JPH09188638A - ジハロゲン化ベンゼン異性体の分離方法 - Google Patents

ジハロゲン化ベンゼン異性体の分離方法

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JPH09188638A
JPH09188638A JP190496A JP190496A JPH09188638A JP H09188638 A JPH09188638 A JP H09188638A JP 190496 A JP190496 A JP 190496A JP 190496 A JP190496 A JP 190496A JP H09188638 A JPH09188638 A JP H09188638A
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JP
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dihalogenated benzene
separating
dihalogenated
zeolite
cation
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JP190496A
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Miyo Suzuki
美代 鈴木
Akira Miyata
暁 宮田
Mamoru Ishikawa
守 石川
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ジハロゲン化ベンゼン異性体混合物中から、
特定の異性体を、高純度に収率よく分離回収する。 【解決手段】 置換基の少なくとも1つがフッ素である
ジハロゲン化ベンゼン異性体混合物中から特定のジハロ
ゲン化ベンゼン異性体を吸着分離する際に、ゼオライト
を含む吸着剤と接触させることを特徴とするジハロゲン
化ベンゼン異性体混合物の分離方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は置換基として少なく
とも1つのフッ素を含むジハロゲン化ベンゼン異性体混
合物中から特定のジハロゲン化ベンゼン異性体を分離回
収する方法に関する。
【0002】ジハロゲン化ベンゼンは、医薬中間体や、
農薬原料として、産業界各方面で利用されている有用な
物質である。
【0003】
【従来の技術】ジハロゲン化ベンゼンは、通常、ベンゼ
ンのハロゲン化により合成される。この反応は通常は
o,p−配向性であり、m−体を得るには、反応後異性
化を行う必要がある。従って、これらのうちから特定の
異性体をえるには分離工程が不可欠である。
【0004】一般に、これらジハロゲン化ベンゼン異性
体の内、o−体は蒸留による分離が可能であるが、p−
体とm−体は沸点が非常にちかいため、蒸留により分離
することは極めて困難である。
【0005】特開昭52−62229号公報および特開
昭53−105434号公報には、ゼオライトを用い
て、p−,m−ジクロロベンゼン混合物を分離する方法
が開示されている。特公昭63−24981号公報に
は、リチウムを含むX型フォージャサイトを吸着剤とし
てジクロロベンゼン異性体混合物からm−ジクロロベン
ゼンを吸着分離する方法が、開示されている。特公平1
−12734号公報には銀及びカリウムを含むフォージ
ャサイト型ゼオライトにより、また特開平4−3300
25号公報には、鉛及びカリウムを含むフォージャサイ
ト型ゼオライトによりm−ジクロロベンゼンを吸着分離
する方法が開示されている。
【0006】米国特許4996380号明細書には、ナ
トリウム及びカリウムによりイオン交換されたX型フォ
ージャサイトを用いて、m−ジクロロベンゼンを強吸着
で吸着分離する方法が開示されている。
【0007】特公平1−12732号公報にはジクロロ
ベンゼン異性体混合物の吸着分離に際し、3、4−ジハ
ロゲン化トルエン又は4−ハロゲン化−o−キシレンを
脱着剤とする方法が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記の方法はすべてジ
ハロゲン化ベンゼンの内、ジクロロベンゼンの吸着分離
操作に関わるものであり、置換基にフッ素を含むジハロ
ゲン化ベンゼンの分離については全く触れられていな
い。ところが置換基の一つがフッ素である場合は、その
原子サイズが水素とほとんど変わらないため、二置換の
異性体では異性体間に形状の差がなく、吸着分離法によ
る分離は極めて困難であると考えられてきた。 またフ
ッ素を含むジハロゲン化ベンゼンでは、蒸留特性もフッ
素を含まない場合とは異なり、o−体も蒸留による分離
が不可能である場合が多い。このため吸着分離によりp
−体、m−体、o−体の混合物を分離する必要があり、
p−体、m−体を分離する、特開昭52−62229号
公報および特開昭53−105434号公報に示された
方法を、フッ素を含むジハロゲン化ベンゼンに適用する
ことはできない。又、吸着機構が全く異なるため吸着序
列もフッ素を含まないジハロゲン化ベンゼンとは異な
る。吸着分離では、吸着序列において最吸着又は最非吸
着であることが分離の必要条件であるため、吸着序列が
従来のフッ素を含まないジハロゲン化ベンゼンと異なる
場合には、従来の技術を適用する事によってはフッ素を
含むジハロゲン化ベンゼンの分離を行う事は困難であ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】発明者らは、フッ素の置
換位置の差は、吸着特性に大きな影響を持つことを見出
した。即ち、フッ素上の強い負電荷のため、フッ素を含
むジハロゲン化ベンゼンの吸着はフッ素の位置で起こる
と考えられる。その為、フッ素を含むジハロゲン化ベン
ゼンの吸着では、ゼオライトに含まれるカチオンのサイ
ズが適当であれば、二つのカチオンサイトを架橋する形
での吸着が起きる。従って吸着特性にたいするカチオン
サイズの影響が極めて大きい。
【0010】本発明者らは、置換基の少なくとも一方が
フッ素であるジハロゲン化ベンゼン異性体混合物中から
特定の異性体を分離する方法について、上記の吸着特性
を考慮して鋭意研究し、吸着剤として使用するフォージ
ャサイト型ゼオライト中に含ませるカチオンを様々に変
えることにより吸着特性を大きく変化させ得るを事を見
出だし、本発明に至った。
【0011】すなわち、本発明は、ジハロゲン化ベンゼ
ン異性体混合物中から、特定の異性体を吸着分離する方
法において、置換基の少なくとも一方がフッ素であるこ
とを特徴とするジハロゲン化ベンゼン異性体の分離方法
である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明におけるジハロゲン化ベン
ゼン異性体混合物とは、少なくとも2種以上のジハロゲ
ン化ベンゼン異性体を含み、置換ハロゲンの少なくとも
一方はフッ素である。
【0013】本発明方法において使用されるフォージャ
サイト型ゼオライトとは次式で示される結晶性アルミノ
シリケートである。
【0014】0.9±0.2M2/n O:Al2 3 :x
SiO2 :yH2 O ここで、Mはカチオンを示し、nはその原子価を表す。
フォージャサイト型ゼオライトはX型とY型とに分類さ
れ、X型では上式のxは、2.5±0.5であり、Y型
では上式のxは3〜6である。また、yは水和の程度に
より異なる。フォージャサイト型ゼオライトは通常、カ
チオンとしてナトリウムを含む形で得られるが、このカ
チオンはイオン交換により様々なカチオンに置き換える
ことができる。
【0015】本発明で使用するフォージャサイト型ゼオ
ライトは、カチオンとして、例えばリチウム、ナトリウ
ム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、
カルシウム、ストロンチウム、バリウム、銀、ニッケ
ル、亜鉛、クロムおよび鉛などを含むものを使用するこ
とができる。
【0016】ジハロゲン化ベンゼンは通常o−置換体が
強く吸着される傾向があり、o−ジハロゲン化ベンゼン
を強吸着で分離することができる。特に、含まれるカチ
オンのイオン半径が0.12nmより大きい場合、o−
置換体を吸着する選択性が高くo−ジハロゲン化ベンゼ
ンを強吸着で分離するのに好ましい。中でもストロンチ
ウム、バリウム又は銀を含むフォージャサイト型ゼオラ
イトは非常に好ましい。
【0017】含まれるカチオンのイオン半径が0.13
nmより小さい場合、吸着序列はo−,p−,m−の順
に弱くなり、m−ジハロゲン化ベンゼンを非吸着で分離
することができる。特にマグネシウム、カルシウム、ス
トロンチウム、リチウム、ナトリウムは好ましく、マグ
ネシウム、ナトリウムは非常に好ましい。
【0018】さらに驚くべき事に、含まれるカチオンの
イオン半径が0.13nmより大きくなると、p−体と
m−体の吸着序列の逆転が起こり、0.13nm以上の
イオン半径を有するカチオンをゼオライト中に含ませる
事により、p−ジハロゲン化ベンゼンを非吸着で分離す
ることができる。特に、カリウム、ルビジウム、セシウ
ム、バリウムは好ましく、カリウムは非常に好ましい。
これらの金属は本発明の効果を阻害しない範囲で他の金
属を含んでいてもよい。
【0019】フォージャサイト型ゼオライトに含まれる
金属は、通常、イオン交換によりカチオンの形で存在す
る。
【0020】これらのカチオンはイオン交換法により容
易にゼオライト中に取込まれる。
【0021】カチオンのイオン交換法は結晶性アルミノ
シリケートの製造に関する知識を有する当業者には広く
知られており、通常はゼオライトに加えようとする1種
またはそれ以上のカチオンの可溶性塩の水溶液にそのゼ
オライトを接触させることによって実施される。この接
触は必要に応じて数回繰返して行ってもよい。
【0022】本発明の方法を用いたジハロゲン化ベンゼ
ン異性体混合物を吸着分離するための技術は、いわゆる
クロマト分取法であってもよいし、また、これを連続化
した疑似移動床による吸着分離方法でもよい。
【0023】疑似移動床による連続的吸着分離技術は基
本的操作としては次に示す吸着操作、濃縮操作、脱着操
作を連続的に循環して実施される。
【0024】(1) 吸着操作:ジハロゲン化ベンゼン異性
体混合物がフォージャサイト型ゼオライトの吸着剤と接
触し、弱吸着成分を選択的に残して強吸着成分が吸着さ
れる。強吸着成分はエクストラクト成分としてあとで述
べる脱着剤とともに回収される。(2) 濃縮操作:弱吸着
成分を多く含むラフィネートはさらに吸着剤と接触させ
られ強吸着成分が選択的に吸着されて、ラフィーネート
中の弱吸着成分が高純化される。
【0025】(3) 脱着操作:高純化された弱吸着成分は
ラフィネートとして回収され、一方、強吸着成分は脱着
剤によって吸着剤から追出され、脱着剤をともなってエ
クストラクト成分として回収される。
【0026】本発明の吸着分離方法に使用する脱着剤あ
るいはクロマト分取に使用する展開剤はジハロゲン化ベ
ンゼンと容易に蒸留分離できる芳香族炭化水素、脂肪族
炭化水素、エーテル、アルコール、ハロゲン化芳香族な
どの化合物が使用できる。特にトルエン、キシレン、エ
チルベンゼン、ジエチルベンゼンなどのアルキル芳香族
炭化水素や、ジアルキル芳香族炭化水素あるいは、クロ
ロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロトルエンなど
のハロゲン化芳香族が好ましい。なかでもp−体のジア
ルキルベンゼンはイオン半径が0.1〜0.14nmの
カチオンを含むフォージャサイト型ゼオライトを吸着剤
とした場合、p−ジハロゲン化ベンゼンの吸着力を増大
させ、p−体を強吸着で分離することを可能にする。こ
の場合、p−ジアルキルベンゼンとしては、炭素数1〜
5のアルキル基を有するものが好ましく用いられ、p−
ジエチルベンゼンは特に好ましく用いられる。
【0027】吸着分離をするための操作条件としては、
温度は室温から350℃、好ましくは50〜250℃で
あり、圧力は大気圧から5MPa、好ましくは大気圧か
ら4MPaである。本発明による吸着分離は気相でも液
相でもよいが、操作温度を低くして原料供給物あるいは
脱着剤の好ましくない副反応を抑えるために液相で実施
するのが好ましい。
【0028】
【実施例】次に本発明の方法を実施例を挙げて説明す
る。
【0029】実施例では、吸着剤の吸着特性を次式
(1)の吸着選択率(α)をもって表す。
【数1】 ここで、A、Bはジハロゲン化ベンゼン異性体のどれか
1つを示す。
【0030】上式の値が1より大のときA成分が選択的
に吸着され、1より小のときはB成分が選択的に吸着さ
れる。また、上式のα値が1より大なる吸着剤(あるい
は1より小さく0に近い吸着剤)ほどAとBの吸着分離
が容易となる。
【0031】実施例1 カチオンサイトにナトリウムを有するY型のフォージャ
サイト型ゼオライト(東ソー、HSZ−320NAA)
(Na−Y)の造粒品を500℃で約1時間焼成した
後、Ba(NO3 2 の10重量%水溶液に固液比3で
80℃、30分間接触させることを7回繰り返し、バリ
ウムでイオン交換されたY型ゼオライトを調製した。こ
の吸着剤約1.6gを、500℃で約1時間焼成した
後、デシケーター中で冷却し、液相混合物約2.5ml
と共に5mlオートクレーブ内に充填し、150℃で1
時間接触させ放置した。仕込んだ液相混合物の組成比
は、p−ブロモフルオロベンゼン:m−ブロモフルオロ
ベンゼン:o−ブロモフルオロベンゼン:n−ノナン=
32:63:5:10(重量比)であった。n−ノナン
はガスクロマトグラフィー分析での内標物質として添加
したもので、上記実験条件下では実質的に吸着剤に対し
不活性な物質である。吸着剤と接触させた後の液相混合
物の組成を分析し、上記式(1)を用いて吸着選択率α
を求めた。結果を表1に示す。この系は、o−体を強く
吸着する。
【0032】(各種カチオンを含むゼオライトの調製)
実施例(実施例7、及び実施例15を除く)に用いたX
型及びY型ゼオライトは、Na−X(東ソー、ゼオラム
F9)、Na−Y(東ソー、HSZ−320NAA)
を、各カチオンの硝酸塩の10重量%水溶液に、実施例
1と同様の方法で接触させることによりイオン交換し
た。カチオンと、用いた塩の関係を表2に示す。
【0033】実施例7で用いたAgK−Yは、実施例2
で用いたK−Yを、6重量%の硝酸銀水溶液に80℃で
30分間、固液比3で1回接触させて調製した。また、
実施例15で用いたAgBa−Xは、実施例12で用い
たBa−Xを、7.7重量%の硝酸銀水溶液に80℃で
30分間、固液比3で1回接触させて調製した。
【0034】実施例2〜15 上記の方法で調製したゼオライトを使用して実施例1と
同様の方法で吸着実験を行った。結果をまとめて表1に
示す。
【0035】これらは、いずれもo−体を強く吸着する
ことがわかる。
【0036】
【表1】
【表2】 実施例16 カチオンサイトにナトリウムを有するX型のフォージャ
サイト型ゼオライト(東ソー、ゼオラムF9)(Na−
X)の造粒品を500℃で約1時間焼成した後、Mg
(NO3 2 の10重量%水溶液に接触させることを7
回繰り返し、マグネシウムでイオン交換されたX型ゼオ
ライト(Mg−X)を調製した。この吸着剤約1.6g
を、500℃で約1時間焼成した後、デシケーター中で
冷却し、液相混合物約2.5mlと共に5mlオートク
レーブ内に充填し、150℃で1時間接触させ放置し
た。仕込んだ液相混合物の組成比は、p−ブロモフルオ
ロベンゼン:m−ブロモフルオロベンゼン:o−ブロモ
フルオロベンゼン:n−ノナン=32:63:5:10
(重量比)であった。n−ノナンはガスクロマトグラフ
ィー分析での内標物質として添加したもので、上記実験
条件下では実質的に吸着剤に対し不活性な物質である。
吸着剤と接触させた後の液相混合物の組成を分析し、上
記式(1)を用いて吸着選択率αを求めた。結果を表3
に示す。この系は、m−体を非吸着で分離することがで
きる。
【0037】実施例17 実施例16で用いた吸着剤、Mg−Xを長さ1m、内径
4.75mmのステンレスカラムに充填し、150℃の
オイルバス中において脱着剤トルエンを約1.8ml/
minの流量で流した。トルエンを流している状態で分
離原料であるp−ブロモフルオロベンゼン:m−ブロモ
フルオロベンゼン:o−ブロモフルオロベンゼン:トル
エン:デカリン=30:70:100:10(重量%)
からなる混合物、約1.6mlをカラム入口に導入し
た。デカリンは内標であって、流出時間の基準として使
用するものであり、他の成分と比較してその吸着は事実
上無視できる。
【0038】カラム出口から流出してくる液をガスクロ
マトグラフィーにより分析したところ、導入後約4.5
分後にm−ブロモフルオロベンゼンが流出しはじめた。
さらに定期的に流出液を分析し、図1に示す流出曲線を
得た。
【0039】実施例18〜36 実施例1及び2〜15と同様の方法でCa−X、Sr−
X、Ca−Y、Sr−Y、Li−Y、Na−Y、Ni−
Y、Zn−Y、Cr−Yを調製し、表3に示す脱着剤を
用いて実施例1と同様の方法で吸着実験を行った。結果
を表3に示す。
【表3】 実施例37 実施例1で用いたと同様のNa−Y型ゼオライトの造粒
品を500℃で約1時間焼成した後、KNO3 の10重
量%水溶液に接触させることを7回繰り返し、カリウム
でイオン交換されたY型ゼオライト(K−Y)を調製し
た。この吸着剤をもちいて実施例1と同様の実験を行っ
た。結果を表4に示す。この系は、p−ブロモフルオロ
ベンゼンを非吸着で分離することができる。
【0040】実施例38〜45 実施例1及び2〜15と同様の方法でK−Y、K−X、
Rb−Y、Cs−Y、Ba−Xを調整し、表4に示す脱
着剤を用いて実施例1と同様の方法で吸着実験を行っ
た。結果を表4に示す。
【0041】
【表4】 実施例46〜48 吸着剤としてカチオンサイトにナトリウムを有するY型
のフォージャサイト型ゼオライト(Na−Y)を用い、
脱着剤としてp−ジエチルベンゼンを用いて、実施例1
と同様の実験をおこなった。但し、仕込んだ液相混合物
の組成比は、p−ブロモフルオロベンゼン:m−ブロモ
フルオロベンゼン:o−ブロモフルオロベンゼン:p−
ジエチルベンゼン:n−ノナン=32:63:5:10
0:20(重量比)であった。n−ノナンはガスクロマ
トグラフィー分析での内標物質として添加したもので、
上記実験条件下では実質的に吸着剤に対し不活性な物質
である。さらに、Na−Xをカルシウム又はストロンチ
ウムでイオン交換したゼオライト(Ca−X,Sr−
X)を用いて同様の実験を行った。結果を表5に示す。
この系では、p−体を強吸着で分離することができる。
【0042】比較例1 実施例47で用いたCa−Xを吸着剤とし脱着剤を用い
ないで実施例1と同様の実験を行った。結果を表5に示
す。この系はo−体を強く吸着する。
【0043】
【表5】 実施例49、50 吸着剤としてNa−Xを用い、異性体混合物としてクロ
ロフルオロベンゼン異性体混合物(o−:m−:p−=
1:1:1)を用いる以外は実施例1と同様にして、ク
ロロフルオロベンゼン異性体混合物の吸着選択性を調べ
た。また吸着剤としてK−Xを用いて同様の実験を行っ
た。結果を表6に示す。
【0044】比較例2、3 異性体混合物としてブロモクロロベンゼン異性体混合物
を用いる以外は実施例49、50と同様の実験を行っ
た。結果を表5に示す。
【0045】
【表6】
【0046】
【発明の効果】本発明により、フッ素を含むジハロゲン
化ベンゼン異性体混合物中から特定の異性体のみを高純
度に収率よく分離回収することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例17における各成分の流出量
の時間変化を示す図である。

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 置換ハロゲン基の少なくとも1つがフッ
    素であるジハロゲン化ベンゼン異性体混合物中から特定
    のジハロゲン化ベンゼン異性体を吸着分離する際に、ゼ
    オライトを含む吸着剤と接触させることを特徴とするジ
    ハロゲン化ベンゼン異性体の分離方法。
  2. 【請求項2】 ゼオライトが、フォージャサイト型ゼオ
    ライトであることを特徴とする請求項1記載のジハロゲ
    ン化ベンゼン異性体の分離方法。
  3. 【請求項3】 ジハロゲン化ベンゼンの置換ハロゲン基
    が互いに異なることを特徴とする請求項1または2記載
    のジハロゲン化ベンゼン異性体の分離方法。
  4. 【請求項4】 ジハロゲン化ベンゼンがブロモフルオロ
    ベンゼンまたはクロロフルオロベンゼンであることを特
    徴とする請求項3記載のジハロゲン化ベンゼン異性体の
    分離方法。
  5. 【請求項5】 ジハロゲン化ベンゼン異性体混合物中か
    ら、o−ジハロゲン化ベンゼンを強吸着で分離すること
    を特徴とする請求項1、2、3または4記載のジハロゲ
    ン化ベンゼン異性体の分離方法。
  6. 【請求項6】 イオン半径0.12nm以上のカチオン
    を含むフォージャサイト型ゼオライトを含む吸着剤と接
    触させることを特徴とする請求項5記載のジハロゲン化
    ベンゼン異性体の分離方法。
  7. 【請求項7】 カチオンがストロンチウム、バリウムお
    よび銀から選ばれる少なくとも1種のカチオンであるこ
    とを特徴とする請求項6記載のジハロゲン化ベンゼン異
    性体の分離方法。
  8. 【請求項8】 フォージャサイト型ゼオライトがY型で
    ある請求項5、6または7記載のジハロゲン化ベンゼン
    異性体の分離方法。
  9. 【請求項9】 ジハロゲン化ベンゼン異性体混合物を、
    イオン半径0.13nm以下の1価及び/または2価の
    カチオンを含むフォージャサイト型ゼオライトを含む吸
    着剤と接触させて、m−ジハロゲン化ベンゼンを非吸着
    で分離することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1
    項記載のジハロゲン化ベンゼン異性体の分離方法。
  10. 【請求項10】 カチオンがマグネシウム、カルシウ
    ム、ストロンチウム、ナトリウムおよびリチウムから選
    ばれる少なくとも1種のカチオンであることを特徴とす
    る請求項9記載のジハロゲン化ベンゼン異性体の分離方
    法。
  11. 【請求項11】 ゼオライトがマグネシウムを含むX型
    ゼオライトであることを特徴とする請求項9記載のジハ
    ロゲン化ベンゼン異性体の分離方法。
  12. 【請求項12】 ゼオライトがナトリウムを含むY型ゼ
    オライトであることを特徴とする請求項9記載のジハロ
    ゲン化ベンゼン異性体の分離方法。
  13. 【請求項13】 ジハロゲン化ベンゼン異性体混合物
    を、イオン半径0.13nm以上のカチオンを含むフォ
    ージャサイト型ゼオライトを含む吸着剤と接触させて、
    p−ジハロゲン化ベンゼンを非吸着で分離することを特
    徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のジハロゲン
    化ベンゼン異性体の分離方法。
  14. 【請求項14】 カチオンがカリウム、ルビジウム、セ
    シウム、及びバリウムから選ばれる少なくとも一種のカ
    チオンであることを特徴とする請求項13記載のジハロ
    ゲン化ベンゼン異性体の分離方法。
  15. 【請求項15】 ゼオライトがカリウムを含むことを特
    徴とする請求項13記載のジハロゲン化ベンゼン異性体
    の分離方法。
  16. 【請求項16】 ジハロゲン化ベンゼン異性体混合物中
    を、イオン半径0.1〜0.14nmのカチオンを含む
    フォージャサイト型ゼオライトを含む吸着剤と接触さ
    せ、かつ、脱着剤として、p−ジアルキルベンゼンを用
    いて、p−ジハロゲン化ベンゼンを強吸着で分離するこ
    とを特徴とする請求項1〜4記載のジハロゲン化ベンゼ
    ン異性体の分離方法。
  17. 【請求項17】 ゼオライトがナトリウムを含むY型ゼ
    オライト、あるいはカルシウム及び/またはストロンチ
    ウムを含むX型ゼオライトであることを特徴とする請求
    項16記載のジハロゲン化ベンゼン異性体の分離方法。
  18. 【請求項18】 p−ジアルキルベンゼンがp−ジエチ
    ルベンゼンであることを特徴とする請求項17記載のジ
    ハロゲン化ベンゼン異性体の分離方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0948988A1 (en) * 1998-04-09 1999-10-13 Toray Industries, Inc. Use of an adsorbent for separating halogenated aromatic compounds and method of separation using it
JP2009209162A (ja) * 2009-06-24 2009-09-17 Kanto Denka Kogyo Co Ltd 1−ブロモ−3−フルオロベンゼンの製造方法

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