JPH09169226A - 加速スリップ制御装置 - Google Patents

加速スリップ制御装置

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JPH09169226A
JPH09169226A JP7331400A JP33140095A JPH09169226A JP H09169226 A JPH09169226 A JP H09169226A JP 7331400 A JP7331400 A JP 7331400A JP 33140095 A JP33140095 A JP 33140095A JP H09169226 A JPH09169226 A JP H09169226A
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JP
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acceleration slip
wheel speed
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deviation
integrated value
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JP7331400A
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English (en)
Inventor
Daijiro Yumoto
大次郎 湯本
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
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Unisia Jecs Corp
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Publication date
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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 昇段時に加速スリップが生じた場合、加速ス
リップ低減量を抑え、昇段時の加速性能の悪化を防止す
るとともに、運転者が違和感を感じないようにするこ
と。 【解決手段】 車輪速センサcが検出する駆動輪速度と
目標輪速度との偏差を随時積算し、偏差積算値に基づい
て加速スリップ低減量を設定する加速スリップ低減量設
定手段dを備えた加速スリップ制御装置において、変速
装置bの昇段を検出する昇段検出手段fを設け、加速ス
リップ低減量設定手段dを、非昇段検出時には、今回の
駆動輪速度と目標輪速度との偏差値に積分ゲインを乗じ
た値である今回偏差値を前回の偏差積算値に加えた値を
今回の偏差積算値として算出し、一方、昇段時には、今
回の偏差積算値を求めるにあたり前回の偏差積算値に前
記今回偏差値を加えないよう構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、駆動輪のスリップ
量に応じて駆動力を制御する車両用の加速スリップ制御
装置に関し、特に、変速装置の昇段時の加速性能の悪化
を防止する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、加速スリップ制御装置として、例
えば、特開平4−183947号公報に記載のものが知
られている。この従来の加速スリップ制御装置は、原動
機への吸気管の上流にサブスロットル弁を設置し、通常
時はサブスロットル弁は全開放の状態であり、駆動力低
減制御時はサブスロットル弁を開弁することで吸気管上
流を絞り、原動機への吸入空気量を制限することで駆動
力を低減するよう構成されている。そして、この従来例
は、自動変速装置のギヤ比変更時(変速時)に発生する
加速スリップを抑制することを目的に発明されたもの
で、変速時はサブスロットル弁開度を、通常の駆動力低
減制御で設定された開度よりも小さい角度に設定するこ
とで、変速時の加速スリップを防止するように構成され
ているもので、すなわち変速に伴って加速スリップが発
生した時には、原動機の駆動力の低減量を通常の加速ス
リップ発生時の低減量よりも大きくするように構成され
ている。
【0003】また、他の従来技術として、自動変速装置
の変速比の変更(変速)を検知した場合は、変速により
生じる余剰駆動量分だけ所定制御量を駆動力低減制御量
に加算することで、ギヤ変速時の加速スリップを防止す
る技術や、あるいは、変速を検知した場合には、加速ス
リップ量に乗じる所定係数を変速前後で変更して加速ス
リップを防止する技術が公知であるが、いずれの従来技
術も、上述の従来技術と同様に、変速時に加速スリップ
が生じた場合、駆動力低減量を通常よりも大きくするよ
うに構成されている。なお、駆動力を低減する手段とし
ては、他にはエンジンへの燃料噴射弁を閉弁して、燃料
噴射量を制限することで駆動力を低減するなどが公知で
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来の加速スリップ制御装置にあっては、変速時(変速
比の変更時)には昇段・降段にかかわらず常に通常の加
速スリップ防止時よりも駆動力低減量を大きくする(加
速スリップの低減量を大きく)ように構成されていたた
めに、特に、昇段時には、変速比が変化することからス
リップ量(すなわち、駆動輪速度と従動輪速度との偏
差)が所定時間だけ生じやすく、加速スリップ発生に伴
って駆動力低減量を大きくする制御が成され、加速性能
が悪化するという問題点、ならびに運転者が加速操作に
対する違和感を感じるという問題点があった。本発明
は、上述の従来の問題点に着目してなされたもので、昇
段時に加速スリップが生じた場合、駆動輪速度と目標輪
速度との偏差である今回偏差値を加算することなく今回
の偏差積算値を求めることにより加速スリップ低減量を
抑え、昇段時の加速性能の悪化を防止するとともに、運
転者が違和感を感じないようにすることを目的としてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに請求項1記載の発明では、図1のクレーム対応図に
示すように、原動機aの出力軸を変速装置bを介して車
輪の駆動軸に連結した車両に設けられて車両の駆動輪速
度ならびに従動輪速度を検出する車輪速センサcと、こ
の車輪速センサcが検出する実際の駆動輪速度と目標輪
速度との偏差を随時積算し、この偏差積算値に基づいて
加速スリップ低減量を設定する加速スリップ低減量設定
手段dと、この加速スリップ低減量設定手段dの設定値
に基づいて加速スリップ量を低減させる加速スリップ低
減手段eと、を備えた加速スリップ制御装置において、
前記変速装置bの昇段を検出する昇段検出手段fを設
け、前記加速スリップ低減量設定手段dを、非昇段検出
時には、今回の駆動輪速度と目標輪速度との偏差値に積
分ゲインを乗じた値である今回偏差値を前回の偏差積算
値に加えた値を今回の偏差積算値として算出し、一方、
昇段時には、今回の偏差積算値を求めるにあたり前回の
偏差積算値に前記今回偏差値を加えないよう構成した。
また、請求項2記載の発明では、前記加速スリップ低減
量設定手段dを、昇段時において今回の偏差積算値を求
めるにあたり、前回の偏差積算値に、前記今回偏差値よ
りも明らかに小さな値であってギヤ位置ならびにアクセ
ル開度に基づいて設定する補正制御量を加算するよう構
成した。
【0006】
【作用】本発明では、加速スリップが生じそうな場合に
は、加速スリップ低減量設定手段dが、車輪速センサc
の検出する駆動輪速度ならびに従動輪速度に基づいて駆
動輪速度と目標輪速度との偏差を積算して、この偏差積
算値に対応して加速スリップ低減量を設定する。この
時、加速スリップ低減量設定手段dは、昇段時と非昇段
時とでは、同じ程度の加速スリップが生じそうであると
しても、それぞれ加速スリップ低減量は異なる値に設定
されることになる。すなわち、非昇段時には、前回の偏
差積算値に今回偏差値を積算して今回の偏差積算値を求
めるのに対して、昇段時には今回偏差値を積算すること
無しに今回の偏差積算値を求める。このように昇段時に
は今回偏差値を積算しないことから昇段時における今回
の偏差積算値は非昇段時における今回の偏差積算値より
も小さな値となる。したがって、昇段時において加速ス
リップを抑制する制御を行っても、従来と比較して加速
性能が低下することが無いとともに、運転者が加速操作
に対する違和感を感じない。ちなみに、加速スリップ量
の低減は、例えば、一部気筒における燃焼中止、燃料噴
射量の低減量、制動装置の作動などにより行う。請求項
2記載の発明では、加速スリップ低減量設定手段dは、
昇段時には前回の偏差積算値に今回偏差値を加算しない
替わりに、加速スリップ発生時において有り得る今回偏
差値よりも明らかに小さな値である補正制御量を前回の
偏差積算値に加算する。なお、この補正制御量は、変速
比ならびにアクセル開度に基づいて予め設定されてい
る。したがって、加速スリップが発生しそうな場合、昇
段時には、非昇段時に比べて今回の偏差積算値が小さな
値とするが、この請求項2記載の発明では、前回の偏差
積算値に補正制御量を加算することにより、昇段時にお
ける加速スリップ低減量の最適化を図り、加速スリップ
の抑制と、加速性能の低下防止および加速操作に対する
違和感防止の両立を図ることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。 (実施の形態1)図2は実施の形態1の加速スリップ制
御装置を示す構成図である。まず、構成を説明すると、
図中2,4は車両の従動輪としての左右前輪、6,8は
車両の駆動輪としての左右後輪、10,12は左右前輪
2,4の回転数を検知する左右前輪速度センサ、14は
プロペラシャフト32の回転数を検知する後輪速度セン
サである。前記各センサ10,12,14は、それぞれ
ピックアップコイルを使用した電磁式回転センサが使用
され、前輪2,4またはプロペラシャフト32の回転速
度に応じた周波数信号を出力する。
【0008】図中22は原動機としての4気筒4サイク
ルエンジンであり、エンジン22の出力トルクが自動変
速機30〜プロペラシャフト32〜ディファレンシャル
装置34〜左右ドライブシャフト36,38を経て、左
右後輪6,8が駆動されるように構成されている。
【0009】前記エンジン22は、吸気通路24を経て
インテークマニホールド26から空気を吸入するよう構
成され、その吸入空気量は、運転者により操作されるア
クセルペダル16に連動するスロットル弁18の動作に
より決定される。
【0010】20はスロットル開度センサ、40はエン
ジン回転数センサであり、前記スロットル開度センサ2
0は、スロットル弁18の近傍に設けられてスロットル
弁18の開度を検知して所定電圧を出力する。また、前
記エンジン回転数センサ40は、エンジン22の回転数
に応じた幅のパルス信号を出力する。
【0011】28は燃料インジェクタであり、この燃料
インジェクタ28は、エンジン制御装置50により燃料
噴射量を制御されて燃料をエンジン22の各気筒に供給
するよう構成されている。
【0012】前記エンジン制御装置50は、マイコンや
メモリなどから構成される一般的な電子制御装置であ
り、前記燃料インジェクタ28、スロットル開度センサ
20、エンジン回転数センサ40に接続されているとと
もに、トラクション制御装置60に接続されており、吸
入空気量とエンジン回転数から算出される一行程あたり
の吸入空気量に応じて燃料インジェクタ28を用いて燃
料噴射量制御を実行し、また、燃料遮断に適さない所定
条件が満たされた場合、燃料カット禁止信号をトラクシ
ョン制御装置60に送信し、また、燃料カット禁止信号
が無い場合でトラクション制御装置60から燃料カット
要求がある場合、燃料カット量の気筒数だけ燃料インジ
ェクタ28の燃料噴射を中断することでエンジン22の
出力を低減するよう構成されている。なお、エンジン制
御装置50の詳細な構成は、本発明と直接には関係しな
いからその説明は省略する。
【0013】前記トラクション制御装置60は、マイコ
ンやメモリなどから構成される一般的な電子制御装置
で、後輪速センサ14と左右前輪速度センサ10,12
とスロットル開度センサ20と自動変速装置30とエン
ジン制御装置50とに接続されており、各センサ10,
12,14から得られる車輪速度、スロットル弁開度セ
ンサ20から得られるアクセル操作に関する情報、なら
びに自動変速装置30からギヤ位置を読み込み、後輪
(駆動輪)6,8の加速スリップを検知した場合、所定
の演算から燃料カット量を算出してエンジン制御装置5
0に送信する。
【0014】変速制御装置70は、マイコンやメモリな
どから構成される一般的な電子制御装置で、後輪速度セ
ンサ14とスロットル開度センサ20と自動変速装置3
0に接続されており、車両の走行状態を示す車速とスロ
ットル弁18の開度とに応じて各変速段間(1〜2速、
2〜3速、3〜4速)で、昇段および降段の決定を行う
とともに、その決定結果に基づいて自動変速装置30の
変速を行うべく自動変速機30のシフトバルブ(図示省
略)の作動を制御するよう構成されている。
【0015】次に、図3のフローチャートを用いて、ト
ラクション制御装置60において実施される燃料カット
量を算出する演算の詳細を説明する。なお、この図に示
す制御は、所定の制御周期(例えば、10msec)ごと
に、STARTからENDまでの処理・判断を実施して
燃料カット量を算出するもので、各輪速度センサ10,
12,14から入力される車輪速度周波数信号の周期の
計測に基づいて各社輪速度を算出すること、ならびに、
スロットル開度センサ20から入力される電圧信号をA
/D変換してスロットル弁開度を算出する演算は、この
フローに示す制御を行う前段階で実施されているものと
する。
【0016】ステップS10では、トラクション制御の
基本となる従動輪速度VFF、駆動輪速度VWRR、目
標後輪速度VRRSを算出する。前記従動輪速度VFF
は、左右前輪速度センサ10,14からそれぞれ算出さ
れる前輪VWFLと右前輪速度VWFRとの平均値[V
FF=(VWFL+VWFR)/2]である。前記駆動
輪速度VRRは、後輪速度センサ14から算出される後
輪速度VWRRである(VRR=VWRR)。前記目標
後輪速度VRRSは、従動輪速度VFFにしきい値SL
IPSを加算して算出する(VRRS=VFF+SLI
PS)。なお、制御量演算の基本になる従動輪速度VF
Fと駆動輪速度VRRの算出前段で、ノイズ除去の目的
で、従動輪速度VFF、駆動輪速度VWRR、目標後輪
速度VRRSの信号に一般的なフィルタ処理を施しても
よい。また、しきい値SLIPSは、本実施例では正の
定数とするが、駆動輪の定常的な加速スリップ量やアク
セル操作量から変動する可変数として、加速スリップの
状態や運転者の加速意図をしきい値SLIPSに反映さ
せてもよい。
【0017】ステップS20では、変速制御装置70か
ら自動変速装置30のシフトバルブに指令される昇段/
降段作動信号を監視することにより、変速の有無に応じ
たフラグを設定するもので、昇段時には、所定時間(例
えば、変速に要する実時間)だけ変速フラグFSHIF
T=1とし、降段および変速無しでは、変速フラグFS
HIFT=0とする。
【0018】ステップS30では、積分ゲインKi(今
回)を決定する。この積分ゲインKiは、下記の表1の
ように、ギヤ位置に基づいて各ギヤ位置で最適な積分ゲ
インとする。
【表1】
【0019】ステップS40〜S60は、ギヤ変速中の
加速スリップが燃料カット量に影響を及ぼさないように
するために、最適の積分ゲインKiを決定するためのス
テップである。ステップS40では、変速フラグFSH
IFTが1である(すなわち、変速有りか)が否かを判
定して0では(変速無し)ステップS50に進み、1で
は(変速有り)ステップS60に進む。
【0020】ステップS50では、積分ゲインKi(今
回)としてステップS30で決定された積分ゲインKi
(今回)を用いる。ステップS60では、積分ゲインK
i(今回)=0とする。
【0021】ステップS70では、駆動輪速度VRRと
目標駆動輪速度VRRSとの偏差GSLIP、ならびに
偏差積算値ISLIPを、以下の演算から算出する。 GSLIP(今回)=VRR(今回)−VRRS(今
回) ISLIP(今回)=ISLIP(前回)+Ki×GS
LIP(今回) したがって、非昇段時には、偏差積算値ISLIPは、
ISLIP(前回)+Ki×GSLIP(今回)の積分
演算から求めることになるのに対して、昇段時には、K
i=0であるから今回の偏差積算値ISLIPとして前
回の偏差積算値ISLIPを用いることになる。したが
って、図4(a)においてAに示すだけスリップ量が増
加した場合、非昇段時には、同図(b)に示すように偏
差積算値ISLIPに、スリップ量Aに応じた偏差GS
LIPに積分ゲインKiを乗じた値が積算されるが、こ
のスリップ量Aの増加が図示のように、1速から2速に
シフトアップした際に生じた場合には、偏差積算値IS
LIPに対して、この変化量Aの偏差分を加えることな
く前回の偏差積算値ISLIPを用いる。ステップS8
0では、下記の式に基づいた処理により、F/B制御の
燃料カット量TCSFBを算出するもので、気筒数に換
算するために、偏差積算値ISLIP(今回)を所定気
筒数NCYLで割った商をF/B制御の燃料カット量T
CSFBとし、これを燃料カット量FCUTとする。
【0022】TCSFB=ISLIP(今回)/NCY
L FCUT(今回)=TCSFB(今回) ただし、0気筒≦FCUT(今回)≦全気筒である。よ
って、昇段時・非昇段時のそれぞれで図4に示すスリッ
プ量Aが生じたとすると、加速スリップが加算されてい
ないTCSFB(前回)は、加速スリップを加算したT
CSFB(今回)よりも小さな値となる。
【0023】したがって、 という理由により 変速時のFCUT(今回)=TCSFB(前回)+TC
SSHIFT <非変速時のFCUT=TCSFB(今回)となる。
【0024】ステップS90では、以上の制御流れの演
算により算出された燃料カット量FCUT(今回)を、
エンジン制御装置50に送信する。このエンジン制御装
置50は、燃料カット禁止信号の無い場合に限り、燃料
カット量FCUT(今回)に相当する気筒数を燃料カッ
トしてエンジンの出力を低減制御する。ただし、燃料カ
ット量FCUT(今回)=0の場合は、燃料カットを行
わない。
【0025】次に、トラクション制御装置60で実施さ
れる制御概要を図5のタイミングチャートで説明する。
1速から2速に昇段した場合を一例とする。図は、1速
および2速で適切に設定された状態から昇段を行ってス
リップが生じた場合を示しており、実線は従来例の場合
(すなわち、本実施例の非昇段時の場合に相当する)
で、駆動輪速VRRが目標駆動輪速VRRSを越える
と、スリップ量Aに相当する偏差GSLIPを前回の偏
差積算値ISLIPに加算してしまい、今回の偏差積算
値にISLIPは漸次上昇してこの偏差積算値ISLI
Pに基づいて求める燃料カット量FCUTが大きな値と
なって昇段後に加速性能不足が有る。点線は実施の形態
1の場合で、偏差GSLIP(スリップ量A)加算しな
いので、F/B制御の燃料カット量TCSFBが小さな
値となり、燃料カット量FCUTが非昇段時に比べて図
5において斜線で示す分だけ低減される。よって、加速
性能に損失が無いとともに、運転者が違和感を感じるこ
とがないという効果が得られる。
【0026】(実施の形態2)次に、実施の形態2につ
いて説明するが、この説明にあたり、実施の形態1との
相違点のみ説明する。この実施の形態2は、燃料カット
量FCUTを求めるにあたり、図6のフローチャートに
示すように、F/B制御の燃料カット量TCSFBに補
正制御量TCSSHIFTを加算するように構成した例
である。この補正制御量TCSSHIFTは、非昇段時
には0として処理され(ステップS500)、燃料カッ
ト量FCUTを実施の形態1と同じ値となるが、昇段時
には、その都度決定され(ステップS600)F/B制
御の燃料カット量TCSFBに加算される。補正制御量
TCSSHIFTは、図7に示すように、ギヤ位置変化
とアクセル開度から決定するされるもので、A11〜A
38の値を有しており、これらは、ギヤ変速中の加速ス
リップ抑制に適当な燃料カット気筒数であり、具体例を
示せば、A11〜A14=1,A15〜A24=2,A
25〜A28=3,A31〜A34=2,A35〜A3
8=3である。これらの補正制御量TCSSHIFT
は、所定時間(一例としてギヤ変速に要する実時間)だ
け演算される。また、この補正制御量TCSSHIFT
は、実車により何度も実験を行って最適の値を設定する
もので、その値は、前記所定時間が経過する間、偏差値
GSLIPを積算した場合よりも偏差積分値ISLIP
が必ず小さな値となるように設定されている。したがっ
て、実施の形態2では、昇段時には、その間、偏差値G
SLIPにゲインKiを掛けた値を加算しない替わり
に、この偏差値GSLIPにゲインKiを掛けた値より
は小さな値の補正制御量TCSSHIFTを加算するよ
うに構成したため、昇段時における加速スリップ低減量
の最適化を図り、加速スリップの抑制と、加速性能の低
下防止および加速操作に対する違和感防止の両立を図る
ことができる。
【0027】以上、実施の形態について説明したが、本
発明ではこれに限定されるものではない。例えば、実施
の形態では、ステップS60,S600において変速中
の積分ゲインKi=0としたが、ステップS30で決定
された積分ゲインKiに0.1〜0.2のような小さい
値の所定係数を乗じることにより、変速中の積分ゲイン
KiをステップS30で決定された積分ゲインKiから
変更した値を用いるようにしてもよい。
【0028】ところで、実施の形態では、駆動力を低減
する手段として燃料カットを用いたが、本発明はこれに
限定されるものではなく、駆動輪に配設された制動装置
で制動力制御を行うことにより駆動力を低減する手段を
用いても、同様の効果が得られる。また、エンジンへの
吸気管内において運転者が操作するメインスロットル弁
よりも上流に配設されたサブスロットル弁をモータで制
御する駆動力低減手段を用いても同様の効果が得られ
る。
【0029】また、変速機が手動の場合であっても、ク
ラッチのON/OFFスイッチおよびギヤ位置を検出す
る検出スイッチの信号を用いて、昇段および変速期間を
検出して前述のように、昇段を行う間の変速期間におけ
るスリップ制御量を減算してもよい。
【0030】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明の加速ス
リップ制御装置にあっては、駆動輪速度と目標駆動輪速
度との偏差を随時積算して加速スリップ低減量を設定す
るように構成されている加速スリップ低減量設定手段
を、昇段検出時には、今回偏差値(加速スリップ量)を
前回の偏差積算値に加算しないように構成したため、加
速スリップが生じた場合に、昇段時には非昇段時に比べ
て加速スリップ低減量が小さな値に設定されることにな
り、スリップの低減量を抑え、加速性能の悪化を防止で
きるという効果が得られる。
【0031】請求項2記載の発明では、昇段時には、前
回の偏差積算値に、今回偏差値よりも明らかに小さな値
であって変速比ならびにアクセル開度に基づいて設定す
る補正制御量を加算するよう構成しているため、昇段時
における加速スリップ低減量の最適化を図り、加速スリ
ップの抑制と、加速性能の低下防止および加速操作に対
する違和感防止の両立を図ることができるという効果が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加速スリップ制御装置を示す構成図で
ある。
【図2】実施の形態1の加速スリップ制御装置を示す全
体図である。
【図3】実施の形態1のトラクション制御装置の動作を
示すフローチャートである。
【図4】スリップ量変化および偏差積算値変化の一例を
示すタイムチャートである。
【図5】実施の形態ならびに従来例の一動作例を示すタ
イムチャート図である。
【図6】実施の形態1のトラクション制御装置の動作を
示すフローチャートである。
【図7】補正制御量TCSSHIFTの特性図である。
【符号の説明】
a 原動機 b 変速機 c 車輪速センサ d 加速スリップ低減量設定手段 e 加速スリップ低減手段 f 昇段検出手段 6 左後輪(駆動輪) 8 右後輪(駆動輪) 10 左前輪速度センサ 12 右前輪速度センサ 14 後輪速度センサ 22 エンジン 50 エンジン制御装置 60 トラクション制御装置 70 変速制御装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原動機の出力軸を変速装置を介して車輪
    の駆動軸に連結した車両に設けられて車両の駆動輪速度
    ならびに従動輪速度を検出する車輪速センサと、 この車輪速センサが検出する実際の駆動輪速度と目標輪
    速度との偏差を随時積算し、この偏差積算値に基づいて
    加速スリップ低減量を設定する加速スリップ低減量設定
    手段と、 この加速スリップ低減量設定手段の設定値に基づいて加
    速スリップ量を低減させる加速スリップ低減手段と、を
    備えた加速スリップ制御装置において、 前記変速装置の昇段を検出する昇段検出手段を設け、 前記加速スリップ低減量設定手段を、非昇段検出時に
    は、今回の駆動輪速度と目標輪速度との偏差値に積分ゲ
    インを乗じた値である今回偏差値を前回の偏差積算値に
    加えた値を今回の偏差積算値として算出し、一方、昇段
    時には、今回の偏差積算値を求めるにあたり前回の偏差
    積算値に前記今回偏差値を加えないよう構成したことを
    特徴とする加速スリップ制御装置。
  2. 【請求項2】 前記加速スリップ低減量設定手段が、昇
    段時において今回の偏差積算値を求めるにあたり、前回
    の偏差積算値に、前記今回偏差値よりも明らかに小さな
    値であって変速比ならびにアクセル開度に基づいて設定
    する補正制御量を加算するよう構成されていることを特
    徴とする請求項1記載の加速スリップ制御装置。
JP7331400A 1995-12-20 1995-12-20 加速スリップ制御装置 Pending JPH09169226A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019099106A (ja) * 2017-12-08 2019-06-24 マツダ株式会社 車両の制御装置

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