒドロキシ−1,5−ベンゾチアゼピン誘導
体の3−ブロモカンファー−9−スルホン酸塩に関す
る。
【0003】
【従来の技術】本発明によって得ることができるシス−
3−ヒドロキシ−1,5−ベンゾチアゼピン誘導体の光
学活性体又はその酸付加塩は、カルシウム・チャンネル
遮断薬として狭心症や本態性高血圧症等の治療に広く使
用されている塩酸ジルチアゼム[化学名:(2S,3
S)−シス−3−アセトキシ−2,3−ジヒドロ−5−
[2−(ジメチルアミノ)エチル]−2−(4−メトキ
シフェニル)−1,5−ベンゾチアゼピン−4(5H)
−オン塩酸塩]の製造中間体等として極めて重要な化合
物である。
【0004】有機化合物の光学分割法には種々の方法が
あるが、ラセミ体に光学活性な分割剤を作用させ一対の
ジアステレオマー塩を生成させ、その両者の溶解度差を
利用して光学分割をする方法(ジアステレオマー法)は
工業的に有利な方法の一つである。
【0005】しかしながら、あるラセミ化合物を効率よ
く分割するために、いかなる光学分割剤を用いればよい
かを予測することは容易でなく、試行錯誤的に研究を進
めなければならないことが、当該技術分野における技術
常識となっている[日本化学会編:”光学異性体の分
離”,化学総説No.6,5〜8項(1989年);野
平博之編著:”光学活性体−その有機工業化学”,75
項(1989年);Allinger,N.L.,E.
L.Eliel:”Topics in Stereo
chemistry",vol.6,p108,Joh
n Wiley&Sons,Wiley−Inters
cience New York(1971年)]。
【0006】すなわち、たとえあるラセミ化合物がある
分割剤を用いて効率良く光学分割することができるとし
ても、それと類似した構造をもつ他のラセミ化合物が、
同一又は類似の分割剤を用いて効率良く光学分割できる
か否かはもちろん、ジアステレオマー塩として結晶化す
るか否かについてさえも、予測することは一般的に困難
である。
【0007】特開昭59−20273号には、一般式
[4]
【0008】
【化5】
【0009】で示される3−アセトキシ−1,5−ベン
ゾチアゼピン誘導体が、光学活性カンファー−10−ス
ルホン酸又は光学活性リンゴ酸を用いて光学分割可能で
あることが開示されている。
【0010】一方、薬学雑誌、93(6)、729頁
(1973年)には、化合物[1−a]
【0011】
【化6】
【0012】で示される3−ヒドロキシ−1,5−ベン
ゾチアゼピン誘導体を効率良く光学分割するのは非常に
困難であり、光学活性カンファー−10−スルホン酸を
用いて分割した場合、更に15回もの再結晶を繰り返し
て、ようやく少量の(+)−体しか得られなかったこと
が、報告されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記の様に、3−アセ
トキシ−1,5−ベンゾチアゼピン誘導体[4]につい
ては効率良く光学分割する方法が見出されたのに対し、
3−ヒドロキシ−1,5−ベンゾチアゼピン誘導体につ
いては効率良く光学分割する有用な方法は無く、簡便で
効率のよい工業的な製法が望まれていた。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる状況
の下、新規製造法を見出すため鋭意研究を進めた結果、
シス−3−ヒドロキシ−1,5−ベンゾチアゼピン誘導
体又はその酸付加塩に光学活性3−ブロモカンファー−
9−スルホン酸又はその塩を適当な溶媒中で作用させ、
新規なジアステレオマー塩を形成させるだけで高純度の
光学活性3−ヒドロキシ−1,5−ベンゾチアゼピン誘
導体を容易かつ高収率で取得できることを見出し、本発
明を完成した。
【0015】本発明によれば、一般式[1]
【0016】
【化7】
【0017】[式中、環A及び環Bは置換基を有しても
よいベンゼン環、R1及びR2は同一又は異なってもよい
低級アルキル基を表わす。]で示されるシス−3−ヒド
ロキシ−1,5−ベンゾチアゼピン誘導体[1]のラセ
ミ体又はその酸付加塩に光学活性d−又はl−3−ブロ
モカンファー−9−スルホン酸又はその塩を作用させ、
生成した一般式[2]
【0018】
【化8】
【0019】[式中、記号は前記と同一の意味を有す
る。]で示される二種のジアステレオマー塩の相互の溶
解度の差を利用して、いずれか一方のジアステレオマー
塩を分離採取し、次いでこれを遊離塩基又はジアステレ
オマー塩[2]以外の酸付加塩に変換することにより、
シス−3−ヒドロキシ−1,5−ベンゾチアゼピン誘導
体[1]の光学活性体又はその酸付加塩を得ることがで
きる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明において、一般式[1]及
び[2]で示される3−ヒドロキシ−1,5−ベンゾチ
アゼピン誘導体の環A及び/又は環Bは置換基を有しな
いものであってもよいし、低級アルキル基、低級アルコ
キシ基及びハロゲン原子から選ばれる置換基を任意の置
換部位に有しているものであってもよい。
【0021】このような低級アルキル基としては、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基などの炭素数が1から6の直鎖又は分
岐アルキル基が、低級アルコキシ基としては、メトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブ
トキシ基などの炭素数が1から6の直鎖又は分岐アルコ
キシ基が、ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原
子、フッ素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
【0022】このうち、環Aとしては一般式[5]
【0023】
【化9】
【0024】(但し、Rは水素原子、メチル基、メトキ
シ基又は塩素原子を表す。)で示されるベンゼン環が好
ましく、環Bとしては4位にメトキシ基又はメチル基を
有するベンゼン環が好ましい。
【0025】とりわけ、環Aとしては非置換ベンゼン環
が、環Bとしては4位にメトキシ基を有するベンゼン環
が好ましい。
【0026】また、R1及びR2で示される低級アルキル
基は、環A及び/又は環Bの置換基として例示した低級
アルキル基が挙げられ、とりわけメチル基が好ましい。
【0027】本発明の方法は、適当な溶媒中でシス−3
−ヒドロキシ−1,5−ベンゾチアゼピン誘導体[1]
のラセミ体に光学活性3−ブロモカンファー−9−スル
ホン酸を作用させ、必要に応じて加熱溶解し、静置また
は撹拌下に放冷して難溶性ジアステレオマー塩[2]の
結晶を析出させ、該塩を取得し、次いでこれを遊離塩基
又はジアステレオマー塩[2]以外の酸付加塩に変換す
る方法で実施される。
【0028】本発明の方法によれば、シス−3−ヒドロ
キシ−1,5−ベンゾチアゼピン誘導体[1]のラセミ
体から、所望の光学活性体を得ることができる。すなわ
ち、d−3−ブロモカンファー−9−スルホン酸を作用
させることによりシス−3−ヒドロキシ−1,5−ベン
ゾチアゼピン誘導体[1]の(2S,3S)−体を、l
−3−ブロモカンファー−9−スルホン酸を作用させる
ことによりシス−3−ヒドロキシ−1,5−ベンゾチア
ゼピン誘導体[1]の(2R,3R)−体を得ることが
できる。
【0029】本発明に使用されるシス−3−ヒドロキシ
−1,5−ベンゾチアゼピン誘導体[1]のラセミ体と
しては、(2S,3S)−体と(2R,3R)−体が
1:1の割合で存在する完全なラセミ体でも、一方の光
学活性体が多く存在するラセミ体でも使用することがで
きる。また、遊離塩基の形でも、酸付加塩の形でも使用
することができ、例えば酸付加塩としては塩酸塩、硫酸
塩、燐酸塩等の如き無機酸塩およびシュウ酸、ベンゼン
スルホン酸の如き有機酸塩等のいずれも使用することが
できる。
【0030】本発明に用いられる光学分割剤の光学活性
3−ブロモカンファー−9−スルホン酸は、遊離酸の形
でも塩の形でも使用することができる。塩としては、例
えば、ナトリウム塩、カリウム塩如くのアルカリ土類金
属塩およびアンモニウム塩、メチルアミン塩、ベンジル
アミン塩の如き有機塩基塩等を好適に使用することがで
きる。
【0031】光学活性3−ブロモカンファー−9−スル
ホン酸の使用量は、特に限定されるものではないが、シ
ス−3−ヒドロキシ−1,5−ベンゾチアゼピン誘導体
[1]のラセミ体に対して0.5から1.5倍モル量が
好適である。
【0032】本発明に用いられる溶媒としては、水また
はメタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコ
ール類、またはアセトン、メチルエチルケトンなどのケ
トン類、または酢酸エチルなどのエステル類、またはベ
ンゼン、トルエン、あるいはキシレンなどの芳香族炭化
水素類、または塩化メチレン、クロロホルムなどのハロ
ゲン化炭化水素類、またはヘキサンあるいはシクロヘキ
サンなどの飽和脂肪族炭化水素類などが好適な例として
挙げることができる。
【0033】これらの溶媒は、単独で用いてもよいが、
必要に応じて適当な比率で二種類またはそれ以上の種類
を混合して使用してもよい。とりわけ水またはアルコー
ル類との混合溶媒が好ましい。
【0034】反応溶液から難溶性ジアステレオマー塩
[2]を析出させる温度条件としては、使用する溶媒の
凝固点から沸点の温度範囲が挙げられるが、好ましい温
度範囲は室温ないし溶媒の沸点以下である。
【0035】また、本発明では反応液から難溶性ジアス
テレオマー塩[2]は容易に析出するので、接種の必要
はないが、析出を容易にするため適当な温度条件下で目
的とするジアステレオマー塩と同種の結晶を接種しても
なんら問題はない。
【0036】反応液から析出した難溶性ジアステレオマ
ー塩[2]の結晶は、ろ過、遠心分離などの通常の固液
分離法によって容易に分離することができる。また、得
られた難溶性ジアステレオマー塩[2]の結晶はそのま
までも充分純度が高いが、必要に応じて再結晶してその
純度を更に高めることができる。
【0037】かくして分離されたジアステレオマー塩
[2]は、公知の方法によって遊離塩基又はジアステレ
オマー塩[2]以外の酸付加塩に変換することができ
る。
【0038】たとえば、ジアステレオマー塩[2]を水
またはアルコール類に溶解し、炭酸水素ナトリウム、水
酸化ナトリウムまたはトリエチルアミン、ピリジンの如
き塩基で中和し析出した結晶を取得するか、あるいは塩
基で中和後酢酸エチルなどの有機溶媒で抽出することに
より、3−ヒドロキシ−1,5−ベンゾチアゼピン誘導
体[1]の光学活性体を得ることができる。
【0039】また、分割剤の光学活性3−ブロモカンフ
ァー−9−スルホン酸は、ジアステレオマー塩[2]を
遊離塩基又は酸付加塩に変換した後の母液を強酸性陽イ
オン交換樹脂処理して遊離酸の形で、あるいは塩基を加
えて結晶性の塩として回収し、再利用が可能である。
【0040】なお、難溶性ジアステレオマー塩[2]を
ろ過した分割母液からは、上記の如くの塩基で中和し析
出した結晶を取得するか、あるいは塩基で中和後酢酸エ
チルで抽出すれば(+)−体または(−)−体の過剰の
化合物[1]が取得でき、その抽出母液からは上記と同
様に分割剤の光学活性3−ブロモカンファー−9−スル
ホン酸を回収して、再利用することができる。
【0041】得られた3−ヒドロキシ−1,5−ベンゾ
チアゼピン誘導体[1]の光学活性体又はその酸付加塩
は、公知の方法に従って一般式[3]
【0042】
【化10】
【0043】[式中、R3は低級アルカノイル基を表わ
し、他の記号は前記と同一の意味を有する。]で示され
る1,5−ベンゾチアゼピン誘導体[3]の光学活性体
又はその薬理的に許容し得る塩とすることができる。
【0044】すなわち、特公昭46−16988号、特
公昭46−43785号、特公昭47−813号、特公
昭53−18038号、特公昭63−13994号ある
いは特開平3−157378号に記載の公知方法に従っ
て、3−ヒドロキシ−1,5−ベンゾチアゼピン誘導体
[1]の光学活性体又はその酸付加塩の3位水酸基を低
級アルカノイル化することにより、光学活性1,5−ベ
ンゾチアゼピン誘導体にすることができ、さらに所望に
より生成物をその薬理的に許容し得る塩とすることがで
きる。
【0045】例えば、1,5−ベンゾチアゼピン誘導体
[3]は、3−ヒドロキシ−1,5−ベンゾチアゼピン
誘導体[1]を一般式[6]
【0046】
【化11】
【0047】[式中、R3は低級アルカノイル基を表わ
す。]で示される化合物またはその反応性誘導体と縮合
反応させることにより製造することができる。
【0048】本明細書において、低級アルカノイルと
は、アセチル、プロピオニル、イソプロピオニル、ブタ
ノイル、ペンタノイル、ヘキサノイルなどの炭素数2か
ら6の直鎖又は分岐アルカノイルを表わす。また、d−
3−ブロモカンファー−9−スルホン酸とは[(1R)
−(エンド,アンチ)]−(+)−3−ブロモ−1,7
−ジメチル−7−スルホメチルビシクロ[2.2.1]
ヘプタン−2−オンを表わし、l−3−ブロモカンファ
ー−9−スルホン酸とは[(1S)−(エンド,アン
チ)]−(−)−3−ブロモ−1,7−ジメチル−7−
スルホメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オ
ンを表わす。
【0049】なお、本発明に使用する原料の3−ヒドロ
キシ−1,5−ベンゾチアゼピン誘導体[1]は、例え
ばケミカル アンド ファーマシューティカル ブレテ
ィン(Chem.Pharm.Bull.)19,59
5(1971)に記載の方法などに従って容易に得るこ
とができる。
【0050】以下実施例により具体的に説明するが、本
発明はこれによって限定されるものではない。
【0051】
【実施例】
実施例1 (±)−(2RS,3RS)−シス−2,3−ジヒドロ
−5−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−3−ヒドロ
キシ−2−(4−メトキシフェニル)−1,5−ベンゾ
チアゼピン−4(5H)−オン2.0gに22.9wt
%のd−3−ブロモカンファー−9−スルホン酸水溶液
7.45g、水19.4mlおよびメタノール8mlを
加え、70〜90゜Cで加熱溶解し、徐冷後室温下2時
間撹拌する。析出晶を濾過し、少量の冷水/メタノール
=4/1で洗浄後50゜Cで減圧乾燥し、(+)−(2
S,3S)−シス−2,3−ジヒドロ−5−[2−(ジ
メチルアミノ)エチル]−3−ヒドロキシ−2−(4−
メトキシフェニル)−1,5−ベンゾチアゼピン−4
(5H)−オン・d−3−ブロモカンファー−9−スル
ホン酸塩1.72g[用いた(±)−(2RS,3R
S)−体に対して収率(46.9%)、[α]D 25:+
107.0゜(c=1,MeOH)]を得る。この塩
0.68gを水30mlに懸濁し炭酸水素ナトリウム
0.09gを加え、酢酸エチルで3回抽出する。酢酸エ
チル層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで
乾燥後、酢酸エチルを留去して(+)−(2S,3S)
−体0.35gを得る。
【0052】融点:86−88゜C、 [α]D 25:+168.8゜(c=1,MeOH) 光学純度:98.8% [文献値[α]D 25:+170.8゜(c=1,MeO
H)] 実施例2 (±)−(2RS,3RS)−シス−2,3−ジヒドロ
−5−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−3−ヒドロ
キシ−2−(4−メトキシフェニル)−1,5−ベンゾ
チアゼピン−4(5H)−オン2.0gにd−3−ブロ
モカンファー−9−スルホン酸アンモニウム塩1.79
g、水25ml、メタノール8mlおよび6N−HCl
0.91mlを加え、70〜90゜Cで加熱溶解し、
徐冷後室温下2時間撹拌する。析出晶を濾過し、少量の
冷水/メタノール=4/1で洗浄後50゜Cで減圧乾燥
し、(+)−(2S,3S)−シス−2,3−ジヒドロ
−5−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−3−ヒドロ
キシ−2−(4−メトキシフェニル)−1,5−ベンゾ
チアゼピン−4(5H)−オン・d−3−ブロモカンフ
ァー−9−スルホン酸塩1.60g[用いた(±)−
(2RS,3RS)−体に対して収率(43.6%)、
[α]D 25:+108.4゜(c=1,MeOH)]を
得る。この塩1.50gを水15ml/エタノール0.
5mlから再結晶して1.42g、収率94.7%、
[α]D 25:+112.2゜(c=1,MeOH)を得
る。この塩1.37gを実施例1と同様に処理して、
(+)−(2S,3S)−体0.70gを得る。
【0053】融点:86−88゜C [α]D 25:+170.8゜(c=1,MeOH) 光学純度:100% 実施例3 (±)−(2RS,3RS)−シス−2,3−ジヒドロ
−5−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−3−ヒドロ
キシ−2−(4−メトキシフェニル)−1,5−ベンゾ
チアゼピン−4(5H)−オン4.0gに22.9wt
%d−3−ブロモカンファー−9−スルホン酸水溶液
8.77g、水23.2ml、6N−HCl 0.72
mlおよびメタノール9.5mlを加え、70〜90゜
Cで加熱溶解し、徐冷後室温下2時間撹拌する。析出晶
を濾過し(濾過液をA液と称する。)、少量の冷水/メ
タノール=4/1で洗浄後減圧乾燥し、(+)−(2
S,3S)−シス−2,3−ジヒドロ−5−[2−(ジ
メチルアミノ)エチル]−3−ヒドロキシ−2−(4−
メトキシフェニル)−1,5−ベンゾチアゼピン−4
(5H)−オン・d−3−ブロモカンファー−9−スル
ホン酸塩3.26g[用いた(±)−(2RS,3R
S)−体に対して収率(44.4%)、[α]D 25:+
113.2゜(c=1,MeOH)]を得る。この塩
2.73gを水60mlに懸濁し炭酸水素ナトリウム
0.37gを加え、酢酸エチルで3回抽出する。酢酸エ
チル層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで
乾燥後、酢酸エチルを留去して(+)−(2S,3S)
−体1.40gを得る。
【0054】融点:86−88゜C [α]D 25:+166.7゜(c=1,MeOH) 光学純度:97.6% [文献値[α]D 25:+170.8゜(c=1,MeO
H)] 上記A液のメタノールを留去し、炭酸水素ナトリウム
0.8gを加え、酢酸エチルで3回抽出する。酢酸エチ
ル層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾
燥後、酢酸エチルを留去して(2R,3R)−シス−
2,3−ジヒドロ−5−[2−(ジメチルアミノ)エチ
ル]−3−ヒドロキシ−2−(4−メトキシフェニル)
−1,5−ベンゾチアゼピン−4(5H)−オン2.2
1gを得る。
【0055】[α]D 25:−127.8゜(c=1,M
eOH) 光学純度:74.8%
【0056】
【発明の効果】本発明の方法では、(±)−シス−(2
RS,3RS)−5−[2−(ジ低級アルキルアミノ)
エチル]−2,3−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−2−
(置換又は非置換フェニル)−1,5−置換又は非置換
ベンゾチアゼピン−4(5H)−オンの溶液に光学活性
3−ブロモカンファー−9−スルホン酸を作用させ、生
成する一対の新規なジアステレオマー塩のそれぞれの溶
媒に対する溶解度の差を利用して、溶解度の小さい方を
晶析させ、分離することにより3−ヒドロキシ−1,5
−ベンゾチアゼピン誘導体の光学活性体を取得できる。
また、本発明の方法では、再結晶を行うことなく高収率
で高純度の3−ヒドロキシ−1,5−ベンゾチアゼピン
誘導体の光学活性体を容易に得ることができる。
【0057】本発明の方法によれば、シス−3−ヒドロ
キシ−1,5−ベンゾチアゼピン誘導体[1]のラセミ
体の光学分割を高い選択性で実施できると共に、煩雑な
工程を経ることなく光学的に高純度のシス−3−ヒドロ
キシ−1,5−ベンゾチアゼピン誘導体[1]の光学活
性体を高収率で取得できる。従って、本発明方法はシス
−3−ヒドロキシ−1,5−ベンゾチアゼピン誘導体
[1]の光学活性体の工業的製法として優れた方法であ
る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式[1] 【化1】 [式中、環A及び環Bは置換基を有してもよいベンゼン
    環、R1及びR2は同一又は異なってもよい低級アルキル
    基を表わす。]で示されるシス−3−ヒドロキシ−1,
    5−ベンゾチアゼピン誘導体[1]のラセミ体又はその
    酸付加塩に光学活性d−又はl−3−ブロモカンファー
    −9−スルホン酸又はその塩を作用させ、生成した一般
    式[2] 【化2】 [式中、記号は前記と同一の意味を有する。]で示され
    る二種のジアステレオマー塩の相互の溶解度の差を利用
    して、いずれか一方のジアステレオマー塩を分離採取
    し、次いでこれを遊離塩基又はジアステレオマー塩
    [2]以外の酸付加塩に変換することを特徴とするシス
    −3−ヒドロキシ−1,5−ベンゾチアゼピン誘導体
    [1]の光学活性体又はその酸付加塩の製法。
  2. 【請求項2】 環Aが非置換ベンゼン環、環Bが4位に
    メトキシ基を有するベンゼン環、R1及びR2が共にメチ
    ル基である請求項1記載の製法。
  3. 【請求項3】 得られる光学活性体が(2S,3S)−
    体である請求項1又は2記載の製法。
  4. 【請求項4】 一般式[2] 【化3】 [式中、環A及び環Bは置換基を有してもよいベンゼン
    環、R1及びR2は同一又は異なってもよい低級アルキル
    基を表わす。]で示される3−ヒドロキシ−1,5−ベ
    ンゾチアゼピン誘導体酸付加塩。
  5. 【請求項5】 環Aが非置換ベンゼン環、環Bが4位に
    メトキシ基を有するベンゼン環、R1及びR2が共にメチ
    ル基である請求項4記載の3−ヒドロキシ−1,5−ベ
    ンゾチアゼピン誘導体酸付加塩。
  6. 【請求項6】 2位及び3位の絶対配置が(2S,3
    S)である請求項4又は5記載の1,5−ベンゾチアゼ
    ピン誘導体酸付加塩。
  7. 【請求項7】 請求項1、2又は3記載の製法によって
    得られるシス−3−ヒドロキシ−1,5−ベンゾチアゼ
    ピン誘導体[1]の光学活性体又はその酸付加塩を公知
    の方法に従って、一般式[3] 【化4】 [式中、R1及びR2は同一又は異なってもよい低級アル
    キル基、R3は低級アルカノイル基を表わす。]で示さ
    れる1,5−ベンゾチアゼピン誘導体[3]の光学活性
    体又はその薬理的に許容し得る塩とすることを特徴とす
    る光学活性1,5−ベンゾチアゼピン誘導体又はその薬
    理的に許容し得る塩の製法。
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