JPH09206669A - ポリスチレン系樹脂発泡シート及びその製造方法 - Google Patents

ポリスチレン系樹脂発泡シート及びその製造方法

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JPH09206669A
JPH09206669A JP8015991A JP1599196A JPH09206669A JP H09206669 A JPH09206669 A JP H09206669A JP 8015991 A JP8015991 A JP 8015991A JP 1599196 A JP1599196 A JP 1599196A JP H09206669 A JPH09206669 A JP H09206669A
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JP
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thickness
shape
polystyrene
sheet
bubbles
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JP8015991A
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English (en)
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Tadayasu Tsubone
匡泰 坪根
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Sekisui Kasei Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Plastics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】包装用容器の周側枠体を形成する際、予め折り
曲げ位置にV字溝を形成することなく、直角に折り曲げ
ても亀裂が生じたり、折損したりすることのないポリス
チレン系樹脂発泡シート及びその製造方法を提供する。 【解決手段】厚み方向にほぼ4等分し、厚みの中心部の
1/2の厚みの気泡形状が、 1.05≦MD/VD≦1.8 1.0 ≦TD/VD≦1.8 0.85≦MD/TD≦1.2 を充足し、且つ両面からのそれぞれの厚みのほぼ1/4
の厚みの気泡形状が、 1.4≦MD/VD≦2.5 1.3≦TD/VD≦2.2 0.9≦MD/TD≦1.8 (ただし、MDは押出流れ方向の気泡形状、TDはMD
と直角方向の気泡形状、VDは厚み方向の気泡形状を意
味する。)を満足し、前記1/2の厚みの気泡の大きさ
が前記1/4の表面側の気泡に比し大きいポリスチレン
系樹脂発泡シート及びその製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリスチレン系樹
脂発泡シートに関するものであり、更に詳しくは常温で
角型、円形に曲げても折り曲げ内面に皺が発生せず、外
面に亀裂、折損しないポリスチレン系樹脂発泡シートに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリスチレン系樹脂発泡シートを使用し
て、例えば円形、瓢箪型形状に折り曲げて容器等の周側
枠材とする試みがなされている。実開昭56−4092
1号公報では周側枠材として、柔軟にして屈曲可能な合
成樹脂発泡シートとして、発泡倍率10〜20倍、厚み
3〜15mm程度を有する柔軟にして屈曲可能な合成樹
脂発泡シート、例えば発泡ポリプロピレンシートが開示
されている。
【0003】発泡ポリプロピレンシートは柔軟にして屈
曲可能であるが、これを折り箱等の周側枠材として使用
したとき柔軟性に富みすぎて座屈強度が弱く実用に至っ
ていない。折り箱等の周側枠材としては、発泡ポリプロ
ピレンシートより強度の強い発泡ポリスチレンシートが
一般に使用されている。しかし発泡ポリスチレンシート
は剛性があるため折り曲げようとしたとき、90度の折
り曲げ角度以下では、図3に示すように折り曲げ内面側
に皺が発生したり、また外面側に亀裂が生じたり、折れ
たりする問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】折り箱等の周側枠材に
発泡ポリスチレンシートを使用することが最も好ましい
が、上述の通り単に折り曲げただけでは、折損する。こ
の原因は図4(a),(b)に示すように、発泡ポリス
チレンシートの内部の気泡状態がほぼ円形か、厚みの縦
方向に長い形状のものであるためか、或いは気泡の大き
さが全体にほぼ均一であるために、折り曲げようとした
ときに、折り曲げ内面に皺が発生したり、或いは折り曲
げ部分の外面側に亀裂が生じたり、折損するためであ
る。
【0005】これを解決するために、予め折り曲げよう
とする位置にV字型の溝を形成し(例えば、特公昭62
−47707号及び特公昭63−13158号)、この
溝に沿って折り曲げて側壁を構成することが一般に行わ
れている。この方法では予め折り曲げようとする位置に
V字型の溝又は複数本の溝を形成する手段を必要とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意研究
した結果、図1に示す通り、予め折り曲げようとする位
置にV字型の溝を形成する必要がなく、直角に折り曲げ
ても折り曲げ内面に皺が発生せず、また折り曲げ外面に
亀裂が生じたり、或いは折損したりすることなしに、且
つ常温で容易に直径の小さい円形に形成することのでき
るポリスチレン系樹脂発泡シートを完成したもので、そ
の要旨は、厚み方向にほぼ4等分し、厚みの中心部の1
/2の厚みの気泡形状が、 1.05≦MD/VD≦1.8 1.0 ≦TD/VD≦1.8 0.85≦MD/TD≦1.2 を充足し、且つ両面からのそれぞれの厚みのほぼ1/4
の厚みの気泡形状が、 1.4≦MD/VD≦2.5 1.3≦TD/VD≦2.2 0.9≦MD/TD≦1.8 (ただし、MDは押出流れ方向の気泡形状、TDはMD
と直角方向の気泡形状、VDは厚み方向の気泡形状を意
味する。)を満足し、前記1/2の厚みの気泡の大きさ
が前記1/4の表面側の気泡に比し、大きいことを特徴
とするポリスチレン系樹脂発泡シートである。
【0007】そしてその製造方法としては、ポリスチレ
ン系樹脂、発泡剤等を押出機中で溶融混練した後、押出
機の先端に装着された金型より押出して、ポリスチレン
系樹脂発泡シートとなし、押出直後の該シートに、該シ
ート1m2 当たり、0.2m 3 〜0.02m3 の割合で
エアーを吹き付けて冷却し、その後加熱機を使用して前
記シートを厚み方向に1.3倍〜2.5倍に2次発泡さ
せて2次発泡シートを得、次いで該2次発泡シートを厚
み方向に圧縮して、圧縮された後の発泡シートを厚み方
向にほぼ4等分し、厚みの中心部のほぼ1/2の厚みの
気泡形状が、 1.05≦MD/VD≦1.8 1.0 ≦TD/VD≦1.8 0.85≦MD/TD≦1.2 を充足し、且つ両面からのそれぞれの厚みのほぼ1/4
の厚みの気泡形状が、 1.4≦MD/VD≦2.5 1.3≦TD/VD≦2.2 0.9≦MD/TD≦1.8 (ただし、MDは押出流れ方向の気泡形状、TDはMD
と直角方向の気泡形状、VDは厚み方向の気泡形状を意
味する。)を満足し、前記1/2の厚みの気泡の大きさ
が前記1/4の表面側の気泡に比し、大きいことを特徴
としている。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明では気泡形状の測定にあた
って、次の通りのものである。即ち、本発明のポリスチ
レン系樹脂発泡シートを、MD及びTD方向に切断し、
それぞれの切断面を写真(通常は電子顕微鏡を使用す
る。)にとり、切断面を厚み方向にほぼ4等分し、厚み
の中心部のほぼ1/2の厚みの気泡数、切断面の両表面
からの厚みのほぼ1/4の厚みの気泡数を、MD、T
D、VD方向に適当な長さLmm間で数え、Lをその数
nで割って、気泡の大きさとし、これを比率で表した。
【0009】本発明でいうほぼ4等分又は、ほぼ1/4
とは、本発明のポリスチレン系樹脂発泡シートの厚みが
薄いものであるから、例えば0.5mm程度の厚みのも
のを、厳密に4等分することが極めて難しいので、ほぼ
という表現を行っている。本発明でのポリスチレン系樹
脂としては、通常発泡体とし得るもので、且つ剛性のあ
る発泡体となし得るものであればいかなるものも使用で
きる。その例としてはスチレン、メチルスチレン、エチ
ルスチレン、イソプロピルスチレン、ジメチルスチレ
ン、パラメチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチ
レン、ビニルトルエン、ビニルキシレンの単独重合体又
は無水マレイン酸、アクリル酸、ブタジエン等との共重
合体が使用できる。中でもポリスチレン、スチレンー無
水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合
体、耐衝撃性ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリ
ル共重合体、アクリロニトリル−ブタジェン−スチレン
共重合体が好適に使用される。
【0010】上記ポリスチレン系樹脂を発泡するために
発泡剤が使用される。かかる発泡剤としては、二酸化窒
素、炭酸ガス、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n
−ペンタン、i−ペンタン、及びこれらの2種以上混合
して使用される。本発明では、ポリスチレン系樹脂に上
記発泡剤を加えて発泡させるために 押出機が使用され
る。押出機のスクリューは単軸であってもよく2軸であ
ってもよい。
【0011】また、例えば内径90mmのものと、内径
150mmのものとを2連繋いだ構成で使用できる。2
連繋いだ構成の押出機がポリスチレン系樹脂の吐出量が
多いために好んで使用される。本発明では押出機の先端
に取着された金型のスリットよりプラグに至るブローア
ップ比は、2〜3.5の範囲が採用される。一般成形用
の発泡ポリスチレンシートのブローアップ比は、吐出
量、発泡倍率、厚み等によって異なるが通常3.5〜
4.5程度が採用されている。本発明ではかかることか
ら一般成形用の発泡ポリスチレンシートの製造に使用さ
れるスリットより広いスリットのものが使用される。中
心部の気泡形状は、強度を保つために従来の側壁材用の
発泡ポリスチレンシートのように円形であることが望ま
しいが、表面部を曲げ易く、且つ前記発泡シートの表面
に菊模様が出ないように押出すためには一般成形用の発
泡ポリスチレンシートのブローアップ比より小さくする
必要があり、表面部の気泡形状を調整した場合、中心部
の気泡形状の調整は、側壁材としての強度等を勘案した
うえ、本発明での範囲内でコントロールされる。
【0012】本発明では押出されて得たポリスチレン系
樹脂発泡シートの気泡形状を、図2(a),(b)に示
すように、厚み方向にほぼ4等分し、厚みの中心部のほ
ぼ1/2の厚みの気泡形状が、 1.05≦MD/VD≦1.8 1.0 ≦TD/VD≦1.8 0.85≦MD/TD≦1.2 を充足し、且つ両面からのそれぞれの厚みのほぼ1/4
の厚みの気泡形状が、 1.4≦MD/VD≦2.5 1.3≦TD/VD≦2.2 0.9≦MD/TD≦1.8 (ただし、MDは押出流れ方向の気泡形状、TDはMD
と直角方向の気泡形状、VDは厚み方向の気泡形状を意
味する。)を満足するために、押出直後に5℃〜80℃
の温度のエアーを、前記発泡シートが発泡途上にある間
に前記発泡シートの内外より(インフレーション押出に
あっては、バルーンの内外より)、前記発泡シート1m
2 あたり0.2m3 〜0.02m3 の風量割合で、前記
発泡シートに吹き付ける。エアー風量が0.2m3 より
多いと風量が多すぎて、この風量に影響されて前記発泡
シートの表面に厚いスキン層ができ、前記発泡シートの
表裏面からほぼ1/4層の気泡がTD方向に大きくな
り、2次発泡後圧縮しても曲げづらくなると共に、フラ
ットなポリスチレン系樹脂発泡シートが得られ難くく、
また0.02m3 より少ないと充分に冷却されず本発明
の気泡形状が得られ難いので、上記範囲の風量割合のエ
アーが用いられる。前記バルーン内外のエアー量の調整
は、前記発泡シートの気泡状態を見ながら調整する。
【0013】本発明のポリスチレン系樹脂発泡シートの
表裏面よりほぼ1/4層を扁平の気泡形状とする理由
は、従来のポリスチレン系樹脂発泡シートを用いて折り
曲げた時の状態を観察したところ、表面厚みからほぼ1
/4層間で皺が発生しているので、このほぼ1/4層を
皺が発生しないようにするためには、前記1/4層の気
泡形状を、内部の気泡形状より扁平にしておくことによ
り解決できる(図2参照)ことを知見したためである。
【0014】本発明のポリスチレン系樹脂発泡シートを
周側枠材として使用するにあたっては、いずれの表面か
ら折り曲げられるか予測できないため、図2(a),
(b)に示す通り、表裏面からほぼ1/4層を扁平とし
ている。表裏面よりほぼ1/4層を扁平したことによ
り、折り曲げたとき外表面となる気泡が伸びて(図1参
照)亀裂が発生したり、折損が生じない利点がある。
【0015】本発明で得られたポリスチレン系樹脂発泡
シートの発泡倍率は、3倍〜50倍程度のものが使用さ
れる。3倍以下では折り曲げ難く、また50倍以上では
強度が弱いので好ましくない。また、厚みは0.3mm
〜10mmのものが使用できる。0.3mm以下では周
側枠材としての機能が果たせないし、10mm以上では
厚すぎて折り曲げ難くくなるので上記範囲のものが好ま
しい。
【0016】本発明では、前記の通りの発泡シート1m
2 あたり0.2m3 〜0.02m3の風量割合で、前記
発泡シートに吹き付きつけても本発明の気泡形状が形成
されるが、本発明で得られた前記発泡シートを更に加熱
させて2次発泡させる同時に前記発泡シートの全部又は
折り曲げようとする部分を押圧して表皮側の気泡形状を
扁平にすることによっても得られる。
【0017】90度若しくはそれ以上に折り曲げるに
は、前記発泡シートの表皮側の気泡形状を扁平にするこ
とが必要であり、その扁平度は、押出方向をMDとし、
押出方向と直角の幅方向をTDとし、また厚み方向をV
Dとしたときに、2次発泡後の発泡シートを厚み方向に
ほぼ4等分し、表皮側のほぼ1/4厚みの気泡形状が、
1.4≦MD/VD≦2.5、1.3≦TD/VD≦
2.2、0.9≦MD/TD≦1.8、にすることが必
要である。
【0018】また、得られた本発明のポリスチレン系樹
脂発泡シートに剛性を持たせるために、2次発泡後の前
記発泡シートの上記表皮側のほぼ1/4厚みを取り除い
た、即ち前記発泡シートの中心部のほぼ1/2厚み部分
の気泡形状が、1.05≦MD/VD≦1.8、1.0
≦TD/VD≦1.8、0.85≦MD/TD≦1.
2とすることが必要である。
【0019】これらの調整は、加熱した後、ロール等で
押圧することによっても達成できるが、2次発泡させる
量によっても行うことができる。表皮側の気泡形状を扁
平にするために、ロール等で押圧しすぎると全体に柔軟
になりすぎて剛性が弱くなり、周側枠材として使用する
に際して強度が不足するので好ましくない。本発明の前
記発泡シートの表皮側の気泡形状を扁平にしたことによ
り、従来の発泡シートでは折り曲げたときに、折り曲げ
部分の外面側は伸びが非常に少ないために、折り曲げ部
分の内面側の気泡が座屈して皺が発生したり、90度以
下に折り曲げようとしたとき、折り曲げ部分の外面側に
亀裂が生じたり、折損が生じたりすることなしに、スム
ースに折り曲げることができるのである。
【0020】前記発泡シートを2次発泡するに際しての
2次発泡量は、厚み方向に1.3倍〜2.5倍の範囲が
好適なものである。1.3倍未満では押圧しても柔らか
にならず折り曲げ難く、また2.5倍を越えると表皮の
気泡形状が丸くなって気泡の方向性が少なくなり、折り
曲げずらくなるので好ましくない。また圧縮して気泡の
座屈が少なく折り曲げづらくなる。
【0021】前記発泡シートを2次発泡させるさせるた
めに熱源が使用されるが、この熱源は一般成形用ポリス
チレン系樹脂発泡シートの成形に使用されているものが
使用できる。2次発泡させる時の条件は、105℃〜1
35℃の雰囲気温度のオーブン内を、6m/min.の
スピードで通過させることにより、所望とする発泡シー
トを得ることができる。水蒸気を使用するときは、3k
g/cm2 の圧力で使用される。
【0022】本発明でのポリスチレン系樹脂発泡シート
の折曲する部分(曲げたときにR状になる部分全体)の
曲げ強度(発泡シートから100mm(TD方向)×2
5mm(MD方向)のサンプルを採取し、テンシロンを
用いて、治具間距離が50mmになるようにサンプルの
長さ方向(TD方向)の両端を治具上にセットし、ロー
ドセルに連動するようにセットした圧縮治具を、400
mm/minのスピードで20mm圧縮し、曲げ強度の
最大値を測定する測定法)は95g/25mm〜450
g/25mmのものである。95g/25mm未満であ
ると折曲するときに、曲げる位置が定まり難く、また折
曲して周側枠材を構成し、これに底板を嵌着して容器と
し、この容器に中味を入れ、容器の端を手で持ったりし
たときに湾曲して変形したりする傾向が見られる。また
450g/25mmを越えると曲げ加工時の曲げる部分
の半径が50mm以下ではきれいに曲げることができな
いので、本発明のポリスチレン系樹脂発泡シートは前記
範囲の曲げ強度を有するものである。
【0023】丸型、ハート型、楕円型等の容器は、全体
を圧縮し、全体が曲げ易いものが必要であるが、角型の
弁当箱等はサイドの曲げる部分のみ曲げ易く、その他の
部分は強度ある方が、中味を入れた場合、取扱い時の変
形が少なくので好ましい態様となる。本発明では、本発
明のポリスチレン系樹脂発泡シートを使用して折箱、
桶、箱等の周側枠材として使用する場合、木目、板目等
の印刷を行って容器等をつくることにより、木目調をア
ピールしたり、また、表面に印刷を施した前記発泡シー
トと同質の熱可塑性樹脂フィルムをラミネートすること
により、より艶のある、細かな文字、模様のある容器と
することができる。
【0024】また、本発明のポリスチレン系樹脂発泡シ
ートに予め全体を、一般成形用発泡ホリスチレンシート
に使用されている着色剤を用いて、着色しておくことに
より、漆調、檜、桐等の種々の風合いを出すことがで
き、これらと熱可塑性樹脂フィルム、若しくは印刷の施
していない前記フィルムとを組み合わせて、より高級感
にあふれた容器をつくることができる。
【0025】本発明のポリスチレン系樹脂発泡シートと
熱可塑性樹脂フィルムとをラミネートする場合、得られ
た容器本体に艶が必要とするなら印刷面を前記発泡シー
トとラミネートし、詳細な印刷面をアピールしようとす
るときは、印刷面を表にしてラミネートすればよい。本
発明のポリスチレン系樹脂発泡シートと熱可塑性樹脂フ
ィルムとをラミネートする方法としては、接着層を前記
発泡シートと前記フィルムとの間に押出しつつ同時ラミ
ネートする方法、前記発泡シートと前記フィルムとの間
に熱風を吹き付けてラミネートする方法、接着層を前記
発泡シートと前記フィルムとの間にはさみ、熱ラミネー
トする方法等が採用される。
【0026】本発明で使用される熱可塑性樹脂フィルム
として、同質のポリスチレン系樹脂が使用でき、その他
に、ポリスチレン系樹脂と耐衝撃性ポリスチレンとの混
合又は耐衝撃性ポリスチレン単独であって且つ、耐衝撃
性ポリスチレンにはスチレン−ブタジエン共重合体がサ
ラミ構造状に分散し、その粒径が0.3μm〜10μm
のものを多く含むものをあげることができる。またその
他に、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、
低密度ポリエチレン、プロピレンホモポリマー、エチレ
ン・プロピレンランダムポリマー、エチレン・プロピレ
ンブロックポリマー、エチレンプロピレン−ブテン−タ
−ポリマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン
−不飽和カルボン酸エステル共重合体(例えば、エチレ
ン−メチルメタクリレート共重合体)、エチレン−不飽
和カルボン酸金属塩共重合体(例えば、エチレン−アク
リル酸マグネシウム(又は亜鉛)共重合体)、プロピレ
ン−塩化ビニルコポリマー、プロピレン−ブテンコポリ
マー、プロピレン−無水マレイン酸コポリマー、プロピ
レン−オレフィン共重合体(プロピレン−エチレン共重
合体、プロピレン−ブテン−1共重合体)ポリエチレン
又はポリプロピレンの不飽和カルボン酸(例えば、無水
マレイン酸)変性物、エチレン−プロピレンゴム、アタ
クチックポリプロピレン等か挙げられ、ポリエチレン、
エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン−
1共重合体及びこれら2種以上の混合物やポリエチレン
テレフタレート、ポリプチレンテレフタレート等のフィ
ルムがあげられる。
【0027】これらのフィルムは、単層、多層共使用で
きる。前記フィルムのが厚みは特に限定するものではな
いが、一般に7〜200μmぐらいのものが使用でき
る。周側枠材として使用するにあたっては、前記フィル
ム側が外側になるようにすることにより、亀裂、折損、
皺等が発生しない利点がある。
【0028】
【実施例】MI値が4.1のポリスチレン樹脂粒子(商
品名:デンカスチロールHRM−5、電気化学工業株式
会社製)100重量部に対して、気泡核剤としてタルク
(5〜15μm)の粉末0.6重量部、商品名ハイドロ
セロールCF−40S(大日本精化工業株式会社製)
0.4重量部を、内径90mm−150mm押出機の9
0mmホッパー上のバッチ配合機に投入し、均一に混合
した後ホッパーより押出機に供給した。
【0029】押出機のシリンダー温度は最高設定値25
0℃とし、押出機の途中よりブタンガス(イソブタン/
ノルマルブタン比=6/4)を6.5重量%を毎時18
0kgの割合で供給し、押出機先端に装着された金型の
環状スリットより、ポリスチレン発泡シートを押出し
た。金型のスリットより押出された直後に約43℃のエ
アーを、内側を0.07m 3 /m2 、外側0.05m3
/m2 の割合で環状のポリスチレン発泡シートに吹き付
け、その後、2枚のシートに切り裂いてポリスチレン発
泡シートを得た。このポリスチレン発泡シートは菊模様
の少ないフラット性がある、発泡倍率13.5倍、厚み
が2.5mmであった。
【0030】このポリスチレン発泡シートの厚み方向の
中央を中心線として、厚み方向のほぼ1/2厚みの気泡
形状は、MD/VD=1.62、TD/VD=1.3
3、MD/TD=1.13で、それぞれの表皮側のほぼ
1/4厚みの気泡形状は、MD/VD=2.07、TD
/VD=1.60、MD/TD=1.11てあった。ま
た曲げ強度は231gであった。
【0031】得られたポリスチレン発泡シートを、電熱
式発泡装置を使用して3.8倍に2次発泡させ、次いで
該はっほうシートを引き取りつつ、ロール間で押圧し、
厚みが3.5mmのポリスチレン発泡シートとした。こ
のポリスチレン発泡シートのそれぞれの表皮側のほぼ1
/4厚みの気泡形状は、MD/VD=1.55、TD/
VD=1.78、MD/TD=1.00てあった。
【0032】このポリスチレン発泡シートの片面に、厚
みが35μmで表面に印刷された延伸されたポリスチレ
ンフィルムを、印刷面が発泡シートと当接するように熱
ロールを使用して積層ポリスチレン発泡シートとした。
この積層ポリスチレン発泡シートを、幅35mmになる
ように押出方向(MD)にクロスに切断し、これを角状
に、従来の通りV字状の溝を形成することなく直角に折
り曲げて四角の周側枠材とした。
【0033】得られた四角の周側枠材は、何ら亀裂、折
損することなく、また円弧状になることなく、従来の通
りV字状の溝を形成したものと同機能をもったものであ
った。
【0034】
【発明の効果】以上のように、本発明のポリスチレン系
樹脂発泡シート及びその製造方法によれば、ポリスチレ
ン系樹脂発泡シートを使用して容器等の周側枠材となる
側壁材を折り曲げ形成する際、従来行われていた折り曲
げ個所に対するV字状の溝を形成することなく、直角に
折り曲げても亀裂が生じたり、或いは折損したりするこ
となしに、且つ常温で容易に直径の小さい円形に形成す
ることができ、生産性が格段に向上する。
【0035】また、ポリスチレン系樹脂発泡シートから
なる周側枠材となる側壁材の折り曲げが容易であること
から、包装用容器の枠材として角形のみならず、円形や
瓢箪形、その他種々の形状の枠材を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明発泡シートの折曲時を示す一部拡大断面
図である。
【図2】(a)は押出流れ方向と直角方向の気泡形状を
示す一部拡大断面図、(b)は押出流れ方向の気泡形状
を示す一部拡大断面図である。
【図3】従来の発泡シートの折曲時を示す一部拡大断面
図である。
【図4】(a)は従来品の押出流れ方向と直角方向の気
泡形状を示す一部拡大断面図、(b)は従来品の押出流
れ方向の気泡形状を示す一部拡大断面図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】厚み方向にほぼ4等分し、厚みの中心部の
    ほぼ1/2の厚みの気泡形状が、 1.05≦MD/VD≦1.8 1.0 ≦TD/VD≦1.8 0.85≦MD/TD≦1.2 を充足し、且つ両面からのそれぞれの厚みのほぼ1/4
    の厚みの気泡形状が、 1.4≦MD/VD≦2.5 1.3≦TD/VD≦2.2 0.9≦MD/TD≦1.8 (ただし、MDは押出流れ方向の気泡形状、TDはMD
    と直角方向の気泡形状、VDは厚み方向の気泡形状を意
    味する。)を満足し、前記1/2の厚みの気泡の大きさ
    が前記1/4の表面側の気泡に比し、大きいことを特徴
    とするポリスチレン系樹脂発泡シート。
  2. 【請求項2】少なくとも片面に印刷を施した、請求項1
    のポリスチレン系樹脂発泡シート。
  3. 【請求項3】着色を施した、請求項1のポリスチレン系
    樹脂発泡シート。
  4. 【請求項4】湾曲せしめたときに、外側面となる側に熱
    可塑性樹脂製フィルムをラミネートした、請求項1のポ
    リスチレン系樹脂発泡シート。
  5. 【請求項5】ポリスチレン系樹脂、発泡剤等を押出機中
    で溶融混練した後、押出機の先端に装着された金型より
    押出して、ポリスチレン系樹脂発泡シートとなし、押出
    直後の該シートに、該シート1m2 当たり、0.2m3
    〜0.02m3 の割合でエアーを吹き付けて冷却し、そ
    の後加熱機を使用して前記シートを厚み方向に1.3倍
    〜2.5倍に2次発泡させて2次発泡シートを得、次い
    で該2次発泡シートを厚み方向に圧縮して、圧縮された
    後の発泡シートを厚み方向にほぼ4等分し、厚みの中心
    部のほぼ1/2の厚みの気泡形状が、 1.05≦MD/VD≦1.8 1.0 ≦TD/VD≦1.8 0.85≦MD/TD≦1.2 を充足し、且つ両面からのそれぞれの厚みのほぼ1/4
    の厚みの気泡形状が、 1.4≦MD/VD≦2.5 1.3≦TD/VD≦2.2 0.9≦MD/TD≦1.8 (ただし、MDは押出流れ方向の気泡形状、TDはMD
    と直角方向の気泡形状、VDは厚み方向の気泡形状を意
    味する。)を満足し、前記1/2の厚みの気泡の大きさ
    が前記1/4の表面側の気泡に比し、大きいことを特徴
    とするポリスチレン系樹脂発泡シートの製造方法。
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