JPH09195748A

JPH09195748A - マフラー

Info

Publication number: JPH09195748A
Application number: JP2579596A
Authority: JP
Inventors: Shoji Wada; 正二和田
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1996-01-19
Filing date: 1996-01-19
Publication date: 1997-07-29
Anticipated expiration: 2016-01-19
Also published as: JP2824962B2

Abstract

(57)【要約】【課題】小孔群を密に貫設配設したパンチングパイプ
からなる内燃機関用マフラーにおいて、エンジン出力の
向上を図り、併せて形状を小形化・コンパクト化するマ
フラー１を提供する。【解決手段】単一ストレート管体のパンチングパイプ
にして吸音材４で包み込んだ外套管２の入口側に、テー
パー管体のパンチングパイプの内套管３を内設し、その
内套管３の大径口６をガス送入口７にすると共に、内套
管３の先端部位を閉鎖板１２によって閉鎖し、さらに、
その内套管３の先端部位に、外套管２と同心状をなして
伸長する隔壁管５を備え、その内套管３・隔壁管５の外
周と外套管２の内周との空隙を、ガス流路１４になし、
外套管２・内套管３の先端のガス送入口７から送入した
エンジン排気ガス２０を、内套管３内からガス流路１４
に導いて多段ステップ状に消音し、外套管２の後端の排
気口９から排出させる構造が特徴である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の排気管系
等に装着して、エンジンの排気音を消音するのに使用す
るマフラーに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】自動車用マフラーは多様な構造のものが
使用されており、それ等公知例のうち、特にエンジンの
出力低下が少く、かつ、有効な消音性能を有するものと
してパンチングパイプを用いた構造のものがある。な
お、パンチングパイプとは、小孔を密に設けた金属板を
パイプ状に丸めたものをいう。

【０００３】即ち、この公知例のパンチングパイプ構造
のマフラー１は（図３参照）、エンジンの排気管１１と
概ね等径のストレート形状のパンチングパイプ１９を３
本並設してケーシングに収納し、それぞれのパンチング
パイプ１９をウール材の吸音材４に埋め込んだ構造から
なり、排気管１１から送出されてきた排気ガス２０を、
その３本のパンチングパイプ１９が連通して形成する長
大な流路を通過させ、その通過中に、それぞれのパンチ
ングパイプ１９の周壁の小孔群に露出する吸音材４に音
波を吸収させて消音し、車体後尾の排気管から排出する
ようになっている。そして、図示しないがストレート形
状単一管のパンチングパイプ１９からなるマフラーも一
部の自動車に使用されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】以上の公知例のパンチ
ングパイプ構造のマフラー１は、応分の消音効果を有す
るものの、３本のパンチングパイプ１９が連通して形成
する排気ガス流路は、Ｕターン箇所が２箇存在するの
で、排気ガスの通過抵抗が高くなり、エンジンの出力低
下をもたらす性能上の難点がある。そして、前記の単一
管パンチングパイプ構造のものは、当然に吸音効果が少
く排気管が高くなるので、サブマフラー（主マフラーに
付設するマフラー）しか使用できない。

【０００５】さらに、従来のパンチングパイプ構造のマ
フラーは、その３本並設構造のため、マフラーが必然的
に大形化・重量化するので「１粍でも小さく、かつ、可
及的に軽量に」と厳格に要求される当該分野の技術要求
に反する。本発明は、以上の従来技術の諸難点を解消す
るパンチングパイプ構造のマフラーを提供するものであ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】以上の技術課題を解決す
る本発明のマフラーは「小孔群を密に配設した金属板を
巻回して所要径管体にしたパンチングパイプの外套管と
内套管からなり、前記外套管は、円柱形ストレート管に
して吸音材を外周に巻き付け装着し、前記内套管は、先
細のテーパー管体にして大径口を前記外套管の入口側に
固定して、前記外套管内の入口部分に伸長すると共に先
端を閉鎖した形状からなり、さらに、前記内套管の先端
部位から前記外套管と同心状に伸長する隔壁管を備え、
前記内套管の大径口がエンジン排気ガスの送入口にし
て、前記外套管と前記内套管・隔壁管との空隙が排気ガ
スの流路を形成する構造」になっている。

【０００７】即ち、本発明のパンチングパイプ構造のマ
フラーは、ストレート形状単一の外套管に前記の内套管
と隔壁管を収納固定して一体に組合せ結合した構造を有
し、そのテーパー管の内套管に送入したエンジン排気ガ
スを、内套管の小孔群を通過させ、続いて外套管と隔壁
管との間の流路を経由して外套管の後端から排出させる
ようになっている。なお、本発明におけるパンチングパ
イプとは、ステンレス板等の金属薄板に、小孔群を密に
貫設配設した板体を、所要径に丸めたパイプ体をいう。

【０００８】

【作用】以上の構成の本発明のパンチングパイプ構造の
マフラーは、テーパー管体の内套管の大径口から送入さ
れた排気ガスが閉鎖状態の小口径へ向って送入されて圧
縮されて外周の小孔群から流出するので、その段階で有
効に一次消音される。そして、その内套管から吹き出す
ガス体は外套管の外周へダイレクトに衝突するので、外
套管の小孔群から露出している吸音材に音波が有効に吸
音されて二次消音され、続いて、その外套管と隔壁管と
の間の空隙の流路を、通過するので、その流路の外周を
形成する外套管の小孔群の吸音材に音波が有効に三次吸
音されて外套管の後端から排出される。従って、以上の
多段ステップの消音作用によって極めて効果的に消音で
きる。

【０００９】そして、全体がストレート形状の単一管体
形状にして、排気ガスを１８０°ターンさせる箇所が存
在しないので、排気ガスの通過抵抗が前記従来構造のも
のより小さくなり、エンジン出力の低下が小にしてエン
ジン性能が向上する。さらに、単一ストレート管の外套
管をウール材等の吸音材で巻き付けたシンプルな構造で
あることから、前記従来のパンチングパイプ構造のマフ
ラーより、特段に小形化・コンパクト化すると共に、軽
量化し、主マフラーとして使用できる。

【００１０】

【発明の実施の形態】本発明のマフラーは、以下の実施
例のように実施される。

【００１１】

【実施例】まず、自動車エンジンのマフラーとして応用
した本発明第一実施例を示す図１を参照して、本発明の
マフラー１はストレート形状パンチングパイプの外套管
２と、この外套管２の入口側の中空部に、外套管２と同
心状に組合せ装着されたパンチングパイプの内套管３
と、この内套管３の先端に固定連結されて外套管２の中
空部に若干長伸長する隔壁管５を内設した単一円管体形
状にして、この外套管２の外周にウール材の吸音材４を
巻き着けてケーシング１０に収納した構造からなり、内
套管３の大径口６が排気ガス２０の送入口７になると共
に、外套管２の後端口が排気ガスの排気口９となってい
る。

【００１２】詳しくは、内套管３は車体側の排気管１１
と概ね等径に設定された大径口６を底部とするメガホン
形状のテーパー管体にして、前端部位に盲板の閉鎖板１
２を有する下端開口・先端閉鎖のパンチングメタル製の
テーパー管にして、外套管２の前端開口部に端末環１３
を介して固着され、外套管２と同心状になって外套管２
の前半部分に装着固定されている。

【００１３】そして、この内套管３の先端には、通常の
ストレート管体の隔壁管５が連結固定されて外套管２と
同心状に配設され、外套管２の後端近傍まで伸長し、こ
の隔壁管５・内套管３の外周と外套管２の内周とのドー
ナツ状の空隙がガス流路１４となり、このガス流路１４
の有効流路面積は、車体排気管１１の内径断面積と概ね
等量に設定されている。

【００１４】さらに、この実施例のマフラー１は、隔壁
管５の後端と外套管２の後端間に、内套管３と概ね同形
のテーパー形状パンチングパイプの補助内套管１５が装
着され、補助内套管１５の大径口が、同じく端末環１３
を介して外套管２の後端開口部と接続され、マフラー１
の排気口９を形成している。

【００１５】なお、この実施例の寸法諸元は以下のとお
りである。即ち、外套管２・内套管３のいずれも、約３
粍直径の小孔１６をピッチ約６粍で密に配設したステン
レス薄板を巻回したパンチングパイプであり、外套管２
は「管直径が７２粍、全長が４００粍」、内套管３と補
助内套管１５は「大径口の直径が６０粍にして先端の小
径口が３０粍、長さ１００粍」、隔壁管５は直径３０粍
である。そして、この実施例のものは、内套管３・補助
内套管１５の小径口に隔壁管５の両端を若干差し込んで
固定し、それ等の連結姿勢が安定させてある。

【００１６】以上の図１実施例のマフラー１は、前記の
作用があり、内套管３の大径口６から送入された排気ガ
ス２０が、先端すぼみ・先端閉鎖の内套管３に圧入され
て圧縮され、その内套管３の小孔１６を貫通してガス流
路１４に吹き出すと共に、その吹き出し方向が外套管２
の周面に衝接する状態を呈するので、その内套管３の小
孔通過のときの圧縮・膨大による一次消音作用と、外套
管２に衝接する排気ガス２０が、外套管２の小孔１６群
を通して露出している吸音材４に音波が有効に吸収され
る二次消音作用を受ける。

【００１７】続いて、排気ガス２０はガス流路１４を通
過するので、その通過中に外套管２の小孔１６を通して
三次消音されて後端の排気口９から排出される。そし
て、この実施例のものは補助内套管１５が存在して、そ
の排出直前に補助内套管１５の小孔１６群通過を行うの
で、その通過による圧縮・膨大によって四次消音され
る。

【００１８】従って、以上の多段ステップの消音作用に
よって良好な消音効果が得られると共に、前記従来構造
のものに比べて、ガス流路１４の全長が特段に短かく、
かつ、１８０°変換の流路曲折がないので、マフラー１
を通過させる排気抵抗が極めて少くなると共に、形状が
著しく小形化・コンパクト化して軽量化する。なお、図
１実施例のマフラー１と図３例示の従来構造のマフラー
を、同一エンジンを搭載した自動車の排気管に装着して
走行対比実験したところ、本発明のマフラーを装着した
ときは、エンジンの最高回転数が毎分７，３００回転に
達したのに対し、従来構造のマフラーを装着したとき
は、エンジンの最高回転数が毎分６，８００回転に過ぎ
ず、本発明のマフラーは排気抵抗の減少からエンジン出
力の向上に寄与する事実が明白に示された。なお、この
両者の排気音は同等程度であった。

【００１９】なお、本発明のマフラー１は、前記の実施
例に限定されず、図２例示のように、内套管３の先端に
円錐形状の閉鎖キヤップ１８を設けて、内套管３の全形
を円錐形状にしたり、図１実施例の補助内套管１５を省
略したり、さらに、隔壁管５をパンチングパイプで形成
して吸音材を充填した構造にする等の変化があり、さら
に、流路１４の有効断面積を車体排気管の断面積より
「大または小」に設定することがある。

【００２０】

【発明の効果】以上の説明のとおり、本発明のマフラー
１は従来構造のものより、エンジン出力が向上する優れ
るマフラー性能を有し、その上、形状が小形化・コンパ
クト化して軽量化し、当該分野の技術要求に応える顕著
な諸効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明第一実施例のマフラーを示し、（Ａ）は
その正面断面図、（Ｂ）は（Ａ）のＥＥ断面図、（Ｃ）
は（Ａ）のＦＦ断面図、（Ｄ）は（Ａ）のＧＧ断面図

【図２】本発明の他の実施例のマフラーの部分正面断面
図

【図３】従来のマフラーの正面断面図

【符号の説明】

１マフラー２外套管３内套管４吸音材５隔壁管６大径口７ガス送入口９排気口１０ケーシング１１車体排気管１２閉鎖板１３端末環１４ガス流路１５補助内套管１６小孔１８閉鎖キヤップ２０排気ガス

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】小孔群を密に配設した金属板を巻回して
所要径管体にしたパンチングパイプの外套管と内套管か
らなり、前記外套管は、円柱形ストレート管にして吸音
材を外周に巻き付け装着し、前記内套管は、先細のテー
パー管体にして大径口を前記外套管の入口側に固定し
て、前記外套管内の入口部分に伸長すると共に先端を閉
鎖した形状からなり、さらに、前記内套管の先端部位か
ら前記外套管と同心状に伸長する隔壁管を備え、前記内
套管の大径口がエンジン排気ガスの送入口にして、前記
外套管と前記内套管・隔壁管との空隙が排気ガスの流路
を形成する構造を特徴とするマフラー。
【請求項２】隔壁管の後端と外套管の後端の間に、大
径口を前記外套管の後端に連結して排気ガスの排出口と
なるテーパー形状パンチングパイプの補助内套管を設け
た請求項（１）のマフラー。
【請求項３】隔壁管の外周と外套管の内周との間のガ
ス流路の有効流路面積が、内套管の大径口がなす排気ガ
ス送入口の断面積と概ね等量に設定された請求項（１）
または請求項（２）のマフラー。