JPH09192702A - 突起付き溝形鋼の製造方法 - Google Patents

突起付き溝形鋼の製造方法

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JPH09192702A
JPH09192702A JP612896A JP612896A JPH09192702A JP H09192702 A JPH09192702 A JP H09192702A JP 612896 A JP612896 A JP 612896A JP 612896 A JP612896 A JP 612896A JP H09192702 A JPH09192702 A JP H09192702A
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JP612896A
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English (en)
Inventor
Takashi Ariizumi
孝 有泉
Masayuki Horie
正之 堀江
Yukio Takashima
由紀雄 高嶋
Etsuo Azuma
悦男 東
Teruo Fujibayashi
晃夫 藤林
Masahisa Fujikake
政久 藤掛
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JFE Engineering Corp
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 常電導磁気浮上型リニアモーターカー交通シ
ステム用レールに用いる、幅方向断面が略F形の突起付
き溝形鋼の能率的、経済的な製造方法を得る。 【解決手段】 上下非対称の孔型ロールを用いて、1)
幅方向断面において、略H形の粗造形材11とし、2)
上下左右非対称の孔型ロールを用いて、第一のフランジ
101の片側を圧下して消滅させその部分の鋼を他の部
分に送り込み略h形とし、3)その工程の途中に、圧延
終了後の冷却時に曲がり(キャンバー)が発生すること
を防止するため、鋼片の内部の温度差を一定値以下とす
るための略h形の3重点の第二の接合部(205)近傍
の部分冷却を行い、4)上下左右非対称の孔型ロールを
用いて、略h形の上に突き出た部分の第三の変形フラン
ジ(103)を、ウェブ(200)の幅方向を延長した
方向に曲げ加工を加え略F形の断面とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば、図6に
示す様な常電導磁気浮上型のリニアモーターカー交通シ
ステム用レールの様に、幅方向断面(以後、単に断面と
記す)において、上下左右に非対称な略F形(回転した
形、線対称の形も含む)の突起付き溝形鋼(以後、F形
鋼と記す)の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】F形鋼の用途として最近注目されている
ものに、常電導磁気浮上型のリニアモーターカー交通シ
ステム(以後、本発明においてはリニアモーターカー交
通システムとは、この形式のものを指すものとする。ま
た、単にリニアモーターカーシステムと記す。さらに、
リニアモーターカーシステム用レールは、リニアモータ
ーカー用レールと記す。)に使用されるレールがある。
【0003】このリニアモーターカーシステムは、既に
実用段階に入っており、それに使用されるレールも今後
相当量に及ぶ予定であるが、従来のレールとはまったく
異なった形状であり、また要求される特性も異なる。
【0004】図11(a)にリニアモーターカーシステ
ムにおける全体断面図、図11(b)にレールと主脚の
拡大断面図を示す。501は車体、502はレール、5
03は主脚である。このシステムはレールに保持された
地上側の磁石(あるいはレールそのものが磁石となる場
合もある)と車体側の磁石との吸引力により,車体を浮
上させる形式であり、レールには車体に推力を与えるこ
と(リアクションプレートにより)、車体を一定間隔で
浮かせること(保持すること)、および車体の横方向の
位置決めを行う働きがある。
【0005】これらの働き自体は通常のレールと同様で
あるが、レールと車体側(従来の電車の車輪に対応する
部分)が通常は接触しないため、当然、レールの材質や
形状は大きく異なっている。特にこのシステムにおいて
は、従来のレールのように路盤でレールを下部より保持
する形式ではなく、図示した様に主桁の両側に張り出し
て、レールを片持ち梁の形態で保持する形式が採用され
ることが多いため、形状はより複雑になる。
【0006】図6はレールの断面図(本発明の方法、す
なわち圧延法による。)であるが、400はリアクショ
ンプレートの取付け部(以後、プレート取付け部と記
す)、401は外側横方向案内部(以後、外案内部と記
す)、403は主桁連結部、402は内側横方向案内部
(以後、内案内部と記す)である。
【0007】リアクションプレートは、車体の推力を与
えるもので、プレート取付け部には十分な平坦性が要求
される。外案内部および内案内部は車体側の磁石と共
に、車体浮かせる作用(縦方向の位置決め)と横方向の
位置決めを行う作用を持つ。主桁連結部はレールを主桁
に固定する作用を持つため、強度、靱性に対する要求が
特に厳しい。また、全体として、寸法精度が高いこと、
曲がりや捩れ等が少ないことが要求されることはもちろ
んである。
【0008】外案内部は、プレート取付け部の主桁連結
部に対して逆側の1端の下面より、下方向に、やや外側
(主桁連結部の逆側)に向かって傾斜した側面を持ち、
断面は略平行四辺形である。内案内部は、プレート取付
け部の主桁連結部側の一端の下面より、下方向に延びて
おり断面は台形である。外案内部および内案内部の各側
面の垂直方向からの傾きは5〜15°である。この角度
は圧延法により製造する場合にはロール抜きのために必
要である。
【0009】主桁連結部は厚さがプレート取付け部より
やや薄く、その上下面はプレート取付け部の上下面と各
々平行である。また、主桁連結部の上下面は、プレート
取付け部の上下面に対して内案内部の側に位置してい
る。
【0010】上記した様な左右上下に非対称でかつ複雑
な形状の形鋼は、従来、圧延法による製造が困難とされ
てきた。H形鋼等の鋼材は圧延法で作られているが、そ
の大部分は上下左右に対称であり、圧延法により製造す
ることが比較的簡単である。これに対して、この、リニ
アモーターカー用レールの様な著しく非対称、かつ複雑
な形状の鋼材を最終製品に近い形にまで、圧延法により
製造することは極めて困難である。
【0011】そのため、ある程度近似した形状にまで圧
延法で製造し、残部を機械加工により切削除去する方法
も採用されてきた。この場合は後に述べる溶接ビルトア
ップ法と異なり内質は均一であるが、非能率かつ高コス
トの切削加工等の量が多く、経済性が著しく劣る。な
お、この方法は圧延法では外案内部や内案内部の高さが
十分に確保できないため、また、寸法精度も確保できな
いために採られた苦肉の策でもある。
【0012】熱間押し出し法はこの様な非対称で、かつ
複雑な形状の形鋼の製造に適した方法とされている。た
とえば、製鉄研究誌、第275号、(1972)、第3
8頁〜第41頁には、フォークリフトのマスト用形鋼と
して、突起付き溝型鋼の製造方法が記載されている。こ
の方法は目的とする断面形状に合ったダイスを用い、ビ
レットを押し出し加工して、そのまま製品の形状とする
ものである。
【0013】しかし、ダイスや潤滑材のコストが高く、
クロップが多くなり歩留りも低く、製造能率も低い。ま
た、製品の肉厚が薄い場合は押し出し加工が困難であ
り、製品の長さも制限される。さらに、熱間押し出し時
に複雑な曲がりや捩れ変形が発生しやすく、矯正量の多
いこともコストアップの大きな要因である。
【0014】上記の様な理由により、この様な複雑な形
状の形鋼を製造する従来方法は、図12に示す様な溶接
によるビルトアップ法(組み立て法)が一般的であっ
た。この方法は各部を構成する鋼片を圧延鋼板(シート
バー)より、切断、切削等の方法で採取し、溶接により
組み立てるものである。
【0015】しかし、この溶接ビルトアップ法は少量生
産の場合には実用的とも言えるが、著しいコストと工数
がかかり、大量生産向きのプロセスではない。また、組
織が均一でない、形状がバラツク、長い製品の製造が困
難等の欠点も持っている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】以上に示した様に、リ
ニアモーターカー用レールに用いる様な、F形鋼の従来
の製造方法は、いずれも著しい手間がかかり、生産能率
も低く、また歩留りも低く、経済性の劣るものである。
さらに、内質が均一でない、十分に長い製品が作れな
い、大きな矯正が必要と言った性能面の欠点も有してい
る。
【0017】したがって、内質が均一で、寸法精度にも
優れ、十分に長い製品を経済的に、かつ高能率に製造す
る方法が求められてきた。そして、圧延法が好ましいと
は考えられてはいたが、複雑な形状の製品を精度よく、
最終製品に近い形状にまで圧延法で成形し、しかも、圧
延後の冷却時の変形が少ない製造方法は未完成であっ
た。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
ような複雑な形状のリニアーモータカー用レール等に用
いる様な、F形鋼の圧延法による製造方法の確立を目指
し、研究を重ね本発明を完成させたもので、製造工程を
最適化することにより、成形後に大量の機械研削等を必
要とせず、また、冷却後に大きな矯正も必要としないF
形鋼を製造する技術を確立した。
【0019】第1手段は、高温に加熱した幅方向断面が
略矩形の鋼片の、相対する二面の中央部近傍を圧下する
形状の孔型を有するロールにより、ウエブとその両側の
第一のフランジおよび第二のフランジからなる略H形の
断面の鋼材を形成し、上下左右非対称の孔型を有するロ
ールにより、前記略H形の断面の鋼材の、前記第一のフ
ランジの片側を高さ方向に圧下して、その部分を他の部
分に送り込んで実質的に消滅させ、残った片側を第一の
変形フランジとし、ウェブと前記第一の変形フランジと
の接合部を第一の接合部とし、前記第二のフランジの、
前記第一の変形フランジと略同方向に延びた片側を、第
二の変形フランジとし、前記第二のフランジの、前記第
二の変形フランジの逆方向に延びた片側を、第三の変形
フランジとし、ウェブと前記第二の変形フランジ、およ
び前記第三の変形フランジとの接合部を、第二の接合部
とした略h形の断面の鋼材を形成し、前記略h形の断面
を持つ鋼材に成形中または/および成形後に、前記略h
形の鋼材の前記第二の接合部およびその近傍を冷却し、
上下左右非対称の孔型を有するロールにより、前記第三
の変形フランジをウェブの幅方向を略延長する方向に曲
げて、突起を形成させ略F形とする突起付き溝形鋼の製
造方法である。
【0020】また、第2手段は、高温に加熱した幅方向
断面が略矩形の鋼片の、相対する二面の中央部近傍を圧
下する形状の孔型を有するロールにより、ウエブとその
両側の第一のフランジおよび第二のフランジからなる略
H形の断面の鋼材を形成し、上下左右非対称の孔型を有
するロールにより、前記略H形の断面の鋼材の、前記第
一のフランジの片側を高さ方向に圧下して、その部分を
他の部分に送り込んで実質的に消滅させ、残った片側を
ウェブとのなす角度が95〜105°の範囲内にある、
断面が略平行四辺形の第一の変形フランジとし、ウェブ
と前記第二の変形フランジとの接合部を第一の接合部と
し、前記第二のフランジの前記第一の変形フランジと略
同方向に延びた片側を、ウェブとの接合部の厚さは厚
く、先端部の厚さは該接合部より薄く、ウェブとのなす
角度が95〜105°の範囲内にある、断面が略等脚台
形の第二の変形フランジとし、前記第二のフランジの、
前記第二の変形フランジと逆方向に延びた片側を、ウェ
ブとのなす角度が95〜125°の範囲内にある、断面
が略平行四辺形の第三の変形フランジとし、ウェブと前
記第二の変形フランジ、および前記第三の変形フランジ
との接合部を、第二の接合部とした略h形の断面の鋼材
を形成し、前記略h形の断面を持つ鋼材に成形中または
/および成形後に、前記略h形の鋼材の前記第二の接合
部およびその近傍を冷却し、上下左右非対称の孔型を有
するロールにより、前記第三の変形フランジをウェブの
幅方向を略延長する方向に曲げて、突起を形成させ、略
F形とする突起付き溝形鋼の製造方法である。
【0021】本発明の特徴は、図1に工程の概略を示す
様に、鋼片(15)をウェブ(100)、第一のフラン
ジ(101)、第二のフランジ(102)よりなる略H
形断面の粗造形材(11)とし、閉塞孔型ロールによ
り、第一のフランジ(101)の上部を圧下し、それを
実質的に消滅させ、ウエブ(200)と第一の変形フラ
ンジ(201)とそれらの接合部である第一の接合部
(204)、第二の変形フランジ(202)および第三
の変形フランジ(203)およびそれらとウェブ(20
0)との接合部である第二の接合部(205)を有する
略h形(線対称形も含む。椅子形)とし、その後に上に
突き出た部分(椅子の背もたれの部分)、すなわち第三
の変形フランジ(203)を水平方向に折り曲げ突起
(303)とし、略F形の鋼片とするものである。
【0022】この様な工程を経ることにより、略h形の
脚の部分である第一の変形フランジ(201)、第二の
変形フランジ(202)、第三の変形フランジ(20
3)の長さ(高さ)も十分に確保でき、第一の変形フラ
ンジ(201)とウエブ(200)との第一の接合部
(204)の角落ちも防止できる。
【0023】ところで、上記の工程により製造したF形
鋼はその形状に加工した後には、通常は空冷をされてい
た。鋼片の内部の温度分布は圧延初期においては比較的
均一であるが、工程を経るに従って冷却のされ方や加工
発熱等の影響により、位置による差が大きくなる。
【0024】この内、前者の冷却のされ方の影響が大き
く、例えば第一の接合部(204)と、第二の接合部
(205)の温度を比較すると、工程を経るにしたがっ
て鋼の量が多い第二の接合部(205)の温度が、鋼の
量が少ない第一の接合部(204)に比較して高くな
る。
【0025】この温度差を持った鋼片を最終圧延後に冷
却すると、高温で仕上がった第二の接合部(205)の
熱収縮量が大きくなり、仕上がり温度が低い第一の接合
部(204)側を外円とする材料曲がり(キャンバー)
が発生する。したがって、圧延仕上がり時に、第一の接
合部(204)と第二の接合部(205)の温度差を一
定値以下にしておく必要があり、そのためには圧延の中
間段階(途中)で第二の接合部(205)の温度を下げ
る冷却を行う必要がある。
【0026】冷却の時期は早過ぎると、後の工程で再び
温度差が大きくなる。圧延中の材料の姿勢、ならびに断
面寸法から、略H形より略h形に成形する工程の内、第
1中間圧延工程の後期、または第2中間圧延工程が好ま
しいが、最終圧延工程の前期において行っても良い。複
数回に別けて行っても良いのは当然である。
【0027】
【実施例】本発明の実施例を、リニアモーターカー用レ
ールに用いるF形鋼を例として説明する。
【0028】図2および図3において、粗圧延工程(K
14〜K11)は、図3における粗圧延機(ブレイクダ
ウンミル:BD)31の上下水平孔型ロール(K14〜
K11)により、連続鋳造法または、造塊、分塊圧延法
による鋼片(15)を素材として、粗圧延材(11)に
造形する工程である。
【0029】孔型ロール(K14〜K12)は左右対称
であるが、上孔型ロール(K14U〜K12U)と、下
孔型ロール(K14L〜K12L)は非対称である。
(図に示した様に、上側のロールにはUを、下側のロー
ルにはLを付ける)
【0030】孔型ロール(K14〜K12)による圧延
においては、図6に示す断面図において、主桁連結部と
なる部分を初期造形段階より確保するため、上孔型ロー
ル(K14U)、および上孔型ロール(K13U)によ
ってまず割り込みを行い、上孔型ロール(K12U)に
より、主桁連結部となる部分を押し広げる。
【0031】孔型ロール(K11)は上孔型ロール(K
11U)と、下孔型ロール(K11L)が非対称であ
り、かつ、各々のロールも左右非対称である。なお、以
後の工程に使用する孔型ロールは何れも、孔型ロール
(K11)と同様に上下、左右共に非対称である。孔型
ロール(K11)の圧延により、粗造形材(12)をウ
ェブ(100)、第一のフランジ(101)、第二のフ
ランジ(102)よりなる略H形断面の粗造形材(1
1)とする。
【0032】第二のフランジ(102)の上側は後の工
程で主桁連結部(403)となる部分であり、孔型ロー
ル(K10)以降の圧延において高さを確保する必要が
あり、この部分に対応するロール孔はリブホールとす
る。このため、孔型ロール(K11)では鋼の量と形状
の確保のためデッドホールとする。
【0033】第一のフランジ(101)の上側は中間圧
延工程(K10)以降の圧延工程においては、カウンタ
ーフランジ部であり、この部分は後に略h形に成形する
過程で消滅し、後に第二の変形フランジ(202)およ
び第三の変形フランジ(203)となる第二のフランジ
(102)等の肉量の確保と、孔型ロール(K11)の
噛み出し防止の作用を持つ。第一のフランジ(101)
の下側は外案内部(401)、第二のフランジ(10
2)の上側は主脚連結部(403)に、下側は内案内部
(402)となる部分である。
【0034】粗圧延工程で略H形に圧延した粗造形材
(11)を、次に中間圧延工程(K10〜K5)に送
る。中間圧延工程には、図3に示した第1中間圧延機
(SP1)32、第2中間圧延機(SP2)33を用い
る。いずれも上下左右非対称の閉塞孔型ロール(K10
〜K5)より構成されている。なお、これらの工程にお
ける圧延は、粗圧延工程と異なりいずれも1パス圧延で
ある。
【0035】中間圧延工程では、第一のフランジ(10
1)の上側を徐々に圧下して減少させ、他の部分の鋼の
量と高さの確保を図る。なお、第一のフランジ(10
1)の上側には、この部分の角落ちを防止する働きも行
わせている。
【0036】第一のフランジ(101)の下側から成形
される、第一の変形フランジ(201)は、ロール抜き
のために、ウエブと95〜105°の範囲角度で交わる
平行四辺形断面とする。第二のフランジ102の下側か
ら成形される第二の変形フランジ(202)は、ウェブ
(200)の他の一端より、第一の変形フランジ(20
1)の下側と略同方向に延びた、ウェブとの接合部側の
厚さが厚く、その逆側の厚さが薄く、斜線とウェブとの
なす角度が、95〜105°の等脚台形断面である。
【0037】第二の変形フランジ(203)を斜線とウ
ェブとのなす角度が、95〜105°の等脚台形断面と
する理由は、後の工程で、第三の変形フランジ(20
3)が曲げられた状態でも、ロール抜きが可能とするた
めである。
【0038】第三の変形フランジ(203)は、ウェブ
(200)と第二の変形フランジ(202)の接合部で
ある第二の接合部(205)より、第二の変形フランジ
(202)と略逆方向に延びており、ウェブとのなす角
度が95〜125°の範囲内にある。第三の変形フラン
ジ(203)は、後の工程で曲げ加工を行う場合に曲げ
加工が容易な様に、ウェブとのなす角度の上限を大きく
している。
【0039】同時に、中間圧延工程(K7〜K5)で
は、ウエブ(200)と第三の変形フランジ(203)
との境界部に、第三の変形フランジ(203)の内側
(図においては左上方向)から割り込みaを入れる。
【0040】これにより第三の変形フランジ(203)
を横方向(図においては右方向)に押し出し、プレート
取付け部(502)となるウエブ(200)と、主桁連
結部(503)になる第三の変形フランジ(203)と
を分割し、さらに成形不良を防止する。また、この工程
においてはウエブ(200)をプレート取付け部(40
0)として、第一の変形フランジ(201)を外案内部
(401)として、第二の変形フランジ(202)を内
案内部(402)として、第三の変形フランジ(20
3)を主桁連結部(403)として、厚さ、高さを略確
定させる。
【0041】上記の工程中に、先に述べた冷却工程を挿
入する。もちろん、後に述べる最終圧延工程で冷却を行
ってもよいが、圧延時の材料姿勢から冷却技術的に困難
となる。冷却方法は、水冷、ミスト冷却、空冷の何れで
あっても良いが、空冷では冷却効果が小さく、温度差を
十分に小さくできない場合がある。
【0042】冷却は、第二の変形フランジ(202)、
第三の変形フランジ(203)、ウエブ(200)の接
合部である第二の接合部(205)が効果的に冷却でき
る方法で行う。たとえば、第二の変形フランジ(20
2)および第三の変形フランジ(203)を含めて冷却
を行ってもよい。この場合には第二の変形フランジ(2
02)および第三の変形フランジ(203)の温度が第
一の変形フランジ(201)に比較して1時的に低くな
ることもあるが、その後に第二の接合部(205)から
の伝熱により復熱する。
【0043】第二の接合部(205)と第一の接合部
(204)の温度差を、一定値以下にすることにより、
製品の曲がり(キャンバー)を防止できる。この臨界温
度差は製品の寸法によっても変化するが、リニアーモー
タカー用レールに用いるF形鋼における1例を図4に示
す。
【0044】この図から、最終圧延終了後に矯正を必要
としない真直度を得るためには、曲がり(1/ρ)を
0.0008以下にする必要があり、そのためには、最
終圧延終了時の第一の接合部(204)と第二の接合部
(205)との温度差は20℃が上限であることがわか
る。したがって、例えば、中間圧延時の温度差は、これ
以下にする必要があることを示している。
【0045】また、曲がり(1/ρ)が、0.002以
下の場合は、矯正することにより、製品にすることがで
きることも示している。この場合の臨界温度差は40℃
である。なお、温度差が40℃を越え、曲がり(1/
ρ)が0.002を越える場合は、矯正のコストが著し
く高くなるため製品とせず、廃棄することが現実的であ
る。
【0046】もちろん、上記の臨界温度差はF形鋼の形
状、サイズ、圧延終了温度等により異なることは言うま
でもなく、また、上流側の工程で冷却を行う場合は、下
流側の工程で冷却を行う場合に比較して、温度差を小さ
くすることが必要なことは当然である。
【0047】一方、冷却をしすぎると曲がりが生じて以
後の圧延に問題が生じる。冷却状態や鋼の温度によっ
て、発生する曲がりの量は異なるが、第二の接合部(2
05)の温度が、「第一の接合部(204)の温度+5
℃」未満にならない様にする。この面からは、数回に別
けて冷却を行うことも好ましい。
【0048】冷却は図5に示す様に、1方向から冷却し
ても2方向以上から冷却してもよい。2方向以上から冷
却することにより、フランジの部分の温度低下が少ない
状態で、第二の接合部(205)の効果的な冷却が可能
となり、結果的に第一の接合部(204)と第二の接合
部(205)との温度差を小さくすることができる。
【0049】なお、図5からも明らかな様に、第三の変
形フランジ(203)の先端部は第二の接合部(20
5)からかなりの距離離れているが、この部分の温度が
低下しすぎると、全体としては曲がりの発生が認められ
ない場合も、この部分に波うちが発生することがある。
【0050】したがって、この第三の変形フランジ(2
03)の温度が著しく下がらない様にする必要がある
が、この観点からは、最終圧延終了時において第三の変
形フランジ(203)の先端部の温度が「第二の接合部
(205)の温度−20℃」未満にならないことが好ま
しい。
【0051】同様に第一の変形フランジ(201)およ
び第二の変形フランジ(202)の温度が下がり過ぎる
と、図6において上下方向の曲がりの原因となる。この
場合も曲がりを発生させないためには、第一の変形フラ
ンジ(201)および第二の変形フランジ(202)の
先端部と、第一の接合部(204)および第二の接合部
(205)との温度差を20℃以下とする必要がある。
【0052】上記の様な、温度分布とした後に、仕上げ
圧延を行う。仕上げ圧延工程(K4〜K1)は、仕上げ
圧延機(SPF)34を使用して、各1パス計4パスの
圧延を行う。仕上げ圧延ロール(K4〜K1)はいずれ
も上下左右に非対称の閉塞孔型ロールである。この工程
においては、各部を所定の寸法に圧延しつつ、第三の変
形フランジ(203)に対して曲げ加工を行い、主桁連
結部(403)の形状とする。
【0053】以上の粗圧延工程、中間圧延工程、仕上げ
圧延工程は1例であり、工程数、圧延機台数等は、もち
ろんこれに限定されるものではない。また、冷却方法も
流体を使用するものであれば、上記の冷却剤に限定され
ないことはもちろんである。
【0054】なお、上記の工程の特徴は先に述べた様
に、略H形断面の粗造形材を作り、略h形断面の中間材
を作り、3重点の部分を部分的に冷却し、略h形の上に
出た突起の部分を折り曲げ略F形とするものであり、た
とえば、図7〜図10に示した様なF形鋼の製造にも当
然適用可能である。
【0055】図7は第一の変形フランジ(201)が台
形断面を持つものである。図8は第一のフランジ(10
1)の上側を完全には無くさずに、残した形状である。
【0056】図9はウエブ(300)とフランジ(突
起)(303)の肉厚が等しい形状である。
【0057】図10はフランジ(突起)(303)が、
下方向に向いている形状である。なお、各部の高さ、幅
等の諸元は広い範囲で変化させることが可能なことは言
うまでもない。
【0058】
【発明の効果】本発明により、リニアモーターカー用レ
ールに用いる突起付き溝形鋼(F形鋼)を、精度よく、
能率良く、かつ経済的に製造することが可能となった。
また、本発明の製造方法による場合は、従来の方法によ
る場合に比較して内質も優れており、技術面での改善効
果も大きい。本発明によるF形鋼の用途は、もちろん、
リニアモーターカー用レールに限定されるものではな
く、同様の形状のF形鋼に広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧延工程の概略を示す図である。
【図2】本発明の圧延工程の詳細を示す図である。
【図3】本発明の実施に用いる圧延装置列の概略図であ
る。
【図4】最終圧延終了時の温度差と室温に冷却後の曲が
りの量の関係を示す図である。
【図5】冷却剤の当て方を示す概略図である。
【図6】本発明の実施対象の、リニアモーターカー用レ
ールの幅方向の断面図である。
【図7】本発明の1実施例であるF形鋼の断面図であ
る。
【図8】本発明の他の実施例であるF形鋼の断面図であ
る。
【図9】本発明の他の実施例であるF形鋼の断面図であ
る。
【図10】本発明の他の実施例であるF形鋼の断面図で
ある。
【図11】本発明の実施例のF形鋼を使用する、リニア
モーターカーシステムの概略図である。
【図12】従来の製造方法(溶接ビルトアップ法)によ
るリニアモーターカー用レールの断面図である。
【符号の説明】
1〜15・・・・・・鋼材 K1〜K14・・・・圧延ロール(製造工程) K1U〜K14U・・圧延上ロール K1L〜K14L・・圧延下ロール 31・・・・粗圧延機(ブレイクダウンミル、BD) 32・・・・第1中間圧延機(SP1) 33・・・・第2中間圧延機(SP2) 34・・・・仕上げ圧延機(SPF) 100・・・H形鋼のウエブ 101・・・H形鋼の第一のフランジ 102・・・H形鋼の第二のフランジ 200・・・h形鋼のウェブ 201・・・h形鋼の第一の変形フランジ 202・・・h形鋼の第二の変形フランジ 203・・・h形鋼の第三の変形フランジ 204・・・h形鋼の第一の接合部 205・・・h形鋼の第二の接合部 206・・・冷却剤(水、ミスト、空気等) 300・・・F形鋼のウェブ 301・・・F形鋼の第一の変形フランジ 302・・・F形鋼の第二の変形フランジ 303・・・F形鋼の突起 400・・・リアクションプレート取付け部(プレート
取付け部) 401・・・外側横方向案内部(外案内部) 402・・・主桁連結部 403・・・内側横方向案内部(内案内部) 501・・・車体(常電導磁気浮上型リニアモーターカ
ー) 502・・・レール 503・・・主桁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東 悦男 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 藤林 晃夫 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 藤掛 政久 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高温に加熱した幅方向断面が略矩形の鋼片
    の、相対する二面の中央部近傍を圧下する形状の孔型を
    有するロールにより、ウエブとその両側の第一のフラン
    ジおよび第二のフランジからなる略H形の断面の鋼材を
    形成し、 上下左右非対称の孔型を有するロールにより、前記略H
    形の断面の鋼材の、前記第一のフランジの片側を高さ方
    向に圧下して、その部分を他の部分に送り込んで実質的
    に消滅させ、残った片側を第一の変形フランジとし、ウ
    ェブと前記第一の変形フランジとの接合部を第一の接合
    部とし、前記第二のフランジの、前記第一の変形フラン
    ジと略同方向に延びた片側を、第二の変形フランジと
    し、前記第二のフランジの、前記第二の変形フランジの
    逆方向に延びた片側を、第三の変形フランジとし、ウェ
    ブと前記第二の変形フランジ、および前記第三の変形フ
    ランジとの接合部を、第二の接合部とした略h形の断面
    の鋼材を形成し、 前記略h形の断面を持つ鋼材に成形中または/および成
    形後に、前記略h形の鋼材の前記第二の接合部およびそ
    の近傍を冷却し、 上下左右非対称の孔型を有するロールにより、前記第三
    の変形フランジをウェブの幅方向を略延長する方向に曲
    げて、突起を形成させ略F形とすることを特徴とする突
    起付き溝形鋼の製造方法。
  2. 【請求項2】高温に加熱した幅方向断面が略矩形の鋼片
    の、相対する二面の中央部近傍を圧下する形状の孔型を
    有するロールにより、ウエブとその両側の第一のフラン
    ジおよび第二のフランジからなる略H形の断面の鋼材を
    形成し、 上下左右非対称の孔型を有するロールにより、前記略H
    形の断面の鋼材の、前記第一のフランジの片側を高さ方
    向に圧下して、その部分を他の部分に送り込んで実質的
    に消滅させ、残った片側をウェブとのなす角度が95〜
    105°の範囲内にある、断面が略平行四辺形の第一の
    変形フランジとし、ウェブと前記第二の変形フランジと
    の接合部を第一の接合部とし、前記第二のフランジの前
    記第一の変形フランジと略同方向に延びた片側を、ウェ
    ブとの接合部の厚さは厚く、先端部の厚さは該接合部よ
    り薄く、ウェブとのなす角度が95〜105°の範囲内
    にある、断面が略等脚台形の第二の変形フランジとし、
    前記第二のフランジの、前記第二の変形フランジと逆方
    向に延びた片側を、ウェブとのなす角度が95〜125
    °の範囲内にある、断面が略平行四辺形の第三の変形フ
    ランジとし、ウェブと前記第二の変形フランジ、および
    前記第三の変形フランジとの接合部を、第二の接合部と
    した略h形の断面の鋼材を形成し、 前記略h形の断面を持つ鋼材に成形中または/および成
    形後に、前記略h形の鋼材の前記第二の接合部およびそ
    の近傍を冷却し、 上下左右非対称の孔型を有するロールにより、前記第三
    の変形フランジをウェブの幅方向を略延長する方向に曲
    げて、突起を形成させ、略F形とすることを特徴とする
    突起付き溝形鋼の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011508673A (ja) * 2007-12-29 2011-03-17 ライウー スティール グループ カンパニー リミテッド 磁気浮上式鉄道軌道用の形鋼及びその圧延方法

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JP2011508673A (ja) * 2007-12-29 2011-03-17 ライウー スティール グループ カンパニー リミテッド 磁気浮上式鉄道軌道用の形鋼及びその圧延方法

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