JPH09173424A - 滅菌器の運転方法 - Google Patents

滅菌器の運転方法

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JPH09173424A
JPH09173424A JP7350346A JP35034695A JPH09173424A JP H09173424 A JPH09173424 A JP H09173424A JP 7350346 A JP7350346 A JP 7350346A JP 35034695 A JP35034695 A JP 35034695A JP H09173424 A JPH09173424 A JP H09173424A
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JP
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compressed air
steam
sterilization tank
sterilization
sterilized
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JP7350346A
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English (en)
Inventor
Katsutoshi Matsunaga
勝利 松永
Yuichi Takahashi
祐一 高橋
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MIURA KENKYUSHO KK
Miura Co Ltd
Original Assignee
MIURA KENKYUSHO KK
Miura Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 滅菌行程の後に、空気の導入と排出を行う後
処理行程を実行する滅菌器において、前記滅菌行程実行
時に滅菌槽内の被滅菌物に付着した水分や滅菌ガスを短
時間で除去することのできる滅菌器の運転方法を提供す
ること。 【解決手段】 滅菌槽(1) 内に収容した被滅菌物を滅菌
する滅菌行程の後に、空気の導入と排出を行う後処理行
程を実行する滅菌器において、前記後処理行程の実行時
に、高温の圧縮空気を前記滅菌槽(1) 内に導入するこ
と。更に、前記後処理行程の実行時において、前記高温
の圧縮空気を、滅菌槽(1) 内に所定の圧力まで導入した
後、この圧力を一定時間保持すること。加えて、前記高
温の圧縮空気の導入、及び排出を複数回繰返し行うこと
や、この高温の圧縮空気の導入前に、真空吸引を行うこ
とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、医療用品等を蒸
気や滅菌ガスを用いて殺菌するための滅菌器における運
転方法の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】滅菌器、例えば蒸気滅菌器の運転をする
場合は、滅菌槽に被滅菌物を搬入後、該滅菌槽を取り囲
む蒸気ジャケットに蒸気を送り込む予熱工程と、この予
熱工程に続いて前記滅菌槽内の空気を排出する真空行程
と、この真空行程に続いて前記滅菌槽内に蒸気を送り込
む滅菌工程と、この滅菌工程に続く後処理行程として滅
菌槽内に清浄な空気を送り込む乾燥行程とを実行する。
前記滅菌行程は、上述のように滅菌槽内に蒸気を送り込
む行程であり、前行程の予熱か充分行なわれたとして
も、被滅菌物に接触した蒸気が凝縮して若干量の水分が
付着する。即ち、蒸気による滅菌法では、蒸気が被滅菌
物と接触することによって、該蒸気の温度が低下し凝縮
することにより、被滅菌物に熱を与え、温度を上昇させ
ることにより滅菌している。そのため、前行程の予熱行
程で充分に予熱が行なわれたとしても若干量の水滴が生
じてしまう。尤も、予熱行程における予熱が不充分な場
合には、より大量の水滴が発生するのはいうまでもな
い。そこで滅菌行程の後に、乾燥行程を設けることによ
って、前行程において付着した水分を完全に除去し、被
滅菌物を乾燥させている。そのうちの乾燥行程では、残
留した水分を除去するために、滅菌槽を一定の温度に保
温した状態で、この滅菌槽に対して排気と空気の導入を
繰り返し行っており、そのために、滅菌槽の周囲に蒸気
ジャケットを設ける他に、滅菌槽内にヒータを設けたも
のがある。しかし、蒸気ジャケットを設けたものにおい
ては、滅菌槽内壁面からの輻射熱と滅菌槽内の自然対流
によって被滅菌物を加熱して水分を蒸発させるものであ
り、患者用衣服や手術衣をカスト内に納めて滅菌する場
合、被滅菌物の内部やカスト底部には空気の流通が妨げ
られるため内部まで充分に乾燥できず、被滅菌物が濡れ
たままの状態であったり、カスト内に凝縮水が溜まると
いう問題が発生している。滅菌槽内にヒータを設けたも
のにおいては、滅菌槽内の被滅菌物を均一に加熱するこ
とが難しく、ヒータの正面に対向する位置の被滅菌物の
みがヒータからの熱によって乾燥されてしまい、乾燥ム
ラが生じてしまう。又、これらの方法によってカスト内
まで充分に乾燥するだけの時間をとろうとすれば、乾燥
行程の時間が非常に長いものになり、実際の使用にそぐ
わない。一方、ガス滅菌器の場合においては、一般的に
乾燥行程は無いが、その代わりに被滅菌物に残留する滅
菌ガスを除去するための洗浄工程が設けられる。この洗
浄行程では、前述の蒸気滅菌器の乾燥行程と同じく、空
気の導入と排気によって、この空気とともに前記滅菌ガ
スを排出している。この場合においても滅菌ガスの除去
が難しく、この行程には長時間が必要である。即ち、蒸
気滅菌器のみならず、ガス滅菌器においても、滅菌後の
被滅菌物を取り出す前行程には長時間を要し、この時間
短縮が滅菌器の効率的な運用上、重要な問題となってい
る。特に、このようなガス滅菌器において、残留する滅
菌ガスの濃度を下げるためには、被滅菌物の種類にもよ
るが、数時間乃至数日に亘って行なわれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この発明は解決しよう
とする課題は、滅菌行程の後に、空気の導入と排出を行
う後処理行程を実行する滅菌器において、前記滅菌行程
実行時に滅菌槽内の被滅菌物に付着した水分や滅菌ガス
を短時間で除去することのできる滅菌器の運転方法を提
供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は、上述の課題
を解決するためになされたものであって、滅菌槽内に収
容した被滅菌物を滅菌する滅菌行程と、この滅菌行程の
後に、空気の導入と排出を行う後処理行程とを含む滅菌
器において、前記後処理行程時に、高温の圧縮空気を前
記滅菌槽内に導入することを第1の特徴とし、前記後処
理行程時において、前記滅菌槽内に導入する高温の圧縮
空気は、前記滅菌槽内に所定の圧力まで導入し、この圧
力を一定時間保持することを第2の特徴し、前記後処理
行程時において、高温の圧縮空気の導入、及び排出を複
数回繰返し行うことを第3の特徴し、更に、前記後処理
行程時において、高温の圧縮空気の導入前に、真空吸引
を行うことを第4の特徴とする滅菌器の運転方法であ
る。
【0005】
【発明の実施の形態】この発明は、滅菌器の滅菌行程後
の後処理行程に適用されるもので、この後処理行程と
は、蒸気滅菌器の場合には、前述のように滅菌行程の
後、被滅菌物に付着する等して滅菌槽内に残留する水滴
分を除去する乾燥行程を指し、ガス滅菌器の場合は、滅
菌行程の後、被滅菌物に残留する滅菌ガスを除去するた
めの洗浄工程を指す。即ち、蒸気滅菌器においては、滅
菌行程で供給される蒸気が被滅菌物の表面において凝縮
した水滴を完全に除去して、滅菌物を取出後に再度乾燥
させる等の不要な行程を無くし、また、乾燥行程に要す
る時間を短縮することであり、ガス滅菌器においては、
被滅菌物、及び滅菌槽内を所定の温度に保持しながら滅
菌ガスの残留を防止することである。そのために、この
発明では、前記後処理行程において高温の圧縮空気を滅
菌槽内に導入する。この際の空気は、予め適宜のドライ
ヤー手段によって水分を除去した乾燥空気を用いるのが
好ましいが、現実的には、大気中の空気を圧縮し、加熱
したもので良い。前記の後処理行程において、まず、圧
縮空気を導入することは、滅菌槽内の空気の密度を大幅
に高めることになり、この空気内に水蒸気や滅菌ガスを
より多く取込むことができるため、被滅菌物からの除去
量が増加する。また、前記密度の増加により、滅菌槽の
周囲に蒸気ジャケット等の加熱手段を備えたものにおい
ては、この加熱手段からの輻射熱を被滅菌物に効果的に
伝達することができることになり、被滅菌物を効果的に
昇温することができるため、滅菌行程後に被滅菌物に付
着している液滴分や滅菌ガスの分離を促進する。更に、
圧縮空気が高温であることから、この圧縮空気自体が保
有する熱により、被滅菌物を昇温することができ、上述
の滅菌行程後に被滅菌物に付着している液滴分や滅菌ガ
スの分離を更に促進する。また、滅菌槽内の空気の密度
を大幅に高めることにより、滅菌槽内における自然対流
を促進し、液滴分の蒸発や滅菌バスの分離を促進する。
従って、滅菌器における後処理行程の短縮が図れること
になり、更に蒸気滅菌器の場合には、被滅菌物の内部ま
で乾燥行程時の高温の圧縮空気の熱を作用させることが
でき、ガス滅菌器の場合には、被滅菌物の内部まで圧縮
空気の熱が作用させることができるため、被滅菌物の付
着した液滴分や、残留滅菌ガスを効果的に除去すること
ができる。更に、前記後処理時において高温の圧縮空気
を導入するに際して、前記滅菌槽内に所定の圧力まで導
入し、この圧力を一定時間保持することにより、この高
温の圧縮空気を、被滅菌物(特に布帛等の場合)の内部
までに均一に浸透させることができる。また、前記後処
理行程の実行時において、高温の圧縮空気の導入、及び
排出を1回だけではなく、複数回繰返し行うことによ
り、圧縮空気の排出ごとに、圧縮空気内に取り込んだ液
滴分や滅菌ガスを滅菌槽の外に排出することができるた
め、前記被滅菌物からの分離の度合を高めることができ
る。尚、この場合、高温の圧縮空気の何れかの回の導入
時に際して、前記滅菌槽内における圧縮空気の圧力を一
定時間保持するように制御する場合は、空気圧縮手段の
低容量化が図れる。また、各回毎に導入する圧縮空気の
圧力を順次増加させることにより、圧縮空気の保有熱量
を順次増加させてもよい。この場合には、圧縮空気の導
入毎に被滅菌物への加熱度合が順次高まるため、被滅菌
物からの分離の度合を効果的に高めることができる。更
に、圧縮空気の排気時には、滅菌槽内を大気圧にまで戻
す必要はなく、若干圧力が残っている状態で次の導入を
行ってもよく、この場合には、圧縮空気の導入に要する
時間を短縮することができる。更に、高温の圧縮空気を
導入するに先立って、滅菌槽内を真空吸引して、液滴分
や残留滅菌ガスの残留量を減じておくことにより、高温
の圧縮空気による効果を促進することも可能である。
【0006】以上の場合において、高温の圧縮空気の供
給は、コンプレッサ等の圧縮手段によって圧縮した後、
適宜の加熱手段を利用して加熱することによって行う。
この場合の加熱手段としては、滅菌器が蒸気を使用する
ものの場合においては、この滅菌器に元来付設されてい
る蒸気発生器からの蒸気と熱交換することによって加温
する。具体的には、蒸気を使用する滅菌器の場合には、
圧縮空気の供給配管の途中に熱交換器を設け、この熱交
換器に蒸気を供給することにより加熱する方法があり、
滅菌槽を加熱するための蒸気ジャケットを有するものの
場合には、この蒸気ジャケットの周囲に圧縮空気の供給
配管を密着させて設置し、蒸気ジャケットの内周側で滅
菌槽内を加熱する傍ら、その外周面において圧縮空気を
加熱する方法や、前記蒸気ジャケット内に圧縮空気の供
給配管の一部を配置し、蒸気ジャケット内の蒸気によっ
て圧縮空気を加熱する方法等がある。以上の方法は、特
に蒸気滅菌器において既存の装置を利用できる上で有効
であるが、ガス滅菌器においても、予熱行程や加湿行程
において蒸気を用いるものように、蒸気の使用が前提と
なっているものにおいて有効である。
【0007】また、一部の滅菌器のように、滅菌槽内の
加熱(或は予熱)や、蒸気の発生にに電熱手段を使用す
るものにおいては、この電熱手段の一部、或は新たに別
置した電熱手段によって圧縮空気を加熱する方法があ
る。この電熱手段としては、電気ヒータが一般的である
が、その他に誘導加熱、誘電加熱の原理を利用した加熱
手段を利用することができる。尚、蒸気滅菌器のように
蒸気発生器を備えたものであっても、圧縮空気の加熱に
電熱手段を用いてもよく、逆に、電熱手段を備えた滅菌
器であっても、圧縮空気の加熱のために蒸気発生器を設
けてこの蒸気を使用するように構成してもよいことは当
然である。また、滅菌槽内に導入する高温の圧縮空気の
圧力,温度条件は、高圧であるほど、高温であるほどよ
り大きな効果を発揮するが、被滅菌物の形状や材質の
他、この発明を適用する滅菌器の構造や用途によって決
定する。即ち、被滅菌物が温度により変形や劣化を生じ
るものである場合には、温度を比較的低く設定する。ま
た、既存の滅菌器に適用する場合には、この滅菌器の耐
圧限界を考慮してその圧力を決定する。例えば、一般的
な市販の医療用滅菌器では、その耐圧が2.5kg/cm2
程度であることから、空気の圧力は、0.5〜2.5kg
/cm2 に設定する。一方、既存の滅菌器に適用するので
はなく、新規に製造するものに適用する場合には、この
ような制限にはとらわれない。更に、前記高温の圧縮空
気の供給状態を監視するには、滅菌器に備わっている圧
力検出手段や温度検出手段を用いることにより、滅菌槽
内における状態の検出を行うことができるが、これらと
は別個に圧縮空気の供給配管に取付けて監視することが
できる。また、前述のように滅菌槽内に圧縮空気を導入
したあと、この状態を保持する場合には、適宜のタイマ
ー手段によってこの状態を保持する時間を設定する。以
上のような構成によれば、滅菌器における滅菌行程後の
後処理行程の短縮が図れるものである。
【0008】
【実施例】以下、この発明の具体的実施例を図面を参照
しながら説明する。尚、図1は、この発明の運転方法を
適用する蒸気滅菌器の一例を示す説明図である。図面に
おいて、被滅菌物を収容するための滅菌槽は、その周囲
を取り囲む蒸気ジャケット(2) を備えている。前記滅菌
槽(1) には、耐圧扉(図示省略)を設けた被滅菌物の出
入口があり、この耐圧扉を閉じることで滅菌槽(1) 内を
完全に密閉することができる。前記蒸気ジャケット(2)
には、予熱行程や滅菌工程等に使用する蒸気が通る第1
給蒸ライン(3) を接続してあり、この第1給蒸ライン
(3) には、その蒸気流れ方向上流側から順に第1給蒸弁
(4) 及び圧力調整のための給蒸圧調節弁(5) を接続して
ある。前記第1給蒸ライン(3) における給蒸圧調節弁
(5) と蒸気ジャケット(2) との間には、第1給蒸ライン
(3) と滅菌槽(1) とを接続する第2給蒸ライン(6) を接
続してある。この第2給蒸ライン(6) は、滅菌槽(1) 内
に蒸気を導入するためのもので、その途中には、第2給
蒸弁(7) を接続してある。前記滅菌槽(1) には、一端に
第1空気フィルタ(8) を備えた給気ライン(9) を接続し
てあり、この給気ライン(9) の途中には第1給気弁(10)
を接続してある。この給気ライン(9) における第1給気
弁(10)と滅菌槽(1) との間には、圧縮空気供給ライン(1
1)を接続してある。この圧縮空気供給ライン(11)は、一
端にコンプレッサ(12)を有し、その途中に空気流れ方向
上流側から順に、第2空気フィルタ(13),熱交換器(1
4),圧力調整のための空気圧調節弁(15),及び第2給気
弁(16)を接続してある。前記熱交換器(14)には、前記第
1給蒸ライン(3) から分岐する第3給蒸ライン(17)を接
続してあり、この第3給蒸ライン(17)の途中に接続した
第3給蒸弁(18)を開閉制御することによって、前記圧縮
空気供給ライン(11)中の圧縮空気を加熱する。前記第3
給蒸ライン(17)からの蒸気は、熱交換器(14)内におい
て、圧縮空気供給ライン(11)中の圧縮空気を加熱し、こ
の後、第3ドレンライン(19)を介して排出ライン(21)に
合流する。この第3ドレンライン(19)中には、第3スチ
ームトラップ(20)を接続し、排出ライン(21)にはドレン
のみを排出する構成となっている。前記滅菌槽(1) に接
続した排出ライン(21)は、途中で真空ライン(22)、排気
ライン(23)及び第1ドレンライン(24)の3系統に分岐す
る。前記真空ライン(22)には真空制御弁(25)及び真空ポ
ンプ(26)を、前記排気ライン(23)には排気弁(27)を、第
1ドレンライン(24)には第1スチームトラップ(28)を挿
入している。前記蒸気ジャケット(2) に接続した第2ド
レンライン(29)は、途中に第2スチームトラップ(30)を
挿入してあり、終端は、前記排出ライン(21)に合流す
る。
【0009】更に、滅菌器の運転を制御する制御装置(4
0)を設けてあり、この制御装置(40)は、予め設定された
手順に基づき、滅菌器の運転状態を監視する検出手段か
らの信号に応じて、真空ポンプ(26)や各弁を適切に制御
する。尚、図示する実施例においては、前記の検出手段
として、前記滅菌槽(1) 内の温度を監視する温度検出手
段(41)や、前記滅菌槽(1) 内の圧力を監視する圧力検出
手段(42)を例示している。
【0010】以上のような構成において、滅菌槽(1) に
被滅菌物を搬入後、次の各行程に従って滅菌作業を行
う。尚、以下の説明において、各弁はその動作を明記し
てなければ基本的に閉じているものとする。
【0011】1)予熱行程 第1給蒸弁(4) を開いて、蒸気ジャケット(2) 内に蒸気
を送給し、所定の圧力まで供給されるとこの蒸気圧力を
維持する。この状態では、前記蒸気ジャケット(2) から
の輻射熱により、滅菌槽(1) 内の被滅菌物が加温され
る。
【0012】2)真空行程 前記予熱行程により被滅菌物及び滅菌槽(1) 内を充分に
暖めた後、真空行程に入るが、その前に、第1給蒸弁
(4) を閉じておく。一方では、排気弁(27)を開いて滅菌
槽(1) 内の圧力を大気圧まで減圧する。(第2給気弁(1
6)は閉)。減圧後、真空制御弁(25)を開き真空ポンプ(2
6)を稼動させて、真空ライン(22)より滅菌槽(1) 内の空
気を排出する。続いて、真空制御弁(25)を閉じ、第2給
蒸弁(7) を短時間開いて、第2給蒸ライン(6) を介して
滅菌槽(1) 内に蒸気を導入する。この排気並びに蒸気導
入を交互に数回繰り返し行うことで、被滅菌物中に含ま
れる空気を充分に排出し、後の滅菌行程における蒸気の
加熱むら等を軽減する。
【0013】3)滅菌行程 充分に滅菌槽(1) 内の空気を排除した後、真空制御弁(2
5)を閉鎖し、第1給蒸弁(4) ,第2給蒸弁(7) を開放
し、第1給蒸ライン(3) 、第2給蒸ライン(6) を通し
て、滅菌槽(1) 内に高温高圧の蒸気を充満させる。この
後、滅菌槽(1) 内が設定滅菌温度(圧力)になった時点
で滅菌行程に入る。この滅菌行程において、被滅菌物
は、前記の予熱行程において充分に加熱されているため
に、第2給蒸ライン(6) からの蒸気が被滅菌物の表面に
接して大量に凝縮することはなく、水滴の発生が抑制さ
れる。そのため、被滅菌物の内部まで蒸気の熱を作用さ
せることができ、滅菌効果が確実なものとなる。
【0014】4)排気行程 所定の滅菌時間後、第2給蒸弁(7) を閉じて滅菌槽(1)
内への給蒸を停止し、排気弁(27)を開いて排気ライン(2
3)より滅菌槽(1) 内の蒸気を排出する。
【0015】5)乾燥行程 排気行程により滅菌槽(1) 内の圧力を大気圧近くまで下
げた後、乾燥行程に入る。まず、真空制御弁(25)を開
き、真空ポンプ(26)の稼動することにより、真空ライン
(22)を通して滅菌槽(1) 内を減圧し、被滅菌物の湿気を
排除する(真空乾燥)。次に、第3給蒸弁(18)を開放し
て第3給蒸ライン(17)から熱交換器(14)への給蒸を開始
し、更に、前記コンプレッサ(12)を作動させるとともに
第2給気弁(16)を開放する。この操作により、コンプレ
ッサ(12)からの圧縮空気は、第2空気フィルタ(13)によ
って汚染物質を除去され、清浄な圧縮空気として熱交換
器(14)内に流入する。そして、前記熱交換器(14)によっ
て所定温度(例えば、 100℃)に加熱された後、前記圧
縮空気供給ライン(11)から給気ライン(9) を介して滅菌
槽(1) 内に流入する。そして、前記高温の圧縮空気が滅
菌槽(1) 内において所定の圧力にまで達すると、次は第
2給気弁(16)を閉じ、排気弁(27)を開いて、滅菌槽(1)
を大気圧とする。滅菌槽(1) 内が大気圧となった後は、
前記排気弁(27)を閉じ、真空制御弁(25)を開くとともに
真空ポンプ(26)を起動し、再度減圧する。この一連の操
作において、滅菌槽(1) 内の水分は、高温の圧縮空気に
よって加熱され蒸発し、排気時に空気とともに排出され
る。以上の、高温の圧縮空気の導入と排出を繰り返し行
い、被滅菌物を充分に乾燥させる。この操作によって、
圧縮空気自体が保有する熱と、蒸気ジャケット(2) から
の輻射熱により、滅菌槽(1) 内の被滅菌物が加温される
が、さらにコンプレッサ(12)を稼動させて滅菌槽(1) 内
に圧縮空気を供給し(第2給気弁(11)は開)、内部の空
気を強制的に対流させて対流熱伝達、及び水分の搬出を
促進する(特にカスト内)。被滅菌物が所定の温度(例
えば、 100℃)に達するまでこの圧縮空気の導入を継続
するが、滅菌槽(1) 内の圧力が高くなりすぎるようであ
れば、滅菌槽(1) 内部を途中で一旦減圧し、前記圧縮空
気の導入を繰り返すようにする。また、滅菌槽(1) 内に
上述の高温の圧縮空気を満たした状態で、前記所定圧
力,所定温度のもとに所定時間保持する。以上の、前記
高温の圧縮空気の供給状態は、前述したように滅菌器に
備わっている温度検出手段(41)や、圧力検出手段(42)か
らの信号に基づき、制御装置(40)によって各弁や真空ポ
ンプ(26)を制御することによって行う。また、滅菌槽
(1)内に圧縮空気を導入したあと、この状態を保持する
時間は、この制御装置(40)に適宜のタイマー手段(図示
省略)を組込むことによって設定する。
【0016】ここで、前記圧縮空気の圧力を2kg/cm2
Gとし、その温度を 100℃とした場合と、従来通り、常
温常圧の空気を導入した場合とで、このまま15分間こ
の状態を維持した後、前記のようなカスト内の布帛(ガ
ーゼ,患者用衣類等)の重量変化を測定すると、前者で
は0.549kg /分,後者では0.369kg /分の重量変化であ
った。このことは、被滅菌物を乾燥させる際の乾燥速度
が1.5倍になっていることを意味する。尚、テストで
は予め適宜の湿り気を与えたガーゼをカスト内に収容し
た状態で、滅菌槽(1) 内に収容して行った。即ち、高温
の圧縮空気を滅菌槽(1) 内に導入することにより、滅菌
槽(1) 内の空気の密度を大幅に高めることになり、この
空気内に取込むことにできる蒸気量が増加するため、滅
菌槽(1) の内壁面からの輻射熱を被滅菌物に効果的に伝
達することができる。しかも、滅菌槽(1) 内は圧縮空気
であり、その密度は高くなっているために自然対流によ
る伝熱も効果的に行なわれるため、被滅菌物の乾燥度に
ムラが生じるのを防止できる。従って、以上の手順によ
れば、滅菌行程時に発生した水滴分を迅速に蒸発させる
ことができ、このことは、乾燥行程の短縮をも意味して
いる。また、このように前記滅菌槽(1) 内に高温の圧縮
空気を所定の圧力まで導入した後、この圧力を一定時間
保持することにより、高温の圧縮空気を被滅菌物(特に
布帛等の場合)の内部までに均一に浸透させることがで
きる。尚、この乾燥行程において、高温の圧縮空気の導
入、及び排出を1乃至複数回繰返し行うことにより、圧
縮空気の排出ごとに、圧縮空気内に取り込んだ水分を滅
菌槽の外に排出することができるため、前記被滅菌物の
乾燥度を高めることができる。特に、このように高温の
圧縮空気の導入、及び排出を複数回繰返し行う場合、そ
の何れかの導入時に際して、前記滅菌槽(1) 内における
圧縮空気の圧力を一定時間保持する制御とすることによ
り、コンプレッサ(12)の低容量化、小型化が図れる。
【0017】6)取り出し 乾燥行程終了後、第1給気弁(10)を開いて滅菌槽(1) を
第1空気フィルタ(8)を介して外部と通じさせ、大気圧
と同圧にするとともに、第1給蒸弁(4) を閉じ、蒸気ジ
ャケット(2) への給蒸を停止する。この後、滅菌槽(1)
の扉を開いて被滅菌物を取り出し、全行程が終了する。
以上のように、被滅菌物の乾燥が確実に行なわれること
により、乾燥行程の短縮化が図れることから、全体とし
て、1つの滅菌作業が短縮できる。
【0018】以上の実施例において、圧縮空気の加熱
は、圧縮空気供給ライン(11)に熱交換器(14)を接続して
蒸気との熱交換によって行っているが、この発明は、こ
のような熱交換器(14)のみならず、図2に示すように蒸
気ジャケット(2) の周囲に圧縮空気の供給配管(圧縮空
気供給ライン(11)の一部)を密着させて配置し、蒸気ジ
ャケット(2) の内周側で滅菌槽(1) 内を加熱する傍ら、
その外周面において圧縮空気を加熱する手法を採用する
こともできる。更に、前記蒸気ジャケット(2) 内に圧縮
空気の供給配管の一部を配置し、蒸気ジャケット(2) 内
の蒸気によって圧縮空気を加熱する方法も採用すること
ができる。即ち、圧縮空気供給ライン(11)の配管自体を
熱交換器として機能させることができる。
【0019】また、前記のように蒸気等の熱により圧縮
空気を加熱する他、電熱手段によって圧縮空気を加熱す
る方法があり、この例を図3に示す。この例では、前記
圧縮空気供給ライン(11)の一部にヒータ線(31)を配置
し、このヒータ線(31)を適宜のケーシング(32)で覆った
ものである。このヒータ線(31)は、電源(33)から電力供
給を受けるもので、この電力供給の継断は、前述の制御
装置(40)からの信号により、リレー接点(34)を開閉制御
することによって行なわれる。この構成によっても同様
に高温の圧縮空気を得ることができる。尚、図2,図3
に示す実施例について、前記図1に示す実施例と同一構
成物には同一の参照番号を附して、その動作の説明を省
略した。
【0020】
【発明の効果】この発明によれば、後処理行程の実行時
において、高温の圧縮空気を滅菌槽内に導入するように
構成したから、滅菌槽内の空気の密度を大幅に高めるこ
とになり、この圧縮空気内に取込むことにできる蒸気量
や滅菌ガスの量が増加するとともに、圧縮空気自体の保
有する熱及び滅菌槽からの輻射熱を被滅菌物に効果的に
伝達し、更に、自然対流による伝熱を促進するため、滅
菌行程後に被滅菌物に付着、或は残留している水分や滅
菌ガスを効果的に蒸発、或は分離による除去が行える。
更に、前記後処理行程の実行時に高温の圧縮空気を導入
するに際して、前記滅菌槽内に所定の圧力まで導入し、
この圧力を一定時間保持することにより、この圧縮空気
を被滅菌物(特に布帛等の場合)の内部までに均一に浸
透させることができる。加えて、後処理行程の実行時に
おいて、高温の圧縮空気の導入と排出を複数回繰返し行
うことにより、この圧縮空気の排出時に、圧縮空気内に
取り込んだ液滴分や滅菌ガスを滅菌槽の外に排出するこ
とができるため、前記被滅菌物からの分離の度合を高め
ることができる。また、この発明においては、高温の圧
縮空気を滅菌槽内に導入するものであるため、従来のよ
うに滅菌槽内に加熱手段を設けたものに比べて、圧縮空
気の加熱に関する構成を簡単にでき、しかも、高温の圧
縮空気によって、被滅菌物を均一に加熱できることか
ら、前述の水分や滅菌ガスの蒸発、或は分離による除去
を均一に、ムラ無く行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を説明するための系統図で
ある。
【図2】この発明の他の実施例を説明するための系統図
である。
【図3】この発明の更に他の実施例を説明するための系
統図である。
【符号の説明】
(1) 滅菌槽 (2) 蒸気ジャケット (11) 圧縮空気供給ライン (12) コンプレッサ (13) 第2空気フィルタ (14) 熱交換器 (15) 空気圧調節弁

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 滅菌槽(1) 内に収容した被滅菌物を滅菌
    する滅菌行程の後に、空気の導入と排出を行う後処理行
    程を実行する滅菌器において、前記後処理行程の実行時
    に、高温の圧縮空気を前記滅菌槽(1) 内に導入すること
    を特徴とする滅菌器の運転方法。
  2. 【請求項2】 前記後処理行程の実行時において、前記
    滅菌槽(1) 内に導入する高温の圧縮空気は、前記滅菌槽
    (1) 内に所定の圧力まで導入した後、この圧力を一定時
    間保持することを特徴とする請求項1記載の滅菌器の運
    転方法。
  3. 【請求項3】 前記後処理行程の実行時において、高温
    の圧縮空気の導入、及び排出を複数回繰返し行うことを
    特徴とする請求項1,又は請求項2記載の滅菌器の運転
    方法。
  4. 【請求項4】 前記後処理行程の実行時において、高温
    の圧縮空気の導入前に、真空吸引を行うことを特徴とす
    る請求項1,請求項2,又は請求項3記載の滅菌器の運
    転方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100342058B1 (ko) * 1999-12-30 2002-06-27 서우원 가스멸균장치

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100342058B1 (ko) * 1999-12-30 2002-06-27 서우원 가스멸균장치

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