JPH09194384A - ミネラル吸収促進剤 - Google Patents

ミネラル吸収促進剤

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JPH09194384A
JPH09194384A JP8025995A JP2599596A JPH09194384A JP H09194384 A JPH09194384 A JP H09194384A JP 8025995 A JP8025995 A JP 8025995A JP 2599596 A JP2599596 A JP 2599596A JP H09194384 A JPH09194384 A JP H09194384A
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bifidobacterium
cells
mineral absorption
bone
mineral
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JP8025995A
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Seiichiro Aoe
誠一郎 青江
Yukihiro Takada
幸宏 高田
Hiroaki Matsuyama
博昭 松山
Takeshi Kato
健 加藤
Mutsumi Hase
睦美 長谷
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Snow Brand Milk Products Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規なミネラル吸収促進剤の提供 【解決手段】 ビフィドバクテリウム属菌の菌体を有効
成分とするミネラル吸収促進剤。ビフィドバクテリウム
属としては、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidob
acterium longum) 、ビフィドバクテリウム・ビフィダ
ム (B. bifidum)、ビフィドバクテリウム・アドレスセ
ンティス (B. adolescentis) 、ビフィドバクテリウム
・ブレーベ (B. breve)、ビフィドバクテリウム・イン
ファンティス (B.infantis) などが菌数として製剤g当
り1×104 〜1×1012/g含有せしめて用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビフィドバクテリ
ウム属菌の菌体を有効成分とするミネラル吸収促進剤に
関する。本発明のミネラル吸収促進剤は、骨粗鬆症等の
予防や治療に有用である。
【0002】
【従来の技術】近年、わが国は世界でも有数の長寿国と
して知られているが、その一方で、高齢者や閉経後の女
性に見られる骨粗鬆症が顕在化し、問題となっている。
骨粗鬆症は、加齢に伴うカルシウム吸収能の低下、活性
型ビタミンD3 の分泌低下、ホルモンの不均衡等に起因
すると考えられているが、骨折等を伴うことが多いこと
から、治療に長期間を要したり、身体的活動が極度に制
限されるので、今後、益々深刻な病気となってくると考
えられている。また、高齢者のみならず、子供の骨折率
増加も無視し得ない状況となってきている。若年者の骨
折は、エネルギー過剰の一方で、偏食や運動不足等に起
因するカルシウムの摂取不足や骨代謝の不全が原因と考
えられている。したがって、骨に関わる病気は、もはや
年齢に関係なく日本人に共通の問題ともいえる現状にあ
る。
【0003】このような背景から、カルシウムの補給や
吸収を改善する物質についての研究がなされるようにな
った。カルシウムの吸収を促進する物質としては、乳糖
が最もよく知られている(五島孜郎, 関博麿, 栄養と食
糧, vol.17, p.188, 1964)。その他、ラクチュロースや
ソルビトール等にもカルシウムの吸収促進効果があるこ
とが知られている (鈴木和春他, 栄食誌, vol.38, p.3
9, 1985) 。また、カゼインの部分分解物であるカゼイ
ンホスホペプチドが、カルシウムの不溶化を防止し、カ
ルシウムの吸収効率を高めることが知られている (特開
昭 58-170440号公報、特開平5-336894号公報) 。さら
に、ビフィドバクテリウム属菌の増殖因子であるオリゴ
糖類にカルシウムの吸収促進効果があることも知られて
いる (特開平4-134031号公報、特開平4-349868号公報、
特開平 7-67575号公報) 。しかし、これらの物質は、カ
ルシウムの補給や吸収の改善には寄与するものの、必ず
しも骨ミネラルの沈着や骨強度の増加に直接的に作用す
るものではない。
【0004】一方、ビフィドバクテリウム属菌について
は、ヒトにおける有用菌として、古くから研究がなされ
ており、整腸作用、血中脂質改善作用、腐敗菌等の有害
菌の増殖阻害作用等が知られている。そして、その結果
として、各臓器障害、発癌、動脈硬化、高血圧、肝臓障
害、自己免疫能の低下等の改善に有用であることが示唆
されている (光岡知足, 全国牛乳普及協会主催国際学術
フォーラム要旨集, p.11, 1995) 。また、ビフィドバク
テリウム属菌等の発酵細菌でオリゴ糖等の発酵基質を資
化させ、腸内で発酵させることにより産生される酢酸、
乳酸、プロピオン酸、酪酸等の有機酸類が、腸内でカル
シウムの溶解性を高め、カルシウムの吸収率を高めるこ
とが報告されている(Ohta,A. et al., J. Jpn. Soc. Nu
tr. FoodSci., vol.46, p.123, 1993、Chonan,O. et a
l., J. Nutr. Sci. Vitaminol.,vol.41, p.95, 1995)
。しかしながら、ビフィドバクテリウム属菌の菌体自
体が、宿主である生体に作用して、ホルモン代謝や骨代
謝に影響を及ぼし、骨ミネラル沈着や骨強化を促進する
ことは従来全く知られていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、ビフィ
ドバクテリウム属菌の有効利用について研究を進めると
共に、骨粗鬆症の予防や治療効果の高いミネラル吸収促
進剤について研究を進めていたところ、ビフィドバクテ
リウム属菌の菌体を摂取することにより、骨ミネラル沈
着や骨強化を促進することができることを見出し、本発
明を完成するに至った。なお、後述するように、この効
果は従来の発酵細菌が産生する有機酸類に起因するもの
ではなく、ビフィドバクテリウム属菌の菌体そのものの
作用によるものである。したがって、本発明は、ビフィ
ドバクテリウム属菌の菌体を有効成分とするミネラル吸
収促進剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のミネラル吸収促
進剤は、ビフィドバクテリウム属菌の菌体を有効成分と
するところに特徴がある。本発明で使用可能なビフィド
バクテリウム属菌としては、ビフィドバクテリウム・ロ
ンガム(Bifidobacterium longum) 、ビフィドバクテリ
ウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)、ビフィ
ドバクテリウム・アドレスセンティス(Bifidobacterium
adolescentis) 、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(B
ifidobacterium breve)及びビフィドバクテリウム・イ
ンファンティス(Bifidobacteriuminfantis) を例示する
ことができる。
【0007】これらのビフィドバクテリウム属菌の菌体
を調製する方法としては、例えば、通常のビフィドバク
テリウム属菌の培養に使用されるBrigg's Liver Broth
等の増殖液体培地に菌体を接種し、嫌気条件下、37℃で
16時間培養した後、得られた培養物を遠心分離 (10,000
×g 、15分間) して菌体を集菌し、適宜、菌体を洗浄し
て凍結乾燥すればよい。なお、このビフィドバクテリウ
ム属菌の粉末菌体については、ミネラル吸収促進剤中そ
の菌数が1×104 〜1×1012/gとなるように調整する。
また、ビフィドバクテリウム属菌の菌体を牛乳や脱脂乳
等の培地中で培養し、その培養物をそのままミネラル吸
収促進剤として使用することも可能である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、ビフィドバクテリウム
・ロンガム(Bifidobacterium longum) 、ビフィドバク
テリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)、ビ
フィドバクテリウム・アドレスセンティス(Bifidobacte
rium adolescentis) 、ビフィドバクテリウム・ブレー
(Bifidobacterium breve)、ビフィドバクテリウム・
インファンティス(Bifidobacterium infantis) 等のビ
フィドバクテリウム属菌の菌体を有効成分とするミネラ
ル吸収促進剤である。そして、この菌体の菌数が1×10
4 〜1×1012/g、好ましくは1×106 〜1×1011/gとな
るように調整されたものであれば、飲食品や製剤等どの
ような形態のものであっても良い。例えば、培養した菌
体を凍結乾燥し、得られた菌体粉末3g前後を脱気包装し
た形態のものをそのまま摂取しても良く、生残性の良好
な生菌体カプセルの製造法 (特開平1-228456号公報) に
従って調製したカプセル形態のものを摂取しても良い。
また、通常の発酵乳にビフィドバクテリウム属菌の菌体
を接種して、ハードタイプやドリンクタイプの発酵乳の
形態で摂取しても良い。
【0009】また、本発明のミネラル吸収促進剤には、
これらの菌体とともに、オリゴ糖類等のビフィドバクテ
リウム属菌増殖因子や吸収性の高いカルシウム剤等を併
用しても良い。
【0010】本発明のミネラル吸収促進剤の摂取量は、
成人の場合、ビフィドバクテリウム属菌の菌体を1日1
×108 以上、すなわち、1×107/g の粉末菌体であれば
1日10g 以上、1×106/g の発酵乳であれば1日100g以
上摂取することが好ましい。
【0011】次に、実施例及び試験例を示して本発明を
詳細に説明する。
【実施例1】表1に示した組成のBrigg's Liver Broth
10リットルを 121℃で15分間滅菌した後、この培地に、
予め同培地で前培養したビフィドバクテリウム・ロンガ
(Bifidobacterium longum) SBT-2928 (FERM P-1065
7) の培養液を2%接種し、炭酸ガス通気の嫌気条件
下、培地のpHを1Nアンモニア水で 6.5〜6.8 に維持しな
がら、37℃で16時間培養した。
【0012】
【表1】 ───────────────────── トマトジュース 400 ml ネオペプトン(Difco社製) 15 g 酵母エキス(Difco社製) 6 g 肝臓抽出液 70.6 ml グルコース 20 g 可溶性デンプン 0.5 g 塩化ナトリウム 5 g Tween80 1 g L−システイン・塩酸塩 0.2 g 水(pH6.8) 525 ml ─────────────────────
【0013】培養終了後、得られた培養物を遠心分離
(10,000×g 、15分間) して菌体を集菌し、生理食塩水
で3回洗浄した後、この菌体を同量 (湿重量) のグルタ
ミン酸ナトリウム1%を添加した10%濃度の還元脱脂乳
に分散させ、凍結乾燥した。このようにしてビフィドバ
クテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum) の粉
末菌体 70gを得た。なお、この粉末菌体の菌数は1×10
10/gであった。
【0014】
【実施例2】表2に示した組成の原料1リットルを 121
℃で10分間滅菌した後、この原料中に、予め同培地で前
培養したビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacte
riumbreve) ATCC-15700 の培養液を2%接種し、37℃で
16時間培養して発酵乳 1.1kgを得た。なお、この発酵乳
中の菌数は1×107/mlであった。
【0015】
【表2】 ──────────────── 脱脂粉乳 10 (重量%) 酵母エキス 0.5 水 89.5 ────────────────
【0016】
【実施例3】実施例1と同様の条件で、ビフィドバクテ
リウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum) ATCC-
29521 、ビフィドバクテリウム・アドレスセンティス(B
ifidobacterium adolescentis) ATCC-15703及びビフィ
ドバクテリウム・インファンティス(Bifidobacterium
infantis) ATCC-15697を培養し、それぞれの粉末菌体約
70g を得た。
【0017】
【試験例1】被験動物として初体重80〜90g のウィスタ
ー系無菌ラットを使用し、動物実験を行った。すなわ
ち、本発明群として、実施例1で得られたビフィドバク
テリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum) の粉末
菌体を菌数が1×108/mlとなるよう滅菌生理食塩水に懸
濁し、5匹のラットに経口ゾンデで連日1mlの菌体懸濁
液を4週間投与した。一方、対照群として、実施例1と
同様の方法で調製したバクテロイデス・オバータス(Bac
teroides ovatus) SBT3175 の粉末菌体を菌数が1×10
8/mlとなるよう滅菌生理食塩水に懸濁し、5匹のラット
に経口ゾンデで連日1mlの菌体懸濁液を4週間投与し
た。また、飼料は市販の放射線滅菌した固形飼料(NM
F飼料、オリエンタル酵母工業製) を自由摂取させた。
そして、4週間経過後、エーテル麻酔下で大腿骨を摘出
し、レオロメーター (RX-100、アイテクノ社製) で骨破
断力を測定し骨強度とした。この結果を図1に示す。ま
た、後大静脈より採血して血清を分離し、血清中の副甲
状腺ホルモンとカルシトニン濃度を測定した。その結果
を図2及び図3に示す。
【0018】骨強度は、対照群に比べ本発明群が有意に
高く、ビフィドバクテリウム属菌の菌体に骨強化作用が
存在することが判った。また、血清中の副甲状腺ホルモ
ン濃度は、対照群に比べ本発明群が有意に高く、活性型
ビタミンDの産生を促し、カルシウム吸収を亢進してい
ることが認められた。したがって、ビフィドバクテリウ
ム属菌の菌体を摂取することにより、生体の代謝に影響
を及ぼしてミネラルの吸収を促進することができること
が判る。また、血清中のカルシトニン濃度には差が認め
られず、骨吸収への影響は認められなかった。
【0019】
【試験例2】被験動物として初体重80〜90g のウィスタ
ー系無菌ラットを使用し、動物実験を行った。すなわ
ち、本発明群として、実施例2で得られたビフィドバク
テリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)の菌体を
含有する発酵乳を5匹のラットに経口ゾンデで連日1ml
の菌体懸濁液を4週間投与した。一方、対照群として、
実施例1と同様の方法で調製したバクテロイデス・オバ
ータス(Bacteroides ovatus) SBT3175 の粉末菌体を菌
数が1×107/mlとなるよう滅菌脱脂乳に懸濁し、5匹の
ラットに経口ゾンデで連日1mlの菌体懸濁液を4週間投
与した。また、表3に示した組成の飼料を調製し、50kG
y の放射線で滅菌した後、この飼料を自由摂取させた。
なお、従来知られている腸内細菌の発酵産物によるミネ
ラル吸収の影響を見るため、飼料中にガラクトオリゴ糖
を添加した。
【0020】
【表3】 ────────────────────── カゼイン 20.0000(重量%) L−システイン 0.3000 コーンスターチ 39.7486 α−コーンスターチ 13.2000 ショ糖 5.0000 ガラクトオリゴ糖 5.0000 大豆油 7.0000 セルロース 5.0000 重酒石酸コリン 0.2500 ブチルヒドロキノン 0.0014 ビタミン混合物* 1.0000 ミネラル混合物* 3.5000 ──────────────────────* AIN-93G (J. Nutr. 123 ,1939-1951(1993)参照) 配合
による。
【0021】そして、4週間経過後、エーテル麻酔下で
大腿骨を摘出し、常法 (ICP発光分析, 不破敬一編,
p.196(1980) 南江堂発行) に従って灰化した後、ICP
発光分析装置で骨ミネラル量を測定した。また、発酵産
物との関係を見るため、盲腸を摘出し、pHメーターで直
接pHを測定した後、カルボン酸分析計で有機酸量を測定
した。その結果を表4に示す。
【0022】
【表4】 ───────────────────────────────── 本発明群 対照群 ───────────────────────────────── カルシウム 96.1±11.8* (mg/骨) 85.2± 5.2(mg/骨) リン 47.8± 6.1* 41.6± 2.4 マグネシウム 2.7± 0.3* 2.5± 0.1 ───────────────────────────────── pH 6.9±0.2 6.8±0.2 乳酸 1.4±0.3 (mg/盲腸) 1.0±0.1 (mg/盲腸) 酢酸 3.1±1.9 * 8.8±1.6 プロピオン酸 検出されず 2.9±0.3 ───────────────────────────────── * 対照群と有意差あり(p<0.05)
【0023】骨ミネラル量は、対照群に比べ本発明群が
有意に多かった。したがって、ビフィドバクテリウム属
菌の菌体を摂取することにより、骨ミネラル量を増加さ
せることができることが判る。また、有機酸量は、本発
明群に比べ対照群が有意に多く、ビフィドバクテリウム
属菌の菌体摂取によるミネラル吸収促進作用は、腸内細
菌の発酵を介した有機酸による作用ではないことが確認
された。
【0024】
【試験例3】被験動物として初体重25〜30g のBALB/c系
無菌マウスを使用し、動物実験を行った。すなわち、本
発明群として、実施例3で得られたビフィドバクテリウ
ム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)、ビフィド
バクテリウム・アドレスセンティス(Bifidobacterium
adolescentis) 及びビフィドバクテリウム・インファン
ティス(Bifidobacterium infantis) の粉末菌体を菌数
が1×107/mlとなるよう滅菌生理食塩水に懸濁し、5匹
のマウスに経口ゾンデで連日0.3ml の菌体懸濁液を4週
間投与した。一方、対照群として、実施例1と同様の方
法で調製したバクテロイデス・フラギリス(Bacteroides
fragills) ATCC-25285及びユーバクテリウム・レンツ
(Eubacterium Lentum) ATCC-25559の粉末菌体を菌数
が1×107/mlとなるよう滅菌生理食塩水に懸濁し、5匹
のマウスに経口ゾンデで連日0.3ml の菌体懸濁液を4週
間投与した。また、菌液を投与しない無菌群も実験群に
加えた。なお、飼料は市販の放射線滅菌した固形飼料
(NMF飼料、オリエンタル酵母工業製)を自由摂取さ
せた。そして、4週間経過後、エーテル麻酔下で大腿骨
を摘出し、レオロメータ−(RX-100、アイテクノ社製)
で骨破断力を測定した。この結果を図4に示す。骨破断
力は対照群及び無菌群に比べ本発明群が有意に高く、ビ
フィドバクテリウム属菌の菌体に骨強化作用が存在する
ことがわかった。
【0025】
【実施例4】ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidob
acterium longum) SBT-2933R (FERM P-8743) を表2に
示したと同様の滅菌脱脂乳 100mlに2%接種し、37℃で
16時間培養して、培養乳108gを得た。なお、この培養乳
中のビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium
longum) の菌数は1×107/mlであった。この培養乳 7
5gを使用し、16%還元脱脂乳 75gで希釈して150gの菌体
液を調製した。一方、加温溶解したバターオイル1kgに
乳化剤 (テトラグリセリンペンタステアレート) 3重量
%を添加して混合した。そして、35℃に保持したバター
オイル100g中に菌体液150gを逐次添加し、ラボディスパ
ーで1,000rpm、3分間撹拌して乳化した。次に、35℃の
水750gに、乳酸カルシウム4重量%及びキサンタンガム
1重量%を溶解した後、先に調製した菌体液とバターオ
イルの混合乳化液250gを添加して分散させた。この分散
液をノズルの先から 0.5重量%アルギン酸ナトリウム溶
液へ滴下し、直径1〜5mmの球状カプセルを得た。この
カプセルを水洗、乾燥させてビフィドバクテリウム属菌
の生菌製剤150gを調製した。なお、この生菌製剤1g当た
りのビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium
longum) の菌数は4×108 であった。
【0026】
【実施例5】牛乳を主成分とするヨーグルトミックス1
kgを95℃で30分間殺菌した後、ビフィドバクテリウム・
ロンガム(Bifidobacterium longum) SBT-2928 (FERM P
-10657) 、ストレップトコッカス・サーモフィルス(Str
eptococcus thermophilus)SBT-1021A (FERM P-1065
8)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillusac
idophilus) SBT-2056 (FERM P-8744) からなる別々に製
造したバルクスターターを各々 1.5重量%ずつ接種し、
39℃で発酵後の到達目標酸度を0.80%として発酵を行
い、発酵終了後、10℃まで急冷して発酵乳1kgを得た。
なお、発酵時間は4時間で終了し、その時のビフィドバ
クテリウム・ロンガムの菌数は1×108/gであった。こ
の発酵乳をミネラル吸収促進剤とした。
【0027】
【実施例6】ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidob
acterium longum) SBT-2933R (FERM P-8743) を表1に
示したと同様の培地 200リットルに2%接種し、37℃で
16時間培養した後、菌体を回収し、凍結乾燥して粉末菌
体1kgを得た。なお、この粉末菌体の菌数は1×1011/g
であった。この粉末菌体800gを使用し、コーンスターチ
200g、ガラクトオリゴ糖600g及び牛骨粉400gとニーダー
で混合した後、水250ml を噴霧滴下しながら混練した。
20メッシュのスクリーンをセットした単軸オシレーター
でこの混合物を造粒し、流動層乾燥機で乾燥した後、フ
ラッシュミルで粉砕し、整粒して打錠用粉体を製造し
た。そして、この粉体と滑沢剤としてショ糖脂肪酸エス
テル40g をV型混合機で混合し、直径11mmの杵をセット
した錠剤機で打錠して、平均重量0.35g のタブレット2,
000 粒を製造した。なお、このタブレット中の菌数は1
×108/g であった。したがって、このタブレットを1日
当たり7〜10粒服用すれば良い。
【0028】
【発明の効果】本発明のミネラル吸収促進剤は、ビフィ
ドバクテリウム属菌の菌体を有効成分とするものであ
り、生体のホルモン代謝や骨代謝に影響を及ぼして骨強
度の増加を促すと共に骨ミネラル量の増加を促す作用を
有する。したがって、本発明のミネラル吸収促進剤を摂
取することにより、骨粗鬆症の予防や治療に寄与するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験例1における骨破断力測定の結果を示す。
【図2】試験例1における副甲状腺ホルモン測定の結果
を示す。
【図3】試験例1におけるカルシトニン測定の結果を示
す。
【図4】試験例3における骨強化作用の結果を示す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビフィドバクテリウム属菌の菌体を有効
    成分とするミネラル吸収促進剤。
  2. 【請求項2】 ビフィドバクテリウム属菌の菌体が、ビ
    フィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium long
    um) 、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacte
    rium bifidum)、ビフィドバクテリウム・アドレスセン
    ティス(Bifidobacterium adolescentis) 、ビフィドバ
    クテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)及びビ
    フィドバクテリウム・インファンティス(Bifidobacteri
    um infantis) よりなる群から選択される菌体の少なく
    とも1種である請求項1記載のミネラル吸収促進剤。
  3. 【請求項3】 ビフィドバクテリウム属菌の菌体が生菌
    体である請求項1または2記載のミネラル吸収促進剤。
  4. 【請求項4】 ビフィドバクテリウム属菌の菌体を菌数
    として、1×104 〜1×1012/g含有する請求項1〜3の
    いづれかに記載のミネラル吸収促進剤。
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Cited By (15)

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