JP2903843B2 - 加速スリップ制御装置 - Google Patents

加速スリップ制御装置

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JP2903843B2
JP2903843B2 JP6505092A JP6505092A JP2903843B2 JP 2903843 B2 JP2903843 B2 JP 2903843B2 JP 6505092 A JP6505092 A JP 6505092A JP 6505092 A JP6505092 A JP 6505092A JP 2903843 B2 JP2903843 B2 JP 2903843B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は加速スリップ制御装置に
係り、特に自動変速機を備えた車両の加速時における駆
動輪のスリップを抑えるように、駆動力を適切に制御す
る加速スリップ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に凍結路などの滑り易い路面におい
て加速した時には、内燃機関から駆動輪に伝達されるト
ルクが路面の最大摩擦力より過大となり、駆動輪がスリ
ップして駆動力が低下し、横方向の力が低下して車両は
加速不良となると共に不安定状態になる。
【0003】そこで、従来より、自動変速機を備えた車
両の駆動輪がスリップした時は、その時点の自動変速機
内のトルクコンバータの速度比に或る定数を乗算してス
リップを抑制するための目標速度比を算出し、駆動輪の
車輪速が目標車輪速になった時にトルクコンバータの速
度比が上記目標速度比となるように、内燃機関の機関回
転数を制御することにより、スリップを抑制する加速ス
リップ制御装置が知られている(特開昭64−8383
0号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、駆動輪に発
生するトルク(出力軸トルク)をTout、駆動輪に伝
達される軸トルク(入力軸トルク)をTin、トルク比
をt、トルク容量をC、駆動輪に伝達される機関回転数
(入力軸回転数)をNin、駆動輪に発生する回転数
(出力軸回転数)をNout、トルクコンバータの速度
比をeとすると、これらには夫々次のような関係があ
る。
【0005】
【数1】
【0006】従って、上式を整理すると、 Tout=C・t・Nin2 (2) となり、駆動輪に発生するトルクToutはトルクコン
バータの速度比eを一定とすると、トルクコンバータの
速度比eの関数であるトルク容量C及びトルク比tも夫
々一定となるから、機関回転数Ninの2乗に比例す
る。
【0007】しかるに、前記した従来の加速スリップ制
御装置では、トルクコンバータの速度比が一定の目標速
度比になるように駆動力を制御しているため、車速が上
昇すると、目標の駆動輪車輪速が上昇してトルクコンバ
ータの目標出力軸回転数Noutも上昇し、それに比例
して機関回転数Ninも上昇することとなる。この結
果、従来の加速スリップ制御装置では、駆動輪に発生す
るトルクToutとして極めて大なる値を必要とするこ
ととなるため、目標速度比に制御しようとしても駆動輪
は再びスリップし、十分な制御効果が得られない。
【0008】そこで、本発明者は本願と同日付け出願の
特願平4−64489号にて、駆動輪の目標車輪速と自
動変速機内のトルクコンバータの目標トルクとに基づい
て目標エンジン回転数を算出し、その目標エンジン回転
数が得られるようにエンジンの駆動力を制御するように
した加速スリップ制御装置を提案した。この本発明者の
提案装置によれば、トルクコンバータの目標トルクを設
定しているので、駆動トルクが過大となることを防止す
ることができる。
【0009】しかし、この提案装置ではトルクコンバー
タの目標トルクを車体の旋回情報を含めずに算出してい
るために、旋回の開始や終了によって駆動輪がスリップ
する可能性がある。
【0010】本発明は以上の点に鑑みてなされたもの
で、トルクコンバータの目標トルクを旋回情報を含めて
設定することにより、上記の課題を解決した加速スリッ
プ制御装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理構成
図を示す。目標車輪速算出手段11は自動変速機17を
備えるエンジン16が搭載された車両の駆動輪の目標車
輪速を算出する。目標トルク算出手段12は自動変速機
17内のトルクコンバータ18の駆動輪のスリップを生
じない出力目標トルクを算出する。
【0012】目標トルク減少手段13は車両の旋回走行
時に、目標トルク算出手段12により算出された目標ト
ルクを減少する。目標エンジン回転数算出手段14は、
算出された上記の目標車輪速と目標トルク減少手段13
よりの目標トルクに基づき、目標エンジン回転数を算出
する。制御手段15は現在のエンジン回転数が、目標エ
ンジン回転数算出手段14で算出された目標エンジン回
転数となるようにエンジン16の駆動力を制御する。
【0013】
【作用】本発明では目標トルク算出手段12により、駆
動輪のスリップを生じさせることのない目標トルクを算
出し、車両旋回走行時には目標トルク減少手段13で旋
回情報に応じて減少させた目標トルクと目標車輪速算出
手段11で算出された駆動輪の目標車輪速とから、目標
エンジン回転数を算出する。すなわち、本発明ではトル
クコンバータ18の速度比を一定にすることなく、トル
クコンバータ18の目標トルクを旋回情報を含めて算出
し、車両旋回時には目標トルクを減少できる。
【0014】
【実施例】図2は本発明の一実施例のシステム構成図を
示す。同図中、電子制御装置21はマイクロコンピュー
タより構成されており、スリップ制御のために各部を制
御する。エンジン22は前記エンジン16に相当し、そ
の出力軸が自動変速機23(前記自動変速機17に相
当)内のトルクコンバータに直結され、また内部に回転
数検出センサ24を有し、回転数検出センサ24より電
子制御装置21へエンジン回転数検出信号を供給する。
【0015】また、25及び26は前輪、27及び28
は後輪で、後輪27及び28は自動変速機23に連結さ
れたプロペラシャフト29、プロペラシャフト29の回
転を減速するデファレンシャルギヤ30及びドライブシ
ャフト31,32を介してエンジン22の動力が伝達さ
れる。すなわち、本実施例は車両の駆動方式は後輪駆動
方式であり、後輪27及び28が駆動輪である。
【0016】自動変速機23は現在のギヤ位置を信号線
33を介して電子制御装置21に通知するよう構成され
ている。前輪25及び26と後輪27及び28とには夫
々車輪速センサ34及び35と36及び37が設けら
れ、車輪速センサ34〜37より各車輪25〜28の車
輪速検出信号が電子制御装置21に供給される。
【0017】吸気管38はインテークマニホルド39を
介してエンジン22内に連通されており、またその内部
にはスロットルバルブ40が設けられている。スロット
ルバルブ40はモータ41によりスロットル開度が制御
される電子スロットル装置を構成している。
【0018】モータ41はアクセルペダル42の踏量を
検出するアクセルペダル踏量センサ43よりの踏量検出
信号が供給される電子制御装置21により演算された値
に基づいて回転制御され、スロットルバルブ40を電子
制御装置21で演算されたスロットル開度又はアクセル
ペダル42の踏量に応じたスロットル開度とする。エン
ジン22の出力はこのスロットル開度に応じて調整され
る。
【0019】また、前後加速度検出センサ44は車両の
前後方向の加速度を検出し、横加速度検出センサ45は
車両の横方向の加速度を検出する。回転数検出センサ4
6はプロペラシャフト29の回転数を検出する。これら
の前後加速度検出センサ44、横加速度検出センサ45
及び回転数検出センサ46の各出力検出信号は電子制御
装置21に入力される。
【0020】電子制御装置21は上記の各センサからの
入力検出信号に基づき、前記した目標車輪速算出手段1
1、目標トルク算出手段12、目標トルク減少手段1
3、目標エンジン回転数算出手段14及び制御手段15
をソフトウェア処理により実現する装置で、次にこの電
子制御装置21の動作について図3乃至図8と共に説明
する。
【0021】電子制御装置21は図3に示す動作作用を
適当な周期で繰り返し実行する。図3において、まず電
子制御装置21は推定車体速uest (m/s)を算出す
る(ステップ101)。本実施例は図2に示したように
後輪駆動方式なので、車輪速センサ34及び35から読
み取った、左右前輪25及び26の車輪速wfl(m/
s)とwfr(m/s)の平均値を算出して推定車体速u
est とする。
【0022】次に上記の推定車体速uest に1より大な
る定数の目標スリップ比sobj を乗算し(ステップ10
2)、駆動輪である後輪27及び28の目標車輪速w
obj を算出する(ステップ103)。車両が加速をする
ためには、車体の速度よりも駆動に必要なスリップ比の
分だけ速い車輪速を必要とするために、目標スリップ比
obj を推定車体速uest に乗算するのである。上記の
ステップ101〜103により前記した目標車輪速算出
手段11が実現される。
【0023】一方、車輪速センサ34,35,36及び
37から4輪の車輪速の中で最大の車輪速wmax (m/
s)を求める(ステップ104)。そして、ステップ1
01で算出した指定車体速uest に判定のための定数で
ある判定スリップ比sjud を乗算し(ステップ10
5)、その乗算結果wjud と最大車輪速wmax とを大小
比較し(ステップ106)、スリップ判定値Slip を求
める。
【0024】ここで、wmax >wjud のときは駆動輪が
ストップしているものと判断してスリップ判定値Slip
を“1”とし、wmax ≦wjud のときには駆動輪がスリ
ップしていないものと判断してスリップ判定値Slip
“0”とする。
【0025】一方、電子制御装置21は前後加速度セン
サ44の検出信号から車両の前後方向に発生している加
速度Gx 〔m/s2 〕を読み取ると共に(ステップ10
7)、横加速度検出センサ45の検出信号から車両の進
行方向に対して直交する方向に発生している横加速度G
y 〔m/s2 〕を読み取る(ステップ108)。そし
て、これらの加速度Gx 及びGy のベクトル和を次式に
より求め(ステップ109)、車両の旋回情報を含めた
車両に発生している総合加速度Gtotal を得る(ステッ
プ110)。
【0026】
【数2】
【0027】そして、前記スリップ判定値Slip と総合
加速度Gtotal と最大加速度Gmaxとの関係を比較し
(ステップ111)、次式の如く最大加速度Gmax を変
更する(ステップ112)。
【0028】
【数3】
【0029】(4)式よりわかるように、スリップが発
生しており(Slip =1)、かつ、その時点の車両の総
合加速度Gtotal がそれ以前の最大加速度Gmax より小
なるときは、現時点の加速度Gtotal 以上加速すると駆
動輪がスリップしてしまうから、最大加速度Gmax をそ
れより小なる値Gtotal に変更する。また、スリップが
発生していないと判断されたときは(Slip =0)、現
時点の加速度Gtotalが最大加速度Gmax より大であっ
ても駆動輪がスリップしていないから、最大加速度G
max をそれより大なる値Gtotal に変更する。
【0030】更に、上記以外の場合には最大加速度G
max の値は変更しない。なお、最大加速度Gmax の初期
値は例えば9.8m/s2 に設定されている。
【0031】続いて、この最大加速度Gmax と前記した
横加速度検出センサ45の検出信号から読み取られた横
加速度Gy との減算を減算回路113で次の(5)式又
は(6)式に基づいて行なって、発生してよい前後加速
度Gxlimitを求める(ステップ114)。
【0032】
【数4】
【0033】上記の減算は(5)式及び(6)式のいず
れか一方を採用して行なわれる。しかし、駆動力配分や
荷重配分を考慮して演算してもよい。このようにして、
現在の路面、車両の旋回走行状態において、駆動輪をス
リップさせずに発生することのできる最大加速度G
xlimitが求められる。
【0034】なお、上記の(5)式又は(6)式による
減算は後述のステップ117での演算により算出される
トルクコンバータの目標トルクToutobjを実質的に減少
させる演算であり、この減算によって車両の旋回走行時
の目標トルクを小さくすることができる。
【0035】続いて、自動変速機23から信号線33を
介して電子制御装置21に入力されるギヤ位置検出信号
から読み取った現在のギヤ位置からトランスミッション
ギヤ比Rtmを算出し、更にデファレンシャルギヤ30の
ギヤ比Rdif より次式に基づいて総ギヤ比Rt を算出す
る(ステップ115)。
【0036】 Rt =Rtm・Rdif (7) 続いて、定数のタイヤ径Rtireを電子制御装置21内の
メモリより読み取った後(ステップ116)、Rt ・R
tire・Gxlimitなる乗算を行なって(ステップ11
7)、自動変速機23内のトルクコンバータの目標トル
クToutobjを算出する(ステップ118)。
【0037】この目標トルクToutobjは前述したステッ
プ114により算出された前後方向の最大加速度G
xlimitに応じて演算された値であるから、現在の路面及
び車両の旋回走行状態において駆動輪をスリップさせず
に発生することのできる、トルクコンバータが出力して
も良いトルクである。このようにして、ステップ104
〜118により前記した目標トルク算出手段12及び目
標トルク減少手段13が実現される。
【0038】次にステップ103で求めた駆動輪の目標
車輪速wobj が駆動輪に発生したと仮定したときのトル
クコンバータの出力軸の回転数Noutobjを次式により算
出し、更にトルクコンバータのトルク容量線図を用いて
トルクコンバータの速度比e obj を算出し(ステップ1
19)、これらより目標エンジン回転数Ninobj を算出
する(ステップ120)。
【0039】
【数5】
【0040】すなわち、上記について更に説明するに、
前述した(1)式が成立するため、トルクコンバータの
トルク容量線図は図4に示す如くになり、トルクコンバ
ータのトルク比tとトルク容量Cはトルクコンバータの
速度比eの関数である。ここで、前記(1)式を整理す
ると次式が得られる。
【0041】
【数6】
【0042】(9)式の左辺をCt と置くと、Ct =T
out /Nout であり、Tout にTou tobjを代入し、N
out にNoutobjを代入すると、Ctobjが求まる。そし
て、トルクコンバータの速度比eと(9)式のCt の関
係を、予め算出して図5に示す如きマップとして用意し
ておき、上記の如く算出したCtobjに対応するトルクコ
ンバータの目標速度比eobj を図5のマップを参照して
算出する。
【0043】そして、このトルクコンバータの目標速度
比eobj と前記(1)式中のトルクコンバータの速度比
eの式から、次式に基づいて目標エンジン回転数N
inobj が算出される。
【0044】
【数7】
【0045】このようにして、ステップ119及び12
0により、前記した目標エンジン回転数算出手段14が
実現される。
【0046】次にエンジン22が前記目標トルクT
outobjを発生するめに必要なスロットル増分開度Th
add を、図6に示す如きトルク−スロットル増分開度マ
ップを目標トルクToutobjで参照して求める(ステップ
121)。また、エンジン22の無負荷状態において前
記目標エンジン回転数Ninobj を発生するために必要な
スロットル開度ThnLを、図7に示す如くエンジン回転
数に略比例してスロットル開度が増加するマップを目標
エンジン回転数Ninobj で参照して求める(ステップ1
22)。
【0047】更に、現在のエンジン回転数Ne を図2の
回転数検出センサ24の出力検出信号に基づいて読み取
り(ステップ123)、このエンジン回転数Ne と前記
目標エンジン回転数Ninobj とをPID制御演算機に入
力して、公知の比例(P)、積分(I)、及び微分
(D)の各動作による制御に基づき、エンジン回転数N
eを目標エンジン回転数Ninobj にするようなスロット
ル開度ThPID を算出する(ステップ124)。
【0048】そして、上記のスロットル増分開度度Th
add 、スロットル開度ThnL及びPID制御のスロット
ル開度ThPID とを夫々次式に示す如く加算し(ステッ
プ125)、目標スロットル開度Thobj を決定する
(ステップ126)。 Thobj =Thadd +ThnL+ThPID (11) また、電子制御装置21はアクセルペダル踏量センサ4
3よりの検出信号より読み取った値に従って、電子制御
壮装置21内のメモリに予め格納されている図8のマッ
プを参照し、ドライバスロットル開度ThD を決定する
(ステップ127)。図8のマップはアクセル踏量の増
加に応じて非直線的にスロットル開度が増加する特性を
示している。
【0049】そして、上記の目標スロットル開度Th
obj とドライバスロットル開度ThDとを大小比較し
(ステップ128)、小さい方のスロットル開度を最終
的なスロットル開度Thとして決定する(ステップ12
9)。暴走を防止するためである。電子制御装置21は
このスロットル開度Thが得られるように図2のモータ
41の回転制御をして実スロットル開度を調整する。
【0050】これにより、エンジン22の駆動力が、エ
ンジン回転数Ne が前記目標エンジン回転数Ninobj
なるように制御されることとなる。このようにして、ス
テップ121〜129により前記した制御手段15が実
現される。
【0051】本実施例によれば、駆動輪の車輪速を目標
車輪速wobj となるように制御する際に、トルクコンバ
ータの目標トルクToutobjを現在の路面及び車両の旋回
状態の夫々において駆動輪をスリップさせずに発生する
ことのできる値に設定しており、トルクコンバータの速
度比を一定にする制御を行なっていないので、エンジン
22の駆動力が過大になるのを防止することができ、従
来装置に比し旋回時にも制御性を向上することができ
る。
【0052】本実施例によれば、例えば図11に破線で
示す如く、ドライバが計測開始後1.5秒付近で大きく
アクセルペダル42を踏んでアクセルペダルを踏量を大
とし、加速操作をし、これにより図9に実線で示す駆動
輪の車輪速が図9に破線で示す実車速よりも2秒〜約
2.5秒の間T1 でかなり大きくなったものとすると、
駆動輪の車輪速が最大車輪速wmax に対応し、実車速よ
りも若干大なる車速が判定車輪速wjnd に対応するか
ら、前記ステップ106によりスリップ判定値Sli p
“1”とされ、駆動輪の車輪速がスリップしているもの
と判断される。
【0053】すると、上記のスリップ判定期間T1 の直
前まで初期値9.8m/sに設定されていた最大車両加
速度Gmax の値が、図10に実線で示す如くスリップ判
定期間T1 では前記(4)式に基づいてその時点におけ
る車両の加速度Gtotal に変更される。これにより、ス
テップ114で減算出力される前後加速度Gxlimitが減
少するので、前記ステップ117の演算によりトルクコ
ンバータの目標トルクToutobjがその直前の値より小な
る値に変更される。
【0054】上記のトルクコンバータの目標トルクT
outobjの小なる値への変更に伴って、ステップ120で
決定される目標エンジン回転数Ninobj が、図12に実
線で示す如くスリップ判定期間T1 でそれ以前より低回
転数に設定される。なお、図12中、破線は実際のエン
ジン回転数Ne を示す。
【0055】上記の目標エンジン回転数Ninobj の低回
転数への変更に伴って、ステップ126で求められる目
標スロットル開度Thobj がスリップ判定期間T1 にお
いてアクセルペダル踏量によるスロットル開度ThD
り十分に小なる値に決定されるから、目標スロットル開
度Thobj がそのまま図11に実線で示す最終的なスロ
ットル開度Thとされる。
【0056】最終的なスロットル開度Thが図11に実
線で示す如くスリップ判定期間T1において、全閉とさ
れることにより、エンジン22の実回転数Ne が図12
に破線で示す如くスリップ判定期間T1 で急速に低下せ
しめられて図9に破線で示す実車速に短時間で略一致す
るようにされる。このようにして、本実施例によれば、
短時間で駆動輪のスリップの発生を抑制することができ
る。
【0057】また、路面がドライのアスファルトでは最
大摩擦係数がウェットのアスファルト等の他の路面に比
べて大きいために、駆動輪がスリップするということは
車両が直進する状態では少ないが、車両が旋回する状態
では駆動輪がスリップする可能性が大きくなる。
【0058】しかし、本実施例によれば、そのような場
合に最大加速度Gmax の初期値を9.8m/s2 程度の
適当な値にしておくことにより、駆動輪がスリップを一
度もしなくても、旋回中にトルクコンバータの目標トル
クが小さくされるためにスロットルバルブを開けない制
御をすることとなり、駆動輪のスリップを未然に防止す
ることができる。
【0059】なお、本発明は上記の実施例に限定される
ものではなく、例えばエンジン22の駆動力を制御する
制御手段15としては、スロットル開度制御に限らず、
燃料噴射弁による燃料噴射をカットする手段を付加した
り、点火時期を遅らせたりする手段を付加してもよく、
その場合には制御応答の遅れを防止することができる。
【0060】また、車両の駆動方式は後輪駆動方式に限
らず、前輪駆動方式及び4輪駆動方式のいずれでもよ
い。前輪駆動方式の場合には車両の速度推定に左右後輪
の車輪速の平均値を用い、4輪駆動方式の場合には非接
触の車速計を用いるか、4輪の車輪速と車両状態とを用
いて推定車速を求める。
【0061】
【発明の効果】上述の如く、本発明によれば、トルクコ
ンバータの速度比を一定にすることなく、トルクコンバ
ータの目標トルクを旋回情報を含めて算出し、車両旋回
時には目標トルクを減少することができるため、駆動輪
に発生するトルクを過大にすることを防止できると共
に、車両の旋回走行時の駆動輪のスリップの発生を抑制
することができ、従来に比しスリップ抑制の制御性を向
上することができる等の特長を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理構成図である。
【図2】本発明の一実施例のシステム構成図である。
【図3】本発明の要部の一実施例の動作説明図である。
【図4】トルクコンバータのトルク容量線図である。
【図5】トルクコンバータの速度比算出用のマップを示
す図である。
【図6】トルク−スロットル増分開度マップを示す図で
ある。
【図7】エンジン回転数−スロットル開度マップを示す
図である。
【図8】アクセル踏量−スロットル開度マップを示す図
である。
【図9】駆動輪の車輪速と実車速の関係の一例を示す図
である。
【図10】最大車両加速度の変化の一例を示す図であ
る。
【図11】アクセルペダル踏量とスロットル開度の一例
を示す図である。
【図12】目標エンジン回転数と実回転数との関係の一
例を示す図である。
【符号の説明】
11 目標車輪速算出手段 12 目標トルク算出手段 13 目標トルク減少手段 14 目標エンジン回転数算出手段 15 制御手段 16,22 エンジン 17,23 自動変速機 18 トルクコンバータ 21 電子制御装置 24,46 回転数検出センサ 34〜37 車輪速センサ 41 モータ 43 アクセルペダル踏量センサ 44 前後加速度検出センサ 45 横加速度検出センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02D 29/02 311 F02D 41/14 320 F02D 45/00 322 F02D 45/00 345

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動変速機を備えるエンジンが搭載され
    た車両の駆動輪の目標車輪速を算出する目標車輪速算出
    手段と、 前記自動変速機内のトルクコンバータの、駆動輪のスリ
    ップを生じない出力目標トルクを算出する目標トルク算
    出手段と、 前記車両の旋回走行時に前記目標トルク算出手段により
    算出された目標トルクを減少する目標トルク減少手段
    と、 前記目標車輪速と前記目標トルク減少手段よりの目標ト
    ルクとに基づき、目標エンジン回転数を算出する目標エ
    ンジン回転数算出手段と、 現在のエンジン回転数が、算出された前記目標エンジン
    回転数となるようにエンジンの駆動力を制御する制御手
    段とを有することを特徴とする加速スリップ制御装置。
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