JPH09202237A - 部品用コンテナ台車 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品の梱包、輸送手段として部品の収納、取
出し、移動を簡便かつ能率良く行うことができ、反復使
用により廃棄物の発生量を最少限に抑制し、さらに部品
保管庫ないし組立作業台としても使用可能な部品用コン
テナ台車を提供すること。 【解決手段】 所定段数の棚空間と底板の四隅に設けた
キャスタとを有する筐体と、部品箱を搭載するために前
記各段の棚空間に前記筐体の奥行き寸法を占めて進退自
在に設置され該筐体の前後方向へ各々筐体奥行き寸法の
約２分の１の距離を引き出しうる棚板と、前記部品箱を
前記棚板上に固定するための締結手段と、前記棚空間の
開口部を各棚段ごとに前記筐体の前面及び後面で閉鎖す
る扉とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、部品類を部品箱に
入れた状態で収容して輸送するための部品用コンテナ台
車に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば電気製品の組立等に使用す
る部品類は、種々の寸法のプラスチック製の部品箱（ポ
リケース）に入れて個別に包装したものを、一括して大
型の木箱に収容し、緩衝材を介して梱包し輸送してい
る。

【０００３】このように梱包、輸送された部品の使用に
際しては、木箱を解梱し、ポリケースを取り出し、その
内容物の種類、数量を個々に確認する等の作業に多大の
労力を要しており、部品管理上少なからぬ負担になって
いる。

【０００４】また、部品輸送に用いる木箱は部品量に応
じてその都度製作されるため大きさもまちまちで、大半
は一回使用後に緩衝材と共に廃棄され、反復使用される
ことは殆どない。そのため、部品の梱包・解梱費用と共
に包装材の廃棄処理費用が看過しえない問題となってい
る。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記状況に鑑
みてなされたものであり、部品の梱包、輸送手段として
部品の収納、取出し、移動を簡便かつ能率良く行うこと
ができ、反復使用により廃棄物の発生量を最少限に抑制
し、さらに、部品保管庫ないし組立作業台としても使用
可能な部品用コンテナ台車を提供することを目的とす
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、（１）所定段数の棚空間と底板の四隅に設けたキャ
スタとを有する筐体と、部品箱を搭載するために前記各
段の棚空間に前記筐体の奥行き寸法を占めて進退自在に
設置され、該筐体の前後方向へ各々筐体奥行き寸法の約
２分の１の距離を引き出しうる棚板と、前記部品箱を前
記棚板上に固定するための締結手段と、前記棚空間の開
口部を各棚段ごとに前記筐体の前面及び後面で閉鎖する
扉とを備えた部品用コンテナ台車、が提供される。

【０００７】本発明の部品用コンテナ台車に部品を収容
する際は、部品をその種類別に所定寸法の部品箱に入れ
て蓋をし、扉を開いて棚板を筐体から引き出し、部品箱
を棚板の前半部、後半部に並べて搭載し、その上を適宜
な保護カバーで覆い、締結手段により棚板上に固定す
る。この場合、棚板を筐体奥行き寸法の約２分の１の距
離だけ筐体の前後両方向へ引き出すことができるので、
コンテナ台車の周辺に広いスペースを要しない。また、
引き出した棚板の重みで台車が傾くことがなく、引き出
した棚板が他の棚板の陰になることが少ないので、部品
箱収納作業を能率よく行うことができる。部品箱を収納
し終わったならば棚板を筐体中に納め、各棚段ごとに筐
体前面、後面の扉を閉鎖する。

【０００８】このようにして、多種類の部品を整然と、
しかも極めて簡便にコンテナ台車に収容することがで
き、そのまま荷役、輸送過程に置くことができる。な
お、このコンテナ台車はキャスタを備えているので、収
納、荷役、部品取出しの際の短距離の移動を簡便に行う
ことができる。

【０００９】本発明の部品用コンテナ台車から部品を取
出す際は、上記収納時と逆の手順を踏めばよい。この場
合も棚板を筐体の前後両方向に引き出すことができるの
で、収納時と同様の利便性が得られる。また、このコン
テナ台車は梱包、輸送手段としてだけでなく、取出し容
易な部品保管庫として、また部品組立の際の簡易作業台
としても好適に使用可能である。さらに、このコンテナ
台車では添付する伝票類以外には消耗品は殆どなく、部
品箱や保護カバーを含む殆ど全ての要素を発送元へ返送
して再利用できるので、廃棄物の発生量を極少にするこ
とができる。

【００１０】

【発明の実施の形態】本発明の好適な実施形態として以
下のものを挙げることができる。 （２）前記棚板は上部４隅に該棚板の引き出し距離を規
定するストッパを備え、前記筐体は、その奥行き中央の
両側壁面から内部に向けて立設され、前記ストッパの行
程を遮るストッパピンを備えた上記（１）記載の部品用
コンテナ台車、（３）前記棚板が前後両端部に落し込み
式の取手を備え、該取手が取手支持部中に落し込まれた
状態では、該取手の下端部が前記筐体の段間を区切る横
材により係止される上記（１）記載の部品用コンテナ台
車、（４）前記扉がはね上げ式であり、はね上げた状態
で前記筐体中へ水平に格納されうる上記（１）記載の部
品用コンテナ台車、及び、（５）前記締結手段が、端部
を前記棚板に固定したベルトである上記（１）記載の部
品用コンテナ台車、である。

【００１１】本発明に係る部品用コンテナ台車では、各
棚板及び筐体が実施形態（２）に記載したストッパ及び
ストッパピンを備えることができる。これにより、各棚
板の筐体前後方向への引き出し距離を筐体奥行き寸法の
約２分の１に規制することができる。

【００１２】また、各棚板は実施形態（３）に記載した
落し込み式の取手を備えてもよい。この取手は取手支持
部中で上下に遊動し、下方に落し込まれた状態では該取
手の下端部が筐体の段間を区切る横材に当たり、ストッ
パとして機能する。これにより、輸送時の衝撃等による
棚板の滑動を制止することができる。また、各棚板はそ
の両側面に設けたガイドローラを介して筐体に支持され
ることが望ましく、これにより、棚板を軽く滑らかに引
き出すことができ、耐久性も向上する。さらに、各棚板
はその前後両端部及び中央部に棚板内での部品箱の移動
を防止する低い仕切板を備えることが望ましい。

【００１３】また、本発明に係る部品用コンテナ台車で
は、各扉は実施形態（４）に記載したはね上げ式のもの
であってもよく、各扉をはね上げた状態で筐体中へ水平
に格納すれば部品箱の収納、取出しの際邪魔にならな
い。なお、各扉の閉鎖時の固定は、例えば扉の下端部に
ラッチ錠を設けることにより簡便に行うことができる。
さらに各扉の表面にはカードポケットを設けることが望
ましく、これに棚段の当該区画に収納した部品の名称、
数量等を記入したカードを差し込んで部品管理に役立て
ることができる。

【００１４】さらに、本発明に係る部品用コンテナ台車
では、各棚板に実施形態（５）に記載したベルトを備え
ることができる。これにより、部品箱を各棚板に固定
し、輸送中も安定に保持することができる。勿論この締
結手段としては、バネを利用するもの等、他の形式も可
能である。

【００１５】なお、筐体の上面四隅にアイボルトを取り
付けておけば、荷役に際してクレーンによる吊り下げを
行うことができる。勿論、底板のキャスタの間にフォー
クリフトのフォークを差し込んで荷役を行ってもよい。
また、筐体の上面にゴム板等を貼っておけば、このコン
テナ台車を組立作業台として使用する際に必要なクッシ
ョン性を付与することができる。

【００１６】

【実施例】以下に、本発明に係る部品用コンテナ台車の
一実施例について、添付図面を参照しつつ詳細に説明す
る。

【００１７】図１は、本実施例としての部品用コンテナ
台車（参照符号１００）の全体構成を示す斜視図であ
る。図中、参照符号１は筐体、２は棚板、３は扉であ
る。コンテナ台車１００は３段の棚板２を有し、各棚板
２は筐体１の前後両方向へ引き出すことができ、筐体１
は前後両面とも同一に構成されている。なお、図１では
最下段の扉３が開いて筐体１中に格納されており、中の
棚板２が引き出されているのを見ることができる。この
棚板２の上には３個の部品箱が横に並べて搭載されてい
る。中段の扉３ははね上げられており、最上段の扉３は
閉じていてその表面を見ることができる。

【００１８】図１において、参照符号１１は筐体１の段
間を仕切る角パイプ状の横材、１２はキャスタ、１３は
筐体１の上面四隅に設けたアイボルト、１４はコンテナ
台車１００を移動させる際に手を掛けるハンドルバー、
１５は筐体１の側面に設けたカードポケット、３１は伝
票やカードを差し込むために扉２の表面に設けたカード
ポケット、３２は扉３を施錠するためのラッチ錠を夫々
示している。

【００１９】図２は棚板２の詳細構造を示す斜視図であ
る。図２において、２１は棚板２の前後端部に設けた取
手、２２は取手２１を支持する取手支持部、２３は棚板
２の側面に設けたガイドローラ、２４は棚板２の部品箱
締結用ベルト、２５は棚板２の上部４隅に設けられ各棚
板２の筐体１前後方向への引き出し距離を規制するスト
ッパを、夫々示している。棚板２はガイドローラ２３を
介して筐体１の側壁に設けたガイドレール（図示せず）
に進退自在に支持され、筐体奥行き寸法の約２分の１の
距離を引き出されるとストッパ２５が筐体内部の側壁面
に設けたストッパピン１６（図３参照）に衝突して止ま
る。

【００２０】図３は取手２１及びストッパ２５の詳細構
造を示す縦断面図である。取手支持部２２は棚板２の前
後端部に夫々設けられている。取手２１は取手支持部２
２中を上下に遊動し、重力により下方に落ち込んだ取手
２１の下端部は筐体１の段間を仕切る角パイプ状の横材
１１に当たる。その結果、棚板２の前後への滑動が制止
される。棚板２を引き出す際は取手２１を上方に引き上
げた後、手前へ引く。

【００２１】図３において、棚板２の上方に、筐体内部
中央の側壁面に立設したストッパピン１６を縦方向から
見た姿が小さな円として描かれている。棚板２はストッ
パ２５がストッパピン１６に衝突して止まる位置まで引
き出される。図３右側の縦の一点鎖線は筐体１の奥行き
中央を示す。

【００２２】以上のように構成された部品用コンテナ台
車１００に部品を収容する際は、扉３をはね上げて筐体
１中に格納し、取手２１を引き上げて棚板２を筐体１か
ら引き出し、部品箱を棚板２の前半部、後半部に並べて
搭載する。搭載した部品箱には例えば発泡ポリスチレン
シート等の適宜な保護カバーを掛け、締結用ベルト２４
により棚板２の上に固定する。

【００２３】この場合、棚板２を筐体１の前後両方向に
筐体１の奥行き寸法の約２分の１の距離を引き出すこと
ができるので、コンテナ台車１００の周辺に広いスペー
スを要せず、引き出した棚板２の重みで台車１００が傾
くことがない。また、引き出した棚板２が他の棚板２の
陰になることが少ないので、部品箱収納作業を能率よく
行うことができる。

【００２４】また棚板２はその側面に設けたガイドロー
ラ２３を介して筐体１に支持されているので、棚板２を
軽く滑らかに引き出すことができる。部品箱を収納し終
わったならば棚板２を筐体１に納め、各棚段ごとに筐体
１の前面、後面の扉３を閉じてラッチ錠３２を掛けて施
錠し、扉２の表面に設けたカードポケット３１に当該区
画に収納した部品の名称、数量等を記入したカードを差
し込んでおく。

【００２５】このようにして部品箱を収納したコンテナ
台車１００は、そのまま荷役、輸送過程に置くことがで
きる。この場合、取手２１が重力により自然に係止状態
になるので、輸送時の衝撃等による棚板２の滑動を防止
することができる。

【００２６】なお、このコンテナ台車１００はキャスタ
１２及びハンドルバー１４を備えているので、収納、荷
役、部品取出しの際の短距離の移動を簡便に行うことが
できる。また荷役の際、筐体１の上面四隅に設けたアイ
ボルト１３を利用してクレーンによる吊り下げを行って
もよく、勿論、底板のキャスタ１２の間にフォークリフ
トのフォークを差し込んで荷役を行ってもよい。

【００２７】部品用コンテナ台車１００から部品を取出
す際は、上記収納時と逆の手順を踏めばよい。この場合
も棚板２を筐体１の前後両方向に引き出すことができる
ので収納時と同様の利便性が得られる。

【００２８】また、このコンテナ台車１００は梱包、輸
送手段としてだけでなく、取出し容易な部品保管庫とし
て、また部品組立の際の簡易作業台としても好適に使用
可能である。その際、扉２のカードポケット３１に差し
込んだカードを部品管理に役立てることができる。筐体
１の上面にゴム板等を貼っておけば、コンテナ台車１０
０を作業台として使用する際に必要なクッション性を付
与することができる。

【００２９】このコンテナ台車１００では、添付する伝
票類以外には消耗品は殆どなく、部品箱や保護カバーを
含む殆ど全ての要素を発送元へ返送して再利用できるの
で廃棄物の発生を極少にすることができる。

【００３０】

【発明の効果】かくして本発明の部品用コンテナ台車に
よれば、部品の梱包、輸送手段として部品の収納、取出
し及び移動を簡便かつ能率良く行うことができ、反復使
用により廃棄物の発生量を最少限に抑制することができ
る。また、このコンテナ台車は部品保管庫ないし組立作
業台としても好適に使用可能である。

【００３１】

【図面の簡単な説明】

【図１】一実施例としての部品用コンテナ台車の全体構
成を示す斜視図である。

【図２】上記実施例における棚板の詳細構造を示す斜視
図である。

【図３】上記実施例における取手及びストッパの詳細構
造を示す縦断面図である。

【符号の説明】

１…筐体 １１…筐体段間の横材 １２…キャスタ １３
…アイボルト １４…ハンドルバー １５…カードポケット １６
…ストッパピン ２…棚板 ２１…取手 ２２…取手支持部 ２３
…ガイドローラ ２４…ベルト ２５…ストッパ ３…扉 ３１…カードポケット ３２…ラッチ錠 １００…部品用コンテナ台車

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】所定段数の棚空間と、底板の四隅に設けた
   キャスタとを有する筐体と、 部品箱を搭載するために前記各段の棚空間に前記筐体の
   奥行き寸法を占めて進退自在に設置され、該筐体の前後
   方向へ各々筐体奥行き寸法の約２分の１の距離を引き出
   しうる棚板と、 前記部品箱を前記棚板上に固定するための締結手段と、 前記棚空間の開口部を各棚段ごとに前記筐体の前面及び
   後面で閉鎖する扉とを備えた、部品用コンテナ台車。