JPH09216511A - 自動車用空調装置 - Google Patents

自動車用空調装置

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JPH09216511A
JPH09216511A JP2556396A JP2556396A JPH09216511A JP H09216511 A JPH09216511 A JP H09216511A JP 2556396 A JP2556396 A JP 2556396A JP 2556396 A JP2556396 A JP 2556396A JP H09216511 A JPH09216511 A JP H09216511A
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JP
Japan
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air
condensed water
heat exchanger
air conditioner
evaporator
Prior art date
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Application number
JP2556396A
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English (en)
Inventor
Tomohiro Yamamoto
智宏 山本
Yuichi Shirota
雄一 城田
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エバポレータ21を略水平に近い角度で設置
したエアコンユニットにおいて、組付構造の簡略化を図
るとともに、エバポレータ21における凝縮水の排水性
を改善する。 【解決手段】 エアコンユニット2のケース23、24
内にエバポレータ21を略水平に配置し、、送風機の送
風空気がエバポレータ21の下方から導入され、上方へ
導出されるようにするとともに、エアコンユニット2の
ケースを、垂直方向に分割面を有する縦割れタイプの2
つのケース23、24から構成する。エバポレータ21
を送風空気の前方側へ向かって下方へ微小角度だけ傾斜
させ、エバポレータ21の傾斜前進端に凝縮水案内部材
30をケース23、24とは別体で成形して配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車用空調装置に
関するもので、特に送風機からの送風空気を下部より導
入し、その後流側に空調用熱交換器を略水平に近い角度
で設置したエアコンユニットの組付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】本出願人は、先に、特願平7−2355
05号等の特許出願において、自動車用空調装置のう
ち、車室内に設置されるエアコンユニット部分の小型化
を図るために、このエアコンユニット内に冷却用熱交換
器(冷凍サイクルのエバポレータ)を略水平に配置し、
この冷却用熱交換器の上方側に加熱用熱交換器(ヒータ
コア)を略水平に配置するとともに、エアコンユニット
の側方に送風機を配置したものを提案している。
【0003】この先願の装置では、送風機からの送風空
気を略水平方向に送風して冷却用熱交換器の下方に送風
した後、この冷却用熱交換器部の下方から送風空気を上
方へ屈折させて、冷却用熱交換器および加熱用熱交換器
を通過させ、所定の温度に温度制御した後、車室内へ空
気を吹き出すようにしている。このような先願の配置レ
イアウトによれば、エアコンユニットの車両前後方向に
送風ダクト部を設ける必要がなくなり、エアコンユニッ
トの車両前後方向の寸法を大幅に短縮できるとともに、
上記両熱交換器の水平方向配置により車両上下方向の寸
法をも短縮でき、エアコンユニットの小型化を達成でき
るものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記先願に
よるエアコンユニットについて、本発明者らが試作検討
したところ、次のような問題が生じることが判明した。
すなわち、上記先願のエアコンユニットでは、冷却用、
加熱用の熱交換器部や空気流制御用のドア等を収納する
ユニットケースを、水平方向に分割面を有する横割れタ
イプの3つのケースに分割し、この3分割したユニット
ケース内に熱交換器、ドア等を収納するようにしている
ため、ユニットケースを樹脂にて型成形する際に、3つ
の成形型が必要となり、型費が高くなり、しかも、ユニ
ットケースの3分割化によりエアコンユニットの組付も
煩雑化し、組付工数が増え、製造コストの上昇を招く。
【0005】そこで、本発明は上記点に鑑み、空調用熱
交換器を略水平に近い角度で設置したエアコンユニット
において、組付構造の簡略化を図ることを目的とする。
また、本発明の他の目的は、冷却用熱交換器における凝
縮水の排水性を改善した自動車用空調装置を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、以下の技術的手段を採用する。請求項1記載
の発明では、エアコンユニット(2)のケース(23、
24)内に空調用熱交換器(21、22)を略水平に配
置し、、送風機(14)により送風される送風空気が空
調用熱交換器(21、22)の下方から導入され、上方
へ導出されるようにするとともに、エアコンユニット
(2)のケース(23、24)を、垂直方向に分割面を
有する縦割れタイプの2つのケース(23、24)から
構成したことを特徴としている。
【0007】これにより、ユニットケースを樹脂にて型
成形する際に、2つの成形型ですみ、型費を低減できる
とともに、2つのユニットケースでエアコンユニットを
組付けできるため、組付作業を簡略化でき、組付工数が
減少し、製造コストを低減できる。また、請求項2記載
の発明では、空調用熱交換器(21、22)として、送
風空気を冷却する冷却用熱交換器(21)を少なくとも
備え、この冷却用熱交換器(21)を、前記送風空気の
送風方向前方側に向かって微小角度だけ下方へ傾斜さ
せ、この冷却用熱交換器(21)の傾斜前進端の下方部
位に、この冷却用熱交換器(21)で発生する凝縮水を
下方へ案内する排水案内部材(30)を配置することを
特徴としている。
【0008】これにより、冷却用熱交換器(21)の傾
斜前進端に集まった凝縮水が排水案内部材(30)との
間でブリッジを作り、排水案内部材(30)の表面上を
伝わってほぼ連続的に下方へ落下していく。従って、冷
却用熱交換器(21)が略水平配置で、その下方から送
風されるレイアウトであっても、凝縮水を冷却用熱交換
器(21)で大きな塊に成長させることなく、スムーズ
に下方へ落下させることができ、凝縮水の排水性を大幅
に改善できる。
【0009】特に、請求項3記載の発明では、排水案内
部材(30)をエアコンユニット(2)のケース(2
4)と別体で形成し、冷却用熱交換器(21)の傾斜前
進端の下方部位に固定することを特徴としている。この
ように、排水案内部材(30)をエアコンユニット
(2)のケース(24)と別体で形成することにより、
排水案内部材(30)がケース(24)の成型時の型抜
きの妨げにならないので、ケース(24)の成形型が簡
単となり、型費をより一層低減できる。
【0010】また、請求項4記載の発明では、排水案内
部材(30)に、冷却用熱交換器(21)の熱交換用コ
ア部(21h)に挿入され固定されるクランプ部(30
b)と、冷却用熱交換器(21)の熱交換用コア部(2
1h)からの凝縮水を受ける凝縮水受け面(30a)
と、この凝縮水受け面(30a)から下方へ垂下する複
数の凝縮水案内片(30a)とを一体成形し、エアコン
ユニット(2)のケース(24)の底面部には凝縮水案
内片(30a)の下端部近傍に凝縮水排水口(29)を
開口させることを特徴としている。
【0011】これにより、熱交換用コア部(21h)に
クランプ部(30b)を挿入するだけで、排水案内部材
(30)の固定を簡単に行うことができる。さらに、冷
却用熱交換器(21)の熱交換用コア部(21h)から
の凝縮水を凝縮水受け面(30a)にて一旦受けとり、
この受け面(30a)から複数の凝縮水案内片(30
a)に凝縮水を導くことができる。従って、熱交換用コ
ア部(21h)側に製造上の寸法バラツキがあっても、
受け面(30a)から複数の凝縮水案内片(30a)を
通して凝縮水をスムーズに排出できる。
【0012】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すもの
である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す実施形態
について説明する。図1、2において、自動車のエンジ
ンルームAと車室Bは、仕切り板C(一般にファイヤウ
ォールと称され、鉄板製である)にて区画されている。
そして、空調装置の送風機ユニット1は車室B内のイン
ストルメントパネルPの中央部から車両幅方向にオフセ
ット(右ハンドル車では車両幅方向の左側にオフセッ
ト)して配置されている。
【0014】上記送風機ユニット1は、その上方部に車
室内空気と車室外空気とを切替導入する内外気切替箱1
1を有し、この内外気切替箱11には外気導入口12と
内気導入口13が開口しており、その内部にはこれら両
導入口12、13を開閉する内外気切替ドア(図示せ
ず)が設置されている。内外気切替箱11の下方には、
図3に示すように、送風機14が配置されており、この
送風機14は遠心式多翼ファン(シロッコファン)1
5、ファン駆動用モータ16、およびスクロールケーシ
ング17から構成されている。
【0015】ファン15の回転軸は略上下方向に向くよ
うに配置され、このファン15の回転により内外気切替
箱11からスクロールケーシング17上部のベルマウス
状吸入口(図示せず)を通して吸入された空気はスクロ
ールケーシング17の出口に向かって略水平方向に(図
1から理解されるように車室Bの左側から右側へ向かっ
て)送風されるようになっている。
【0016】一方、後述の空調用熱交換器を内蔵するエ
アコンユニット2は車室B内のインストルメントパネル
Pの略中央部に配置されている。このエアコンユニット
2において、冷凍サイクルのエバポレータ(冷却用熱交
換器)21は略水平状態に設置して、その下側より前記
送風機ユニット1からの送風空気が流入するようにして
ある。
【0017】そして、エバポレータ21の空気下流側
(車室内上側)へ略水平状態にしてヒータコア(加熱用
熱交換器)22が設置してあり、このヒータコア22
は、エンジン冷却水(温水)を熱源として送風空気を加
熱するものである。このヒータコア22の車室内上方部
(空気下流側)には、複数の吹出空気通路部が設けてあ
る。
【0018】すなわち、この吹出空気通路部としては、
センターフェイス吹出空気通路25と、サイドフェイス
吹出空気通路26と、フット吹出空気通路27と、デフ
ロスタ吹出空気通路28が設けてある。センターフェイ
ス吹出空気通路25は車室内の乗員頭部に向けて空気を
吹き出すセンターフェイス(上方)吹出口(図示せず)
に連通する。サイドフェイス吹出空気通路26は同様に
サイドフェイス吹出口(図示せず)に連通する。
【0019】また、フット吹出空気通路27は車室内の
乗員足元に向けて空気を吹き出すフット(足元)吹出口
(図示せず)に連通する。デフロスタ吹出空気通路28
は窓ガラスに向けて空気を吹き出すデフロスタ吹出口
(図示せず)に連通する。図示しないが、エアコンユニ
ット2内において、ヒータコア22の上方部位には、こ
れらの複数の吹出空気通路25、26、27、28をド
ア手段(板状ドア、円弧状外周面を持つロータリドア、
フィルム状ドア等)により切替開閉する吹出モード切替
部が内蔵されている。この吹出モード切替部のドア手段
により前記複数の吹出空気通路25、26、27、28
を切替開閉して、周知のフェイス吹出モード、バイレベ
ル吹出モード、フット吹出モード、デフロスタ吹出モー
ド、フット・デフロスタ併用吹出モード等の複数の吹出
モードを選択できるようにしてある。
【0020】なお、図1、2と、図3では、吹出空気通
路部の具体的形態を若干変形して示しているが、本発明
の要部ではないので、その相違点の説明は省略する。。
また、本例では、空調の温度制御手段として、ヒータコ
ア22への温水流量を制御する温水制御弁(図示せず)
を備え、この温水制御弁によりヒータコア22への温水
流量を制御して、ヒータコア22による空気加熱量を調
整して車室内への吹出空気温度を制御するようにしてあ
る。
【0021】図4は、エバポレータ21の概略構成を示
すもので、アルミニュウム等の熱伝導性、耐食性に優れ
た金属の薄板を図示上下方向に積層してチューブ21f
を構成するとともに、このチューブ21fの間にコルゲ
ートフィン21gを介在して、コア部21hを構成する
積層型のものである。そして、このコア部21hの一端
(左端)側に、多数のチューブ21fへの冷媒の分配、
および多数のチューブ21fからの冷媒の集合を行うタ
ンク部21eを配置し、コア部21hの他端(右端)側
でチューブ21f内の冷媒の流れをUターン(矢印イ参
照)させるようになっている。
【0022】タンク部21eには、温度作動式膨張弁
(減圧手段)21bで減圧された気液2相冷媒が流入す
る冷媒入口21i、およびコア部21hで蒸発したガス
冷媒が流出する冷媒出口21jが設けられている。図5
は本実施形態の組付構造を示すもので、送風機ユニット
1部分では、ケースを、水平方向に分割面を有する横割
れタイプの3つの部分、すなわち、内外気切替箱11
と、スクロールケーシング17と、このケース17の上
蓋部17aとに3分割している。この上蓋部17aには
前述したベルマウス状吸入口18が開口している。
【0023】そして、送風機14のファン15はモータ
16の回転軸16aに一体に結合された後、スクロール
ケーシング17内に配置され、そしてモータ16はその
フランジ部16bにてスクロールケーシング17に取り
付けられ固定される。次に、スクロールケーシング17
の上端部に上蓋部17aを組付け、この上蓋部17aの
ベルマウス状吸入口18の上方に内外気切替箱11を配
置し、上蓋部17aと内外気切替箱11とを一体に組付
ける。
【0024】一方、エアコンユニット2部分では、ケー
スを、垂直方向に分割面を有する縦割れタイプの左右2
つのケース23、24に2分割している。この縦割れタ
イプの2つのケース23、24のいずれか一方のケース
内に、エバポレータ21、ヒータコア22、空気流制御
用ドア等の部品を収納した後に、この一方のケースに他
方のケースを、周知の結合手段(例えば、金属スプリン
グ製クリップ、ネジ止め等)で結合する。
【0025】なお、2つのケース23、24内におい
て、2点鎖線ロで囲まれた空間は、エバポレータ21の
収納空間を示す。また、破線ハはヒータコア22の支持
面を示す。後述の図8のロ、ハも同じ部分を示してい
る。また、内外気切替箱11、スクロールケーシング1
7、上蓋部17a、およびケース23、24は、ABS
樹脂のようなある程度の弾性を有する樹脂にて成形され
ている。
【0026】ところで、上述した空調ユニットレイアウ
トでは、エバポレータ21を略水平方向に配置し、かつ
その下方から上方へ向かって、送風空気を送風するの
で、凝縮水の落下方向と送風方向とが対向するようにな
り、そのためエバポレータ21で発生する凝縮水の排水
性改善が課題となる。そこで、本実施形態では、凝縮水
の排水性を良好にするため、以下のごとき種々の工夫を
講じている。すなわち、第1に、エバポレータ21は、
水平面より若干傾斜して配置してある。より具体的に述
べると、図3、5に示すように、エバポレータ21の下
側に前記送風機14により送風される送風空気の送風前
方側(図3、5の右方向)に向かって、エバポレータ2
1が下方へ微小角度だけ、傾斜するように配置されてい
る。ここで、エバポレータ21の傾斜角度θは、10〜
30°の範囲としてエバポレータ21自身の保水量が少
なくなるようにするのが好ましい。
【0027】第2に、エバポレータ21のチューブ21
fは、上記送風空気の送風方向(図3、5の左側から右
側に向かう方向)と同一方向に延びるように配置され、
これにより凝縮水がチューブ21fの表面上を送風空気
に押圧されてスムーズに傾斜前進端(図3、5の右側端
部)へ移行するようにしてある。ここで、エバポレータ
21で発生した凝縮水はエバポレータ21の下側(空気
上流側)において、エバポレータ21の傾斜前進端の部
位へ設けた凝縮水排出パイプ29から抜き出すようにし
てあり、このパイプ29は樹脂製のケース24の最底部
に一体成形されている。
【0028】さらに、本発明者らは、上記空調ユニット
レイアウトにおける凝縮水の排出時の挙動について、詳
細に、実験観察したところ、以下の排水挙動が生じるこ
とが判明した。すなわち、凝縮水は重力および送風空気
の圧力によりエバポレータ21の傾斜前進端に集まり、
凝縮水の塊がある程度の大きさまで成長すると、下方に
落下するという、断続的な排水落下運動を繰り返すこと
が判明した。
【0029】そこで、本発明者は、上記排水挙動に鑑
み、凝縮水のスムーズな排水のために、上記凝縮水の塊
が大きくならないうちに、凝縮水をケース24の凝縮水
排出パイプ29側へ連続的に排水し得る構造を案出する
に至った。このために、図6に示すように、凝縮水の塊
Wが集中しやすいエバポレータ21の傾斜前進端の下方
部位に、エバポレータ21のチューブ21fにほぼ接す
る(微小隙間を設けてもよい)ように、排水案内部材3
0が配置してある。
【0030】この排水案内部材30は、本例では、図7
に示すように、ケース24とは別体にて独立に樹脂成形
されている。排水案内プレート30の材質としてはケー
ス24と同様にABS樹脂のようなある程度の弾性を有
する樹脂が好適であり、長方形の枠形状となっている凝
縮水受け面30aを有している。この凝縮水受け面30
aから上方に向かって複数(本例では、4個)のクラン
プ部30bが突出している。このクランプ部30bは図
6(a)に示すように、エバポレータ21のコア部21
hのチューブ21f間に圧入され、この圧入による摩擦
力にて排水案内プレート30をエバポレータ21に保持
固定できるようになっている。
【0031】また、凝縮水受け面30aから下方に垂下
する多数枚の凝縮水案内片30cが並列に一体成形され
ている。この凝縮水案内片30cは下端部が細くなって
いる三角形状になっている。そして、前記凝縮水排出パ
イプ29は、この凝縮水案内片30cの下端部近傍に配
置されている。また、排水案内部材30の凝縮水案内片
30cは図6(b)に示すようにエバポレータ21の傾
斜前進端の下方部位において、その奥行き方向の全領域
にわたって、所定間隔で多数個、送風方向と平行に配置
されている。
【0032】次に、上記構成において本実施形態の作動
を説明する。図3において内外気切替箱11から流入し
た空気は送風機ファン15によってスクロールケーシン
グ17内を略水平方向に流れ、エバポレータ21の下部
へ流入する。そして、送風空気はここから上方へ方向転
換してエバポレータ21を通過し、ここで除湿・冷却さ
れた後、さらに上方へ流れ、ヒータコア22へ導入さ
れ、ここで加熱される。
【0033】本例の場合には、空調温度制御手段とし
て、ヒータコア22への温水量を制御する温水制御弁
(図示せず)を用いており、この温水制御弁にて温水流
量を調節することによって所望の吹出空気温度を得るい
わゆる流調リヒート方式を採用している。そして、ヒー
タコア22で所望温度まで再加熱された空調空気はヒー
タコア22上方に配置された吹出モード切替部によって
所定の吹出口へ分配される。
【0034】さらに、本実施形態では、前述した構成と
することにより、次のような作用効果が得られる。 エバポレータ21およびヒータコア22をともに略水
平方向に配置して、上下方向に重ねるレイアウトにし
て、エアコンユニット2の下側から送風空気を導入し、
上側へ空気を導出するようにしているため、エアコンユ
ニット2の車両前後方向に送風ダクト部を必要とせず、
エアコンユニット2の車両前後方向寸法を大幅に縮小で
きる。
【0035】また、上下方向の熱交換器部スペースも同
時に小さくできるので、エアコンユニット2の車両への
搭載が容易となる。 図5に示すように、エアコンユニット2のケースを、
垂直方向に分割面を有する縦割れタイプの左右2つのケ
ース23、24に2分割し、そして、この縦割れタイプ
の2つのケース23、24内に、エバポレータ21、ヒ
ータコア22、空気流制御用ドア等の部品を収納してい
るから、先願の装置に比してエアコンユニット2のケー
スを樹脂にて型成形する際に、2つの成形型ですみ、型
費を低減できるとともに、エアコンユニットの組付も簡
単となり、組付工数の低減を図ることができる。
【0036】エバポレータ21をその下方へ送風され
てくる送風空気の送風方向の前方側へ向かって微小角度
だけ下方に傾斜しており、またエバポレータ21のチュ
ーブ21fも前記送風方向に配列してあるので、このチ
ューブ21fの表面上を凝縮水が送風空気に押圧され
て、スムーズにエバポレータ21の傾斜前進端(図3、
5の右側端)に集まる。
【0037】しかも、エバポレータ21の傾斜前進端の
下方部位には、エバポレータ21とほぼ接するようにし
て、上下方向の排水案内部材30を配置しているので、
図6(a)に示すように、前記傾斜前進端に集まった凝
縮水Wの塊が排水案内部材30との間でブリッジを作
り、排水案内部材30の凝縮水受け面30aおよび凝縮
水案内片30cの表面上を伝わって凝縮水Wがほぼ連続
的に下方へ落下していく。
【0038】従って、エバポレータ21が略水平配置
で、その下方から送風されるレイアウトであっても、凝
縮水Wはエバポレータ21で大きな塊に成長することな
く、スムーズに下方へ落下していく。そして、凝縮水案
内片30cの細くなった下端部近傍に凝縮水排出パイプ
29を配置しているので、凝縮水案内片30cの下端部
から落下した凝縮水はスムーズに前記パイプ29へ流入
し、排出される。
【0039】また、エバポレータ21の製造上の寸法ば
らつき等の理由から、エバポレータ21の多数のチュー
ブ21fの下面位置と多数枚の凝縮水案内片30cとの
位置ずれが発生しても、排水案内部材30の凝縮水受け
面30aがエバポレータ21の傾斜前進端を横切って多
数のチューブ21fのすべての下面に位置しているの
で、チューブ21fからの凝縮水が必ず受け面30a上
に落下し、ここから多数枚の凝縮水案内片30cに分配
できるので、エバポレータ21側の寸法ばらつきの影響
を受けることなく、凝縮水をスムーズに排出できる。
【0040】排水案内部材30は、ケース24とは別
体で成形しているため、ケース24を型成形する際に、
排水案内部材30が型抜きの支障とならず、好都合であ
る。図8に示すように、もし、排水案内部材30をケー
ス24と一体成形すると、排水案内部材30の奥の空間
(ハッチング部分イ)が型抜き上のアンダーカット部分
となり、このアンダーカット部分イの存在により矢印ニ
方向への型抜きができない。従って、このアンダーカッ
ト部分イを成形するために、上下の成形型の他に、補助
的にスライドコアが必要となり、型費が高くつく。
【0041】これに対し、本実施形態では、排水案内部
材30をケース24とは別体で成形し、ケース24の成
形後にエバポレータ21とともにケース24内に組み込
むようにしているから、排水案内部材30によるアンダ
ーカット部分イは発生せず、従ってスライドコアを必要
とせず、型費を低減できる。 エバポレータ21の凝縮水が下方の空気上流側へ流れ
落ちるので、その落下凝縮水は冷却前の温度の高い送風
空気で温められる。従って、ケース23、24の外表面
温度はさほど低下しないので、このケース23、24へ
の露付きが大幅に減少するか、あるいは露付きがなくな
るので、通常はケース内側へ装着されるべきインシュレ
ータ(断熱材)を廃止することができ、一層のコストダ
ウンを図ることができる。 (他の実施形態)なお、上記実施形態では、排水案内部
材30のクランプ部30bをエバポレータ21のチュー
ブ21f間に圧入して排水案内部材30を固定している
が、排水案内部材30をケース24側に接着、ねじ止
め、リベット止め等の手段にて固定するようにしてもよ
い。
【0042】また、上記実施形態では、排水案内部材3
0の凝縮水案内片30cを下端部側が細くなった(尖っ
た)三角形状にしているが、この三角形状に限定される
ものではない。例えば、短冊状等の他の形状でもよい。
また、上記実施形態では、凝縮水排出パイプ29をケー
ス24の底面部から下方へ垂下する形状としているた
め、矢印ニ方向への型抜きにてパイプ29の穴形状を成
形できない。従って、凝縮水排出パイプ29の穴形状は
スライドコアにて成形することになるが、凝縮水排出パ
イプ29を図8の一点鎖線ホのようにケース24の底面
部と平行な方向に向けるようにすれば、凝縮水排出パイ
プ29の穴形状をスライドコアなしで成形することがで
きる。
【0043】また、エバポレータ21は前述した積層型
のものに限らず、多穴偏平チューブを蛇行状に曲げ形成
し、この蛇行状チューブにコルゲートフィンを組み合わ
せた、いわゆるサーペインタイプのものなど、他の形式
であってもよい。また、上述の実施形態では、空調温度
制御手段として、ヒータコア22への温水量を制御する
温水制御弁を使用する、流調リヒート方式のものについ
て説明したが、ヒータコア22を通過する温風とヒータ
コア22を通過しない冷風との風量割合を制御するエア
ミックスダンパを使用したエアミックス方式のものにも
本発明は適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態による自動車用空調装置を車
両に搭載した状態を示す概略平面図である。
【図2】図1の概略斜視図である。
【図3】図2における自動車用空調装置部分の拡大斜視
図である。
【図4】本発明の実施形態におけるエバポレータの概略
構成を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施形態における組付方法を示す分解
斜視図である。
【図6】(a)は本発明の実施形態における排水案内部
材の配置状態を示す要部断面図、(b)は排水案内部材
側から見たエバポレータと排水案内部材とケースとの配
置図である。
【図7】本発明の実施形態における排水案内部材を示す
斜視図である。
【図8】(a)は本発明の実施形態に対する比較例とし
てのケースの正面図、(b)は同ケースの側面図であ
る。
【符号の説明】
1…送風機ユニット、2…エアコンユニット、14……
送風機、21……エバポレータ、22…ヒータコア、2
3、24…ケース、29…凝縮水排出パイプ、30…排
水案内部材、30a…凝縮水受け面、30b…クランプ
部、30c…凝縮水案内片。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空調空気を送風する送風機(14)を有
    する送風機ユニット(1)と、 この送風機ユニット(1)に隣接して配置され、前記送
    風機(14)により送風される送風空気と熱交換を行う
    空調用熱交換器(21、22)を有するエアコンユニッ
    ト(2)とを備え、 前記空調用熱交換器(21、22)は前記エアコンユニ
    ット(2)のケース(23、24)内に略水平に配置さ
    れ、前記送風機(14)により送風される送風空気が前
    記空調用熱交換器(21、22)の下方から導入され、
    上方へ導出されるようになっており、 前記エアコンユニット(2)のケース(23、24)
    は、垂直方向に分割面を有する縦割れタイプの2つのケ
    ース(23、24)から構成されていることを特徴とす
    る自動車用空調装置。
  2. 【請求項2】 前記空調用熱交換器(21、22)とし
    て、前記送風空気を冷却する冷却用熱交換器(21)を
    少なくとも備え、 この冷却用熱交換器(21)は、前記送風空気の送風方
    向前方側に向かって微小角度だけ下方へ傾斜しており、 この冷却用熱交換器(21)の傾斜前進端の下方部位
    に、この冷却用熱交換器(21)で発生する凝縮水を下
    方へ案内する排水案内部材(30)が配置されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の自動車用空調装置。
  3. 【請求項3】 前記排水案内部材(30)は前記エアコ
    ンユニット(2)のケース(24)と別体で形成され、
    前記冷却用熱交換器(21)の傾斜前進端の下方部位に
    固定されていることを特徴とする請求項2に記載の自動
    車用空調装置。
  4. 【請求項4】 前記排水案内部材(30)には、前記冷
    却用熱交換器(21)の熱交換用コア部(21h)に挿
    入され固定されるクランプ部(30b)と、前記冷却用
    熱交換器(21)の熱交換用コア部(21h)からの凝
    縮水を受ける凝縮水受け面(30a)と、この凝縮水受
    け面(30a)から下方へ垂下する複数の凝縮水案内片
    (30a)とが一体成形されており、 前記エアコンユニット(2)のケース(24)の底面部
    には前記凝縮水案内片(30a)の下端部近傍に凝縮水
    排水口(29)が開口していることを特徴とする請求項
    3に記載の自動車用空調装置。
  5. 【請求項5】 前記エアコンユニット(2)のケース
    (23、24)内において、前記冷却用熱交換器(2
    1)の上方に、前記送風空気を加熱する加熱用熱交換器
    (22)が略水平に配置されていることを特徴とする請
    求項2ないし4のいずれか1つに記載の自動車用空調装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US20060207758A1 (en) * 2003-03-13 2006-09-21 Gilles Elliot Heating and ventilation and/or air conditioning device with a compact construction for a motor vehicle passenger compartment

Cited By (2)

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