JP2003513649A - Bacilluscoagulansによる病原体の阻害 - Google Patents

Bacilluscoagulansによる病原体の阻害

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、病原性細菌感染を阻害するための、乳酸産生細菌株(たとえば、Bacillus coagulans)を含む組成物を提供する。その細菌株により産生される胞子または細胞外産物もまた、阻害剤として有用である。そのような組成物は、プロバイオティック組成物として有用である。本発明の株は:(a)乳酸を生成し、(b)20−44℃の範囲の至適増殖温度を有し、および(c)2−5のpH範囲で増殖する。病原性細菌感染を阻害する方法であって、請求項1に記載の組成物に感染部位を接触する工程を包含する、方法も提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、プロバイオティック(probiotic)生物の新規株および/
または治療組成物中にその細胞外産物を用いた処置および組成物に関する。
【0002】 より詳細には、本発明は、抗生物質耐性種を含む、胃腸管病原体の制御のため
のプロバイオティック細胞の1つ以上の種もしくは株および/またはその細胞外
産物の利用に関する。
【0003】 (発明の背景) 胃腸管叢は、胃腸肝機能および全身の生理的健康状態を維持するにおいて重要
な多数の役割を果たすことが示されている。例えば、胃腸管内に生息する多くの
個々の細菌種の増殖および代謝は、主に、そのほとんどが食餌に由来する、その
ような細菌種に対して利用可能な基質に依存する。例えば、以下を参照のこと:
Gibson et al.,1995.Gustroenterology
I06:975−982;Christ,et al.,1992.Gut 3
3:1234−1238;Gorbach,1990.Ann.Med.22:
37−41;Reid et al,1990.Clin.Microhiol
.Rev.3:335−344。これらの知見により、生きた微生物食物サプリ
メントである、主にプロバイオティックスを伴う食餌を通じて、菌集合の構造お
よび代謝の活動を改変する試みが行われた。最もよく知られるプロバイオティッ
クスは乳酸産生細菌(すなわち、LactobacilliおよびBifiao
hacteria)である。これらは、ヨーグルトおよび他の乳製品において広
汎に利用されている。これらのプロバイオティックス生物は、非病原性でありか
つ非毒素産生性であり、保存の間生存能を維持し、そして胃および小腸を通じた
経路でも生存する。プロバイオティックスは、宿主に恒常的にコロニー形成する
わけではないことから、それらは、任意の健康増進特性が継続するために定期的
に摂取される必要がある。市販のプロバイオティックス調製物は、一般に、La
ctobacilliおよびBifidobacteriaの混合物を含むが、
酵母種(例えば、Saccharontyces)もまた利用されてきた。
【0004】 急性処置の状況において機能し、かつヒトおよび動物の両方において、抗生物
質耐性病原体(例えば、抗生物質耐性腸球菌)を移動させるように予防的に機能
する、高度に有効で、非抗生物質ベースの治療養生法の開発に対する必要性が残
っている。
【0005】 (発明の要旨) 本発明は、この新規乳酸産生細菌株(例えば、本明細書において開示されたB
acillus coagulans)、またはその細胞外産物が、病原細菌(
特に、抗生物質耐性病原性細菌種(Enterococccus,Clostr
idium,Escherichia,Klebsiella,Cumpvlo
bacter,Peptococcus,Heliobacter,Hemop
hylus,Staphylococcus,Yersinia.Vibrio
,Shigella,Salmonella,Streptococcus,P
roteus,Pseudomonas,Toxoplasmosis,および
Rotovirusの種が挙げられるがそれらに限定されない)のような胃腸病
原体)増殖および/またはコロニー形成の速度を緩和および妨害するにおいて、
ならびにこれらの病原体による感染の有毒な生理学的効果を緩和するにおいて阻
害的活性を示す能力を有するという発見を利用する、組成物、治療系および使用
方法を提供する。現在定義されるように、プロバイオティック微生物とは、特定
の微少環境中で増殖するときに、利益を付与する微生物であり、これは、例えば
、同じ微少環境内で他の生物の増殖を直接阻害または妨害することによる。プロ
バイオティック生物としては、胃腸管内で増殖し、少なくとも一過的に病原体生
物を移動または破壊し、そして宿主に対して他の利益を提供する能力を有する細
菌が挙げられるがそれらに限定されない。例えば、以下を参照のこと:Salm
inen et al.1996.Antonie Van Leeuwenh
oek 70:347−358;Elmer et al,1996.JAMA 275:870−876;Rafter,1995.Scand.J.Gas
troenterol.30:497−502;Perdigon et al
,1995.J.Dairv Sci.78:1597−1606;Gandi
,Toxvnsenal Lett.Doctors & Patients,
pp.108−110,Jan.1994;Lidbeck et al,19
92.Eur.J.Cancer Prev.1:341−353。
【0006】 さらに、本明細書において開示されたBacillus coagulans
は、以下の生化学的および生理学的特性を有するが、これらに限定されない:(
i)乳酸(プロピオン酸)の(L)+光学異性体の産生;(ii)20−44℃
の間の至適増殖温度を有する;(iii)特定の誘導(例えば、熱ショックまた
は他の環境因子)なしにヒトまたは動物の体内で繁殖し得る、約90℃までの温
度に対して抵抗性の胞子の産生;(iv)細菌、酵母、真菌、ウイルスまたはそ
れらの任意の組合せの増殖を阻害するプロバイオティック活性を示す1つ以上の
細胞外産物の産生;および/または(v)増殖のために広汎なスペクトルの基質
を利用する能力。好ましくは、Bacillus coagulansの純化集
団は、45℃未満の至適増殖温度を有する。例えば、Bacillus coa
gulansの純化集団は、20℃の、より好ましくは30℃の、より好ましく
は35℃の、より好ましくは36℃の、そして最も好ましくは37℃の至適増殖
温度を有する。対照的に、以前に同定された集団のBacillus coag
ulansは、37℃を超える至適増殖温度(例えば、45℃の至適増殖温度)
を有する。この株は、哺乳動物の胃腸管において見出されるpH(例えば、pH
2−5)のような低いpHで増殖する。
【0007】 細胞株の純化または分離された調製物とは、その調製物が特定の温度で調製物
の複製を妨害するに十分な量で、別の細菌種または株を含まないことを意味する
。純化または分離された細胞株の調製物は、標準的な方法(例えば、限定希釈お
よび温度選択)で作製される。
【0008】 本発明の1つの実施形態において、ヒトまたは動物の胃腸管への経口投与に適
した薬学的に受容可能なキャリア中にBacillus coagulansを
含む治療組成物が開示される。別の実施形態において、Bacillus co
agulans株は、胞子の形態で治療組成物に含まれる。別の実施形態におい
て、Bacillus coagulans株は、乾燥または凍結乾燥した細胞
塊の形態で組成物に含まれる。
【0009】 本発明のある実施形態は、1日当たり約1×103〜1×1014CFUの、よ
り好ましくは約1×105〜1×1011CFUのBacillus coagu
lansの生存する栄養細菌または胞子、好ましくは約5×108〜1010CF
Uの、Bacillus coagulansの生存する栄養細菌または胞子の
投与を包含する。処置されるべき条件が抗生物質耐性消化病原体であり、そして
患者が成人である場合、代表的な投薬量は、1日当たり。約1×102〜1×1
14CFUの、生存する栄養細菌または胞子、好ましくは、約1×108〜1×
1010CFUの、そしてより好ましくは、約2.5×108〜1×1010CFU
の、生存する栄養細菌または胞子である。
【0010】 本発明の別の局面において、ヒトまたは動物に対して経口投与のために適切な
薬学的に受容可能なキャリア中においてBacillus coagulans
の細胞外産物を含む組成物が開示される。1つの実施形態において、細胞外産物
は、純化したBacillus coagulans株の培養物の上清または濾
液である。別の実施形態において、細胞外産物は、半純化または純化した、分離
したBacillus coagulans株の培養物の凍結乾燥上清または濾
液である。好ましい実施形態において、その細胞外産物は、抗微生物性活性を有
する活性因子である。これは、分離したBacillus coagulans
株の培養物の上清または濾液から分離または精製される。
【0011】 細胞外産物は、約1%から90%の範囲のBacillus coagula
ns細胞外産物の総濃度比を含み、のこりがキャリアまたは送達成分を含む組成
物中で被検体に投与される。被検体は、好ましくは、哺乳動物(例えば、ヒト)
である。その細菌および/またはその細菌に由来する産物はまた、獣医学的用途
に適切である(例えば、イヌおよびネコのような動物を処置するため)。好まし
い実施形態は、組成物を包含し、この組成物は、Bacillus coagu
lansの細胞外産物の総濃度が約10%から75%の範囲の細胞外産物を含み
、残りがキャリアまたは送達成分を含む。
【0012】 本発明は、本明細書において開示された治療成分の経口投与のみには限定され
ない。皮膚および/または粘膜は、Bacillus coagulans栄養
細胞または栄養細胞により産生される細胞外組成物を含む組成物を用いて処置さ
れる。例えば、Bacillus coagulans株および/またはその細
胞外産物の投与は、膣内病原体の軽減を補助し、これらのプロバイオティック乳
酸産生細菌での膣の再集団化により再発の発症率を減少させるのに役立つ。この
組成物は、膣内の乳酸産生細菌の減少または非存在により特徴づけられる状態を
処置するために使用される。この状態は、膣の酵母感染および細菌性膣疾患(v
aginosis)の両方の共通の病因である。さらに、そのようなプロバイオ
ティック細胞株の使用は、1つ以上の抗生物質に対して抵抗性である病原体の軽
減または予防において有効である。皮膚クリーム、ローション、ジェルなどであ
って、本明細書において開示されたBacillus coagulansおよ
び/またはその細胞外産物を含むものは、皮膚、粘膜および角皮組織における病
原性生物の軽減または予防において有効であり、そしてさらに抗生物質耐性病原
体の発生を減少させる。局所および経口の投与に加えて、その組成物は、膣内、
眼内、鼻内、耳内または頬(口腔)に投与される。
【0013】 本発明のさらなる実施形態は、バンコマイシンおよびゲンタマイシンのような
抗生物質が健康および体重増加の促進のために一般的に使用される家畜の生産に
おけるプロバイオティック生物の利用を包含する。すべてはないにしてもほとん
どのプロバイオティック生物は、これらの2つの抗生物質に対して感受性であり
、そしてこの事実は、家畜産業におけるそのような微生物の可能な使用を限定し
てきた。さらに、家畜生産における抗生物質の使用に関連する多くの環境に関連
する問題が存在する。例えば、抗生物質が負荷された動物の***物は、非常に遅
く分解し、そしてその抗生物質の残留物は残り続け得、さらに生分解を遅らせる
。バンコマイシン、ゲンタマイシンおよび他の抗生物質に耐性の細菌の種が増加
するにつれ、生分解が増強される。
【0014】 本発明は、動物の胃腸管および糞便における病原体および/または寄生生物を
阻害するための組成物、治療経および使用法を記載する。本発明に従って、動物
の消化管への経口投与に適切な薬学的または栄養学的に受容可能なキャリア中に
、Bacillus coagulansの栄養細胞または胞子を含む組成物が
提供される。別の実施形態において、Bacillus coagulans培
養物からの細胞外産物が、Bacillus coagulans栄養細胞また
は胞子とともにまたはそれなしで利用される。
【0015】 1つの実施形態において、その細菌は、約1×103−1×1014コロニー形
成単位(CFU)/gの、好ましくは、約1×105−1×1012の、CFU/
gの濃度で組成物中に存在する。他方、別の好ましい実施形態において、その濃
度は、約1×109−1×1013CFU/gであり、約1×105−1×107
FU/g、または約1×108−1×109CFU/gである。
【0016】 一つの実施形態において、細菌は、動物への経口投与に適切な薬学的に受容可
能なキャリア中に存在し、好ましくは、粉末食用サプリメント、種々のペレット
化処方物または液体処方物として存在する。
【0017】 本発明はまた、動物の胃腸管および/または糞便において病原体および/また
は寄生生物の増殖を阻害するための治療系を記載する。これは、標識および本明
細書において記載される組成物を備える容器を含む。ここで、その標識は、病原
体および/または寄生生物の増殖を阻害するための組成物の使用のために指示書
を備える。
【0018】 そのような非抗生物質性のプロバイオティック細菌ベースの治療養生法の利点
としては以下が挙げられるがそれらに限定されない:(i)その組成物の投与は
、胃腸管内の腸球菌(Enterococcus)のコロニー形成速度の減少を
生じる;(ii)抗生物質耐性の発生に寄与しない;(iii)この組成物は、
院内で腸球菌の溜まり場を予防的に減少させるために使用され得、これは、同時
に、後天性VREからの高い危険性の患者の機会を減少させる;(iv)その組
成物の投薬は、患者の年齢などに応じて変動し得る;ならびに(v)この組成物
は、さらなる抗生物質耐性の発生を減少させるために、食用動物において利用さ
れ得る。
【0019】 そうでないと定義しない限り、本明細書において使用されるすべての科学的お
よび技術的な用語は、関連する分野において当業者によって通常理解されるのと
同じ意味を有する。そうではないと言及しない限り、本明細書において使用また
は企図される技術は、当業者にとって周知の標準的な方法論である。上記一般的
な説明および以下の詳細な説明は、請求される本発明の例示および説明のための
みのものであり、そしてそれらを限定するものではないことが理解されるべきで
ある。
【0020】 (発明の詳細な説明) 乳酸産生細菌種(例えば、Lactobacillus,Bifidioba
cteriumおよびBacillusの大部分)は、一般に、胆汁(特にヒト
胆汁)の過酷な(すなわち酸性の)pH環境下においてそれらが不安定であるこ
とに起因して、腸のコロニー形成のためには不適切であると考えられてきた。し
かし、Bacillus coagulans(本明細書において開示される新
規株を含む)は、胆汁のような胃腸管で生存およびコロニー形成し、そしてこの
低いpH範囲において増殖することが見出された。特に、このヒト胆汁環境は、
動物モデルの胆汁環境とは異なり、それゆえ、ヒト胃腸管モデルにおけるBac
illus coagulansの精確な説明は今まで全くなかった。
【0021】 1つ以上の抗生物質に耐性を示す細菌株の現在の劇的な数の増加にともない、
非抗生物質ベースの治療養生法の開発は非常に重要になっている。本発明の開示
の前に、急性治療状況において、ならびに治療的に機能する高度に有効な生体合
理的な治療、ならびにヒトおよび動物の両方において、抗生物質耐性病原体(例
えば、抗生物質耐性腸球菌)を緩和するために予防的におよびベクター制御適用
における開発について必要性が残っていた。これは、プロバイオティック微生物
での胃腸管のコロニー形成(または再コロニー形成)による。このコロニー形成
は、抗生物質耐性消化管病原体のコロニー形成に起因して、コロニー形成速度お
よび可能な生理学的有害効果の両方を減少または予防するように働く。
【0022】 乳酸産生細菌は、グラム陽性であり、そしてその形態は、長くスレンダーな桿
形から短い球桿形まで変動し、これは、しばしば「鎖」を形成する。その代謝は
、発酵性であり、いくらかの種は、酸素耐性(すなわち、酵素フラボタンパク質
オキシダーゼを介して酸素を利用し得る)であるが、他方他の種は、非常に嫌気
性である。胞子形成乳酸産生細菌は、条件的嫌気性菌であるが、他方残りのもの
は嫌気性である。これらの細菌の増殖は、pH5−5.5で至適である、そして
この生物は、アミノ酸、ペプチド、ヌクレオチド塩基、ビタミン、ミネラル、脂
肪酸および炭水化物について複雑な栄養要求性を有する。この乳酸細菌は、発酵
可能な糖から乳酸を産生する特性を有する。Lactobacillus.Le
uconostoc.、PediococcusおよびStreptococc
usの属は、この群の重要なメンバーである。乳酸産生細菌の分類学は、グラム
反応および種々の発酵可能な炭水化物から乳酸の産生に基づく。これらの群は、
以下を含む。
【0023】 ホモ発酵性(Homofermentative):グルコースから85%を
超える乳酸を産生する。
【0024】 ヘテロ発酵性(Heterofermentative):50%しか乳酸を
産生せず、そしてかなりの量のエタノール、酢酸および二酸化炭素を産生する。
DL−乳酸、酢酸および二酸化炭素を産生するヘテロ発酵性種は周知である。こ
れらの種としては、以下が挙げられる:Lactobacillus acid
ophilus、Lactobacillns plantarum、Lact
obacillacs casei、Lactobacillus brevi
s、Lactobncillzss lelbruekii、およびLacto
bacillus lactis。
【0025】 他のプロバイオティック調製物は、最初は、1900年代初頭に健康および寿
命に対するそれらの効果について(例えば、以下を参照のこと:Metchin
ikoff,Prolongation of Life,Willaim H
einermann,London 1910)系統的に評価され、それらの利
用は、1950年代における病原性微生物を処置するための抗生物質の出現以来
顕著に限定されていた。例えば、以下を参照のこと:Winberg,et a
l,1993.Pediatr.Nephrol.7:509−514;Mal
in et al,Aiiii.Nutr.Metab.40:137−145
;および米国特許第5,176,911号。不幸なことに、プロバイオシスに関
するこれらの初期研究の大部分は、その性質が機構的というよりは観察的であり
、従って、多くのプロバイオティック現象を担うプロセスは、定量的に示されな
かった。
【0026】 腸の微生物叢とそのヒト宿主の健康に対する効果との間の関連についての関心
は増加しつつある。ヒト胃腸管の生態系は、500種を超える細菌によりコロニ
ー形成されており、そして非常に複雑な微少環境を表す。腸の微生物叢の組成物
は、常に変化しており、例えば、食餌、ストレス、年齢ならびに抗生物質および
他の薬物での処置のような因子によって影響を受ける。
【0027】 乳酸産生細菌の有利な効果を提供するために、多くの製造業者が種々のプロバ
イオティック調製物を市場に出してきた。これらの調製物の報告された保健効果
は、種々の障害の処置における効力を包含する。それらとしては、以下が挙げら
れるがそれらに限定されない:腸炎、便秘、下痢、(腹部)膨満、胃酸過多、胃
腸炎、歯肉炎、抗コレステロール血症、肝臓脳障害、および腫瘍形成、ならびに
抗生物質での処置の後の有利な叢での腸の再コロニー形成。しかし、これらの報
告は、胃腸管内に移植された叢の生存性における相違のような因子に起因して非
常に問題が多い。首尾よい利用は、以下の因子に依存する:(i)投薬形態への
製造および続いての保存の間高度の計数の生存する生物;(ii)一旦摂取され
たときの、酸性の胃分泌物およびそれらの腸への経路におけるこれらの乳酸産生
細菌の生存性;ならびに(iii)病原体に対するアンタゴニスト性の代謝物(
例えば、L(+)右旋性乳酸およびバクテリオシン)を十分量産生すること。
【0028】 これまで、以下を含むがそれらに限定されない多くの種のLactobaci
llusが試験されてきた:Lactobacillus bulgaricu
s、Lactobacillus bifidus、Lactobacillt
s aciclophilus、Lactobacillles casei、
およびLactobacillus brevis。しかし、興味深いことに、
長い間治療用途に最もよい候補とみなされてきたLactobacillus
acidophilusは、胃腸管の再コロニー形成のためのプロバイオティッ
ク生物としておよび胃腸障害の緩和においてまったく無効であることがその後示
された。さらに、この細菌種は、D(−)(左旋性)乳酸を生成する。この乳酸
は、有効なアンタゴニスト剤ではなく、そして代謝性障害を誘導する可能性があ
り得る。この事実に鑑み、世界保健機関(WHO)は、成人についてD(−)乳
酸の摂取の制限を、および乳児栄養において完全な回避を推奨してきている。
【0029】 今や、プロバイオティック細菌が、競合阻害のプロセスにより、腐敗微生物ま
たは病原性微生物の増殖を減少または予防することが分かった。このことは、非
生理学的に誘導される酸性環境(すなわち、乳酸または他の生物学的酸の産生を
通じる)を介するか、および/または細菌の抗微生物効果を担う抗生物質様物質
(すなわちバクテリオシン)の産生による。例えば、以下を参照のこと:Kla
enhammer,1993.FEMS Microbiol.Rev.12:
39−85;Barefoot et al.,1993.J.Diarv S
ci.76:2366−2379。例えば、抗生物質を産生する選択されたLa
ctobacillus株は、感染、静脈洞炎、痔核、歯科炎症および種々の他
の炎症状態の処置について有効であることが実証されている。例えば、以下を参
照のこと:米国特許第5,439,995号。同様に、Lactobacill
us reuteriは、グラム陰性およびグラム陽性の細菌、酵母ならびに種
々の原生動物に対して抗微生物活性を有する抗生物質を産生することが示された
。例えば、米国特許第5,413,960号および同第5,439,678号。
さらに、プロバイオティック細菌のタンパク質分解、脂質分解およびガラクトシ
ダーゼの活性もまた、消化された栄養物の消化性および同化を改善することが示
されており、これにより、これら細菌が、回復期/老人の栄養においておよび抗
生物質治療の補助物としての評価がなされている。
【0030】 プロバイオティックスはまた、抗変異原性特性を有することも示されている。
例えば、グラム陽性およびグラム陰性の細菌は、高温での調理の間に生成する変
異原性の熱分解生成物に結合することが実証された。乳酸産生細菌で行った研究
により、これらの細菌は、そのプロセスが細菌細胞壁に存在する炭水化物ポリマ
ーに対する変異原性熱分解生成物の吸収により生じるという事実に起因して、生
きているかまたは死んでいるかのいずれかであり得る。例えば、以下を参照のこ
と:Zang,et al.,1990.J.Dairy Sci.73:27
02−2710。Lactobacillusもまた、粘膜表面のレベルで続い
てそのプロセスが生じることが見出される場合に重要な役割を果たし得る発癌物
質(例えば、N−ニトロソアミン)を分解することが示されている。例えば、以
下を参照のこと:Rowland and Grasso,1986.Appl
.Microbiol.29:7−12。さらに、発癌物質アゾオキシメタンが
注射されたラットへのラクツロースおよびBifidobacteria lo
ngumの共投与は、異常な腸陰窩病巣を減少することが実証された。この病巣
は、一般に、前新生物マーカーであると考えられている。例えば、以下を参照の
こと:Challa,et al.,1997.Cuncinogenesis
18:5175−21。Bifidobacteriaの精製した細胞壁はま
た、Bifidobacteria infantisの細胞壁が増殖中の腫瘍
細胞を破壊する食細胞の活性化を誘導するという点で抗腫瘍原性活性を有し得る
。例えば、以下を参照のこと:Sekine,et al.,1994.Bif
idobacteria and Microflora l3:65−77。
Bifidobacteriaプロバイオティックスはまた、フルクトオリゴサ
ッカリド(FOS;例えば、Koo and Rao,1991.Nlltri
t.Rev.51:137−146を参照のこと)と同時投与されるときに、マ
ウスにおいて、1,2−ジメチルヒドラジンによって誘導される結腸発癌性を減
少すること、ならびにラットにおける肝臓および乳腺の腫瘍を阻害すること(例
えば、Reddy and Rivenson,1993.Caslcer R
es.53:3914−3918を参照のこと)が示された。興味深いことに、
結腸癌について高い危険性にある集団は、腸叢を有することが示された。腸叢は
、ステロイドを効率よく代謝し、そしてグルクロナイドを加水分解し、他方、同
時に発癌物質(例えば、ニトロソアミン)を産生する。高濃度の生存する乳酸産
生細菌を含む食餌は、そのような個体においてこれらの有害な細菌媒介性活動を
有意に低くすることが見出された。
【0031】 胃腸管の微生物叢が宿主内の粘膜免疫および全身性免疫に影響を与えることも
また実証された。例えば、以下を参照のこと:Famularo,et al.
,Stimulation of Immunity by Probioti
cs.In:Probiotics:Therapeutic and Oth
er Beneficial Effects.pg.133−161.(Fu
ller,R.,ed.Chapman and Hall,1997)。腸上
皮細胞、血液白血球、Bリンパ球、Tリンパ球、および免疫系のアクセサリ細胞
は、すべて、上記免疫における相関関係が示された。例えば、以下を参照のこと
:Schiffrin,et al.,1997.Anl.J.Clin.Nu
tr.66 (suppl):5−20S。免疫調節特性を有する、他の細菌代
謝産物としては、エンドトキシン性脂質ポリサッカリド、ペプチドグリカンおよ
びリポテイコ酸が挙げられる。例えば、以下を参照のこと:Standifor
d,1994.Infect.Linmun.62:119−125。従って、
プロバイオティック性生物は、以下を含むがそれらに限定されない多くのレベル
で免疫系と相互作用すると考えられる:サイトカイン産生、単核細胞増殖、マク
ロファージ食細胞作用および殺傷、自己免疫の調節、細菌および原生動物病原体
に対する免疫など。例えば、以下を参照のこと:Matsumara,et a
l.,1992.Animal Sci.Technol.(Jpn)63:1
157−1159;Solis−Pereyra and Lemmonier
,1993.Nutr.Res.13:1127−1140。Lactobac
illus株はまた、炎症性応答および免疫学的応答における顕著な変化をもた
らすことが示された。これらには、Bリンパ球およびTリンパ球の数における類
似の減少を惹起することなく、結腸炎症浸潤の減少が含まれるがそれらに限定さ
れない。例えば、以下を参照のこと:De Simone,et al.,19
92.Immunopharmacol.Immunotoxicol.14:
331−340。
【0032】 胃腸上皮に対するプロバイオティックスの付着が宿主免疫反応性を改変するそ
れらの能力の重要な決定因子であるが、他方、これは、Lactobacill
usまたはBifidobacteriumの一般的な特性ではなく、しかも、
首尾よいプロバイオシスに必須でもない。例えば、以下を参照のこと:Full
er,1989.J.Appl.Bacteriol.66:365−378。
例えば、Lactobacillus acidophilusおよびBifi
dobacteriaのヒト腸細胞様CACO−2細胞への接着は、腸毒素産生
性および腸病原性のEscherichia coliならびにSalmone
lla typhimuriumおよびYersinia pseudotub
erculosisの結合を妨害することが実証された。例えば、以下を参照の
こと:Bernet,et al.,1994.Gut 35:483−489
;Bernet,et al.,1993.Appl.Environ.Mic
robiol.59:4121−4128。
【0033】 胃腸の微生物叢は、侵入する生物に対する微生物ベースのバリアを提示するが
、病原体は、その微少生物相の統合性がストレス、疾患、抗生物質処置、食餌変
化または胃腸管の生理的変更によって損傷されるときにしばしば確立される。例
えば、Bifidobacteriaは、大腸における病原体のコロニー形成に
対向することに関与することが知られている。例えば、以下を参照のこと:Ya
mazaki,et al.,1982.Bifidobacteria an
d Microflora 1:55−60。同様に、Bifidobacte
ria breveを胃腸炎の小児へ投与することにより、原因性病原性細菌(
すなわち、Campylobacter jejuni)をその糞便から排除し
(例えば、以下を参照のこと:Tojo,1987.Acta Pediatr
.Jpn.29:160−167)、そして乳児の処方ミルクにBifidob
acteria bifidiiniおよびStreptococcus th
ermophilusを補充すると、入院した小児においてロタウイルス下痢お
よび下痢の症状を減少することが見出された(例えば、以下を参照のこと:Sa
avedra,1994.The Laizcet 344 1046−109
)。
【0034】 さらに、乳酸産生細菌はまた、皮膚および粘膜にコロニー形成し得、そして細
菌感染を制御するために予防的または治療的のいずれかで使用され得る。例えば
、乳酸産生細菌は、膣上皮細胞中のグリコーゲンを利用して乳酸を産生し得、こ
れは、この環境を4.0−4.5の範囲のpHに維持する。この産生環境は、膣
感染を担うCandida albicans、Gardnerella va
ginalis、および種々の非特異的な細菌のような病原体の増殖について実
施可能ではない。これらの乳酸産生細菌の枯渇が真菌および細菌の婦人科疾患に
おける原因および効果の関係であると実証された大量の定性的な証拠が存在する
【0035】 (抗生物質投与および多剤抗生物質耐性病原体細菌株) 抗生物質は、ヒトおよび動物の両方における病原性微生物を制御するために使
用される。不幸なことに、抗微生物剤(特に広スペクトル抗生物質)の広汎な使
用により、多数の深刻な臨床的結果を生じた。例えば、抗生物質は、胃腸管内に
おける消化機能および健康に寄与する有益で病原性ではない微生物(すなわち、
叢)をしばしば殺傷する。従って、再発(感染およびそれに関連する症状の戻り
)および二次日和見感染はしばしば、胃腸管内の乳酸産生叢および他の有益な叢
の枯渇から生じる。
【0036】 不幸なことに、すべてではなくてもほとんどの乳酸産生すなわちプロバイオテ
ィック細菌は、一般の抗生物質化合物に非常に感受性である。従って、通常の抗
生物質値用の経過の間に、多くの個体は、多数の有害な生理学的副作用を生じる
。これらには、以下が挙げられる:下痢、腸痙攣、およびときに下痢。これらの
副作用は、主に、抗生物質の非選択的な作用に起因する。なぜなら、抗生物質は
、有益で非病原性の細菌と病原性の細菌との間を識別する能力を有しないからで
あり、両方の細菌型がこれらの因子によって殺傷されるからである。従って、抗
生物質を摂取した個体は、しばしば、通常胃腸管にコロニー形成する有益な微生
物(すなわち、腸叢)が殺傷または重篤に弱体化される結果として胃腸管の問題
に苦しむ。腸叢の組成物において生じた変化は、ビタミン産生腸細菌が殺傷され
るときはビタミン欠損を、病原生成物が過剰増殖し、そして残りの有益な胃腸細
菌に置き換わる場合下痢および脱水より重症の場合疾患を生じ得る。
【0037】 抗微生物剤の無差別の使用の別の有害な結果は、多剤抗生物質耐性病原性細菌
株の発生である。例えば、以下を参照のこと:Mitchell,1998.T
he Lancet 352:462−463。例えば、メチシリン耐性Sta
phylococcts aureus(MRSA)株は、豪州の単一の病院に
おける50を超える死亡例の原因であった。以下を参照のこと:Shannon
,1998.Lancet 352:490−491。しかし、これらのMRS
A感染の初期の報告は、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)を含む、腸球菌の
多剤耐性(MDR)株のより最近の蔓延によって存在が薄くなった。バンコマイ
シンは、一般に、「最後の手段」の抗生物質とみなされている。そのような耐性
の発生は、従来の抗生物質治療では処置不可能なままである全身性感染の多くの
報告をもたらした。
【0038】 (多剤耐性腸球菌) バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)は、過去10年間において重要な院内感
染病原体として出現した。最初に米国で報告されたのは1989年であり、これ
らの生物は、迅速に米国中へと拡散した。特にEnterococcus ja
ecium株のVREは、しばしば、受容性の腸球菌の処置に有効なすべての抗
生物質に対して耐性である。この状況により、VRE感染を処置する臨床医は、
至適ではない殺菌剤(例えば、クロラムフェニコール)または治療上の選択肢が
ないという状況になった。感染制御手段およびバンコマイシンの使用の減少を通
じたVREの蔓延を抑える努力はあまり効果を上げていない。
【0039】 VREがコロニー形成した腸は、これらの生物の拡散について最も重要な供給
源である。VREを有するほとんどの患者は、無症状腸コロニー形成を有する。
これは、数カ月継続し得る。これらの患者はVRE感染を発症する危険にあり、
そして医療機関従事者、環境および他の患者への拡散の可能な供給源である。V
REの拡散を最小限にすることを実施する感染制御手段は、高価であり、患者、
家族構成員および医療機関従事者にとって不便である。
【0040】 最近の研究によって、乳酸産生Bacillus coagulans種、本
明細書において開示される特にBacillus coagulansの新規株
について、抗生物質耐性消化病原体の予防または治療の処置のために生物合理的
な治療において使用するための深い可能性が実証された。急速に出現する疾患お
よび抗生物質耐性の現在の状況に鑑み、新たな治療および病原体を制御すること
に関する新たな考え方が要求される。いくつかの適用において、抗生物質は、医
療機関の状況における抗生物質の誤用および家畜生産における「成長因子」とし
ての誤用から生じた、新規および抗生物質耐性株の大量リザーバを考えるときそ
れらの有用性が過去のものとなった。
【0041】 院内菌血症、手術創傷感染および尿管感染の主要な原因である腸球菌は、多く
のおよびときにすべての標準的な治療に対して耐性となりつつある。新たな迅速
な評価方法は、種レベルでの腸球菌単離体を試験することの重要性が注目されつ
つある。ほとんどの腸球菌感染は、Enterococcus faecali
sによる生じる。これはおそらく、明白な毒性に関連する特性を発現するようで
あるが、少なくとも現在の所、これはまた、少なくとも1つの有効な抗生物質に
対して感受性を保持するようである。のこりの感染は、ほとんど、Ertter
ococcus faeciumにより生じる。これは、公知の明白な病原特性
が実質的にない種であるが、最後の手段の抗生物質でさえ耐性であるようである
。多剤耐性腸球菌の有効な制御は以下を必要とする:(i)腸球菌、環境および
ヒトの間の相互作用のよりよい理解;(ii)はるかにより賢明な抗生物質の使
用;(iii)病院内および他の患者ケア環境におけるよりよい接触隔離;(i
v)改善された調査;および最も重要なことに、(v)新たな治療パラダイムの
開発(例えば、非抗生物質ベース)であって、薬物導入と薬物耐性とのサイクル
があまり脆弱ではないもの。
【0042】 2つの型の腸球菌が感染を生じる:(i)患者のネイティブの叢に由来するも
のであって、その属に固有であるものを超えた耐性を有するようではなく、そし
て感染しないようである型。および(ii)多剤耐性抗生物質耐性特性を有し、
そして院内感染し得る単離体。多剤耐性(MDR)腸球菌(すなわち、2つ以上
の抗生物質(しばしばバンコマイシンを含むがそれに限定されない)に対して有
意な耐性を有する株)の治療チャレンジは、より鋭い視点に重要な院内感染病原
体としてのそれらの役割をもたらした。
【0043】 最近の10年間の間、腸球菌は、院内感染菌血症、手術創傷感染、および尿管
感染の主要な原因として認知されるようになった。2つの型の腸球菌が一般的に
、原因感染に関連することが見出されている:(i)患者のネイティブ叢に由来
し、その属に固有の耐性を超えた耐性を有するようではなく、かつ床間の拡散を
しないようである型、および(ii)多剤抗生物質耐性特性を有し、そして院内
感染し得る分離体。多剤耐性(MDR)腸球菌(すなわち、2つ以上の抗生物質
(しばしばバンコマイシンを含むがそれに限定されない)に対して有意な耐性を
有するそれらの株)の治療チャレンジは、移住様な院内感染病原体をより鋭い視
点へともたらした。
【0044】 腸球菌は、通常腸(bowel)に棲息し、そしてゴキブリからヒトにいたる
まで、ほとんどすべての動物の腸(intestine)において見出され得る
。ヒトにおいて、糞便中の代表的な濃度の腸球菌は、108CFU/gまでであ
る。例えば、以下を参照のこと:Rice,ei al.,1995.Occu
rrence of high−level aminoglycoside
resistance in environmental isolates
of enterococci.Appl.Envinon.Microbi
ol.61:374−376。腸に棲息する主要な種は、変動する。欧州、米国
および極東において、Enterococcus faecalisがいくつか
の症例において主要であり、そして他の場合ではEnterococcus f
aeciumが主要である。さらに、4つ以上の公知の腸球菌種のうち(例えば
、以下を参照のこと:Devriese,et al.,1993.Pheno
typic identification of the genus En
terococcus and differentiation of ph
ylogenetically distinct enterococcal
species and species groups.J.Appl.B
acteriol.75:399−408)、Enterococcacs f
aecalisおよびEnterococcus faeciumのみが、検出
可能な数でヒトにコロニー形成し、そして感染する。ここで、Enteroco
ccus faecalisは、ヒト感染のおよそ80%から分離され、そして
Enterococcus faeciumはのこりの個体から分離される。
【0045】 腸球菌は、非常に強固で、そして広汎な種々の増殖条件に寛容であり、この条
件は10℃から45℃の温度、および低張性、高張性、酸性またはアルカリ性の
環境を包含する。アジ化ナトリウムおよび濃胆汁酸塩は、ほとんどの微生物を妨
害または殺傷するが、腸球菌はこれに対し寛容であり、そして実際、観点ベース
の培地では選択剤として使用されている。条件的生物として、腸球菌は、還元ま
たは酸化の条件で増殖するが、腸球菌は通常、厳格な発酵体とみなされる。なぜ
なら、それらは、クレブスサイクルおよび呼吸鎖を欠如するからである。しかし
、Enterococcus faecalisは、例外である。なぜなら、外
因性のヘミンを使用してd、bおよびo型のシトクロムを産生し得るからである
。Enterococcus jaecalisのシトクロムは、外因性ヘミン
の存在下でのみ嫌気性条件下で発現され、そしてそれ故不適切な部位のコロニー
形成を促進し得る。
【0046】 腸球菌はまた、多くの抗生物質に対して本質的に耐性である。通常トランスポ
ゾンまたはプラスミドによりコードされる、獲得した耐性およびビルレンス特性
とは異なり、内因性耐性は、染色体遺伝子に基づき、これは、代表的に転移不可
能である。ペニシリン、アンピシリン、ピペラシン、イミペネムおよびバンコマ
イシンは、とりわけ、一致して阻害性を示す数少ない抗生物質であるが、Ent
erococcus faecalisに対しては細菌殺傷活性を示さない。E
nterococcus faeciumは、βラクタム抗生物質に対してEn
terococcus faecalisほどは感受性ではない。なぜなら、前
者のペニシリン結合タンパク質は、抗生物質に対して顕著により低い親和性を有
するからである。ペニシリンに対して高度に耐性の株の最初の報告は、1980
年代に初めて登場し始めた。例えば、以下を参照のこと:Bush,et al
.,1989.High−level penicillin resista
nce among isolates of enterococci:im
plications for treatment of enteroco
ccal infections.Ann.Intern.Med.110:5
15−520;Sapico,et al.,1989.Enterococc
i highly resistant to penicillin and
ampicillin an emerging clinical pro
blem.J.Clin.Microbiol.27:2091−2095。
【0047】 以下により詳細に考察するが、腸球菌は、しばしば、接合トランスポゾン、フ
ェロモン応答性プラスミドおよび他の広汎な宿主範囲のプラスミドにおいて行わ
れる耐性コード遺伝子の交換を通じて、抗生物質耐性を獲得する。過去20年間
に、MDR腸球菌の迅速な出現を見た。高レベルのゲンタマイシン耐性は197
9年に初めて報告され(例えば、以下を参照のこと:Horodniceanu
,et al.,1979.High−level,plasmid−born
e resistance to gentamicin in Strept
ococcus faecalis sub−sp.zymogenes.An
timicrob.Agents Chemother.16:686−689
)、そして1980年代に、院内感染の多数の報告が直ぐ続いた(例えば、以下
を参照のこと:Zervos,et al.,1987.Nosocomial
infection by gentamicin−resistant S
treptococcus faecalis:an epidemiolog
ic study.Ann.Intern.Med.106:687−691)
。同時に、院内のEnterococcus faecalisおよびEute
rococcus faciurnの感染の散発性蔓延は、ペニシリン耐性をと
もなうようであり、これは、βラクタマーゼ産生に起因する。しかし、そのよう
な分離体は、比較的まれなままである。最後に、バンコマイシンに対する感受性
を喪失したMDR腸球菌は、欧州および米国において報告された。例えば、以下
を参照のこと:Sahm,et cil.,1989.In−vitro su
sceptibility studies of vancomycin−r
esistant Enterococcus faecalis.Antim
icrob.Agents Chemother.33:1588−1591。
【0048】 バンコマイシン耐性腸球菌に関するいくつかの表現型の中で、VanA(バン
コマイシンおよびタイコプラニン(teicoplanin)に対して耐性であ
る)およびVanB(バンコマイシン単独に対して耐性である)が最も一般的で
ある。米国において、VanAおよびVanBは、それぞれ、約60%および4
0%のバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)分離体を湿る。例えば、以下を参照
のこと:Clark,et al.,1993.Characterizati
on of glycopeptide−resistant Enteroc
occi from U.S.hospitals.Aiitiniicrob
.Agents Chemother.37:2311−2317。これらの表
現型をコードする誘導可能な遺伝子は、細胞壁合成を変更し、そして株を糖ペプ
チドに対して耐性にさせる。研究室において、これらの遺伝子は、腸球菌から他
の細菌に移り得ることが実証された。例えば、以下を参照のこと:Arthur
,et al.,1993.Genetics and mechanisms
for glycopeptide−resistance in Ente
rococci.Antimicrob.Agents Chentother
.37:1563−1571。例えば、Staphylococcus aur
eusは、Enterococcus faecalisからの耐性の転移を通
じてバンコマイシン耐性になった。
【0049】 以前に考察したように、ほとんどの腸球菌は、天然に生じるか、または固有に
、種々の薬物に対して耐性を有し、これには、セファロスポリンおよび飯ごう性
のペニシリナーゼ耐性ペニシリン(例えば、オキサシリン)ならびに臨床的に達
成可能な濃度のクリンダマイシンおよびアミノグリコシド系が含まれる。ストレ
プトコッカスに比較して、ほとんどの腸球菌は、ペニシリン、アンピシリンおよ
びプソイドペニシリンに対して比較的耐性である。多くの腸球菌はまた、細胞壁
活性剤(例えば、アンピシリン、バンコマイシンなど)の殺傷効果に対して寛容
であるが;最近のデータは、この特性は固有ではないかもしれず、抗生物質への
暴露後に獲得されたかもしれないことを示唆する。例えば、トリメトプリム−ス
ルファメトキサゾールに対するEnterococcus faecalisの
固有のインビボ耐性は、動物モデルにおける有効性を欠如することを説明し得る
。さらに、Enterococcus faecalisに対する最近殺傷活性
は、信頼性がないようであり、そしてまさに方法に依存する。動物モデルにおい
て、この組合せは、よい活性を示さず、そして一般に、特に全身性感染について
有効な抗腸球菌治療として一般には受容されていない。
【0050】 多くの薬剤に対する天然の耐性に加え、腸球菌はまた、プラスミド媒介性およ
びトランスポゾン媒介性のテトラサイクリン(例えば、ミノサイクリンおよびド
キシサイクリン);エリスロマイシン(例えば、アジスロマイシンおよびクラリ
スロマイシン);クラムフェニコール;高レベルのトリメトプリム;および高レ
ベルのクリンダマイシンに対する耐性を発生した。Enterococcus
faecalisが多剤抗生物質耐性特性を獲得する傾向は、接合についての種
々の顕著に異なる機構から生じ得る。
【0051】 接合の最もよく特徴づけられた系は、フェロモンであるオリゴペプチドおよび
フェロモン応答性プラスミドを包含する。例えば、以下を参照のこと:Clew
ell and Keith,1989.Sex pheromones an
d plasmid transferin Enterococcus fa
ecalis.Plasmid 21:175−184。この接合系において、
Enterococcus faecalisの株は、代表的に、培養培地中に
多数の異なる低オリゴペプチド性フェロモンを分泌する。このフェロモンは、異
なる型のプラスミドに対して特異的である。フェロモン応答性プラスミドを含む
細胞(すなわち、可能なドナー細胞)がその対応するフェロモンと接触するとき
、プラスミド上の遺伝子の転写がスイッチオンとなり、その細胞膜の表面上の凝
集物質の合成を生じる。次いで、そのドナーが別のEnterococcus
faecalis細菌と接触するとき、その凝集物質(これは、2つのArg−
Gly−Aspモチーフを含む)は、ほとんどのEntenococcus f
aecalis細胞の表面上の結合物質に接着し、それら細胞を凝集させる。次
いで、いまだによく特徴づけられていないプロセスによって、フェロモン応答性
プラスミドは、ドナー細菌から他の(レシピエント)細菌へと移入し得る。一旦
そのレシピエント細胞がこの特定プラスミドを獲得すると、その対応する性フェ
ロモンの合成がシャットオフされて、自己凝集が妨害される。この接合系は、E
ntenococcus faecalisにおいて主に生じるが、プラスミド
移入の高度に効率的な手段である。
【0052】 これもまたよく特徴づけられていない接合の別の系は、腸球菌および他のグラ
ム陽性生物(例えば、連鎖球菌およびブドウ球菌)の種の間を移入し得る広汎な
宿主範囲のプラスミドを包含する。例えば、以下を参照のこと:Clewell
,1981.Plasmids,drug resistance,and g
ene transfer in the genus Streptococ
cus.Microbiol.Rev.45:409−436。この頻度は、一
般に、フェロモン系よりも遙かに低い。ブドウ球菌、連鎖球菌および腸球菌は、
多数の耐性遺伝子を共有することから、これらの広汎な宿主範囲のプラスミドは
、これらの耐性遺伝子のいくつかが異なる属の間に拡散した機構であり得る。
【0053】 第三の型の接合は、接合トランスポゾンを包含し、これはまた、多くの異なる
種に対する耐性遺伝子の拡散を説明し得る。例えば、以下を参照のこと:Cle
well,1986.Conjugative transposons an
d the dissemination of antibiotic re
sistance in streptococci.Atinii.Rev.
Microbial.40:635−659。あるDNA位置から別の位置へと
細胞内でジャンプし得る、通常のトランスポゾンとは逆に、接合トランスポゾン
はまた、異なる細菌細胞の間の接合を生じる能力をコードする。プラスミドは、
代表的に複製についてかなり複雑な機構を獲得し(しばしば、宿主タンパク質と
首尾よい相互作用に依存する)、そして表面排除および不適合成のさらなる問題
に直面せざるを得ないことから、接合トランスポゾン(これは、複製しないが、
代わりに染色体中または新たな宿主のプラスミド中へ挿入する)は、耐性遺伝子
を散在するさらにより効率よくかつ遠くに送達する方法であるようである。これ
は、接合トランスポゾンTn916のtetM遺伝子はグラム陽性種を越えてグ
ラム陰性の生物(淋菌および髄膜炎菌を含む)ならびにマイコプラズマおよびウ
レアプラズマ(ureaplasma)へと拡散する理由を説明し得る。例えば
、以下を参照のこと:Roberts,1990.Characterizat
ion of the TetM determinants in urog
enital and respiratory bacteria.Anti
microb.Agetits Clieniother.34:476−47
8。他の耐性遺伝子(エリスロマイシンおよびカナマイシンに対する耐性をコー
ドするものを含む)もまた、接合トランスポゾンにおいて発見された;これらは
、頻繁に、Tn916を含むかまたはそれに関連する。そのようなトランスポゾ
ンは、Tn916の祖先から進化したかもしれない。これらの出現は、グラム陽
性生物の間の耐性のさらなる拡散の可能性を示唆する。特に不吉なことは、接合
トランスポゾンに少なくとも機能的に類似するようである、大きな接合染色体エ
レメント中のvanB遺伝子クラスターの報告である。
【0054】 (多剤耐性腸球菌の疫学) MDR腸球菌のコロニー形成および感染は世界的に生じている。書記の報告で
は、米国において、VREによって生じた院内感染の比率は、1989年と19
93年の間に20倍を超えて(すなわち、0.3%から7.9%)増加した。こ
のことは、迅速な拡散を示す。あらたなデータベース技術(例えば、The S
urveillance Network(TSN)Database USA
)は今や、種による耐性プロフィールの評価を可能にする。TSN Datab
aseは、100を超える米国内の臨床研究所から毎日データを収集しそしてコ
ンパイルしており、可能な研究所試験誤差を同定し、そして公衆衛生を脅かす耐
性プロフィールおよび機構(例えば、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌)の出
現を検出する。1995年と1997年9月1日との間にTSN Databa
seにより収集されたデータを分析して、バンコマイシン耐性の初期増加がバン
コマイシンに特有であるかどうか、それが連続的な傾向を表したかどうか、およ
び種分化がこの傾向を分析するにおいて定性的に重要であるかどうかを決定した
。耐性拡散において1995年から1997年にはほとんど変化が生じなかった
。対照的に、Enterococcus faeciumのバンコマイシンおよ
びアンピシリン耐性は、警鐘を鳴らす程度に増加した。例えば、1997年には
、1482のEnterococcus faecium 分離体のうち771
(52%)がバンコマイシン耐性を示し、そして1474の分離物のうち122
0(83%)がアンピシリン耐性を示した。Enterococci faec
um耐性にもかかわらず、Enterococci faecalisは、TS
N Databaseにおける2つのEnterococcus種が断然最も一
般的に遭遇したままであった。Enterococcus faecalis対
Enterococcus faeciumの総合分離体は、約4:1であり、
血液分離体は3:1であり、そして尿分離物は5:1であった。この観察は、生
存戦略および治療上の成功の確率における重要な相違を過小評価すり、重要な因
子が通常、これらの生物をEnterococcus種または腸球菌と一緒にす
ることによってあいまいになる。
【0055】 Enterococcus faecalisにおけるアンピシリンおよびバ
ンコマイシンの耐性の広汎な出現および拡散は、現在の治療ジレンマかなり混乱
させる。バンコマイシンおよびアンピシリンの耐性が種faeciumについて
の選択的利点を提供するだけで種faecaliusについては提供しないこと
が予測される理由はほとんどない。Enterococcus faecali
sにおけるこれらの耐性が比較的ないことは、浸透率の現状での欠如およびその
特性の平衡を単に反映し得る。2つの種の間のこれらの重要な相違のために、E
nterococcus耐性の意味のある評価は、種の同定を含まねばならない
【0056】 腸球菌は、米国において年間約110,000の尿管感染の原因であり、25
,000例の菌血症の原因であり、40,000例の創傷感染の原因であり、そ
して1,100例の心内膜炎の原因であることが実証されている。コレラの感染
のほとんどは、院内で起こる。腸球菌感染関連の死は、重篤な同時疾患が共通す
る事実に起因して確定することが困難である。しかし、腸球菌敗血症は、致死症
例の50%までに相関づけられている。しかし、いくつかの最近の症例制御およ
び歴史的コホート研究により、抗生物質耐性腸球菌に関連する死の危険は、感受
性腸球菌菌血症よりも顕著により高いことが示された。この傾向は、MDR分離
体がより拡散するようになるにつれ増加することが予測される。
【0057】 MDR腸球菌についての院内伝染の正確な態様は、確定することが困難である
が、分子微生物学的証拠および疫学的な証拠は、患者間の拡散(おそらく、医療
機関提供者または医療デバイスの手を介する)、および長期の腸コロニー形成を
有する患者による病院間の拡散を強力に示唆する。多くのMDR腸球菌の大発生
が報告されている。そして、2例を除きすべてがEnterococctls
faeciumに起因していた。臨床Enterococcus faecal
is分離体のより多い数に特に鑑みるとこの格差は、Enterococcus
faeciumにおいて生じる耐性の組合せの新規性に起因して、報告の偏向
を反映し得る。MDR腸球菌の大発生からの分離体がDNA配列決定により分析
されたとき、半数を超えるものが、クローン的に関連する分離体を包含すること
が実証された。
【0058】 抗生物質での以前の処置は、MDR腸球菌がコロニー形成したかまたは感染し
たほとんどすべての患者において共通している。例えば、以下を参照のこと:M
ontecalvo,et al.,1994.Outbreak of va
ncomycin−,ampicillin−,and aminoglyco
side−resistant Enterococcus faecium
bacteremia in an adult oncology unit
.Antimicrob.Agents Chemother.38:1363
−1367。他の危険因子としては、長期入院;疾患スコアの高い重症度;腹内
手術;腎不全;腸管摂食(feeding);および特定の病院ユニット、看護
師、または患者ケア領域内の汚染した物体および表面への暴露が挙げられる。
【0059】 抗生物質は、少なくとも2つの機構によりMDR腸球菌でのコロニー形成およ
び感染を促進し得る。まず、多くの広スペクトルの抗生物質は、ほとんどまたは
全く抗腸球菌活性を有せず、そして投与は一般的に、感染についての危険な部位
での感受性(または耐性)の腸球菌の増殖をもたらす。第二に、ほとんどの抗生
物質は、実質的に、外因性生物によるコロニー形成に対する腸管の通常の耐性を
減少する。コロニー形成耐性は、主に、通常の嫌気性叢の「限定作用」から生じ
、そしてより少ない程度でインタクトな粘膜、胃酸分泌物、腸un銅製および腸
関連免疫から生じる。抗生物質が誘導する腸の保護叢における変化は、MDR腸
球菌のような外因性病原体のコロニー形成のための触媒として働く。抗生物質制
限プログラムは、それらが単に一つの薬剤(例えば、バンコマイシン)だけでな
くすべての抗生物質の賢明な処方を含むときに、より有効である。例えば、この
アプローチの使用は、バンコマイシン、セフォタキシムおよびクリンダマイシン
の使用を制限したある病院薬局においてVREの腸コロニー形成を実質的に減少
させた。例えば、以下を参照のこと:Quale,et al.,1996.M
anipulation of a hospital antimicrob
ial formulary t control an outbreak
of vancomycin−resistant enterococci.
Clin.Infect.Dis.23:1020−1025。
【0060】 (バンコマイシン耐性遺伝エレメント) 近年になって、後天的なバンコマイシン耐性の腸球菌における警告的な発生が
あった。バンコマイシンは、1950年から臨床で使用されているが、これは、
1970年代後半および特に1980年代まではそれほど顕著には使用されてい
なかった。複数の細菌遺伝子がバンコマイシン耐性の発生に関与することから、
そのような耐性の発生は、簡単でもなく、最近のことでもなかった。
【0061】 腸球菌におけるバンコマイシン耐性は、多くのレベルで異種性である。3つの
表現型のバンコマイシン耐性(VanA、VanBおよびVanC)(各々は、
異なるリガーゼに関連する)は、今や十分に記載されている。4つ目のVanD
型が最近報告された。例えば、以下を参照のこと:Noble,et al.,
1992.Co−transfer of vancomycin and o
ther resistance genes from Enterococ
cus faecalis NCTC 12201 to Staphloco
ccts aureus.FEMS Microbiol.Lett.93:1
95−198。VanA型およびVanB型の耐性は、獲得され(すなわち、腸
球菌の通常のゲノムの一部ではない)およびしばしば転移可能な遺伝子クラスタ
ーによってコードされる。VanA型の株は、代表的にバンコマイシンに対して
高度に耐性であり、そしてタイコプラニンに対して中程度から高度に耐性である
。この表現型はしばしば、プラスミドまたはトランスポゾンに媒介され、そして
誘導性である(すなわち、バンコマイシンに対する最近の暴露は、一緒に耐性を
付与するいくつかのタンパク質の合成の誘導を生じる)。例えば、以下を参照の
こと:Hiramatsu,et al.,1997.Methicillin
−resistant Staphylococcus aureus cli
nical strain with reduced vancomycin
susceptibility.J.Antimicrob.Chemoth
er.40:135−146。VanA遺伝子クラスターは、小さなTn3様ト
ランスポゾンであるTn1546において見出されており、そして密接に関連す
る様であるエレメント(例えば、Tn1546内の挿入配列(IS1251)を
有するTn5488)において見出されている。例えば、以下を参照のこと:E
liopoulos,et al.,1994.In vitro activ
ities of two glycylcyclines against
gram−positive bacteria.Antimicrob.Ag
ents Chemother.38:534−541。次いで、これらのエレ
メントは、転移可能および転移不可能なプラスミドの両方において、ならびに宿
主株の染色体において見出された。
【0062】 VanB型の耐性は、転移可能であるとは当初見出されていなかったが、少な
くともいくつかの症例において、VanB遺伝子クラスターは、大きな(すなわ
ち、90kbから250kb)染色体に位置する転移可能なエレメントに見出さ
れ、これらのうちの秘湯は、64kbの複合トランスポゾン(すなわち、Tn1
547)をその中に含む。VanB含有64kbトランスポゾンは、1つの腸球
菌の染色体から移動し、そして別のものの染色体へと挿入されたことが示された
250kbの移動性エレメントの部分である。実証されてはいないが、大きな移
動性エレメントを含むvanBの環状化は、1つの株の染色体から切り出され得
、環状化され得、ある腸球菌からべつの腸球菌から転移し得、そしてレシピエン
トの染色体へと再挿入され得る接合トランスポゾンについて記載された機構に類
似する。64kbのこのトランスポゾンはまた、宿主腸球菌内で別のプラスミド
へとジャンプし得、そして次いでそのプラスミドは、他の最近へと接合によって
転移し得、VanB耐性遺伝子をそれに取り込み得る。
【0063】 対照的に、VanC1およびVanC2は通常存在する遺伝子であって、それ
ぞれ.gaiiitarttmおよびF.casseliflavusの内因性
の種の特性である遺伝子であり、転移可能ではない。
【0064】 (治療アプローチ) MDR腸球菌感染(例えば、心内膜症または菌血症)を処置するために適切な
抗生物質はしばしば、好中球減少症の存在下では利用可能ではない。ペニシリン
とバンコマイシンとの組合せ、シプロフロキサシンとアンピシリンとの組合せ、
またはノボビオシンとドキシサイクリンとの組合せがとりわけ使用されてきたが
、予測不可能であり得、そして臨床的に実証されないままである。広スペクトル
アプローチの実質的な欠点は、より多くの生物が感染し(すなわち、保護的プロ
バイオティック生物および病原体の両方)、より多くの耐性が進化する機会が増
えることである。広スペクトル抗生物質は、特定の診断の非存在下で経験的治療
を可能とし、そして短期での投資に対してより実質的な見返りを生成する。しか
し、広スペクトルの抗生物質は、疾患発生生物のみならず、まれな変異または遺
伝子交換事象により耐性を発生するに十分大きな数で存在するプロバイオティッ
ク生物にも影響を与える 医療および薬学の学界が広スペクトル治療の使用および開発を主要な治療様相
として依存することを継続する限り、開発中の他の治療剤の様相(例えば、標的
化治療)が存在するが、薬物導入、続く耐性の出現のサイクルは、疑いなく継続
する。
【0065】 1つ以上の抗生物質に対する耐性を示す細菌株の数の現在の劇的な増加にとも
なって、非抗生物質ベースの治療養生法の開発が特に重要である。本発明の開示
前は、プロバイオティック微生物を用いた胃腸管のコロニー形成(または再コロ
ニー形成)(これは、抗生物質耐性消化病原体のコロニー形成に起因して、コロ
ニー形成速度および可能な生理学的有害効果の両方を減少または予防するように
機能する)によって、急性処置シナリオにおいて治療的に機能し、そして予防的
およびベクター制御適用において、ヒトおよび動物の両方において、抗生物質耐
性病原体(例えば、抗生物質耐性腸球菌)の発生を抑えるかまたは遅延させるよ
うに機能する高度に有効な生物合理的な治療の開発に対する必要性が残存する。
【0066】 腸球菌に加えて、本発明のプロバイオティック組成物は、以下を含むがそれら
に限定されない病原体の他の一般または抗生物質耐性株に対して有効である:C
andicla、Clostridimn、Escherichia.Kleb
siella、Cantpylobactej−、Peptococcus、H
eliobacter、Hemophylus、Staphylococcus
、Yersinia、Vibrio、Shigella、Salmonella
、Streptococcus、Proteus、Pseudomonus、T
oxoplasmosis、およびRotovirtss の種。そのような非
抗生物質のプロバイオティック細菌ベースの治療養生法の利点としては、以下が
挙げられるがそれらに限定されない:(i)この組成物の投与は、胃腸管におけ
る腸球菌のコロニー形成速度の減少を生じる;(ii)抗生物質耐性の発生に寄
与しない;(iii)この組成物は、院内の腸球菌のリザーバを予防的に減少さ
せるために使用され得、これは、高危険性の患者がVREを獲得する機会を同時
に減少させる;(iv)この組成物の投薬量は、患者、状態などに依存して変動
し得る;および(v)その組成物は、食用動物において利用されて、さらなる抗
生物質耐性の発生を減少させ得る。
【0067】 さらなる実施形態において、皮膚クリーム、ローション、ジェルであって、本
明細書において開示されるBacillus coagulansの新規株およ
び/またはその細胞外産物を含むものは、皮膚、粘膜および角皮組織における病
原性生物の軽減または予防において有用であり、そしてさらに抗生物質耐性病原
体の出現を減少させる。例として、そして限定ではないが、これらの新規Bac
illus coagulans株からの細胞、胞子および/または細胞外産物
は、この明示の目的のための皮膚産物中に組み込まれ得る。例えば、Pseud
omorzas、Staphylococcusおよび/またはEnteroc
occus病原性抗生物質耐性株は、しばしば、重症やけどの感染に関連する。
従って、唾液、ローション、ジェルなどは、本発明において開示されるようなB
acillus coagulans株および/またはその細胞外産物と組み合
わせて、これらの病原性生物を軽減または予防するにおいて有効である。さらに
、これらのプロバイオティック細菌の投与は、やけどの症例における皮膚の適切
な生物多様性の状態を達成する助けとなる。なぜなら、一般的にそのような生物
多様性は、病原性の過剰増殖に関連しない。
【0068】 (プロバイオティック乳酸産生細菌株) 本明細書において利用される「プロバイオティック(共生;probioti
c)」とは、一過性または内因性の叢の少なくとも一部を形成し、それにより宿
主生物に対する有利な予防および/または治療効果を示す微生物をいう。プロバ
イオティックスは、一般的に当業者により臨床的に安全である(すなわち、非病
原性)であることが知られる。例として、そして任意の特定の機構に限定されな
いが、本発明の酸産生細菌の予防および/または治療の効果は、以下に起因して
部分的に病原体の増殖の競合阻害から生じる:(i)その卓越したコロニー形成
能;(ii)所望されない微生物の寄生;(iii)酸(例えば、乳酸化合物、
酢酸化合物および他の酸化合物)の産生および/または抗微生物活性を有する他
の細胞外産物;ならびに(iv)それらの種々の組合せ。本発明の酸産生細菌の
上記の産物および活性は、相乗的に作用して本明細書において開示される有利な
プロバイオティック効果を生成することに留意されるべきである。
【0069】 本発明の方法および組成物において使用するために適切なプロバイオティック
細菌は、以下である:(i)酸化合物(例えば、乳酸、酢酸など)を産生および
分泌する能力を有する;(ii)胃腸管内での有利な機能を実証する;および(
iii)非病原性である。例示であるが限定ではなく、多くの適切な細菌が同定
され、そして本明細書において開示されるが、本発明は、開示される目的および
対象である限り現在分類される細菌種に限定されないことが留意されるべきであ
る。乳酸のインビボ産生による生理化学的結果は、本発明のプロバイオティック
乳酸産生細菌の有効性にとって重要である。乳酸産生は、局所的な微生物叢環境
内でのpHを顕著に減少させ(すなわち、酸性度が増加する)、そして多くの所
望されない生理学的に有害な細菌および真菌の増殖に寄与しなくなる。従って、
乳酸産生の機構により、プロバイオティックは、競合する病原制裁金の増殖を阻
害する。
【0070】 本発明のプロバイオティックとして有用である代表的な乳酸産生細菌は、Ba
cillus属の非病原性メンバーを包含する、有効な乳酸産生体であり、これ
は、病原性生物の増殖を阻害するバクテリオシンまたは他の化合物を生産する。
【0071】 Bacillus種、特に胞子を形成する能力を有するそれらの種(例えば、
Bacillus coagulans)は、本発明の好ましい実施形態である
。胞子形成能力は、これらの細菌種を熱および他の条件に対して比較的耐性とし
、製品処方物における長期寿命を提供し、そして胃腸管内のpH、塩などの条件
下で組織の生存およびコロニー形成にとって処置である。さらに、多くのBac
illus種のさらなる有用な特性は、非病原性であること、嫌気性であること
、条件的であることおよび異種栄養性であることを包含し、従って、これらの細
菌種を安全とし、かつ、胃腸管に容易にコロニー形成することを可能にする。
【0072】 本明細書において開示される好ましい方法および組成物は、Bacillus
coagulansの新規株および/またはその細胞外産物をプロバイオティ
ックとして利用する。本発明前は、一般に、種々の「古典的な」Luctoba
cillusおよび/またはBifidobacteriumの種は、胃腸管の
高度に酸性環境において、特にヒト胃腸管においてそれが不安定であることに起
因して腸のコロニー形成に不適切である。本発明の純化されたBacillus
coagulans株は、胃腸管で生存し得、そしてコロニー形成し得る。な
ぜなら、増殖のための至適温度は、Bacillus coagulansの標
準的な公知の株よりも低いからである。さらに、プロバイオティックBacil
lus coagulansは、非病原性であり、そして概して、米国連邦医薬
品局(FDA)および米国農務省(USDA)によりおよび当業者により安全で
ある(すなわち、GRAS分類)とみなされる。
【0073】 Bacillus coagulansは、熱耐性胞子を精製する能力を有す
ることから、これは、その製造において熱および圧力を必要とする薬学的組成物
を製造するために特に有用である。従って、処方物は、薬学的に受容可能なキャ
リアにおける生存するBacillus coagulans胞子の利用は、本
発明において開示される組成物を製造および使用するために特に好ましい。
【0074】 これらの種々のBacillus種の細胞培養物、細胞ペーストおよび胞子調
製物を形成するための増殖は、一般に当該分野において周知である。さらに、本
発明は、Bacillus coagulansの培養物によって生成される細
胞外産物の分離および部分精製のための方法を開示する。
【0075】 (Bacillus coagulansの伝統的な株の商業的供給源) Bacillus coagulansのグラム陽性桿菌は、1.0μmより
大きな直径の細胞を有し、胞子嚢の変動する膨張を伴い、副芽胞結晶生成を伴わ
ない。Bacillus coagulansは、非病原性のグラム陽性の胞子
形成細菌であり、L(+)乳酸(右旋性)をホモ発酵条件下で生成する。これは
、天然の供給源(例えば、栄養培地に接種された熱処理された土壌サンプル)か
ら分離された(例えば、以下を参照のこと:Bergey’s Manual
of Systemic Bacteriology,Vol.2,Sneat
h,P.H.A.et al.,eds.,Williams & Wilki
ns,Baltimore,MD,1986)。純化されたBacillus
coagulans株は、エンドヌクレアーゼ(例えば、米国特許第5,200
,336号);アミラーゼ(米国特許第4,980,180号);ラクターゼ(
米国特許第4,323,651号)およびシクロマルトデキストリングルカノト
ランスフェラーゼ(米国特許第5,102,800号)を含む酵素の供給源とし
て働いてきた。Bacillus coagulansはまた、乳酸を産生する
ために利用されてきた(米国特許第5,079,164号)。Bacillus
coagulansの株(これはまた、Lactobacillus spo
rogenesとしても言及された;Sakaguti & Nakayama
,ATCC 第31284号)は、他の乳酸産生細菌および蒸したダイズから発
酵した食品を生成するBacillus nattoと組み合わされた(米国特
許第4,110,477号)。Bacillus coagulans株はまた
、疾患を減少し、そして食餌利用を改善し、それゆえ動物の成長速度を増強する
ために家禽および家畜のための動物飼料添加物として使用されてきた(国際PC
T特許出願第WO9314187号および同第WO 9411492号)。特に
、Bacillus coagulans株は、一般的な栄養サプリメントおよ
び薬剤としてヒトおよび動物における便秘および下痢を制御するために使用され
てきている。
【0076】 Bacillus coagulansの培養物は、以下の主な国際培養物収
集機関において寄託されている:Agricultural Research
Service Culture Collection;Russian
Collection of Microorganisms;Deutsch
e Sammlung von Mikroorganismen und Z
ellkulturen GmbH(German Collection o
f Microorganisms and Cell Cultures,V
KM DSMZ);American Type Culture Colle
ction(ATCC);Finnish Microorganism Co
llection(University of Goteborg,Swed
en);日本理研微生物系統保存施設(JCM);および 日本培養物収集機関
連合(Japan Federation for Culture Coll
ection)。
【0077】 上記寄託物から、合計8つの乳酸産生細菌種が存在し、これらは、以下の何れ
かであった:(i)過去にはBacillus coagulansとして分類
および寄託されていたが、別の関連するBacillus種に再分類されたか;
または(ii)別の密接に関連する種として寄託されていたが最近Bacill
us coagulansに再分類された。これらの関連する種としては、以下
が挙げられるがそれらに限定されない:Bacillus coagulans
、Bacillus stereothermophilus.、Bacill
us thermoacidurans、Lactobacillus spo
rogenes、Bacillus smithii、Bacillus de
xtrolacticus,Lactobacillus cereale、お
よびBacillus recemilacticus。しかし、これらの関連
する細菌株の分類に関して現在ある程度の混乱が存在する。なぜなら、最適な、
または適切な増殖パラメータについてでさえ、類似の株の間においてでさえ規定
された規則が存在しないからである。例えば、Bacillus stereo
thermophilusは、約55℃の至適増殖を有することが知られる。
【0078】 種々のBacillus coagulans細菌株が現在American
Type Culture Collection (ATCC,Rockv
ille,MD)から市販されており、これらには、以下の受託番号が含まれる
:Bacillus coagulans Hammer NRS 727 (
ATCC第11014号);Bacillus coagulans Hamm
er strain C(ATCC第11369号);Bacillus co
agulans Hammer(ATCC第31284号);およびBacil
lus coagulans Hammer NCA 4259(ATCC第1
5949号)。純化されたBacillus coagulans細菌はまた、 Deutsche Sammlung von Mikroorganism
en und Zellkuturen GmbH(Braunschweig
,Germany)からも以下の受託番号を用いて入手可能である:Bacil
lus coagulans Hammer 1915 (DSM第2356号
);Bacillus coagulans Hammer 1915(DSM
第2383号、 ATCC第11014号に対応);Bacillus coa
gulans Hammer(DSM第2384号、ATCC第11369号に
対応);およびBacillus coagulans Hammer(DSM
第2385号、ATCC第15949号に対応)。Bacillus coag
ulans細菌はまた、Sabinsa Corporation(Pisca
taway,NJ)または K.K.Fermentation(日本、京都)
のような商業供給源から入手され得る。
【0079】 これらの上記のBacillus coagulans株およびその増殖要件
は、以前に記載されている(例えば、以下を参照のこと:Baker.D.et
al,1960.Cai.J.Alicrobiol.6:557−563;
Nakamura.H.et al,1988.Iiit.J Sist.Ba
cteriol.38:63−73)。さらに、種々の株のBacillus
coagulansはまた、天然の供給源(例えば、熱処理された土壌サンプル
)から、周知の手段(例えば、以下を参照のこと:Bergey’s Manu
al of Systemic Bacteriology,Vol.2,p.
1117,Sneath,P.H.A.et al.,eds.,Willia
ms & Wilkins,Baltimore,MD,1986)分離され得
る。
【0080】 Bacillus coagulansは、元々記載されるように、この細菌
がLactobacillus sporogenesと標識されている事実か
らも明らかなようにもともとLactobacillusと誤って特徴づけられ
ていた(以下を参照のこと:Nakamura et al.1988.Vin
t.J.Last.Bacteriol.38:63−73)。しかし、初期の
分類は、Bacillus coagulansが胞子を形成し、そして代謝を
通じてL(+)乳酸を分泌するという事実に起因して不正確であった。これらの
両方の局面は、その有用性にとって重要な特徴を提供する。その代わり、これら
の発生および代謝的側面は、その細菌が乳酸Bacillusとして分類され、
それゆえ再度命名されることが必要となった。
【0081】 (Bacillus coagulansの生化学的特徴付け) Bacillus coagulansは、Bacillus属のメンバーで
あり、胞子形成性であり、これは、胃の酸性環境で活性化され、腸の中で,出芽
および増殖し得、好ましい乳酸のL(+)光学異性体を生成し、そして多くの細
菌および真菌の病原体の増殖を有効に妨害し得る。以下の表1は、乳酸産生細菌
およびその類似物の生化学的属性を示す比較チャートである。
【0082】
【表1】 公知のLactobacillus種は、一般的に消化管の過酷な(すなわち
酸性)pH環境(例えば、胆汁、特にヒト胆汁の存在下)における不安定性のた
め腸の集落形成に不適切と考えられている。この不安定性は、プロバイオティッ
ク物として乳酸産生細菌株の使用がより活発に探求されない主な理由の1つであ
る。
【0083】 これらの前記細菌種と対照的に、Bacillus coagulansは胃
腸管において生存、コロニー形成、および増殖可能である。特に、ヒト胆汁環境
は、動物モデルの胆汁環境とは異なり、そしてヒト胃腸管モデルにおけるBac
illus coagulansの増殖は、記載されていない。以下の増殖特性
は、乳酸産生細菌の他の種以上のBacillus coagulansの強さ
として以下が挙げられるが、これらに限定されないことを示している: 通性好気性生物:Bacillus coagulansは、遊離酸素を含む
環境または偏性嫌気性環境のいずれかにおいて十分に増殖する能力を有する。こ
のことは、LactobacilliおよびBifidobacteriaが好
気性耐性でないという事実のため重要である。従って、本質において、これらの
上記の細菌種は、偏性嫌気性であり、そして遊離酸素を含む環境においては十分
に増殖しない。Bacillus coagulansは、遊離酸素環境におい
て生存可能であるため、表面活性処方(例えば、皮膚粉末、クリーム、軟膏など
)において使用され、病原体の過剰増殖に対して予防的に作用し得る。
【0084】 熱耐性:Bacillus coagulansの休止期の細胞は、65℃と
同じくらい高い温度で増殖する能力を有し、ところが内生胞子は、100℃を越
える温度に耐え得る。実際、Bacillus stereothermoph
ilusと共にBacillus coagulansは、オートクレーブにお
ける品質管理目的のために使用される。この事実は、全てのLactobaci
llusおよびBifidobacteriaの短所のため重大である。商業的
生存力を有する細菌について、包装の時間で安定および生存可能でなければなら
ない。この生存力は、消費者に効能のある産物を送達するために維持されなけれ
ばならない。
【0085】 耐塩性:Bacillus coagulansは、7%NaClまたは10
%苛性ソーダを含む高いアルカリ性環境において成長する能力を有する。
【0086】 Bergey’s Manual(第7版)に引用されるBacillus
coagulansの特徴として以下が挙げられる:サイズとして約0.9μm
×3.0〜5.0μmのグラム陽性胞子形成桿体、好気性〜微好気性、ホモ発酵
様式においてL(+)(右旋性)乳酸の生成。Bacillus coagul
ansが、LactobacillusおよびBacillusの両方の典型的
な特性を有する事実のため、LactobacillaceaeファミリーとB
acillaceaeファミリーとの間のその分類学位置は、しばしば議論され
る。
【0087】 2つの種の細菌の間で分類することは、しばしば非常に難しい。この2つの種
は、形態学的に同様で、そして同様の生理学的および生物学的特性を有する。D
NA相同性分析は、この困難さを解決する有用な技術である。塩基組成物(すな
わちGC含有%)および細菌性DNAの特異的ヌクレオチド配列は、一般的に細
菌種と亜種との間で異なる。さらに、密接に関連した細菌由来のDNAは、互い
により効果的にハイブリダイズする。本発明において、これらの前述した方法論
は、効果的に使用され、区別し、そしてBacillus coagulans
とLactobacillus属のメンバーとの間の本質的な類似を理解し、そ
してBacillus属のもとでのその分類学上の位置を確認する。
【0088】 下の表2は、Bacillus coagulansのコロニー形態学を考察
する。
【0089】
【表2】 下の表3は、Bacillus coagulansを利用する炭水化物発酵
のメカニズムを考察する。
【0090】
【表3】 (4.Bacillus coagulansの生物学的「安全性」) Bacillus coagulansは、ほとんどの一般的なLactob
acillusおよびBifidobacterium種の使用より長い安全の
歴史を享受する。LactobacillusおよびBifidobacter
ium種は、健康食品店で一般に「栄養性補助」として販売されているか、また
は培養された乳製品の生成において使用される。
【0091】 生物学的安全性の一般的な認識は、科学的訓練および直接または非直接食品に
添加される物質の安全性を評価する経験によって資格を与えられた熟練者の視点
のみに基づき得る。このような視点の基礎は、以下を介して得られ得る: (1)科学的手順。
【0092】 (2)食品における一般的使用に基づく経験を介する1985年1月1日より
前の食品に使用される物質の場合。安全性の一般的認識は、食品に直接または非
直接添加される物質の安全性について見識のある科学的共同体中の物質について
の一般的な知識を必要とする。
【0093】 (3)科学的手順に基づく安全性の一般的な認識は、成分のための食品添加剤
規制の許可を得るために必要とされる同じ量および質の科学的証拠を必要とする
ことになっている。科学的手順を介する安全性の一般的な認識は、通常、発表さ
れていない研究および他のデータおよび情報によって確証され得る発表された研
究に基づくこととなっている。
【0094】 (4)1958年1月1日より前の食品における一般的使用に基づく経験を介
する安全性の一般的な認識は、食品添加剤規制の許可を必要とする科学的手順の
量または質なしに決定され得る。1958年1月1日より前の食品における一般
的使用に基づく経験を介する安全性の一般的な認識は、単独で1958年1月1
日より前の物質の食品使用に基づくこととなっており、そして通常に一般的に利
用可能なデータおよび情報に基づくこととなっている。
【0095】 乳酸産生細菌は、発酵された乳製品において必要な成分である。Bacill
us coagulansが、1932年に最初に分離され、1958年1月1
日より前の食品産物の生成において使用され、そしてその分離以来任意の病原体
または日和見疾患に連坐しなかった事実より、GRAS(一般的な安全と考えら
れる)一覧表について米国連邦登録の9つのセクションおよびサブセクションほ
どのもとで許可を受けている。GRAS一覧表は、単純に、食品添加物が、不正
な任意の毒素原性または病原性応答と考えられず、そして食品科学、生化学、お
よび微生物学の当業者によって安全を考慮されることを示す。
【0096】 Bacillus coagulans、亜種Hammer(ATCC−31
284)は、Nakayamaによって1933年Yamanashi Uni
versityで土壌分離として始めに分離された。Bacillus coa
gulans種は、通常土壌分離である。Bacillus cereusおよ
びBacillus anthraicesを除いて、Bacillus種は、
環境において優しいことが公知である。現在まで、病原性または日和見疾患に関
与するBacillus coagulansの任意の種の参考文献はなかった
。同様に、発表されたデータの分析において、乳酸産生細菌による病因のために
危険にさらされる臨床試験もまたなかった。関連する科学的分野で議論されない
これらの事実を考慮して、Bacillus coagulansは、治療組成
物として安全である。
【0097】 (抗体に対するBacillus coagulansの感受性) GRASに列挙された生物は、「正常な」免疫応答性個体において使用のため
安全であるが、感受性の高い個体(例えば、免疫抑制、免疫無防備状態、器官移
植など)は、生物学的に安全であると考えられる細菌生産物の摂取を介して菌血
症または敗血症になるために危険な状態であり得る。Lactobacilli
が激しい全身性感染(すなわち、日和見病因)に連坐する仲間による評価論文が
あるが、Bacillus coagulans媒介病因を示す報告はない。前
述にもかかわらず、研究は、Bacillus coagulansのこれらの
新規の株が、このような日和見病因に対して任意に強力であるかどうかを決定す
るために免疫無防備状態マウス/ラットにおいて最近進行中である。
【0098】 Bacillus coagulans亜種Hammer(ATCC3128
4)の抗生物感受性の分析は、Kirby−Bauer(プレート上のコロニー
計数)およびVitek(培養物の吸光度)高感受性試験方法論を使用して実施
され、必要な場合、合理性にかかわらずBacillus coagulans
集落形成の誘発において有効な特異的抗生物化合物を確かめた。Kirby−B
auer試験を使用して、Bacillus coagulansは、アンピシ
リン;シプロフロキサシン;トリメトプリム−スルファメトキサゾール;リファ
ンピン;エリスロマイシン;バンコマイシン;ゲンタマイシン;オキサシリンに
対して感受性が高いことが見出され、そしてテトラサイクリンに対して中間の感
受性を有した。Vitek試験を使用して、Bacillus coagula
nsは、ペニシリン;バンコマイシン;ゲンタマイシン(500μg/ml);
ストレプトマイシン(2,000μg/ml);ニトロフラントイン;ノルフロ
キサシン;クロラムフェニコールに対して感受性が高いことが見出され、そして
テトラサイクリンに対して耐性であった。さらに、Nitrocefin試験は
、実施され、そしてBacillus coagulansが低レベルβラクタ
マーゼ生成に対して陽性であることを示した。
【0099】 (Bacillus coagulansによる抗微生物物質の生成) バクテリオシンは、プロデューサー細菌に密接に関連する種に対する殺菌性活
性を有するタンパク質またはタンパク質粒状複合体である。腐敗性生物に対する
乳酸産生細菌(例えば、Bacillus coagulans)の阻害活性は
、特にバクテリオシンの生成に起因することが考えられる。
【0100】 下の表4は、種々のバクテリオシンのいくつかを列挙している。このバクテリ
オシンは、乳酸産生細菌種から分離され、そして特徴付けられた。
【0101】
【表4】 さらに、乳酸産生細菌はまた、他の代謝産物(例えば、過酸化水素、二酸化炭
素、およびジアセチル)を介して病原性/腐敗性微生物の増殖を阻害する。
【0102】 病原性細菌に対する拮抗作用を発揮する乳酸産生細菌の代謝産物は、下の表5
に要約する。
【0103】
【表5】 生成された乳酸の光学異性体形態のレベルは、細菌の特定の種に依存する。こ
れらの異性体の構造的立体配置は、以下のとおりである:
【0104】
【化1】 ヒトにおいて、両方の異性体は、腸管から吸収される。L(+)乳酸は、グリ
コーゲン合成において完全かつ迅速に代謝されるが、それに対してD(−)乳酸
はより低速で代謝され、そして代謝されない酸は、尿中に排出される。代謝され
ない乳酸の存在は、胎児において代謝性アシドーシスを生じる。Lactoba
cillus acidophilusは、D(−)形態を生成し、従って、臨
床的利益は疑わしい。対照的に、Bacillus coagulansは、L
(+)乳酸のみを生成し、従って、D(−)形態を生成する乳酸産生細菌の他の
種より好ましい。
【0105】 (純化されたBacillus coagulansの新規な株) 乳酸産生細菌の以前に利用可能であった株(Bacillus coagul
ans ATCC型株#31284を含む)は、種々の因子に起因して、プロバ
イオティックスとして効果的でなかった。これらの因子としては、以下が挙げら
れるが、これらに限定されない:それらの高い最適増殖温度(すなわち>40℃
)要件およびそれらの芽胞発芽のための80℃「芽胞ショック」の要件。これら
の要件は、プロバイオティックスとして、(例えば、抗生物質耐性胃腸病原体の
処置における)治療的組成物などにおけるこれらの以前に利用可能であったBa
cillus coagulansの株の使用とは適合しない。
【0106】 本明細書中に記載のBacillus coagulansは、生化学的およ
び生理学的特徴を有する。これらの特徴としては、以下が挙げられるが、これら
に限定されない:(i)乳酸(プロピオン酸)の(L)+光学異性体の生成;(
ii)45℃未満の最適増殖温度を有する;(iii)特定の誘導(例えば、芽
胞ショックまたは他の環境因子)なく、ヒトまたは動物の身体において発芽し得
る、約90℃までの温度に耐性の芽胞の生成;(iv)細菌、酵母、真菌、ウイ
ルス、またはこれらの任意の組み合わせの増殖を阻害するプロバイオティックス
活性を示す1以上の細胞外産物の生成;および/あるいは(v)増殖のために広
範囲の基質を利用する能力。これらの新規な株は、以下でより十分に議論される
【0107】 実験室の発酵条件下で乳酸および他の細胞外産物を生成する能力をなお有する
と同時に、顕著に低い増殖温度最適条件を有する、これまでに特徴づけされてい
ない3つのBacillus coagulansの株を本明細書中で開示する
。これらの新規の株は、ATCC型株(ATCC−31284)といくつかの特
徴を共有するが、これらは、プロバイオティックスとして使用するためのそれら
の有効性が増加した差異(例えば、より低い増殖温度最適条件)を有する。
【0108】 これらの新規の株は、本来は、Bacillus coagulansコロニ
ーの混合した微生物叢中で発見された。このコロニー中で、これらの株は、Ba
cillus coagulans ATCC型株(本明細書中以降、「ATC
C−31284」または「ATCC−99%」)とはコロニー形態および最適増
殖温度の両方において、差異を示した。これらの新規な株は、以下のように特徴
付けられる: Bacillus coagulans 1%分離物−GBI−1と示す Bacillus coagulans 20℃分離物−GBI−20と示す Bacillus coagulans 30℃分離物−GBI−30と示す Bacillus coagulans 40℃分離物−GBI−40と示す
【0109】 Bacillus coagulans 1%分離物株(本明細書中以降「G
BI−1」と示す);20℃の最適増殖温度を有するBacillus coa
gulans株(本明細書中以降「GBI−20」と示す);30℃の最適増殖
温度を有するBacillus coagulans株(本明細書中以降「GB
I−30」と示す);および40℃の最適増殖温度を有するBacillus
coagulans株(本明細書中以降「GBI−40」と示す)のこれらの新
規な株。Bacillus coagulansのこれらの新規な株の生化学的
、生理学的、および形態学的特徴は、以下の具体的実施例の節において十分に議
論される。
【0110】 (抗生物質耐性細菌の胃腸感染の処置) 本発明は、本明細書中に開示される治療的組成物または治療システムを用いて
、抗生物質耐性細菌の胃腸感染を処置、低減または制御する方法を意図する。開
示された処置方法は、胃腸の感染と関連する病原性細菌の増殖を阻害し、そして
これらの病原性細菌感染の有害な生理学的影響/症状を付随して緩和するように
機能する。
【0111】 本明細書中に開示されるBacillus coagulansの新規な株は
、一般に、当業者に安全であるとみなされ(すなわち、FDAにより承認された
GRAS)、従って、食品における直接摂取のために、または栄養補助食品(f
ood supplement)として適切である。本発明の方法は、細菌感染
を処置または予防するために、1以上のBacillus coagulans
株および/またはその細胞外産物を含む治療的組成物を、ヒトまたは動物の胃腸
管に投与することを包含する。投与は、好ましくは、液体、散剤、固形食品など
の経口投与に適合性の処方物(当該分野で周知の方法を用いることにより本発明
の治療的組成物を含むように処方される)を用いて行われる。
【0112】 本発明の方法は、胃腸管に対して抗生物質耐性病原体のコロニー形成を処置ま
たは予防するように、以下の1以上を含む組成物をヒトまたは動物に投与するこ
とを包含する:Bacillus coagulans細菌細胞(すなわち、栄
養性細菌細胞);芽胞;および/または分離されたBacillus coag
ulans細胞外産物(抗生物質様特性を有する代謝産物を含む)。特に、VR
E、VISA、PRP、および他の病原体に関しては、この方法は、患者に、例
えば、食品中でまたは栄養補助食品としてBacillus coagulan
sを投与する工程を包含する。経口投与は、水性懸濁液、乳濁液、散剤もしくは
固体(既に食品中に処方されているか、または使用者により消費する前に食品に
添加される組成物としてのいずれか)においてである。胃腸管への投与はまた、
肛門坐剤の形態で(例えば、ゲルまたは半固体処方物で)であり得る。全てのこ
のような処方物は、標準的方法論を用いて行われる。
【0113】 治療的組成物の投与は、好ましくは、本発明の治療的組成物(全て、当該分野
で周知の方法を用いて処方される)を含むゲル、懸濁液、エアロゾルスプレー、
カプセル剤、錠剤、散剤、半固体処方物(例えば、坐剤)を用いて、胃腸管に対
して行われる。
【0114】 病原性細菌の感染を予防または処置することにおいて有効な、活性なプロバイ
オティック乳酸産生細菌を含む組成物の投与は、一般に、1日〜1ヶ月の範囲の
期間にわたって、投薬量あたり約10mg〜10gの治療的組成物の1〜10回
の投薬からなる。投与は、(一般に)12時間に1回および4時間に1回までで
ある。好ましい実施形態は、1用量あたり約0.1g〜5gを1〜7日間にわた
り、1日あたり2〜4回の治療的組成物の投与である。この好ましい用量は、病
原性細菌の感染を予防または処置するために十分である。当然のことながら、特
定の経路、投薬量および投与のタイミングは、一部分は、特定の病原体および/
または処置される状態、ならびにこの状態の程度に依存する。
【0115】 本発明の実施形態は、1日あたり約1×103〜1×1010CFUの生存性の
栄養性細菌または芽胞、より好ましくは1日あたり約1×105〜1×1010
FUの生存性の栄養性細菌または芽胞、およびもっとも好ましくは、1日あたり
約5×108〜1×109CFUの生存性の栄養性細菌または芽胞の投与を含む。
処置される状態が、抗生物質耐性の消化管の病原体を含み、そして患者が成体で
ある場合、代表的な投薬量は、1日あたり約1×102〜1×1014CFUの生
存性の栄養性細菌または芽胞、好ましくは、1日あたり約1×108〜1×101 0 CFUの生存性の栄養性細菌または芽胞、およびより好ましくは、1日あたり
約2.5×108〜1×1010CFUの生存性の栄養性細菌または芽胞である。
【0116】 本発明の別の実施形態は、総濃度比約1%〜90%の範囲のBacillus coagulans細胞外産物および残りがキャリアまたは送達成分を含む組
成物の投与を開示する。好ましい実施形態は、総濃度比約10%〜75%の範囲
のBacillus coagulans細胞外産物および残りがキャリアまた
は送達成分を含む組成物を含む。
【0117】 本発明は、病原性細菌感染を処置、減少および/または制御するための治療シ
ステムをさらに意図する。代表的には、このシステムは、本発明の治療的組成物
を含む包装の形態であるか、または包装材料との組み合わせである。この包装材
料は、包装の成分の使用のための表示または指示を含む。この指示は、本発明の
方法または組成物について本明細書中に記載されるように、包装された成分の意
図された使用を示す。
【0118】 例示であって限定ではないが、システムは、本発明に従う治療的組成物の1以
上の単位投薬量を含み得る。あるいは、このシステムは、代わりにバルク量の治
療的組成物を含み得る。この表示は、適切な場合、単位用量またはバルク形態の
いずれかで治療的組成物を用いるための指示を含み、そして組成物の貯蔵に関す
る情報、適応症、投薬量、経路、および投与態様などの情報を含み得る。
【0119】 さらに、特定の意図された使用に依存して、このシステムは、必要に応じて、
組み合わされた包装または別々の包装のいずれかで、1以上の以下の成分を含み
得る:ビフィズス菌栄養性(bifidogenic)オリゴサッカリド、矯味
矯臭剤、キャリアなどの成分。1つの特に好ましい実施形態は、治療方法におい
て使用するための処方物とプロバイオティックスとを組み合わせるための指示と
ともに、従来の液体製品と組み合わせて使用するためのBacillus co
agulans芽胞の単位用量包装を含む。
【0120】 (動物における病原体および寄生生物の阻害) 本発明はまた、動物の胃腸管における寄生生物および/または抗生物質耐性病
原性生物の増殖を阻害するための組成物および使用方法を開示する。本明細書中
で使用される場合、用語「病原体」および「寄生生物」は、動物の胃腸管および
/または糞便中で増殖する有害な生物の状況で交換可能に用いられるが、これら
の用語が異なる意味を有することは理解される。
【0121】 本発明は、動物の胃腸管における病原体の増殖を阻害または予防するための組
成物および使用の方法を記載しており、この方法は、この動物の胃腸管に、以下
の1つ以上の本発明の組成物を投与して、胃腸管での抗生物質耐性病原体のコロ
ニー形成を処置または防止する工程を包含する:Bacillus coagu
lans細菌細胞(すなわち、増殖型細菌細胞);胞子;および/または分離さ
れたBacillus coagulans細胞外産物(代謝保有抗生物質様特
性を含む)。詳細には、VRE、VISA、PRP、および他の病原体について
、この方法は、例えば、食物中のBacillus coagulansまたは
食物補給として、動物に投与する工程を包含する。経口投与は、好ましくは、水
性懸濁液、エマルジョン、粉末または固体中であるか、すでに食物中に処方され
ているか、または組成物(消費の前にユーザーによって食物中に添加される)と
してである。胃腸管に対する投与はまた、座剤の形態(例えば、ゲルまたは半固
体処方物)でもあってもよい。このような処方物の全てが標準的方法論を用いて
作成される。
【0122】 本発明の方法は、栄養的な結果を得るために、本明細書に記載のような種々の
投薬レジメンで、動物に、活性成分を含む本発明の組成物の投与を包含する。腸
および糞便において寄生虫の増殖を阻害するのに効果的な活性成分を含む組成物
の投与は、体重約100kgの動物について1日から1ヶ月まで、この組成物の
1投与あたり10mg〜10gの1〜10投与単位から一般に構成される。投与
単位は一般に、12時間ごとに1回〜4時間ごとに1回まで投与される。1日〜
7日までの、1日あたりこの組成物の好ましくは2〜4投与(それぞれ、1投与
あたり約0.1〜50gを含む)が、所望の結果を得るのに十分である。
【0123】 好ましい方法は、1日あたり1×102〜1×1010の生存細菌または胞子、
ある実施形態では、1日あたり、1×103〜1×106、他の実施形態では1×
106〜1×109、そしてより好ましくは、およそ5×108〜1×109の生存
細菌または胞子の消化管への投与を包含する。代表的な投与範囲は、1日あたり
およそ1×103〜1×106の生存細菌にわたるか、または1日あたりおよそ1
×106〜1×109の生存細菌にわたる。
【0124】 本発明の別の実施形態は、キャリアまたは送達成分を含む残渣に対して約1%
〜90%の細胞外産物の範囲にわたるBacillus coagulans細
胞外産物の総濃度比を含む組成物の投与を開示する。好ましい実施形態は、キャ
リアまたは送達成分を含む残渣に対して約10%〜75%の細胞外産物の範囲に
わたるBacillus coagulans細胞外産物の総濃度比の組成物を
含む。
【0125】 本方法は、病原体または寄生生物の阻害が所望される任意の動物で代表的に実
施される。この動物は、寄生生物/病原体のこのような阻害が経済的および健康
的な利点を提供する、任意の家畜または動物学的種であり得る。任意の動物が特
許請求の範囲の方法によって有利であり得る。この動物としては、鳥類、爬虫類
、哺乳動物(例えば、ウマ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタなどの家畜)、または動
物学的に関心のある任意の種々の動物が挙げられる。栄養吸収、食物利用、およ
びバイオアベイラビリティーの当業者には、他の目的も容易に明白である。
【0126】 本発明はさらに、病原細菌感染を処置、減弱、および/または制御する治療シ
ステムを包含する。代表的には、このシステムは、本発明の治療用組成物を含む
パッケージの形態、またはパッケージング材料との組み合わせである。パッケー
ジング材料は、パッケージの内容物の使用のためのラベルまたは説明書を含む。
この説明書(指示書)は、本発明の方法または組成物について本明細書に記載さ
れるパッケージング組成物の意図される用途を示す。
【0127】 例えば、限定はしないが、システムは、本発明に従う治療用組成物の単位用量
以上を含み得る。あるいは、このシステムは、代わりに治療用組成物のバルク量
を含み得る。このラベルは、適切な場合、単位用量またはバルク形態のいずれか
で治療用組成物を用いるための説明書(指示書)を含み、そしてまた組成物の保
管に関する情報、疾患効能、投与量、経路および投与の様式などの情報を含み得
る。
【0128】 さらに、特定の意図される用途に依存して、このシステムは以下の成分の1つ
以上を組み合わせてか、または別々のパッケージでのいずれかで必要に応じて含
み得る:ビフィドジェニック(bifidogenic)オリゴサッカライド、
香料、キャリアなどの組成物。特定の好ましい実施形態の1つは、治療方法にお
ける使用のための処方を用いるプロバイオティック細菌と組みあわせた説明書と
ともに、従来の液体製品と組み合わせて使用するためのBacillus co
agulans胞子の単位用量パッケージを含む。
【0129】 糞便が所望されない生物に増殖および繁殖の土壌を提供する限り、糞便中の寄
生生物および病原生物の増殖を制御および/または阻害することは、糞便が産生
され、蓄積され、そして/または貯蔵される領域においてこれらの所望されない
寄生生物の増殖および繁殖を阻害する。例えば、納屋または家畜小屋において、
動物のケージにおいて、フィードロットにおいて、動物展示囲いにおいて、およ
び動物が飼育され糞便が溜まる同様の領域において、寄生生物/病原体が、他の
宿主を刺激し、それに伝播し、増殖し、そして/または感染する機会が存在する
。これらの環境によってもたらされる種々の所望されない問題は、本発明によっ
て解決される。例えば、寄生生物または病原体が、宿主に伝播し、そしてさらに
感染することは所望されない。そして複数の動物をケージで一緒にしている場合
、感染の伝播を制御するなんらかの手段は非常に有利である。さらに、寄生生物
または飛翔する昆虫により宿主動物が咬まれる多くの状況では、動物を刺激する
か、そして/またはイライラさせ、過剰に蹴ったり、噛んだり、そして関連の行
動を含む行動上の問題をもたらし、これは近くにいる動物および動物を取り扱う
人に危険である。
【0130】 別の実施形態において、本発明は、動物が飼育される動物のケージ/オリ/囲
いにおいて飛んでいる昆虫の集団を減少および/または制御するための方法を意
図する。この方法は、ケージに入れられた動物の胃腸管に本発明の組成物を投与
する工程を包含する。
【0131】 本発明は、多くの種類の寄生生物および病原性生物を制御するのに有用であり
、従って本発明は生物体の任意の特定の属または種を阻害することに限定される
必要はない。例えば、この組成物の有効性について本明細書に記載された機構に
基づき、動物寄生生物として作用し得る全ての昆虫種が本発明の方法によって標
的され得ることが理解される。寄生生物は任意の種々の動物(哺乳動物、爬虫類
、鳥類などを含む)に感染し得、従って本発明は任意の特定の動物に限定されな
いとみなされる。周知の寄生生物または重要な寄生生物の例は、本発明の例示の
ために本明細書に記載されているが、本発明を限定するとはみなされない。代表
的な寄生生物ならびに動物および/またはヒト宿主は、「Merck’s Ve
terinary Manual」および「Cecils’Human Dis
eases」のような種々の獣医文献に非常に詳細に記載されている。ウマの寄
生生物としては、Gasterophilus種(例えば、G.intesti
nalis、G.haemorrhiodalis、およびG.nasalis
)により生じるウマウシバエ(horse bots)、唇ウシバエ(lip
bots)または喉ウシバエ(throat bots)、Habronema
種(例えば、H.muscaeまたはH.microstoma mulus)
により生じるか、もしくはCrascia種(例えば、C.mepastoma
)により生じるか、もしくはTrichostrongvlus種(例えば、T
.axei)により生じる胃寄生虫、Parascaris種(例えば、P.e
ciuorum)により生じる回虫(白色寄生虫)、Stroncrvlus種
(例えば、S.vulcraris,S.epuinusまたはS.edent
atus)により生じる血中寄生虫(柵状寄生虫(palisada worm
s)赤色寄生虫、またはスクレロストーマ属)、Triodontophoru
s種(例えば、T.tenuicollis)により生じる盲腸および結腸の小
円虫、Oxvuris種(例えば、O.eaui)により生じる蟯虫、Stro
ncivloides westeriにより生じる腸の糞線虫属感染、Ano
nlocephala種(例えば、A.macmaおよびA.perfolia
ta)、ならびにParanonlocephala mamillanaによ
り生じるにより生じるサナダムシが挙げられる。
【0132】 種々の他の寄生生物(Haemonchus種により生じる線虫(wire
worm)(すなわち床屋の看板虫(barber’s pole worm)
または大胃虫(large stomach worm))を含む)が、反芻動
物、代表的にはウシにおいて疾患を生じる。反芻動物、代表的にはブタにおいて
生じる寄生生物としては、Hvostroncmulus種により生じる胃寄生
虫が挙げられる。
【0133】 さらなる寄生生物が種々の動物宿主に感染することが公知であり、従って、本
発明の方法による処置のための標的である。例えば、胃腸寄生生物は、種々の動
物に感染し、そしてイヌにおいて食道寄生虫を生じるSpirocerca種(
例えば、S.lupi)、ならびにイヌおよびネコにおいて胃寄生虫を生じるP
hysoloptera種を含み得る。
【0134】 動物が球粒化された食物または顆粒食物を給餌される場合、この組成物は、球
粒化された食物または顆粒食物中に含まれ得るか、あるいは本発明の球粒化され
た組成物と組み合わせて球粒化された食物の混合物を含み得る。本発明の組成物
の球粒化された処方物と球粒化された食物との混合は、これが市販の食餌を用い
、同時に投与されるべき本発明の組成物の量を調節する、従来のシステムを提供
する限り、本発明の実施に特に好ましい方法である。
【0135】 治療用組成物の投与は、本発明の栄養組成物を含む、ゲル、懸濁液、エアロゾ
ルスプレー、カプセル、錠剤、顆粒、ペレット、ウエーハ、粉末または半固体処
方物(例えば、座剤)(全て当該分野で周知の方法を用いて処方された)を用い
て、腸に好ましい。
【0136】 本発明はさらに、動物の胃腸管におけるまたは動物の糞便における寄生生物お
よび/または病原体の増殖を阻害するシステムを意図する。これは、ラベルおよ
び本発明による組成物を含む容器を含み、ここでこのラベルは、病原体/寄生生
物の増殖を阻害するための組成物の使用のための指示書(説明書)を含む。
【0137】 代表的には、このシステムは、本発明の組成物を含むパッケージの形態で、ま
たはパッケージング材料と組み合わせて、存在する。このパッケージング材料は
、このパッケージの組成物の使用のためのラベルまたは指示書を含む。この指示
書は、本発明の方法または組成物について本明細書に記載されたパッケージング
組成物の意図された用途を示す。
【0138】 例えば、システムは、本発明による治療用組成物の1つ以上の単位用量を含み
得る。あるいは、このシステムはバルク量の組成物を含み得る。このラベルは、
適切な場合、単位用量またはバルク形態のいずれかでこの組成物を用いるための
指示書を含み、そして組成物の保管に関する情報、給餌の説明、健康および食事
の指示、投与量、投与経路、あらかじめ選択した食物とのこの組成物の混合の方
法などの情報を含み得る。
【0139】 (A.Bacillus coagulansの培養) Bacillus coagulansは、好気性かつ通性であり、そして代
表的には2重量%までのNaClを含有する栄養ブロス中で、pH5.7〜6.
8で培養されるが、NaClもKClも増殖には必要ない。約4.0〜7.5の
pHが、胞子形成(すなわち、胞子の形成)の開始に至適である。本明細書にお
いて開示されたBacillus coagulansの新規な株は、20℃〜
40℃で至適に増殖し、そして胞子は低温殺菌に耐え得る。さらに、この細菌は
、硝酸供給源または硫酸供給源を利用することにより通気性および有機栄養の増
殖を示す。
【0140】 Bacillus coagulansは、種々の培地中で培養され得るが、
特定の増殖条件がより効率的であり、ここで高レベルの胞子形成を生じる培養物
を生成することが実証されている。例えば、胞子形成は、培養培地が10mg/
lのMgSO4サルフェートを含む場合に強化されることが実証されている。こ
こでは、増殖細胞に対する胞子の比が約80:20で生成される。さらに、特定
の培養条件は、代謝酵素のスペクトルが特に本発明に適している(すなわち、強
化されたプロバイオティック活性および生分解性に関する乳酸および酵素の産生
)細菌胞子を産生する。これらの前述の培養条件により産生される胞子が好まし
いが、生存しているBacillus coagulans胞子を産生する種々
の他の適合する条件が、本発明の実施において利用され得る。
【0141】 Bacillus coagulansの培養の適切な培地としては、以下が
挙げられる:PDB(ジャガイモデキストロースブロス);TSB(トリプシン
ダイズブロス);およびNB(栄養ブロス)(これらは全て、当該分野で周知で
あり、種々の供給業者から入手可能である)。本発明の1つの実施形態において
、家禽および/または魚の組織の酵素消化物を含む、そして食物酵母を含む、培
地補充物が特に好ましい。好ましい培地補充物により、少なくとも60%のタン
パク質、約20%の複合炭水化物、および約6%の脂質を含む培地を生じる。培
地は、種々の商業的供給業者、とりわけ、DIFCO(Newark、NJ);
BBL(Cockeyesville,MD);Advanced Micro
bial Systems(Shakopee,MN);およびTroy Bi
ologicals(Troy,MD)から入手し得る。Bacillus c
oagulansの有効な増殖培地は、Glucose Ysast抽出物(G
YE)培地である。GYEの処方は以下の表6に示す。
【0142】
【表6】 次いで、この培地のpHを約6.3に調節し、次に120℃で15分間、1.2
kg/cm2で蒸気滅菌した。
【0143】 本発明のBacillus coagulans細菌株の分析に利用した微量
ミネラル溶液の処方は、以下の表7に示す。
【0144】
【表7】 (i)スモールスケールの培養 Bacillus coagulansのスモールスケールの培養は、上述の
グルコース酵母エキス(GYE)培地を用いることにより達成し得る。この培地
に播種し、そして細胞密度が約1×108〜1×109細胞/mlになるまで増殖
させた。この細菌を標準的なエアリフト発酵槽を利用して30℃で培養した。胞
子形成のために受容可能なMnSO4の範囲を、1.0mg/l〜1.0g/l
に見出した。この栄養細菌細胞は、65℃まで活性を有して繁殖し得、そして胞
子は90℃まで安定である。
【0145】 培養後、このBacillus coagulansの細菌細胞または胞子を
、標準的な方法(例えば、濾過、遠心分離)を用いて回収し、そしてその後この
回収された細胞および胞子を凍結乾燥、噴霧乾燥、風乾または凍結し得る。本明
細書に記載されるように、細胞培養物からの上清を回収して、そして本発明の処
方物においてBacillus coagulansにより分泌された有用な抗
菌活性を有する細胞外物質として使用し得る。
【0146】 上述の培養の方法から得られる代表的な収量は、約1×109〜1×1013
範囲の生存胞子であり、そしてより代表的には乾燥前の1gあたりで約10〜1
5×1010細胞/胞子である。Bacillus coagulansの胞子は
、乾燥工程後、室温で保存する場合に少なくとも90%の生存性を7年間まで維
持することにも注目される。故に、Bacillus coagulansのハ
ンマー(Hammer)胞子を含む組成物の室温での有効な保存期間は、約10
年間である。
【0147】 (ii)ラージスケールの培養 Bacillus coagulansのラージスケールのバッチ発酵は、上
述のグルコース酵母エキス(GYE)培地を用いて達成され得る。発酵槽は、次
のものを備え得る:60psiの圧力等級を有する500リットル314シリー
ズのステンレスエアリフト発酵槽;インプロセスの電極を備えたHanna d
uel設定pH値制御システム;滅菌空気の供給のために0.2μmのインライ
ンフィルターを備えた高圧タービン送風機;10kwプロセス温度制御装置;お
よび適切な高バースト圧用ステンレススチールの衛生ホースおよび金具。
【0148】 バッチ発酵は、次の手順を含む。Bacillus coagulansのシ
ングルコロニーを、滅菌した曲管を用いてペトリ皿のコロニーから選択した。次
いでこのシングルコロニーを用いて、GYE培地、デキストロース、および無機
物を含む2リットルのエルレンマイアーフラスコに播種した。この培養物を、オ
ービタルシェーカー(2”軌道を有する)で35℃、約18時間インキュベート
した。この2リットルの培養物を用いて、GYE培地、デキストロース、および
無機物を含む500リットルの滅菌されたバッチ発酵槽に播種した。このバッチ
発酵槽を、高通気下(36〜38LPM)で35℃、約30時間稼動させた。こ
のインキュベーションの後、このバッチ発酵槽の通気を止め、そして4時間の間
温度を20℃まで下げ、含有される細菌細胞の沈降を促進した。この発酵ブロス
を、10℃、12,000rpmでAlpha−Laval Sharples
連続供給遠心分離を用いて収菌し、そして細菌の沈殿物をその後の凍結乾燥のた
めに回収した。
【0149】 (Bacillus coagulansの胞子の調製) Bacillus coagulansの胞子の乾燥培養物を、例えば、次の
ようにして調製し得る。約1×107個の胞子を、30g(wt/vol)のG
YE培地、デキストロース、および無機物を含む1リットルの培養培地に播種し
た。この培養物を、37℃で72時間、高酸素環境下で保持し、約15×1010 個の細胞/g(培地)を有する培養物を生成した。次いでこの培養物を濾過して
液体培養培地を除去し、得られた細菌のペレットを水で再懸濁し、そして凍結乾
燥した。この凍結乾燥した細菌を、標準的で優れた製造実験(cGMP)の方法
を用いて細かい「粉末」にした。
【0150】 (Bacillus coagulansの細胞外生成物の調製) Bacillus coagulansの培養物を、具体的な実施例A(i)
〜(ii)に記載されるように調製した。記載されるように、培養物を5日間保
持した。この培養物をまず250°Fで30分間オートクレーブし、次いで40
00r.p.m.で15分間遠心分離した。得られた上清を回収し、そして未使
用の0.8μmのフィルターを備えたブフナー漏斗によるミクロン以下濾過に供
した。次いで濾液を回収し、0.2μmのNalge真空フィルターを通してさ
らに濾過した。次いで得られた濾液を回収した(培養培地1リットルあたり約9
00mlの容量)。これは細胞外生成物を含有する液体からなり、定量的に分析
され、そしてその後の阻害実験に用いられた。
【0151】 以下の方法は、この上清を特徴付けるために用いられた。
【0152】 (タンパク質の液体クロマトグラフィー) 20mlの培養上清を、バッファーA(0.25M Tris HCl;pH
8.0)で平衡化した分析用Mono9クロマトグラフィーカラム(Pharm
acia)にロードし、BioCAD Sprintクロマトグラフィーシステ
ム(Perseptive Biosystems、Inc.)を用いて2ml
/mmで稼動させた。このカラムを15mlのバッファーAで洗浄し、そして1
2分間の時間枠に渡って、0%B(すなわち、バッファーBは、3MのNaCl
水溶液である)〜40%Bの範囲の直線勾配で溶出した。次いでこのカラムを1
00%Bで5分間洗浄した。続いてこのカラムを、バッファーAで再度平衡化し
た。吸光度を280nmでモニターして、細菌のタンパク質中に見出される芳香
族アミノ酸(すなわち、チロシン)の溶出を検出した。
【0153】 この結果は、タンパク質混合物の大部分が0.1M〜0.8MのNaClで溶
出し、そして無機物の小さなフラクションが3.0MのNaCl濃度で溶出した
ことを実証する。フラクションを収集して保存し、そしてその後の分析を容易に
するためにSpectrapor透析用メンブレン(MW約1,000ダルトン
で「切り捨て」られる)で水に対して透析した。
【0154】 (紫外分光法および可視分光法) Uvikon930走査分光光度計(Kontron Instrument
s)を用い、1cmの石英キュベットに入れて、200nmおよび600nmの
波長の間で異なる吸光スペクトルを決定した。基準線は、水または培養培地を用
いて決定した。
【0155】 水(ブランク)での結果は、290nm〜305nmでのBacillus
coagulansについての吸収ピークと、210nmと400nmとの間で
見出される有意な量の付加的な吸収物質を示す。また、UV波長において主にタ
ンパク質の存在に起因する有意な吸収があることも示した。
【0156】 (SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動) 電気泳動を、Laemmliの方法(Laemmli、1970、Natur
e 227:680−685を参照のこと)により実施した。アクリルアミドゲ
ルを1mmのカセット(Novex)に流し込み、そして市販品供給者の推奨(
すなわち、120ボルト、90分間[12%ゲル]および2時間[16%])に
従い実行した。次いでこのゲルを、Blumらの方法(Blumら、1987.
Electrophoresis 8:93−99)により銀染色した。16%
のアクリルアミドが、最もBacillus coagulansのタンパク質
を分離することが見出された。全てのサンプルを電気泳動のための調製の前に水
に対して透析し、塩が結合した電気泳動の人為的産物を改善した。広範囲のタン
パク質マーカー(BioRad)を、タンパク質の分子量決定のために用いた。
【0157】 この電気泳動の結果は、Bacillus coagulansについて4,
000以下から30,000ダルトンの範囲で有意な数のタンパク質のバンドを
実証した。
【0158】 (高圧液体クロマトグラフィー) 5mlの培養上清を、2mlのアセトニトリル、ベンゼンまたは24:1(v
/v)のクロロホルム:イソアミルアルコールを用いて約2時間抽出した。この
相は4時間で分離が可能となり、これをさらに5,000×gで10分間遠心分
離した。次いで有機相を0.2μmのPVDFフィルター(Gehnan Ac
rodisc LC−13)を通して濾過し、そして20mM Tris−HC
l(pH7.5)の移動相中のEconosil C−18 10U HPLC
カラム(Altech)にロードした。計5分後に溶出を開始した(水中で60
%アセトニトリル(ACN)までの15分間の直線勾配)。60%ACNで5分
間溶出を続け、次いでカラムを20mM Tris−HCl(pH7.5)で洗
浄し、そして再度平衡化した。
【0159】 ACN抽出されたBacillus coagulansの上清についての逆
相HPLCの結果は、溶媒の有機的特性が増大するにつれて、HPLCの「有機
的な性質」(すなわち、より高い割合のACNで溶出する物質の増大)および色
素性分子(すなわち、可視光を吸収する分子)の捕捉における増大を導くことを
示した。上述のこれらの分子を分離して、さらに特徴付けた。
【0160】 上述のこれらの分析方法の結果は、Bacillus coagulansか
らの培養上清は、自然状態では非常に不均一で、複数のタンパク質分子および有
機分子を含有することが実証された。しかし、この分子の中で優勢なのはタンパ
ク質であり、それぞれのサンプルで合計20の異なる種類が存在する。これらの
タンパク質種を、イオン交換クロマトグラフィーの使用によりさらに細分化し得
、それ故にさらなる特徴付けが可能になる。さらに、(高波長での吸収に基く)
高度に複合化された、および(非極性溶媒およびC−18 HPLCカラムでの
保持についてのこれらの優先度に基く)疎水性の両方である多数の色素性分子(
すなわち、可視光を吸収する分子)も存在する。
【0161】 本発明の実施形態において、細胞外生成物を含有する液体は、経皮組織、角質
組織、または粘膜組織での直接の適用についての使用のための液体オイントメン
ト組成物に処方され得る。
【0162】 (新規のBacillus coagulans株の分離および特徴付け) (生存細菌コロニーの分離および特徴付け) (希釈および熱処理) 約1gの凍結乾燥したBacillus coagulansのサンプルを、
表面が滅菌されたホモジナイズ用容器に置いた。約200mlの滅菌生理食塩水
の希釈溶液(1リットルあたり、8.5mgの塩化ナトリウムおよび25mgの
ラウリル硫酸ナトリウムを含む)を加え、そしてこの混合物を12,000〜1
5,000rpmで5分間ホモジナイズした。
【0163】 1mlのホモジナイズした懸濁液を、次いでスクリューキャップ付チューブ(
25mm×150mmの大きさ)中の9.0mlの生理食塩水に移し、そして完
全に混合した。この連続的な希釈を、最終2×10-8倍希釈まで繰り返し、「希
釈因子」と命名されるものを得た。次いで最終の希釈チューブを70℃の水槽で
30分間熱処理し、その後直ちに45℃まで冷却した。
【0164】 (プレーティング) グルコース酵母エキス(GYE)寒天培地を溶解し、次いで水槽中で45℃ま
で冷却した。サンプル1つあたり、合計5つのペトリ皿を用いた。熱処理した最
終希釈チューブの1mlを、各ペトリ皿に加え、次いで上述の溶解されたGYE
寒天培地5mlをペトリ皿に加えそして完全に混合した。固まったら、このプレ
ートを逆さにした位置で、40℃で合計48時間インキュベートした。
【0165】 (細菌の生存コロニーのカウント) 30〜300のコロニーを示すプレートをカウントのために選択した。コロニ
ーの合計数でほとんど変化のないプレートをカウントし、次いでプレートあたり
の平均数を計算した。プレートあたりのカウントされたコロニーの平均数に希釈
因子の逆数をかけることにより、サンプル1グラムあたりの生存細胞数を得た(
例えば、プレートあたりの平均コロニー数が90であり、そして最終希釈因子が
2×10-6である場合、その時の生存胞子数は、1グラムあたり90×(2×1
6)または1.8×1010個の生存胞子であった)。
【0166】 後で議論するが、その後のガスクロマトグラフィー脂肪酸メチルエステル(G
C−Fame)およびBiologTM分析は、これらの細菌が、これまでに特徴
付けられていなかったBacillus coagulans株であることを示
した。以下の表8は、本明細書中で記載される新規のBacillus coa
gulans株(すなわち、20℃ Bacillus coagulans分
離体(5937−20℃);30℃ Bacillus coagulans分
離体(5937−30℃);ATTC 99% Bacillus coagu
lans分離体(ATCC99%);およびATTC 1% Bacillus coagulans分離体(ATCC1%)、ここで(−)は、増殖しないこ
とを示し;(+)は、少しのまたは最小の増殖を示し;ならびに(++)かなり
のまたは最適な増殖を示す)間の相違を説明する。グルコース酵母エキス(GY
E)培地およびトリプチカーゼダイズブロス(TSB)培養培地を用いた。
【0167】
【表8】 図1は、棒グラフの形式で、トリプチカーゼダイズブロス(TSA)培地かま
たはグルコース酵母エキス(GYE)培地のいずれかでの、Bacillus
coagulans 1%分離体(GBI−1);ATCC−99%分離体;5
937−20℃分離体(GBI−20);および5937−30℃分離体(GB
I−30)の最小培養温度および最適培養温度を説明する。
【0168】 (pH変動の研究) (材料および方法) 合計4つのBacillus coagulans株の培養物を、pH変動試
験、有機栄養プレートカウント、およびトリプチックダイズブロス(TSB)培
地で28時間の間の4時間間隔の培養増殖物の光学的な透過率(%)での光学密
度(OD)により分析した。これらの株として、以下が挙げられる:20℃ B
acillus coagulans分離体(GBI−20℃);30℃ Ba
cillus coagulans分離体(GBI−30℃);ATTC 99
% Bacillus coagulans分離体(ATCC99%);および
1% Bacillus coagulans分離体(GBI−1)。
【0169】 上述の細菌株をそれぞれ、20mlのTSB培地を含む50mlのエルレンマ
イアーフラスコに加えた。7つのフラスコを、各々の4つの分離体(28時間の
それぞれ4時間間隔での研究のための分離体)のために準備した。最初の播種用
培養物は、試験管中のブロス培養物であり、これは10%の透過率(%)を有す
る。1.0mlのこの培養物を次いで合計28個のフラスコ(それぞれの株に対
する7個のフラスコを意味する)のそれぞれに加えた。この播種されたフラスコ
を、ロータリーインバイアロンメンタル(environmental)シェー
カーで45℃、28時間インキュベートした。4時間ごとにシェーカーを停止し
、そして新しい培養物を評価のために回収した。光学的な透過率(%)について
のODの読みとり、pH、および3M ペトリフィルムスプレッドプレート法に
よる総有機栄養プレートカウントを実施し、異なる時間間隔での細菌細胞密度お
よびpHの変化をモニターした。pHの評価、透過率(%)についてのOD、お
よび総有機栄養プレートカウントをそれぞれ表9、表10、および表11に示す
【0170】
【表9】
【0171】
【表10】
【0172】
【表11】 (実験結果) 表9〜11から確認され得るように、異なる間隔でのL(+)乳酸産生に関し
て、すべての分離体の間に顕著な変化がある。細胞密度に対応するこの間隔を、
Vitek機を540nmまたは680nmのいずれかで稼動させて、光透過率
を用いて、およびTSBでの標準のプレートカウントを用いて決定した。20℃ Bacillus coagulans分離体(GBI−20℃)および30
℃ Bacillus coagulans分離体(GBI−30℃)は、1% Bacillus coagulans分離体(GBI−1)およびATTC 99% Bacillus coagulans分離体よりも、高増殖速度を
提供し、それは8時間の間隔およびその後の発酵ブロスの低下したpHにおいて
より顕著に有効であった(TSBを発酵基質として用いた)。これらの結果は、
上述のこれらの株が、1% Bacillus coagulans分離体(G
BI−1)およびATTC 99% Bacillus coagulans分
離体のいずれかよりも、Escherichia、Campylobacter
、Candida、ClostridiumおよびStaphylococcu
sのようなpH特異的な疾患を和らげることについて有効であることを示すよう
だ。
【0173】 (増殖/終点の速度論的研究) (GBI−1およびATCC−99% Bacillus coagulan
s分離体) Bacillus coagulans種の2つの培養物を増殖/終点の速度
論的試験を用いて分析した。これらの種として:1% Bacillus co
agulans分離体(GBI−1)およびATCC−99% Bacillu
s coagulans分離体が挙げられる。
【0174】 速度論的アッセイ番号1において、1% Bacillus coagula
ns種(GBI−1)を試験した。速度論的アッセイ番号2において、ATCC
−99% Bacillus coagulans種を試験した。試験するBa
cillus coagulansの特定の種をトリプチカーゼダイズブロス(
TSB)培地中で全部で48時間、45℃で増殖させた。インキュベーションに
続いて、培養物を約40〜50%T(濁度)の濁度になるまで滅菌生理食塩水中
に懸濁した。希釈した培養物を以下の1つを含む特定の増殖培地を含む96ウエ
ルのマイクロタイタープレートウエルに置いた:TSB、グルコース酵母エキス
(GYE)培地、またはさらに酸素添加するかまたは酸素添加しないかのいずれ
か。増殖培地に酸素添加するために、各培地の100mlを4l/分の流速の酸
素コンセントレーターに全部で15分間置いた。さらに、各マイクロプレートウ
エルはまた、テトラゾリウム色素/酸化還元指示薬システムを含む。細菌の増殖
(すなわち、代謝呼吸または炭素源の酸化)を、分光光度マイクロプレートリー
ダーにおいて590nmで測定されるテトラゾリウム還元によりモニターした。
【0175】 32℃で22時間の全インキュベーションの間、細菌の増殖を20分毎に測定
した。速度論的データをプロセスし、そしてバックグラウンドのブランク値を差
し引きした。
【0176】 上記に参照した速度論的増殖アッセイの完了に続いて、マイクロプレート中で
590nmで測定したテトラゾリウムの還元を終点速度論的アッセイとして読む
。図2および図3は、それぞれ1% Bacillus coagulans種
(GBI−1)およびATCC−99% Bacillus coagulan
s種の両方の終点速度論を示す。
【0177】 (5937−20℃および5937−30℃ Bacillus coagu
lans分離体) Bacillus coagulans種の2つの培養物を増殖/終点の速度
論的試験を用いて分析した。これらの種として:20℃ Bacillus c
oagulans分離体(GBI−20)および30℃ Bacillus c
oagulans分離体(GBI−30)が挙げられる。
【0178】 速度論的アッセイ番号3において、20℃ Bacillus coagu
lans分離体(GBI−20)を試験した。速度論的アッセイ番号4において
、30℃ Bacillus coagulans分離体(GBI−30)を試
験した。試験するBacillus coagulansの特定の種をグルコー
ス酵母エキス(GYE)培地中で全部で48時間、35℃で増殖させた。インキ
ュベーションに続いて、培養物を約40〜50%T(濁度)の濁度になるまで滅
菌生理食塩水中に懸濁した。希釈した培養物を以下の1つを含む特定の増殖培地
を含む96ウエルのマイクロタイタープレートのウエルに置いた:GYEまたは
トリプチカーゼダイズブロス、栄養ブロス(NB)またはバイオログユニバーサ
ル増殖培地(Biolog Universal Growth Medium
(BUGMB))、またはさらに酸素添加するかまたは酸素添加しないかのいず
れか。増殖培地に酸素添加するために、各培地の100mlを4l/分の流速の
酸素コンセントレーターに全部で15分間置いた。さらに、各マイクロプレート
ウエルはまた、テトラゾリウム色素/酸化還元指示薬システムを含む。細菌の増
殖(すなわち、代謝呼吸または炭素源の酸化)を、分光光度マイクロプレートリ
ーダーにおいて590nmで測定されるテトラゾリウム還元によりモニターした
【0179】 32℃で18時間の全インキュベーションの間20分毎に、細菌の増殖を測定
した。速度論的データをプロセスし、そしてバックグラウンドのブランク値を差
し引きした。
【0180】 上記に参照した速度論的増殖アッセイの完了に続いて、マイクロプレート中で
590nmで測定したテトラゾリウムの還元を終点動態アッセイとして読む。図
4および図5は、それぞれ5937−20℃ Bacillus coagul
ans分離体(GBI−20)および5937−30℃ Bacillus c
oagulans分離体(GBI−30)の終点速度論のヒストグラムを表す。
【0181】 (Bacillus coagulans分離体のBiologTM分析) ATCC型の種であるBacillus coagulans Hammer
(ATCC番号31284)と本明細書中で開示されたBacillus co
agulansの新種を区別するために、炭素源認識パターンによる微生物の同
定および特徴付けのためにバイオログマイクロプレートシステムTM(Biolo
g Microplate SystemTM)を使用した。ATCC型の種(A
TCC番号31284)の接種物を3個のトリプチカーゼダイズブロスの入った
フラスコに入れた。次に、温度に起因する任意の細菌選択に関して補正するため
に、これらのフラスコを異なる温度でインキュベーションした。30時間のイン
キュベーション後、各ブロスフラスコからの一定分量をラミナーフローバイオロ
ジカルキャビネット中で無菌的に移し、予め調製して乾燥させたペトリ皿中のT
SA培地にプレートした。30℃、35℃および40℃で24時間および48時
間のインキュベーション後、コロニー形成単位(CFU)に関する調査を行う。
【0182】 本発明において開示されたBacillus coagulans種の炭素源
認識パターンによる微生物の同定および特徴付けのためにバイオログマイクロプ
レートシステムTMを使用した。上述したマイクロプレート技術は、95の異なる
分析方法の使用により微生物の特徴付けを可能にする。従って、1つのマイクロ
プレートから作製される全部で4×1028の可能なパターンが得られる。各微生
物の種に対して識別可能なパターンが得られ、そして細菌の異なる種は異なるパ
ターンの「科」を与え、このパターンはバイオログマイクロログTM(Biolo
g MicrologTM)ソフトウエアにより認識されそして区別され得る。バ
イオログマイクロログTMシステムのためのマイクロプレート分析は、グラム陰性
菌、グラム陽性菌、酵母、乳酸産生細菌、およびE.coli/Salmone
llaの分析に対して利用可能である。さらに、さらなる選択培地の使用により
さらなる分析がまた行われ得る。
【0183】 簡単には、多数の微生物の増殖および成長を支える栄養培地(例えば、GYE
またはTSA)上に生物体を画線接種することにより所定の微生物分離体の特徴
付けを行う。しかし、より好みの難しい生物体は増殖にチョコレートまたはBI
ER寒天を必要とし得、一方、多くの「環境的な」は、より最小の培地でより良
好に増殖することが見出された。培養プレートを4〜18時間、28℃〜35℃
でインキュベーションした。
【0184】 インキュベーションに続いて、生理食塩水で湿らせた綿棒の使用により培養プ
レートから細菌コロニーを取り除いた。次に、既知の標準濁度と比較することに
よって、0.85%の生理食塩中で均一な濁度の懸濁液を調製した。細菌懸濁液
をマイクロプレートウエル(150μl/ウエル)に接種し、このプレートを対
応するマイクロプレートのふたでカバーした。次に、カバーしたプレートを4時
間または一昼夜(16〜24時間)、28℃〜35℃でインキュベーションした
【0185】 次に、マイクロプレートリーダーを590nmで使用してマイクロプレートを
読んだ。各ウエルにおける吸光度および透過度(すなわち、色)を陰性コントロ
ールウエル(A−1)に対して参照し、このコントロールレベル以上に記録され
た任意の紫色を特定の炭素源の利用が陽性であるとして読めるようにした。以下
の式を使用してウエルA−1と比較した場合のパーセント色変化(Percen
t Color Change)としてデータを報告した:
【0186】
【数1】 一般的に、パーセント色変化が40と等しいかもしくはそれより大きい値である
と見出された場合、所定のウエル内の反応を「陽性」と考えた。しかし、各基質
が異なり得、そして40より小さい値の陽性試験が可能であり得るパラメーター
としてこの値を経験的に決定しなければならない。使用されたコンピュータアル
ゴリズムは、再現性およびオペレーターによる偏りの回避を確実にする標準化設
定を提供する。使用されたすべての炭素源の名前は、応答とは関係なしに結果と
して提供される。
【0187】 以下の表12は、本明細書中で開示された新規なBacillus coag
ulans種に関するトリプチカーゼダイズ寒天(TSA)を使用する全従属栄
養プレート計数を示す。
【0188】
【表12】 以下の表13は、本明細書中で開示された新規なBacillus coag
ulans種と比較する各サンプルにおける好気性型種のおおよそのパーセンテ
ージを示す。
【0189】
【表13】 (GC−FAMEプロセシング) 細菌種をトリプチカーゼダイズ寒天(TSA)プレートに画線接種した。次に
24時間のインキュベーションに続いて、TSAプレートを刊行された標準的な
GC−FAME方法論によりガスクロマトグラフィー脂肪酸メチルエステル(G
C−FAME)分析のために調製した。続いて、細菌種を好気性菌(TSBA)
および臨床的好気性菌(CLIN)コンピュータデータベースの両方に対して調
べた。GC−FAME分析の結果を以下の表14に示す。
【0190】
【表14】 (16SリボソームRNA(rRNA)配列分析) (材料および方法) 16SリボソームRNA(rRNA)配列分析を、Bacillus coa
gulans菌株:GBI−1;ATCC−99%;GBI−40;GBI−3
0;およびGBI−20に関して実施した。
【0191】 16S rRNA遺伝子配列データを作成するために使用したプロトコールを
、以下に示す。16S rRNA遺伝子を、細菌コロニーから分離したゲノムD
NAからPCR増幅した。増幅に使用されたプライマーは、500bpパッケー
ジに関してE.coli位置005および531に対応した。過剰のプライマー
およびdNTPを、続いて、Microcon 100TM(Amicon)分子
量カットオフ膜の使用によって増幅産物から除去した。次いで、PCR増幅産物
を、アガロースゲル電気泳動分析に供して、これらの産物の質および量の両方を
確認した。
【0192】 16S rRNA増幅産物のサイクル配列決定を、AmpliTaq FSTM DNAポリメラーゼおよびdローダミン色素ターミネーターを用いて実施した
。過剰の色素−標識ターミネーターを、Sephadex G−50スピンカラ
ムを用いて配列決定反応物から除去した。次いで、増幅産物を、遠心分離によっ
て回収し、真空下で乾燥させ、そして使用するまで−20℃で貯蔵した。これら
の産物を、ホルムアミド/青色デキストリン/ETDAの溶液中に再懸濁し、そ
して電気泳動する前に熱変性させた。サンプルを、予め注がれた(pre−po
ured)5% Long RangerTM(RMC)ポリアクリルアミド/尿
素ゲルを用いて、ABI Prism 377 DNA Sequencer上
で約6時間、電気泳動した。得られた配列データを、PE/Applied B
iosystems DNAの編集およびアセンブリーのソフトウェアを用いて
分析した。
【0193】 指定される細菌の同定は、16S rRNA遺伝子配列相同性に基づいた。こ
のサンプル配列を、MicroSeqTM配列分析ソフトウェアを用いるPE A
pplied Biosystem’s MicroSeqTMデータベースに対
して比較することによって同定した。最も高い程度の配列相同性を提供する配列
整列を、遺伝的距離形式のパーセント(すなわち、2つの整列した配列間の差異
のパーセント)で示す。この形式において、低いパーセンテージが高い程度の配
列相同性を示すことに注意すべきである。図6〜図8は、本発明に開示される新
規Bacillus coagulans菌株の種々の他のBacillus種
との整列、およびNeighbor Joining Tree and Co
ncise Alignment分析によって得られた結果を提供する。ATC
C−99%分離物に関する結果を図6に示し;GBI−20に関する結果を図7
に示し;そしてGBI−30に関する結果を図8に示す。
【0194】 最も近い隣接物(SaitouおよびNei,1987.Mol.Biol.
Evol.4:406−425を参照のこと)および/またはUPGMA(Wa
terman,1995,Introduction to Computat
ional Biology 360−365(ChapmanおよびHall
Publishing)を参照のこと)もまた、本明細書中に提供される。同
様に「系図」を、最も高い程度の配列相同性を提供する整列配列一致を用いて作
製した。
【0195】 (実験結果) 全ての実験結果を、遺伝的距離形式(これは、本質的に相同性パーセントと正
反対である)で示すことに注意すべきである。
【0196】 種レベル:これは、種レベルの一致を示す。99%よりも大きい16S rR
NA配列相同性は、種レベルの一致の指標である(Staekebrandtお
よびGoebel,1994.Taxonomic Note:A Place
for DNA−DNA Reassociation and 16S r
RNA Sequence Analysis in the Present
Species Definition in Bacteriology.
Int.J.Syst.Bacteriol.44:846−849を参照のこ
と)。
【0197】 属レベル:これは、サンプルは特定の属内にグループ化するようであるが、整
列は種レベルの一致を生成しなかったことを示す。属レベルの一致は、サンプル
種がMicroSeqデータベース中に含まれないことを示す。
【0198】 一致なし:これは、サンプルが、MicroSeqデータベース中で見出され
る任意の特定の属内に十分にグループ化しなかったことを示す。このような場合
に、サンプル配列を用いたGenBankおよびリボソームデータベースプロジ
ェクト(RDP)データベースの両方の検索を、より近い一致を得るために引続
いて実施した。サンプル配列が、これらのデータベースのいずれの内にも十分に
一致しない場合、これは、その16S rRNA遺伝子配列がデータベース中の
いずれにも存在しない新規な種を示し得る。
【0199】 以下の表15は、表形式でのパーセント遺伝子差異研究の結果を提供する。
【0200】 (表15)
【0201】
【表15】 16S rRNA配列相同性は、99%よりも大きく、そして種レベルの一致
の指標であることを見出された。
【0202】 (アミノペプチダーゼプロファイリング) アミノペプチダーゼのプロファイリングまたは活性を使用して、細菌および真
菌を種および亜種に区別し(例えば、Hughesら、1988、LacZY
gene modified peptidase activity inP
seudomonas aureofaciens.Phytopatholo
gy 78:1502;Hughesら、1989、Identificati
on of immobilized bacteria by aminop
eptidase profiling.Anal.Chem.61:1656
−1660を参照のこと)、ならびに寄生虫の生態学的地位を規定し、そして選
好性生物のための培地を開発した。時間決定の(time−resolved)
96ウェルプレート蛍光計の近年の開発は、細菌同定のためのペプチダーゼプロ
ファイルを得るための迅速かつ高感度な方法を提供する。Mossmanら、1
997.Aminopeptidase profiling using a
time−resolved,96−well plate filter
fluorometer.Appl.Spectroscopy 51:144
3−1446を参照のこと。
【0203】 アミノペプチダーゼのプロファイリングは、本明細書中に開示されるBaci
llus coagulansの新規な菌株と以前に公知で特徴付けられた菌株
(例えば、ATCC型菌株)との識別に関して効果的な手順であることが示され
た。
【0204】 (材料および方法) 開示されたアミノペプチダーゼのプロファイリング分析は、Mossmanら
、1997、Appl.Spectroscopy 51:1443−1446
によって示されたような方法論に従う。各Bacillus coagulan
s分離物を、Tryptic Soy Broth(TSB)寒天プレート上で
、このプレートを10mM pH7のリン酸緩衝液から洗浄する前に、24時間
、最初に培養した。以下の表16は、本発明に使用された種々のBacillu
s coagulans菌株の培養条件を示す。
【0205】 (表16)
【0206】
【表16】 培養後、96ウェルの平底で黒色のポリスチレンプレート(FluoroNu
nc;Nalge−Nunc,Naperville,IL)の各セルに0.5
mlを置く前に、細胞密度を、540nm(85% 透過率)での分光測光法に
よって2.5×106細胞/mlに調整した。各ウェルは、20個の非蛍光L−
アミノ酸−β−ナフチルアミド基質(Sigma Chemical CO.,
St.Louis,MI)のうちの1つを、1×10-4Mの終濃度で含んだ。3
00μlのマイクロプレートウェル容積の平衡は、250μlの10mM リン
酸緩衝液からなった。
【0207】 このプロファイルを生成するために使用した20個の異なるペプチダーゼ基質
は、以下のアミノ酸のβ−ナフチルアミドを含む:L−アラニン(ALA)、L
−アルギニン(ARG)、L−アスパラギン(ASN)、L−アスパラギン酸(
ASP)、L−システイン(CYS)、グリシン(GLY)、L−グルタミン酸
(GLU)、L−ヒスチジン(HIS)、L−イソロイシン(ILE)、L−ロ
イシン(LEU)、L−リジン(LYS)、DL−メチオニン(MET)、L−
フェニルアラニン(PHE)、L−プロリン(PRO)、L−セリン(SER)
、トランスヒドロキシ−L−プロリン(HPR)、L−トリプトファン(TRP
)、L−チロシン(TYR)、およびL−バリン(VAL)。β−ナフチルアミ
ン単独をまた、ポジティブコントロールとして使用した。細菌ブランク、基質ブ
ランク、および緩衝液ブランクをまた、ネガティブコントロールとしてアッセイ
手順に含めた。各細菌分離物の4つの複製を、4時間のインキュベーション期間
の後に泳動した。
【0208】 アミノペプチダーゼのプロファイルを、非蛍光βナフチルアミド基質由来の、
酵素的に加水分解した蛍光βナフチルアミド生成物の、時間決定のレーザー蛍光
計アッセイから得たデータを用いて構築した。時間決定96ウェルプレート蛍光
計は、密封されたチューブ、ブランクにガイドされる窒素レーザー、二又の光フ
ァイバーの励起部分を介した平底FluoroNunc 96ウェルプレートか
らなる。蛍光を、二又の光ファイバーの発光部分を用いて励起光線に対して00
の角度で収集した。389nmのカット−オンフィルターを使用して、931A
光電子増倍管を用いて検出する前に、所望の発光波長を選択した。総数25の蛍
光減衰を、Tektronix DSA 602デジタルオシロスコープによっ
て平均化し、そしてIEEE−488インターフェースカードを介してPCコン
ピューターに移し、ブランクの差引き後の相対的な蛍光の読み取りを得た。
【0209】 (実験結果) 有意な差異を、これらのBacillus coagulans菌株の酵素プ
ロファイルに検出し、これは、16S rRNA配列決定、GC−FAME、お
よびBiolog同定に関する他の方法では同一である。このデータを、以下に
列挙される各々のアミノペプチダーゼ酵素活性に関する蛍光強度をプロットする
ヒストグラム形式で、4つのBacillus coagulans菌株の各々
に関して示す。図9は、Bacillus coagulans 99%ATC
C分離体に関するアミノペプチダーゼ酵素活性の各々に対する蛍光強度のヒスト
グラムプロットを示し;図10は、Bacillus coagulans G
BI−1分離体に関するアミノペプチダーゼ酵素活性の各々に対する蛍光強度の
ヒストグラムプロットを示し;図11は、Bacillus coagulan
s GBI−30分離体に関するアミノペプチダーゼ酵素活性の各々に対する蛍
光強度のヒストグラムプロットを示し;そして図12は、Bacillus c
oagulans GBI−20分離体に関するアミノペプチダーゼ酵素活性の
各々に対する蛍光強度のヒストグラムプロットを示す。図9〜図12に示される
ように、特定のアミノペプチダーゼ各々およびコントロールを、番号1〜24を
用いて同定する。これらの番号は以下である:
【0210】
【化2】 番号12(リジンアミノペプチダーゼ)および番号22(β−ナフチルアミン、
100%コントロール)に対する活性は、「オフスケール(off−scale
)」であることが見出された場合、プロットしない。全ての細胞密度を、85%
Tで標準化した。
【0211】 図9〜図12に示される結果は、これらのBacillus coagula
ns分離体のアミノペプチダーゼプロファイルに存在する差異を、このプロフィ
ール内の全般的な類似性に関わらず、示す。例えば、20℃の分離体GBI−2
0(図12を参照のこと)は、プロリンアミノペプチダーゼの相対量における劇
的な逸脱を伴って、99%分離体(図9を参照のこと)に最も類似し;一方、3
0℃の分離体GBI−30(図11を参照のこと)は、1%分離体GBI−1(
図10を参照のこと)のパターンに非常に近接して類似するが、フェニルアラニ
ンアミノペプチダーゼの相対量が逸脱する。従って、この方法論は、これらBa
cillus coagulans菌株を迅速かつ効果的の両方で識別するため
に使用され得る。
【0212】 (胃腸のVREの阻害におけるBacillus coagulansの使用
) Bacillus coagulans栄養細菌および胞子のバンコマイシン
耐性Enterococci(VRE)コロニー形成を阻害する能力を試験した
。本発明の開示の前に、VREによる腸コロニー形成の量または持続期間のいず
れかの減少に利用可能な、有効な治療はなかった。例えば、多くの抗生物質は、
VREコロニー形成に対する非常に一過性の効果のみを有することを示している
。従って、VREコロニー形成の改善のために安全かつ有効な治療薬の開発は、
VRE感染の潜在的に致命的な結果、患者間のVRE感染、病院費、ならびに患
者および保健医療者の不便さを有意に軽減する役割を果たす。
【0213】 (材料および方法) マウスモデル(VRE腸コロニー形成の持続に対する種々の抗生物質の効果を
研究するために初めに開発した)を、これらの実験に用いた。総計33匹のマウ
スを用いる、実験の2つのセットを行った。約5×108VREを経口強制飼養
により投与する一方で、クリンダマイシンを毎日、5日間、同時に皮下投与する
ことにより、高レベルのVREコロニー形成を33匹全てのマウスにおいて確立
させた。この方法は、一貫して、マウスにおける高レベルのVREの致死的コロ
ニー形成の発生を生じる(平均=9log10CFU/1gの糞)。
【0214】 次いで、これらのマウスを、3つの実験群に分け、そして以下の薬剤を投与し
た:群1=生理食塩水、経口強制飼養により、4日間(総計11匹のコントロー
ルマウス);群2=Bacillus Coagulans一晩の培養、約1×
107の栄養細菌生物、経口強制飼養により、4日間(総計17匹のコントロー
ルマウス);および群3=Bacillus Coagulans胞子、約1×
107の生物、経口強制飼養により、4日間(総計5匹のコントロールマウス)
。糞サンプルを、実験の間、3〜5日間隔で収集して、VREおよびBacil
lus coagulansのレベルを決定した。糞サンプルをホモジナイズし
、生理食塩水中で連続希釈し、そしてVREの定量のためのenterococ
cosel選択寒天またはBacillus coagulansの定量のため
の6μg/mlのアズトレオナムおよび6μg/mlのナイスタチンを含むBH
I寒天上にプレートした。VREがサンプル中で検出されない場合、検出の下限
を割り当てた。
【0215】 (予備的な微生物学の結果) Kirby−Bauer抗菌性感受性試験: 以下に対する感受性: アンピシリン、シプロフロキサシン、トリメトプリム−スルファメトキサゾール
、リファンピン、エリトロマイシン、バンコマイシン、ゲンタミシン、およびオ
キサシリン 以下に対する中間の感受性:テトラサイクリン Vitek機器(Machine)に基づく感受性試験: 以下に対する感受性: ペニシリン、バンコマイシン、ゲンタマイシン(500μg/ml)、ストレプ
トマイシン(2,000μg/ml)、ニトロフラントイン、ノルフロキサシン
、およびクロラムフェニコール 以下に対する耐性: テトラサイクリン ニトロセフィン(nitrocefin)試験: 陽性の低レベルのβラクタマーゼ産生 (マウスのコロニー形成) Bacillus coagulansを8匹のマウスに与えて、引き続く正
式な実験において用いる用量を決定した。全てのマウスを、Bacillus
coagulansの投与の前に、高レベルのVRE(>9log10CFU/糞
1g)を用いてコロニー形成させた。コントロールマウスは処置を受けなかった
。Bacillus coagulansを、胃強制飼養により、以下の3つの
異なる用量で、毎日投与した:1.5×106CFU/kg=通常のヒト用量、
2.5×108CFU/kg、および3.5×109CFU/kg。糞におけるV
REのレベルを、5日後に決定した。これらの予備研究の結果を以下の表17に
示す。
【0216】
【表17】 *VREのレベルを5×108CFU Bacillus coagulans/
kg/日を用いて処置した2/3マウスについて、検出のレベルより下(<1.
7log10CFU/g)だった。
【0217】 前述のコロニー形成方法論の使用により、高レベルのVREコロニー形成をマ
ウスの全てにおいて確立した(すなわち、7.1〜10.2log10VRE/糞
1g)。生理食塩水コントロールマウスおよびBacillus coagul
ansマウスに存在するVREの初期レベルは、有意に異ならなかった。VRE
のレベルは、クリンダマイシンを中止した後の生理食塩水コントロールマウスの
全てにおいて漸進的に下降した(以前の実験と一致する)。
【0218】 生理食塩水コントロールと比較して、VREのレベルは、Bacillus
coagulansを与えたマウスにおいてより急速に下降した。クリンダマイ
シンを中止した5日後(Bacillus coagulans治療の4日後)
に、VREの平均レベルが、生理食塩水コントロールにおける6.7log10
RE/1gの糞と比較して、5.3log10VRE/1gの糞であることを見出
した。これは、VREレベルにおける25倍の低下を示した(p<0.05)。
クリンダマイシンを中止した8日後(Bacillus coagulans治
療を完了した4日後)に、VREの平均レベルが、生理食塩水コントロールにお
ける4.3log10VRE/1gの糞と比較して、2.9log10VRE/1g
の糞であることを見出した。これは、VREレベルにおける28倍の低下を示し
た(p<0.05)。Bacillus coagulans処置したマウスの
35%(6/17動物)は、クリンダマイシンを中止した8日後にVREのレベ
ルを検出できなかった一方、生理食塩コントロールは、この時点でVREのレベ
ルを全く検出できなかった(p<0.05)。Bacillus coagul
ans胞子を与えた5匹のマウスの糞に存在するVREの平均レベルもまた、生
理食塩水コントロールマウスにおけるレベルよりも有意に低かった(p<0.0
5)が、これら5匹のマウスはVREレベルを検出できなかった。
【0219】 Bacillus coagulansを与えたマウスの全ては、4日の治療
(範囲3.1〜6.4log10CFU/1gの糞)の1日後のこれらの糞におけ
るBacillus coagulansのレベルを検出できず、そしてこれら
のマウスの全ては、治療の完了の4日後のそれらの糞において検出可能な、低レ
ベルのBacillus coagulansをまだ有した。
【0220】 これらの研究は、Bacillus coagulansの経口投与(栄養細
菌および胞子の両方の形態)が、生理食塩水コントロールと比較して、コロニー
形成マウスの糞におけるVREのレベルの有意な低下を生じたことを実証した。
この結果(これを、このマウスモデルの使用により得た)は、VREコロニー形
成ヒト患者を試験した種々の研究における知見と十分に相関する。従って、この
確立したマウスモデルは、VREコロニー形成を排除するように設計した薬剤の
効果を研究する手段を提供する。Bacillus coagulansを与え
たマウスの35%は、治療の完了の4日後のVREのレベルを検出できなかった
。比較として、生理食塩水を与えたマウスの全ては、VREを含まなかった。生
理食塩水処置マウスと比較して、Bacillus coagulans処置マ
ウスで、平均で、VREのレベルの25〜28倍の低下を観察した。さらに、B
acillus coagulansを与えた65%のマウスは、本来の接種の
約50倍に等しいVREの減少を有した。従って、試験マウスの全ては、有意な
VRE負荷の低下(2−logVRE減少を示すマウスの60%、ならびにマウ
スの糞におけるVREの統計的に0%の回復を有するEnterococciの
完全な根絶を有する40%を伴う)を有した。これらの結果は、Bacillu
s coagulans治療が、ヒト患者におけるVREコロニー形成のレベル
および持続の両方を改善するのに有効な手段であることを示唆する。
【0221】 Bacillus coagulansによるVREの阻害は、Bacill
us coagulansのようなプロバイオティック(probiotic)
細菌を用いるにもかかわらず、伝統的な阻害の機構のいずれも関与しないように
見える。以前に議論したように、微生物の排除のための酸産生Bacillus
を用いた2つの主な機構が存在する。これらの機構、以下である: 競合的阻害または排除:これは、ほとんどのBacillusが、基質および微
量鉱物についての他の生物を凌ぐ競合の能力である。 微小環境改変(Micro−Enviroment Modification
):これは、酸(例えば、乳酸、酢酸など)の産生または抗菌特性を有する他の
薬剤による細菌の細胞膜の、物理学的もしくは生化学的特性または活性を変化さ
せるように通常働く。
【0222】 VREレベルの劇的な低下(すなわち、60%の有効な群および総根絶群の4
0%における2−log)が存在したが、結果は、処置群のBacillus
coagulans濃度に対応する増加が存在しなかったことを示す(1gのマ
ウス糞あたりのCFUで示した)。1つの実験群が、別の成功した実験群よりも
よい結果を実質的に示したと考えられる(しかし、それを正当化するような対応
するBacillusの計数を伴わなかった)。従って、これらの結果は、Ba
cillus coagulansによる競合的阻害が、この研究におけるVR
Eレベルの軽減を生じる機構ではないことを示唆する。
【0223】 さらに、Enterococciがこの微小環境(micro−enviro
ment)のpHにおける変化により阻害されないこともまた、公知である。例
えば、Enterococcus faecium(これは、ほとんど(全てで
はないとしても)VREの輸送および感染の原因となるEnterococcu
s種である)は、動物生産工業においてプロバイオティックとして使用される。
この生物体、それ自身は、乳酸のD−光学異性体を産生し、Lactobaci
llusおよびBifidiobacteriumとともに一般に同時投与され
、これらは、乳酸のL−光学異性体を生じる。従って、Enterococcu
s faeciumは、乳酸産生生物体(乳酸の光学異性体を問わず産生する)
により影響されない。従って、細菌のコロニー形成を阻害するためにプロバイオ
ティック細菌(微小環境が変化する)により使用される第2の方法が、Baci
llus coagulansによるVREの阻害において役割を果たすとは考
えられない。上述の実験結果に起因して、Bacillus coagulan
sによるVREの改善が、Bacillusによる1つ以上の抗細菌試薬の産生
に起因すると考えられている。この抗細菌試薬は、有機分子(単数または複数)
および/または熱耐性タンパク質(単数または複数)であり得る。
【0224】 VREの増殖を阻害するための組成物は、未精製または半精製形態(semi
−purified form)のいずれかの中での培養培地(上清)との組み
合せにおける、Bacillus coagulans栄養細菌および/または
胞子の広い濃度(すなわち、1×109〜1×1011CFU)を含む。これは、
である。Bacillus coagulans栄養細胞および/または胞子と
ともにある場合、この培養培地はまた、FDAによりGRAS分類と名付けられ
た。全容積を減少させるために、この培地は部分的にまたは全体的に凍結乾燥さ
れ得る。従って、この栄養細菌/胞子およびいくつかの型の上清の構成成分の両
方の併用投与は、全ての可能性のあるプロバイオティック阻害機構(すなわち、
抗生作用、寄生、競合阻害および微小環境/pH変更)が、上述の治療的組成物
の投与により包含されたことを保証するために役立つ。
【0225】 先に前出で議論されるように、Bacillus coagulans培養培
地は、細胞外産物(単数または複数)を含むことが示された。この産物は、細菌
により産生され、そして分泌される。これは、細菌、真菌、酵母、およびウイル
スに対する顕著な抗菌特性を持つ。これらの抗菌特性を担う1つ以上の試薬の精
製のための方法論はまた、現在開発中である。従って、本発明の好ましい実施形
態は、これらの細胞外産物(単数または複数)の未精製または半精製形態のいず
れかのとの組み合せにおける、Bacillus coagulans栄養細菌
および/または胞子の広い濃度(すなわち、1×109〜1×1011CFU)を
含む。
【0226】 Bacillus coagulans治療はまた、VREのほかの株を阻害
するために有用である。同様に、Bacillus coagulansを、使
用して、病原性生物体(例えば、Candida種、Salmonella、凝
固酵素陰性のStaphylococci、および多耐性グラム陰性桿体(例え
ば、Klebsiella種およびEscherichia coli.))の
コロニー形成のレベルを阻止または改善する。
【0227】 (等価物) 本発明の特定の実施形態の前述の詳細な説明から、胃腸管内病因およびそれら
に関連する疾患の予防および処理のための、乳酸産生細菌(好ましくは、Bac
illus coagulans)の利用のための独特な方法論が、開示されて
いることが容易に明らかであるべきである。特定の実施形態が、本明細書中に詳
細に開示されているが、これは、例示のみの目的ために実施例としてなされてお
り、そして添付された特許請求の範囲に関する制限として意図されない。特に、
種々の置換、変更および改変が、特許請求の範囲により規定されるような本発明
の精神および範囲から逸脱することなく本発明に対してなされ得ることが、本発
明者らにより意図される。例えば、本発明の治療組成物に利用される特定の抗生
物質の選択は、本明細書中に記載される実施形態の知見を鑑みて、当業者に慣用
的な事項であると考えられる。
【0228】 他の実施形態は添付の特許請求の範囲の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 トリプチカーゼダイズブロス(TSA)またはグルコース酵母抽出物(GYE
)の培地の何れかにおける、Bacillus coagulans 1%分離
体(GBI−1);ATCC−99%分離体(ATCC第31284号);59
37−20℃分離体(GBI−20);および5937−30℃(GBI−30
)についての、最小培養温度および至適培養温度を示す棒グラフである。
【図2】 図2は、1% Bacillus coagulans株(GBI−1)の末
端点の反応速度論を示す棒グラフである。
【図3】 図3は、ATCC−99% Bacillus coagulans株(AT
CC第31284号)の末端点の反応速度論を示す棒グラフである。
【図4】 図4は、5937−20℃ Bacillus coagulans株(GB
I−20)および5937−30℃ Bacillus coagulans株
(GBI−30)のTSBおよびGYEの培地との末端点の反応速度論を示す棒
グラフである。
【図5】 図5は、5937−20℃ Bacillus coagulans株(GB
I−20)および5937−30℃ Bacillus coagulans株
(GBI−30)のNBおよびBUGMBの培地との末端点の反応速度論を示す
棒グラフである。
【図6】 図6は、Bacillus coagulans ATCC−99%分離体(
ATCC第31284号)についての、他のBacillus種との整列、近接
結合系統樹および簡略な整列分析の結果を示す図である。
【図7】 図7は、Bacillus coagulans 20℃分離体(GBI−2
0).についての、他のBacillus種との整列、近接結合系統樹および簡
略な整列分析の結果を示す図である。
【図8】 図8は、Bacillus coagulans 30℃分離体(GBI−3
0).についての、他のBacillus種との整列、近接結合系統樹および簡
略な整列分析の結果を示す図である。
【図9】 図9は、Bacillus coagulans ATCC−99%分離体(
ATCC第31284号)についてのアミノペプチダーゼのプロファイルの結果
を示す棒グラフである。
【図10】 図10は、Bacillus coagulans ATCC−1%分離体(
GBI−1)についてのアミノペプチダーゼのプロファイルの結果を示す棒グラ
フである。
【図11】 図11は、Bacillus coagulans ATCC−30℃分離体
(GBI−30)についてのアミノペプチダーゼのプロファイルの結果を示す棒
グラフである。
【図12】 図12は、Bacillus coagulans ATCC−20℃分離体
(GBI−20)についてのアミノペプチダーゼのプロファイルの結果を示す棒
グラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 17/00 A61P 17/00 31/04 31/04 //(C12N 1/20 C12N 1/20 E C12R 1:07) C12R 1:07 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4B065 AA15X AA30X BA22 BC02 BC03 CA02 CA44 4C087 AA01 AA02 BC56 BC64 CA09 CA10 MA52 MA55 MA56 MA57 MA58 MA59 MA63 NA14 ZA66 ZA89 ZB35

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分離されたBacillus株を含む組成物であって、該株
    は: (a)乳酸を生成し、 (b)20−44℃の範囲の至適増殖温度を有し、そして (c)2−5のpH範囲で増殖する、 組成物。
  2. 【請求項2】 前記株は、L(+)右旋性乳酸を生成し、そして約90℃ま
    での温度に耐性の胞子を生成する、請求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 前記株は、Bacillus coagulans、Bac
    illus stereothermophilus、Bacillus th
    ermoacidurans、Lactobacillus sporogen
    es、Bacillus smithii、Bacillus dextrol
    acticus、Lactobacillus cereale、および Ba
    cillus recemilacticusからなる群より選択される、請求
    項1に記載の組成物。
  4. 【請求項4】 前記株は、Bacillus coagulansである、
    請求項1に記載の組成物。
  5. 【請求項5】 前記株は、Bacillus coagulans GBI
    −1、Bacillus coagulans GBI−20、Bacillu
    s coagulans GBI−30およびBacillus coagul
    ans GBI−40からなる群より選択される、請求項1に記載の組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の組成物に由来する、細胞外産物。
  7. 【請求項7】 分離されたBacillus株を含む組成物であって、該株
    は、乳酸を産生し、そして20−25℃の範囲の至適増殖温度を有する、組成物
  8. 【請求項8】 前記株は、L(+)右旋性乳酸を産生し、そして約90℃ま
    での温度に抵抗性の胞子を産生する、請求項7に記載の組成物。
  9. 【請求項9】 前記株は、Bacillus coagulans、Bac
    illus stereothermophilus、Bacillus th
    ermoacidurans、Lactobacillus sporogen
    es、Bacillus smithii、Bacillus dextrol
    acticus、Lactobacillus cerealeおよびBaci
    llus recemilacticusからなる群より選択される、請求項7
    に記載の組成物。
  10. 【請求項10】 前記株は、Bacillus coagulansである
    、請求項7に記載の組成物。
  11. 【請求項11】 前記株は、Bacillus coagulans GB
    I−20である、請求項7に記載の組成物。
  12. 【請求項12】 請求項7に記載の組成物に由来する、細胞外産物。
  13. 【請求項13】 分離されたBacillus株を含む組成物であって、該
    株は、乳酸を産生し、25−35℃の範囲の至適増殖温度を有する、組成物。
  14. 【請求項14】 前記株は、L(+)右旋性乳酸を産生し、そして約90℃
    までの温度に対して抵抗性の胞子を産生する、請求項13に記載の組成物。
  15. 【請求項15】 前記株は、Bacillus coagulans、Ba
    cillus stereothermophilus、Bacillus t
    hermoacidurans、Lactobacillus sporoge
    nes、Bacillus smithii、Bacillus dextro
    lacticus、Lactobacillus cereale、およびBa
    cillus recemilacticusからなる群より選択される、請求
    項13に記載の組成物。
  16. 【請求項16】 前記株は、Bacillus coagulansである
    、請求項13に記載の組成物。
  17. 【請求項17】 前記株は、Bacillus coagulans GB
    I−30である、請求項13に記載の組成物。
  18. 【請求項18】 請求項13に記載の組成物に由来する、細胞外産物。
  19. 【請求項19】 分離されたBacillus株を含む組成物であって、該
    株は、乳酸を産生し、そして35−40℃の範囲の至適増殖温度を有する、組成
    物。
  20. 【請求項20】 前記株は、L(+)右旋性乳酸を産生し、そして約90℃
    までの温度に対して抵抗性の胞子を産生する、請求項19に記載の組成物。
  21. 【請求項21】 前記株は、Bacillus coagulans、Ba
    cillus stereothermophilus、Bacillus t
    hermoacidurans、Lactobacillus sporoge
    nes、Bacillus smithii、Bacillus dextro
    lacticus、Lactobacillus cereale、およびBa
    cillus recemilacticusからなる群より選択される、請求
    項19に記載の組成物。
  22. 【請求項22】 前記株は、Bacillus coagulansである
    、請求項19に記載の組成物。
  23. 【請求項23】 前記株は、Bacillus coagulans GB
    I−40である、請求項19に記載の組成物。
  24. 【請求項24】 請求項19に記載の組成物に由来する細胞外産物。
  25. 【請求項25】 病原性細菌感染を阻害する方法であって、請求項1に記載
    の組成物に感染部位を接触する工程を包含する、方法。
  26. 【請求項26】 病原性細菌感染を阻害する方法であって、Bacillu
    s coagulans組成物に感染部位を接触させる工程を包含する、方法。
  27. 【請求項27】 前記感染部位は、胃腸管である、請求項26に記載の方法
  28. 【請求項28】 前記感染部位は、皮膚または粘膜である、請求項26に記
    載の方法。
  29. 【請求項29】 前記組成物は、生存する栄養細菌細胞を含む、請求項26
    に記載の方法。
  30. 【請求項30】 前記組成物は、細菌胞子を含む、請求項26に記載の方法
  31. 【請求項31】 前記組成物は、Bacillus coagulansの
    細胞外産物を含む、請求項26に記載の方法。
  32. 【請求項32】 前記組成物は、10mg−10g/日の用量で投与される
    、請求項26に記載の方法。
  33. 【請求項33】 前記組成物は、1×102−1×1014の生存する栄養細
    菌細胞/日の用量で投与される、請求項29に記載の方法。
  34. 【請求項34】 前記組成物は、1×102−1×1014の胞子/日の用量
    で投与される、請求項30に記載の方法。
  35. 【請求項35】 前記組成物は、経口、経頬、局所、経膣、経鼻、経眼また
    は経耳で投与される、請求項26に記載の方法。
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