JP5478320B2 - ポリスチレン系樹脂発泡シート - Google Patents

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Description

本発明は、柔軟性に優れたポリスチレン系樹脂発泡シートとその製造方法に関する。本発明のポリスチレン系樹脂発泡シートは、丸曲げしても曲げ部に小皺や折れを発生しにくく、長矩形に裁断して円形、楕円形、長丸形などの底板の周縁に巻き付けるように装着し、弁当箱などの容器を作製するための周側枠材として、また曲面に貼り付けるための断熱材や各種の物品を包装する包装材などとして使用される。
駅等で販売されている弁当容器には、ポリスチレン系樹脂発泡シートが採用されている場合が多い。これは、かつて輪っぱとして使用されていた木製のものよりも加工性に優れ、かつ軽量である等の利点を持つことによる。しかし、このポリスチレン系樹脂発泡シート製の周側枠材にも課題があり、強度が高いと曲げの際に小皺が発生したり、場合によっては折れが生じることもある。
この対策として、曲げが加わる部分に予め、縦方向に縞のような切り込みを入れる方法がある。これによって曲げの際に加わる力が分散され、小皺が発生しない原理となっている。しかしながら、この切り込み加工は、その作製に手間と時間がかかり、コスト上昇を招くために、切り込みせずに曲げても小皺が発生しない周側枠材の提供が求められていた。
また、ポリスチレン系樹脂発泡シート製の周側枠材を直角に折り曲げた際に、亀裂や折損するという問題もあり、この問題に対しては特許文献1に開示された技術が提供されている。
特許文献1には、容器の底板形状に沿わせて折曲形成できる周側枠材であって、ポリスチレン系発泡樹脂シートにて形成されてあり、当該シートは、厚み方向にほぼ4等分し、厚みの中心部のほぼ1/2の厚みの気泡形状が、1.05≦MD/VD≦1.81.0 ≦TD/VD≦1.80.85≦MD/TD≦1.2を充足し、且つ両面からのそれぞれの厚みのほぼ1/4の厚みの気泡形状が、1.4≦MD/VD≦2.51.3≦TD/VD≦2.20.9≦MD/TD≦1.8(ただし、MDは押出流れ方向の気泡形状、TDはMDと直角方向の気泡形状、VDは厚み方向の気泡形状を意味する。)を満足し、前記1/2の厚みの気泡の大きさが前記1/4の表面側の気泡に比し、大きいことを特徴とする容器形成用の周側枠材が開示されている。
特開平9−240723号公報
しかしながら、特許文献1に開示された従来技術では、周側枠材を丸曲げする際に小皺が発生し、また周側枠材の短手方向に仕切り材を入れるための溝加工を施した後に曲げると、溝加工部分で折れが発生するという課題が残されていた。
また、特に近年では、ミニサイズの弁当が流行している傾向にあり、それに伴い小型の弁当容器が求められている。そのため、従来品よりもさらに柔軟性が高く、曲げに対して小皺、折れを発生せず、容器内に食品を入れても型崩れしない周側枠材を得るためのポリスチレン系樹脂発泡シートの提供が求められている。
また、曲面を有する物品に貼り付けるシート状の断熱材において、曲げた際に小皺や折れを生じ難い断熱材の提供が求められている。
さらに、各種物品を包む包装材としてポリスチレン系樹脂発泡シートを利用する場合に、従来品よりもさらに柔軟性が高く、曲げに対して小皺、折れを発生せず、包装状態で外観に優れ、緩衝性にも優れた包装材の提供が求められている。
本発明は、前記事情に鑑みてなされ、柔軟性に優れ、曲げても小皺や折れが生じ難いポリスチレン系樹脂発泡シートの提供を目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、MD方向の平均気泡径L1とTD方向の平均気泡径L2との比(L1/L2)が1.21〜1.55の範囲内である気泡構造を有する(ここで、MD方向とは押出発泡法により発泡シートを製造した際に発泡シートの押出方向のことであり、またシート表面におけるMD方向と直交する方向をTD方向と言う)ことを特徴とするポリスチレン系樹脂発泡シートを提供する。
本発明のポリスチレン系樹脂発泡シートにおいて、表裏いずれか一方又は両方のスキン層の厚みが2.0〜4.5μmの範囲内であることが好ましい。
また本発明は、吐出側にスリットを有する樹脂供給手段の前記スリットから溶融状態の発泡剤含有ポリスチレン系樹脂を押出し発泡させ、直後に冷却してポリスチレン系樹脂発泡シートを製造する方法において、前記ポリスチレン系樹脂発泡シートを冷却しながらMD方向に延伸力を作用させ、MD方向の平均気泡径L1とTD方向の平均気泡径L2との比(L1/L2)が1.21〜1.55の範囲内である気泡構造を有する(ここで、MD方向とは押出発泡法により発泡シートを製造した際に発泡シートの押出方向のことであり、またシート表面におけるMD方向と直交する方向をTD方向と言う)ポリスチレン系樹脂発泡シートを得ることを特徴とするポリスチレン系樹脂発泡シートの製造方法を提供する。
本発明のポリスチレン系樹脂発泡シートの製造方法において、ポリスチレン系樹脂発泡シートを加熱して二次発泡させて所望の厚みと密度のポリスチレン系樹脂発泡シートを得る工程を有することが好ましい。
本発明のポリスチレン系樹脂発泡シートの製造方法において、得られる表裏いずれか一方又は両方のスキン層の厚みが2.0〜4.5μmの範囲内であることが好ましい。
本発明のポリスチレン系樹脂発泡シートは、気泡構造を、MD方向の平均気泡径(L1)とTD方向の平均気泡径(L2)との比(L1/L2)が1.21〜1.55の範囲となる気泡構造を有するものなので、曲げ易く、曲げても小皺や折れが生じ難くなる。従って、本発明のポリスチレン系樹脂発泡シートを用いることで、外観に優れた容器を得ることができる。
また、本発明のポリスチレン系樹脂発泡シートは、容器の底板の周縁が嵌入される溝や、仕切り板の両端が嵌入される溝を設けた場合でも、該枠材を曲げた際に該溝から折れることが少なくなる。
さらに、本発明のポリスチレン系樹脂発泡シートは、曲げ易く、曲げても小皺や折れが生じ難いので、曲面のある物体に貼り付ける断熱材として有用である。また各種物品を包装した際に、外観に優れ、緩衝性にも優れた包装材として有用である。
本発明のポリスチレン系樹脂発泡シートの気泡構造の概要を示す模式図である。
以下、図面を参照して本発明のポリスチレン系樹脂発泡シートについて説明する。
図1は、本発明のポリスチレン系樹脂発泡シートの気泡構造の概要を示す模式図である。このポリスチレン系樹脂発泡シート1は、MD方向の平均気泡径L1とTD方向の平均気泡径L2との比(L1/L2)が1.21〜1.55の範囲内である気泡構造を有することを特徴としている。前記比(L1/L2)は、1.21〜1.50の範囲とすることが好ましく、1.21〜1.45の範囲とすることがより好ましい。
本発明において、ポリスチレン系樹脂発泡シートのMD方向の平均気泡径(L1)、TD方向の平均気泡径(L2)及び気泡経皮(L1/L2)とは、以下の測定方法によって算出した値を言う。
<平均気泡径・気泡径比の測定方法>
本発明での平均気泡径(L1,L2)は、ASTM D2842−69の試験方法に準拠して測定された平均弦長に基づいて算出されたものをいう。具体的には、ポリスチレン系樹脂発泡シートをその表面に対して垂直な方向(厚み方向)に切断し、この切断面における厚み方向にほぼ4等分しその厚みの中央部分のほぼ1/2の厚みを走査型電子顕微鏡(日立製作所社製、S−3000N)を用いて17〜20倍(場合によっては200倍)に拡大して撮影した。
次に、撮影した写真における写真上の長さが60mmで且つポリスチレン系樹脂発泡シートの厚み方向に指向する一直線上にある気泡数から、各気泡の平均弦長(t)を下記式1に基づいて算出した。そして、下記式2により平均気泡径Dを算出した。なお、ポリスチレン系樹脂発泡シートの層が薄く、長さが60mmの直線を写真上に描くことができない場合は、できるだけ長い長さの直線を写真上に描き、この直線の長さを60mmに換算して平均気泡径Dを算出した。
平均弦長(t)=60/(気泡数×写真の倍率) ・・・式1
平均気泡径D=t/0.616 ・・・式2
この平均気泡径の測定及び算出を、ポリスチレン系樹脂発泡シートのMD方向とTD方向に沿った切断面でそれぞれ行って(測定箇所数n=6以上)、ポリスチレン系樹脂発泡シートのMD方向の平均気泡径(L1)、TD方向の平均気泡径(L2)を求め、さらに式3から気泡径比(L1/L2)を算出した。
気泡径比(L1/L2)=L1(μm)÷L2(μm) ・・・式3
このポリスチレン系樹脂発泡シート1において、MD方向の平均気泡径(L1)とTD方向の平均気泡径(L2)との比(L1/L2)が1.21〜1.55の範囲であれば、気泡2が短手方向に長く、長手方向に短い形状になっていることから、長手方向に沿ってポリスチレン系樹脂発泡シート1を曲げる際に曲げ易く、また曲げを加えたポリスチレン系樹脂発泡シート1の表面に小皺や折れが生じにくくなっている。前記比(L1/L2)が1.21未満であると、曲げる際に小皺や折れが生じ易くなり、また前記比(L1/L2)が1.55を超えると、ポリスチレン系樹脂発泡シートの弾性率、最大点変位が共に低下し、柔軟性がなくなり、脆くなるため、曲げた際に折れが生じ易くなる。
なお、図1は、あくまでもこのポリスチレン系樹脂発泡シート1における気泡の構造を理解し易いように強調し示した模式図であり、図1に記された気泡の形状は、実際のポリスチレン系樹脂発泡シートの気泡の形状とは必ずしも一致していない。
このポリスチレン系樹脂発泡シート1において、スキン層の厚みが2.0〜4.5μmの範囲内であることが好ましく、2.2〜4.3μmの範囲内がより好ましく、2.4〜4.1μmの範囲内が更に好ましい。
なお、本発明において、スキン層とは、ポリスチレン系樹脂発泡シート1の厚み方向断面を拡大して見たときに、表層に形成された気泡を含んでいない薄皮部分のことを指す。また、このスキン層の厚みは、以下の測定方法によって測定した厚みの平均値(測定箇所数n=24以上)のことを言う。
<スキン層の厚みの測定方法>
ポリスチレン系樹脂発泡シートをその表面に対して垂直な方向(厚み方向)に切断し、この切断面付近を走査型電子顕微鏡(日立製作所社製S−3000N)を用いて300〜700倍に拡大して撮影し、スキン層の厚みを測定した。スキン層の厚みは、発泡シート表面から最表層側の気泡表面までの長さとし、任意に選んだ最表層側の8つの気泡について各気泡につき3箇所測定した。24箇所測定した厚みの平均値を、スキン層の厚み(μm)とした。
スキン層の厚みが2.0〜4.5μmの範囲内であれば、このポリスチレン系樹脂発泡シート1は適度な強度と曲がり易さとを両立させることができ、曲げ易く、曲げ部分に小皺や折れが生じ難いものとなる。スキン層の厚みが2.0μm未満であると、強度が低下し、溝形成部分を曲げた際に折れが生じ易くなる。スキン層の厚みが4.5μmを超えると、ポリスチレン系樹脂発泡シート1が硬く曲げ難いものとなり、曲げを加えた部分に小皺が生じ易くなる。
このポリスチレン系樹脂発泡シート1の厚みは、特に限定されないが、弁当容器などの食品用容器を製造する目的においては、通常3.0〜4.5mmの範囲とすることが好ましく、3.2〜4.2mmの範囲がより好ましく、3.5〜4.0mmの範囲が更に好ましい。
なお、ポリスチレン系樹脂発泡シート1の厚みは、以下の厚み測定方法によって測定した値をいう。
<厚み測定方法>
ポリスチレン系樹脂発泡シートのTD方向の両端20mmを除いた部分を、TD方向50mm間隔の位置を測定点とした。この測定点をダイヤルシックネスゲージSM−112(テクロック社製)を使用し、厚みを最小単位0.01mmまで測定した。この測定値の平均値(測定箇所数n=12以上)を、ポリスチレン系樹脂発泡シートの厚み〔mm〕とした。
このポリスチレン系樹脂発泡シート1の密度は、特に限定されないが、弁当容器などの食品用容器を製造する目的においては、通常0.03〜0.10g/cmの範囲とすることが好ましく、0.04〜0.08g/cmの範囲がより好ましい。
なお、ポリスチレン系樹脂発泡シート1の密度は、以下の密度測定方法によって測定した値をいう。
<密度測定方法>
50cm以上(半硬質及び軟質材料の場合は100cm以上)の試験片を材料の元のセル構造を変えないように切断し、その質量及び体積を測定し、次式により全体密度を算出した。
密度(g/cm)=試験片質量(g)/試験片体積(cm
ただし、測定用試験片は、成形後72時間以上経過した試料から切り取り、23℃±2℃・50RH%±5RH%、または27℃±2℃・65RH%±5RH%の雰囲気条件に16時間以上放置したものである。
なお、本発明のポリスチレン系樹脂発泡シートは、食品容器の製造用のみに限定されるものではなく、食品よりも重い物、或いは金属などの硬質物を収容するための容器製造用途などにも適用でき、その場合にはポリスチレン系樹脂発泡シート1の厚み及び密度は、前記範囲に限らず、より厚いポリスチレン系樹脂発泡シートやより高密度のポリスチレン系樹脂発泡シートを使用することが望ましい。さらに、本発明のポリスチレン系樹脂発泡シートは、前記容器の製造用途に限らず、曲面を有する物品に貼り付ける断熱材や各種物品の包装用緩衝材などとしても利用でき、該用途に用いる場合にも、厚みや密度は前記範囲に限定されない。
本発明のポリスチレン系樹脂発泡シートは、押出機などの樹脂供給手段にポリスチレン系樹脂、及び発泡核剤などの添加剤を入れて加熱溶融し、さらに発泡剤を添加して混練し、発泡剤含有樹脂を樹脂供給手段の先端に取り付けたダイのスリットから押し出し、発泡(一次発泡)させた後に冷却する押出発泡法によってポリスチレン系樹脂発泡シート(以下、一次シートと記す。)を製造することができる。
そして、この一次シート製造の際、MD方向に延伸を加えておく。前記延伸の量は、MD方向の平均気泡径(L1)とTD方向の平均気泡径(L2)との比(L1/L2)が1.21〜1.55の範囲となるように適宜調整する。
本発明の好ましい実施形態において、ポリスチレン系樹脂発泡シートを製造する方法としては、押出発泡によって一次シートを製造する際、この一次シートが押出方向(MD方向)に延伸されるような張力を加えて冷却、安定化させ、次いで得られた一次シートを加熱して二次発泡させ、目的の厚みと密度を持った発泡シート(以下、二次シートと記す。)とする。得られた二次シートは、必要に応じて、印刷を施し、更に適当な寸法に裁断される。
本発明のポリスチレン系樹脂発泡シートの製造に用いるポリスチレン系樹脂としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、エチルスチレン、i−プロピルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン等のスチレン系モノマーの単独重合体又はこれらの共重合体等が挙げられ、スチレンを50質量%以上含有するポリスチレン系樹脂が好ましく、ポリスチレンがより好ましい。 また、前記ポリスチレン系樹脂としては、前記スチレンモノマーを主成分とする、前記スチレン系モノマーとこのスチレン系モノマーと共重合可能なビニルモノマーとの共重合体であってもよく、このようなビニルモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、エチルフマレートの他、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレートなどの二官能性モノマーなどが挙げられる。
また、ポリスチレン系樹脂が主成分であれば、他の樹脂を添加してもよく、添加する樹脂としては、例えば、ポリスチレン系樹脂発泡シートの耐衝撃性を向上させるために、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン三次元共重合体などのジエン系のゴム状重合体を添加したゴム変性ポリスチレン系樹脂、いわゆるハイインパクトポリスチレンが挙げられる。あるいは、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体などが挙げられる。また、原料となるポリスチレン系樹脂としては、市販されている通常のポリスチレン系樹脂、懸濁重合法などの方法で新たに作製したポリスチレン系樹脂などの、リサイクル原料でないポリスチレン系樹脂(以下、バージンポリスチレンと記す。)を使用できる他、使用済みのポリスチレン系樹脂発泡成形体を再生処理して得られたリサイクル原料を使用することができる。このリサイクル原料としては、使用済みのポリスチレン系樹脂発泡成形体、例えば、魚箱、家電緩衝材、食品包装用トレーなどを回収し、リモネン溶解方式や加熱減容方式によって再生したリサイクル原料を用いることができる。また、使用することができるリサイクル原料は、使用済みのポリスチレン系樹脂発泡成形体を再生処理して得られたもの以外にも、家電製品(例えば、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコンなど)や事務用機器(例えば、複写機、ファクシミリ、プリンターなど)から分別回収された非発泡のポリスチレン系樹脂成形体を粉砕し、溶融混練してリペレットしたものを用いることができる。
本発明のポリスチレン系樹脂発泡シートの製造に用いる発泡剤としては、二酸化窒素、炭酸ガス、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、及びこれらの2種以上混合して使用され、これらの中でも、n−ブタン、i−ブタンが好ましい。ブタン等の炭化水素発泡剤を用いる場合、その添加量はポリスチレン系樹脂100質量部に対して1〜10質量部の範囲内とすることが好ましく、2〜8質量部の範囲内とすることがより好ましい。
本発明のポリスチレン系樹脂発泡シートの製造に用いる前記発泡核剤としては、タルク、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸カルシウム、クレー、クエン酸等が挙げられ、これらの中でもタルクがより好ましい。前記発泡核剤の添加量は、ポリスチレン系樹脂100質量部に対して1〜8質量部の範囲内とすることが好ましく、2〜6質量部の範囲内とすることがより好ましい。
なお、本発明のポリスチレン系樹脂発泡シートには、所望の性質を有するポリスチレン系樹脂発泡シートを作るのに影響を与えない程度の添加剤、例えば着色剤、難燃剤、滑剤(炭化水素、脂肪酸系、脂肪酸アミド系、エステル系、アルコール系、金属石鹸、シリコン油、低分子ポリエチレン等のワックス等)、展着剤(流動パラフィン、ポリエチレングリコール、ポリブテン等)、分散剤等が添加されてもよい。
また、通常のポリスチレン系樹脂発泡シートのように、物性を良化させるためにフィルムをラミネートしても良い。使用するフィルムは、同種の樹脂のものが回収も簡単であり、接着層も要らないので好ましいが、耐油性を上げるために無延伸ポリプロピレンフィルムや一般に使用されるポリスチレン系樹脂の非発泡フィルムでもよい。
本発明のポリスチレン系樹脂発泡シートの製造に用いる樹脂供給手段としては、押出機が好適に使用される。押出機のスクリューは単軸であってもよく2軸であってもよい。例えば内径115mmのものと、内径150mmのものとを2連繋いだ構成のタンデム押出機などが使用できる。また、この押出機の吐出側には、環状のスリットを有するダイ(サーキュラーダイ)を取り付けて、押出機から樹脂を押出発泡させて円筒状の発泡シートとし、これを冷却して左右に取り付けたカッターで2枚の平シートに切開し、これを延伸しながら巻きロールに巻き取って、一次シートを製造することが好ましい。
本発明のポリスチレン系樹脂発泡シートを製造する場合、前記円筒状の発泡シートを冷却するためのエアー風量、一次シートを巻きロールに引き取る際の引き取り速度などを適宜調整することによって、MD方向の平均気泡径(L1)とTD方向の平均気泡径(L2)との比(L1/L2)が1.21〜1.55の範囲となるように調整することができる。
前記一次シートを二次発泡する場合の二次発泡量は、厚み方向に1.3倍〜2.5倍の範囲が好適である。1.3倍未満では押圧しても柔らかにならず折り曲げ難く、また2.5倍を越えると表皮の気泡形状が丸くなって気泡の方向性が少なくなり、折り曲げずらくなるので好ましくない。また圧縮して気泡の座屈が少なく折り曲げづらくなる。
前記一次シートを二次発泡させるさせるために熱源が使用されるが、この熱源は一般成形用ポリスチレン系樹脂発泡シートの成形に使用されているものが使用できる。二次発泡させる時の条件は、160℃〜190℃の雰囲気温度のオーブン内を、22〜30m/min.程度のスピードで通過させることにより、所望とする二次シートを得ることができる。また水蒸気を使用してもよい。
この二次シートは、適当な寸法に切断して曲面を有する物品の表面に貼り付ける断熱材として、或いは各種の物品を包装する包装材などとして使用される。
また、この二次シートは、一定長さの四角形状に裁断し、次いで該四角形状シートの表面に印刷を施し、次いで印刷後の四角形状シートを、元のシートのMD方向が短手方向に、シートのMDと直交する方向(以下、TD方向と記す。)が長手方向になるように、長矩形状に裁断し、容器用周側枠材を得るために用いられる。この容器用周側枠材は、長手方向に沿って容器の底板の周縁に嵌入される溝を設けることができる。また、この容器用周側枠材には、短手方向に沿って容器の仕切板の両端が嵌入される溝を設けることもできる。これらの溝は、発泡シートの加工分野で周知の方法、装置によって形成することができ、またそれぞれの溝深さは、底板や仕切り板の板圧に応じて適宜設定されることが望ましい。そして、この容器用周側枠材を用いて容器を製造するには、円形、楕円形、長円形などの所望の形状の底板を用意し、この底板の周縁に、前記容器用周側枠材を巻き付け、長手方向に沿って設けた溝に底板の周縁を嵌入し、容器用周側枠材の両端を密接又は重ねた状態で溶着又は接着することによって組立固定する。本発明のポリスチレン系樹脂発泡シートを使用して折箱、桶、箱等の容器の周側部として使用する場合、木目、板目等の印刷を行って容器等をつくることにより、木目調をアピールしたり、また、表面に印刷を施した前記ポリスチレン系樹脂発泡シートと同質の熱可塑性樹脂フィルムをラミネートすることにより、より艶のある、細かな文字、模様のある容器とすることができる。
また、裁断前の二次シート全体を、一般成形用発泡ポリスチレンシートに使用されている着色剤を用いて着色しておくことにより、漆調、檜、桐等の種々の風合いを出すことができ、これらと熱可塑性樹脂フィルム、若しくは印刷の施していない前記フィルムとを組み合わせて、より高級感にあふれた容器をつくることができる。
また、二次シートと熱可塑性樹脂フィルムとをラミネートする場合、ポリスチレン系樹脂発泡シートに艶が必要であれば、印刷面を二次シートとラミネートし、詳細な印刷面をアピールしようとするときは、印刷面を表にしてラミネートすればよい。二次シートと熱可塑性樹脂フィルムとをラミネートする方法としては、接着層を前記二次シートと前記フィルムとの間に押出しつつ同時ラミネートする方法、前記二次シートと前記フィルムとの間に熱風を吹き付けてラミネートする方法、接着層を前記二次シートと前記フィルムとの間にはさみ、熱ラミネートする方法等が採用される。
前記熱可塑性樹脂フィルムとしては、同質のポリスチレン系樹脂が使用でき、その他に、ポリスチレン系樹脂と耐衝撃性ポリスチレンとの混合又は耐衝撃性ポリスチレン単独であって且つ、耐衝撃性ポリスチレンにはスチレン−ブタジエン共重合体がサラミ構造状に分散し、その粒径が0.3μm〜10μmのものを多く含むものをあげることができる。またその他に、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、プロピレンホモポリマー、エチレン・プロピレンランダムポリマー、エチレン・プロピレンブロックポリマー、エチレンプロピレン−ブテン−タ−ポリマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体(例えば、エチレン−メチルメタクリレート共重合体)、エチレン−不飽和カルボン酸金属塩共重合体(例えば、エチレン−アクリル酸マグネシウム(又は亜鉛)共重合体)、プロピレン−塩化ビニルコポリマー、プロピレン−ブテンコポリマー、プロピレン−無水マレイン酸コポリマー、プロピレン−オレフィン共重合体(プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体)ポリエチレン又はポリプロピレンの不飽和カルボン酸(例えば、無水マレイン酸)変性物、エチレン−プロピレンゴム、アタクチックポリプロピレン等か挙げられ、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体及びこれら2種以上の混合物やポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のフィルムがあげられる。
これらのフィルムは、単層、多層共使用できる。前記フィルムのが厚みは特に限定するものではないが、一般に7〜200μmぐらいのものが使用できる。周側枠材として使用するにあたっては、前記フィルム側が外側になるようにすることにより、亀裂、折損、皺等が発生しない利点がある。
以下、実施例によって本発明の効果を実証するが、以下の実施例は本発明の単なる例示であり、本発明の範囲は以下の実施例の記載に限定されるものではない。
[実施例1]
押出機として内径115mm押出機と150mm押出機が連結されたタンデム押出機を用い、ポリスチレン樹脂として東洋スチレン社製のHRM−26(商品名)100質量%と、該樹脂100質量部に対し発泡核剤として竹原化学社製のMAX401−2HP(商品名)を4.2質量部、顔料として東洋インキ製造社製の6YA−816BRN(商品名)を1.2質量部添加した配合原料を、前記押出機に供給し、押出機内で最高温度240℃で溶融、混練した後、発泡剤としてブタン(イソ/ノルマル=50/50質量%)を樹脂100質量部に対して6.3質量部添加し、更に混練した。その後、発泡に適した樹脂温度153.1℃まで冷却した。
さらに、押出機先端部に取り付けた口径128mmφでスリットクリアランス0.94mmに設定されたサーキュラーダイより、吐出量140kg/h、せん断速度626s−1で発泡剤含有樹脂を押出し、発泡させた後、冷却して円筒状発泡シートとした。この際、押出された後の円筒状シートを冷却するエアー(温度は39℃)の風量は0.14m/mとした。
続いて、この円筒状発泡シートを左右に設けたカッターで切開して2枚の一次シートとした。それぞれの一次シートは、多段のロール間で延伸を加えながら、巻きロールに巻き取った。この巻き取りの際、一次シートのMD方向に延伸を加えるため、引き取り速度を10.5m/minとした。一次シートのTD方向の寸法は690mmであった。
その後、得られた一次シートをトンネル型電熱加熱炉に通し、温度168℃、長さ3.5m、移動速度23.5m/minの条件で電熱加熱し、二次発泡させた後に裁断し二次シートとした。二次シートのTD方向の寸法は635mm、MD方向の寸法は645mmであった。
前記の通り製造した実施例1のポリスチレン系樹脂発泡シートについて、(1)一次シート厚み、(2)一次シート密度、(3)二次シート厚み、(4)二次シート密度、(5)加熱変形収縮比、(6)平均気泡径(L1,L2)及び気泡径比(L1/L2)、(7)スキン層厚み、(8)最大点変位、(9)弾性率、(10)溝加工後の折れの評価、及び(11)小皺の評価を実施した。これらの測定方法や評価基準は以下の通りとした。その結果を表1、表2に記す。
なお、(1)一次シート厚み、(2)一次シート密度、(3)二次シート厚み、(4)二次シート密度、(6)平均気泡径(L1,L2)及び気泡径比(L1/L2)、(7)スキン層厚みの測定方法は、前述したそれぞれの測定方法により行った。
<加熱変形収縮比の測定>
MD方向100mm、TD方向100mmのサンプルを125℃のオーブンで2.5分加熱し、室温にて冷却し、加熱後のサンプルのMDの長さ・TD方向の長さを測定した。そして、次式により加熱変形収縮比を計算した。
加熱変形収縮比=加熱後のMDの長さ(mm)÷加熱後のTDの長さ(mm)
<最大点変位・弾性率の測定>
二次シートを、MD方向が短手方向となり、TD方向が長手方向となるように、幅55mm、長さ510mmの長矩形状に裁断してサンプルとした。JIS K7171−2009に準拠してサンプルの最大点変位・弾性率を測定した。
テンシロン万能試験機(エー・アンド・デイ社製、商品名「RTG−1310」)を用い、3点押し曲げ試験により容器用周側枠材の曲げ強度の最大値を測定した。測定条件は次の通りとした。
・治具間距離:100mm
・圧縮治具:先端寸法(R)が5mmである圧子と、試験片と接する部分を起点に5°の傾斜を有する幅67mmの支持台。
・圧縮速度:50mm/min
・押し曲げ距離:30mm
エー・アンド・デイ社製の汎用試験器用データ処理システム MSAT0002RTF/RTGのプログラム中に試験片の厚み、幅、長さを入力し、3点押し曲げ試験を行い、自動的に算出されたデータとして最大変位(mm)、弾性率(MPa)を求めた。
<溝加工後の折れの評価>
二次シートを、MD方向が短手方向となり、TD方向が長手方向となるように、幅55mm、長さ510mmの長矩形状に裁断し、その短手方向に沿って、長手方向の片端から35mm、及び235mmの位置に、短手方向に沿って幅4mm、深さ1mmの縦溝加工を施してサンプルとした。その後、サンプルを円形に曲げ、両端を加熱融着させ枠材とし、長径183mm、短径133mm、楕円の周502mmの楕円形の底板を入れ、周側枠材と底板からなる容器とした。なお、加熱融着された枠材の両端が底板の短径方向に重なるようにした。この容器の周側部の溝加工部分について、折れの角度を分度器にて測定した。評価基準は次の通りとした。
折れなし:163°以上
少しあり:159°以上、163°未満
折れあり:159°未満
<小皺の評価>
前記<溝加工後の折れの評価>において作製した容器について、周側部の内側の小皺発生状況を目視観測した。評価基準は次の通り。
小皺なし:内側の湾曲部に全く小皺がない。
小皺あり:内側の湾曲部に1つでも小皺がある。
[実施例2]
押出機として内径115mm押出機と150mm押出機が連結されたタンデム押出機を用い、ポリスチレン樹脂として東洋スチレン社製のHRM−26(商品名)100質量%と、該樹脂100質量部に対し発泡核剤として竹原化学社製のMO−60(商品名)を4.0質量部、顔料として東洋インキ製造社製の6YA−816BRN(商品名)を1.2質量部添加した配合原料を、前記押出機に供給し、押出機内で最高温度240℃で溶融、混練した後、発泡剤としてブタン(イソ/ノルマル=50/50質量%)を樹脂100質量部に対して2.0質量部添加し、更に混練した。その後、発泡に適した樹脂温度152.0℃まで冷却した。
さらに、押出機先端部に取り付けた口径138mmφでスリットクリアランス0.99mmに設定されたサーキュラーダイより、吐出量150kg/h、せん断速度561s−1で発泡剤含有樹脂を押出し、発泡させた後、冷却して円筒状発泡シートとした。この際、押出された後の円筒状シートを冷却する冷却エアー(温度39℃)の風量を0.09m/mとした。
続いて、この円筒状発泡シートを左右に設けたカッターで切開して2枚の一次シートとした。それぞれの一次シートは、多段のロール間で延伸を加えながら、巻きロールに巻き取った。この巻き取りの際、一次シートのMD方向に延伸を加えるため、引き取り速度は10.5m/minとした。一次シートのTD方向の寸法は690mmであった。
その後、得られた一次シートを電熱加熱炉に通し、温度168℃、長さ3.5m、移動速度23.5m/minの条件で電熱加熱し、二次発泡させた後に裁断し二次シートとした。二次シートのTD方向の寸法は635mm、MD方向の寸法は645mmであった。
このように製造した実施例2のシートについて、実施例1と同じく(1)〜(11)の測定を行った。その結果を表1、表2に記す。
[実施例3]
一次シートの引き取り速度を11.0m/minとしたこと、及び冷却エアーの風量を0.06m/mとしたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3の一次シート及び二次シートを製造した。
得られた実施例3の一次シート及び二次シートについて、実施例1と同じく(1)〜(11)の測定を行った。その結果を表1、表2に記す。
[実施例4]
冷却エアーの風量を0.16m/mとしたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4の一次シート及び二次シートを製造した。
得られた実施例4の一次シート及び二次シートについて、実施例1と同じく(1)〜(11)の測定を行った。その結果を表1、表2に記す。
[実施例5]
一次シートの引き取り速度を11.2m/minとしたこと、及び冷却エアーの風量を0.05m/mとしたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例5の一次シート及び二次シートを製造した。
得られた実施例5の一次シート及び二次シートについて、実施例1と同じく(1)〜(11)の測定を行った。その結果を表1、表2に記す。
[比較例1]
押出機として内径115mm押出機と150mm押出機が連結されたタンデム押出機を用い、ポリスチレン樹脂として東洋スチレン社製のHRM−26(商品名)100質量%と、該樹脂100質量部に対し発泡核剤として竹原化学社製のMAX401−2HP(商品名)を3.3質量部、顔料として東洋インキ製造社製の6YA−816BRN(商品名)を1.2質量部添加した配合原料を、前記押出機に供給し、押出機内で最高温度245℃で溶融、混練した後、発泡剤としてブタン(イソ/ノルマル=50/50質量%)を樹脂100質量部に対して6.3質量部添加し、更に混練した。その後、発泡に適した樹脂温度153.1℃まで冷却した。
さらに、押出機先端部に取り付けた口径128mmφでスリットクリアランス0.94mmに設定されたサーキュラーダイより、吐出量144kg/h、せん断速度648s−1で発泡剤含有樹脂を押出し、発泡させた後、冷却して円筒状発泡シートとした。この際、押出された後の円筒状シートを冷却する冷却エアー(温度39℃)の風量を0.20m/mとした。
続いて、この円筒状発泡シートを左右に設けたカッターで切開して2枚の一次シートとした。それぞれの一次シートは、多段のロール間で延伸を加えながら、巻きロールに巻き取った。この巻き取りの際、一次シートのMD方向に延伸を加えるため、引取速度は9.9m/minとした。一次シートのTD方向の寸法は690mmであった。
その後、得られた一次シートを電熱加熱炉に通し、温度168℃、長さ3.5m、移動速度23.5m/minの条件で電熱加熱し、二次発泡させた後に裁断し二次シートとした。二次シートのTD方向の寸法は635mm、MD方向の寸法は645mmであった。
得られた比較例1の一次シート及び二次シートについて、実施例1と同じく(1)〜(11)の測定を行った。その結果を表1、表2に記す。
[比較例2]
溶融樹脂の吐出量を144kg/h、せん断速度を644s−1としたこと、一次シートの引き取り速度を9.5m/minとしたこと、及びエアー風量を0.22m/mとしたこと以外は、比較例1と同様にして、比較例2の一次シート及び二次シートを製造した。
得られた比較例2の一次シート及び二次シートについて、実施例1と同じく(1)〜(11)の測定を行った。その結果を表1、表2に記す。
[比較例3]
押出機として内径115mm押出機と150mm押出機が連結されたタンデム押出機を用い、ポリスチレン樹脂として東洋スチレン社製のHRM−26(商品名)100質量%と、該樹脂100質量部に対し発泡核剤として竹原化学社製のMAX401−2HP(商品名)を3.3質量部、顔料として東洋インキ製造社製の6YA−816BRN(商品名)を1.2質量部添加した配合原料を、前記押出機に供給し、押出機内で最高温度245℃で溶融、混練した後、発泡剤としてブタン(イソ/ノルマル=50/50質量%)を樹脂100質量部に対して6.3質量部添加し、更に混練した。その後、発泡に適した樹脂温度153.1℃まで冷却した。
さらに、押出機先端部に取り付けた口径170mmφでスリットクリアランス1.15mmに設定されたサーキュラーダイより、吐出量140kg/h、せん断速度315s−1で発泡剤含有樹脂を押出し、発泡させた後、冷却して円筒状発泡シートとした。この際、押出された後の円筒状シートを冷却する冷却エアー(温度39℃)の風量を0.14m/mとした。
続いて、この円筒状発泡シートを左右に設けたカッターで切開して2枚の一次シートとした。それぞれの一次シートは、多段のロール間で延伸を加えながら、巻きロールに巻き取った。この巻き取りの際、一次シートのMD方向に延伸を加えるため、引き取り速度は10.8m/minとした。一次シートのTD方向の寸法は690mmであった。
その後、得られた一次シートを電熱加熱炉に通し、温度168℃、長さ3.5m、移動速度23.5m/minの条件で電熱加熱し、二次発泡させた後に裁断し二次シートとした。得られた二次シートのTD方向の寸法は635mm、MD方向の寸法は645mmであった。
得られた比較例3の一次シート及び二次シートについて、実施例1と同じく(1)〜(11)の測定を行った。その結果を表1、表2に記す。
Figure 0005478320
Figure 0005478320
表1、表2の結果より、本発明に係る実施例1〜5で得られたポリスチレン系樹脂発泡シートは、短手方向の平均気泡径(L1)と長手方向の平均気泡径(L2)との比(L1/L2)が1.10〜1.55の範囲となる気泡構造を有していた。実施例1〜5で得られたポリスチレン系樹脂発泡シートは、最大点変位が大きくて曲げやすく、容器製造のために曲げた際、折れや小皺を発生することがなかった。実施例5のポリスチレン系樹脂発泡シートは、スキン層厚みが1.9μmと、実施例1〜4のポリスチレン系樹脂発泡シートと比べてやや薄くなり、溝加工後の折れの評価において、折れが少し生じた。
一方、比較例1は、引き取り速度を実施例1〜5よりも低くし、冷却エアー風量を増やして製造した結果、気泡径比(L1/L2)が1.18となり本発明の比の下限値(1.21)以下となった。また、スキン層厚さが4.9μmと実施例1〜5よりも厚くなった。この比較例1のポリスチレン系樹脂発泡シートは、最大点変位が実施例1〜5よりも低く、弾性率が高くなり、容器製造のために曲げた際、溝形成部に折れを生じた。
比較例2は、引き取り速度を実施例1〜5よりも低くし、冷却エアー風量を増やして製造した結果、気泡径比(L1/L2)が1.08となり本発明の比の下限値(1.21)未満となった。また、スキン層厚さが5.0μmと実施例1〜5よりも厚くなった。この比較例2のポリスチレン系樹脂発泡シートは、最大点変位が実施例1〜5よりも低く、弾性率が高くなり、容器製造のために曲げた際、溝形成部に折れを生じ、また周側部に小皺も生じた。
比較例3は、せん断速度を実施例1〜5よりも小さくした結果、気泡径比(L1/L2)が1.61となり本発明の比の上限値(1.55)以上となった。この比較例2のポリスチレン系樹脂発泡シートは、弾性率が高くなり、容器製造のために曲げた際、溝形成部に折れを生じた。
本発明のポリスチレン系樹脂発泡シートは、丸曲げしても曲げ部に小皺や折れを発生しにくく、長矩形に裁断して円形、楕円形、長丸形などの底板の周縁に巻き付けるように装着し、弁当箱などの容器を作製するための周側枠材として、また曲面に貼り付けるための断熱材や各種の物品を包装する包装材などとして使用される。
1 ポリスチレン系樹脂発泡シート
2 気泡

Claims (1)

  1. MD方向の平均気泡径L1とTD方向の平均気泡径L2との比(L1/L2)が1.21〜1.55の範囲内である気泡構造を有(ここで、MD方向とは押出発泡法により発泡シートを製造した際に発泡シートの押出方向のことであり、またシート表面におけるMD方向と直交する方向をTD方向と言う)、表裏いずれか一方又は両方のスキン層の厚みが2.0〜4.5μmの範囲内であることを特徴とするポリスチレン系樹脂発泡シート。
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