JP2522059B2 - フランジを有する形材の熱間圧延方法 - Google Patents

フランジを有する形材の熱間圧延方法

Info

Publication number
JP2522059B2
JP2522059B2 JP1149851A JP14985189A JP2522059B2 JP 2522059 B2 JP2522059 B2 JP 2522059B2 JP 1149851 A JP1149851 A JP 1149851A JP 14985189 A JP14985189 A JP 14985189A JP 2522059 B2 JP2522059 B2 JP 2522059B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rolling
flange
rolling mill
roll
universal rolling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1149851A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0318401A (ja
Inventor
裕 鹿野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP1149851A priority Critical patent/JP2522059B2/ja
Publication of JPH0318401A publication Critical patent/JPH0318401A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2522059B2 publication Critical patent/JP2522059B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B1/00Metal-rolling methods or mills for making semi-finished products of solid or profiled cross-section; Sequence of operations in milling trains; Layout of rolling-mill plant, e.g. grouping of stands; Succession of passes or of sectional pass alternations
    • B21B1/08Metal-rolling methods or mills for making semi-finished products of solid or profiled cross-section; Sequence of operations in milling trains; Layout of rolling-mill plant, e.g. grouping of stands; Succession of passes or of sectional pass alternations for rolling structural sections, i.e. work of special cross-section, e.g. angle steel
    • B21B1/088H- or I-sections
    • B21B1/0886H- or I-sections using variable-width rolls
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B1/00Metal-rolling methods or mills for making semi-finished products of solid or profiled cross-section; Sequence of operations in milling trains; Layout of rolling-mill plant, e.g. grouping of stands; Succession of passes or of sectional pass alternations
    • B21B1/08Metal-rolling methods or mills for making semi-finished products of solid or profiled cross-section; Sequence of operations in milling trains; Layout of rolling-mill plant, e.g. grouping of stands; Succession of passes or of sectional pass alternations for rolling structural sections, i.e. work of special cross-section, e.g. angle steel
    • B21B1/095U-or channel sections

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metal Rolling (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、建設、土木などの分野で用いられるH形鋼
や溝形鋼に代表されるフランジを有する形材の熱間圧延
方法に関するものである。
(従来の技術) H形鋼や平行フランジ溝形鋼などの平行フランジ部を
供えた形鋼(以下、「平行フランジ形鋼」と総称す
る」)は、従来、ほとんどが圧延方法によって製造され
ている。
これらの平行フランジ形鋼の各部の名称は、第1図
(a)および(b)にその代表例であるH形鋼および平
行フランジ溝形鋼を例にとって説明する。すなわち、図
示のように、互いに平行なフランジ部10、10はその間を
結合部12によって接続され一体化している。第1図
(a)のH形鋼の場合は結合部12はフランジ部10の中心
に、第1図(b)の溝形鋼の場合はフランジ部10の一端
にくる。この結合部12はH形鋼およびフランジ溝形鋼の
ときはウェブ(web)14とも称する。各フランジ部10の
長さをフランジ幅(flange length、L0)といい、平行
フランジ部の距離をウェブ長さ(web height,H0)、そ
して図中のようにフランジ内法(S0)、フランジ内幅
(W0)を定義する。JIS規定によれば、H形鋼の場合、
ウェブ高さ(H0)が25〜100mm間隔で100〜900mmの範囲
で約33種のサイズが規定されている。
しかしながら、例えば、H形鋼の場合、従来の圧延方
法には次のような問題があった。
すなわち、従来のH形鋼圧延方法は、溝形鋼の場合も
同様であるが、第2図に示すように、ブレークダウンミ
ル20による粗圧延、ユニバーサル粗ミル22と2Hiのエッ
ジャーミル24から成るユニバーサル粗ミル群26による中
間圧延、そしてユニバーサル仕上ミル28による仕上圧延
により行われてきた。
粗圧延では加熱された鋼塊、連続鋳造鋳片等の圧延素
材を2重可逆式粗圧延機であるブレークダウンミル20の
2Hiの孔型により圧延成形しビームブランクを造形し、
造形素材とする。
次いで行う中間圧延ではまずユニバーサル粗ミル22と
2重式のエッジャーミル24からなるミル群26において前
記造形素材の圧延を行い、中間圧延H形鋼とする。すな
わち、まず第3図の略式側面図に示すようにユニバーサ
ル粗ミル22でその水平ロール(H roll)30により中間圧
延H形鋼31のウェブ厚さを減じるとともに、この水平ロ
ール30の側面と竪ロール(V roll)32によりフランジ厚
さを減じ、複数パスで前述の造形素材の中間圧延H形鋼
への延伸圧延を行う。そしてこの中間圧延の段階での各
パスにおいて中間圧延H形鋼31のフランジ先端をエッジ
ャーミル24の孔型ロール(E roll)42で圧下し、フラン
ジ幅(L0)を所定の値とする。このときの様子を第4図
に略式側面図で示す。
次いで、ユニバーサル仕上ミル28による仕上圧延で
は、第5図に示すように、ユニバーサル仕上ミル28の水
平ロール52と竪ロール54とにより1パスあるいは複数パ
スでユニバーサル粗ミル22の場合と同様にウェブ56およ
びフランジ58の厚さをそれぞれ減じ、かつフランジ外面
を平坦にし、さらにフランジ58とウェブ56との角度を直
角とするのである。
このように、従来の圧延方法にあっては、仕上げ圧延
にあっても中間圧延のユニバーサル粗ミルと同様にフラ
ンジ58の内面を水平ロール52の側面で、フランジ58の外
面を竪ロール54でそれぞれ圧下するのである。もちろ
ん、水平ロール52によるウェブ圧下も同様に行われる。
したがって、圧延されるH形鋼のウエブ内幅(W0)は、
ユニバーサル仕上ミルの水平ロール52の幅で決定され
る。
したがって、このことから、従来のH形鋼の圧延方法
にあっては次のような問題が生じる。
(1)第6図には、フランジ幅(L0)が同一であるH型
鋼60の1つのシリーズ(例えばH600×200)における断
面形状の変化を説明する。現在の規格では同一シリーズ
ではフランジ内幅(W0)が一定であるためフランジ厚さ
(tf0、tf1、tf2)がそれぞれ異なることになり、また
各サイズにおいてウェブ高さ(H0)の外寸法(第6図の
H0、H1、H2)もそれぞれ異った値となる。すなわち、tf
0<tf1<tf2、H0<H1<H2となる。
このような関係は同じく第7図に示す溝形鋼70であっ
ても同様である。
(2)フランジ内幅(W0)のサイズが異った形鋼を圧延
する場合は、当然にユニバーサル仕上ミルの水平ロール
を交換しなければならない。例えばJIS規格では33シリ
ーズ、ASTM規格では14シリーズのH形鋼があり、これら
すべてのH形鋼を製造する場合、47種類の水平ロールを
少なくとも2組以上保有する必要がある。これに要する
ロール費用は現在の価格でも数億円にも達し、これを常
時保有するためには圧延用の建屋に匹敵する広いスペー
スを必要とするためロールショップ棟にも大きな投資を
必要とする。
(3)同一のユニバーサル仕上ミルの水平ロールでは一
つのシリーズのH形鋼を2000トン/圧延チャンス×3回
=6000トンしか圧延できない。これは1000トン当り水平
ロールの幅が約1mm摩耗するためであり、ロールの使用
幅は公差を有効に利用しても6mmである。そのためある
シリーズで使用できなくなった水平ロールは、幅を数十
mm切削し、ウェブ高さの小さい次のシリーズ用に改削さ
れる。そのため鋼板用のロールの場合に比べ、ロール1
本当りの製品圧延量は著しく少ない。つまり製品トン当
りのロール費用が高くなっている。
(4)ウェブ高さ(H0)が規格外の場合、当然専用のユ
ニバーサル仕上ミルの水平ロールを準備し、ロール替え
を行う必要があるため、小ロットのオーダについては経
済的に採算がとれず、受注を辞退することが多い。
(発明が解決しようとする課題) 以上をまとめると、従来法にあっては、H形鋼および
フランジ溝形鋼のようなフランジを有する形材の圧延に
あっては、ユニバーサル仕上ミルの水平ロールと竪ロー
ルでフランジ部を圧下するため、次のような問題点がみ
られる。
ユニバーサル仕上ミルにおいて、シリーズ毎にそのフ
ランジ内幅(W0)に相当する寸法の水平ロールを準備す
る必要がある。
同一圧延チャンスでは、同一の1シリーズしか圧延で
きない。
シリーズ毎にロール替えが必要である。
ロール保有数が莫大となる。
ユーザの希望する規格外のウェブ高さ寸法のフランジ
形材を経済的に製造できない。
同一シリーズでもウェブ高さ(H0)の外寸法が異な
る。
製品コストに占めるロール費用がかなり高くなる。
このような事情から、H形鋼の場合、特に近年に至っ
ては、厚板をスリットし、3枚のスリット板を溶接して
H形鋼とするビルドアップH形鋼が普及し、その使用量
が特に増大しつつある。鋼板のスリット費用および溶接
費用が必要なため、圧延法によるH形鋼に比べ高価とな
るが、このビルドアップH形鋼の長所は、丁度前述の圧
延法によるH形鋼の短所を補うような点であって、例え
ばサイズフリーであること、寸法精度が圧延法によるH
形鋼に比べ良いことである。
このような事情は平行フランジ溝形鋼の場合にあって
も同様であるが、特に平行フランジ溝形鋼の場合には、
次のような事情がさらにみられる。
鉄骨ビル建築の柱材としてH形鋼が従来より用いられ
ているが、断面方向の機械的性能に方向性があるため柱
材としては最適ではなかった。そのため近年H形鋼にか
わりボックス断面材が採用されてきた。そのようなボッ
クス断面材は中低層鉄骨ビル用の柱材としては電縫管を
断面ボックス形に成形したものが主であるのに対し、高
層鉄骨ビル用では大型の溝形鋼(チャンネル)を溶接し
て得たボックス断面材が用いられている。この場合、フ
ランジ幅(L0)、ウェブ高さ(H0)の比は外寸法で1:2
となっており、溶接すると正方形のボックス断面とな
る。
第7図に関連してすでに述べたように、同一シリーズ
(例えば400×400シリーズ)においてはフランジ厚の異
なる多くのサイズであるが、圧延の性質上製品のウェブ
内幅(W0)が一定であるためフランジ厚が異なるとウェ
ブ高さ(H0)の外寸法は、サイズ毎に異なってくる。
また、第8図に示すようにユニバーサル仕上ミルの圧
延加工の性質上、水平ロールおよび垂直ロールとでは外
コーナ部の突起部72(第7図参照)を消去することが困
難であるためこれを残したまま製品として用いられてい
る。
高層ビルの柱材の場合、下層階より上層階に向けて同
一シリーズのボックス材を用い徐々に厚みを薄くしてゆ
くため、ウェブ高さ(H0)の外寸法が徐々に小さくな
り、サイズとサイズの継ぎ目において段差が生じる。又
外コーナの突起部72についてもサイズ毎にづれるため、
外観上または溶接上きわめて使いづらい形状となってい
る。梁との結合を行う場合にも不都合が生じる。
従来の圧延法においてサイズ別にユニバーサル水平ロ
ールを変更すれば、同一シリーズでウェブ高さ外寸法を
一定とすることは可能であるが、これについては、H形
鋼に関連してすでに述べたように、ロール保有数が数倍
となることまたロール替回数が数倍となることにより製
造コストが大幅に上昇し、経済上成り立たないため実現
されていない。
本発明の目的は、ウェブ内幅寸法を変更自在として、
複数シリーズのH形鋼および平行フランジ溝形鋼等に代
表されるフランジを有する形材と同じ仕上ユニバーサル
圧延機で製造できる実用化可能な熱間圧延方法を提供す
ることである。
また、本発明の別の目的は、仕上ユニバーサル圧延機
において1種類の水平ロールで2シリーズ以上のフラン
ジ付き形材を圧延でき、ロール保有数を半減させ、さら
に同一シリーズでウェブ高さの外寸法を一定にでき、そ
してその外寸法が規格外でも他のシリーズの圧延チャン
スで低コストで製造できるフランジを有する形材の熱間
圧延方法を提供することである。
本発明の更に別の目的は、同一の仕上ユニバーサル圧
延機の水平ロールを用いて、厚みの異なるサイズについ
てもウェブ高さ外寸法を一定とすること、外コーナを直
角とすること、および規格外寸法のサイズでも低コスト
で製造を可能とする平行フランジ溝形鋼の熱間圧延方法
を提供することである。
本発明のなお更に別の目的は、仕上ユニバーサル圧延
機において、1種類の水平ロールを用いて異なるシリー
ズのH形鋼が圧延でき、同一シリーズでウェブ高さの外
寸法が一定化でき、また規格外サイズでも規格サイズと
同じコストで製造でき、かつロール保有数が大幅に削減
できるH形鋼の圧延方法を提供することである。
(課題を解決するための手段) かくして、本発明者はかかる課題解決を目指し、種々
検討を重ね、各種サイズにおける次のような実験を繰り
返した。その代表例を挙げる。
すなわち、第2図に示すユニバーサル粗圧延(UR)ミ
ル群においてJISのH450×300(H440×300×11/18)のH
形鋼の中間圧延を行った。第3図参照。このときのユニ
バーサルミルの水平ロール30のロール幅は408.5mm、フ
ランジテーパ5゜であった。この中間圧延ミル群での仕
上げ寸法は下掲第1表の通りであった。
第1表 中間圧延 仕上圧延 ウェブ厚さ: 11.5mm 11.1mm フランジ厚さ: 18.2mm フランジ幅: 303 mm 中央のウェブ高さ外寸法: 445 mm 405 mm ウェブ内幅: 408.6mm 368.6mm これを水平ロール幅360mmのユニバーサル仕上ミルに
おいて3バスでウェブ厚さを11.1mm、ウェブ高さ外寸法
405mmにまで圧下した。このときの材料のウェブ内幅(W
0)は368.6mmであったから、水平ロールと材料フランジ
の内面は約4mm程離れていた。しかし、竪ロールにより
ウエブ高さを約40mm圧下したことによりフランジの外面
は従来の圧延の場合と同様平坦でかつウェブに対して直
角となっていた。またウェブの水平ロール圧下未圧下の
境界はコーナRにかかっており判断困難であった。
これらの一連の実験から次のことが知見された。
(1)ユニバーサル粗ミルの水平ロール幅に対し、ユニ
バーサル仕上ミルの水平ロール幅を10〜50mm程度小さく
しておき、ユニバーサル粗ミル群で圧延された中間圧延
形鋼をユニバーサル仕上ミルで1パスまたは複数パスで
ウェブ高さ(H0)を圧下し、ウェブ高さの異なる種々の
H形鋼を圧延することができる。
(2)このときフランジ厚さは圧下されないのでユニバ
ーサル粗ミル群で目標の厚みにしておくことによって仕
上圧延での圧下を不要とすることができる。
(3)ユニバーサル仕上ミルの水平ロール幅に関係な
く、ウェブ高さを自由にできることになり、1つのユニ
バーサル仕上ミルにより、ウェブ厚さ、フランジ厚さ、
ウェブ高さ、そしてフランジ幅の異なる多サイズのH形
鋼の圧延が可能となる。
(4)従来のユニバーサルミルによる圧延においては、
水平ロールの幅を用いて圧延材のウェブ内幅を固定して
しまうことが必要であると考えられていた。これは、フ
ランジ内面が水平ロール側面に接していないとフランジ
の角度が一定しないと思われていたためである。ところ
が、水平ロール幅を小さくし、フランジ内面と水平ロー
ル側面とを接することなく、フランジ外面を強圧下し、
ウェブ高さを縮めても、フランジ外面は竪ロールに接し
ておりフランジ角度は一定している。つまりウェブ高さ
の外寸法は、竪ロール開度を変化させることにより数十
mmの範囲で自由に変更できる。
(5)一般的にユニバーサルミルにおいては、水平ロー
ルが駆動、竪ロールは非駆動となっているので、材料を
圧延するためには、駆動水平ロールによるウェブの圧下
が必要となる。このためウェブのロール圧下、未圧下境
界面に段差が生じる。但し、本発明によるH形鋼等の圧
延においては、ウェブ高さ外寸法の縮小過程でウェブと
フランジの結合部近辺に増肉が生じ、この増肉部を上記
水平ロールで圧下することで段差が目立なくなる。ま
た、ウェブ面のロール圧下、未圧下部をパス毎に組合せ
ることで段差を解消することも可能である。なお、溝形
鋼の場合上記段差部はウェブ内面のみで、ウェブ外面に
ついては、水平ロール幅を大きくとれるので問題はな
い。そのため溶接後の外観上このウェブ内面段差は大き
な問題とはならない。次いで、本発明者は、前述のフラ
ンジを有する形材を製造する際に第9図(a)、(b)
に示すような分割可変水平ロールを有するユニバーサル
圧延機を用いた圧延実験を行い以下の知見を得た。
(1)ウエブ外寸法H0、ウエブ厚tw、フラジ厚tfのH形
鋼を、第9図(a)に示すような分割可変水平ロールを
有するユニバーサル圧延機で熱間圧延することにより、
素材のフランジ厚tf、フランジ幅Bに影響を与えること
なく、ウエブ外寸法HoをH1にまで縮小することが可能で
ある。
(2)分割可変水平ロール幅をH1−2tfに設定し、圧延
機出口の付近でフランジ内面を水平ロール側面に接触さ
せ、かつ該水平ロールの上下開度(ギャップ)をtw−α
(αはミル剛性およびウエブ外寸法縮小量により変化す
る。例えばミル剛性大またはウエブ外寸法縮小量→α
小、ミル剛性小またはウエブ外寸法縮小量大→α大)に
初期設定しておくことで、第10図(a)から(e)に示
すように、順次行われるウエブ高さの縮小圧延過程で生
じるウエブ両端近辺での増肉が水平ロールの上下外周面
で押え込まれ(C−C′断面)、結果として圧延機出側
(E−E′断面)では、ウエブに段差が生じることなく
ほぼ一定厚twでウエブ高さのみH1に変化したH形鋼とな
る。
(3)ウエブ外寸法を縮小する際に、フランジ外面と垂
直ロールとの接触開始点(B−B′断面)の方が、ウエ
ブ面と水平ロール外周面との接触開始点(C−C断面)
に比べて入側にあるが、通常のH形鋼等の圧延材先端部
では、トングと称されるようにウエブ部がフランジ部よ
りも突出しており、この突出したウエブ部が水平ロール
間に最初に噛込むことで、噛込み不良等のトラブルは防
止できる。
(4)但し、ウエブ外寸法の縮小量ΔH(=H0−H1)を
徐々に大きくしていくと、ウエブ両端の増肉部に座屈が
生じるようになり、さらに縮小量ΔHを大きくしていく
と、水平ロールによる押え込みによる座屈矯正が不可能
となり、第11図に略式断面図で示すように圧延終了後の
材料のウエブに座屈が残存するようになる。
(5)第12図に、本発明者が行ったH形鋼を用いた圧延
実験結果を整理して示すが、ウエブ外寸法の1パス圧延
による縮小限界量(ΔH)は素材のウエブ厚twの約3倍
であることが明らかとなった。
なお、以上の知見は平行フランジ溝形鋼等のH形鋼以
外のフランジを有する形材のウエブ外寸法の縮小圧延に
ついても同様に適用できる事項である。
かくして、本発明の要旨とするとことは、ブレークダ
ウン圧延機、粗ユニバーサル圧延機、エッジャー圧延
機、および仕上ユニバーサル圧延機を経て行うフランジ
を有する形材の熱間圧延方法において、前記仕上ユニバ
ーサル圧延機の水平ロール幅を2分割し、オンラインで
幅調整可能な構造とし、フランジ部内面を該水平ロール
側面に接するようにして該仕上ユニバーサル圧延機にお
ける複数パスのレバース圧延によってウエブ高さの縮小
を行うことを特徴とするフランジを有する形材の熱間圧
延方法である。
また、別の面からは、本発明は、ブレークダウン圧延
機、粗ユニバーサル圧延機、エッジャー圧延機、および
仕上ユニバーサル圧延機を経て行うフランジを有する形
材の熱間圧延方法において、前記仕上ユニバーサル圧延
機の水平ロール幅を2分割し、オンラインで幅調整可能
な構造とし、フランジ部内面を該水平ロール側面に接す
るようにして、該仕上ユニバーサル圧延機における1パ
スの圧延によってウエブ高さの縮小を行い、さらに前記
仕上ユニバーサル圧延機の分割水平ロール側面外周端の
r寸法を粗ユニバーサル圧延機の水平ロール側面外周端
のr寸法を越えない値にするか、または前記仕上ユニバ
ーサル圧延機の分割水平ロール側面外周端のC寸法を粗
ユニバーサル圧延機の水平ロール側面外周端のC寸法を
越えない値にすることを特徴とするフランジを有する形
材の熱間圧延方法である。
前記仕上ユニバーサル圧延機の分割水平ロール側面外
周端のr寸法は、粗ユニバーサル圧延機の水平ロール側
面外周端のr寸法を越えない値にするか、または前記仕
上ユニバーサル圧延機の分割水平ロール側面外周端のC
寸法は、粗ユニバーサル圧延機の水平ロール側面外周端
のC寸法を越えない値としてもよい。
さらに、前記仕上ユニバーサル圧延機の垂直ロールを
補助駆動とすることによって、噛込み不良を防止するよ
うにしてもよい。
ここで、別の面から言えば、本発明の要旨とするとこ
ろは、ブレークダウン圧延機、粗ユニバーサル圧延機、
エッジャー圧延機および仕上ユニバーサル圧延機を経て
行うフランジを有する形材の熱間圧延方法において、第
1および第2の仕上ユニバーサル圧延機を設け、エッジ
ャー圧延機の被圧延材を固定幅の水平ロールを有する第
1の仕上ユニバーサル圧延機で圧延する際に、フランジ
部内面を該仕上ユニバーサル圧延機の水平ロール側面に
接することなく、垂直ロールによりフランジ部外面を圧
下することにより、1パスもしくは複数パスでウェブ高
さの縮小圧延を行う工程と、またはロール軸方向の位置
が可変の2分割水平ロールからなる第2の仕上ユニバー
サル圧延機で、1パスでの整形圧延または1パスもしく
は複数パスでウェブ高さの縮小圧延を行う工程と、また
はこれら両工程の組合せからなる工程を経ることを特徴
とするフランジを有する形材の熱間圧延方法である。
なお、上記方法において第2の仕上ユニバーサル圧延
機の2分割水平ロールの側面を少なくとも最終パスを除
く途中パスにおいてはフランジ部内面に接することな
く、垂直ロールによりフランジ部外面を圧下するように
してもよい。
また、前記第2の仕上ユニバーサル圧延機の2分割水
平ロールの幅を1パス毎に所定の値に調整し、フランジ
内面が該水平ロール側面に接触するまで垂直ロールによ
りフランジ外面を圧下するようにしてもよい。
そして、前記粗ユニバーサル圧延機、第1の仕上ユニ
バーサル圧延機、第2の仕上ユニバーサル圧延機の水平
ロール側面外周端のr寸法またはc寸法を各々r0、r1
r2あるいはc0、c1、c2とするとき、r2≦r1≦r0またはc2
≦c1≦c0の関係を満足させるようにして、各ユニバーサ
ルミルの水平ロール形状を設計しウェブ高さの縮小圧延
をすることが好ましい。
(作用) 次に、添付図面を参照して本発明をさらに具体的に説
明する。H形鋼を例にとって説明するが、本発明がそれ
にのみ制限されるものではない。
第13図(a)、(b)には、本発明にかかる圧延方法
を実現するための圧延ラインの一例を示している。ま
ず、第13図(a)に示すように、本発明にかかる圧延方
法によれば、ブレークダウン圧延機による圧延は従来法
と同様に行えばよく、それにより圧延素材をビームブラ
ンクにまで圧延する。その後の粗ユニバーサル圧延機お
よびエッジャー圧延機を用いた中間圧延で、圧延素材は
最終寸法に近いフランジ幅、フランジ厚、ウェブ厚にま
で仕上げられる。第13図(b)は2次粗ユニバーサル圧
延機を採用する圧延ラインを示す。
このようにして得られた中間圧延形鋼は、2分割水平
ロールと垂直ロールとからなる仕上ユニバーサル圧延機
によりウェブ高さ(H0)が調整される。つまり、垂直ロ
ール開度、可変水平ロール幅および開度を所定の値に設
定することにより、1パス当りウエブ厚の3倍の範囲内
でH形鋼のウエブ高さの外寸法を自由に変更できる。
さらに、本発明の圧延方法によれば、上述の仕上ユニ
バーサル圧延機によるウエブ高さ縮小圧延を同様にして
複数パス繰り返すことによって、素材ウエブ厚の3倍を
越える大幅なウエブ高さ縮小圧延も可能となる。但し、
この場合においては、1パス毎に垂直ロール開度、水平
ロール開度の他に、水平ロール側面がフランジ内面に接
触するように分割可変水平ロール幅を所定の値まで迅速
に変更しうるような機構を仕上ユニバーサル圧延機に必
要とされる。
第14図(a)〜(c)について説明すると、第14図
(b)には、第10図の圧延機出口面(D−D′断面)の
ウエブとフランジの結合部分(フィレット部)の拡大図
を示すが、本発明の圧延方法においては、ウエブ高さの
縮小量が大きい場合には、前記仕上げユニバーサル圧延
機の分割水平ロール側面外周端のr寸法(第14図のr1
が該圧延機入側の素材形状のr寸法(第14図のr0)より
も大きいときに、第14図(c)に示す如く、ロール間隙
への材料の未充満により、フィレット部への線状疵が製
品に発生する可能性がある。従って第14図(a)に示す
ように、r1≦r0すなわち、仕上ユニバーサル圧延機の分
割水平ロール側面外周端のr寸法は、粗ユニバーサル圧
延機の水平ロール側面外周端のr寸法を越えない値にす
ることが望ましい。なおr寸法に代えて面取り寸法をC1
≦C0に規定してもよい。ここで、C0はURの水平ロール側
面外周端の面取り、C1はUFの水平ロール側面外周端の面
取りである。
なお、平行フランジ溝形鋼の圧延時には、第7図に示
す外コーナー部の突起部72の生成が問題となるが、本発
明の圧延方法によれば、第15図(a)に示すように粗ユ
ニバーサル圧延で生じたコーナー部の突起は、第15図
(b)に示すように仕上ユニバーサル圧延機において分
割水平ロールの下ロール幅を垂直ロール間隔にセットし
ておくことで解消し、外コーナー部の直角化が実現でき
る。また、必要により仕上ユニバーサル圧延機に先立っ
て、エッジャー圧延機で外コーナー部の面取りを行って
もよい。
このように本発明によれば、非常に簡便にH形鋼など
のフランジを有する形材が圧延でき、例えば、JISに規
定されたサイズのH形鋼のみの製造を考えた場合、ユニ
バーサル粗ミルの水平ロールは33種類×2セット=66セ
ット必要であったのが、ユニバーサル仕上げミルでウエ
ブ高さを最大50mmまで制御できるとすると、ユニバーサ
ル粗ミルでは12種類の水平ロールで済み、42セットのロ
ール保有数削減となる。
従来より同一シリーズのフランジ厚さの厚み違いサイ
ズについて、H形鋼誕生以来ウエブ高さ(H0)の一定化
の要望があったが、従来ロール保有数の増大とロール替
え回数の増大により、製造コストが大幅にアップするた
め困難があった。しかし、上述のような本発明にかかる
圧延方法により、仕上ユニバーサル圧延機においてウエ
ブ高さの外寸法が自由に調整可能となることから、同一
シリーズのウエブ高さの外寸法一定化は極めて容易とな
る。
以上は特にH形鋼について述べたが、平行フランジ溝
形鋼についても事情は同様である。
すなわち、まず従来と同様、ブレークダウン圧延機に
より複数パスでチャンネル状の粗形鋼片を圧延する。次
に粗ユニバーサル圧延機において、水平ロールは同一シ
リーズで厚みの最も薄いサイズにあわせたロール幅とす
る。つまり、最小厚みサイズについてのみ従来の圧延と
同じようにし、その他の厚いサイズについては、粗ユニ
バーサル圧延機群で目標のウエブ高さ(外寸法=粗ユニ
バーサル圧延機水平ロール幅+最小厚み×2)よりも大
きい形状で圧延する。仕上ユニバーサル圧延機において
は、垂直ロール開度、分割可変水平ロール開度およびロ
ール幅を所定の値に設定して、1パスまたは複数パスで
ウエブ高さ外寸法を目標値に仕上げる。例えば厚みが20
〜50mmまであれば、粗ユニバーサル圧延機の水平ロール
幅と仕上ユニバーサル圧延機の可変水平ロール幅は60mm
異なってくることになる。
また、本発明の圧延方法においては、前述の通り圧延
材の先端部に通常トングと称されるウエブ突出部が仕上
ユニバーサル圧延機の水平ロール間にまず第1に噛込む
限り、噛込みトラブル等の心配はないが、ウエブ高さの
縮小量が特に大きい等により噛込みトラブルが懸念され
る場合には、第9図において図示しない補助駆動装置に
より垂直ロールを補助的に回転させる噛込み対策を施し
てもよい。
なお、以上の説明は第13図(a)に示す圧延ラインで
フランジを有する形材を製造する場合を例にとったが、
本発明の圧延方法はその趣旨を変更せぬ限りにおいて
は、ブレークダウン圧延〜中間圧延に関しては他のレイ
アウトの圧延ラインに適用でき、例えば第13図(b)に
示すような圧延ラインでフランジを有する形材を製造す
る場合にも適用可能である。
さらに、第16図には、本発明で用いる仕上ユニバーサ
ル圧延機の分割可変水平ロール100の拡大図を1例とし
て示す。図中、明らかなように、水平ロール100は軸方
向に2つの部分101aおよび101bに2分割されている。ロ
ール中央部内面にネジ103a、103bが刻設されており、各
々左ネジ、右ネジとなっている。一方、中心軸104の中
央部外面には、ロール内面ネジ103a、103bに噛合うネジ
105a、105bが刻設されている。また、ロール軸端部およ
び中心軸端部には位置変更用の円板106、107がそれぞれ
嵌合されており、軸受け108、109および軸方向位置決め
装置110がそれぞれ設けられている。
ロール幅変更のためには、中心軸の端部に設置された
円板107に対してロール軸端部円板106を回転すると中心
軸ネジ105bとロール内面ネジ103bとによりロール101bの
軸方向位置が変わる。同時にロール101bの回転は軸方向
に摺動可能な連結ピン112を介してロール101aに伝達さ
れ、ロール101bと同様に同じ距離だけ反対軸方向に移動
させることができる。位置決め後に円板106、107を連結
ピン120で止めることにより位置が固定される。図示例
ではロール位置変更用円板106の駆動は手動であるが、
駆動装置を付けることによって遠隔操作も可能となる。
また、第16図の水平ロールは図示しない駆動軸を中心
軸104の左端に連結することで駆動するようになってい
る。
ところで、すでに述べたように、水平ロールの幅を可
変とすることなく、垂直ロールの開度を変更するだけで
も、数十mmの範囲内でH形鋼のウェブ高さの外寸法を自
由に変更できる。
したがって、仕上ユニバーサル圧延機を二段に設け、
その一方を2分割幅可変タイプとしてもよい。
第17図は本発明にかかる熱間圧延方法を実施する別の
圧延ラインを示す略式説明図である。
なお、第17図の圧延ラインにおいては、第1の仕上げ
ユニバーサル圧延機(UF1)96を粗ユニバーサル圧延機9
2とエッジャー圧延機94の下流に隣接し、UR−E−UF1の
形で配置したが、UF1ミルを中間圧延群(UR−E)の下
流側に離して設置してもよい。また中間圧延機群はUR−
E配置にこだわらず、UR−E−URのほかURとEを交互に
複数スタンドタンデム配置したものでもよい。
以上のようにUF1で、フランジ内部面を該ユニバーサ
ル圧延機96の水平ロール側面に接することなく、垂直ロ
ールによりフランジ部外面を圧下することにより、1パ
スもしくは複数パスでウェブ高さの縮小圧延を行った後
に、圧延材は第17図に示す第2仕上げユニバーサル圧延
機(UF2)98に送られる。
UF2ミルは、ロール軸方向の位置が可変となる機構を
有する2分割水平ロールからなり、ここで圧延材は1パ
スでウェブ高さを縮小することなく整形圧延されるか、
あるいは1パスもしくは複数パスでウェブ高さ外寸法の
縮小圧延がなされ、最終目標寸法に仕上げられる。この
UF2における複数パスによるウェブ高さ縮小圧延の際に
は、少なくとも最終パスを除く途中パスでUF1における
ウェブ高さ縮小圧延に同じく、水平ロール側面をフラン
ジ部内面に接することなく、垂直ロールでフランジ部外
面を圧下する方法と、他方2分割水平ロールの幅を1パ
ス毎に所定の値に調整し、フランジ内面が該水平ロール
側面に接触するまで垂直ロールでフランジ外面を圧下す
る方法の2通りがある。後者の方が、前者の方法に比較
して圧延材の整形性に優れており、製品の寸法精度が向
上する反面、各パス毎に分割水平ロールの幅調整を迅速
に行う必要があり、然るべき幅調整機構が必須となる。
以上に述べた本発明にかかるフランジを有する形材の
圧延方法を圧延ラインに従って簡略化して示したのが第
17図の下方の圧延工程フローである。図中の○印は空パ
ス(ロールギャップを開いて通す)であり、●印は圧延
パスを示す。本発明の場合は、第17図に示すように主に
3通りの工程フローが考えられ、各々のフローをCASE
I、CASE II、CASE IIIとして示している。ここでCASE I
I、CASE IIIに記すn、mは、ともに3以上の奇数を指
している。
以上は、特にH形鋼について述べたが、平行フランジ
溝形鋼についても事情は同様である。
すなわち、まず従来と同様、ブレークダウン圧延機90
により複数パスでチャンネル状の粗形鋼片を圧延する。
次に粗ユニバーサル圧延機92において、水平ロールは同
一シリーズで厚みの最も薄いサイズにあわせたロール幅
とする。つまり最小厚みサイズについてのみ従来の圧延
と同じようにし、その他の厚いサイズについては、URミ
ル群において目標のウェブ高さ外寸法よりも大きい形状
で圧延する。次いで、第1のユニバーサル仕上圧延機96
においては、水平ロール幅を一番厚みの厚いサイズにあ
わせたロール幅とする。而してUF1ミルにおいて、垂直
ロールの圧下量に応じて1パスまたは複数パスでウェブ
高さ外寸法を製品のそれに等しいか、もしくは近い値に
まで縮小する。その後に、第2の仕上げユニバーサル圧
延機(UF2)98でもって、1パスでの整形圧延また1パ
スもしくは複数パスでのウェブ高さ縮小圧延を行い製品
寸法形状に仕上げられる。
さらに第18図には、本発明の別の実施態様として考え
られるフランジを有する形材の圧延ラインを示した。こ
の圧延ラインの特徴は、前述の第1の仕上げユニバーサ
ル圧延機を第2の仕上げユニバーサル圧延機の上流側に
隣接配置し、UF1−UF2のタンデムレバース圧延を可能に
した点にある。
第18図の圧延ラインにおいては、ブレークダウン圧延
機90、粗ユニバーサル圧延機92、およびエッジャー圧延
機94を通じて圧延素材は最終寸法に近いフランジ幅、フ
ランジ厚、ウェブ厚に仕上げられ、これらの工程は第17
図の粗圧延におよび中間圧延工程と同じである。このよ
うにして得られた中間圧延形鋼は、第1の仕上ユニバー
サル圧延機(UF1)96でフランジ部内面を該ユニバーサ
ル圧延機96の水平ロール側面に接することなく、垂直ロ
ールによりフランジ部外面を圧下することにより1パス
もしくは複数パスでウェブ高さの縮小が行われる。その
後、引続き下流に位置する第2の仕上ユニバーサル圧延
機(UF2)98でウェブ高さを縮小することなく1パスで
の整形圧延あるいはウェブ高さ外寸法の1パスでの縮小
が行われ最終目標寸法に仕上げられる。
以上の圧延工程フローを第18図の下方に各々CASE I、
CASE IIとして示す。さらに同図にCASE IIIとして示し
たように、UF1でのウェブ高さ外寸法縮小圧延とUF2での
ウェブ高さ縮小圧延とを連続し、カツレバースさせて行
い、高能率圧延を実現することも可能である。ここでn
は3以上の奇数、mは2以上の整数である。
第18図の場合についても、UF2における複数パスによ
るウェブ高さ縮小圧延の際には、少なくとも最終パスを
除く、途中パスでUF1におけるウェブ高さ縮小圧延に同
じく、水平ロール側面をフランジ部内面に接することな
く、垂直ロールでフランジ部外面を圧下する方法と、2
分割水平ロールの幅を1パス毎に所定の値に調整し、フ
ランジ内面が該水平ロール側面に接触するまで垂直ロー
ルでフランジ外面を圧下する方法の2通りがある。これ
ら両方法の各々のメリット、デメリットについては既に
述べた通りである。なお、第18図に示す圧延ラインにお
いても、中間圧延機群はUR−E配置にこだわらず、UR−
E−URの他にURとEを交互に複数スタンドタンデムに配
置することが可能で、本発明の趣旨に反するものではな
い。
以上の第17図の圧延ラインによる本発明にかかる熱間
圧延方法と第18図の圧延ラインによる本発明にかかる熱
間圧延方法を比較した場合、圧延能率の面から見ればウ
ェブ高さ外寸法の縮小量が大きいほど後者の方法が優れ
ていると言える。一方、前者の圧延方法においては、UF
1に前置するエッジャー圧延機をウェブ高さに応じて自
在にロール幅を変更しうる構造に改造し(例えば特開昭
63−303604号参照)、かつUF1でのウェブ高さ縮小圧延
のパス毎に形材のフランジ幅方向の拘束を行うことによ
り、フランジ幅の寸法精度向上が図れるほか、ウェブの
中心偏りも防止できるといった利点がある。
第18図に示す例にあっても、本発明にかかるフランジ
を有する形材の熱間圧延方法において、粗ユニバーサル
圧延機92、第1の仕上げユニバーサル圧延機96、第2の
仕上げユニバーサル圧延機98の水平ロール側面外周端の
r寸法またはC寸法を各々r0、r1、r2あるいはc0、c1
c2とするとき、r2≦r1≦r0の関係もしくはc2≦c1≦c0
関係を満足させることが望ましい。
実施例1 本実施例では、第13図(a)に示す圧延ラインでH形
鋼および平行フランジ溝形鋼の圧延を行った。
H450×300シリーズの圧延ラインにおいて、本発明方
法を適用してH400×300シリーズの製品を製造する場合
を例にとり説明する。
まず、ブレークダウン圧延機80においては、CCブルー
ム、スラブ等の圧延素材を加熱後、複数パスでH形鋼の
形状に近いビームブランクに圧延する。次に、水平ロー
ル幅404mmの粗ユニバーサル圧延機82とエッジャー圧延
機84からなる粗ユニバーサル圧延機群においてH450×30
0シリーズの中間圧延を行う。
このときの水平ロール側面テーパは、従来の仕上げ圧
延機の場合と同じ0.3゜にしておく。また当該水平ロー
ル側面外周端r寸法(=r0)は13mmとする。サイズH450
×300のH形鋼を圧延する場合は、ここで仕上圧延を行
ってしまい、仕上げユニバーサル圧延機86は空パスとす
る。
次に、同一圧延ラインでH400×300シリーズを圧延す
る際は、前記中間圧延においてウエブ厚、フランジ厚、
フランジ幅を所定の値に変更したのち、仕上ユニバーサ
ル圧延機86にて3パスでウエブ高さを約50mm縮小し製品
とする。このときの仕上げユニバーサル圧延機の水平ロ
ール側面外周端のr寸法(=r1)は13mmとする。
このシリーズにはH386×299×9/14、H390×300×10/1
4の2サイズがあるが、以上からも明らかのように、ユ
ーザーの要望に応じて公称寸法のH400×299×9/14、H40
0×300×10/16とすることは容易である。また、ウエブ
高さが400〜450mmの間であれば、ウエブ高さは自由に変
更しうる。400mm以下、450mm以上についても同様のウエ
ブ高さの調整が可能である。
実施例2 実施例1の圧延ラインを用いた平行フランジ溝形鋼の
製造において、本発明の圧延寸法を適用してウエブ高さ
外寸法一定の製品を実現する場合につき説明する。
例として500×250の場合、厚みは13〜50mmとした。粗
ユニバーサル圧延機82の水平ロール幅は474mmとし、ロ
ール側面テーパ角は0.3゜と従来の仕上げユニバーサル
圧延機のそれと同一にした。また当該水平ロール側面外
周端のC寸法(=C0)は15mmとする。このときのエッジ
ャー圧延機84のロール孔型は、フランジ、ウエブの外コ
ーナーが直角となるようにした。最小厚の13mmサイズの
場合は、仕上ユニバーサル圧延機86ではウエブ高さの縮
小を行わず、整形圧延のみにした。このときの仕上げユ
ニバーサル圧延機の水平ロール側面外周端のC寸法(=
C1)は15mmとする。
中間厚みの30mmサイズの場合、粗ユニバーサル圧延機
群における仕上寸法は、フランジ厚30mm、ウエブ厚30m
m、ウエブ高さ外寸法は534mmとした。
次に仕上ユニバーサル圧延機86においては、垂直ロー
ル開度を500mm、可変水平ロールの上ロール幅を440mm、
下ロール幅を500mmとし、ウエブ高さ外寸法を1パスで3
4mm縮小し、同時にフランジの角度修正を行うとともに
ウエブの平坦化、コーナーの直角化を行った。
さらに最大厚みサイズ50mmについては、粗ユニバーサ
ル圧延機群放し寸法をフランジ厚50mm、ウエブ厚50mm、
ウエブ高さ外寸法を574mmとした。これを仕上ユニバー
サル圧延機86において3パスでウエブ高さ外寸法を500m
mとすると同時に、フランジの角度修正とウエブの平坦
化、コーナーの直角化を行った。
このようにして、製造された一連の平行フランジ溝形
鋼の形状を第19図に示す。ウエブ高さ外寸法は500mmと
一定とし、フランジ厚さを順次変更することが可能であ
るのが分かる。
実施例3 (1)H400×200シリーズH形鋼のウエブ高さ外寸法一
定化への本発明の適用例 連続鋳造ブルーム(300mm厚×670mm幅)を加熱炉にお
いて1250℃にで加熱した。次いで、第13図(a)に示す
ように、ロール孔型をもつブレークダウン圧延機80で17
パスのレバース圧延を行い、ウエブ厚40mmのビームブラ
ンクを造形した。H400×200シリーズのJIS規格では、H3
96×199×7/11、H400×200×8/13、H404×201×9/15の
3シリーズがあり、すべてウエブ高さ内寸法は374mmで
ある。
粗ユニバーサル圧延機82の水平ロール幅は従来より大
きく378mmとし、また当該水平ロール側面外周端のr寸
法(=r0)は12mmとした。7パスで各サイズとも上記寸
法に近い形状とした。ただし、UR−Eミル群ではフラン
ジは5゜のテーパを持っていた。次いで、幅可変水平ロ
ールを有する仕上ユニバーサル圧延機86では各サイズ別
にユニバーサル水平ロール幅をオンラインで変化させ
た。またこのときの仕上げユニバーサル圧延機の水平ロ
ール側面外周端のr寸法(=r1)は8mmとした。H396×1
99×7/11では、該水平ロール幅を378mmとし、フランジ
を起こすのみでウエブ高さ外寸法の縮小はせず、H400×
199×7/11に仕上げた。またH400×200×8/13のサイズに
ついては、仕上ユニバーサル圧延機86の水平ロール幅は
374mmとし、ウエブ高さを4mm縮小すると同時にフランジ
を起こしH400×200×8/13の製品とした。次いで、H404
×201×9/15では上記水平ロール幅を370mmとし、ウエブ
高さを8mm縮小すると同時にフランジを起こしH400×201
×9/15とした。以上の方法で得られたウエブ高さ外寸法
一定H形鋼の形状、寸法を第20図に示す。なお、粗ユニ
バーサル圧延機82、仕上ユニバーサル圧延機86の各水平
ロール幅許容摩耗量は、仕上ユニバーサル圧延機86の水
平ロール幅可変機構導入により、従来の6mm程度から10m
m以上となり、ロール原単位が大幅に向上した。
(2)H900×300シリーズH形鋼のウエブ高さ外寸法一
定化への本発明の適用例 このシリーズは、H890×229×15/23〜H918×303×19/
37まで4サイズある。そこで粗ユニバーサル圧延機82の
水平ロール幅を従来の844mmから854mmと広くし、ブレー
クダウン圧延機放しビームブランク材のウエブ高さ内寸
法も従来より10mm広くしておく。H890×299×15/23サイ
ズの場合は、粗ユニバーサル圧延機放しのウエブ高さ外
寸法は854+23+23=900(mm)であり、仕上ユニバーサ
ル圧延機86では可変水平ロール幅を854mmとし、ウエブ
高さ縮小は行わず整形圧延を行い製品とする。またH918
×303×19/37の場合は、粗ユニバーサル圧延機放しのウ
エブ高さ外寸法は854+37+37=928(mm)であり、仕上
ユニバーサル圧延機86では可変水平ロール幅を826mmと
し、1パスでウエブ高さ外寸法を28mm縮小してH900×30
3×19/37を製造できた。
なお、粗ユニバーサル圧延機82の水平ロール側面外周
端のr寸法(=r0)は30mmとし、仕上ユニバーサル圧延
機86の水平ロール側面外周端のr寸法(=r1)は28mmと
することで、得られた製品のフィレット部には線状疵な
どの不良が見られず、品質良好であった。
実施例4 本発明方法をH400×200シリーズH形鋼の熱間圧延に
適用し、ウェブ高さ外寸法一定化を図った例を以下に記
す。本実施例では、第17図に示す圧延ラインで圧延を行
った。
まず、連続鋳造ブルーム(300mm厚×670mm幅)を加熱
炉において1250℃にまで加熱した。次いでロール孔型を
もつブレークダウン圧延機90で17パスのレバース圧延を
行い、ウェブ厚40mmのビームブランクを造形した。H400
×200シリーズのJIS規格では、H396×199×7/11、H400
×200×8/13、H404×201×9/15の3シリーズがあり、す
べてウェブ高さ内寸法は374mmである。
粗ユニバーサル圧延機(UR)92の水平ロール幅は、本
発明方法によれば目標ウェブ高さ外寸法H1からシリーズ
内の最小フランジ厚tf minの2倍を差し引いた値、すな
わち400−2×11=378(mm)に等しくしておけばよい。
但し、本実施例では、水平ロール側面の摩耗を考慮して
6mm上乗せし、該水平ロール幅を384mmとした。
次に、第1の仕上げユニバーサル圧延機(UF1)96の
水平ロール幅は、目標ウェブ高さ外寸法H1からシリーズ
内の最大フランジ厚tf maxの2倍を差し引いた値、すな
わち400−2×15(mm)に等しくしておけばよい。本ロ
ールにあつては側面の摩耗はさほど生じないと考えられ
るため、本実施例では370mmとした。
上記ビームブランクからH400×199×7/11を製造する
場合、粗ユニバーサル圧延機(UR)94で7パスでウェブ
厚7.5mm、フランジ厚11mm、ウェブ高さ外寸法=406mmに
まで造形しておく。ここでUR−Eミル群では、フランジ
は5゜テーパを持っている。次いで第1仕上ユニバーサ
ル圧延機(UF1)96でウェブ高さ外寸法を400mmまで6mm
縮小圧延を行った。そして第2仕上ユニバーサル圧延機
(UF2)98では、ウェブ高さの縮小は行わず、ウェブ厚
の均一化およびフランジとウェブの直角度の矯正を主目
的とした整形圧延を行い製品とした。以上の工程を模式
的に示したのが第21図(a)である。
さらに同圧延ラインでH400×201×9/15サイズの製造
を行う方法を第21図(b)に示すが、この場合は粗ユニ
バーサル圧延機(UR)でウェブ厚9.5mm、フランジ厚15m
m、ウェブ高さ外寸法414mmにまで造形しておく。そし
て、UF1でウェブ高さ外寸法を8mm縮小し406mmとし、さ
らにUF2でウェブ高さを6mm縮小し製品とした。
以上の寸法で得られたウェブ高さ外寸法一定H形鋼の
形状、寸法を第22図に示す。なお、粗ユニバーサル圧延
機、および第1の仕上ユニバーサル圧延機の水平ロール
幅許容摩耗量は、第2の仕上ユニバーサル圧延機(UF
2)の水平ロール幅可変機構導入により、従来の6mm程度
から10mm以上となり、ロール原単位が大幅に向上した。
実施例5 本発明方法をH900×300シリーズH形鋼の熱間圧延に
適用し、ウェブ高さ外寸法一定化を図った例を以下に記
す。本実施例についても第17図に示す圧延ラインで圧延
を行った。
このシリーズでは、H890×299×15/23〜H918×303×1
9/37まで4サイズである。そこで粗ユニバーサル圧延機
(UR)92の水平ロール幅は従来の844mmから860mm(=目
標ウェブ高さ外寸法900mm−2×最小フランジ厚23mm+
摩耗補正6mm)と広くし、ブレークダウン圧延機放しビ
ームブランク材のウェブ高さ内寸法も従来より16mm広く
しておく。また第1の仕上ユニバーサル圧延機(UF1)9
6の水平ロール幅は826mm(=目標ウェブ高さ外寸法900m
m−2×最大フランジ厚37mm)にしておく。
第20図(a)に示すように、H900×299×15/23を製造
する場合、粗ユニバーサル圧延機(UR)でウェブ厚15.5
mm、フランジ厚23mm、ウェブ高さ外寸法906mmに造形し
ておき、第1の仕上ユニバーサル圧延機(UF1)でウェ
ブ高さ外寸法を6mm縮めて900mmとし、第2の仕上ユニバ
ーサル圧延機(UF2)では整形圧延のみ行って製品に仕
上げた。また第23図(b)に示すように、H900×300×1
9/37を製造する場合には、粗ユニバーサル圧延機(UR)
でウェブ厚20.5mm、フランジ厚37mm、ウェブ高さ外寸法
934mmに造形しておく。そして続く仕上ユニバーサル圧
延機(UF1)では3パスでウェブ高さ外寸法を28mm縮め
て最終ウェブ高さ外寸法を906mmとする。さらに仕上ユ
ニバーサル圧延機(UF2)では1パスでウェブ高さ外寸
法を6mmに縮小し900mmとし、製品形状・寸法に仕上げら
れた。
実施例6 H450×300シリーズの圧延ラインにおいて、本発明方
法を適用してH400×300シリーズの製品を製造する場合
を例にとり以下に説明する。
まず、第17図に示す圧延ラインを使用してH形鋼の圧
延を行った。ブレークダウン圧延機90においては、CCブ
ルーム、スラブ等の素材を加熱後、複数パスでH形鋼の
形状に近いビームブランクに圧延する。次に水平ロール
幅404mmの粗ユニバーサル圧延機(UR)とエッジャ圧延
機からなる中間圧延機群において、H450×300シリーズ
の中間圧延を行う。このときの水平ロールの側面テーパ
は従来通り5゜とした。H450×300シリーズのH形鋼を
圧延する際は、上記中間圧延で製品に近い形状・寸法に
造形されたのち、仕上ユニバーサル圧延機(UF1)でフ
ランジ面が起こされ、さらに仕上ユニバーサル圧延機
(UF2)で所定の形状・寸法に整形圧延されて製品とな
る。
次に同じ圧延ラインでH400×300シリーズを圧延する
場合、例えばH386×297×9/14サイズの製造を行う場合
には、第24図(a)に示すように粗ユニバーサル圧延機
(UR)でウェブ厚10.5mm、フランジ厚14mm、ウェブ高さ
外寸法432mmに造形する。しかるのちに仕上ユニバーサ
ル圧延機(UF1)で3パスで、各パス毎に10mmずつウェ
ブ高さの縮小を行い、ウェブ高さ外寸法を402mmとす
る。さらに、仕上ユニバーサル圧延機(UF2)では1パ
ス、2パス目で各々8mmずつウェブ高さの縮小を行い、
最終3パス目で整形圧延を行って製品に仕上げる。第24
図(a)の場合は、仕上ユニバーサル圧延機(UF2)の
1パス目ではフランジ内面と水平ロール側面とは接して
いない圧延を行っている。第24図(b)も第24図(a)
と同様にH386×297×9/14サイズのH形鋼を圧延する工
程を示しているが、本実施例では仕上ユニバーサル圧延
機(UF2)の分割水平ロール幅の調整を行って、1パス
目からフランジ内面を水平ロール側面に接触させるよう
にしているのが特徴である。
さらにまた本実施例の第18図の圧延ラインで実現した
場合につき以下に示す。
ブレークダウン圧延(BD)〜粗ユニバーサル圧延機
(UR)(エッジャ圧延機)までは前述の実施例と同様の
工程で中間圧延を行ったのち、第18図のUF1−UF2のタン
デムミルで3パス圧延でウェブ高さ外寸法の縮小および
整形が行われる。本工程を第24図(c)および第24図
(d)に示す。両者とも1パス、2パス目でウェブ高さ
を18mm(UF1で10mm、UF2で8mm)縮小し、3パス目では
仕上ユニバーサル圧延機(UF1)でのウェブ高さ縮小圧
延後、仕上ユニバーサル圧延機(UF2)での整形工程を
経て製品の寸法、形状に仕上げられた。但し、第24図
(c)の場合は、仕上ユニバーサル圧延機(UF2)の水
平ロール幅が最終パスの幅358mmに初期設定したままで
一定なのに対し、第24図(d)の場合は該水平ロール幅
を各パス毎に設定の値に調整し、圧延材のフランジ内面
が水平ロール側面に接触するようにした点で両者は異な
っている。
実施例7 本実施例では、第17図の圧延ラインによって本発明を
実施し、平行フランジ溝形鋼を製造した。
例として500×250の場合、厚みは13〜50mmとした。粗
ユニバーサル圧延機(UR)92の水平ロール幅は480mm
(=目標ウェブ高さ外寸法500mm−2×最小フランジ厚1
3mm+ロール幅摩耗代6mm)とした。ここで7パスによ
り、フランジ厚を13mm、ウェブ厚を13.5mmとし、ウェブ
高さ外寸法を506mmとした。このときの水平ロールの側
面テーパは0.3゜であり、従来の仕上げユニバーサルミ
ルのそれと同じである。最小厚の13mmサイズの場合、仕
上ユニバーサル圧延機(UF1)でウェブ高さ外寸法を6mm
縮小し500mmとした後、仕上ユニバーサル圧延機(UF2)
でウェブ厚の均一化およびフランジとウェブの直角化、
さらにはコーナの直角化を目的とする整形圧延を実施し
製品とした。第25図(a)にこの時の工程の概略を示
す。
次に、中間厚みの30mmサイズの場合、URミル群におけ
る仕上寸法は、フランジ厚30mm、ウェブ厚31.5mm、ウェ
ブ高さ外寸法540mmである。この材料を仕上ユニバーサ
ル圧延機(UF1)において3パスで40mmのウェブ高さ縮
小圧延を行い、最終ウェブ高さ外寸法を500mmとする。
さらに、次の仕上ユニバーサル圧延機(UF2)では、水
平ロール上幅を440mm、下幅を500mmに設定し、整形圧延
を行い製品に仕上げた。13mmサイズの場合と同様に、フ
ランジはロールに材料が接するのみであり、またウェブ
はとくにフィレット部と外コーナ部中心に軽圧下するこ
とで平坦化された。以上の圧延工程の概要を第25図
(b)に示す。
さらに、最大厚みサイズ50mmについては、粗ユニバー
サル圧延機(UR)による圧延後の寸法をフランジ厚50m
m、ウェブ厚=51.5mm、ウェブ高さ外寸法を580mmとし
た。これを仕上ユニバーサル圧延機(UF1)で3パス圧
延でウェブ高さ60mmの縮小を行い、次いで仕上ユニバー
サル圧延機(UF2)でも2パスでウェブ高さ20mmの縮小
を行い、最終パスで整形圧延を行って製品に仕上げた。
なお、仕上ユニバーサル圧延機(UF2)では、ウェブ高
さの圧下の際には各パス毎に水平ロール幅の調整を行
い、フランジ内面が水平ロール側面に接するようにし
た。第25図(c)参照。
このようにして製造された一連の平行フランジ溝形鋼
の形状を第26図に示す。ウェブ高さ外寸法は500mmの一
定とし、フランジ厚さを順次変更することが可能である
ことが分かる。
なお、本例のような溝形鋼の圧延においても、第18図
の圧延ラインによって本発明を実施し、上記実施例と同
様のウェブ高さ外寸法の等しい製品を得ることが可能で
あることは言うまでもない。
(発明の効果) 以上、詳述したように、本発明によれば1種類のロー
ルで同一シリーズの平行フランジ形鋼等フランジを有す
る形材のウェブ高さ外寸法を一定化することが可能とな
る。
また、溝形鋼に従来見られた外コーナの突起部が解消
され、外コーナを直角にすることが可能となり、かつ規
格外のサイズについても低コストで製造可能となる。
さらにまた、本発明によれば、粗ユニバーサル圧延機
の水平ロール幅に制約されることなく、自由なウェブ高
さのH形鋼や溝形鋼などが同一圧延チャンスで同一ロー
ルで製造でき、ロール保有数の大幅削減、ロール原単位
の大幅向上が実現できる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)および第1図(b)は、各々H形鋼、平行
フランジ溝形鋼の各部の名称説明図; 第2図は、従来の平行フランジ形鋼の圧延ミルレイアウ
ト; 第3図は、従来法の粗ユニバーサルミルの圧延の様子の
説明図; 第4図は、従来法のエッジャーミルの様子の説明図; 第5図は、従来法のユニバーサル仕上ミルの圧延の様子
の説明図; 第6図および第7図は、各々H形鋼および平行フランジ
溝形鋼の現状の製品寸法体系の説明図; 第8図は、従来法によるユニバーサル仕上ミルの圧延の
様子を示す説明図; 第9図(a)および(b)は、本発明にかかる方法によ
るH形鋼の圧延の様子を示すそれぞれ略式説明図; 第10図(a)〜(e)は、各々本発明にかかる分割水平
ロールを有する仕上ユニバーサル圧延機での圧延の様子
を説明する略式断面図; 第11図は、ウエブ座屈の様子の略式説明図; 第12図は、本発明にかかる方法によるウエブ高さ圧下量
限界を示すグラフ; 第13図(a)および(b)は、本発明にかかる方法を実
施する圧延ラインの説明図; 第14図(a)〜(c)は、仕上ユニバーサル圧延機によ
るウエブ連結部のフィレット疵発生状況の略式説明図; 第15図(a)および(b)は、それぞれ粗ユニバーサル
圧延機および仕上ユニバーサル圧延機によるコーナ圧延
の様子の説明図; 第16図は、本発明で用いる仕上げユニバーサル圧延機の
幅可変タイプ水平ロールの説明図; 第17図および第18図は、本発明の別の変更例の圧延ライ
ンレイアウトと圧延工程フロー図; 第19図および第20図は、実施例によって製造されたそれ
ぞれ溝形鋼およびH形鋼の成品寸法体系の説明図; 第21図(a)および(b)は、実施例におけるH形鋼の
圧延の様子の略式説明図; 第22図は、実施例によって製造されたH形鋼の形状寸法
の説明図; 第23図(a)および(b)、ならびに第24図(a)ない
し第24図(d)、および第25図(a)ないし(c)は、
本発明の実施例における圧延工程説明図;および 第26図は、本発明の実施例で得られた平行フランジ溝形
鋼の製品寸法体系の説明図である。 80,90:ブレークダウン圧延機 82,92:粗ユニバーサル圧延機 84,94:エッジャー圧延機 86:仕上ユニバーサル圧延機(2分割可変水平ロール) 96:第1仕上ユニバーサル圧延機 98:第2仕上ユニバーサル圧延機(2分割可変水平ロー
ル)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ブレークダウン圧延機、粗ユニバーサル圧
    延機、エッジャー圧延機、および仕上ユニバーサル圧延
    機を経て行うフランジを有する形材の熱間圧延方法にお
    いて、前記仕上ユニバーサル圧延機の水平ロール幅を2
    分割し、オンラインで幅調整可能な構造とし、フランジ
    部内面を該水平ロール側面に接するようにして、該仕上
    ユニバーサル圧延機における複数パスのレバース圧延に
    よってウエブ高さの縮小を行うことを特徴とするフラン
    ジを有する形材の熱間圧延方法。
  2. 【請求項2】ブレークダウン圧延機、粗ユニバーサル圧
    延機、エッジャー圧延機、および仕上ユニバーサル圧延
    機を経て行うフランジを有する形材の熱間圧延方法にお
    いて、前記仕上ユニバーサル圧延機の水平ロール幅を2
    分割し、オンラインで幅調整可能な構造とし、フランジ
    部内面を該水平ロール側面に接するようにして、該仕上
    ユニバーサル圧延機における1パスの圧延によってウエ
    ブ高さの縮小を行い、前記仕上ユニバーサル圧延機の分
    割水平ロール側面外周端のr寸法を粗ユニバーサル圧延
    機の水平ロール側面外周端のr寸法を越えない値にする
    か、または前記仕上ユニバーサル圧延機の分割水平ロー
    ル側面外周端のC寸法を粗ユニバーサル圧延機の水平ロ
    ール側面外周端のC寸法を越えない値にすることを特徴
    とするフランジを有する形材の熱間圧延方法。
  3. 【請求項3】前記仕上ユニバーサル圧延機の分割水平ロ
    ール側面外周端のr寸法を粗ユニバーサル圧延機の水平
    ロール側面外周端のr寸法を越えない値にするか、また
    は前記仕上ユニバーサル圧延機の分割水平ロール側面外
    周端のC寸法を粗ユニバーサル圧延機の水平ロール側面
    外周端のC寸法を越えない値にすることを特徴とする請
    求項1記載のフランジを有する形材の熱間圧延方法。
  4. 【請求項4】前記仕上ユニバーサル圧延機の垂直ロール
    を補助駆動とすることを特徴とする請求項1または2記
    載のフランジを有する形材の熱間圧延方法。
  5. 【請求項5】ブレークダウン圧延機、粗ユニバーサル圧
    延機、エッジャー圧延機および仕上ユニバーサル圧延機
    を経て行うフランジを有する形材の熱間圧延方法におい
    て、第1および第2の仕上ユニバーサル圧延機を設け、
    エッジャー圧延後の被圧延材を固定幅の水平ロールを有
    する第1の仕上ユニバーサル圧延機で圧延する際に、フ
    ランジ部内面を該仕上ユニバーサル圧延機の水平ロール
    側面に接することなく、垂直ロールによりフランジ部外
    面を圧下することにより、1パスもしくは複数パスでウ
    ェブ高さの縮小圧延を行う工程と、またはロール軸方向
    の位置が可変の2分割水平ロールからなる第2の仕上ユ
    ニバーサル圧延機で、1パスでの整形圧延または1パス
    もしくは複数パスでウェブ高さの縮小圧延を行う工程
    と、またはこれら両工程の組合せからなる工程を経るこ
    とを特徴とするフランジを有する形材の熱間圧延方法。
  6. 【請求項6】前記第2の仕上ユニバーサル圧延機の2分
    割水平ロールの側面を少なくとも最終パスを除く途中パ
    スにおいてはフランジ部内面に接することなく、垂直ロ
    ールによりフランジ部外面を圧下することを特徴とする
    請求項5に記載のフランジを有する形材の熱間圧延方
    法。
  7. 【請求項7】前記第2の仕上ユニバーサル圧延機の2分
    割水平ロールの幅を1パス毎に所定の値に調整し、フラ
    ンジ内面が該水平ロール側面に接触するまで垂直ロール
    によりフランジ外面を圧下することを特徴とする請求項
    5に記載のフランジを有する形材の熱間圧延方法。
  8. 【請求項8】前記粗ユニバーサル圧延機、第1の仕上ユ
    ニバーサル圧延機、第2の仕上ユニバーサル圧延機の水
    平ロール側面外周端のr寸法またはc寸法を各々r0
    r1、r2あるいはc0、c1、c2とするとき、r2≦r1≦r0また
    はc2≦c1≦c0の関係を満足させることを特徴とする請求
    項5、6または7記載のフランジを有する形材の熱間圧
    延方法。
JP1149851A 1989-06-13 1989-06-13 フランジを有する形材の熱間圧延方法 Expired - Lifetime JP2522059B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1149851A JP2522059B2 (ja) 1989-06-13 1989-06-13 フランジを有する形材の熱間圧延方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1149851A JP2522059B2 (ja) 1989-06-13 1989-06-13 フランジを有する形材の熱間圧延方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0318401A JPH0318401A (ja) 1991-01-28
JP2522059B2 true JP2522059B2 (ja) 1996-08-07

Family

ID=15484035

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1149851A Expired - Lifetime JP2522059B2 (ja) 1989-06-13 1989-06-13 フランジを有する形材の熱間圧延方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2522059B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100240605B1 (ko) * 1995-12-21 2000-01-15 아사무라 타카싯 형강 압연 방법 및 이를 위한 장치

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5293654A (en) * 1976-02-04 1977-08-06 Sumitomo Metal Ind Method of rolling central flange part of hhshaped steel
JPS5925525Y2 (ja) * 1978-12-21 1984-07-26 川崎製鉄株式会社 ユニバ−サル圧延機における垂直ロ−ルの冷却および駆動装置
JPS58135705A (ja) * 1982-02-06 1983-08-12 Sumitomo Metal Ind Ltd H形鋼の圧延方法
JPH0761485B2 (ja) * 1983-09-30 1995-07-05 新日本製鐵株式会社 形鋼の仕上圧延方法
JP2908456B2 (ja) * 1988-06-27 1999-06-21 川崎製鉄株式会社 形鋼の圧延方法
JP2548377B2 (ja) * 1988-06-29 1996-10-30 川崎製鉄株式会社 H形鋼の圧延方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0318401A (ja) 1991-01-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0498733B1 (en) Method of rolling steel shapes
WO1997023310A1 (fr) Procede et appareil de laminage de profile d'acier
JP2522059B2 (ja) フランジを有する形材の熱間圧延方法
JPS59133902A (ja) H形鋼の熱間圧延方法
JPH0813361B2 (ja) 平行フランジ形鋼の圧延方法
JPS61135404A (ja) H形鋼の熱間圧延方法
JP3695289B2 (ja) 外法一定の平行フランジ溝形鋼とその製造方法
JP3496554B2 (ja) 溝形鋼の製造方法、粗ユニバーサル圧延機および仕上ユニバーサル圧延機
JP3428503B2 (ja) 溝形鋼の圧延法
JP2943326B2 (ja) H型鋼の製造方法
JP3339466B2 (ja) H形鋼とその圧延方法
JP2681536B2 (ja) 溝形鋼の圧延装置列
JPH06297003A (ja) フランジ先端r付h形鋼の製造法およびその熱間圧延装置列
JPH0364201B2 (ja)
EP0760263B1 (en) Method of and apparatus for hot rolling h-steel
JP2508873B2 (ja) フランジを有する形材の熱間圧延方法
JP2005021960A (ja) 鋼板の製造方法および製造装置
JP3389831B2 (ja) 溝形鋼の圧延法
JP2861831B2 (ja) 外法一定平行フランジ溝形鋼の圧延方法
JP2530405B2 (ja) 溝形鋼の熱間圧延方法およびその圧延装置列
JPH0813362B2 (ja) フランジを有する形材の熱間圧延方法
JPH05269502A (ja) H形鋼の熱間圧延方法
JP2522059C (ja)
JP3582222B2 (ja) 形鋼用粗形鋼片の圧延方法
JP2712855B2 (ja) H形鋼の圧延方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090531

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100531

Year of fee payment: 14

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100531

Year of fee payment: 14