JPH09176201A - カルボキシメチルセルロースの製造方法 - Google Patents

カルボキシメチルセルロースの製造方法

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JPH09176201A
JPH09176201A JP35310295A JP35310295A JPH09176201A JP H09176201 A JPH09176201 A JP H09176201A JP 35310295 A JP35310295 A JP 35310295A JP 35310295 A JP35310295 A JP 35310295A JP H09176201 A JPH09176201 A JP H09176201A
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JP
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acid
cellulose
alkali metal
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monohaloacetic
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JP35310295A
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Kiyokazu Murata
清和 村田
Katsuaki Ono
勝昭 大野
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モノハロ酢酸の利用効率を高め、効率よくカ
ルボキシメチルセルロース又はその塩を製造する。 【解決手段】 グルコース単位に対して過剰モル(1.
3〜5倍モル)のアルカリ金属成分(水酸化ナトリウム
など)を用いてセルロースとの反応によりアルカリセル
ロースを生成させ、少なくともモノハロ酢酸(モノクロ
ル酢酸など)を含む酸成分で中和する。酸成分はモノハ
ロ酢酸および有機酸で構成でき、中和工程では、アルカ
リ金属成分/酸成分=1.0〜1.7(モル比)となる
ように酸成分を添加する。酸成分で中和した後、前記酸
成分に対して1.0〜1.5倍モルのアルカリ金属成分
を添加しながら、中性ないし弱塩基性域を維持しつつエ
ーテル化することによりカルボキシメチルセルロース又
はそのアルカリ塩を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶媒法によるカル
ボキシメチルセルロース(以下、単にCMCと称する場
合がある)又はその塩の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】CMCは、セルロース質原料に、アルカ
リ金属成分(水酸化ナトリウムなど)の存在下、エーテ
ル化剤としてモノハロ酢酸(モノクロル酢酸)又はその
アルカリ金属塩を作用させて製造されている。このCM
Cの製造方法は、水媒法および溶媒法に大別されるが、
工業的には溶媒法が主流となっている。この溶媒法によ
るCMCに製造においては、含水有機溶媒中で、セルロ
ースに水酸化ナトリウムを作用させてアルカリセルロー
スを調製し、モノハロ酢酸を添加してエーテル化反応を
行う方法が一般的に採用されている。
【0003】そして、従来の溶媒法では、反応を円滑に
行なうため、反応系中のアルカリ金属成分とエーテル化
剤との投入割合を、通常、[アルカリ金属成分]/[エ
ーテル化剤]=2.0〜2.3(モル比)程度とし、ア
ルカリ性の反応系で反応させている。すなわち、前記割
合がモル比2.3を越えると下記式(1)で示されるよ
うにモノハロ酢酸ナトリウムの副反応が生じ、高価なモ
ノハロ酢酸ナトリウムの有効な利用率が低下し、経済的
に不利となる。また、逆にモル比2.0未満となると、
エーテル化反応工程で反応の進行に伴ってアルカリ金属
成分が消費され、下記式(2)で示されるように副反応
によりグリコール酸が生成する。そのため、反応系が酸
性となり、CMCのカルボキシル基を攻撃して一部を酸
型とし、生成CMCの溶解性を著しく低下させる。 ClCH2COONa + NaOH → CH2(OH)COONa + NaCl (1) ClCH2COONa + H2O → CH2(OH)COOH + NaCl (2) 前記の方法では、アルカリ金属成分とエーテル化剤との
割合を2.0〜2.3(モル比)とし、アルカリ金属成
分過剰の条件でエーテル化反応を行い、反応終了後に過
剰のアルカリ金属成分を酢酸などの酸で中和している。
しかし、常にアルカリ金属成分過剰の条件でエーテル化
反応を行なうと、モノハロ酢酸の使用量が増加するとと
もに、生成CMCの溶解性を維持するためには、モノハ
ロ酢酸の使用量の増加に伴って、アルカリ金属成分の使
用量も増加する。特に、高い置換度(DS)のCMCを
製造する場合、系中のアルカリ金属成分濃度がかなり高
くなり、モノハロ酢酸ナトリウムの利用効率が著しく低
下する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、モノハロ酢酸の利用効率を高め、効率よくCMC又
はその塩を製造できる方法を提供することにある。本発
明の他の目的は、モノハロ酢酸の使用量を低減できると
ともに、モノハロ酢酸の利用効率が高く、置換度の高い
CMC又はその塩を円滑に製造できる方法を提供するこ
とにある。本発明のさらに他の目的は、円滑にエーテル
化できるとともに、溶解性の高い生成CMC又はその塩
を得ることができる方法を提供することにある。本発明
のさらに他の目的は、置換度の高いCMC又はその塩を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討した結果、系中のアルカリ金属
成分の濃度が高い程、前記式(1)で示されるような、
エーテル化反応の主剤であるモノハロ酢酸ナトリウムの
副反応が進行しやすいことを実験的に見いだし、この知
見に基づいて本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明の方法では、セルロース
にアルカリ金属成分とモノハロ酢酸とを作用させてカル
ボキシメチルセルロースアルカリ塩を製造する方法であ
って、グルコース単位に対して過剰モルのアルカリ金属
成分を用いてセルロースとの反応によりアルカリセルロ
ースを生成させ、少なくともカルボキシメチル化に必要
な量のモノハロ酢酸を含む酸成分で中和し、中性ないし
弱塩基性域を維持しつつエーテル化することにより、カ
ルボキシメチルセルロース又はその塩(例えば、アルカ
リ金属塩)を製造する。この方法において、アルカリセ
ルロース生成工程でのアルカリ金属成分と、中和工程で
の酸成分との割合は、アルカリ金属成分/酸成分=1.
0〜1.7(モル比)程度であってもよく、中和工程で
は、モノハロ酢酸を含む酸成分で中和してもよい。さら
に、酸成分で中和した後、酸成分に対して1.0〜1.
5倍モルのアルカリ金属成分を逐次添加し、エーテル化
してもよい。本発明の方法には、グルコース単位に対し
て1.3〜4倍モルの水酸化ナトリウムを用いてセルロ
ースとの反応によりアルカリセルロースを生成させ、モ
ノクロル酢酸および有機酸を含む酸成分を、水酸化ナト
リウム/酸成分=1.0〜1.5(モル比)となるよう
な割合で添加した後、酸成分に対して1.0〜1.5倍
モルの水酸化ナトリウムを逐次添加して、エーテル化す
るカルボキシメチルセルロース又はその塩を製造する方
法も含まれる。本発明は、さらに前記の方法で得られた
カルボキシメチルセルロース又はその塩も提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の特色は、モノクロル酢酸
などのモノハロ酢酸(エーテル化剤)によるエーテル化
工程において、非酸性、特に中性域の反応系でエーテル
化し、モノハロ酢酸の有効利用率を高める点にある。セ
ルロースにアルカリ金属成分とモノハロ酢酸とを作用さ
せてカルボキシメチルセルロース又はその塩を製造する
本発明の方法は、アルカリセルロース生成工程、中和工
程およびエーテル化工程とで構成されている。以下、こ
れらの工程について詳細に説明する。 [アルカリセルロース生成工程]アルカリセルロース
は、セルロースとアルカリ金属成分とを反応させること
により生成させることができる。前記セルロースとして
は、木材繊維(針葉樹、広葉樹などの木材パルプな
ど)、種子毛繊維(リンターなどの綿花、ボンバックス
綿、カポックなど)などが使用できる。好ましいセルロ
ースには、叩解パルプ、特に木材パルプ(サルファイト
法、クラフト法などの慣用の方法で針葉樹、広葉樹など
から得られる木材パルプ)が含まれる。
【0008】前記アルカリ金属成分としては、例えば、
水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムな
どのアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウムなどのアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、
炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸水素塩などが
例示でき、これらのアルカリ金属成分は単独で又は二種
以上使用できる。好ましいアルカリ金属成分にはアルカ
リ金属水酸化物、特に水酸化ナトリウムが含まれる。ア
ルカリ金属成分の使用量は、所望するセルロースエーテ
ルの平均置換度などに応じて選択でき、モノハロ酢酸の
不用な消費と副反応を抑制するため、セルロースのグル
コース単位に対して過剰モル、例えば、1.3〜5倍モ
ル(1.3〜4倍モル)、好ましくは1.5〜4.5倍
モル、さらに好ましくは2〜4倍モル程度、特に2〜
3.5倍モル程度である。
【0009】本発明の方法では、従来の方法よりもアル
カリ金属成分の使用量を低減できる。すなわち、アルカ
リセルロース生成工程と切り離して、中和工程で中和し
た後、エーテル化工程では高い溶解性を有する生成CM
Aを得るのに必要なだけのアルカリ金属成分を添加すれ
ばよいため、アルカリセルロース生成工程では、エーテ
ル化度に応じてアルカリセルロースの生成に必要な量の
アルカリ金属成分を使用すればよい。
【0010】セルロースとアルカリ金属成分との反応
は、通常、溶媒、特に含水溶媒の存在下で行なわれる。
反応溶媒としては、例えば、親水性有機溶媒(メタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノー
ル、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール
などの低級アルコール類、アセトンなどのケトン類、ジ
オキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類など)
と水との混合溶媒を使用する場合が多い。なお、水不溶
性溶媒であっても前記親水性溶媒と組み合わせることに
より、含水溶媒として使用できる。例えば、前記親水性
溶媒と炭化水素類と水との混合溶媒とすることにより、
反応溶媒として使用できる。前記炭化水素類には、例え
ば、ベンゼン、トルエンなど芳香族炭化水素、シクロヘ
キサンなどの脂環族炭化水素、ヘキサンなどの脂肪族炭
化水素類などが含まれる。アルカリセルロースは、セル
ロースとアルカリ金属成分とを、例えば、0〜50℃程
度の温度で反応させることにより生成させることができ
る。
【0011】[中和工程]この中和工程では、前記アル
カリセルロースを含む反応混合液を、少なくともモノハ
ロ酢酸を含む酸成分で中和する。モノハロ酢酸には、例
えば、モノブロモ酢酸、モノクロル酢酸などが含まれ、
特にモノクロル酢酸が好ましい。この酸成分は、モノハ
ロ酢酸単独で構成してもよいが、モノハロ酢酸と他の有
機酸とで構成すると、有機酸により過剰な遊離のアルカ
リ金属成分を中和でき、モノハロ酢酸をエーテル化反応
に有効に利用できるので、平均置換度の大きなCMC又
はその塩を得ることができるとともに、モノハロ酢酸の
使用量を低減できる。前記有機酸としては、例えば、ギ
酸、酢酸、プロピオン酸などのモノカルボン酸、シュウ
酸、コハク酸などのジカルボン酸、グリコール酸、乳
酸、酒石酸、クエン酸などのオキシカルボン酸、メタン
スルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、
p−トルエンスルホン酸などのスルホン酸などが挙げら
れる。これらの有機酸は単独で又は二種以上混合して使
用できる。有機酸としては、酢酸などを用いる場合が多
い。なお、モノハロ酢酸及び/又は有機酸の一部は、必
要に応じて塩(例えば、ナトリウム塩など)として使用
してもよい。
【0012】モノハロ酢酸又はその塩の使用量は、カル
ボキシメチルエーテル化度に応じて選択でき、例えば、
グルコース単位に対して1〜5倍モル(例えば、1.5
〜4倍モル)、好ましくは1.5〜3.5倍モル(例え
ば、2〜3倍モル)程度である場合が多い。なお、前記
のように、モノハロ酢酸又はその塩の使用量が増加する
につれて、CMC又はその塩のコストが増加する。有機
酸とモノハロ酢酸との割合は、カルボキシメチル化に必
要なモノハロ酢酸を含む限り特に制限されず、例えば、
有機酸/モノハロ酢酸=0.01〜1.0(モル比)、
好ましくは0.02〜1.0(モル比)程度、さらに好
ましくは0.05〜1.0(モル比)程度である。
【0013】アルカリセルロース生成工程で用いるアル
カリ金属成分と、中和工程で用いる酸成分との割合は、
アルカリセルロースを含む反応混合液中の遊離アルカリ
金属成分の量などに応じて、生成したアルカリセルロー
スの溶解安定性を損なわない範囲で選択でき、例えば、
アルカリ金属成分/酸成分=1.0〜1.7(モル
比)、好ましくは1.0〜1.5(モル比)、さらに好
ましくは1.0〜1.3(モル比)程度、特に1.0〜
1.2程度である。中和工程で酸成分の添加量が少なく
残存するアルカリ金属成分の量が多くなると、平均置換
度やモノハロ酢酸の利用効率が低下する傾向を示す。ま
た、中和工程で過剰に酸成分を添加すると、エーテル化
工程での生成CMCの安定性および反応操作性が損なわ
れる。
【0014】なお、前記酸成分の添加に際しては、モノ
ハロ酢酸以外の有機酸を添加した後、モノハロ酢酸を添
加してもよく、モノハロ酢酸を添加した後、有機酸を添
加したり、有機酸とモノハロ酢酸を並行して又は混合し
て同時に添加してもよい。
【0015】[エーテル化工程]エーテル化工程では、
中性ないし弱塩基性域を維持しつつエーテル化する。な
お、「中性ないし弱塩基性域」とはエーテル化工程でカ
ルボキシメチルセルロースの析出を防止できるpH領域
を意味し、例えば、pH7.0〜11、好ましくはpH
7〜10(例えば、7.0〜9.0)程度である。すな
わち、エーテル化反応の進行に伴って、前記式(2)で
示される副反応によりアルカリ金属成分が消費され、反
応系が酸性化する。そのため、本発明では、酸成分で中
和した後、アルカリ金属成分を添加し、反応液の酸性化
を抑制しつつ円滑にエーテル化する。アルカリ金属成分
の添加量は、アルカリ金属成分の消費量に応じて、例え
ば、酸成分に対して1.0〜1.5倍モル、好ましくは
1.0〜1.3倍モル、さらに好ましくは1.0〜1.
2倍モル程度である。アルカリ金属成分は、モノハロ酢
酸の副反応を抑制するため、反応系に逐次、例えば、連
続的又は段階的(例えば、複数回に分けて)に添加でき
る。なお、前記中和工程でモノハロ酢酸及び/又は有機
酸の一部を塩(例えば、ナトリウム塩)として使用する
場合、上記アルカリ金属成分の使用量は、モノハロ酢酸
の塩及び/又は有機酸の塩を除外した遊離の酸成分に対
する量を意味する。エーテル化反応は、慣用の条件、例
えば、50〜100℃、好ましくは60〜90℃程度の
温度で行なうことができる。
【0016】このような方法では、最終的には、アルカ
リ金属成分の総使用量と酸成分の総使用量との割合[ア
ルカリ金属成分]/[エーテル化剤]が2.0(モル
比)以上であっても、モノハロ酢酸の副反応を抑制で
き、モノハロ酢酸をカルボキシメチル化反応に有効に利
用できる。本発明の方法は、例えば、平均置換度(エー
テル化度)が0.5〜3.0のCMCの製造に適用で
き、特にアルカリ金属成分の使用量が多い平均置換度
1.3以上(例えば、平均置換度1.3〜3)、好まし
くは1.5〜3(例えば、1.5〜2.7)程度のCM
Cを製造する上で有用である。
【0017】前記の方法でアルカリ金属成分として水酸
化ナトリウムを用いると、カルボキシメチルセルロース
はナトリウム塩として生成するが、カルボキシメチルセ
ルロース塩は慣用の方法(例えば、塩酸、硫酸などの酸
の使用)により遊離化して遊離のカルボキシメチルセル
ロースを得ることができる。また、遊離化したカルボキ
シメチルセルロースは、有機塩基(例えば、トリメチル
アミン、トリエチルアミンなどのアミン類、ジエタノー
ルアミン、トリエタノールアミンなどのヒドロキシアル
キルアミン類、ピリジン、モルホリンなどの環状アミン
類など)又は無機塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウムなどのアルカリ金属水酸化物や炭酸塩,炭酸水素
塩、アルカリ土類金属水酸化物、水酸化アルミニウム、
アンモニアなど)を用いることにより、対応する塩とす
ることができる。
【0018】本発明の方法で得られたCMC又はその塩
は、糊剤、乳化剤や保護コロイド、懸濁剤、接着剤、合
成洗剤のビルダー、粘性安定剤(乳剤、軟膏、クリー
ム、ジャムなど安定剤)、結合剤、粘調剤などとして広
い用途に利用できる。
【0019】
【発明の効果】本発明では、中和工程と中性ないし弱塩
基性域でのエーテル化工程を採用しているので、モノハ
ロ酢酸の利用効率を高め、効率よくCMC又はその塩を
製造でき、CMC又はその塩の製造コストを低減でき
る。また、モノハロ酢酸を有機酸と併用することによ
り、モノハロ酢酸の利用効率をさらに高め、置換度の高
いCMC又はその塩を円滑に製造できる。さらに、円滑
にエーテル化できるとともに、生成したCMC又はその
塩の溶解性が高い。
【0020】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。 比較例 二軸の撹拌翼を有する反応機(容積5L)に、イソプロ
パノール1067.8重量部、純水45.0重量部、お
よび水酸化ナトリウム282.5重量部と純水212.
4重量部との混合液を入れ、約15℃に調整した後、セ
ルロース200重量部を仕込み、約15℃で60分間撹
拌混合し、アルカリセルロースを含む反応混合液を調整
した。この反応混合液に、酢酸10重量部とモノクロル
酢酸318.0重量部とイソプロパノール260.2重
量部との混合液を、冷却しながら添加し、約20℃で3
0分間撹拌混合して中和操作を行なった後、約10分間
かけて70℃に昇温し、90分間エーテル化反応を行な
った。反応終了後、反応混合物を酢酸で中和し、反応器
から取り出し、遠心分離機で脱液した後、75重量%メ
チルアルコール水溶液で3回洗浄した後、50〜60℃
で約15時間乾燥し、カルボキシメチルセルロースエー
テルのナトリウム塩を得た。
【0021】実施例1 水酸化ナトリウム141.0重量部と純水60.4重量
部との混合液を用いる以外、比較例のアルカリセルロー
ス生成工程と同様にして、アルカリセルロースを含む反
応混合液を調整した。この反応混合液を比較例の中和工
程と同様にして中和操作を行なった後、約10分間かけ
て60℃に昇温し、水酸化ナトリウム141.5重量部
と純水150.3重量部との混合液を60分間に亘り連
続的に添加し、温度を70℃に昇温して60分間エーテ
ル化反応を行なった。反応終了後、比較例と同様にして
反応混合物からカルボキシメチルセルロースエーテルの
ナトリウム塩を得た。
【0022】実施例2 実施例1のアルカリセルロース生成工程と同様にして
(すなわち、水酸化ナトリウム141.0重量部と純水
60.4重量部との混合液を用いる以外、比較例のアル
カリセルロース生成工程と同様にして)、アルカリセル
ロースを含む反応混合液を調整した。この反応混合液
に、モノクロル酢酸318.0重量部とイソプロパノー
ル260.2重量部との混合液を添加する以外、比較例
と同様にして中和操作を行なった後、実施例1のエーテ
ル化工程と同様にしてエーテル化反応を行なった。すな
わち、約10分間かけて60℃に昇温し、水酸化ナトリ
ウム141.5重量部と純水150.3重量部との混合
液を60分間に亘り連続的に添加し、温度を70℃に昇
温して60分間エーテル化反応を行なった。反応終了
後、比較例と同様にしてカルボキシメチルセルロースエ
ーテルのナトリウム塩を得た。
【0023】実施例3 水酸化ナトリウム212.0重量部と純水90.9重量
部との混合液を用いる以外、比較例のアルカリセルロー
ス生成工程と同様にして、アルカリセルロースを含む反
応混合液を調整した。この反応混合液を比較例の中和工
程と同様にして中和操作を行なった後、実施例1のエー
テル化工程と同様にしてエーテル化反応を行なった(す
なわち、約10分間かけて60℃に昇温し、水酸化ナト
リウム141.5重量部と純水150.3重量部との混
合液を60分間に亘り連続的に添加し、温度を70℃に
昇温して60分間エーテル化反応を行なった)。反応終
了後、比較例と同様にして反応混合物からカルボキシメ
チルセルロースエーテルのナトリウム塩を得た。
【0024】比較例および実施例における成分の割合と
ともに結果を表に示す。なお、エーテル化度(平均置換
度)およびモノクロル酢酸の有効利用率は次のようにし
て測定した。エーテル化度(平均置換度) カルボキシメチルセルロースエーテルのナトリウム塩1
gを精秤し、ルツボに入れて600℃で炭化する。炭化
により生成した酸化ナトリウムをルツボごと水の入った
ビーカーに入れ、所定量の0.1N−H2SO4をビュレ
ットで正確に入れる。次いで、フェノールフタレインを
指示薬として過剰の硫酸分を0.1N−NaOHで中和
滴定し、下記式によりエーテル化度(モル)を算出す
る。 A={[(B-S)×F]/[W×(1-M/100)]}−Z エーテル化度(モル)=162A/(10000−80A) ただし、式中の符号および数値の意味は次の通りであ
る。 A:無水試料1g中の結合アルカリに消費された0.1
N−H2SO4の消費量(ml) B:ブランク試験に要した0.1N−NaOHの消費量
(ml) S:実試験に要した0.1N−NaOHの消費量(m
l) W:試料量(g) M:試料の水分量(%) 162:グルコース単位C672(OH)3の分子量 80:CH2COONa−Hの分子量 F:0.1N−NaOHのファクター Z:炭化することなく、上記と同様にして測定したエー
テル化度(モル)モノクロル酢酸(MCA)の有効利用率(%) 有効利用率(%)=(X÷Y)×100 X:無水グルコース単位に結合したMCAのモル数=生
成CMCの置換度 Y:無水グルコース単位当たり、反応に使用したMCA
のモル数
【0025】
【表1】 表から明らかなように、比較例に比べて実施例の方法
は、モノクロル酢酸の有効な利用率が高く、平均置換度
の高いCMCを得ることができる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロースにアルカリ金属成分とモノハ
    ロ酢酸とを作用させてカルボキシメチルセルロース又は
    その塩を製造する方法であって、グルコース単位に対し
    て過剰モルのアルカリ金属成分とセルロースとの反応に
    よりアルカリセルロースを生成させ、少なくともモノハ
    ロ酢酸を含む酸成分で中和し、中性ないし弱塩基性域を
    維持しつつエーテル化するカルボキシメチルセルロース
    又はその塩の製造方法。
  2. 【請求項2】 グルコース単位に対して1.3〜5倍モ
    ルのアルカリ金属成分を用いてアルカリセルロースを生
    成させる請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 アルカリセルロース生成工程で用いるア
    ルカリ金属成分と、中和工程で用いる酸成分との割合
    が、アルカリ金属成分/酸成分=1.0〜1.7(モル
    比)である請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 モノハロ酢酸および有機酸を含む酸成分
    で中和する請求項1〜3のいずれかの項に記載の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 有機酸とモノハロ酢酸との割合が、有機
    酸/モノハロ酢酸=0.01〜1.0(モル比)である
    請求項4記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 酸成分で中和した後、酸成分に対して
    1.0〜1.5倍モルのアルカリ金属成分を逐次添加
    し、エーテル化する請求項1記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 グルコース単位に対して1.3〜4倍モ
    ルの水酸化ナトリウムを用いてセルロースとの反応によ
    りアルカリセルロースを生成させ、モノクロル酢酸を含
    む酸成分を、水酸化ナトリウム/酸成分=1.0〜1.
    5(モル比)となるような割合で添加した後、酸成分に
    対して1.0〜1.5倍モルの水酸化ナトリウムを逐次
    添加し、エーテル化するカルボキシメチルセルロース又
    はそのアルカリ塩の製造方法。
  8. 【請求項8】 アルカリセルロース生成工程でグルコー
    ス単位に対して1.3〜4倍モルの水酸化ナトリウムを
    用い、中和工程で、水酸化ナトリウム/酸成分=1.0
    〜1.3(モル比)となるような割合で酸成分を添加し
    た後、エーテル化工程で、前記酸成分に対して1.0〜
    1.3倍モルの水酸化ナトリウムを逐次添加してエーテ
    ル化する請求項7記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 平均置換度1.3〜3のカルボキシメチ
    ルセルロースアルカリ塩を得る請求項1記載の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかの項に記載の
    方法で得られたカルボキシメチルセルロース又はその
    塩。
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