JPH09183119A - ワイヤ式切断加工装置 - Google Patents

ワイヤ式切断加工装置

Info

Publication number
JPH09183119A
JPH09183119A JP34417795A JP34417795A JPH09183119A JP H09183119 A JPH09183119 A JP H09183119A JP 34417795 A JP34417795 A JP 34417795A JP 34417795 A JP34417795 A JP 34417795A JP H09183119 A JPH09183119 A JP H09183119A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wire
cutting
cut
machining
plate member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP34417795A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuyuki Suzuki
龍之 鈴木
Atsushi Sakamoto
敦 坂本
Takahiro Uchida
高広 内田
Kazuto Terada
和人 寺田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP34417795A priority Critical patent/JPH09183119A/ja
Publication of JPH09183119A publication Critical patent/JPH09183119A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Processing Of Stones Or Stones Resemblance Materials (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワイヤに対して加工液を散布するだけでは、
十分な量の加工液をワイヤに付着させることが困難であ
った。 【解決手段】 被切断部材9の切断加工域Aに隣接する
溝ローラ7b,7c間に張られるワイヤ8の下方に加工
液受板部材6を近接状態に配置するとともに、加工液受
板部材6を、切断加工域Aと溝ローラ7b,7cとの間
に固設される固定板部6aと、これに連続して切断加工
域Aに設けられかつ押付装置4によって下降させられる
被切断部材9により変位させられて、被切断部材9の通
路を開口させる開閉部6bとから構成し、加工液供給手
段5に、加工液受板部材6の上面に加工液Lを供給する
供給口15,16を設け、加工液受板部材6の上面で受
け止めた加工液Lに切断加工域Aに向かうワイヤ8を浸
漬させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体材料や磁性
材料、あるいはセラミックス等の高硬度脆性材料をワイ
ヤによって切断するためのワイヤ式切断加工装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】ワイヤ式切断加工装置は、複数の溝ロー
ラの間に張設されたワイヤをワイヤ走行装置によって一
方向に所定速度で走行させながら、被切断部材を押付装
置によって上記ワイヤに押し付けるとともに被切断部材
の切断加工部に砥粒を含む加工液を供給して被切断部材
を切断加工するもの、および、ワイヤを交互に逆方向に
走行させて切断加工するものが知られている。
【0003】従来のワイヤ式切断加工装置において、砥
流を含む加工液は、例えば、特開昭59−232762
号公報に示されるように、被切断部材の切断加工を行う
直前段においてワイヤに向けて、上方から散布され、そ
の一部がワイヤに付着し、他の大部分はワイヤを通過し
て落下させられるようになっている。すなわち、ワイヤ
に付着した一部の加工液が被切断部材を切断するために
用いられ、その他の加工液は、下方に配されている受皿
に回収され、再循環利用されるようになっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ワ
イヤ式切断加工装置に用いられるワイヤは、0.16〜
0.18mmと、きわめて細いものである。このため、
散布される加工液の全体量に対して、ワイヤに付着する
加工液の量はきわめて微少であるとともに、一旦ワイヤ
に接触した加工液であっても、ワイヤに付着することな
く、その慣性力によって落下させられてしまう場合も多
く、ワイヤに確実に付着させることは困難であった。
【0005】本発明は、上述した事情に鑑みてなされた
ものであって、砥粒を含む加工液をワイヤに確実に付着
させて、被切断部材を効果的に切削することができるワ
イヤ式切断加工装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、複数の溝ローラの間に張設されたワイヤ
をワイヤ走行装置によって所定速度で走行させながら、
被切断部材を押付装置によって上記ワイヤに上方から押
し付けるとともに、加工液供給手段から前記被切断部材
の切断加工部に砥粒を含む加工液を供給しつつ前記被切
断部材を切断加工するワイヤ式切断加工装置であって、
被切断部材の切断加工域に隣接する溝ローラ間に張られ
るワイヤの下方に近接配置され、その上面に受け止めた
加工液内にワイヤを浸漬させる加工液受板部材を具備す
るとともに、該加工液受板部材が、前記切断加工域と前
記溝ローラとの間に固設される固定板部と、該固定板部
に連続して前記切断加工域に設けられかつ前記押付装置
によって下降させられる前記被切断部材により変位させ
られて、該被切断部材の通路を開口させる開閉部とを具
備し、前記加工液供給手段が前記加工液受板部材の上面
に加工液を供給する供給口を有するワイヤ式切断加工装
置を提案している。
【0007】また、上記ワイヤ式切断加工装置におい
て、開閉部が、切断加工域の両側から片持ち梁状に支持
される可撓性を有する弾性板部材により構成されている
こととしてもよい。さらに、加工液供給手段が、ワイヤ
の上方に配される被切断部材の表面に加工液を供給する
供給口を具備することとすれば効果的である。
【0008】また、加工液受板部材が、溝ローラから切
断加工域に向けて漸次低くなる傾斜部を具備することと
し、あるいは、加工液供給手段が、加工液受板部材上に
受け止められた加工液を切断加工域に向けて流動させる
ように加工液を噴出するノズルを具備する構成としても
よい。
【0009】
【作用】本発明に係るワイヤ式切断加工装置によれば、
ワイヤ走行装置の作動により、複数の溝ローラの間に張
設されたワイヤが、所定速度で一方向あるいは両方向に
走行させられる。そして、押付装置を作動させることに
より、被切断部材が、走行させられているワイヤに押し
付けられる。ワイヤには加工液供給手段から供給された
砥流を含む加工液が付着させられているので、ワイヤ
は、砥粒を被切断部材に摩擦させることにより、押付装
置による被切断部材の移動に伴って、該被切断部材を切
断していくことになる。
【0010】この場合において、本発明に係るワイヤ式
切断加工装置では、被切断部材の切断加工域に隣接する
溝ローラ間に張られるワイヤの下方に加工液受板部材が
近接配置されており、該加工液受板部材の上面には加工
液供給手段の供給口から砥粒を含んだ加工液が供給され
るので、加工液受板部材によって受け止められた加工液
内に被切断部材を切断する前のワイヤが浸漬されること
になる。
【0011】加工液は、加工液受板部材上に受け止めら
れることによって慣性力を弱められるので、接触させら
れるワイヤに付着状態に維持され易くなり、切断加工に
十分な量の加工液が被切断部材まで運ばれることとなっ
て、効率のよい切断加工が実施されることになる。
【0012】そして、押付装置による被切断部材の切断
加工が進行すると、被切断部材とワイヤとが接触して切
断加工が実施される領域、すなわち、切断加工域に配さ
れている開閉部が、被切断部材の下降に伴って変位させ
られてワイヤの下方に被切断部材の通路を開口させる。
したがって、被切断部材が開口内をスムーズに下降させ
られる一方、加工液受板部材の開閉部は、その上面に受
け止めた加工液を被切断部材とワイヤとが接触する位置
の近傍まで導くことが可能となる。これにより、加工液
がワイヤに付着状態に維持される可能性がさらに高めら
れ、より効率のよい切断加工が実施されることになる。
【0013】また、開閉部を、固定板部に片持ち梁状に
支持される可撓性を有する弾性板部材により構成すれ
ば、切断加工の初期において、被切断部材が開閉部に接
触していないときには、該開閉部は、その弾発力によっ
て切断加工域の下方を閉鎖する。そして、切断加工が進
行して被切断部材が開閉部に当接しこれを押下すると、
該開閉部は、その可撓性によって下方に湾曲させられ
て、切断加工域の下方に被切断部材の通路を開口させ
る。
【0014】その結果、切断加工域の下方においては、
被切断部材の通路が該被切断部材の下降に伴って開口さ
せられることとなり、被切断部材がスムーズに下降させ
られるとともに、加工液は、被切断部材と開閉部の湾曲
に倣って被切断部材まで導かれるので、切断加工を行う
直前までワイヤと加工液との接触状態が維持されること
になる。
【0015】また、加工液供給手段が、ワイヤの上方に
配される被切断部材の表面に加工液を供給する供給口を
具備することとすれば、当該供給口から供給された加工
液は、被切断部材の表面を伝って流れ落ちる。この場合
に、切断加工域においては、被切断部材に開閉部が常に
近接配置されているので、被切断部材の表面を伝って流
れる加工液は、ワイヤと被切断部材との接触開始位置近
傍において開閉部により堰き止められる。これにより、
加工液はワイヤと被切断部材との接触開始位置に効果的
に供給されることとなり、切断加工が効率的に行われる
ことになる。
【0016】さらに、加工液受板部材が、溝ローラから
切断加工域に向けて漸次低くなる傾斜部を具備する構成
とすれば、加工液受板部材の上面に受け止められた加工
液は、傾斜部によって溝ローラから切断加工域に向かう
方向、すなわち、ワイヤの走行方向と同一方向に流動さ
せられる。その結果、加工液と該加工液に浸漬状態に配
されているワイヤとの相対速度が減少させられ、ワイヤ
への加工液の付着性が向上されるとともに、切断加工域
に向けて流動させられた加工液が被切断部材の表面によ
って堰き止められることとなり、ワイヤと被切断部材と
の接触開始位置に効果的に供給されることとなる。ま
た、加工液供給手段に、加工液受板部材上に受け止めら
れた加工液を切断加工域に向けて流動させるように加工
液を噴出するノズルを設けることとしても、同様であ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るワイヤ式切断
加工装置1の一実施形態について、図1から図3を参照
して説明する。本実施形態に係るワイヤ式切断加工装置
1は、図1に示すように、装置フレーム2に、ワイヤ走
行装置3と押付装置4と加工液供給手段5と加工液受板
部材6等とを搭載して構成されている。
【0018】前記ワイヤ走行装置3は、例えば、図示し
ないサーボモータ等の駆動モータによってそれぞれ個々
に回転させられる一対のリール、張力保持機構、張力検
出機構、切断機構7および走行量検出機構等を備えてお
り、ワイヤ8を一方のリールから上記種々の機構を経て
他方のリールまで送る際に、両リールによるワイヤ8の
走行方向と走行量を交互に変えて走行させるようになっ
ている。
【0019】上記ワイヤ走行装置3を構成する各機構の
内、切断機構7は、互いに平行かつ水平に逆三角形状に
配設された3個の溝ローラ7a,7b,7cと、下の溝
ローラ7aを回転させる切断走行用の駆動モータ7dを
備えている。ワイヤ8は、各溝ローラ7a,7b,7c
に所定の間隔で形成された複数の溝に平行に巻き付けら
れている。上の2個の溝ローラ7b,7c間のワイヤ8
は、水平に張られており、その中央付近に後述する押付
装置4によって被切断部材9を押し付けて切断加工する
切断加工域Aが形成されるようになっている。
【0020】前記押付装置4は、被切断部材9を支持す
る支持機構10と、該支持機構10を上下させるボール
ネジ等よりなる移動機構11と、該移動機構11を作動
させるサーボモータ等の移動用駆動モータ12とワイヤ
8に対する被切断部材9の押付力(反力)を検出するロ
ードセル等の押付力検出器13と、移動用駆動モータ1
2の回転数から支持機構10の移動量を検出するロータ
リエンコーダ等の移動量検出器14とを備えている。
【0021】この押付装置4は、被切断部材9を支持機
構10に支持してこれを切断機構7の溝ローラ7b,7
cの間にワイヤ8に垂直に押し付けるものであり、押付
力検出器13の検出信号によって、ワイヤ8に対する被
切断部材9の単位長さあたりの押付力が一定に保たれる
ように、移動用駆動モータ12による被切断部材9の押
付移動速度を調整するようになっている。
【0022】前記加工液供給手段5は、例えば、砥粒を
含む加工液Lを貯留する加工液タンク(図示略)と、該
加工液タンクから加工液Lを汲み上げるポンプ(図示
略)と、該ポンプから供給される加工液Lをワイヤ8上
に散布する供給口としての一対のノズル15,16と、
ワイヤ8から落下した削りかすを含む加工液Lを回収す
る回収装置(図示略)とを具備している。
【0023】前記各ノズル15,16は、例えば、スリ
ットノズルであって、図2および図3に示すように、ワ
イヤ8に対して直交するように配置されるパイプ15
a,16aと、該パイプ15a,16aに設けたスリッ
ト状の開口部15b,16bに配置され、該開口部15
b,16bの開口面積を調整し得るように調整ネジ15
c,16cによって固定される調整ブロック15d,1
6dとから構成されている。
【0024】また、これらのノズル15,16は、前記
切断加工域Aと溝ローラ7b,7cとの間に配置される
とともに、加工液Lがワイヤ8に対して斜めに入射させ
られるように、その開口部15b,16bを切断加工域
A側に向かう斜め下方に傾けて配置されている。
【0025】前記加工液受板部材6は、前記切断加工域
Aが形成されたワイヤ8を支持する一対の溝ローラ7
b,7cの間の領域において全てのワイヤ8を下から覆
うように配置される上面の平坦な平板部材である。この
加工液受板部材6は、ワイヤ8に対して微少間隙を空け
て近接配置されており、前記ノズル15,16から噴射
される加工液Lをワイヤ8の下方において受け止めるよ
うになっている。
【0026】この加工液受板部材6とワイヤ8との間隙
寸法は、例えば、ノズル15,16から供給される加工
液Lが加工液受板部材6上を流動する際の加工液Lの深
さ寸法より小さく設定しておくこととする。
【0027】また、この加工液受板部材6は、切断加工
域Aとそれに隣接する溝ローラ7b,7cとの間に固定
される固定板部6aと、この固定板部6aに片持ち梁状
に支持される、例えば、ゴム板のような可撓性を有する
平板部材よりなる開閉部6bとから構成されている。
【0028】この開閉部6bは、切断加工が行われてい
ないときには切断加工域Aの下方を完全に覆うように、
その自由端を切断加工域Aの中央位置近傍に配して水平
に延びている。そして、切断加工が実施されて被切断部
材9が下降させられると、下降してきた被切断部材9が
開閉部6bの上面に当接して押し下げることにより、該
開閉部6bが下方に湾曲させられて、切断加工域Aの下
方に被切断部材9の通路が形成されるようになってい
る。
【0029】このように構成された本実施形態のワイヤ
式切断加工装置1の作用について、以下に説明する。本
実施形態のワイヤ式切断加工装置1により被切断部材9
を切断加工するには、ワイヤ走行装置3を作動させてワ
イヤ8を相互方向に走行させるとともに、加工液供給手
段5のポンプを作動させて、加工液タンク内の砥粒を含
む加工液Lを各ノズル15,16から散布する。
【0030】この状態で、押付装置4を作動させて被切
断部材9を下降させ、水平方向に往復移動させられてい
るワイヤ8に上方から押し付ける。この場合において、
ノズル15,16から供給された加工液Lは、加工液受
板部材6によって受け止められることにより、ワイヤ8
の近傍に保持されつつ、該加工液受板部材6上を適当な
厚さ寸法の層を成して流動させられる。
【0031】これにより、この加工液受板部材6の上方
に近接して水平移動させられているワイヤ8は、該加工
液受板部材6上に流動させられている加工液Lの中に浸
漬状態に配されることになる。したがって、加工液L
は、比較的長い時間にわたってワイヤ8と接触させられ
ることになる。
【0032】しかも、本実施形態においては、ノズル1
5,16の開口部15b,16bが切断加工域A側に向
かう斜め下方に向けて配されているので、ノズル15,
16から噴射される加工液Lは、加工液受板部材6上を
切断加工域A方向に向けて流動させられることになる。
すなわち、加工液Lが、切断加工域Aに向かうワイヤ8
と同一方向に流動させられることによって、その相対速
度を減少させられつつ案内される結果、加工液Lのワイ
ヤ8への付着性が向上させられることになる。
【0033】そして、このようにして十分な加工液Lを
付着させられたワイヤ8を被切断部材9の表面に摺動さ
せることによって、被切断部材9を効率的に切断加工す
ることができる。
【0034】さらに、切断加工の進行に伴って、被切断
部材9がワイヤ8を通過してその下方にまで下降させら
れると、被切断部材9が加工液受板部材6に当接する。
この場合に、本実施形態のワイヤ式切断加工装置1で
は、切断加工域Aの加工液受板部材6をゴム板のような
可撓性を有する開閉部6bによって構成しているので、
被切断部材9が該開閉部6bを変形させて押し下げるこ
とになる。その結果、切断加工域Aの下方における被切
断部材9の通路が確保されて、スムーズな切断加工が実
施されることになる。
【0035】また、下方に向けて湾曲させられる開閉部
6bと被切断部材9とは被切断部材9の長手方向に沿っ
て線接触させられる。このため、加工液受板部材6の固
定板部6a上に供給され下方に湾曲する開閉部6bの上
面に沿って流動させられる加工液Lが、開閉部6bと被
切断部材9との接触位置において該被切断部材9により
堰き止められる。これにより、ワイヤ8と被切断部材9
とが接触を開始する切断加工部にも加工液Lが直接供給
されることになり、切断加工の効率がさらに向上される
ことになる。
【0036】なお、上記実施形態においては、ワイヤ8
を交互に双方向に走行させる形式のワイヤ式切断加工装
置1について説明したが、ワイヤを一方向に走行させる
形式のワイヤ式切断加工装置1についても同様に適用す
ることができる。すなわち、切断加工域Aの両側に設け
たノズル15,16および加工液受板部材6を、切断加
工域Aに対してワイヤ8の走行方向の上流側に配置する
だけでよい。
【0037】さらに、上記実施形態に係るワイヤ式切断
加工装置1においては、ノズル15,16からの加工液
Lの噴射方向を設定することによって、加工液受板部材
6上に供給された加工液Lを切断加工域Aに向けて流動
させることとしたが、これに代えて、図4に示すよう
に、加工液受板部材6の固定板部6aに、溝ローラ7
b,7cから切断加工域Aに向かうに従って漸次低くな
る傾斜部17を設けることとしてもよい。
【0038】特に、ワイヤ8を一方向に走行させる場合
には、図5に示すように、溝ローラ7b,7c間のワイ
ヤ8を若干傾斜させるとともに、このワイヤ8に沿わせ
るようにして加工液受板部材6の固定板部6aも切断加
工域Aの方向に向かって漸次低くなるように傾斜させる
こととしてもよい。
【0039】これらの場合には、ノズル15,16から
の加工液Lの散布方向に関わらず、当該傾斜部17によ
って、加工液Lが切断加工域Aに向けて流動させられる
ことになり、上記実施形態と同様、ワイヤ8への加工液
Lの付着性を向上させ、切断加工の効率を向上すること
ができるという効果を奏することができる。
【0040】また、上記実施形態における平坦な上面を
有する平板よりなる加工液受板部材6の固定板部6aに
代えて、図6に示すように、上面にワイヤ8の走行方向
に沿う複数の溝18を形成してなるものを採用すること
としてもよい。これによれば、ノズル15,16から供
給された加工液Lが加工液受板部材6の固定板部6aに
受け止められると、加工液Lは固定板部6aの上面に形
成された複数の溝18を満たしつつ、該溝18内を流動
させられる。したがって、加工液受板部材6の固定板部
6aの上面にワイヤ8を浸漬状態とするために十分な深
さの加工液Lの層を容易に形成することができ、ワイヤ
8に加工液Lを確実に付着させることができる。
【0041】さらに、上記実施形態においては、開閉部
6bを可撓性のあるゴム板のような平板部材により構成
することとしたが、これに代えて、例えば、図7に示す
ように、可撓性のない平板部材19をゴムやスプリング
等の弾性部材20によって固定板部6aに取り付けるこ
ととしてもよい。また、図8に示すように、被切断部材
9の下降に伴って水平方向にスライドするような平板部
材よりなる開閉部21を採用することとしてもよい。
【0042】また、上記実施形態においては、加工液供
給手段5の供給口であるノズル15,16を、切断加工
域Aと溝ローラ7b,7cとの間に配されるワイヤ8に
対して加工液Lを散布するように構成したが、これに代
えて、あるいは、これとともに、図9に示すように、被
切断部材9の上部において該被切断部材9の表面に向け
て加工液Lを散布するノズル22を設けることとしても
よい。
【0043】この場合には、ノズル22から散布された
加工液Lは、被切断部材9の表面を伝って流れ落ちるこ
とになるが、被切断部材9には加工液受板部材6の開閉
部6aが接触しているので、流れ落ちた加工液Lが開閉
部6aによって堰き止められる。これにより、これらの
ノズル22から供給された加工液Lが、ワイヤ8と被切
断部材9とが接触を開始する切断加工部に直接供給さ
れ、切断加工の効率をさらに向上することができる。
【0044】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係るワイ
ヤ式切断加工装置は、記被切断部材の切断加工域に隣接
する溝ローラ間に張られるワイヤの下方に近接配置され
た加工液受板部材が、供給口から供給されその上面に受
け止めた加工液内にワイヤを浸漬させるので、切断加工
を行うワイヤに加工液を十分に付着させることができ
る。また、切断加工域に設けた開閉部は、下降させられ
る被切断部材により変位させられて該被切断部材の通路
を開口させるので、切断加工が開始される直前までワイ
ヤが加工液に浸漬状態に保持されて十分な量の加工液が
切断加工域に供給されるとともに、切断加工動作を阻害
することなくスムーズに実施することができるという効
果を奏する。
【0045】また、請求項2の発明に係るワイヤ式切断
加工装置は、開閉部を固定板部に片持ち梁状に支持され
る可撓性を有する弾性板部材により構成するので、上記
のようにしてワイヤへの加工液の付着性の向上と、スム
ーズな切断加工とをきわめて簡易な構成により達成する
ことができるという効果を奏する。
【0046】さらに、請求項3の発明に係るワイヤ式切
断加工装置は、加工液供給手段が、ワイヤの上方に配さ
れる被切断部材の表面に加工液を供給する供給口を具備
するので、供給された加工液が被切断部材の表面を伝っ
て流れ落ち、ワイヤによる被切断材料の切断加工が開始
される箇所に直接加工液を供給して、効率のよい切断加
工を実施することができるという効果を奏する。
【0047】また、請求項4の発明に係るワイヤ式切断
加工装置は、加工液受板部材が溝ローラから切断加工域
に向けて漸次低くなる傾斜部を具備するので、傾斜部に
供給された加工液が切断加工域に向けて流動させられる
ことにより、加工液とその中に浸漬されているワイヤと
の相対移動速度を減少させワイヤへの加工液の付着性を
向上させることができるという効果を奏する。
【0048】また、請求項5の発明に係るワイヤ式切断
加工装置は、加工液供給手段が、加工液受板部材上に受
け止められた加工液を切断加工域に向けて流動させるよ
うに加工液を噴出するノズルを具備しているので、上記
と同様にワイヤへの加工液の付着性を向上させて、より
効率のよい切断加工を実施することができるという効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るワイヤ式切断加工装置の一実施形
態を示す切断機構と押付装置の正面図である。
【図2】図1のワイヤ式切断加工装置の切断加工域の両
側に配されるノズルと加工液受板部材とを示す斜視図で
ある。
【図3】図1のワイヤ式切断加工装置の切断加工域のノ
ズルと加工液受板部材とを示す一部を切断した正面図で
ある。
【図4】本発明に係るワイヤ式切断加工装置の加工液受
板部材の固定板部の変形例を示す一部を切断した正面図
である。
【図5】本発明に係るワイヤ式切断加工装置の加工液受
板部材の固定板部の他の変形例を示す一部を切断した正
面図である。
【図6】本発明に係るワイヤ式切断加工装置の加工液受
板部材の固定板部の他の変形例を示す斜視図である。
【図7】本発明に係るワイヤ式切断加工装置の加工液受
板部材の開閉部の変形例を示す一部を切断した正面図で
ある。
【図8】本発明に係るワイヤ式切断加工装置の加工液受
板部材の開閉部の他の変形例を示す一部を切断した正面
図である。
【図9】本発明に係るワイヤ式切断加工装置の加工液供
給手段の変形例を示す一部を切断した正面図である。
【符号の説明】
1 ワイヤ式切断加工装置 3 ワイヤ走行装置 4 押付装置 5 加工液供給手段 6 加工液受板部材 6a 固定板部 6b 開閉部 7a,7b,7c 溝ローラ 8 ワイヤ 9 被切断部材 15,16、22 ノズル(供給口) 17 傾斜部 18 溝(ワイヤ挿通溝) A 切断加工域 L 加工液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内田 高広 埼玉県大宮市桜木町1丁目7番5号 ソニ ックシティビル21階 三菱マテリアル株式 会社生野製作所大宮事務所内 (72)発明者 寺田 和人 埼玉県大宮市桜木町1丁目7番5号 ソニ ックシティビル21階 三菱マテリアル株式 会社生野製作所大宮事務所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の溝ローラの間に張設されたワイヤ
    をワイヤ走行装置によって所定速度で走行させながら、
    被切断部材を押付装置によって上記ワイヤに上方から押
    し付けるとともに、加工液供給手段から前記被切断部材
    の切断加工部に砥粒を含む加工液を供給しつつ前記被切
    断部材を切断加工するワイヤ式切断加工装置であって、 前記被切断部材の切断加工域に隣接する溝ローラ間に張
    られるワイヤの下方に近接配置され、その上面に受け止
    めた加工液内にワイヤを浸漬させる加工液受板部材を具
    備するとともに、 該加工液受板部材が、前記切断加工域と前記溝ローラと
    の間に固設される固定板部と、該固定板部に連続して前
    記切断加工域に設けられかつ前記押付装置によって下降
    させられる前記被切断部材により変位させられて、該被
    切断部材の通路を開口させる開閉部とを具備し、 前記加工液供給手段が、前記加工液受板部材の上面に加
    工液を供給する供給口を有することを特徴とするワイヤ
    式切断加工装置。
  2. 【請求項2】 開閉部が、固定板部に片持ち梁状に支持
    される可撓性を有する弾性板部材により構成されている
    ことを特徴とする請求項1記載のワイヤ式切断加工装
    置。
  3. 【請求項3】 加工液供給手段が、ワイヤの上方に配さ
    れる被切断部材の表面に加工液を供給する供給口を具備
    することを特徴とする請求項1または請求項2記載のワ
    イヤ式切断加工装置。
  4. 【請求項4】 加工液受板部材が、溝ローラから切断加
    工域に向けて漸次低くなる傾斜部を具備することを特徴
    とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のワイヤ
    式切断加工装置。
  5. 【請求項5】 加工液供給手段が、加工液受板部材上に
    受け止められた加工液を切断加工域に向けて流動させる
    ように加工液を噴出するノズルを具備していることを特
    徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のワイ
    ヤ式切断加工装置。
JP34417795A 1995-12-28 1995-12-28 ワイヤ式切断加工装置 Withdrawn JPH09183119A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34417795A JPH09183119A (ja) 1995-12-28 1995-12-28 ワイヤ式切断加工装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34417795A JPH09183119A (ja) 1995-12-28 1995-12-28 ワイヤ式切断加工装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09183119A true JPH09183119A (ja) 1997-07-15

Family

ID=18367227

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34417795A Withdrawn JPH09183119A (ja) 1995-12-28 1995-12-28 ワイヤ式切断加工装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09183119A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003089049A (ja) * 2001-09-12 2003-03-25 Toyo Advanced Technologies Co Ltd ワイヤソーのスラリ供給装置
JP2011104719A (ja) * 2009-11-18 2011-06-02 Komatsu Ntc Ltd マルチワイヤソーのワイヤ寄り防止方法
CN106696103A (zh) * 2016-12-16 2017-05-24 苏州阿特斯阳光电力科技有限公司 粘棒方法及切割铸造多晶硅棒的方法
CN116945010A (zh) * 2023-09-21 2023-10-27 长治高测新材料科技有限公司 装夹总成、进给机构及线切割装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003089049A (ja) * 2001-09-12 2003-03-25 Toyo Advanced Technologies Co Ltd ワイヤソーのスラリ供給装置
JP4528470B2 (ja) * 2001-09-12 2010-08-18 トーヨーエイテック株式会社 ワイヤソーのスラリ供給装置
JP2011104719A (ja) * 2009-11-18 2011-06-02 Komatsu Ntc Ltd マルチワイヤソーのワイヤ寄り防止方法
CN106696103A (zh) * 2016-12-16 2017-05-24 苏州阿特斯阳光电力科技有限公司 粘棒方法及切割铸造多晶硅棒的方法
CN116945010A (zh) * 2023-09-21 2023-10-27 长治高测新材料科技有限公司 装夹总成、进给机构及线切割装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3497784B2 (ja) 硬くもろいワークピースから複数のプレートを切り出すための方法及び装置
WO2005015627A1 (en) Substrate processing apparatus, substrate processing method, and substrate holding apparatus
JPH057146B2 (ja)
KR19990071878A (ko) 기판 벨트 연마기
WO2007130630A2 (en) Method and apparatus for isolated bevel edge clean
TW200908122A (en) Methods and apparatus for using a rolling backing pad for substrate polishing
JPH09183119A (ja) ワイヤ式切断加工装置
JPH11198020A (ja) 固定砥粒ワイヤソー
JPH09207126A (ja) ワイヤソーのためのワーク支持装置、清浄方法及びワイヤソー
KR20110016459A (ko) 물체 운반 방법 및 장치
JP2002110591A (ja) ワイヤーソー後ウエハ洗浄装置及び洗浄方法
JPH09193142A (ja) ワイヤ式切断加工装置
JPH09193140A (ja) ワイヤ式切断加工装置
JPH1170456A (ja) 固定砥粒ワイヤソーのワイヤクリーニング装置
JPH09183118A (ja) ワイヤ式切断加工装置
US20030140943A1 (en) Apparatus and methods to clean copper contamination on wafer edge
JPH1199462A (ja) ワイヤーソー
US6751824B2 (en) Cleaning apparatus for semiconductor wafer
JPH08336829A (ja) ワイヤソー
JPH10175207A (ja) ワイヤソーのワイヤ洗浄装置
JPH0520227B2 (ja)
JPH09155858A (ja) ワイヤソーのワーク切断装置
JP3069525B2 (ja) 溶融金属めっきの余剰めっき液の除去装置
JP2004066389A (ja) インゴットのスライス方法及びワイヤソー切断装置
JPH11188601A (ja) ワイヤ式切断加工装置における切断用ワイヤへの加工液供給装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20030304